JP3884535B2 - バランスシャフト装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,クランクギヤに連結されたバランスシャフトに関する。
【0002】
【従来技術】
ピストン,コンロッド等のエンジンの往復運動部には,慣性力が発生し,また,多気筒エンジンでは慣性力や慣性偶力が発生するから,これらを打ち消すためにバランスシャフトが用いられている。そして,上記バランスシャフトは,ギヤを介してクランクギヤと連結されているものと,チェーンを介してクランクシャフトと連結されているものとが知られている。
【0003】
ギヤを介するバランスシャフト装置90は,例えば図11,図12に示すように,クランクギヤ85に駆動される第1バランスシャフト91と,第1バランスシャフト91によって駆動される第2バランスシャフト92とを有し,前面のクランクロアケース871と後面のクランクロアケース872との間に装着されている。
図11において,符号86はコンロッドである。また,図12において,符号873は,バランスシャフト91,92をクランクロアケース872に回動可能に係止するスラストワッシャーである。
【0004】
そして,第1バランスシャフト91は,図12,図13に示すように,クランクギア85に噛合する第1ギヤ911と,第2バランスシャフト92を駆動する第2ギヤ912及び軸心に対して偏心した重心のウエイト部913を備えたウエイトボディ910と,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない重心を有するシャフト915と,上記第1ギヤ911と第2ギヤ912との間に介設されたダンパー装置93と有する。図13において,符号916,917はシャフト915の軸受け部である。
【0005】
ダンパー装置93は,図13に示すように,上記第2ギヤ912と第1ギヤ911との間に介設され,クランクギヤ85のトルク変動を吸収しギヤノイズの発生を抑制する緩衝用の部材である。そして,図12の符号931は上記緩衝作用を発現させるためのダンパー装置93のスプリングである。
【0006】
そして,第2バランスシャフト92は,図12に示すように,第2ギヤ912に噛合する第3ギヤ921及び軸心に対して偏心した重心のウエイト部922を備えたウエイトボディ920と,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない重心を有するシャフト925とを有する。
図12において符号991は,ウエイト部910,920をシャフト915,925に固定するボルトである。
そして,図12に示すように,バランスシャフト装置90は,上記ロアケース871,872の間の狭隘なスペースに装着されている。
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記バランスシャフト装置90は,シリンダケースへの組み付けが容易でない。
即ち,図12に示すように,ロアケース871,872の間にバランスシャフト装置90を組み付けるばあいには,始めに,第1,第2バランスシャフト91,92とも,それぞれシャフト915,925を除いて前記ウエイトボディ910,920とギヤ部911,912,921等とを一体に組み付ける(ウエイトボディアセンブリの組立)。
【0008】
そして,この二つのウエイトボディアセンブリ(中間組立品)を手で保持しつつ,第2ギヤ912と第3ギヤ921とを噛合させ,各ウエイトボディアセンブリの軸心C(図13参照)を前記ロアケース871,872のバランスシャフト装着孔875の中心Oo(図12)に位置させる。また,この時,同時にクランクギヤ85と第1ギヤ911とを正確に噛合させる必要がある。
【0009】
続いて,上記バランスシャフト装着孔875からシャフト915,925を挿入して上記ウエイトボディアセンブリにシャフト915,925を貫通させ,最後に,図12に示すように上記シャフト915,925をスラストワッシャー873を介してロアケース871,872に回動可能に係止する。
【0010】
上記のように,ウエイトボディアセンブリを手で保持しつつ,第1ギヤ911をクランクギヤ85に噛合させ,また第2ギヤ912と第3ギヤ921とを噛合させ,狭いクランクロアケース871,872間に精度良くバランスシャフト装置90を組み付ける作業は,熟練を要すると共に組み付けに時間がかかる。
【0011】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり,シリンダケースに対する組み付けを容易に行うことのできるバランスシャフト装置,並びに,バランスシャフト装置をシリンダケースへ容易に組み付けることのできる製造方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】
本願の第1発明は,エンジンのクランクギヤに噛合して回転するバランスシャフト装置であって,上記クランクギに噛合する第1ギヤを備えた第1バランスシャフトと,上記第1バランスシャフトの第2ギヤに噛合する第3ギヤを備えた第2バランスシャフトとからなり,上記第1バランスシャフトは,クランクギに噛合する第1ギヤと,第2バランスシャフトを駆動する第2ギヤ及び軸心に対して偏心した重心のウエイト部を備えたウエイトボディと,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない重心を有するシャフトと,上記第1ギヤと第2ギヤとの間に介設されたダンパー装置と,上記ウエイトボディのウエイト部に装着するカバー部材とを有しており,上記第2バランスシャフトは,上記第2ギヤに噛合する第3ギヤ及び軸心に対して偏心した重心のウエイト部を備えたウエイトボディと,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない重心を有するシャフトと,上記ウエイトボディに装着するカバー部材とを有しており,
両バランスシャフトのウエイト部は,軸心を中心とする円弧状の外周面を有する肉盛り部と,上記円弧状外周面よりも軸心側に後退した凹状の外周面を有する薄肉部とからなり,両バランスシャフトの上記カバー部材は,上記肉盛り部の円弧状外周面に外接するリング状の外縁部と,上記外縁部よりも軸心側に突出し上記薄肉部の外周面に外接する内曲部とを有しており,上記カバー部材の外縁部と内曲部との間には,治具の桿状突部を挿入する治具孔が複数個設けられおり,
上記治具孔とウエイトボディの軸心Cとの垂直距離D1は,シリンダケースのバランスシャフト装着孔の中心Ooとバランスシャフトの位置するシリンダケースの端部との間の垂直距離Doよりも大きく設定されていることを特徴とするバランスシャフト装置にある。
【0013】
また,本願の第2発明は,上記請求項1に記載のバランスシャフト装置をシリンダケースに組み付ける製造方法であって,始めに,上記第1バランスシャフトを構成する上記第1ギヤ,上記ウエイトボディ,上記ダンパー装置及び上記カバー部材を一体に組み付けて第1ウエイトボディアセンブリを形成すると共に,上記第2バランスシャフトを構成する上記ウエイトボディ及び上記カバー部材を一体に組み付けて第2ウエイトボディアセンブリを形成し,かつ,上記第1ウエイトボディアセンブリにおけるカバー部材と上記第2ウエイトボディアセンブリにおけるカバー部材とにそれぞれ形成した複数の治具孔に挿入可能な桿状突部を突設させた組み付け治具を用意し,
続く第1ステップとして,上記第1ウエイトボディアセンブリにおける上記ウエイトボディが一体的に備える上記第2ギヤと,上記第2ウエイトボディアセンブリにおける上記ウエイトボディが一体的に備える上記第3ギヤとを噛合させ,上記桿状突部を上記第1ウエイトボディアセンブリにおけるカバー部材の複数の治具孔と,上記第2ウエイトボディアセンブリにおけるカバー部材の複数の治具孔とに挿入することにより,上記組み付け治具を介して両ウエイトボディアセンブリを保持し,第2ステップとして,各ウエイトボディアセンブリの軸心Cを前記バランスシャフト装着孔の中心Ooに位置させ,第3ステップとして,上記バランスシャフト装着孔から上記第1バランスシャフトを構成する上記シャフト及び上記第2バランスシャフトを構成する上記シャフトを挿入して両ウエイトボディアセンブリに貫通させ,第4ステップとして,上記両シャフトをシリンダケースに回動可能に係止することを特徴とするバランスシャフト装置をシリンダケースへ組み付ける製造方法にある。
【0014】
第1発明において最も注目すべきことは,カバー部材の外縁部と内曲部との間には,治具の桿状突部を挿入する治具孔を複数個設けたこと,そして,上記治具孔とウエイトボディの軸心Cとの垂直距離D1は,シリンダケースのバランスシャフト装着孔の中心Ooとウエイトボディの位置するシリンダケースの端部との間の垂直距離Doよりも大きく設定されていることにある(D1>Do)。
【0015】
その結果,請求項2の発明の第1ステップに記載のように,組み付け治具の桿状突部を治具孔に挿入することにより,互いに噛合状態にある両バランスシャフトを同時に保持することができる(図9参照)。
また,図3に示すように,治具孔とウエイトボディの軸心Cとの垂直距離D1は,シリンダケースのバランスシャフト装着孔の中心Ooとウエイトボディの位置するクランクロアケースの端部との間の垂直距離Doよりも大きく設定されている。
【0016】
それ故,請求項2の発明の第2ステップに記載のように,桿状突部がシリンダケースに邪魔されることなく,ウエイトボディアセンブリの軸心Cをバランスシャフト装着孔の中心Ooに一致させることが可能となる。上記垂直距離D1が上記Do以下であると,桿状突部がロアケースの端部に当接し,上記軸心Cをバランスシャフト装着孔の中心Ooまで進入することができないからである(D1=Doの場合も製造公差が存在するから実質的に不可である)。
【0017】
そして,ウエイトボディアセンブリの軸心Cとバランスシャフト装着孔の中心Ooとを一致させた状態で,請求項2の発明の第3ステップに記載のように,上記バランスシャフト装着孔から両方のシャフトを挿入し,両ウエイトボディアセンブリにシャフトを貫通させる(図1,図2参照)。
そして,第4ステップとして,上記両シャフトをシリンダケースに回動可能に係止し,バランスシャフト装置をシリンダケースに装着する。シリンダケースに係止する手段には,前記スラストワッシャー873(図12)などがある。
【0018】
上記のように,第1,第2発明のバランスシャフト装置及び組み付け方法によれば,一対のバランスシャフトを単一の治具により,所定の間隔に安定して保持することができる。そして,その保持状態で,単一の治具を移動させることにより,一対のウエイトボディアセンブリの中心Cと一対の装着孔の中心Ooとの位置合わせを,同時にかつ容易に行うことができる。
【0019】
上記のように,本発明によれば,シリンダケースに対する組み付けを容易に行うことのできるバランスシャフト装置,並びに,バランスシャフト装置をシリンダケースへ容易に組み付けることのできる製造方法を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施形態例
本例は,図4,図5に示すバランスシャフト装置1をエンジンのクランクロアケース871,872に組み付ける製造方法である。
バランスシャフト装置1は,図4,図5に示すように,エンジンのクランクギヤ85に噛合して回転し,上記クランクギア85に噛合する第1ギヤ11を備えた第1バランスシャフト10と,第1バランスシャフト10の第2ギヤ12に噛合する第3ギヤ21を備えた第2バランスシャフト20とからなる。
【0021】
第1バランスシャフト10は,図5に示すように,クランクギア85に噛合する第1ギヤ11と,第2バランスシャフト20を駆動する第2ギヤ12及び軸心Cに対して偏心した重心のウエイト部を備えたウエイトボディ15と,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない重心を有するシャフト19と,第1ギヤ11と第2ギヤ12との間に介設されたダンパー装置30と,ウエイトボディ15のウエイト部に装着するカバー部材50とを有している。
【0022】
そして,第2バランスシャフト20は,図5に示すように,第2ギヤ12に噛合する第3ギヤ21及び軸心Cに対して偏心した重心のウエイト部を備えたウエイトボディ23と,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない重心を有するシャフト29と,ウエイトボディ23に装着するカバー部材50とを有する。
【0023】
両バランスシャフト10,20のウエイト部は,図5,図6に示すように,軸心Cを中心とする円弧状の外周面を有する肉盛り部151,231と,円弧状外周面よりも軸心側に後退した凹状の外周面を有する薄肉部152,232とからなる。
【0024】
また,両バランスシャフト10,20のカバー部材50は,図6,図7に示すように,肉盛り部151,231の円弧状外周面に外接するリング状の外縁部51と,外縁部51よりも軸心側に突出し薄肉部152,232の外周面に外接する内曲部52とを有している。そして,カバー部材50の外縁部51と内曲部52との間には,図9に示す組立治具60の桿状突部61を挿入する治具孔55が2個ずつ設けられいる。
【0025】
そして,図3に示すように,治具孔55とウエイトボディの軸心C(図1)との垂直距離D1は,クランクロアケース871のバランスシャフト装着孔875の中心Oo(図5)とバランスシャフト10,20の位置するクランクロアケース871の端部との間の垂直距離Doよりも大きく設定されている。
【0026】
そして,バランスシャフト装置1は,以下に述べる手順によりクランクロアケース871,872に組み付ける。
始めに,図6,図9に示すように,シャフト19,29を除きウエイトボディ15,23とギヤ部11,12,21とカバー部材50とを一体に組み付けウエイトボディアセンブリ100,200を形成する。
【0027】
そして,図9に示すように,互いに噛合する状態に配置した上記第1,第2ウエイトボディアセンブリ100,200のカバー部材50のそれぞれの2個の治具孔55(図6)に同時に挿入可能な4個の桿状突部61を突設させた組み付け治具60を用意する。
そして,第1ステップとして,図9に示すように,桿状突部61を両方のカバー部材50の4個の治具孔55に挿入することにより,単一の治具60を介して両ウエイトボディアセンブリ100,200を保持する。
【0028】
次に,第2ステップとして,図1に示すように,シリンダロアケース871,872の間に挿入し,各ウエイトボディアセンブリ100,200の軸心Cをバランスシャフト装着孔875(図5)の中心Ooに位置させる。
そして,第3ステップとして,図1に示すようにバランスシャフト装着孔875からそれぞれのシャフト19,29を挿入し,図2に示すように両ウエイトボディアセンブリ100,200にシャフト19,29を貫通させる。
【0029】
そして,図2に示すように,第4ステップとして,スラストワッシャー58(図10)を溝191に嵌着して両シャフト19,29をシリンダロアケース871,872に回動可能に係止する。
図1,図2において,符号59はシャフト19,29とウエイトボディ15,23を連結するボルト,符号86はコンロッド,符号861はピン,符号88はクランクのバランスウエイト,符号89はクランクキャップである。
【0030】
以下それぞれについて説明する。
図4,図5に示すように,バランスシャフト装置1は,クランクギヤ85に駆動される第1シャフト10と,第1シャフト10によって駆動される第2シャフト20とを有している。
そして,第1シャフト10は,図4,図5に示すように,シャフト19と,クランクギヤ85と噛合する第1ギヤ11と,軸心に対して偏心したウエイト部を備えると共に第2シャフト20と噛合する第2ギヤ12を備えたウエイトボディ15と,上記ウエイトボディ15を被うリング状のカバー部材50とを有する。第1ギヤ11は,図5に示すように合成樹脂性のギヤ111と,スチール製のボディ112からなる。そして,シャフト19と駆動ギヤ12とは,スチール製である。
【0031】
また,第2シャフト20は,図5に示すように,シャフト29と,軸心に対して偏心したウエイト部を備えると共に第2ギヤ12と噛合する第3ギヤ21を備えたウエイトボディ23と,上記ウエイトボディ23を被うリング状のカバー部材50とを有する。
シャフト29と第3ギヤ21は,スチール製である。
そして,上記ウエイトボディ部は,図6に示すように,半月状の厚肉部151,231と,薄肉部152,232とからなる。
【0032】
そして,カバー部材50は,図7に示すように,ウエイトボディ23に嵌着することができると共に,同様に図8に示すウエイトボディ15に対しても嵌着することができる。
即ち,カバー部材50は,図6に示すように,リング状の外周部51を有し,外周部51の約半周は上記ウエイト部の半月状の厚肉部151,231の外周に接してこれを被っており,薄肉部152,232では凹部532がその外周に接している。
【0033】
また,薄肉部152,232によって形成されるウエイトボディ15,23の空部(欠肉部)では,カバー部材50は区画形成用の複数の壁531を軸心方向に立てることにより,複数の軸心方向への凹部532を形成している。そして,そのうちの二つの壁531には治具孔55か穿設されている。
上記カバー部材50は,強化繊維入りのナイロン系合成樹脂からなる。
【0034】
図4,図5において,符号86はコンロッド,符号871はシリンダヘッドの前面ロアケース,符号872はシリンダヘッドの後面ロアケースである。
また,図5において,符号59は,ウエイトボディ15,23とシャフト19,29とを固定するボルトであり,符号115は第1ギヤ11をウエイトボディ15に回動可能に係止するスナップリングである。
【0035】
そして,図5,図6に示すように,駆動ギヤ12と第1ギヤ111との間には,クランクギヤ85のトルク変動を吸収しギヤノイズの発生を抑制するための緩衝用のダンパー装置30が介設されている。図6において,符号43は緩衝作用を生じさせるスプリング,符号47はダンパー装置30を第1ギヤ11に固定するピン,符号48はダンパー装置30をウエイトボディ15に固定するピンである。
そして,第1ギヤ11のトルクは,スプリング43を介してウエイトボディ15に伝達され,クランクのトルク変動はスプリング43によって緩和される。
【0036】
図5に示すように,バランスシャフト10,20は,ロアケース871,872の間の狭隘なスペースに装着される。そして,本例では,以下に述べる方法により,組み付けが行われる。
始めに,図6に示すように,シャフト19,29を除きウエイトボディ15,23とギヤ部11,12,21とカバー部材50とを一体に組み付け,ウエイトボディアセンブリ100,200を形成する。
【0037】
そして,図9に示すように,互いに噛合する状態に配置した第1,第2ウエイトボディアセンブリ100,200のカバー部材50のそれぞれの治具孔55(図6(b))に挿入可能な4個の桿状突部61を突設させた組み付け治具60を用意する。
そして,第1ステップとして,桿状突部61を両方のカバー部材50の4個の治具孔55に挿入することにより,単一の治具60を介して両ウエイトボディアセンブリ100,200を保持する。
【0038】
次に,第2ステップとして,図1に示すように,保持したウエイトボディアセンブリ100,200をシリンダロアケース871,872の間に挿入する。そして,各ウエイトボディアセンブリ100,200の軸心Cをバランスシャフト装着孔875の中心Ooに位置させる。
【0039】
続いて,第3ステップとして,図1から図2の変化に示すようにバランスシャフト装着孔875からそれぞれのシャフト19,29を挿入する。
そして,図2に示すように両ウエイトボディアセンブリ100,200にシャフト19,29を貫通させ,バランスシャフト装着孔875にシャフト19,29を装着する。
【0040】
次に,第4ステップとして,図10のスラストワッシャー58の半円形の凹部581をシャフト19,29の溝191にはめ込み,両シャフト19,29をシリンダロアケース871,872に回動可能に係止する。スラストワッシャー58は,ロアケース872に図示しないネジで固定される。図10においいて,符号582は,そのためのネジ穴である。
【0041】
上記のように,本例のバランスシャフト装置1及びその組み付け方法によれば,図9に示すように,一対のウエイトボディアセンブリ100,200を単一の治具60により,所定の噛合状態で安定して保持することができる。そして,その保持状態で,治具60を移動させることにより,二つのウエイトボディアセンブリ100,200の中心Cと,二つの装着孔875の中心Ooとの位置合わせを,同時に容易に行うことができる。
【0042】
上記のように,本例によれば,シリンダロアケース871,872に対する組み付けを容易に行うことのできるバランスシャフト装置1を得ることができると共に,上記バランスシャフト装置1をシリンダロアケース871,872へ容易に組み付けることのできる製造方法を提供することができる。
【0043】
【発明の効果】
上記のように,本発明によれば,シリンダケースに対する組み付けを容易に行うことのできるバランスシャフト装置,並びに,バランスシャフト装置をシリンダケースへ容易に組み付けることのできる製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の組立方法においてウエイトボディアセンブリをシリンダロアケースに装着した状態を示す図。
【図2】図1の状態からシャフトを装着完了し,スラストワッシャーを取付ようとする状態を示す図。
【図3】実施形態例の組立方法においてウエイトボディアセンブリをシリンダロアケースに装着する直前の状態を示す図。
【図4】実施形態例のバランスウエイト装置をクランクギヤに噛合させた使用時の状態を示す正面図。
【図5】図4のX1−X1矢視線断面図。
【図6】実施形態例のウエイトボディアセンブリの平面断面図(a)と正面図(b)。
【図7】実施形態例の第2バランスシャフトのウエイトボディにカバー部材を装着する手順を示す斜視図。
【図8】実施形態例の第1バランスシャフトのウエイトボディの斜視図。
【図9】実施形態例の二つのウエイトボディアセンブリを治具により保持した状態を示す斜視図。
【図10】実施形態例のスラストワッシャーの正面図。
【図11】従来のバランスウエイト装置をクランクギヤに噛合させた使用時の状態を示す正面図。
【図12】図11のY−Y矢視線断面図。
【図13】従来の第1バランスシャフトの斜視図。
【符号の説明】
100,200...ウエイトボディアセンブリ,
50...カバー部材,
60...組立治具,
61...桿状突部,
871,872...シリンダロアケース,
875...バランスシャフト装着孔,
C...バランスシャフトの軸心,
Oo...バランスシャフト装着孔の中心,

Claims (2)

  1. エンジンのクランクギヤに噛合して回転するバランスシャフト装置であって,上記クランクギヤに噛合する第1ギヤを備えた第1バランスシャフトと,上記第1バランスシャフトの第2ギヤに噛合する第3ギヤを備えた第2バランスシャフトとからなり,
    上記第1バランスシャフトは,クランクギヤに噛合する第1ギヤと,第2バランスシャフトを駆動する第2ギヤ及び軸心に対して偏心した重心のウエイト部を備えたウエイトボディと,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない重心を有するシャフトと,上記第1ギヤと第2ギヤとの間に介設されたダンパー装置と,上記ウエイトボディのウエイト部に装着するカバー部材とを有しており,
    上記第2バランスシャフトは,上記第2ギヤに噛合する第3ギヤ及び軸心に対して偏心した重心のウエイト部を備えたウエイトボディと,軸受け部を備え軸心に対して偏心しない重心を有するシャフトと,上記ウエイトボディに装着するカバー部材とを有しており,
    両バランスシャフトのウエイト部は,軸心を中心とする円弧状の外周面を有する肉盛り部と,上記円弧状外周面よりも軸心側に後退した凹状の外周面を有する薄肉部とからなり,
    両バランスシャフトの上記カバー部材は,上記肉盛り部の円弧状外周面に外接するリング状の外縁部と,上記外縁部よりも軸心側に突出し上記薄肉部の外周面に外接する内曲部とを有しており,上記カバー部材の外縁部と内曲部との間には,治具の桿状突部を挿入する治具孔が複数個設けられており,上記治具孔とウエイトボディの軸心Cとの垂直距離D1は,シリンダケースのバランスシャフト装着孔の中心Ooとバランスシャフトの位置するシリンダケースの端部との間の垂直距離Doよりも大きく設定されていることを特徴とするバランスシャフト装置。
  2. 請求項1に記載のバランスシャフト装置をシリンダケースに組み付ける製造方法であって,始めに,上記第1バランスシャフトを構成する上記第1ギヤ,上記ウエイトボディ,上記ダンパー装置及び上記カバー部材を一体に組み付けて第1ウエイトボディアセンブリを形成すると共に,上記第2バランスシャフトを構成する上記ウエイトボディ及び上記カバー部材を一体に組み付けて第2ウエイトボディアセンブリを形成し,かつ,上記第1ウエイトボディアセンブリにおけるカバー部材と上記第2ウエイトボディアセンブリにおけるカバー部材とにそれぞれ形成した複数の治具孔に挿入可能な桿状突部を突設させた組み付け治具を用意し,
    続く第1ステップとして,上記第1ウエイトボディアセンブリにおける上記ウエイトボディが一体的に備える上記第2ギヤと,上記第2ウエイトボディアセンブリにおける上記ウエイトボディが一体的に備える上記第3ギヤとを噛合させ,上記桿状突部を上記第1ウエイトボディアセンブリにおけるカバー部材の複数の治具孔と,上記第2ウエイトボディアセンブリにおけるカバー部材の複数の治具孔とに挿入することにより,上記組み付け治具を介して両ウエイトボディアセンブリを保持し,第2ステップとして,各ウエイトボディアセンブリの軸心Cを前記バランスシャフト装着孔の中心Ooに位置させ,第3ステップとして,上記バランスシャフト装着孔から上記第1バランスシャフトを構成する上記シャフト及び上記第2バランスシャフトを構成する上記シャフトを挿入して両ウエイトボディアセンブリに貫通させ,第4ステップとして,上記両シャフトをシリンダケースに回動可能に係止することを特徴とするバランスシャフト装置をシリンダケースへ組み付ける製造方法。
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