JPH08169350A - ラックエンドブッシュ構造 - Google Patents

ラックエンドブッシュ構造

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JPH08169350A
JPH08169350A JP6315090A JP31509094A JPH08169350A JP H08169350 A JPH08169350 A JP H08169350A JP 6315090 A JP6315090 A JP 6315090A JP 31509094 A JP31509094 A JP 31509094A JP H08169350 A JPH08169350 A JP H08169350A
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JP
Japan
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bush
rack
rack bar
peripheral surface
divided
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JP6315090A
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Chikashi Kurata
史 倉田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステアリングホイールの復帰時に復帰抵抗を
与えることがなく、しかも必要時にはラックバーの移動
に抵抗を付与する。 【構成】 ラックエンドブッシュ26は周方向に分割さ
れた第1ブッシュ28と略円筒形の第2ブッシュ30と
によって構成されており、組付状態では双方のブッシュ
28、30とラックバー16との間には所定のクリアラ
ンス36、52が設けられている。さらに、双方のブッ
シュ28、30には第1テーパ面32B、第2テーパ面
44Aが形成されている。従って、通常の操舵を行った
際のステアリングホイールの復帰時にはクリアランス3
6、52が設けられていることから復帰抵抗は生じな
く、許容量を越える操舵がなされた場合には楔効果によ
り第1ブッシュ28がラックバー16に圧接されてラッ
クバー16の移動に抵抗が付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラックチューブ内に収
容されると共にステアリングシャフトと一体に回転する
ピニオンと噛み合いステアリングシャフトの回転運動を
直線運動に変換するラックバーの端部付近を保持するラ
ックエンドブッシュに適用されるラックエンドブッシュ
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ラックアンドピニオン式のス
テアリング装置が多用されている。この種のステアリン
グ装置では、ステアリングホイールへの操作力(回転
力)がステアリングギヤボックス内に配置されたピニオ
ンに伝達される。ピニオンにはラックチューブ内に車両
幅方向に沿って配置されたラックバーが噛み合ってお
り、これによりピニオンの回転運動がラックバーの直線
運動に変換される。なお、ラックバーを挟んでピニオン
と反対側の部位にはスプリングで付勢されたラックガイ
ドが配設されており、これによりラックバーをピニオン
に適切に噛み合わせるようになっている。
【0003】ここで、上述したラックバーは、ピニオン
及びラックガイドによって支持されている他、ラックチ
ューブ内に配設されたラックエンドブッシュによって軸
方向移動可能に支持されている。この種のラックエンド
ブッシュの構造が実開昭57−133470号公報に開
示されており、以下、この公報に開示された構造につい
て説明する。
【0004】図6に示されるように、この公報に開示さ
れた構造では、ラックチューブ100内に外側ブッシュ
102及び内側ブッシュ104から成るラックエンドブ
ッシュ106が配設されている。すなわち、このラック
エンドブッシュ106は、外側ブッシュ102と内側ブ
ッシュ104とに分割されている。
【0005】外側ブッシュ102は、ラックチューブ1
00内へ圧入等により固定されている。また、外側ブッ
シュ102の内周面は、所定角度のテーパ面102Aと
されている。
【0006】一方、外側ブッシュ102内に挿入される
と共にラックバー108が貫通状態で配置される内側ブ
ッシュ104の外周面も、外側ブッシュ102のテーパ
面102Aの傾斜角度に合致するテーパ面104Aとさ
れている。また、外側ブッシュ102の端末にはフラン
ジ部102Bが形成されており、このフランジ部102
Bとストッパ110との間にはコイルスプリング112
が巻装されている。このため、コイルスプリング112
は、内側ブッシュ104を外側ブッシュ102に食い込
ませる方向へ常時押圧付勢している。
【0007】上記構成によれば、コイルスプリング11
2の付勢力による楔効果によって、内側ブッシュ104
が半径方向内側へ押圧されると共に、外側ブッシュ10
2が半径方向外側へ押圧される。この結果、内側ブッシ
ュ104、外側ブッシュ102等に摩耗が生じた場合に
も、ラックバー108と内側ブッシュ104との隙間を
常に無くすことができ、両者間での異音発生を防止する
ことができるというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された構造による場合、コイルスプリング11
2の付勢力によって、内側ブッシュ104の内周面とラ
ックバー108の外周面との間の摩擦力が常に増加した
状態にある。この摩擦力はステアリングホイールの操作
時(回転時)に操作抵抗を与える程ではないが、操作後
にステアリングホイールが自動復帰(ハンドル戻り)す
る際に復帰抵抗を与えるおそれがある。
【0009】一方、許容量以上の操舵がなされた場合に
は、ラックバー108が設定ストローク以上に移動しよ
うとする。従って、この場合には前述した摩擦力が必要
となる。しかし、この場合には外側ブッシュ102及び
内側ブッシュ104による楔効果が低減されることにな
るので、必要な摩擦力が得られない。
【0010】本発明は上記事実を考慮し、ステアリング
ホイールの復帰時に復帰抵抗を与えることがなく、しか
も必要時にはラックバーの移動に抵抗を付与することが
できるラックエンドブッシュ構造を得ることが目的であ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ラックチュー
ブ内に収容されると共にステアリングシャフトの回転に
応じて回転するピニオンと噛み合いステアリングシャフ
トの回転運動を直線運動に変換するラックバーの端部付
近を保持するラックエンドブッシュに適用されるラック
エンドブッシュ構造であって、ラックバーの外周面とラ
ックチューブの内周面との間に配置されると共にラック
バーの外周面との間に所定のクリアランスを有し、か
つ、ラックバーの周方向に分割されると共に各分割片の
端部に所定角度の第1テーパ面を有する第1ブッシュ
と、この第1ブッシュに対して同軸的に配置され、か
つ、第1テーパ面と対向すると共に第1テーパ面と係合
可能な第2テーパ面を有する第2ブッシュと、を有し、
ラックバーが移動して第1ブッシュ又は第2ブッシュの
反テーパ面側の端部が所定量以上の外力を受けた場合
に、第1テーパ面と第2テーパ面とが相互に圧接される
ことにより、第1ブッシュをラックバーの外周面に圧接
させる、ことを特徴としている。
【0012】
【作用】上記構成によれば、通常の操舵時であれば、ラ
ックバーは第1ブッシュ及び第2ブッシュに保持されな
がら円滑に直線運動する。すなわち、従来構造の如くス
プリングで予め加圧する等の構成を採らなければ、ラッ
クバーが各ブッシュから大きな摩擦力を受けることはな
く、ラックバーは円滑に移動することができる。従っ
て、ステアリングホイールの復帰時にラックバーに復帰
抵抗が生じることもない。
【0013】一方、許容量以上の操舵がなされた場合に
は、第1ブッシュ又は第2ブッシュの反テーパ面側の端
部がラックバーから所定量以上の外力を受ける。この場
合、第1テーパ面と第2テーパ面とが相互に圧接され
る。ここで、本発明では、第1ブッシュをラックバーの
周方向に分割したので、第1テーパ面と第2テーパ面と
が相互に圧接されることにより楔効果が生じる。従っ
て、第1ブッシュにラックバーの軸線側への移動力(分
力)が作用し、第1ブッシュはクリアランスを無くす方
向へ移動してその内周面がラックバーの外周面に圧接さ
れる。これにより、第1ブッシュの内周面とラックバー
の外周面との間に大きな摩擦力が発生し、ラックバーの
設定ストローク以上の移動が妨げられる。
【0014】総じていえば、本発明によれば、通常の操
舵がなされている場合にはラックバーを円滑に移動さ
せ、必要時にのみラックバーに大きな摩擦力が付与され
る。
【0015】
【実施例】以下、図1〜図5を用いて、本発明の一実施
例について説明する。
【0016】図5には、本実施例に係るラックアンドピ
ニオン式のステアリングギヤボックス10の周辺構造が
示されている。この図に示されるように、ステアリング
ギヤボックス10は内部中空のラックハウジング12を
備えており、このラックハウジング12内にステアリン
グシャフトと共に回転するピニオン14が配置されてい
る。このピニオン14には、車両幅方向を長手方向とし
て配置されたラックバー16のラック部16Aが噛み合
っている。また、ラックバー16のラック部16Aが形
成された側と反対側の部位には、図示しないスプリング
で押圧付勢されたラックガイド18が当接されており、
ピニオン14とラックバー16との噛み合い状態を適切
に維持するようになっている。
【0017】また、ラックバー16の長手方向両端部に
は、ラックエンドボールジョイント20を介してタイロ
ッド22が連結されている。タイロッド22の先端部に
は前輪に舵角を与えるための図示しないナックルアーム
が取り付けられている。
【0018】さて、上述したラックハウジング12の一
方の側部には円筒状のラックチューブ24が取り付けら
れており、このラックチューブ24内にラックバー16
が収容されている。さらに、このラックチューブ24の
端部内にはラックバー16との間にラックエンドブッシ
ュ26が配設されている。以下、このラックエンドブッ
シュ26の構造について詳細に説明する。
【0019】図1にはラックエンドブッシュ26を中心
とした拡大断面図が示されており、又図2にはその分解
斜視図が示されている。これらの図に示されるように、
ラックエンドブッシュ26は、各々金属製とされた第1
ブッシュ28と第2ブッシュ30とによって構成されて
いる。なお、材質は金属に限らず、所定硬度の樹脂等で
もよい。第1ブッシュ28はラックバー16の周方向に
三分割されており、組付状態では各分割片32がラック
バー16の周方向に等間隔で配置されている(図4参
照)。第1ブッシュ28の各分割片32の内周面及び外
周面は同心円状の円弧面を成している。また、各分割片
32の一方の端部には、径方向外側へ膨出する係止部3
2Aが一体に形成されている。この係止部32Aは、ラ
ックチューブ24の端部付近の内周面に形成された環状
の凹溝34内に嵌合されている。従って、第1ブッシュ
28が組付けられた状態では、第1ブッシュ28は軸方
向移動しない。さらに、第1ブッシュ28の各分割片3
2の内周面とラックバー16の外周面との間には、所定
のクリアランス36が形成されている。
【0020】また、第1ブッシュ28の各分割片32の
先端部には、所定角度の第1テーパ面32Bが形成され
ている。なお、この第1テーパ面32Bは、各分割片3
2の先端部から係止部32A側へ向かうにつれて徐々に
断面積が増加するようなテーパ面とされている。
【0021】一方、第2ブッシュ30は、略円筒形を成
しており、円筒体である基部38とこの基部38から第
1ブッシュ28側へ等間隔で突出する三片の突出部40
とから成る。基部38の端部38Aは、ボールジョイン
ト20の内端に設けられた板状のストッパ42と対向し
ている。また、基部38から突出部40が突出されるこ
とにより隣接する突出部40間に所定の収容部44が形
成されており、この収容部44内に第1ブッシュ28の
分割片32が相対的に挿入されるようになっている。さ
らに、各突出部40の両側面には三角形状の係合突起4
6が一体形成されており、これに対応して第1ブッシュ
28の各分割片32の両側面には三角形状の係合凹部4
8が一体形成されている。従って、第2ブッシュ30の
各収容部44内に第1ブッシュ28の各分割片32を相
対的に挿入させると、係合突起46と係合凹部48とが
係合し合う。なお、係合突起46の内側にはスリット5
0が形成されて脆弱化されており、組付時に係合突起4
6がスリット50側へ変位し得るようにしている。ま
た、この係合状態では、第2ブッシュ30の内周面とラ
ックバー16の外周面との間にも、所定のクリアランス
52が形成されている。
【0022】さらに、第2ブッシュ30の各収容部44
の底部には、所定角度の第2テーパ面44Aが形成され
ている。この第2テーパ面44Aは前述した各分割片3
2の第1テーパ面32Bと同一の傾斜角度に設定されて
おり、底部の先端部から基部38の端部38A側へ向か
うにつれて徐々に断面積が増加するようなテーパ面とさ
れている。
【0023】以下に、ラックエンドブッシュ26の組付
手順の説明を交えながら、本実施例の作用を説明する。
【0024】まず、図3に示される如く、第1ブッシュ
28の各分割片32のみをラックチューブ24内に挿入
させる。なお、このときには既にラックチューブ24内
にラックバー16が収容された状態にある。挿入するに
際しては、ラックチューブ24の軸芯に対してラックバ
ー16を偏心させて挿入スペースを作り、この挿入スペ
ースを使って各々分割片32を挿入していく。また、各
分割片32の係止部32Aをラックチューブ24の環状
の凹溝34内へ嵌合させて係止させる。係止状態では、
各分割片32をラックチューブ24の軸線方向へ移動さ
せることはできないが、凹溝34に沿ってラックチュー
ブ24の周方向へ移動させることは可能である。
【0025】次に、図4に示される如く、各分割片32
をラックチューブ24の周方向へ移動させると共にラッ
クバー16をラックチューブ24の軸線上に復帰させ
る。なお、このとき各分割片32が等間隔になるように
移動させる。
【0026】次に、図2に示される如く、第2ブッシュ
30を第1ブッシュ28側へ挿入して嵌合させる。この
とき、第2ブッシュ30の各収容部44内に各分割片3
2が相対的に挿入される。また、この際、第2ブッシュ
30の各突出部40の係合突起46はスリット50を圧
縮する方向へ変位しながら各分割片32の側面上を摺動
していき、係合凹部48に対応した時点で係合突起46
が弾性的に復帰して係合状態となる。
【0027】上記の如くして組付けられることにより、
図1図示の如く、第1ブッシュ28と第2ブッシュ30
とが一体化され、内部にラックバー16の端部を保持し
た状態になる。この状態では、第1ブッシュ28の各分
割片32の内周面とラックバー16の外周面との間及び
第2ブッシュ30の内周面とラックバー16の外周面と
の間に、各々所定のクリアランス36、52が形成され
る。
【0028】ここで、通常の操舵時にあっては、本実施
例に係るラックエンドブッシュ26は以下の如く作用す
る。
【0029】ステアリングホイールを回転させると、そ
の際の回転力がステアリングシャフトを介してピニオン
14に伝達される。このため、ピニオン14が回転し
て、これと噛み合うラックバー16が設定ストローク内
で直線運動を行う。この結果、ステアリングシャフト1
2の回転運動がラックバー16の直線運動に変換され
て、タイロッド22を介してナックルアームに伝達され
前輪の舵角が変更される。
【0030】上記の場合においては、第1ブッシュ28
の各分割片32の内周面とラックバー16の外周面との
間及び第2ブッシュ30の内周面とラックバー16の外
周面との間に各々所定のクリアランス36、52が設け
られていることから、これらの間に大きな摩擦力は生じ
ない。このため、ラックバー16は円滑に直線運動する
ことができる。
【0031】一方、許容量以上の操舵がなされると、ラ
ックバー16は設定ストローク以上に移動しようとす
る。具体的には、図1において、ラックバー16が左側
へ大きく移動しようとする。このため、ラックバー16
の端部に設けられているストッパ42が第2ブッシュ3
0の基部38の端部38Aに当接する。この場合、第1
ブッシュ28の各分割片32は、係止部32Aがラック
チューブ24の凹溝34内に係止されて軸方向移動が阻
止されていることから、第2ブッシュ30の各第2テー
パ面44Aが第1ブッシュ28の各分割片32の各第1
テーパ面32B上を摺動する。つまり、第1テーパ面3
2Bと第2テーパ面44Aとが相互に圧接される。この
ため、楔効果により、第2ブッシュ30に入力された荷
重が第1テーパ面32Bによって分化されて、各分割片
32に軸直角方向(半径方向内側)への押圧力(移動
力)が作用する。これにより、第1ブッシュ28の各分
割片32の内周面がラックバー16の外周面に圧接され
る。従って、第1ブッシュ28の各分割片32の内周面
とラックバー16の外周面との間に大きな摩擦力が発生
する。この摩擦力と第2ブッシュ30に作用する反力に
より、ラックバー16の設定ストローク以上の移動が妨
げられる。このため、第2ブッシュ30は、ストッパ4
2からの荷重をダイレクトに受けるのではなく、緩和さ
れた状態で受けることになる。
【0032】なお、第1ブッシュ28をラックバー16
に圧接させた第2ブッシュ30は、その後に元の位置に
自動的に復帰する。すなわち、前輪からの振動等がラッ
クバー16を介して第1ブッシュ28に伝達されるの
で、伝達された上下方向力の水平分力が第1テーパ面3
2B及び第2テーパ面44Aを介して第2ブッシュ30
に入力される。このため、第2ブッシュ30は元の位置
に自動的に復帰する。従って、第1ブッシュ28とラッ
クバー16との間の摩擦力が増加されたまま放置される
といったことは生じない。
【0033】このように本実施例では、ラックエンドブ
ッシュ26を第1ブッシュ28と第2ブッシュ30とに
分割すると共に第1ブッシュ28をラックバー16の周
方向に分割して等間隔で配置し、更に第1ブッシュ28
の各分割片32の内周面とラックバー16の外周面との
間及び第2ブッシュ30の内周面とラックバー16の外
周面との間に各々所定のクリアランス36、52を設け
たので、通常の操舵時にはラックバー16を円滑に移動
させることができ、ひいてはステアリングホイールの復
帰時に復帰抵抗が生じるのを防止することができる。
【0034】しかも、本実施例では、第1ブッシュ28
に第1テーパ面32Bを形成すると共に第2ブッシュ3
0に第2テーパ面44Aを形成し、ストッパ42が第2
ブッシュ30の端部38Aに当接した場合に第1ブッシ
ュ28の内周面をラックバー16の外周面に圧接させる
ようにしたので、第2ブッシュ30への当接荷重を緩和
することができ、ひいては第2ブッシュ30から荷重が
入力される第1ブッシュ28の係止部32A或いはこれ
が係止されるラックチューブ24の凹溝34に過度の応
力集中が生じるのを防止することができる。従って、こ
れらの部分が破損することもない。
【0035】総じていえば、本実施例によれば、通常の
操舵がなされている場合にはラックバー16を円滑に移
動させることでステアリングホイールの復帰時の復帰抵
抗を無くすことができ、必要時にのみラックバー16に
大きな摩擦力を付与することでラックエンドブッシュ2
6或いはラックチューブ24が破損するのを防止するこ
とができる。
【0036】上記効果に加え、本実施例によれば、ラッ
クエンドブッシュ26を第1ブッシュ28と第2ブッシ
ュ30とに分割すると共に第1ブッシュ28を周方向に
分割し、更に双方を係合突起46及び係合凹部48で係
合する構造であるので、メンテナンス性を向上させるこ
とができる。すなわち、第2ブッシュ30の端部38A
に設けられた孔54(図2参照)内に工具を差し込んで
引き抜くことにより係合突起46と係合凹部48との係
合状態を容易に解除することができる。解除後は、前述
した組付手順と逆の要領で第1ブッシュ28も簡単にラ
ックチューブ24内から取り出すことができる。従っ
て、ラックエンドブッシュ26のメンテナンス性が向上
される。
【0037】また、本実施例によれば、上記の如くスト
ッパ42からの当接荷重を緩和することができるので、
ピニオン14及びラックバー16のラック部16Aの歯
の強度を低減させることが可能になる。このため、ピニ
オン14やラックバー16ひいてはステアリングギヤボ
ックス10の小型化を図ることができる。
【0038】さらに、本実施例では、ラックエンドブッ
シュ26を第1ブッシュ28と第2ブッシュ30とに軸
方向に分割したので、従来構造の如く径方向に二分割す
る構成に比し、径方向への小型化を図ることができる。
【0039】なお、本実施例では、第2ブッシュ30の
端部38Aにストッパ42を当接させ、これにより周方
向に分割された第1ブッシュ28がラックバー16に圧
接されるように構成したが、これに限らず、第1ブッシ
ュ28の第1テーパ面32B及び第2ブッシュ30の第
2テーパ面44Aの傾斜方向を逆にすると共に第1ブッ
シュ28を略円筒形にして第2ブッシュ30を周方向に
分割してもよい。この場合には、第2ブッシュ30の端
部38Aにストッパ42が当接すると、第2ブッシュ3
0自体がラックバー16に圧接されることになるが、効
果としては同等である。付言すると、上記の如く構成し
た場合には、周方向に分割された第2ブッシュ30が請
求項1記載の第1ブッシュとして機能することになる。
【0040】また、請求項1記載の本発明を、「ラック
バーの外周面と・・・所定のクリアランスを有し、ラッ
クバーの周方向に分割されかつ各分割片の端部に所定角
度の第1テーパ面を有すると共に各分割片の両側部に被
係合部(係合凹部48がこれに相当)を有する第1ブッ
シュと、この第1ブッシュに対して・・・、かつ、第1
テーパ面と対向し第1テーパ面と係合可能な第2テーパ
面を有すると共に第1ブッシュの被係合部と対応する部
位に当該被係合部と離脱可能に係合する係合部(係合突
起46がこれに相当)を有する略円筒形の第2ブッシュ
と、(以下、略)」とした場合には、第1ブッシュと第
2ブッシュとを相互に組付けた場合に確実な係合状態が
得られ、しかも分解時には容易に係合部を被係合部から
離脱させることができメンテナンス性を向上させること
ができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るラック
エンドブッシュ構造は、ラックバーの外周面とラックチ
ューブの内周面との間に配置されると共にラックバーの
外周面との間に所定のクリアランスを有し、かつ、ラッ
クバーの周方向に分割されると共に各分割片の端部に所
定角度の第1テーパ面を有する第1ブッシュと、この第
1ブッシュに対して同軸的に配置され、かつ、第1テー
パ面と対向すると共に第1テーパ面と係合可能な第2テ
ーパ面を有する第2ブッシュと、を有し、ラックバーが
移動して第1ブッシュ又は第2ブッシュの反テーパ面側
の端部が所定量以上の外力を受けた場合に、第1テーパ
面と第2テーパ面とが相互に圧接されることにより、第
1ブッシュをラックバーの外周面に圧接させるので、ス
テアリングホイールの復帰時に復帰抵抗を与えることが
なく、しかも必要時にはラックバーの移動に抵抗を付与
することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るラックエンドブッシュを軸線を
含む平面で切断した状態で示す断面図である。
【図2】図1に示されるラックエンドブッシュの分解斜
視図である。
【図3】ラックエンドブッシュの組付手順を説明するた
めの説明図である。
【図4】同じく、ラックエンドブッシュの組付手順を説
明するための説明図である。
【図5】ステアリングギヤボックスの周辺構造を示す全
体構成図である。
【図6】従来のラックエンドブッシュの構造を示す図1
に概略対応する断面図である。
【符号の説明】
14 ピニオン 16 ラックバー 24 ラックチューブ 26 ラックエンドブッシュ 28 第1ブッシュ 30 第2ブッシュ 32 分割片 32B 第1テーパ面 36 クリアランス 38A 端部(反テーパ面側の端部) 44A 第2テーパ面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラックチューブ内に収容されると共にス
    テアリングシャフトの回転に応じて回転するピニオンと
    噛み合いステアリングシャフトの回転運動を直線運動に
    変換するラックバーの端部付近を保持するラックエンド
    ブッシュに適用されるラックエンドブッシュ構造であっ
    て、 ラックバーの外周面とラックチューブの内周面との間に
    配置されると共にラックバーの外周面との間に所定のク
    リアランスを有し、かつ、ラックバーの周方向に分割さ
    れると共に各分割片の端部に所定角度の第1テーパ面を
    有する第1ブッシュと、 この第1ブッシュに対して同軸的に配置され、かつ、第
    1テーパ面と対向すると共に第1テーパ面と係合可能な
    第2テーパ面を有する第2ブッシュと、 を有し、 ラックバーが移動して第1ブッシュ又は第2ブッシュの
    反テーパ面側の端部が所定量以上の外力を受けた場合
    に、第1テーパ面と第2テーパ面とが相互に圧接される
    ことにより、第1ブッシュをラックバーの外周面に圧接
    させる、 ことを特徴とするラックエンドブッシュ構造。
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