JPH1130284A - ダイナミックダンパー及びフライホイール組立体 - Google Patents

ダイナミックダンパー及びフライホイール組立体

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JPH1130284A
JPH1130284A JP9186757A JP18675797A JPH1130284A JP H1130284 A JPH1130284 A JP H1130284A JP 9186757 A JP9186757 A JP 9186757A JP 18675797 A JP18675797 A JP 18675797A JP H1130284 A JPH1130284 A JP H1130284A
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Japan
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transmission
input shaft
clutch
rubber member
dynamic damper
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JP9186757A
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Hirotaka Fukushima
寛隆 福島
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Exedy Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/14Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using masses freely rotating with the system, i.e. uninvolved in transmitting driveline torque, e.g. rotative dynamic dampers
    • F16F15/1407Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using masses freely rotating with the system, i.e. uninvolved in transmitting driveline torque, e.g. rotative dynamic dampers the rotation being limited with respect to the driving means
    • F16F15/1414Masses driven by elastic elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/131Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon the rotating system comprising two or more gyratory masses
    • F16F15/13107Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon the rotating system comprising two or more gyratory masses for damping of axial or radial, i.e. non-torsional vibrations
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/131Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon the rotating system comprising two or more gyratory masses
    • F16F15/133Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon the rotating system comprising two or more gyratory masses using springs as elastic members, e.g. metallic springs
    • F16F15/136Plastics springs, e.g. made of rubber

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイナミックダンパーにゴム部材を採用し、
コストやダンパー特性を犠牲にとすることなくゴム部材
及びその周辺に作用する応力を低減する。 【解決手段】 ダイナミックダンパー10は、エンジン
のクランク軸8とトランスミッションの入力軸9とを連
結する連結機構1において入力軸9に従動可能なもので
あって、質量体11と、サブクラッチ13と、弾性部組
立体12とを備えている。質量体11は入力軸9の回転
と連動して回転し得る。サブクラッチ13は、メインク
ラッチによってクランク軸8と入力軸9との連結が解除
されるときに、入力軸9と質量体11との連動を解除す
る。弾性部組立体12は、ゴム部材を含んでおり、円周
方向に複数配置されていて、入力軸9と質量体11とが
連動しているときに入力軸9と質量体11とを主として
ゴム部材の曲げあるいは圧縮により回転方向に弾性的に
連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイナミックダン
パー及びフライホイール組立体、特にトランスミッショ
ンの入力軸に連動して振動を制振するダイナミックダン
パーに関する。
【0002】
【従来の技術】本件出願人は、この種のダイナミックダ
ンパー及びフライホイール組立体について、特公平6−
48031等の先行技術を開発している。これらの先行
技術では、質量部である第2フライホイールをクラッチ
ディスクが第1フライホイールに圧接されている時だけ
捩りダンパー機構を介して駆動伝達系に連結させ、駆動
伝達系の捩り振動を制振している。これにより、ニュー
トラルの状態におけるトランスミッションのギアの歯打
音(中立音)や走行時におけるトランスミッションの振
動及び異音を抑えつつ、クラッチ切断時におけるトラン
スミッションの変速動作の阻害を抑えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなダイナミッ
クダンパーにおいて、ダンパー特性を向上させるために
採りうる手段の1つとして、捩りダンパー機構で採用さ
れているコイルスプリングに代えてゴム部材を使うこと
が考えられる。例えば、図13に示すように、第2フラ
イホイール71と駆動伝達系のトランスミッションの入
力軸9とを環状のゴム部材72を介して連結させること
が考えられる。
【0004】しかし、図13のように環状のゴム部材7
2を採用する場合、第2フライホイール71とトランス
ミッションの入力軸9との間でゴム部材72には主とし
て剪断力が作用して、ゴム部材72は剪断変形をする。
このため、ゴム部材72と第2フライホイール71との
接合部分がはがれたり、ゴム部材72が剪断応力により
劣化したりする恐れがある。これらの恐れを回避するた
めには、これらの部分を補強したり剛性を強化したりし
なければならず、コストがあがる。また、ゴム部材の剛
性を強化すると所定のダンパー特性が得られない恐れも
ある。
【0005】本発明の課題は、ダイナミックダンパーに
ゴム部材を採用した場合に、コストやダンパー特性を犠
牲にすることなくゴム部材及びその周辺に作用する応力
を低減することのできるダイナミックダンパーを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダイナ
ミックダンパーは、連結機構においてトランスミッショ
ンの入力軸に従動可能なダイナミックダンパーであっ
て、質量部と、サブクラッチと、弾性部とを備えてい
る。連結機構は、エンジンのクランク軸とトランスミッ
ションの入力軸とを連結する機構であって、メインクラ
ッチを含んでいる。質量部はトランスミッションの入力
軸の回転と連動して回転し得る。サブクラッチは、メイ
ンクラッチによってエンジンのクランク軸とトランスミ
ッションの入力軸との連結が解除されるときに、トラン
スミッションの入力軸と質量部との連動を解除する。弾
性部は、ゴム部材を含んでおり、円周方向に複数配置さ
れている。この複数の弾性部は、サブクラッチによって
トランスミッションの入力軸と質量部とが連動している
ときに、トランスミッションの入力軸と質量部とを主と
してゴム部材の曲げあるいは圧縮により回転方向に弾性
的に連結する。
【0007】このダイナミックダンパーを備えた連結機
構では、エンジンのクランク軸から入力されたトルクは
メインクラッチを介してトランスミッションの入力軸に
伝達される。メインクラッチが接続状態であるときに
は、サブクラッチによってトランスミッションの入力軸
の回転にダイナミックダンパーが連動する状態となる。
したがって、トランスミッションのニュートラル時の中
立音や走行時の異音はダイナミックダンパーにより制振
される。ここでは、単にイナーシャを付加して共振を回
避するイナーシャダンパーではなくダイナミックダンパ
ーを使用しているため、部分回転域でのトランスミッシ
ョンの入力軸の振動を制振することができる。このた
め、イナーシャダンパーでは低減できないレベルまで振
動を低減させることもできる。
【0008】また、ここでは、複数の弾性部によりトラ
ンスミッションの入力軸と質量部とを連結する構造を採
っているため、弾性部の円周方向両側にトランスミッシ
ョンの入力軸側の部材及び質量部側の部材を配置するこ
とが可能となり、トランスミッションの入力軸から質量
部へと伝達される力は、ゴム部材の剪断ではなく主とし
てゴム部材の圧縮及び曲げを介して伝わる。
【0009】このように、本請求項に記載のダイナミッ
クダンパーのゴム部材は、剪断変形が抑えられ、主とし
て剪断変形に対して比較的許容範囲の広い曲げ変形や圧
縮変形をする。したがって、主としてゴム部材の剪断を
介してトランスミッションの入力軸と質量部とを連結す
る場合に較べて、ゴム部材の材質を上げることなく、あ
るいはダンパー特性を犠牲にしてゴム部材の剛性をあげ
ることなく、ゴム部材及びその周辺に作用する応力を低
減することができる。
【0010】請求項2に記載のダイナミックダンパー
は、請求項1に記載のダイナミックダンパーにおいて、
ゴム部材は筒状である。また、弾性部は、ゴム部材と、
内周側筒状部材と、外周側筒状部材とを有している。内
周側筒状部材はゴム部材の内周面に装着され、外周側筒
状部材はゴム部材の外周面に装着される。内周側筒状部
材あるいは外周側筒状部材の一方をトランスミッション
の入力軸と連結し、内周側筒状部材あるいは外周側筒状
部材の他方を質量部と連結することで、トランスミッシ
ョンの入力軸と質量部とを弾性的に連結する。
【0011】ここでは、内周側筒状部材と外周側筒状部
材との間のゴム部材は、筒状であり、内周面及び外周面
を介して内周側筒状部材及び外周側筒状部材から力を受
ける。すなわち、ゴム部材を筒状にして、かつ力の作用
方向が径方向であるため、ゴム部材における応力集中が
抑えられる。また、筒状のゴム部材に力が作用するた
め、ゴム部材は主として圧縮応力を受け、ゴム部材に空
洞等が設けられているときにはゴム部材は主として曲げ
応力を受ける。
【0012】請求項3に記載のフライホイール組立体
は、フライホイールと、ダイナミックダンパーとを備え
ている。フライホイールはエンジンのクランク軸に回転
不能に連結される。このフライホイールには、トランス
ミッションの入力軸と連結されているクラッチディスク
組立体が断続する。ダイナミックダンパーは、請求項1
又は2に記載のものである。
【0013】ここでは、ダイナミックダンパーをフライ
ホイールとともにフライホイール組立体に組み込んでい
る。このため、エンジンのクランク軸、あるいはクラッ
チディスク組立体やトランスミッションの入力軸と合体
させるときに組み付けが容易となる。請求項4に記載の
フライホイール組立体は、請求項3に記載のフライホイ
ール組立体において、プレート部材をさらに備えてい
る。プレート部材は、内周部がエンジンのクランク軸に
固定され、外周部がフライホイールに固定される。この
プレート部材は、所定の剛性を有しており、回転軸に沿
った振動を吸収する。
【0014】ここでは、エンジンのクランク軸とフライ
ホイールとの間にプレート部材を挿入しているので、フ
ライホイール組立体によって軸方向の振動をも減少させ
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態におけるダイ
ナミックダンパーを含むフライホイール組立体の縦断面
を図1に示す。ダイナミックダンパー10は、エンジン
のクランク軸8とトランスミッションの入力軸9との接
続及び接続解除を行う連結機構1に含まれるものであっ
て、サブクラッチ13によってトランスミッションの入
力軸9に接続されてトランスミッションの振動を制振す
る役割を果たす。
【0016】連結機構1は、主として、ダイナミックダ
ンパー10を含むフライホイール組立体2と、クラッチ
カバー組立体4及びクラッチディスク組立体5から成る
メインクラッチ3とにより構成されている。この連結機
構1の回転軸は、図1の軸O−Oである。フライホイー
ル組立体2は、エンジンのクランク軸8に回転不能に連
結されるものであり、主として、フライホイール2a
と、フレキシブルプレート組立体2bと、ダイナミック
ダンパー10とから構成される。図7に、フライホイー
ル組立体2の組立分解図を示す。フライホイール2aと
フレキシブルプレート組立体2bとは、図1に示すよう
に、互いの外周部にて連結されている。フレキシブルプ
レート組立体2bは、厚肉の円板の内周部分に薄肉のフ
レキシブルプレート2cの一端が固定される構造となっ
ており、フレキシブルプレート2cの他端は、円周方向
に等間隔に配置された7つのボルト8aによって、エン
ジンのクランク軸8に固定されている。ダイナミックダ
ンパー10については後述する。
【0017】メインクラッチ3のクラッチカバー組立体
4は、主として、クラッチカバー4aと、環状のダイヤ
フラムスプリング4bと、ダイヤフラムスプリング4b
によってエンジン側(図1の左側)に付勢されるプレッ
シャープレート4cとから構成されている。クラッチカ
バー4aは、外周部がフライホイール2aのトランスミ
ッション側(図1の右側)の端部に固定されている。ク
ラッチカバー4aの内周部は、図示しないワイヤリング
を介してダイヤフラムスプリング4bの径方向中間部分
を支持している。プレッシャープレート4cは、ダイヤ
フラムスプリング4bの外周部等によりクラッチカバー
4a内に保持されている。このプレッシャープレート4
cは、ダイヤフラムスプリング4bの内周端を図示しな
いレリーズベアリングで回転軸O−Oに沿った方向(以
下、軸方向という。)に移動させて、ダイヤフラムスプ
リング4bで付勢させる、あるいはそのダイヤフラムス
プリング4bの付勢を解除させることにより、軸方向に
移動する。このクラッチカバー組立体4は、フライホイ
ール2aに対してプレッシャープレート4cを付勢する
ことで、クラッチディスク組立体5をフライホイール2
aとプレッシャープレート4cとの間に挟持して、フラ
イホイール組立体4とクラッチディスク組立体5とを摩
擦係合させる役割を果たす。
【0018】メインクラッチ3のクラッチディスク組立
体5は、主として、摩擦フェーシング5aを有する摩擦
係合部と、内周部がトランスミッションの入力軸9とス
プライン係合しているスプラインハブ5cと、摩擦係合
部とスプラインハブ5cとを回転方向に弾性的に連結す
るコイルスプリング5bとから構成されている。次に、
ダイナミックダンパー10の構造について詳述する。
【0019】ダイナミックダンパー10は、主として、
質量体(質量部)11と、弾性部組立体(弾性部)12
と、入力プレート(入力部)14と、サブクラッチ13
とから構成される。質量体11は、図1及び図2に示す
ように、断面が概ね外周側に開く三角形状である環状の
質量体本体部11aの内周側に環状の円板部11bが一
体に形成されたものである。円板部11bには、図2に
示すように、円周方向に等間隔に配置される円孔11c
が10個設けられている。
【0020】弾性部組立体12は、図1及び図3に示す
ように、質量体11と入力プレート14とを弾性的に連
結するものである。この弾性部組立体12は、図3〜図
5に示すように、筒状のゴム部材21と、ゴム部材21
の外周面に固定される外周側筒状部材22と、ゴム部材
21の内周面に固定される内周側筒状部材23とから構
成される。外周側筒状部材22及び内周側筒状部材23
は鋼製の部材である。
【0021】ゴム部材21は、本体部(第1ゴム部)2
1aと、本体部21aの外周側(図3の上側)かつトラ
ンスミッション側(図3の右側)に位置する外周突起部
21bとが一体に形成されたものである。また、ゴム部
材21には、図4及び図5に示すように、本体部21a
を軸方向に貫通する空洞21cが2つ設けられている。
図4及び図5において、方向R1及びR2は円周方向に
沿った方向を表し、方向D1は径方向に沿った方向を表
している。空洞21cは、図4に示すように、径方向に
長い概ね長円形の空洞であり、円周方向の長さ(以下、
隙間という。)がそれぞれsである。
【0022】内周側筒状部材23は、ゴム部材21の軸
方向の長さに等しい長さの筒形状の部材である。外周側
筒状部材22は、軸方向の長さが内周側筒状部材23の
軸方向の長さよりも短い概ね筒形状の部材であり、筒状
部22aと、筒状部22aのトランスミッション側端部
から外周側に延びる折れ曲がり部22bとから構成され
る。折れ曲がり部22bのトランスミッション側の面は
外周突起部21bのエンジン側の面に接着されている。
【0023】上記の弾性部組立体12は、図1及び図7
に示すように、質量体11の円孔11c内に配置され
る。そして、弾性部組立体12は、外周側筒状部材22
の筒状部22aの外周面が円孔11cの内周面に固定さ
れ、内周側筒状部材23がピン16を介して入力プレー
ト14の外周部に連結されることで、質量体11と入力
プレート14とを円周方向、軸方向、及び径方向に弾性
的に連結する。
【0024】弾性部組立体12の円周方向の弾性は、質
量体11と入力プレート14との間のトルク伝達量が小
さいときには、主として、ゴム部材21の本体部21a
のうち内周側筒状部材23の径方向両側の部分の曲げ剛
性によって決まる。また、質量体11と入力プレート1
4との間のトルク伝達量が大きくなると質量体11と入
力プレート14とが回転方向に相対移動して一方の空洞
21cの隙間sが消滅して(図12参照)、弾性部組立
体12の円周方向の弾性は、主として、ゴム部材21の
本体部21aのうち内周側筒状部材23の円周方向側部
の部分であって隙間sが消滅した空洞21c側の部分の
圧縮剛性によって決まる。図12からわかるように、一
方の空洞21cの隙間sが消滅した後は、質量体11と
入力プレート14とは、殆ど弾性的にではなく、およそ
剛に連結された状態となる。
【0025】弾性部組立体12の軸方向の弾性は、主と
して、ゴム部材21の外周突起部21bの軸方向の圧縮
剛性によって決まる(図3参照)。弾性部組立体12の
径方向の弾性は、主として、ゴム部材21の本体部21
aのうち内周側筒状部材23の径方向両側の部分の径方
向の圧縮剛性によって決まる(図3〜図5参照)。
【0026】入力プレート14は、図1、図7、及び図
8に示すように、環状円板部14aと、コーン部14b
と、円筒部14cと、凹部14dとを有しており、一体
に形成される。この入力プレート14は、内周部がボー
ルベアリング(軸受)6の内輪6bに固定されている。
このボールベアリング6の外輪6aがエンジンのクラン
ク軸8に固定されているので、入力プレート14は、エ
ンジンのクランク軸8に対して、軸方向及び径方向に移
動不能に、回転方向に回転自在に支持される状態とな
る。
【0027】環状円板部14aの外周部には、図3及び
図7に示すように、ピン16の回転方向及び径方向の移
動を規制する孔14fと、ピン16の頭16aのエンジ
ン側への移動を規制する切欠き14gとが設けられてい
る。弾性部組立体12は、ピン16の頭16aのエンジ
ン側(図3の左側)への移動規制によって、エンジン側
への移動が規制される。また、弾性部組立体12は、内
周側筒状部材23のトランスミッション側端部及び外周
突起部21bのトランスミッション側の面が環状円板部
14aのエンジン側の面と当接することによって、トラ
ンスミッション側への移動が規制される。
【0028】コーン部14bは、環状円板部14aの内
周端から、内周側に且つエンジン側に斜めに延びてい
る。コーン部14bの内周面には、図8に示すように、
歯14e(第2ギア)が形成されている。円筒部14c
は、コーン部14bの内周端から、概ね軸O−Oに沿っ
てエンジン側に向かって延びている。この円筒部14c
の内周面は、トランスミッション側からエンジン側に向
かうに従って径が小さくなるような傾斜を有している。
【0029】凹部14dは、円筒部14cの内周側に配
置され、底面中央に芯部材15を貫通させ固定するため
の孔及び切欠きが設けられている。この凹部14dの外
周面とボールベアリング6の内輪6bとは固定されてい
る(図8参照)。このように、質量体11は弾性部組立
体12に、弾性部組立体12は入力プレート14に連結
されており、入力プレート14はエンジンのクランク軸
8に支持されているので、3者(質量体11,弾性部組
立体12,入力プレート14)はエンジンのクランク軸
8に回転自在に支持されている状態にある。
【0030】サブクラッチ13は、上記3者(質量体1
1,弾性部組立体12,入力プレート14)をトランス
ミッションの入力軸9に接続及び接続解除するクラッチ
機構であって、ギア噛み合い式のものである。このサブ
クラッチ13は、主として、シンクロギア組立体30
と、シンクロブロック41と、リターンスプリング42
と、スナップリング43とから構成される(図7参
照)。
【0031】シンクロギア組立体30は、図6及び図8
に示すように、主として、本体31と、減力機構33
と、ワンウェイ係止部材34と、ワイヤリング39とか
ら成り、位置補正機構32を備えている。本体31は、
主として、円筒状の大筒部31aと、大筒部31aのエ
ンジン側端から外周側に延びた部分に形成されたシンク
ロギア(第1ギア)31bと、大筒部31aのエンジン
側端から内周側に延びた部分からエンジン側に延びる小
筒部31cとから構成される。
【0032】大筒部31aの内周面にはトランスミッシ
ョンの入力軸9とスプライン係合するスプライン溝31
fが形成されており(図6参照)、本体31はトランス
ミッションの入力軸9とスプライン係合してトランスミ
ッションの入力軸9に対して軸方向に移動可能にかつ回
転方向に回転不能な状態にある。大筒部31aの外周面
には、図6に示すように、ワンウェイ溝31dが設けら
れている。ワンウェイ溝31dのエンジン側(図6の左
側)の面は、回転軸O−Oに概ね直交している。ワンウ
ェイ溝31dのトランスミッション側(図6の右側)の
面は、外周端よりも内周端のほうがトランスミッション
側に位置する傾斜を有している。
【0033】シンクロギア31bは、入力プレート14
のコーン部14bの歯14eに対向しており、サブクラ
ッチ13が接続解除の状態(図8の状態)のときには歯
14eとの間にわずかな隙間を有しており、サブクラッ
チ13が接続状態(図10の状態)のときには歯14e
と噛み合った状態となる。小筒部31cは、大筒部31
aの径よりも小さい径を有する円筒形状であって、内周
面が芯部材15と軸方向に移動自在に当接している。小
筒部31cの外周面のエンジン側(図8の左側)には歯
が形成されており、小筒部31cの外周面のトランスミ
ッション側(図8の右側)には環状の溝31eが形成さ
れている。溝31eは、その両側面によって、ワイヤリ
ング39の本体31に対する軸方向の移動を規制する。
また、溝31eの内周面の径はワイヤリング39の内径
よりも小さく設定されており、溝31e内におけるワイ
ヤリング39の内周側への弾性変形が許容される。
【0034】減力機構33は、スプラインハブ5cから
入力される軸方向に沿った力を所定の値に落として本体
31に伝える機構である。この減力機構33は、図6に
示すように、伝達部材35と、スプリング36と、スプ
リング保持部材37と、リング38とから構成されてい
る。伝達部材35のトランスミッション側の端部は、図
1に示すように、スプラインハブ5cのエンジン側の端
面に当接する。スプリング保持部材37は、図6に示す
ように、筒状の内周保持部37aと、内周保持部37a
のエンジン側端から外周側に延びる軸方向規制部37b
とから成っている。また、内周保持部37aの外周面の
トランスミッション寄りの部分には、リング38を固定
する溝37cが形成されている。スプリング36は、内
径が内周保持部37aの外径とほぼ等しい2枚の環状の
皿ばねであり、伝達部材35のエンジン側の端面と軸方
向規制部37bのトランスミッション側の端面との間に
保持される。リング38は、溝37cに固定され、伝達
部材35のトランスミッション側への移動を規制する。
【0035】ワンウェイ係止部材34は、環状の円板で
あって、減力機構33と本体31との軸方向の力の伝達
を仲介する部材であり、かつ、本体31のワンウェイ溝
31dとともに位置補正機構32を構成する部材であ
る。ワンウェイ係止部材34の内周面は、トランスミッ
ション側端の径がエンジン側端の径よりも小さくなる傾
斜を有している。なお、このワンウェイ係止部材34の
内周面の傾斜は、ワンウェイ溝31dのトランスミッシ
ョン側の面の傾斜とほぼ等しい傾斜である。ワンウェイ
係止部材34のトランスミッション側の面は減力機構3
3のスプリング保持部材37の軸方向規制部37bに当
接している。また、ワンウェイ係止部材34は、所定の
弾性を有しており、内周面にかかる径方向外側への力に
よって径方向外側に膨らむように弾性変形をする。
【0036】位置補正機構32は、ワンウェイ係止部材
34とワンウェイ溝31dと(一対のワンウェイ噛み合
い部)の噛み合い、及びワンウェイ係止部材34の弾性
変形を利用した機構である(図6参照)。この位置補正
機構32は、減力機構33と本体31との間の軸方向の
力の伝達量が所定の値(F1)以下の場合には減力機構
33と本体31との軸方向の相対移動をさせず、減力機
構33と本体31との間の軸方向の力の伝達量が(F
1)以上になった場合には減力機構33の本体31に対
する位置をエンジン側にずらすものである。減力機構3
3と本体31との間の軸方向の力の伝達量が(F1)以
下の場合、減力機構33をエンジン側に移動させようと
する力は、ワンウェイ係止部材34の内周面とワンウェ
イ溝31dのトランスミッション側の面との当接部分を
介して本体31に伝わる。これにより、減力機構33の
移動量とほぼ同じだけ本体31が移動する。これに対
し、減力機構33と本体31との間の軸方向の力の伝達
量が(F1)を超えた場合、ワンウェイ係止部材34の
内周面とワンウェイ溝31dのトランスミッション側の
面との当接部分におけるワンウェイ係止部材34と本体
31とに互いに作用する径方向に沿った反力が所定値
(F2)を超える。すると、ワンウェイ係止部材34が
(F2)によって弾性変形をして、ワンウェイ係止部材
34の内径がワンウェイ溝31dのトランスミッション
側の面の外径よりも大きくなる。これにより、減力機構
33と本体31とを軸方向に連結していたワンウェイ係
止部材34とワンウェイ溝31dとの噛み合いがはず
れ、すなわち、減力機構33と本体31との連結が一時
的に解除され、減力機構33が本体31に対してエンジ
ン側に移動する。そして、ワンウェイ係止部材34とワ
ンウェイ溝31dとは再び新たな位置で噛み合う状態と
なる。
【0037】ワイヤリング39は、断面が円形で、所定
の弾性を有するリングであって、図8に示すように、溝
31eに配置されている。シンクロブロック41は、内
周部がシンクロギア組立体30の本体31の小筒部31
cとスプライン係合しており、本体31に回転不能かつ
軸方向の移動が可能に支持されている。このシンクロブ
ロック41は、一端がワイヤリング39の外径よりも大
きな径を有し他端がワイヤリング39の外径よりも小さ
な径を有しておりエンジン側にいくに従って径の小さく
なるコーン状斜面41aを有している(図8参照)。こ
のコーン状斜面41aは、ワイヤリング39と当接し、
ワイヤリング39との間で力のやりとりを行う。シンク
ロブロック41の外周面には摩擦材45が貼り付けられ
ている。このシンクロブロック41の外周面及び摩擦材
45の外面(摩擦面)は、入力プレート14の円筒部1
4cの内周面とほぼ同じ傾斜を有しており、サブクラッ
チ13を接続状態とするときに円筒部14cの内周面と
摩擦係合する。
【0038】リターンスプリング42は、4枚の環状の
皿ばねであって、内周端が芯部材15の外周面と当接し
ている。このリターンスプリング42は、エンジン側端
が入力プレート14の凹部14dと当接し、トランスミ
ッション側端がシンクロギア組立体30の本体31の小
筒部31cと当接しており、シンクロギア組立体30の
本体31をトランスミッション側に付勢している。
【0039】スナップリング43は、断面が長方形のリ
ングであり、入力プレート14の円筒部14cの内周面
のトランスミッション側端に設けられた溝にはめ込まれ
る。このスナップリング43は、シンクロブロック41
のトランスミッション側端の外周部分と当接して、シン
クロブロック41の軸方向のトランスミッション側への
移動を規制する。
【0040】次に、連結機構1及びダイナミックダンパ
ー10の動作について説明する。エンジンのクランク軸
8の回転はフライホイール組立体2及びメインクラッチ
3を介してトランスミッションの入力軸9に伝達され
る。メインクラッチ3が接続解除の状態、すなわちクラ
ッチディスク組立体5がフライホイール2a及びプレッ
シャープレート4cと摩擦係合していないときには、ス
プラインハブ5cは図1に示すような軸方向の位置にあ
り、サブクラッチ13は図8に示す状態(接続解除の状
態)にある。図8に示すサブクラッチ13は、シンクロ
ギア31bが歯14eと噛み合っておらず、シンクロブ
ロック41の摩擦材45も入力プレート14の円筒部1
4cと摩擦係合していない。したがって、シンクロギア
組立体30やシンクロブロック41はトランスミッショ
ンの入力軸9と共に回転しているが、入力プレート1
4、弾性部組立体12、及び質量体11はトランスミッ
ションの入力軸9の動きとは無関係な状態にある。
【0041】メインクラッチ3を接続させるときには、
ダイヤフラムスプリング4bの付勢力によりプレッシャ
ープレート4cをフライホイール2a側に移動させて、
クラッチディスク組立体5をフライホイール2aとプレ
ッシャープレート4cとの間に挟持させる。これによ
り、エンジンのクランク軸8とトランスミッションの入
力軸9とが連結される。このとき、周知のように、フレ
キシブルプレート組立体2bのフレキシブルプレート2
cがエンジンのクランク軸8の軸方向の振動を吸収し、
クラッチディスク組立体5のコイルスプリング5bなど
がトルク変動を減衰・吸収する。
【0042】メインクラッチ3を接続状態とすると、ク
ラッチディスク組立体5のスプラインハブ5cが軸方向
に沿ってエンジン側に移動する。すると、このスプライ
ンハブ5cが伝達部材35をエンジン側に押し、スプリ
ング36が所定量だけ圧縮される(図9参照)。この図
9の状態になるまでの間は、スプリング36の反力によ
り本体31がエンジン側に力を受ける。しかし、シンク
ロブロック41のコーン状斜面41aによりワイヤリン
グ39の軸方向の移動が規制されているため、本体31
は殆ど軸方向に移動しない。ただし、スプリング36の
反力が大きくなるに従って、ワイヤリング39は内周側
に径が小さくなるような弾性変形をする。そして、ワイ
ヤリング39の弾性反力により、シンクロブロック41
は、径方向外側に力を受け、入力プレート14の円筒部
14cに押し付けられていく。このようにして、図9の
状態になるまでに、シンクロブロック41の摩擦材45
と入力プレート14の円筒部14cとの摩擦により、だ
んだんとトランスミッションの入力軸9と入力プレート
14との回転数が同期していく。
【0043】図9に示すよりも更にスプリング36が圧
縮されていくと、スプリング36の反力及びワイヤリン
グ39の弾性変形量が大きくなり、変形したワイヤリン
グ39の外径がコーン状斜面41aの内径よりも小さく
なる。すると、ワイヤリング39がシンクロブロック4
1から受ける力がシンクロブロック41の内周面との摩
擦抵抗による力だけになり、この力はスプリング36の
反力に較べて十分に小さいため、スプリング36が伸長
し、本体31が軸方向に沿ってエンジン側に移動し、リ
ターンスプリング42が圧縮され、シンクロギア31b
が歯14eと噛み合う(図10参照)。このとき、図9
の状態において既にある程度トランスミッションの入力
軸9と入力プレート14との回転が同期しているため、
シンクロギア31bと歯14eとの噛み合いがスムース
となる。これ以降は、主としてシンクロギア31bと歯
14eとの噛み合いによってトランスミッションの入力
軸9とダイナミックダンパー10とが連結されるため、
十分なトルク伝達容量が確保される。
【0044】ダイナミックダンパー10がトランスミッ
ションの入力軸9に連結されると、トランスミッション
のニュートラル時の中立音や走行時の異音がダイナミッ
クダンパー10により制振される。特に部分回転域での
トランスミッションの振動がダイナミックダンパー10
によりアクティブに制振される。この連結機構1が長期
間使用されると、メインクラッチ3のクラッチディスク
組立体5の摩擦フェーシング5aが摩耗して軸方向の厚
さが減少する。すると、スプラインハブ5cの軸方向の
移動量が従前よりも大きくなる。この場合、図10に示
す状態から更に減力機構33がエンジン側に移動する。
しかし、本体31は完全に圧縮されたリターンスプリン
グ42を介して入力プレート14の凹部14dによって
エンジン側への移動ができない状態にあるので、本体3
1と減力機構33との間に大きな反力が発生する。この
反力は、本体31のワンウェイ溝31dのトランスミッ
ション側の面を介してワンウェイ係止部材34を径方向
外側に押し出す。これにより、ワンウェイ係止部材34
が径方向外側に膨らむような弾性変形をして、ワンウェ
イ係止部材34とワンウェイ溝31dとの係止が解除さ
れ、本体31に対して減力機構33がエンジン側にずれ
る(図11参照)。このようにして、摩擦フェーシング
5aの摩耗に対応して本体31と減力機構33との軸方
向の位置関係が補正され、本体31のトランスミッショ
ン側端と伝達部材35のトランスミッション側端との距
離が図10に示すmから図11に示すnとなる。
【0045】また、サブクラッチ13のシンクロブロッ
ク41の摩擦材45が摩耗すると、ワイヤリング39が
シンクロブロック41のコーン状斜面41aを押す力の
うち軸方向に沿った分力によってシンクロブロック41
がトランスミッション側に移動する。すると、図11に
示すように、シンクロブロック41と入力プレート14
との軸方向の相対位置がずれて、入力プレート14の円
筒部14cの内周面の傾きにより摩擦材45の摩耗分が
補填される。なお、図11では、シンクロブロック41
と入力プレート14との相対位置のずれ量はpであり、
スナップリング43とシンクロブロック41との間には
長さpの隙間が空く。
【0046】メインクラッチ3が解除されスプラインハ
ブ5cがトランスミッション側に移動すると、リターン
スプリング42の反力によりサブクラッチ13の各構成
部品もトランスミッション側に移動して、サブクラッチ
13が接続解除の状態となる。次に、本実施形態の構造
を採ることによる効果について説明する。
【0047】第1に、質量体11を質量体11の内周側
において径方向及び軸方向に支持している。すなわち、
トランスミッションの入力軸9に接続される入力プレー
ト14と質量体11とをゴム部材21を含む弾性部組立
体12によって連結することにより、質量体11の入力
プレート14に対する回転方向、径方向、及び軸方向の
位置の保持の役割を弾性部組立体12に集中させる構造
を採っている。このため、質量体11の外周側等に別個
の支持機構などを配置する必要がなく、この分だけ質量
体11の質量を増大させることが可能となってダンパー
特性の設定範囲が拡大している。また、弾性部組立体1
2が異方性を有しているため、ダンパー特性に対応する
弾性部組立体12の回転方向の弾性設定と、他の部材と
の干渉回避等のために質量体11の支持に必要な弾性部
組立体12の径方向の弾性設定とが両立させることがで
きている。
【0048】第2に、ダイナミックダンパー10は、ゴ
ム部材21を弾性部組立体12に採用したため、弾性部
組立体12は回転方向及び軸方向に弾性を有することと
なり、軸方向の振動に対しても作用して軸方向の振動を
も制振する。また、トランスミッションの捩り振動に対
する固有振動数と軸方向の振動に対する固有振動数とが
異なることから捩り振動を特に制振したい周波数領域と
軸方向の振動を特に制振したい周波数領域とは異なる
が、回転方向及び軸方向に弾性を有するゴム部材21に
外周突起部21bを設けているため弾性部の回転方向の
弾性と弾性部の軸方向の弾性とを別々に設定することが
可能となり、捩り振動を特に制振したい周波数領域での
捩り振動及び軸方向の振動を特に制振したい周波数領域
での軸方向の振動をそれぞれ効率よく低減できる。
【0049】第3に、本実施形態のダイナミックダンパ
ー10では、ゴム部材21の劣化を抑えることができ
る。すなわち、ダイナミックダンパー10には、メイン
クラッチ3が接続してトランスミッションの入力軸9が
回転し始めるときなどに、大きなトルクが作用する。こ
のようなトルクが作用すると、ゴム部材に強度上許容さ
れない過剰な応力がかかりゴム部材が劣化する原因とな
る。しかし、ここでは、ゴム部材21に所定の隙間sを
持った空洞21cを設けている。これにより、トランス
ミッションの入力軸9に接続された入力プレート14と
質量体11との間に大きなトルクが作用しても、ゴム部
材21の所定の変形の後には、空洞21cの隙間sが消
滅して入力プレート14と質量体11とはほぼ剛に連結
された状態となり、ゴム部材21の大部分には隙間sが
なくなる所定の変形に対応する力以上の力は作用しなく
なる。したがって、ダイナミックダンパー10にゴム部
材21を採用した場合においても、ゴム部材21の強度
を確保することができる。また、ここでは、外周側筒状
部材22と内周側筒状部材23との間のゴム部材21の
形状を筒状としているので、円周方向に力が作用すると
きのゴム部材21における応力集中が抑えられる。
【0050】第4に、複数の弾性部組立体12により入
力プレート14と質量体11とを連結する構造を採って
いるため、弾性部組立体12の円周方向両側に入力プレ
ート14の連結部分及び質量体11の連結部分を配置す
ることができ、入力プレート14から質量体11へと伝
達される力は、ゴム部材21の剪断ではなく主としてゴ
ム部材21の圧縮及び曲げを介して伝わる。このよう
に、ゴム部材21においては、剪断変形が抑えられ、主
として剪断変形に対して比較的許容範囲の広い曲げ変形
や圧縮変形が発生する。したがって、主としてゴム部材
21の剪断を介して入力プレート14と質量体11とを
連結する場合に較べて、ゴム部材21の材質を上げるこ
となく、あるいはダンパー特性を犠牲にしてゴム部材2
1の剛性をあげることなく、ゴム部材21、弾性部組立
体12、入力プレート14との連結部分、及び質量体1
1との連結部分などに作用する応力が低減している。
【0051】第5に、サブクラッチ13に摩擦係合式の
ものに較べて一般にトルク伝達容量が大きいギア噛み合
い式のクラッチを採用しているため、サブクラッチ13
が小型化しており、サブクラッチ13を連結機構1の内
周部分に配置することができ、連結機構1の大型化が抑
えられている。また、シンクロブロック41をサブクラ
ッチ13に採用したことで、シンクロギア31bと入力
プレート14の歯14eとの噛み合いがスムースとな
り、また、シンクロギア31b及び入力プレート14の
歯14eの損傷も抑えられる。
【0052】第6に、サブクラッチ13が位置補正機構
32を有しているため、メインクラッチ3の摩擦フェー
シング5aが摩耗したときにも、サブクラッチ13の接
続及び接続解除の動作に対する悪影響が抑えられてい
る。すなわち、摩擦フェーシング5aが摩耗しても、摩
耗する前と同様に、ダイナミックダンパー10は有効に
作動し、トランスミッションの振動が制振される。
【0053】第7に、この連結機構1では、ボールベア
リング6の外輪6aをエンジンのクランク軸8に固定
し、ボールベアリング6の内輪6bをダイナミックダン
パー10の入力プレート14に固定している。これによ
り、従来無駄になっていたボールベアリングの内周側の
スペースを有効に利用することが可能となり、ここで
は、ボールベアリング6の内周側のスペースを利用して
サブクラッチ13を配置している。このようにサブクラ
ッチ13を連結機構1の内周部分に配置しているため、
連結機構1の大型化が抑えられている。
【0054】
【発明の効果】本発明では、ダイナミックダンパーのゴ
ム部材は、剪断変形が抑えられ、主として、剪断変形に
対して比較的許容範囲の広い曲げ変形や圧縮変形をす
る。これにより、主としてゴム部材の剪断を介してトラ
ンスミッションの入力軸と質量部とを連結する場合に較
べて、ゴム部材の材質を上げることなく、あるいはダン
パー特性を犠牲にしてゴム部材の剛性をあげることな
く、ゴム部材及びその周辺に作用する応力を低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるフライホイール組
立体の縦断面図。
【図2】質量体の平面図。
【図3】弾性部組立体の縦断面図。
【図4】弾性部組立体の正面図(エンジン側より見
る)。
【図5】弾性部組立体の裏面図(トランスミッション側
より見る)。
【図6】減力機構周辺の断面拡大図。
【図7】フライホイール組立体の組立分解図。
【図8】サブクラッチの状態断面図。
【図9】サブクラッチの状態断面図。
【図10】サブクラッチの状態断面図。
【図11】サブクラッチの状態断面図。
【図12】弾性部組立体の状態平面図。
【図13】フライホイール組立体の縦断面図。
【符号の説明】
1 連結機構 2 フライホイール組立体 2a フライホイール 2c フレキシブルプレート(プレート部材) 3 メインクラッチ 4 クラッチカバー組立体 5 クラッチディスク組立体 8 エンジンのクランク軸 9 トランスミッションの入力軸 10 ダイナミックダンパー 11 質量体(質量部) 12 弾性部組立体(弾性部) 13 サブクラッチ 21 ゴム部材 22 外周側筒状部材 23 内周側筒状部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メインクラッチを含みエンジンのクランク
    軸とトランスミッションの入力軸とを連結する連結機構
    において、前記トランスミッションの入力軸に従動可能
    なダイナミックダンパーであって、 前記トランスミッションの入力軸の回転と連動して回転
    し得る質量部と、 前記メインクラッチによって前記エンジンのクランク軸
    と前記トランスミッションの入力軸との連結が解除され
    るときに、前記トランスミッションの入力軸と前記質量
    部との連動を解除するサブクラッチと、 円周方向に複数配置され、ゴム部材を含み、前記サブク
    ラッチによって前記トランスミッションの入力軸と前記
    質量部とが連動しているときに前記トランスミッション
    の入力軸と前記質量部とを主として前記ゴム部材の曲げ
    あるいは圧縮により回転方向に弾性的に連結する弾性部
    と、を備えたダイナミックダンパー。
  2. 【請求項2】前記ゴム部材は筒状であり、 前記弾性部は、前記ゴム部材と、前記ゴム部材の内周面
    に装着される内周側筒状部材と、前記ゴム部材の外周面
    に装着される外周側筒状部材とを有している、請求項1
    に記載のダイナミックダンパー。
  3. 【請求項3】エンジンのクランク軸に回転不能に連結さ
    れ、トランスミッションの入力軸と連結されているクラ
    ッチディスク組立体が断続する、フライホイールと、 請求項1又は2に記載のダイナミックダンパーと、を備
    えたフライホイール組立体。
  4. 【請求項4】内周部が前記エンジンのクランク軸に固定
    され、外周部が前記フライホイールに固定される、所定
    の剛性を有し回転軸に沿った振動を吸収するプレート部
    材をさらに備えた、請求項3に記載のフライホイール組
    立体。
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