JPH1130351A - 水圧リリーフ弁 - Google Patents

水圧リリーフ弁

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Publication number
JPH1130351A
JPH1130351A JP20221297A JP20221297A JPH1130351A JP H1130351 A JPH1130351 A JP H1130351A JP 20221297 A JP20221297 A JP 20221297A JP 20221297 A JP20221297 A JP 20221297A JP H1130351 A JPH1130351 A JP H1130351A
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JP
Japan
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valve
child
pressure
valve seat
port
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Pending
Application number
JP20221297A
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English (en)
Inventor
Takaaki Wakabayashi
孝昭 若林
Megumi Miyake
恵 三宅
Hideki Kawamoto
英樹 川本
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Ebara Corp
Nabco Ltd
Original Assignee
Ebara Corp
Nabco Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壊食と振動を軽減すること。 【解決手段】 高圧ポート12、低圧ポート13を有する弁
本体2 と、ポート間の弁座3 と、弁座に着座する弁体4
と、弁体を着座方向に押圧するばね5 と、背圧室26、高
圧ポートと背圧室とを連通する差圧絞り29、背圧室に通
じた入口ポート32及び低圧側に通じた出口ポート34を有
する子弁本体8 と、入口ポートと出口ポート間の子弁座
9 と、子弁座に着座する子弁体10と、子弁体を着座方向
に押圧する子弁用ばね11とを具備する水圧リリーフ弁に
おいて、弁座からの水流が指向する弁本体の部分に凹部
22を設け、低圧ポートに連通する通路を弁座からの水流
の指向方向から外れた位置に設け、弁座と低圧ポートと
の間の流路に絞り19を設け、背圧室に連通するダンパー
室30を設け、子弁体のガイド36を本体内孔40に摺動自在
に挿入して子弁体と若干の間隙を介して連結し、子弁用
ばねがガイドを介して子弁体を押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動液が水である
水圧回路に用いられるリリーフ弁に関する。
【0002】
【従来の技術】産業機器において、作動液を油から水に
置き換えることが提案されている。これは作動液が漏れ
たときに、水は油より周辺を汚染することが少ないこと
と、作動液が劣化して交換するときに、水は油よりも廃
液処理がし易いこと等からである。しかしながら、水は
油より比重が重く、圧縮性が小さい。このため、水流が
当たるリリーフ弁の各箇所や、キャビテーションが起こ
ったときのその付近の部材表面に、油圧リリーフ弁より
も壊食が発生しやすいという問題がある。また、水は油
よりも圧縮性が小さいから、ポンプの脈動を受けて弁体
が開弁と閉弁を繰り返して振動するという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、壊食と振動
を軽減できる水圧リリーフ弁を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の発明の手段は、水
圧回路の高圧側に連通する高圧ポートと低圧側に連通す
る低圧ポートとが形成された弁本体と、前記高圧ポート
と低圧ポートとの間に形成された弁座と、この弁座に着
座する弁体と、この弁体を着座方向に押圧するばねとを
具備する水圧リリーフ弁において、前記弁座から流出す
る水流が指向する前記弁本体の部分に凹部を設けたこと
を特徴とする(請求項1)。
【0005】この第1の発明の手段では、水流が指向す
る弁本体の部分に凹部を設けたから、水がこの凹部を流
れる間に流速が弱められ、弁本体に作用する水力も弱め
られるから、弁本体に発生する壊食を軽減できる。
【0006】第2の発明の手段は、水圧回路の高圧側に
連通する高圧ポートと低圧側に連通する低圧ポートとが
形成された弁本体と、前記高圧ポートと低圧ポートとの
間に形成された弁座と、この弁座に着座する弁体と、こ
の弁体を着座方向に押圧するばねとを具備する水圧リリ
ーフ弁において、前記低圧ポートに連通する通路を前記
弁座から流出する主な水流の指向方向から外れた位置に
設けたことを特徴とする(請求項2)。
【0007】この第2の発明の手段では、低圧ポートに
連通する通路を弁座から流出する主な水流の指向方向外
に設けたから、弁本体に形成される低圧ポートに連通す
る通路の角部に弁座からの主な水流が直接当たらない。
よって、角部には壊食が起こりやすいが、この壊食を軽
減できる。
【0008】第3の発明の手段は、水圧回路の高圧側に
連通する高圧ポートと低圧側に連通する低圧ポートとが
形成された弁本体と、前記高圧ポートと低圧ポートとの
間に形成された弁座と、この弁座に着座する弁体と、こ
の弁体を着座方向に押圧するばねとを具備する水圧リリ
ーフ弁において、前記弁座と前記低圧ポートとの間の流
路に絞りを設けたことを特徴とする(請求項3)。
【0009】この第3の発明の手段では、弁座と水圧回
路の低圧側との間の流路に絞りを設けたから、弁座から
水が流出した際に、弁座と水圧回路の低圧側との間に
は、低圧側圧力より高い圧力が発生する。弁座を通過す
る水の圧力変化は、水圧回路の低圧側に直接連通される
ときよりも小さくなるから、キャビテーションを軽減で
きて、壊食を軽減できる。すなわち、キャビテーション
による気泡は、弁本体に衝突して壊食を起こすが、キャ
ビテーションを軽減したので、気泡の発生を抑えて壊食
を軽減できる。また、気泡は瞬時に冷やされて、気体か
ら液体に戻る際に、体積が変化するから振動が発生する
が、キャビテーションを軽減したので、この振動も軽減
できる。更に、弁座前後の差圧も小さくなるから、弁座
を通過する水の流速が遅くなり、弁体及び弁本体に作用
する水力が弱められるから、弁体および弁本体の壊食を
軽減できる。
【0010】前記絞りが、前記低圧ポートの流路面積を
絞ることにより形成される構成(請求項4)とするのが
よい。この構成では、低圧ポートの流路面積を絞ること
により絞りを形成したから、別途絞りを設ける必要がな
い。
【0011】第4の発明の手段は、水圧回路の高圧側に
連通する高圧ポートと低圧側に連通する低圧ポートとが
形成された弁本体と、前記高圧ポートと低圧ポートとの
間に形成された弁座と、この弁座に着座する弁体と、こ
の弁体を着座方向に押圧するばねと、前記弁体を着座方
向に押圧する背圧が発生する背圧室と、前記高圧ポート
と前記背圧室とを連通する差圧絞りと、前記背圧室に連
通される入口ポートと水圧回路の低圧側に連通する出口
ポートとが形成された子弁本体と、前記入口ポートと前
記出口ポートとの間に形成された子弁座と、この子弁座
に着座する子弁体と、この子弁体を着座方向に押圧する
子弁用ばねとを具備する水圧リリーフ弁において、前記
背圧室に連通するダンパー室を設けたことを特徴とする
(請求項5)。
【0012】この第4の発明の手段では、背圧室に連通
するダンパー室を設けたから、弁体にかかる圧力が急激
に上昇すると、ダンパー室の水が圧縮されて体積が変化
する。これにより弁体は弁座から水の体積が減少した分
だけ離座して、水が高圧側から低圧側に流出する。この
ようにして高圧側の急激な圧力変化に対応することがで
きる。例えば、ダンパー室がなくて、急激な高圧側の圧
力変化に対し、子弁が開弁して背圧室の水を低圧側に流
出させ、弁体を離座させる構成にすると、急激な高圧側
の圧力変化が、ポンプの脈動のように早い周期で且つ容
量の小さいものでは、子弁が開閉を繰り返して振動の原
因となる。しかし、ダンパー室を設けた構成により子弁
が開弁している際にも、ダンパー室が小さな圧力変化を
滑らかにするから、子弁が開閉を繰り返さず安定した動
作を行う。また、高圧側の急激な圧力変動に対応するこ
とができる点で、ポンプの脈動をリリーフ弁が減少させ
ることができるから、脈動防止のためのアキュームレー
タ等を省略できる。
【0013】前記ダンパー室に体積弾性を有する圧縮性
部材を介在させた構成とするのがよい(請求項6)。こ
の構成では、圧縮性部材が圧力の上昇によって縮小する
ことによりダンパー作用をするから、ダンパー室の容積
を小さくできる。すなわち、水は圧縮性が小さいので、
圧力変化による体積変化が少ない。このため、弁体を弁
座から離座させるだけの容積変化するダンパー室を設け
ると、リリーフ弁が肥大する恐れがあり、このリリーフ
弁の肥大を防止できる。
【0014】第5の発明の手段は、水圧回路の高圧側に
連通する高圧ポートと低圧側に連通する低圧ポートとが
形成された弁本体と、前記高圧ポートと低圧ポートとの
間に形成された弁座と、この弁座に着座する弁体と、こ
の弁体を着座方向に押圧するばねと、前記弁体を着座方
向に押圧する背圧が発生する背圧室と、前記高圧ポート
と前記背圧室とを連通する差圧絞りと、前記背圧室に連
通される入口ポートと水圧回路の低圧側に連通する出口
ポートとが形成された子弁本体と、前記入口ポートと前
記出口ポートとの間に形成された子弁座と、この子弁座
に着座する子弁体と、この子弁体を着座方向に押圧する
子弁用ばねとにより構成される水圧リリーフ弁におい
て、前記子弁体をガイドする有底筒状のガイドを設け、
このガイドを前記子弁本体に形成した孔に摺動自在に挿
入するとともに、前記子弁体と若干の間隙を介して連結
し、前記子弁用ばねが前記ガイドを介して前記子弁体を
着座方向に押圧することを特徴とする(請求項7)。
【0015】この第5の発明の手段では、子弁をガイド
する有底円筒状ガイドを設け、このガイドを子弁本体に
形成した孔に摺動自在に挿入するとともに、子弁体と若
干の間隙を介して連結したから、子弁体の径方向の揺動
を防止して振動を防止できる。また、孔の軸芯と子弁座
の軸芯がずれている場合に、間隙により許容できる。よ
って、子弁本体に孔と弁座とを形成する際に、孔と弁座
との軸芯を厳密に一致させる必要がないから、加工が簡
単になる。
【0016】前記ガイドの底部に、前記子弁座からの水
流が指向する位置に孔を設けた構成とするのがよい(請
求項8)。この構成では、ガイドの底部に、子弁座から
の水流が指向する位置に孔を設けたから、ガイドの底部
にかかる子弁座から流出する水流の力を軽減することが
できる。これによって、設定圧が水流によって低下する
ことを防止し、子弁体は、開弁、閉弁が背圧室の圧力と
ばねの押圧力により決定され、ばねの押圧力による設定
圧に従って正確に動作する。また、子弁座から流出する
水流が子弁に作用すると、この水流によりばねが共振し
て、水圧リリーフ弁が振動する恐れがあるが、この振動
を防止することができる。
【0017】第6の発明の手段は、水圧回路の高圧側に
連通する高圧ポートと低圧側に連通する低圧ポートとが
形成された弁本体と、前記高圧ポートと低圧ポートとの
間に形成された弁座と、この弁座に着座する弁体と、こ
の弁体を着座方向に押圧するばねと、前記弁体を着座方
向に押圧する背圧が発生する背圧室と、前記高圧ポート
と前記背圧室とを連通する差圧絞りと、前記背圧室に連
通される入口ポートと水圧回路の低圧側に連通する出口
ポートとが形成された子弁本体と、前記入口ポートと前
記出口ポートとの間に形成された子弁座と、この子弁座
に着座する子弁体と、この子弁体を着座方向に押圧する
子弁用ばねとにより構成され、前記子弁体の軸線が前記
親弁体の軸線の延長上から外れて位置する水圧リリーフ
弁において、前記子弁体に向かう水流を整える整流絞り
を前記入口ポートと前記子弁座との間に配置することを
特徴とする(請求項9)。
【0018】弁体と子弁体とを同一軸線上に配置する
と、水圧リリーフ弁が軸方向に長くなるから、これを避
けるために、例えば弁体の軸線と子弁体の軸線とが直角
をなすように配置する構成が考えられる。このように弁
体と子弁体とが同一軸線上に配置されていないと、弁体
から子弁体に至る通路が曲がることになるから、子弁体
に向かう水流が乱れ、子弁体がその乱流の影響を受けて
ハンチングを起こす。第6の発明の手段では、整流絞り
が乱流を整えて子弁体に向かわせるから、子弁体がハン
チングを起こしにくい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1、図
2を用いて説明する。この水圧リリーフ弁1は、弁本体
2と、弁座3と、弁体4と、ばね5とからなる親弁6
に、実質的な圧力調整部である子弁7を設けた構成であ
り、その子弁7は、子弁本体8と、子弁座9と、子弁体
10と、子弁用ばね11とを有する。
【0020】弁本体2は、水圧回路の高圧側に連通する
高圧ポート12と低圧側に連通する低圧ポート13とが
形成され、ポート12、13の間を弁体4が開閉するよ
うになっている。この弁本体2はブロック状で、内孔1
4を有し、この内孔14に弁座3が形成されたプラグ3
aと、これに続いて弁体4を支持する弁ソケット15と
が装着されたものである。内孔14に装着されたプラグ
3aの内孔16の外方端部が高圧の水圧回路を接続され
る高圧ポート12とされ、内方端部に弁座3が形成さ
れ、この弁座3に弁体4が着座して閉じるようになって
いる。弁体4は弁座3に着座及び離座できるように弁ソ
ケット15の弁支持孔17に摺動可能に支持されてい
る。弁ソケット15にはプラグ3aの内方端面に相対す
る位置に弁ソケット15の弁支持孔17に連続する拡大
内孔状の凹部18が形成され、この拡大内孔状の凹部1
8の周壁を内外に貫通して絞り19を穿設してある。こ
の絞り19と弁本体2の内孔14に形成された環状溝2
0とによって通路21が形成され、環状溝20に低圧ポ
ート13が連通している。弁体4が離座したときに、す
なわち親弁6が開弁したときに高圧ポート12に続く弁
座3の内孔16と低圧ポート13とがこの通路21を介
して連通する。拡大内孔部18内に示した矢印Pは開弁
したときの弁座3から流出する主な水流の方向である。
【0021】弁ソケット15の拡大内孔状の凹部18は
親弁8が開弁したときに高圧側の水が噴出する部分であ
る。前記絞り19がこの噴出水流の指向方向(矢印Pの
指向方向)から外れた位置にあり、絞り19の端部に噴
出水流が直接当たらないようにしてある。なお、この絞
り19を、絞らない通路とする場合には、その代わり
に、環状溝20と低圧ポート13との接続部分を、図に
仮想線で示すように狭隘部23に形成して絞り機能を有
するようにしてもよい。
【0022】また、親弁6の弁体4の形状は、図2に拡
大して示すように、弁ソケット15の弁支持孔17に挿
入され外周を摺動面50とされた円柱状の後部51と、
弁座3に着座する側のテーパ部24とを有する。このテ
ーパ部24の小径側が弁座3の内孔に嵌入する形で着座
する。テーパ部の角度θは例えば30°である。そし
て、そのテーパ部24の大径側の径は後部51の径より
も大径に形成され、テーパ部24の長さは比較的長く形
成されている。なお、弁体4の摺動面50に形成された
複数の小さい環状溝52は動作流体による潤滑を目的と
したもので、焼きつき防止作用がある。
【0023】弁体4を着座方向に押圧するばね5が弁ソ
ケット15内に設けられている。ばね5は弁体4と弁ソ
ケット15の弁支持孔17に取り付けられた後端壁25
との間に圧縮状態で収容されている。このばね収容空間
は背圧室26とされ、この背圧室26には高圧ポート1
2に対向する弁体4の先端面から通路27、フィルター
28、差圧絞り29を介して高圧側ポート12が連通し
ている。
【0024】このような親弁6に対して子弁7が、図1
に示すように設けられている。子弁本体8は、ブロック
状で、親弁6の弁本体2に結合固定されており、入口ポ
ート32と、出口ポート34とを有している。親弁6側
に対して、入口ポート32は、前記後端壁25を貫通し
て穿設した中間絞り53を有する通路31を介して背圧
室26に接続されている。出口ポート34は、親弁6の
弁本体2に形成した通路33を介して前記環状溝20に
連通し、低圧側ポート13に達している。そして、子弁
本体8には入口ポート32と出口ポート34とが開口す
る内孔57が形成されていて、この内孔57には入口ポ
ート32と出口ポート34との間に位置するようにプラ
グ54を挿入して固定してある。このプラグ54には、
子弁座9と、内孔55と、整流絞り56とが形成されて
いる。子弁座9に着座する子弁体10は出口ポート34
に連通する側の内孔57内に設けてある。前記入口ポー
ト32からの流入方向が90°屈曲してから整流絞り5
6、内孔55を介して子弁座9に達している。その屈曲
部付近が容積を大きく形成されており、ダンパー室30
を形成している。ダンパー室30は、水の圧縮性を利用
できる水が充満した大きい容積であれば単なる耐圧性の
水収容容器でよいが、子弁本体8を小さくするには、体
積弾性を有する圧縮性部材をダンパー室30内に介在さ
せればよい。
【0025】子弁体10は円錐面で着座する弁で背面中
心に突出した軸部35を有し、この軸部35がガイド3
6に支持されている。ガイド36は、底部37を有する
円筒形のもので、底部37の中心に子弁体10の軸部3
5を若干の間隙を介して挿通されて支持する支持孔38
を有し、支持孔38の周辺部に数個の孔39を有する。
孔39の位置は子弁座9からの水流が指向する(指向方
向を矢印Qで示す)位置に設けてあり、孔39によって
底部37に作用する子弁座9から流出する水流による力
を軽減するようにしたものである。このガイド36は子
弁本体8に取り付けられた筒状部材58の内孔40内を
摺動して子弁体10の開閉移動方向と同じ方向に進退可
能である。子弁体10の背面側には、ばね受け42と底
部37との間に圧縮状態で子弁用ばね11を介在させて
ある。従って、ガイド36は子弁用ばね11に押圧さ
れ、子弁体10を子弁座9に着座させる方向に押圧して
いる。ばね圧を調整して設定圧を調節する圧力設定部と
して進退位置調節可能な雄ねじ部材41が子弁本体8の
部分に螺合している。
【0026】このように構成した水圧リリーフ弁1は、
高圧ポート12に子弁用ばね11で設定される設定圧以
上の高圧が作用したとき、弁体4が弁座3から離座して
開弁し、リリーフ動作をする。この時の動作について詳
細に説明する。まず、子弁7は、背圧室26の背圧の上
昇に対してその背圧をばね11で設定される所定の設定
圧に維持するように動作するものである。そして、その
背圧室26には、高圧の水圧回路に接続された高圧ポー
ト12の水圧が、弁体4の通路27、フィルター28、
差圧絞り29を介して作用する。背圧室26の水圧は、
更に中間絞り53、入口ポート32、ダンパー室30、
整流絞り56、内孔55を介して子弁体10に作用す
る。従って、高圧ポート12の圧力が上昇して子弁を開
こうとする内孔55の圧力による力が子弁用ばね11の
押圧力より大きくなると、子弁7が開弁動作し、出口ポ
ート34側へ高圧水を流出させて背圧室26を所定圧に
維持する。この子弁7が開弁した時、高圧ポート12側
から背圧室26に高圧水が流入するが、差圧絞り29に
よって流入量が絞られるから、背圧室26を高圧ポート
12よりも低い所定の圧設定圧に維持し得る。
【0027】また、親弁6の弁体4は、高圧ポート12
の圧力による開弁方向の力に対し、背圧室26の圧力と
ばね5の作用力とによる閉弁方向の力(設定圧)が作用
していて、この閉弁方向の力より開弁方向の力が大きく
なったときに開弁動作するものである。すなわち、高圧
ポート12の圧力が子弁7の設定圧よりも低いときは、
弁体4は弁座3に着座しており、高圧ポート12の圧力
が上昇して設定圧を越えると、背圧室26の圧力は子弁
7の作用によって設定圧に維持されているから、弁体4
に作用する開弁方向の力が閉弁方向の力よりも大きくな
って弁体4が離座する。つまりリリーフ動作する。そし
て、高圧ポート12の圧力がリリーフ動作により低下し
て子弁7の設定圧よりも低くなると、直ちに弁体4は弁
座3に着座する。
【0028】このような水圧リリーフ弁1の親弁6にお
ける凹部22の存在は、弁体4が開いたとき、噴出水流
が噴出距離が長くなると共に広がるから、凹部22を流
れる間に流速が弱まって拡大内孔部18の内面の壊食が
軽減される。そして絞り19が噴出水流の指向方向から
外れた位置にあることで、その角部が噴出水流による壊
食を軽減される。また、絞り19は、この存在により、
弁座3から水が流出した際に、弁座3と絞り19との間
には、低圧ポート13の接続する低圧側よりも高い圧力
が発生する。弁座3を通過する水の圧力変化は、低圧側
に直接連通されるときよりも小さくなるから、キャビテ
ーションを軽減できる。キャビテーションによる気泡は
弁本体2に衝突して壊食を起こすが、そのキャビテーシ
ョンを軽減したので、壊食を軽減できる。また、キャビ
テーションによる気泡は瞬時に気体から液体に戻り、そ
の時の容積変化により振動が発生するが、キャビテーシ
ョンを軽減したので、この振動も軽減できる。なお、仮
想線で示す狭隘部23としたときも同様な作用効果が得
られる。
【0029】また、弁体4のテーパ部24が大径側に長
く形成されていることにより、開弁状態で噴出する水流
はテーパ面に沿って流れるようになる。一般的にこのよ
うなテーパ部を有する弁体ではテーパの最大径部分の角
部が水流の影響を受けやすく、この角部から壊食が進行
する。しかし、長く形成されたテーパ部24は、弁体4
に当たる水流による壊食を軽減し、更にテーパ部24が
長いので大径側の角部から壊食が進行して弁座3と当接
する部分に到達するまでには長期間を要するから、結局
耐久性が向上する。
【0030】中間絞り53の存在は背圧室26からの流
出量が絞られるから、弁体4の移動速度を抑制して振動
を防止する。
【0031】また、ダンパー室30を設けた構成は、弁
体4にかかる圧力が急激に上昇すると、ダンパー室30
の水が圧縮されて、又は圧縮性部材を設けたときはその
部材が圧縮されて体積が縮小し、その縮小分だけ弁体4
が後退して離座し、高圧側から低圧側へ水が流出する。
従って、高圧側の急激な圧力変化に対応できる。例え
ば、高圧側の急激な圧力変化がポンプの脈動のように早
い周期で且つ容量の小さい場合は、子弁7の開弁により
背圧室の水を低圧側に流出させるように構成すると、つ
まりダンパー室30がない構成であると、子弁7が開閉
を繰り返して振動の原因となるが、この振動が防止され
る。この作用は子弁が開弁している場合でも同じであ
り、ダンパー室30が小さな圧力変化を滑らかにするか
ら、子弁7が開閉を繰り返さず安定した動作を行う。だ
から、このリリーフ弁1は、ポンプの脈動を小さくする
アキュームレータの代わりにもなる。
【0032】整流絞り56を備えた構成は、入口ポート
32からダンパー室30、プラグ内孔55を通って子弁
体10に向かう水流が、通路が曲がっていることにより
乱流となり、このまま子弁体10に当たると子弁体10
がハンチングを起こす可能性があるが、内孔55の入口
の整流絞り56によって整えられてから子弁体10に向
かうから、ハンチングを防止する。
【0033】子弁体10の軸部35とこの軸部が嵌入し
ている支持孔38との間の若干の間隙は、子弁体10に
径方向の移動の余裕があるから、子弁座9と子弁体10
を支持するガイド36の支持孔38との間に軸芯が一致
しないような製作誤差があったとしても、子弁体10は
確実に着座できる。また、開弁状態では子弁体10が水
流によってガイド36の底部37に押しつけられている
から、前記若干の間隙は子弁体10に径方向の揺動を許
容するものではない。従って、この部分の製作が容易と
なり、動作時に子弁体10の振動も発生しない。
【0034】また、ガイド36の底部37の孔39の存
在は、子弁座9から流出する水流によるガイド36への
作用力を軽減するから、水流に殆ど影響されないでばね
圧に応じた設定圧を確保できる。
【0035】一般的なリリーフ弁としては、前述した子
弁7を省略した構成のリリーフ弁、すなわち弁本体2
と、弁座3と、弁体4と、ばね5とからなる簡単な構成
のリリーフ弁がある。このようなリリーフ弁において
も、本発明の目的を達成するために、前記実施の形態に
示したような、弁座3から流出する水流が指向する弁本
体2の部分に凹部22を設けること、低圧ポート13に
連通する通路21の絞り19又は単なる通路の拡大内孔
18側の開口端を弁座3から流出する主な水流の指向方
向から外れた位置に設けること、弁座3と低圧ポート1
3との間の流路に絞り19を設けること、若しくは前記
絞りが低圧ポートの流路面積を狭隘部23で形成される
構成とすること、等を適用することは有効である。
【0036】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、弁本体に発生
する壊食を軽減する効果を奏する。請求項2に記載の発
明は、弁本体の低圧ポートに連通する通路の角部の壊食
を軽減できる効果を奏する。請求項3に記載の発明は、
キャビテーションを軽減してキャビテーションによる壊
食を軽減するとともに弁座通過水流の速度を低下させて
水流による弁体及び弁本体の壊食を軽減し、振動を軽減
する効果を奏する。請求項4に記載の発明は、別途絞り
を設けないので構造が簡単になる効果を奏する。請求項
5に記載の発明は、高圧側の急激な圧力変動に対応する
ことができて、子弁の振動を防止し、ポンプの脈動防止
のためのアキュームレータを省略できる効果を奏する。
請求項6に記載の発明は、ダンパー室の容積を小さく形
成できるから、リリーフ弁の肥大を防止できる効果を奏
する。請求項7に記載の発明は、子弁体の振動を防止で
きると共に、子弁体を設ける部分の加工が簡単になる効
果を奏する。請求項8に記載の発明は、子弁体がばねの
押圧力による設定圧に従って正確に動作し、子弁の振動
を防止する効果を奏する。請求項9に記載の発明は、圧
力設定用の子弁を設けた構成の水圧リリーフ弁を細長く
形成しないで、子弁のハンチングを防止する効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す縦断正面図であ
る。
【図2】図1の弁体の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 水圧リリーフ弁 2 弁本体 3 弁座 4 弁体 5 ばね 6 親弁 7 子弁 8 子弁本体 9 子弁座 10 子弁体 11 子弁用ばね 12 高圧ポート 13 低圧ポート 14 内孔(本体の) 15 弁ソケット 16 内孔(弁座の) 17 弁支持孔 18 凹部 19 絞り 20 環状溝 21 通路 26 背圧室 29 差圧絞り 30 ダンパー室 31 通路 32 入口ポート 33 通路 34 出口ポート 35 軸部 36 ガイド 37 底部 38 支持孔 39 孔 41 雄ねじ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 英樹 兵庫県神戸市西区福吉台1丁目1617番1 株式会社ナブコ西神工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水圧回路の高圧側に連通する高圧ポート
    と低圧側に連通する低圧ポートとが形成された弁本体
    と、前記高圧ポートと低圧ポートとの間に形成された弁
    座と、この弁座に着座する弁体と、この弁体を着座方向
    に押圧するばねとを具備する水圧リリーフ弁において、
    前記弁座から流出する水流が指向する前記弁本体の部分
    に凹部を設けたことを特徴とする水圧リリーフ弁。
  2. 【請求項2】 水圧回路の高圧側に連通する高圧ポート
    と低圧側に連通する低圧ポートとが形成された弁本体
    と、前記高圧ポートと低圧ポートとの間に形成された弁
    座と、この弁座に着座する弁体と、この弁体を着座方向
    に押圧するばねとを具備する水圧リリーフ弁において、
    前記低圧ポートに連通する通路を前記弁座から流出する
    主な水流の指向方向から外れた位置に設けたことを特徴
    とする水圧リリーフ弁。
  3. 【請求項3】 水圧回路の高圧側に連通する高圧ポート
    と低圧側に連通する低圧ポートとが形成された弁本体
    と、前記高圧ポートと低圧ポートとの間に形成された弁
    座と、この弁座に着座する弁体と、この弁体を着座方向
    に押圧するばねとを具備する水圧リリーフ弁において、
    前記弁座と前記低圧ポートとの間の流路に絞りを設けた
    ことを特徴とする水圧リリーフ弁。
  4. 【請求項4】 前記絞りが、前記低圧ポートの流路面積
    を絞ることにより形成されることを特徴とする請求項3
    に記載の水圧リリーフ弁。
  5. 【請求項5】 水圧回路の高圧側に連通する高圧ポート
    と低圧側に連通する低圧ポートとが形成された弁本体
    と、前記高圧ポートと低圧ポートとの間に形成された弁
    座と、この弁座に着座する弁体と、この弁体を着座方向
    に押圧するばねと、前記弁体を着座方向に押圧する背圧
    が発生する背圧室と、前記高圧ポートと前記背圧室とを
    連通する差圧絞りと、前記背圧室に連通される入口ポー
    トと水圧回路の低圧側に連通する出口ポートとが形成さ
    れた子弁本体と、前記入口ポートと前記出口ポートとの
    間に形成された子弁座と、この子弁座に着座する子弁体
    と、この子弁体を着座方向に押圧する子弁用ばねとを具
    備する水圧リリーフ弁において、前記背圧室に連通する
    ダンパー室を設けたことを特徴とする水圧リリーフ弁。
  6. 【請求項6】 前記ダンパー室に体積弾性を有する圧縮
    性部材を介在させたことを特徴とする請求項5に記載の
    水圧リリーフ弁。
  7. 【請求項7】 水圧回路の高圧側に連通する高圧ポート
    と低圧側に連通する低圧ポートとが形成された弁本体
    と、前記高圧ポートと低圧ポートとの間に形成された弁
    座と、この弁座に着座する弁体と、この弁体を着座方向
    に押圧するばねと、前記弁体を着座方向に押圧する背圧
    が発生する背圧室と、前記高圧ポートと前記背圧室とを
    連通する差圧絞りと、前記背圧室に連通される入口ポー
    トと水圧回路の低圧側に連通する出口ポートとが形成さ
    れた子弁本体と、前記入口ポートと前記出口ポートとの
    間に形成された子弁座と、この子弁座に着座する子弁体
    と、この子弁体を着座方向に押圧する子弁用ばねとによ
    り構成される水圧リリーフ弁において、前記子弁体をガ
    イドする有底筒状のガイドを設け、このガイドを前記子
    弁本体に形成した孔に摺動自在に挿入するとともに、前
    記子弁体と若干の間隙を介して連結し、前記子弁用ばね
    が前記ガイドを介して前記子弁体を着座方向に押圧する
    ことを特徴とする水圧リリーフ弁。
  8. 【請求項8】 前記ガイドの底部に、前記子弁座からの
    水流が指向する位置に孔を設けたことを特徴とする請求
    項7に記載の水圧リリーフ弁。
  9. 【請求項9】 水圧回路の高圧側に連通する高圧ポート
    と低圧側に連通する低圧ポートとが形成された弁本体
    と、前記高圧ポートと低圧ポートとの間に形成された弁
    座と、この弁座に着座する弁体と、この弁体を着座方向
    に押圧するばねと、前記弁体を着座方向に押圧する背圧
    が発生する背圧室と、前記高圧ポートと前記背圧室とを
    連通する差圧絞りと、前記背圧室に連通される入口ポー
    トと水圧回路の低圧側に連通する出口ポートとが形成さ
    れた子弁本体と、前記入口ポートと前記出口ポートとの
    間に形成された子弁座と、この子弁座に着座する子弁体
    と、この子弁体を着座方向に押圧する子弁用ばねとによ
    り構成され、前記子弁体の軸線が前記親弁体の軸線の延
    長上から外れて位置する水圧リリーフ弁において、前記
    子弁体に作用する水流を整える整流絞りを前記入口ポー
    トと前記子弁座との間に配置することを特徴とする水圧
    リリーフ弁。
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CN111720381A (zh) * 2020-06-29 2020-09-29 潍柴动力股份有限公司 一种平衡阀、液压控制系统及工程机械

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