JP2006275428A - 温度差圧感知弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 冷媒の温度および圧力を感知して冷媒の流量を制御する配管内設置型の温度差圧感知弁において、部品の設計・製作や組み立て時の取り扱いを改善する。
【解決手段】 感温部4および差圧弁3のすべての機能部品をOリング6によるシール位置よりも上流側、すなわち配管1の段差2よりも内径の大きな上流側に配置するよう構成する。差圧弁3は、その前後の差圧が大きくなると開弁する方向に動作し、その開弁を開始する設定差圧は、感温部4により冷媒の温度が大きくなるに従って大きくなる方向にシフトされる。これらの機能部品は、配管1の段差2よりも内径の大きな上流側のサイズに合わせて設計できるため、部品の設計・製作が容易になり、組み立て時の取り扱いが容易になる。
【選択図】 図1
【解決手段】 感温部4および差圧弁3のすべての機能部品をOリング6によるシール位置よりも上流側、すなわち配管1の段差2よりも内径の大きな上流側に配置するよう構成する。差圧弁3は、その前後の差圧が大きくなると開弁する方向に動作し、その開弁を開始する設定差圧は、感温部4により冷媒の温度が大きくなるに従って大きくなる方向にシフトされる。これらの機能部品は、配管1の段差2よりも内径の大きな上流側のサイズに合わせて設計できるため、部品の設計・製作が容易になり、組み立て時の取り扱いが容易になる。
【選択図】 図1
Description
本発明は温度差圧感知弁に関し、特に車輌用エアコンの冷凍サイクルにて冷媒を膨張させる膨張装置に適用することができる温度差圧感知弁に関する。
車輌用エアコンの冷凍サイクルには、コンデンサで凝縮された冷媒の気液分離を行うレシーバと分離された液冷媒を膨張させる温度式膨張弁とを用いた冷凍サイクルの他に、コンデンサで凝縮された冷媒を絞り膨張させるオリフィスチューブとエバポレータで蒸発された冷媒の気液分離を行うアキュムレータとを用いた冷凍サイクルが知られている。オリフィスチューブは、細径チューブから構成されているので、構造が簡単で製造コストが低く、レイアウトの自由度も高いというメリットを有している。しかしながら、オリフィスチューブを用いた冷凍サイクルは、温度式膨張弁と違い、細径チューブのみによって冷媒を絞り膨張させているため冷媒流量の制御機能がなく、あらゆる状況にて冷凍サイクルを効率よく運転することができない。
これに対し、細径チューブによる固定オリフィスを可変できるようにした膨張装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。この膨張装置は、コンデンサとエバポレータとを接続する配管の中に配置する構造を有し、冷媒の入口側の圧力と出口側の圧力との差圧によってオリフィスが3段階に可変できるようにしている。これにより、コンプレッサを駆動するエンジンの運転状況に応じて冷媒流量を適切に制御することができるようにしている。
また、特に冷媒に二酸化炭素(CO2)を使用した冷凍サイクルに適用して、ガスクーラ出口側における冷媒の圧力および温度に応じて冷媒が絞られるオリフィスの絞り通路断面積を可変できるようにして冷凍サイクルをさらに効率よく運転することができるようにした膨張装置も知られている(たとえば、特許文献2参照。)。
この特許文献2の膨張装置によれば、ガスクーラから導入された冷媒の圧力および温度を検出するよう変位部材(ダイヤフラム)によって仕切られた密閉空間を弁孔の上流側に備え、変位部材の変位で弁孔を上流側から開閉するようにした弁構造を有し、密閉空間には、冷媒の温度が0℃での飽和液密度から冷媒の臨界点での飽和液密度までの範囲の密度で冷媒が封入されている。これにより、導入された冷媒の圧力がその冷媒の温度に対応した密閉空間の圧力よりも低いときは、弁孔は閉じていて、導入された冷媒の圧力が密閉空間の圧力よりも所定圧力だけ高くなると、弁孔は開き始め、導入された冷媒の圧力と密閉空間の圧力との差圧が所定圧力より大きくなると、その差圧に応じた開度になる。この結果、ガスクーラ出口側における冷媒の圧力および温度は、ガスクーラ出口側における冷媒の温度と成績係数が最大となる圧力とから求めた最適制御線上に沿って制御されるようになり、CO2を使用した冷凍サイクルの効率よい運転を可能にしている。
ところで、このような冷媒の温度および圧力に応じてオリフィスの絞り通路断面積を可変できるようにした膨張装置においても、省スペースの観点から、コンデンサまたはガスクーラとエバポレータとを接続する細い配管の中に配置したいというニーズがある。膨張装置を配管の中に配置する最も簡単な方法としては、配管を途中で絞りまたは拡開加工して内部に段差を設け、その段差に膨張装置のボディを当接させて冷媒の流れ方向の位置決めを行う方法がある。この場合、内径の大きな上流側から膨張装置を挿入し、段差に当接するまで押し込むだけで膨張装置の装着を完了させることができる。
特開平11−257802号公報
特開平9−264622号公報(図4)
コンデンサまたはガスクーラとエバポレータとの間で内部に膨張装置が装着される配管は、内径が数ミリメートル程度しかなく、温度を感知する感温部および可変オリフィスを構成する弁部の構成部品はそれらの内径に収まるサイズに形成される。特に、段差よりも下流側では、段差の内径が上流側よりもさらに小さくなっているため、段差よりも下流側に配置される構成部品はさらにサイズが小さくなり、このため、部品の設計・製作や組み立て時の扱いが難しくなってきているという問題点があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、冷媒の温度および圧力を感知して冷媒の流量を制御するものであって、部品の設計・製作や組み立て時の取り扱いを改善した温度差圧感知弁を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、冷凍サイクルの配管内に配置されて循環する冷媒の温度および圧力に応じて前記冷媒の流量を制御する温度差圧感知弁において、流量制御された前記冷媒が導出される側のボディの外周に周設されたシール手段と、前記シール手段が周設された位置よりも前記冷媒が導入される上流側に配置され、前記冷媒の前記上流側の圧力と下流側の圧力との差圧が大きくなるに従って開弁していく差圧弁と、前記差圧弁よりも前記上流側に配置され、前記上流側の前記冷媒の温度変化に応じて前記差圧弁の開弁する設定差圧を変化させる感温部と、を備えていることを特徴とする温度差圧感知弁が提供される。
このような温度差圧感知弁によれば、感温部および差圧弁のすべての機能をシール手段よりも上流側に配置するようにしたので、感温部および差圧弁の機能部品は、ボディを冷媒の流れ方向に止めている段差よりも内径の大きな上流側のサイズに合わせて設計できるようになる。これにより、部品の設計・製作が容易になり、組み立て時の取り扱いが容易になる。
本発明の温度差圧感知弁は、シール手段よりも上流側に感温部および差圧弁のすべての機能を配置したことにより、これらを構成する部品のサイズを段差の内径よりも大きな内径に合わせて設計できるため、部品の設計の自由度が高くなり、また、部品の製作が容易になり、組み立て時の取り扱い性を改善することができるという利点がある。
また、本発明の温度差圧感知弁は、全体が非常にコンパクトな形で構成されるので、冷凍サイクルの配管内に限らず、CO2システムの内部熱交換器内に容易に組み込むこともできる。
以下、本発明の実施の形態を、冷凍サイクルの膨張装置に適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態に係る温度差圧感知弁の構成を示す中央縦断面図、図2は感温部の温度特性を示す図である。
図1は第1の実施の形態に係る温度差圧感知弁の構成を示す中央縦断面図、図2は感温部の温度特性を示す図である。
この第1の実施の形態に係る温度差圧感知弁は、冷凍サイクルのコンデンサまたはガスクーラとエバポレータとの間に接続される冷媒循環用の配管1内に設置されるもので、配管1を絞りまたは拡開加工することで内部に形成された段差2の上流側に配置される。この温度差圧感知弁は、これの前後の差圧に応じて開度を制御する差圧弁3と、その差圧弁3が開弁する設定差圧を冷媒の入口温度によって制御する感温部4とを備えている。なお、配管1の図の上部がガスクーラから冷媒が流入してくる上流側であり、図の下部がエバポレータへ冷媒が流出していく下流側になっている。
差圧弁3は、ボディ5を有し、配管1の段差2に近い外周にシール手段としてのOリング6が周設されている。ボディ5は、その下部中央部に軸線方向に弁孔7および横孔8が設けられ、その弁孔7の上流側には、これを開閉する弁体9が軸線方向に進退自在に配置されている。この弁体9は、上流側の圧力が開弁方向に受圧するように弁孔7の内径よりも大きな外径を有し、ボディ5に摺動自在に支持されている。
ボディ5の図の上部は筒状のシリンダ10が一体に形成されており、弁体9と同軸上に延びて一体に形成されたピストン11がそのシリンダ10の中に軸線方向に摺動自在に配置されている。弁体9およびピストン11は、その軸線方向に中央通路12が形成され、この中央通路12は、ピストン11に形成されたオリフィス13を介してその上部の空間に連通し、また、ピストン11の下部の空間にも横孔14を介して連通している。ピストン11の下部の空間が中央通路12および弁孔7を介して差圧弁3の出口である下流側に連通しているので、差圧弁3が全閉しているときは、弁体9とこれを支持しているボディ5との間のクリアランスを介して冷媒の最少流量を流すことができる。
シリンダ10の上端部には、感温部4が設けられている。この感温部4は、カップ状部材15の開口部を軸線方向に変位自在なダイヤフラム16によって封止し、その中にワックス17を封入することによって構成されている。ワックス17は、図2に示したように、温度上昇とともに体積が膨張する性質を有している。すなわち、ワックス17は、温度が低くて固体状態のとき、または、温度が高くて液体状態のときには、温度に対する体積膨張係数が小さく、中間の温度で固体から液体に変わる固溶体状態のときには、温度に対する体積膨張係数が大きいという特性を有している。したがって、この感温部4は、体積膨張係数が大きい固溶体状態の範囲の温度を感知して差圧弁3を制御するアクチュエータを構成している。なお、感温部4が感知する温度範囲は、ワックス17の調合によって決められる。
感温部4は、カップ状部材15およびダイヤフラム16とともに上端部に接合された筒状部材18をシリンダ10の上端開口部へ圧入することによってボディ5に固定されている。ダイヤフラム16の下面にはディスク19が配置され、そのディスク19とピストン11との間にはスプリング20が配置されている。このスプリング20の荷重は、筒状部材18のシリンダ10への圧入量によって調節される。この感温部4のダイヤフラム16とピストン11とによって囲まれた空間は、ダンパ室21になっている。つまり、このダンパ室21がオリフィス13を介して差圧弁3の下流側に連通され、ピストン11が弁体9と一体になっていることから、導入される上流側の冷媒の圧力が急激に変化しても、弁体9の急激な開閉動作を抑制するダンパ部を構成している。
以上の構成の温度差圧感知弁において、コンデンサまたはガスクーラを出た高温・高圧のガス冷媒は、配管1を通って図の上部から流入してくる。その冷媒は、感温部4およびボディ5と一体のシリンダ10と配管1との間の隙間を通り、横孔8を介して差圧弁3に導入される。このとき、弁体9には、ボディ5によって軸線方向に摺動自在に支持されている部分の断面積に上流側の冷媒の圧力が開弁方向に受圧し、弁孔7の断面積には、下流側の冷媒の圧力が開弁方向に受圧している。つまり、ボディ5によって支持されている部分の断面積から弁孔7の断面積を差し引いた面積に、この差圧弁3の前後の差圧が開弁方向にかかっていることになる。一方、弁体9は、また、ダンパ室21内のスプリング20によって閉弁方向の荷重を受けている。差圧による弁体9のリフト荷重がスプリング20の荷重よりも小さいときは、図1に示したように、差圧弁3は、全閉状態にある。この全閉状態では、弁体9とこれを支持しているボディ5との間のクリアランスを介して最少流量の冷媒がピストン11の下部の部屋に流れ、弁体9に形成された横孔14および中央通路12を介してこの差圧弁3の下流側へ流れていく。
ここで、上流側の冷媒の圧力が高くなって差圧弁3の前後の差圧が大きくなると、弁体9がリフトし、リフトに応じた流量の冷媒が下流側に流れる。このとき、高温・高圧のガス冷媒は、断熱膨張して低温・低圧の気液二相状態の冷媒となり、それがエバポレータに供給される。エバポレータでは、その気液二相状態の冷媒は、車室内の空気から吸熱して蒸発され、車室内の空気から蒸発潜熱を奪うことにより車室内の空気が冷却される。
コンデンサまたはガスクーラから導入されるガス冷媒の温度が低いときは、カップ状部材15内のワックス17は、体積膨張率が小さいので、ダイヤフラム16は図の上側に変位していて、スプリング20の荷重は小さくなっている。導入されるガス冷媒の温度が高くなると、ワックス17は、膨張してダイヤフラム16は図の下側に変位するようになり、これによってスプリング20の荷重は大きくなり、差圧弁3は、その開弁を開始する設定差圧が大きくなる方向にシフトされる。したがって、差圧弁3は、その前後の差圧が大きくなるにつれて開いていき、ガス冷媒の温度が高くなるにつれて、開きにくくなる方向に変化する特性を有している。
さらに、コンデンサまたはガスクーラから導入されるガス冷媒の圧力が急激に変化したときは、オリフィス13の存在によって、ダンパ室21内の圧力がその急激な圧力変化に追従することができないので、弁体9の開閉方向の動きが緩慢になる。これによって、冷凍サイクルが不安定になってハンチング現象が生じるのを抑制することができる。
図3は第2の実施の形態に係る温度差圧感知弁の構成を低温時の動作状態で示す中央縦断面図、図4は第2の実施の形態に係る温度差圧感知弁の構成を感温動作状態で示す中央縦断面図、図5は第2の実施の形態に係る温度差圧感知弁の構成を高温時の動作状態で示す中央縦断面図である。この図3ないし図5において、図1に示した構成要素と同じまたは同等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態に係る温度差圧感知弁は、第1の実施の形態に係る温度差圧感知弁と比較して、感温部4の構成が変更されている。すなわち、この感温部4では、差圧弁3の開弁点の設定差圧を温度に応じて変化させるアクチュエータとしてバイメタル25を使用している。
この温度差圧感知弁によれば、シリンダ10の上端開口部へ圧入される筒状部材18は、内部に2つの段差26,27を有し、オリフィス13を介して低圧側と連通される閉じたダンパ室21を構成するために、上部の開口端に蓋28が嵌入されている。筒状部材18の中には、段差26に掛止されるフランジ部を持ったばね受け部材29と、段差27に載ることができる外径を持ったばね受け部材30と、これらばね受け部材29,30の間に配置されたバイメタル25とが設けられている。ばね受け部材29の図の上面中央には凹部が形成され、ばね受け部材30の図の下面中央には凸部が形成されている。ばね受け部材29とピストン11との間には、感温部4における軸線方向の変位をピストン11に伝達するスプリング20が配置され、筒状部材18とピストン11との間には、スプリング31が配置され、ばね受け部材30と蓋28との間には、スプリング32が配置されている。なお、スプリング31は、本来不要であるが、スプリング20の特性を合わせ、設計の自由度を上げるために設けたものであって、その荷重は筒状部材18の圧入量によって調整される。また、スプリング32は、バイメタル25が所定の温度範囲以上の温度を感知しているときの変位を吸収する機能を果たしている。すなわち、バイメタル25は、温度変化に対しその使用範囲(ワックス17でいう固溶体の温度範囲)を超えてほぼリニアに変位するので、所定の温度範囲以上では、スプリング32によってバイメタル25の変位を無効にし、所定の温度範囲以下では、バイメタル25の変位がスプリング20を介してピストン11に伝達できない構造にしてある。
以上の構成の温度差圧感知弁において、コンデンサまたはガスクーラから導入されたガス冷媒の温度が所定の温度範囲以下にあるとき、図3に示したように、バイメタル25は、その外周縁部が中央部よりも図の上方へ反った状態にある。このとき、ばね受け部材29の凹部とばね受け部材30の凸部との間にバイメタル25が丁度入り込む空間が形成されるため、下側のばね受け部材29は、バイメタル25を載せた状態で段差26から離れ、伸び切ったスプリング20によって図の下方から支持されている状態になる。もちろん、この温度差圧感知弁がこの図示の姿勢以外の場合には、バイメタル25、ばね受け部材29およびスプリング20は、互いになんら作用しないばらばらの状態になっている。したがって、このときは、感温部4は差圧弁3に対してなんら影響しないので、温度差圧感知弁は、差圧弁3だけが機能することになる。
次に、コンデンサまたはガスクーラから導入されたガス冷媒の温度が上昇してきてある温度になると、バイメタル25は、図4に示したように、その反り方が反転した状態になる。これにより、バイメタル25は、冷媒の温度上昇とともに、上側のばね受け部材30の凸部を支点にして下側のばね受け部材29を図の下方へ押し下げるようになる。この結果、ガス冷媒の温度が所定の温度範囲内にあるときは、感温部4は、上流側のガス冷媒の温度が大きくなるに従って差圧弁3の開弁する設定差圧を大きくする方向にシフトさせるように機能し、そのシフトは、図4に示したように、下側のばね受け部材29のフランジ部が筒状部材18の段差26に当接するまでである。したがって、ガス冷媒の温度が所定の温度範囲内にあるとき、温度差圧感知弁は、感温部4によって温度を感知しながら差圧弁3がその前後の差圧を感知して冷媒の流量を制御することになる。
さらに、コンデンサまたはガスクーラから導入されたガス冷媒の温度が上昇して所定の温度範囲を超えると、バイメタル25は、さらに反り続ける。このとき、バイメタル25は、図4に示したように、下側のばね受け部材29を支点にして上側のばね受け部材30を図の上方へ押し上げるよう作用し、そのときに生じるバイメタル25の軸線方向の変位は、スプリング32によって吸収され、差圧弁3には冷媒の温度変化による影響を与えない。
図6は第3の実施の形態に係る温度差圧感知弁の構成を示す中央縦断面図である。この図6において、図1および図3ないし図5に示した構成要素と同じまたは同等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この第3の実施の形態に係る温度差圧感知弁は、第1および第2の実施の形態に係る温度差圧感知弁と比較して、感温部4の構成が変更されている。すなわち、この感温部4では、差圧弁3が開弁する設定差圧を温度に応じて変化させるアクチュエータとして形状記憶合金ばね35を使用している。
この温度差圧感知弁によれば、シリンダ10の上端開口部に蓋36を圧入することにより閉止してダンパ室21を構成し、そのダンパ室21内には差圧弁3の弁体9を閉弁方向に付勢するスプリング20と温度サイクルに対して可逆的に変化する二方向性の形状記憶効果を持った形状記憶合金ばね35とを並設している。この形状記憶合金ばね35は、変態点より低い温度では、ばね荷重が小さく、変態点より高い温度になると、ばね荷重が大きくなり、温度変化に対しその使用範囲では、図2に示したワックス17の体積膨張率の変化と同様の特性を有している。また、スプリング20の荷重は、蓋36のシリンダ10への圧入量によって調整される。
以上の構成の温度差圧感知弁において、コンデンサまたはガスクーラから導入されたガス冷媒の温度が所定の温度範囲以下にあるとき、形状記憶合金ばね35は、マルテンサイト相であり、ばね荷重が小さい。そのため、スプリング20と形状記憶合金ばね35との合成荷重は小さく、差圧弁3が開弁する設定差圧は小さい値に設定されることになる。
ガス冷媒の温度が上昇して形状記憶合金ばね35の変態点を超え、所定の温度範囲に入ると、形状記憶合金ばね35は相変態して母相になり、温度変化に対してばね荷重が変化するようになり、スプリング20と形状記憶合金ばね35との合成荷重も、温度変化とともに変化し、差圧弁3が開弁する設定差圧は温度上昇とともに大きな値に設定されることになる。
そして、ガス冷媒の温度がさらに上昇して所定の温度範囲を超えると、形状記憶合金ばね35のばね荷重の増加率が低下して飽和状態になり、それ以上温度が上昇してもばね荷重は増加しなくなる。また、この形状記憶合金ばね35は、二方向性の形状記憶効果を有しているので、ガス冷媒の温度が低下して形状記憶合金ばね35の変態点を下回ると相変態してばね荷重の小さい状態になる。
上記の第1ないし第3の実施の形態に係る温度差圧感知弁の使用例として、配管1内に設置された場合を説明したが、これら温度差圧感知弁は、非常にコンパクトに構成されているので、コンデンサまたはガスクーラ、エバポレータ、またはこれらの間に設置される機器内のどこにでも装着が可能である。次に、他の使用例として、CO2システムにおいて用いられている内部熱交換器への設置例について説明する。
図7は第3の実施の形態に係る温度差圧感知弁の他の使用例を示す説明図である。
CO2システムは、CO2の冷媒を圧縮するコンプレッサ41と、圧縮された冷媒を冷却するガスクーラ42と、冷却された冷媒を絞り膨張させる膨張装置と、膨張された冷媒を蒸発させるエバポレータ43と、冷凍サイクル中の余剰の冷媒を蓄えておくとともに蒸発された冷媒から気相の冷媒を分離してコンプレッサ41へ送るアキュムレータ44と、ガスクーラ42から膨張装置へ流れる冷媒とアキュムレータ44からコンプレッサ41へ流れる冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器45とを備えている。ガスクーラ42とエバポレータ43との間に設けられるべき膨張装置として、第3の実施の形態に係る温度差圧感知弁46が内部熱交換器45に設けられている。
CO2システムは、CO2の冷媒を圧縮するコンプレッサ41と、圧縮された冷媒を冷却するガスクーラ42と、冷却された冷媒を絞り膨張させる膨張装置と、膨張された冷媒を蒸発させるエバポレータ43と、冷凍サイクル中の余剰の冷媒を蓄えておくとともに蒸発された冷媒から気相の冷媒を分離してコンプレッサ41へ送るアキュムレータ44と、ガスクーラ42から膨張装置へ流れる冷媒とアキュムレータ44からコンプレッサ41へ流れる冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器45とを備えている。ガスクーラ42とエバポレータ43との間に設けられるべき膨張装置として、第3の実施の形態に係る温度差圧感知弁46が内部熱交換器45に設けられている。
内部熱交換器45は、そのボディ47に、ガスクーラ42から高圧の冷媒が導入される冷媒入口通路48を有している。この冷媒入口通路48は、内部熱交換器45の中を通って冷媒入口通路48と平行に形成された戻り通路49に連通している。この戻り通路49の終端部には、温度差圧感知弁46を取り付ける取付孔50が形成されている。この取付孔50は、ボディ47の外側から戻り通路49を介して冷媒入口通路48まで貫通形成されており、温度差圧感知弁46は、その感温部が冷媒入口通路48内に位置するように取付孔50に装着されている。取付孔50に温度差圧感知弁46が装着された状態で、その取付孔50の開口端には、エバポレータ43に通じる配管51がボディ47に取り付けられている。この配管51は、内径が温度差圧感知弁46の外径よりも若干小さく形成されており、温度差圧感知弁46が高圧の冷媒によって取付孔50から抜け出てしまわないようにしている。
温度差圧感知弁46は、取付孔50に装着されたときには、差圧弁の上流側が戻り通路49と連通するようになっており、差圧弁の高圧の上流側と低圧の下流側との間のボディ外周は、Oリングによるシールが行われ、冷媒入口通路48と戻り通路49との間のボディ外周にも、シール用のOリングが設けられている。
以上のように取り付けられた温度差圧感知弁46は、その感温部が冷媒入口通路48内に位置しているので、ガスクーラ42から導入された冷媒の温度を直接感知することができる。したがって、温度差圧感知弁46は、その差圧弁が高圧の冷媒を差圧制御しながら、ガスクーラ42の入口温度に応じて差圧弁の設定差圧を制御することになる。
以上の実施の形態では、感温部を、上流側の冷媒の温度が大きくなるに従って差圧弁の設定差圧を大きくする方向にシフトさせるように構成したが、感温素子としてバイメタルおよび形状記憶合金ばねを使用したものについては、冷媒の温度が大きくなるに従って差圧弁の設定差圧を小さくする方向にシフトさせるように構成してもよい。これにより、温度と設定差圧との関係が異なる膨張装置あるいは流量制御弁にも容易に適用することができる。
1 配管
2 段差
3 差圧弁
4 感温部
5 ボディ
6 Oリング
7 弁孔
8 横孔
9 弁体
10 シリンダ
11 ピストン
12 中央通路
13 オリフィス
14 横孔
15 カップ状部材
16 ダイヤフラム
17 ワックス
18 筒状部材
19 ディスク
20 スプリング
21 ダンパ室
25 バイメタル
26,27 段差
28 蓋
29,30 ばね受け部材
31,32 スプリング
35 形状記憶合金ばね
36 蓋
41 コンプレッサ
42 ガスクーラ
43 エバポレータ
44 アキュムレータ
45 内部熱交換器
46 温度差圧感知弁
47 ボディ
48 冷媒入口通路
49 戻り通路
50 取付孔
51 配管
2 段差
3 差圧弁
4 感温部
5 ボディ
6 Oリング
7 弁孔
8 横孔
9 弁体
10 シリンダ
11 ピストン
12 中央通路
13 オリフィス
14 横孔
15 カップ状部材
16 ダイヤフラム
17 ワックス
18 筒状部材
19 ディスク
20 スプリング
21 ダンパ室
25 バイメタル
26,27 段差
28 蓋
29,30 ばね受け部材
31,32 スプリング
35 形状記憶合金ばね
36 蓋
41 コンプレッサ
42 ガスクーラ
43 エバポレータ
44 アキュムレータ
45 内部熱交換器
46 温度差圧感知弁
47 ボディ
48 冷媒入口通路
49 戻り通路
50 取付孔
51 配管
Claims (7)
- 冷凍サイクルの配管内に配置されて循環する冷媒の温度および圧力に応じて前記冷媒の流量を制御する温度差圧感知弁において、
流量制御された前記冷媒が導出される側のボディの外周に周設されたシール手段と、
前記シール手段が周設された位置よりも前記冷媒が導入される上流側に配置され、前記冷媒の前記上流側の圧力と下流側の圧力との差圧が大きくなるに従って開弁していく差圧弁と、
前記差圧弁よりも前記上流側に配置され、前記上流側の前記冷媒の温度変化に応じて前記差圧弁の開弁する設定差圧を変化させる感温部と、
を備えていることを特徴とする温度差圧感知弁。 - 前記感温部は、前記上流側の前記冷媒の温度が大きくなるに従って前記差圧弁の前記設定差圧を大きくする方向にシフトするようにしたことを特徴とする請求項1記載の温度差圧感知弁。
- 前記差圧弁は、前記ボディの中心に軸線方向に形成された弁孔と、前記弁孔の上流側にて前記弁孔を開閉可能に配置され、前記弁孔の内径よりも大きな外径を有するよう形成された弁体と、前記弁体を閉弁方向に付勢するスプリングとを有していることを特徴とする請求項1記載の温度差圧感知弁。
- 前記感温部は、前記差圧弁の開閉方向に変位可能な変位部材で封止された密閉容器に所定の温度範囲にて体積膨張係数の大きな固体または液体材料が封入され、前記上流側の前記冷媒の温度に応じて前記差圧弁の前記設定差圧を可変させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の温度差圧感知弁。
- 前記感温部は、所定の温度範囲にて前記差圧弁の開閉方向に変位可能なバイメタルであり、前記温度範囲外では前記バイメタルの変位を無効にするよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の温度差圧感知弁。
- 前記感温部は、所定の温度範囲にて前記差圧弁を閉弁方向に付勢する荷重が変化する二方向性の形状記憶効果を持った形状記憶合金ばねであることを特徴とする請求項1記載の温度差圧感知弁。
- 前記差圧弁と前記感温部との間に配置されて前記差圧弁の弁体と連動するピストンと、前記ピストンによって画成された閉止空間がオリフィスを介して前記下流側と連通されているダンパ室とを有するダンパ部を備えていることを特徴とする請求項1記載の温度差圧感知弁。
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