JPH11304212A - フィルタ洗浄方法及びフィルタ洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄液を循環させる循環ポンプを洗浄液の無
い状態にて空運転し破損させることが無く、また、洗浄
液量を適切に確保出来てフィルタ洗浄能力を良好に維持
できるフィルタ洗浄方法及びフィルタ洗浄装置を提供す
ること。 【解決手段】 空気浄化を行うフード本体１１内の通気
経路Ａに立設された空気浄化用フィルタ２を洗浄するフ
ィルタ洗浄装置である。空気浄化用フィルタ２下部の洗
浄液蓄積槽４に、フィルタ２上部から流下する洗浄剤濃
縮液を循環部６を介してフィルタ２上部へ循環させる循
環ポンプ５を設け、洗浄液蓄積槽４へ給水する給水パイ
プ１５を設けて、該フィルタ２を空気浄化運転中又は空
気浄化運転後に洗浄するフィルタ洗浄部を形成し、洗浄
液が所定量以下の蓄積量のときに所定水量の給水するよ
う成す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、おもに厨房の調理
機器上に設置され、調理時に発生する油煙等の被浄化空
気を吸引して浄化し排気する空気浄化装置のフィルタ洗
浄方法及びフィルタ洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、家庭においても、厨房などにて調
理時に発生する油煙等の被浄化空気を吸引して浄化し排
気する換気装置が普及している。この種の換気装置は、
厨房などの室内空気を浄化して排気する空気浄化装置
で、一般にレンジフードと呼ばれており、厨房に設けら
れた調理機器であるレンジ台上方に設置されている。

【０００３】上記の空気浄化装置においては、例えば、
特開平９−１０５５４４として、図６に示す如く、フー
ド本体１１内の通気経路Ａにフィルタ２を立設するとと
もに同フィルタ２上部に洗浄液流下供給手段である洗浄
液散布樋３を設け、同フィルタ２下部に流下洗浄液を受
け蓄積する洗浄液受け皿４１、この洗浄液受け皿４１下
方に洗浄液蓄積槽４を設け、同洗浄液蓄積槽４から循環
部６を介して洗浄液散布樋３に向けて洗浄液を循環させ
る循環ポンプ５を配設具備して浄化部を形成し、被浄化
空気を吸気ファン（図示せず）にて通気経路Ａを介して
吸引通気し空気浄化する、浄化運転中又は浄化運転後に
フィルタ２へ洗浄液を供給するものが提案されている。

【０００４】したがって、この空気浄化装置によると、
浄化運転中又は浄化運転後に、フィルタ２へ供給された
洗浄液にてフィルタ２表面に被膜が形成され、フィルタ
２へ付着する油分、水蒸気がフィルタ２に沿って流れ落
ちる洗浄液によって洗浄され、フィルタ２を人手によら
ず清掃できて洗浄液が洗浄液受け皿４１にて受けられ
て、フィルタ２より下方へ落下することが無くレンジフ
ードの下方を洗浄液にて汚すことが無い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術のフィルタ洗浄装置においては、フィルタ２へ
供給されたフィルタ表面へ付着した洗浄液被膜が、吸気
ファンに向け水滴となって飛散することがあった。そし
て、この洗浄液の飛散、あるいは洗浄液の蒸発によって
洗浄液量が不足した場合、洗浄能力が低下してフィルタ
２表面の油成分が確実に洗浄されないことや、循環ポン
プ５を洗浄液の無い状態にて空運転した場合には循環ポ
ンプ５を破損することが懸念された。

【０００６】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、洗浄液を循環させる循環
ポンプを洗浄液の無い状態にて空運転し破損させること
が無く、また、洗浄液量を適切に確保出来てフィルタ洗
浄能力を良好に維持できるフィルタ洗浄方法及びフィル
タ洗浄装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載のフィルタ洗浄方法は、空気浄化を行
うフード本体内の通気経路に立設された空気浄化用フィ
ルタを洗浄するフィルタ洗浄方法であって、空気浄化運
転中又は空気浄化運転後に、洗浄剤濃縮液をフィルタの
上部から下部に流下させ、同洗浄液を受けて蓄積してフ
ィルタ上部へその蓄積された洗浄液を循環させて、洗浄
液が所定量以下の蓄積量のときに所定水量の給水を行
う。

【０００８】したがって、この場合、空気浄化運転中又
は空気浄化運転後に、洗浄剤濃縮液がフィルタの上部か
ら下部に流下され、同洗浄液が受けられ蓄積されてフィ
ルタ上部へその蓄積された洗浄液が循環されて、洗浄液
が所定量以下の蓄積量のときに所定水量の給水がなされ
る。

【０００９】また、請求項２記載のフィルタ洗浄装置
は、空気浄化を行うフード本体内の通気経路に立設され
た空気浄化用フィルタを洗浄するフィルタ洗浄装置であ
って、空気浄化用フィルタ下部の洗浄液蓄積槽に、同フ
ィルタ上部から流下する洗浄剤濃縮液を循環部を介して
フィルタ上部へ循環させる循環ポンプを設け、該洗浄液
蓄積槽へ給水する給水手段を設けて、該フィルタを空気
浄化運転中又は空気浄化運転後に洗浄するフィルタ洗浄
部を形成し、洗浄液が所定量以下の蓄積量のときに所定
水量の給水するよう成している。

【００１０】したがって、この場合、空気浄化用フィル
タを空気浄化運転中又は空気浄化運転後に洗浄するフィ
ルタ洗浄部が、そのフィルタ上部から流下する洗浄剤濃
縮液を循環部を介してこのフィルタ上部へ循環させる循
環ポンプを、同フィルタ下部の洗浄液蓄積槽に設けられ
とともにこの洗浄液蓄積槽へ給水する給水手段が設けら
れて形成されて、その洗浄液が所定量以下の蓄積量のと
きに所定水量の給水がなされる。

【００１１】また、請求項３記載のフィルタ洗浄装置
は、請求項２記載の空気浄化用フィルタ上部に洗浄液流
下供給手段、同下部に流下洗浄液を受け蓄積する洗浄液
蓄積槽を設け、同洗浄液蓄積槽に、洗浄液として乳化分
散型水溶性洗剤の濃縮液を蓄積させるとともに洗浄液流
下供給手段に向け循環部を介して循環させる循環ポンプ
を配設し、該洗浄液蓄積槽内の洗浄液蓄積量を検出する
液量検出部を設けて、液量検出部の検出信号に基づいて
給水するよう成している。

【００１２】したがって、この場合、フィルタ洗浄部
が、そのフィルタ上部の洗浄液流下供給手段から流下す
る、洗浄剤濃縮液としての乳化分散型水溶性洗剤濃縮液
を、循環部を介してこの洗浄液流下供給手段へ循環させ
る循環ポンプ、及びその槽内の洗浄液蓄積量を検出する
液量検出部が洗浄液蓄積槽に配設されて、同液量検出部
の検出信号に基づいてその洗浄液が所定量以下の蓄積量
のときに所定水量の給水がなされる。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１乃至図５は、本発明の請求項
１乃至３全てに対応する、フィルタ洗浄方法及びフィル
タ洗浄装置一実施の形態を示し、図１は、本発明のフィ
ルタ洗浄装置を使用した空気浄化装置を示す概略構成図
である。図２は、同空気浄化装置のフィルタを示す分解
斜視図である。図３は、同空気浄化装置のフィルタの説
明図である。図４は、本発明のフィルタ洗浄装置の説明
図である。図５は、本発明のフィルタ洗浄装置を使用し
た空気浄化装置を示すブロック図である。

【００１４】この実施の形態のフィルタ洗浄装置は、空
気浄化を行うフード本体１１内の通気経路Ａに立設され
た空気浄化用フィルタ２を洗浄するフィルタ洗浄装置で
あって、空気浄化用フィルタ２下部の洗浄液蓄積槽４
に、同フィルタ２上部から流下する洗浄剤濃縮液を循環
部６を介してフィルタ２上部へ循環させる循環ポンプ５
を設け、該洗浄液蓄積槽４へ給水する給水手段を設け
て、該フィルタ２を空気浄化運転中又は空気浄化運転後
に洗浄するフィルタ洗浄部を形成し、洗浄液が所定量以
下の蓄積量のときに所定水量の給水するよう成してい
る。

【００１５】又、該実施の形態のフィルタ洗浄装置にお
いては、空気浄化用フィルタ２上部に洗浄液流下供給手
段、同下部に流下洗浄液を受け蓄積する洗浄液蓄積槽４
を設け、同洗浄液蓄積槽４に、洗浄液として乳化分散型
水溶性洗剤の濃縮液を蓄積させるとともに洗浄液流下供
給手段に向け循環部６を介して循環させる循環ポンプ５
を配設し、該洗浄液蓄積槽４内の洗浄液蓄積量を検出す
る液量検出部９５を設けて、液量検出部９５の検出信号
に基づいて給水するよう成してもいる。

【００１６】又、該実施の形態のフィルタ洗浄方法にお
いては、空気浄化を行うフード本体１１内の通気経路Ａ
に立設された空気浄化用フィルタ２を洗浄するフィルタ
洗浄方法であって、空気浄化運転中又は空気浄化運転後
に、洗浄剤濃縮液をフィルタ２の上部から下部に流下さ
せ、同洗浄液を受けて蓄積してフィルタ２上部へその蓄
積された洗浄液を循環させて、洗浄液が所定量以下の蓄
積量のときに所定水量の給水を行っている。

【００１７】詳しくは、フィルタ洗浄装置１Ａを使用し
た空気浄化装置１は、例えば住宅などの厨房に設置さ
れ、図１に示すように、レンジ１４にて調理中に発生し
た油煙等を、通気経路Ａの入り口であるフード本体１１
下面側の開口１１ａから同フード本体１１の内部へ吸引
して、フィルタ２にて空気浄化し、空気ダクト１３を介
して室外へ排気するもので、浄化部であるフィルタ２
と、フィルタ洗浄装置を構成する、樋部材３、洗浄液蓄
積槽４、循環ポンプ５、循環部６と、洗浄液蓄積槽４に
給水する給水手段と、制御部９を構成するもので、例え
ばマイクロコンピュータ等を有する制御回路９２が設け
られた制御本体９１と、吸気ファン１２とを備え、これ
らは何れもフード本体１１内に配設されている。

【００１８】フィルタ２は、例えばステンレス材等の金
属板材料にて形成され、この場合、図２に示すように、
通気経路Ａ前面側の多孔板２１とこの多孔板２１後側の
多孔板２２とによって構成されている。すなわち、この
フィルタ２は、長孔を多数横方向に並べた多孔板２１、
２２を前後に２枚平行に重ねた２重構造のもので、図３
に示すように、最前面である一方の多孔板２１の長孔２
１ａと、他方の多孔板２２の非孔部２２ｂとが対向する
よう立設されている。この場合、多孔板２１、２２の長
孔２１ａ、２２ａは上部から下部に連通する１本の長孔
で、また、多孔板２１、２２の立設されたときの上方縁
端部に、洗浄液のフィルタ２への流下ガイド部２１ｃ、
２２ｃが設けられている。この流下ガイド部２１ｃ、２
２ｃは、ステンレス材等の金属板材料にて折曲形成さ
れ、その下方に僅かなすき間を有するよう上方にて多孔
板２１、２２に固着され、図４に示すように、図示して
いない上方開口の上部から流下される洗浄液を、多孔板
２１、２２裏面に沿って流下するようガイドする。

【００１９】樋部材３は、フィルタ２上部に設けられる
洗浄液流下供給手段に相当するもので、この場合、ステ
ンレス材等の金属板材料にて形成された、フィルタ２の
多孔板２１、２２の横幅と略同一巾寸法をもった上面開
口の長尺箱体で、フィルタ２上方に、その前面側の側板
上端をフード本体１１上部内面に固着されて配設されて
いる。この場合、樋部材３底板には、後述する循環部６
から供給される洗浄液をフィルタ２へ向けて流下させる
液流下口３１が、フィルタ２の多孔板２１、２２前後に
わたって位置するよう列設されている。

【００２０】洗浄液蓄積槽４は、樋部材３からフィルタ
２へ流下供給された洗浄液を受け蓄積するもので、この
場合、ステンレス材等の金属板材料にて形成された、フ
ィルタ２の多孔板２１、２２の横幅と略同一巾寸法をも
った上面開口の長尺箱体で、、フード本体１１下部の仕
切片１１ｂ前端にその後端が固着された洗浄液受け皿４
１下方に、着脱自在に設けられている。なお、洗浄液受
け皿４１は、フィルタ２を伝って流下する洗浄液及び上
記樋部材３から直接滴下する一部洗浄液を確実に受水し
得る巾を有し、洗浄液蓄積槽４へ洗浄液を導く。

【００２１】また、洗浄液蓄積槽４には、この洗浄液蓄
積槽４から後述する循環部６を介して前記樋部材３に向
け洗浄液を循環させる循環ポンプ５とともに、この場
合、加熱部７を形成する、洗浄液蓄積槽４に蓄積された
洗浄液を加熱するための電熱ヒータ、及び同洗浄液を微
振動させる超音波振動子８が配設され、さらに洗浄液温
度を検出するための液温検出部９４、洗浄液量を検出す
るための液量検出部９５が配設具備されている。また、
この洗浄液蓄積槽４の上方には、洗浄液蓄積槽４に給水
する給水手段である給水パイプ１５が設けられ、この給
水パイプ１５には電磁弁９Ｅが配設具備されている。

【００２２】循環ポンプ５は、洗浄液蓄積槽４から樋部
材３に向け洗浄液を循環させる小型の電動ポンプで、こ
の場合、後述する制御部９にて駆動制御されて、空気浄
化装置１の浄化運転中及び浄化運転後に、洗浄液蓄積槽
４内にその先端が設けられた吸引パイプから洗浄液を吸
引し、循環部６及び樋部材３を介してフィルタ２へ洗浄
液を供給するよう動作する。なお、この場合、上記吸引
パイプ下端には洗浄液に含まれているほこりや固形油等
を除去して循環させるための細かいメッシュ状濾過部材
であるストレーナが設けられている。

【００２３】循環部６は、この場合、洗浄液蓄積槽４か
ら樋部材３へ向けての洗浄液揚水用のパイプで、このパ
イプ下端が循環ポンプ５に、上端が樋部材３の上方に位
置するよう配設されている。

【００２４】上記の、洗浄液蓄積槽４から樋部材３、フ
ィルタ２を循環して洗浄液蓄積槽４に蓄積された洗浄液
には、ほこりや固形油であるラード油等が含まれるが、
洗浄液としての乳化分散型の洗剤濃縮液が用いられて洗
浄液蓄積槽４に設けられた加熱部７にて例えば大略５０
度に加熱されるとともに、該洗浄液蓄積槽４底部に設け
られた超音波振動子８にて微振動され、ほこりや固形油
であるラード油等が遊離されて、該ストレーナにて目詰
まりすることなく濾過されて良好に循環される。

【００２５】制御部９は、詳しくは、信号入力部であ
る、空気浄化装置１の起動、停止操作用の操作スイッチ
９３、例えばサーミスタ素子にて形成された液温検出部
９４及び液量検出部９５が接続されて、上記の循環ポン
プ５、加熱部７、超音波振動子８、吸気ファン１２、液
量報知手段である、例えば液量表示部９ＡのＬＥＤ素子
及び液量報知部９Ｂのブザーを駆動制御する制御回路９
２が、フード本体１１内に配設されている制御本体９１
に収容され構成されている。この制御本体９１内には、
他に、超音波振動子８を駆動する超音波駆動部９７、液
量表示部９ＡのＬＥＤ素子駆動回路、液量報知部９Ｂの
ブザーの駆動回路である報知出力部９８、吸気ファン１
２のモータ制御を行うモータ駆動部９９、及び制御部９
全体への電源供給用の電源部９Ｆが設けられている。な
お、前記給水パイプ１５への給水制御用の電磁弁９Ｅ
は、上記制御回路９２にて制御され、夏場等の洗浄液が
蒸発し易い季節においては、後述する液量検出部９５に
て洗浄液蓄積量が検出され、同液量検出部９５の検出信
号に基づいて所定量の水を洗浄液蓄積槽４に給水する。

【００２６】液量検出部９５は、この場合、フロート式
水位センサにて形成され、洗浄液蓄積槽４の内面側に取
り付けられている。このフロート式水位センサは、例え
ば内部が空洞化され洗浄液より軽いフロート部が洗浄液
の増減によって上下動し、このフロート部に設けられた
永久磁石にて洗浄液の液面上方に設けられたセンサ部で
あるリードスイッチの開閉部が操作されて、洗浄液の所
定水位を検知する。したがって、洗浄液が油等の凝固性
物質を含むものであっても、センサ部が固着することが
無く安定して水位を検知できる。

【００２７】吸気ファン１２は、例えばシロッコファン
のようなファンが用いられ、この場合、前端部に吸い込
み口が設けられており、フード本体１１の開口１１ａか
ら通気経路Ａ前側のフィルタ２を介して浄化空気を吸引
する。そして、浄化部のフィルタ２にて浄化された空気
を空気ダクト１３を介して室外へ排気するようになって
いる。

【００２８】上記の空気浄化装置１による空気浄化運転
の例としては、洗浄液蓄積槽４内には、洗浄液量が不足
して洗浄能力の低下することを防ぐため、例えば洗浄液
の乳化分散型の洗剤濃縮液として、東製株式会社製の商
品名ＴＡＫクリーナーＡＫ−１０２の原液が設けられて
いる。乳化分散型の洗剤は、常温では溶けにくい固形油
を短時間にて容易に溶融分離することが出来る。

【００２９】そして、制御部９の操作スイッチ９３が操
作されて吸気ファン１２が起動されるのに伴い、液温検
出部９４からの洗浄液温度検知結果に基づいて、上記洗
浄液が、加熱部７の電熱ヒータに電源供給されて大略５
０度となるよう加熱される。そして、フード本体１１内
に設けられた吸気ファン１２を作動にて、油煙等を含ん
だ被浄化空気が、同フード本体１１の下面側の開口１１
ａから入って通気経路Ａに沿ってフィルタ２へ送られ、
油煙中の油分や粉塵等がフィルタ２にて分離除去され
る。

【００３０】すなわち、フィルタ２の多孔板２１、２２
が、各々の長孔２１ａ、２２ａと非孔部２１ｂ、２２ｂ
とが相対向するように並設されているので、被浄化空気
中の油成分が１枚目の多孔板２１の長孔２１ａにて加速
され、２枚目の多孔板２２の非孔部２２ｂへ衝突して捕
捉されて分離除去され空気浄化がなされる。この場合、
吸気ファン１２が起動して空気浄化運転が行われている
間、例えば、循環ポンプ５が大略３分間隔にて大略１０
秒程度間欠駆動され、この加熱された洗浄液を洗浄液蓄
積槽４から循環部６の洗浄液揚水用のパイプを介して樋
部材３へ循環され、樋部材３からフィルタ２表面へ供給
されて流下される。

【００３１】したがって、フィルタ２へ供給された洗浄
液にてフィルタ２表面に被膜が形成され、常温では洗浄
出来ないフィルタへ付着するラード油等の油分あるいは
水蒸気等がフィルタ２に沿って流れ落ちる洗浄液によっ
て洗浄される。なお、この場合、上記の洗浄液によるフ
ィルタ洗浄は、制御部９の操作スイッチ９３が操作され
て吸気ファン１２が停止された以降も、例えば大略３分
程度の間、循環ポンプ５が連続駆動されて、上記洗浄液
が洗浄液蓄積槽４から循環部６の洗浄液揚水用のパイプ
を介して樋部材３へ循環されてフィルタ２表面へ供給さ
れて流下される。したがって、フィルタ２へ供給された
洗浄液にてフィルタ２表面に付着する油分、水蒸気等が
確実に洗浄されるのである。

【００３２】上記の洗浄液によるフィルタ洗浄において
は、フィルタ２へ供給されてフィルタ表面へ付着した洗
浄液被膜が、吸気ファン１２に向け水滴となって飛散し
て洗浄液の量が減少した場合、フード本体１１内のフィ
ルタ下部洗浄液蓄積槽４の洗浄液の液量不足が、液量表
示部９ＡのＬＥＤ素子点灯及び液量報知部９Ｂのブザー
鳴動にて報知される。すなわち、液量検出部９５にて洗
浄液蓄積量が検出され、同液量検出部９５の検出信号に
基づいて報知出力部９８が駆動されて報知される。そし
て、この場合、該液量検出部９５の検出信号に基づいて
電磁弁９Ｅを開放させ所定量の給水も成される。したが
って、使用者は容易に洗浄液蓄積槽４の洗浄液の液量不
足を知るとともに、所定量の水が洗浄液蓄積槽４に自動
給水され、以て、洗浄液を循環させる循環ポンプ５を洗
浄液の無い状態にて空運転させて循環ポンプ５を破損す
ることが無くなる。

【００３３】また、例えば、上記洗浄液としての洗剤濃
縮液の蓄積量を５０ｇとし、１回の浄化運転における平
均油処理量を０．２ｇとした場合、２５０回の運転回数
に達するまで給水を上記給水をしながら洗浄を行うこと
ができる。そして、運転回数２５０回になったときに報
知を行い、使用者に洗浄液の交換を促せば、洗浄液の洗
浄能力を良好に維持してフィルタ２の洗浄を行うことが
可能となる。すなわち、上記乳化分散型の洗剤は、その
蓄積量にて油の処理能力が決まり、通常は大略１／１０
に希釈して使用する。しかし、洗剤濃縮液として原液を
を用いることにより、油を分離処理する基本部分が、蒸
発することなく長期間洗浄液蓄積槽４に残存し、水位低
下分だけ給水することにて、当初の蓄積量に見合う油を
処理出来ることとなる。

【００３４】なお、上記電磁弁９Ｅの操作は、液量検出
部９５にて洗浄液蓄積量が検出されて報知出力部９８が
駆動され、液量表示部９ＡのＬＥＤ素子点灯及び液量報
知部９Ｂのブザーを鳴動を使用者が確認し、使用者の手
動操作にて所定量の水を洗浄液蓄積槽４に給水しても良
い。

【００３５】したがって、以上説明したフィルタ洗浄装
置１Ａ及びフィルタ洗浄方法によると、空気浄化用フィ
ルタ２を空気浄化運転中又は空気浄化運転後に洗浄する
フィルタ洗浄部が、そのフィルタ２上部から流下する洗
浄剤濃縮液を循環部６を介してこのフィルタ２上部へ循
環させる循環ポンプ５を、同フィルタ下部の洗浄液蓄積
槽４に設けられとともにこの洗浄液蓄積槽へ給水する給
水パイプ１５が設けられて形成されて、その洗浄液が所
定量以下の蓄積量のときに所定水量の給水がなされるの
で、洗浄液を循環させる循環ポンプ５を洗浄液の無い状
態にて空運転し破損させることが無く、また、洗浄液量
を適切に確保出来てフィルタ洗浄能力を良好に維持でき
る。

【００３６】また、フィルタ洗浄部が、そのフィルタ上
部の樋部材３から流下する、洗浄剤濃縮液としての乳化
分散型水溶性洗剤濃縮液を、循環部６を介してこの樋部
材３へ循環させる循環ポンプ５、及びその槽内の洗浄液
蓄積量を検出する液量検出部９５が洗浄液蓄積槽４に配
設されて、同液量検出部９５の検出信号に基づいてその
洗浄液が所定量以下の蓄積量のときに所定水量の給水が
なされるので、固形油汚れを短時間に洗浄出来、また、
夏場等の洗浄液が蒸発し易い季節において頻繁となる補
充給水を自動化出来て、使用勝手が向上する。

【００３７】

【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項１及び２記
載のフィルタ洗浄方法及びフィルタ洗浄装置は、空気浄
化用フィルタを空気浄化運転中又は空気浄化運転後に洗
浄するフィルタ洗浄部が、そのフィルタ上部から流下す
る洗浄剤濃縮液を循環部を介してこのフィルタ上部へ循
環させる循環ポンプを、同フィルタ下部の洗浄液蓄積槽
に設けられとともにこの洗浄液蓄積槽へ給水する給水手
段が設けられて形成されて、その洗浄液が所定量以下の
蓄積量のときに所定水量の給水がなされるので、洗浄液
を循環させる循環ポンプを洗浄液の無い状態にて空運転
し破損させることが無く、また、洗浄液量を適切に確保
出来てフィルタ洗浄能力を良好に維持できる。

【００３８】また、請求項３記載のフィルタ洗浄装置
は、請求項２記載のものの効果に加え、フィルタ洗浄部
が、そのフィルタ上部の洗浄液流下供給手段から流下す
る、洗浄剤濃縮液としての乳化分散型水溶性洗剤濃縮液
を、循環部を介してこの洗浄液流下供給手段へ循環させ
る循環ポンプ、及びその槽内の洗浄液蓄積量を検出する
液量検出部が洗浄液蓄積槽に配設されて、同液量検出部
の検出信号に基づいてその洗浄液が所定量以下の蓄積量
のときに所定水量の給水がなされるので、固形油汚れを
短時間に洗浄出来、また、夏場等の洗浄液が蒸発し易い
季節において頻繁となる補充給水を自動化出来て、使用
勝手が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態であるフィルタ洗浄装置を
使用した空気浄化装置を示す概略構成図である。

【図２】同空気浄化装置のフィルタを示す分解斜視図で
ある。

【図３】同空気浄化装置のフィルタの説明図である。

【図４】本発明のフィルタ洗浄装置の説明図である。

【図５】本発明のフィルタ洗浄装置を使用した空気浄化
装置を示すブロック図である。

【図６】本発明の従来例である空気浄化装置を示す概略
構成図である。

【符号の説明】

１ 空気浄化装置 ２ フィルタ ３ 樋部材（洗浄液流下供給手段） ４ 洗浄液蓄積槽 ５ 循環ポンプ ６ 循環部 ９５ 液量検出部 １１ フード本体 １５ 給水パイプ（給水手段） Ａ 通気経路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気浄化を行うフード本体内の通気経路
   に立設された空気浄化用フィルタを洗浄するフィルタ洗
   浄方法であって、 空気浄化運転中又は空気浄化運転後に、洗浄剤濃縮液を
   フィルタの上部から下部に流下させ、同洗浄液を受けて
   蓄積してフィルタ上部へその蓄積された洗浄液を循環さ
   せて、洗浄液が所定量以下の蓄積量のときに所定水量の
   給水を行うフィルタ洗浄方法。
2. 【請求項２】 空気浄化を行うフード本体内の通気経路
   に立設された空気浄化用フィルタを洗浄するフィルタ洗
   浄装置であって、 空気浄化用フィルタ下部の洗浄液蓄積槽に、同フィルタ
   上部から流下する洗浄剤濃縮液を循環部を介してフィル
   タ上部へ循環させる循環ポンプを設け、該洗浄液蓄積槽
   へ給水する給水手段を設けて、該フィルタを空気浄化運
   転中又は空気浄化運転後に洗浄するフィルタ洗浄部を形
   成し、洗浄液が所定量以下の蓄積量のときに所定水量の
   給水するよう成したフィルタ洗浄装置。
3. 【請求項３】 空気浄化用フィルタ上部に洗浄液流下供
   給手段、同下部に流下洗浄液を受け蓄積する洗浄液蓄積
   槽を設け、同洗浄液蓄積槽に、洗浄液として乳化分散型
   水溶性洗剤の濃縮液を蓄積させるとともに洗浄液流下供
   給手段に向け循環部を介して循環させる循環ポンプを配
   設し、該洗浄液蓄積槽内の洗浄液蓄積量を検出する液量
   検出部を設けて、液量検出部の検出信号に基づいて給水
   するよう成したことを特徴とする請求項２記載のフィル
   タ洗浄装置。