JPH1130290A - バランスシャフト装置及びその製造方法 - Google Patents

バランスシャフト装置及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1130290A
JPH1130290A JP19921797A JP19921797A JPH1130290A JP H1130290 A JPH1130290 A JP H1130290A JP 19921797 A JP19921797 A JP 19921797A JP 19921797 A JP19921797 A JP 19921797A JP H1130290 A JPH1130290 A JP H1130290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
balance shaft
weight body
jig
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19921797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3884535B2 (ja
Inventor
Takeomi Yamamoto
武臣 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OTIX KK
Original Assignee
OTIX KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OTIX KK filed Critical OTIX KK
Priority to JP19921797A priority Critical patent/JP3884535B2/ja
Publication of JPH1130290A publication Critical patent/JPH1130290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3884535B2 publication Critical patent/JP3884535B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み付けの容易なバランスシャフト装置及び
その製造方法の提供。 【解決手段】 カバー部材50には治具孔が穿設されて
おり,上記治具孔に挿入する桿状突部61を突設させた
組み付け治具60を用意する。シャフト19,29を除
いたウエイトボディアセンブリ100,200を組み立
て,桿状突部をカバー部材の治具孔に挿入することによ
り,単一の治具を介して両ウエイトボディアセンブリを
保持し,各ウエイトボディアセンブリの軸心Cをバラン
スシャフト装着孔875の中心Ooに位置させ,装着孔
875からシャフトを挿入して両ウエイトボディアセン
ブリにシャフトを貫通させ,両シャフトをシリンダロア
ケース871,872の間に回動可能に係止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,クランクギヤに連結されたバラ
ンスシャフトに関する。
【0002】
【従来技術】ピストン,コンロッド等のエンジンの往復
運動部には,慣性力が発生し,また,多気筒エンジンで
は慣性力や慣性偶力が発生するから,これらを打ち消す
ためにバランスシャフトが用いられている。そして,上
記バランスシャフトは,ギヤを介してクランクギヤと連
結されているものと,チェーンを介してクランクシャフ
トと連結されているものとが知られている。
【0003】ギヤを介するバランスシャフト装置90
は,例えば図11,図12に示すように,クランクギヤ
85に駆動される第1バランスシャフト91と,第1バ
ランスシャフト91によって駆動される第2バランスシ
ャフト92とを有し,前面のクランクロアケース871
と後面のクランクロアケース872との間に装着されて
いる。図11において,符号86はコンロッドである。
また,図12において,符号873は,バランスシャフ
ト91,92をクランクロアケース872に回動可能に
係止するスラストワッシャーである。
【0004】そして,第1バランスシャフト91は,図
12,図13に示すように,クランクギア85に噛合す
る第1ギヤ911と,第2バランスシャフト92を駆動
する第2ギヤ912及び軸心に対して偏心した重心のウ
エイト部913を備えたウエイトボディ910と,軸受
け部を備え軸心に対して偏心しない重心を有するシャフ
ト915と,上記第1ギヤ911と第2ギヤ912との
間に介設されたダンパー装置93と有する。図13にお
いて,符号916,917はシャフト915の軸受け部
である。
【0005】ダンパー装置93は,図13に示すよう
に,上記第2ギヤ912と第1ギヤ911との間に介設
され,クランクギヤ85のトルク変動を吸収しギヤノイ
ズの発生を抑制する緩衝用の部材である。そして,図1
2の符号931は上記緩衝作用を発現させるためのダン
パー装置93のスプリングである。
【0006】そして,第2バランスシャフト92は,図
12に示すように,第2ギヤ912に噛合する第3ギヤ
921及び軸心に対して偏心した重心のウエイト部92
2を備えたウエイトボディ920と,軸受け部を備え軸
心に対して偏心しない重心を有するシャフト925とを
有する。図12において符号991は,ウエイト部91
0,920をシャフト915,925に固定するボルト
である。そして,図12に示すように,バランスシャフ
ト装置90は,上記ロアケース871,872の間の狭
隘なスペースに装着されている。
【0007】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記バランス
シャフト装置90は,シリンダケースへの組み付けが容
易でない。即ち,図12に示すように,ロアケース87
1,872の間にバランスシャフト装置90を組み付け
るばあいには,始めに,第1,第2バランスシャフト9
1,92とも,それぞれシャフト915,925を除い
て前記ウエイトボディ910,920とギヤ部911,
912,921等とを一体に組み付ける(ウエイトボデ
ィアセンブリの組立)。
【0008】そして,この二つのウエイトボディアセン
ブリ(中間組立品)を手で保持しつつ,第2ギヤ912
と第3ギヤ921とを噛合させ,各ウエイトボディアセ
ンブリの軸心C(図13参照)を前記ロアケース87
1,872のバランスシャフト装着孔875の中心Oo
(図12)に位置させる。また,この時,同時にクラン
クギヤ85と第1ギヤ911とを正確に噛合させる必要
がある。
【0009】続いて,上記バランスシャフト装着孔87
5からシャフト915,925を挿入して上記ウエイト
ボディアセンブリにシャフト915,925を貫通さ
せ,最後に,図12に示すように上記シャフト915,
925をスラストワッシャー873を介してロアケース
871,872に回動可能に係止する。
【0010】上記のように,ウエイトボディアセンブリ
を手で保持しつつ,第1ギヤ911をクランクギヤ85
に噛合させ,また第2ギヤ912と第3ギヤ921とを
噛合させ,狭いクランクロアケース871,872間に
精度良くバランスシャフト装置90を組み付ける作業
は,熟練を要すると共に組み付けに時間がかかる。
【0011】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたものであり,シリンダケースに対する組み付けを
容易に行うことのできるバランスシャフト装置,並び
に,バランスシャフト装置をシリンダケースへ容易に組
み付けることのできる製造方法を提供しようとするもの
である。
【0012】
【課題の解決手段】本願の第1発明は,エンジンのクラ
ンクギヤに噛合して回転するバランスシャフト装置であ
って,上記クランクギアに噛合する第1ギヤを備えた第
1バランスシャフトと,上記第1バランスシャフトの第
2ギヤに噛合する第3ギヤを備えた第2バランスシャフ
トとからなり,上記第1バランスシャフトは,クランク
ギアに噛合する第1ギヤと,第2バランスシャフトを駆
動する第2ギヤ及び軸心に対して偏心した重心のウエイ
ト部を備えたウエイトボディと,軸受け部を備え軸心に
対して偏心しない重心を有するシャフトと,上記第1ギ
ヤと第2ギヤとの間に介設されたダンパー装置と,上記
ウエイトボディのウエイト部に装着するカバー部材とを
有しており,上記第2バランスシャフトは,上記第2ギ
ヤに噛合する第3ギヤ及び軸心に対して偏心した重心の
ウエイト部を備えたウエイトボディと,軸受け部を備え
軸心に対して偏心しない重心を有するシャフトと,上記
ウエイトボディに装着するカバー部材とを有しており,
両バランスシャフトのウエイト部は,軸心を中心とする
円弧状の外周面を有する肉盛り部と,上記円弧状外周面
よりも軸心側に後退した凹状の外周面を有する薄肉部と
からなり,両バランスシャフトの上記カバー部材は,上
記肉盛り部の円弧状外周面に外接するリング状の外縁部
と,上記外縁部よりも軸心側に突出し上記薄肉部の外周
面に外接する内曲部とを有しており,上記カバー部材の
外縁部と内曲部との間には,治具の桿状突部を挿入する
治具孔が複数個設けられおり,上記治具孔とウエイトボ
ディの軸心Cとの垂直距離D1は,シリンダケースのバ
ランスシャフト装着孔の中心Ooとバランスシャフトの
位置するシリンダケースの端部との間の垂直距離Doよ
りも大きく設定されていることを特徴とするバランスシ
ャフト装置にある。
【0013】また,本願の第2発明は,上記請求項1に
記載のバランスシャフト装置をシリンダケースに組み付
ける製造方法であって,始めに,シャフトを除き前記ウ
エイトボディとギヤ部等とを一体に組み付けウエイトボ
ディアセンブリを形成すると共に,互いに噛合する状態
に配置した上記第1,第2ウエイトボディアセンブリの
カバー部材のそれぞれの複数の治具孔に同時に挿入可能
な桿状突部を突設させた組み付け治具を用意し,続く第
1ステップとして,上記桿状突部を両方のカバー部材の
複数の治具孔に挿入することにより,単一の治具を介し
て両ウエイトボディアセンブリを保持し,第2ステップ
として,各ウエイトボディアセンブリの軸心Cを前記バ
ランスシャフト装着孔の中心Ooに位置させ,第3ステ
ップとして,上記バランスシャフト装着孔からそれぞれ
のシャフトを挿入して両ウエイトボディアセンブリにシ
ャフトを貫通させ,第4ステップとして,上記両シャフ
トをシリンダケースに回動可能に係止することを特徴と
するバランスシャフト装置をシリンダケースへ組み付け
る製造方法にある。
【0014】第1発明において最も注目すべきことは,
カバー部材の外縁部と内曲部との間には,治具の桿状突
部を挿入する治具孔を複数個設けたこと,そして,上記
治具孔とウエイトボディの軸心Cとの垂直距離D1は,
シリンダケースのバランスシャフト装着孔の中心Ooと
ウエイトボディの位置するシリンダケースの端部との間
の垂直距離Doよりも大きく設定されていることにある
(D1>Do)。
【0015】その結果,請求項2の発明の第1ステップ
に記載のように,組み付け治具の桿状突部を治具孔に挿
入することにより,互いに噛合状態にある両バランスシ
ャフトを同時に保持することができる(図9参照)。ま
た,図3に示すように,治具孔とウエイトボディの軸心
Cとの垂直距離D1は,シリンダケースのバランスシャ
フト装着孔の中心Ooとウエイトボディの位置するクラ
ンクロアケースの端部との間の垂直距離Doよりも大き
く設定されている。
【0016】それ故,請求項2の発明の第2ステップに
記載のように,桿状突部がシリンダケースに邪魔される
ことなく,ウエイトボディアセンブリの軸心Cをバラン
スシャフト装着孔の中心Ooに一致させることが可能と
なる。上記垂直距離D1が上記Do以下であると,桿状
突部がロアケースの端部に当接し,上記軸心Cをバラン
スシャフト装着孔の中心Ooまで進入することができな
いからである(D1=Doの場合も製造公差が存在する
から実質的に不可である)。
【0017】そして,ウエイトボディアセンブリの軸心
Cとバランスシャフト装着孔の中心Ooとを一致させた
状態で,請求項2の発明の第3ステップに記載のよう
に,上記バランスシャフト装着孔から両方のシャフトを
挿入し,両ウエイトボディアセンブリにシャフトを貫通
させる(図1,図2参照)。そして,第4ステップとし
て,上記両シャフトをシリンダケースに回動可能に係止
し,バランスシャフト装置をシリンダケースに装着す
る。シリンダケースに係止する手段には,前記スラスト
ワッシャー873(図12)などがある。
【0018】上記のように,第1,第2発明のバランス
シャフト装置及び組み付け方法によれば,一対のバラン
スシャフトを単一の治具により,所定の間隔に安定して
保持することができる。そして,その保持状態で,単一
の治具を移動させることにより,一対のウエイトボディ
アセンブリの中心Cと一対の装着孔の中心Ooとの位置
合わせを,同時にかつ容易に行うことができる。
【0019】上記のように,本発明によれば,シリンダ
ケースに対する組み付けを容易に行うことのできるバラ
ンスシャフト装置,並びに,バランスシャフト装置をシ
リンダケースへ容易に組み付けることのできる製造方法
を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施形態例 本例は,図4,図5に示すバランスシャフト装置1をエ
ンジンのクランクロアケース871,872に組み付け
る製造方法である。バランスシャフト装置1は,図4,
図5に示すように,エンジンのクランクギヤ85に噛合
して回転し,上記クランクギア85に噛合する第1ギヤ
11を備えた第1バランスシャフト10と,第1バラン
スシャフト10の第2ギヤ12に噛合する第3ギヤ21
を備えた第2バランスシャフト20とからなる。
【0021】第1バランスシャフト10は,図5に示す
ように,クランクギア85に噛合する第1ギヤ11と,
第2バランスシャフト20を駆動する第2ギヤ12及び
軸心Cに対して偏心した重心のウエイト部を備えたウエ
イトボディ15と,軸受け部を備え軸心に対して偏心し
ない重心を有するシャフト19と,第1ギヤ11と第2
ギヤ12との間に介設されたダンパー装置30と,ウエ
イトボディ15のウエイト部に装着するカバー部材50
とを有している。
【0022】そして,第2バランスシャフト20は,図
5に示すように,第2ギヤ12に噛合する第3ギヤ21
及び軸心Cに対して偏心した重心のウエイト部を備えた
ウエイトボディ23と,軸受け部を備え軸心に対して偏
心しない重心を有するシャフト29と,ウエイトボディ
23に装着するカバー部材50とを有する。
【0023】両バランスシャフト10,20のウエイト
部は,図5,図6に示すように,軸心Cを中心とする円
弧状の外周面を有する肉盛り部151,231と,円弧
状外周面よりも軸心側に後退した凹状の外周面を有する
薄肉部152,232とからなる。
【0024】また,両バランスシャフト10,20のカ
バー部材50は,図6,図7に示すように,肉盛り部1
51,231の円弧状外周面に外接するリング状の外縁
部51と,外縁部51よりも軸心側に突出し薄肉部15
2,232の外周面に外接する内曲部52とを有してい
る。そして,カバー部材50の外縁部51と内曲部52
との間には,図9に示す組立治具60の桿状突部61を
挿入する治具孔55が2個ずつ設けられいる。
【0025】そして,図3に示すように,治具孔55と
ウエイトボディの軸心C(図1)との垂直距離D1は,
クランクロアケース871のバランスシャフト装着孔8
75の中心Oo(図5)とバランスシャフト10,20
の位置するクランクロアケース871の端部との間の垂
直距離Doよりも大きく設定されている。
【0026】そして,バランスシャフト装置1は,以下
に述べる手順によりクランクロアケース871,872
に組み付ける。始めに,図6,図9に示すように,シャ
フト19,29を除きウエイトボディ15,23とギヤ
部11,12,21とカバー部材50とを一体に組み付
けウエイトボディアセンブリ100,200を形成す
る。
【0027】そして,図9に示すように,互いに噛合す
る状態に配置した上記第1,第2ウエイトボディアセン
ブリ100,200のカバー部材50のそれぞれの2個
の治具孔55(図6)に同時に挿入可能な4個の桿状突
部61を突設させた組み付け治具60を用意する。そし
て,第1ステップとして,図9に示すように,桿状突部
61を両方のカバー部材50の4個の治具孔55に挿入
することにより,単一の治具60を介して両ウエイトボ
ディアセンブリ100,200を保持する。
【0028】次に,第2ステップとして,図1に示すよ
うに,シリンダロアケース871,872の間に挿入
し,各ウエイトボディアセンブリ100,200の軸心
Cをバランスシャフト装着孔875(図5)の中心Oo
に位置させる。そして,第3ステップとして,図1に示
すようにバランスシャフト装着孔875からそれぞれの
シャフト19,29を挿入し,図2に示すように両ウエ
イトボディアセンブリ100,200にシャフト19,
29を貫通させる。
【0029】そして,図2に示すように,第4ステップ
として,スラストワッシャー58(図10)を溝191
に嵌着して両シャフト19,29をシリンダロアケース
871,872に回動可能に係止する。図1,図2にお
いて,符号59はシャフト19,29とウエイトボディ
15,23を連結するボルト,符号86はコンロッド,
符号861はピン,符号88はクランクのバランスウエ
イト,符号89はクランクキャップである。
【0030】以下それぞれについて説明する。図4,図
5に示すように,バランスシャフト装置1は,クランク
ギヤ85に駆動される第1シャフト10と,第1シャフ
ト10によって駆動される第2シャフト20とを有して
いる。そして,第1シャフト10は,図4,図5に示す
ように,シャフト19と,クランクギヤ85と噛合する
第1ギヤ11と,軸心に対して偏心したウエイト部を備
えると共に第2シャフト20と噛合する第2ギヤ12を
備えたウエイトボディ15と,上記ウエイトボディ15
を被うリング状のカバー部材50とを有する。第1ギヤ
11は,図5に示すように合成樹脂性のギヤ111と,
スチール製のボディ112からなる。そして,シャフト
19と駆動ギヤ12とは,スチール製である。
【0031】また,第2シャフト20は,図5に示すよ
うに,シャフト29と,軸心に対して偏心したウエイト
部を備えると共に第2ギヤ12と噛合する第3ギヤ21
を備えたウエイトボディ23と,上記ウエイトボディ2
3を被うリング状のカバー部材50とを有する。シャフ
ト29と第3ギヤ21は,スチール製である。そして,
上記ウエイトボディ部は,図6に示すように,半月状の
厚肉部151,231と,薄肉部152,232とから
なる。
【0032】そして,カバー部材50は,図7に示すよ
うに,ウエイトボディ23に嵌着することができると共
に,同様に図8に示すウエイトボディ15に対しても嵌
着することができる。即ち,カバー部材50は,図6に
示すように,リング状の外周部51を有し,外周部51
の約半周は上記ウエイト部の半月状の厚肉部151,2
31の外周に接してこれを被っており,薄肉部152,
232では凹部532がその外周に接している。
【0033】また,薄肉部152,232によって形成
されるウエイトボディ15,23の空部(欠肉部)で
は,カバー部材50は区画形成用の複数の壁531を軸
心方向に立てることにより,複数の軸心方向への凹部5
32を形成している。そして,そのうちの二つの壁53
1には治具孔55か穿設されている。上記カバー部材5
0は,強化繊維入りのナイロン系合成樹脂からなる。
【0034】図4,図5において,符号86はコンロッ
ド,符号871はシリンダヘッドの前面ロアケース,符
号872はシリンダヘッドの後面ロアケースである。ま
た,図5において,符号59は,ウエイトボディ15,
23とシャフト19,29とを固定するボルトであり,
符号115は第1ギヤ11をウエイトボディ15に回動
可能に係止するスナップリングである。
【0035】そして,図5,図6に示すように,駆動ギ
ヤ12と第1ギヤ111との間には,クランクギヤ85
のトルク変動を吸収しギヤノイズの発生を抑制するため
の緩衝用のダンパー装置30が介設されている。図6に
おいて,符号43は緩衝作用を生じさせるスプリング,
符号47はダンパー装置30を第1ギヤ11に固定する
ピン,符号48はダンパー装置30をウエイトボディ1
5に固定するピンである。そして,第1ギヤ11のトル
クは,スプリング43を介してウエイトボディ15に伝
達され,クランクのトルク変動はスプリング43によっ
て緩和される。
【0036】図5に示すように,バランスシャフト1
0,20は,ロアケース871,872の間の狭隘なス
ペースに装着される。そして,本例では,以下に述べる
方法により,組み付けが行われる。始めに,図6に示す
ように,シャフト19,29を除きウエイトボディ1
5,23とギヤ部11,12,21とカバー部材50と
を一体に組み付け,ウエイトボディアセンブリ100,
200を形成する。
【0037】そして,図9に示すように,互いに噛合す
る状態に配置した第1,第2ウエイトボディアセンブリ
100,200のカバー部材50のそれぞれの治具孔5
5(図6(b))に挿入可能な4個の桿状突部61を突
設させた組み付け治具60を用意する。そして,第1ス
テップとして,桿状突部61を両方のカバー部材50の
4個の治具孔55に挿入することにより,単一の治具6
0を介して両ウエイトボディアセンブリ100,200
を保持する。
【0038】次に,第2ステップとして,図1に示すよ
うに,保持したウエイトボディアセンブリ100,20
0をシリンダロアケース871,872の間に挿入す
る。そして,各ウエイトボディアセンブリ100,20
0の軸心Cをバランスシャフト装着孔875の中心Oo
に位置させる。
【0039】続いて,第3ステップとして,図1から図
2の変化に示すようにバランスシャフト装着孔875か
らそれぞれのシャフト19,29を挿入する。そして,
図2に示すように両ウエイトボディアセンブリ100,
200にシャフト19,29を貫通させ,バランスシャ
フト装着孔875にシャフト19,29を装着する。
【0040】次に,第4ステップとして,図10のスラ
ストワッシャー58の半円形の凹部581をシャフト1
9,29の溝191にはめ込み,両シャフト19,29
をシリンダロアケース871,872に回動可能に係止
する。スラストワッシャー58は,ロアケース872に
図示しないネジで固定される。図10においいて,符号
582は,そのためのネジ穴である。
【0041】上記のように,本例のバランスシャフト装
置1及びその組み付け方法によれば,図9に示すよう
に,一対のウエイトボディアセンブリ100,200を
単一の治具60により,所定の噛合状態で安定して保持
することができる。そして,その保持状態で,治具60
を移動させることにより,二つのウエイトボディアセン
ブリ100,200の中心Cと,二つの装着孔875の
中心Ooとの位置合わせを,同時に容易に行うことがで
きる。
【0042】上記のように,本例によれば,シリンダロ
アケース871,872に対する組み付けを容易に行う
ことのできるバランスシャフト装置1を得ることができ
ると共に,上記バランスシャフト装置1をシリンダロア
ケース871,872へ容易に組み付けることのできる
製造方法を提供することができる。
【0043】
【発明の効果】上記のように,本発明によれば,シリン
ダケースに対する組み付けを容易に行うことのできるバ
ランスシャフト装置,並びに,バランスシャフト装置を
シリンダケースへ容易に組み付けることのできる製造方
法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の組立方法においてウエイトボディ
アセンブリをシリンダロアケースに装着した状態を示す
図。
【図2】図1の状態からシャフトを装着完了し,スラス
トワッシャーを取付ようとする状態を示す図。
【図3】実施形態例の組立方法においてウエイトボディ
アセンブリをシリンダロアケースに装着する直前の状態
を示す図。
【図4】実施形態例のバランスウエイト装置をクランク
ギヤに噛合させた使用時の状態を示す正面図。
【図5】図4のX1−X1矢視線断面図。
【図6】実施形態例のウエイトボディアセンブリの平面
断面図(a)と正面図(b)。
【図7】実施形態例の第2バランスシャフトのウエイト
ボディにカバー部材を装着する手順を示す斜視図。
【図8】実施形態例の第1バランスシャフトのウエイト
ボディの斜視図。
【図9】実施形態例の二つのウエイトボディアセンブリ
を治具により保持した状態を示す斜視図。
【図10】実施形態例のスラストワッシャーの正面図。
【図11】従来のバランスウエイト装置をクランクギヤ
に噛合させた使用時の状態を示す正面図。
【図12】図11のY−Y矢視線断面図。
【図13】従来の第1バランスシャフトの斜視図。
【符号の説明】
100,200...ウエイトボディアセンブリ, 50...カバー部材, 60...組立治具, 61...桿状突部, 871,872...シリンダロアケース, 875...バランスシャフト装着孔, C...バランスシャフトの軸心, Oo...バランスシャフト装着孔の中心,

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランクギヤに噛合して回転
    するバランスシャフト装置であって,上記クランクギア
    に噛合する第1ギヤを備えた第1バランスシャフトと,
    上記第1バランスシャフトの第2ギヤに噛合する第3ギ
    ヤを備えた第2バランスシャフトとからなり,上記第1
    バランスシャフトは,クランクギアに噛合する第1ギヤ
    と,第2バランスシャフトを駆動する第2ギヤ及び軸心
    に対して偏心した重心のウエイト部を備えたウエイトボ
    ディと,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない重心を
    有するシャフトと,上記第1ギヤと第2ギヤとの間に介
    設されたダンパー装置と,上記ウエイトボディのウエイ
    ト部に装着するカバー部材とを有しており,上記第2バ
    ランスシャフトは,上記第2ギヤに噛合する第3ギヤ及
    び軸心に対して偏心した重心のウエイト部を備えたウエ
    イトボディと,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない
    重心を有するシャフトと,上記ウエイトボディに装着す
    るカバー部材とを有しており,両バランスシャフトのウ
    エイト部は,軸心を中心とする円弧状の外周面を有する
    肉盛り部と,上記円弧状外周面よりも軸心側に後退した
    凹状の外周面を有する薄肉部とからなり,両バランスシ
    ャフトの上記カバー部材は,上記肉盛り部の円弧状外周
    面に外接するリング状の外縁部と,上記外縁部よりも軸
    心側に突出し上記薄肉部の外周面に外接する内曲部とを
    有しており,上記カバー部材の外縁部と内曲部との間に
    は,治具の桿状突部を挿入する治具孔が複数個設けられ
    おり,上記治具孔とウエイトボディの軸心Cとの垂直距
    離D1は,シリンダケースのバランスシャフト装着孔の
    中心Ooとバランスシャフトの位置するシリンダケース
    の端部との間の垂直距離Doよりも大きく設定されてい
    ることを特徴とするバランスシャフト装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のバランスシャフト装置
    をシリンダケースに組み付ける製造方法であって,始め
    に,シャフトを除き前記ウエイトボディとギヤ部等とを
    一体に組み付けウエイトボディアセンブリを形成すると
    共に,互いに噛合する状態に配置した上記第1,第2ウ
    エイトボディアセンブリのカバー部材のそれぞれの複数
    の治具孔に同時に挿入可能な桿状突部を突設させた組み
    付け治具を用意し,続く第1ステップとして,上記桿状
    突部を両方のカバー部材の複数の治具孔に挿入すること
    により,単一の治具を介して両ウエイトボディアセンブ
    リを保持し,第2ステップとして,各ウエイトボディア
    センブリの軸心Cを前記バランスシャフト装着孔の中心
    Ooに位置させ,第3ステップとして,上記バランスシ
    ャフト装着孔からそれぞれのシャフトを挿入して両ウエ
    イトボディアセンブリにシャフトを貫通させ,第4ステ
    ップとして,上記両シャフトをシリンダケースに回動可
    能に係止することを特徴とするバランスシャフト装置を
    シリンダケースへ組み付ける製造方法。
JP19921797A 1997-07-08 1997-07-08 バランスシャフト装置及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3884535B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19921797A JP3884535B2 (ja) 1997-07-08 1997-07-08 バランスシャフト装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19921797A JP3884535B2 (ja) 1997-07-08 1997-07-08 バランスシャフト装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1130290A true JPH1130290A (ja) 1999-02-02
JP3884535B2 JP3884535B2 (ja) 2007-02-21

Family

ID=16404094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19921797A Expired - Fee Related JP3884535B2 (ja) 1997-07-08 1997-07-08 バランスシャフト装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3884535B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114635947A (zh) * 2022-03-10 2022-06-17 重庆大学 一种适用于两端面开槽工件的圈带动平衡机柔性轴向顶具

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101806221B1 (ko) * 2016-04-22 2017-12-07 마그나파워트레인코리아 주식회사 밸런서 조립장치 및 조립방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114635947A (zh) * 2022-03-10 2022-06-17 重庆大学 一种适用于两端面开槽工件的圈带动平衡机柔性轴向顶具
CN114635947B (zh) * 2022-03-10 2024-03-22 重庆大学 一种适用于两端面开槽工件的圈带动平衡机柔性轴向顶具

Also Published As

Publication number Publication date
JP3884535B2 (ja) 2007-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4503719A (en) Buffering mechanism for automotive starter
CN100441903C (zh) 发动机的平衡器从动齿轮
JP3875341B2 (ja) 車両用バランサー装置付きエンジン
CN107690534B (zh) 内部行星减速齿轮
US6547687B2 (en) Gear device
JPH1130290A (ja) バランスシャフト装置及びその製造方法
JPH07305716A (ja) 連接棒の大端部側組立構造
JP2015055324A (ja) 内燃機関のバランサ装置とこのバランサ装置の組付方法
CN111536199A (zh) 发动机平衡轴模块
KR101088633B1 (ko) 기어드 모터 및 로봇용 기어드 모터
JP4082109B2 (ja) 内燃機関の組立式カムシャフト
JPH09273618A (ja) 低騒音ギヤ
JP3474732B2 (ja) バランスシャフト装置
JPH05501990A (ja) 缶本体形成装置
JP3539196B2 (ja) 駆動力伝達装置
KR102589191B1 (ko) 저진동 편심 감속기
CN114110088B (zh) 发动机平衡模块和车辆
JPH09169221A (ja) プロペラシャフトのジョイント部構造
KR100481291B1 (ko) 이륜 자동차용 동력전달 시스템의 기어 소음 저감장치
JP2004084953A (ja) 駆動力伝達装置
JPH077611Y2 (ja) ねじの緩み止め構造
KR100193457B1 (ko) 모내기 기구
KR200150269Y1 (ko) 자동차용 조립식 플라이 휠
JPS6238046Y2 (ja)
JPH0750578Y2 (ja) コネクチングロッド

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20051201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A521 Written amendment

Effective date: 20061012

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061117

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees