JPH11302595A - 低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液および低誘電率被膜付基材 - Google Patents

低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液および低誘電率被膜付基材

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JPH11302595A
JPH11302595A JP11508298A JP11508298A JPH11302595A JP H11302595 A JPH11302595 A JP H11302595A JP 11508298 A JP11508298 A JP 11508298A JP 11508298 A JP11508298 A JP 11508298A JP H11302595 A JPH11302595 A JP H11302595A
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島 昭 中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電率が3以下と小さく、しかもマイクロフ
ォトリソグラフィ加工時の酸素プラズマ耐性に優れると
ともに機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性、耐ク
ラック性に優れた絶縁膜を形成できるような低誘電率シ
リカ系被膜形成用塗布液、およびこのような低誘電率シ
リカ系被膜が形成された基材を提供する。 【解決手段】 (i)フェニル基を有するシリカ系微粒子
と、(ii)下記一般式(I)で示されるアルコキシシランお
よび/または下記一般式(II)で示されるハロゲン化シラ
ンの加水分解物と、下記一般式(III)で示されるポリシ
ラザンとの反応物であるポリシロキサザンとを含有する
ことを特徴とする低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、比誘電率が3以下と小さ
く、しかもマイクロフォトリソグラフィ加工時の酸素プ
ラズマ耐性に優れるとともに、機械的強度、耐アルカリ
性などの耐薬品性、耐クラック性などに優れた絶縁膜を
形成できるような低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液、
および該低誘電率シリカ系被膜が形成された基材に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】半導体装置の高集積化に伴い、多
層配線を有する0.3μルール以下の半導体装置において
は、金属配線間隔が狭くなるため、静電誘導による金属
配線のインピーダンスが増大し、応答速度の遅れ、消費
電力の増大が懸念されている。このため、半導体基板と
アルミニウム配線層などの金属配線層との間、あるいは
金属配線層間に設けられる層間絶縁膜の比誘電率をでき
るだけ小さくすることが必要とされている。
【0003】上記のような目的で用いられている層間絶
縁膜は、一般にCVD法などの気相成長法または被膜形
成用塗布液を用いて絶縁膜を形成する塗布法によって基
板上に形成されている。
【0004】しかしながら、CVD法などの気相成長法
では、シリカ系被膜の場合、比誘電率で3.5のフッ素ド
ープシリカ膜が限界と言われており、3以下のシリカ系
被膜を形成することは難しいという問題がある。
【0005】また、ポリアリール樹脂、フッ素添加ポリ
イミド樹脂やフッ素系樹脂などのCVD被膜やこれらを
含む塗布液を用いて形成される被膜は、比誘電率が2前
後となるが、基材と被膜との密着性が悪く、また、微細
加工に用いるレジスト材料との密着性も悪く、耐薬品
性、酸素プラズマ耐性に劣るなどの欠点もある。
【0006】さらにまた、従来から用いられているアル
コキシシランの部分加水分解物を含むシリカ系被膜形成
用塗布液では、比誘電率2.5の被膜が得られるが、被塗
布面との密着性が悪いという欠点がある。
【0007】本発明者らはシリカ微粒子とハロゲン化シ
ランまたはその加水分解物との反応物を含有する低誘電
率シリカ系被膜形成用塗布液を用いて形成される被膜は
比誘電率が3以下と小さく、しかも被塗布面との密着
性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れ、
同時に耐クラック性に優れていることを見出し、これを
出願している(特願平8-299684号)。
【0008】さらに本発明者らは研究を重ねた結果、上
記のような従来の被膜では、マイクロフォトリソグラフ
ィ加工時のプラズマエッチングやレジスト剥離時の酸素
プラズマによって膜質の劣化が被膜への水分再吸着を引
き起こし、被膜の誘電率を増大させたり、密着性や耐薬
品性、耐クラック性を劣化させ、導電歩留りが低下する
おそれがあることが判明した。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術におけ
る問題点を解決しようとするものであって、比誘電率が
3以下と小さく、しかもマイクロフォトリソグラフィ加
工時の酸素プラズマ耐性に優れるとともに機械的強度、
耐アルカリ性などの耐薬品性、耐クラック性に優れた絶
縁膜を形成できるような低誘電率シリカ系被膜形成用塗
布液、およびこのような低誘電率シリカ系被膜が形成さ
れた基材を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成
用塗布液は、(i)フェニル基を有するシリカ系微粒子
と、(ii)下記一般式(I)で示されるアルコキシシランお
よび/または下記一般式(II)で示されるハロゲン化シラ
ンの加水分解物と、下記一般式(III)で示されるポリシ
ラザンとの反応物であるポリシロキサザンとを含有する
ことを特徴としている。
【0011】XnSi(OR1)4-n (I) XnSiX'4-n (II)
【0012】
【化2】
【0013】(Xは、水素原子、フッ素原子、または炭
素数1〜8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリ
ール基またはビニル基を表し、R1、R2、R3およびR4
は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、アリー
ル基またはビニル基を表し、X'はハロゲン原子を表
す。また、mは整数、nは0〜3の整数である。)前記フ
ェニル基を有するシリカ系微粒子(i)は、前記一般式(I)
で示されるアルコキシシランの1種または2種以上を加
水分解、または加水分解した後、熟成して得られたシリ
カ微粒子の少なくとも一部の表面に、フェニル基含有ア
ルコキシシランまたはフェニル基含有クロロシランの加
水分解物を結合させて得られたものであることが好まし
い。
【0014】前記一般式(I)で示されるアルコキシシラ
ンの1種または2種以上からシリカ微粒子を調製する際
の加水分解温度または熟成温度は、180℃以上であるこ
とが好ましい。
【0015】本発明に係る低誘電率被膜付基材は、前記
低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用いて形成された
低誘電率シリカ系被膜を有することを特徴としている。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る低誘電率シリ
カ系被膜形成用塗布液について具体的に説明する。
【0017】[低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液]本
発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、(i)
フェニル基を有するシリカ系微粒子と、(ii)下記一般式
(I)で示されるアルコキシシランおよび/または下記一
般式(II)で示されるハロゲン化シランの加水分解物と、
下記一般式(III)で示されるポリシラザンとの反応物で
あるポリシロキサザンとを含有することを特徴としてい
る。
【0018】XnSi(OR1)4-n (I) XnSiX'4-n (II)
【0019】
【化3】
【0020】(Xは、水素原子、フッ素原子、または炭
素数1〜8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリ
ール基またはビニル基を表し、R1、R2、R3およびR4
は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、アリー
ル基またはビニル基を表し、X'はハロゲン原子を表
す。また、mは整数、nは0〜3の整数である。)(i)フェニル基を有するシリカ系微粒子 まず、(i)フェニル基を有するシリカ系微粒子について
説明する。
【0021】フェニル基を有するシリカ系微粒子は、上
記式(I)で示されるアルコキシシランの1種または2種
以上と水、有機溶媒およびアンモニアの存在下に加水分
解・重縮合させることによりシリカ微粒子を調製し、得
られたシリカ微粒子とフェニル基含有アルコキシシラン
またはフェニル基含有クロロシランとを反応させること
により得られる。
【0022】上記式(I)で示されるアルコキシシランの
具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキ
シシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプ
ロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、
オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、トリイソプロポキシシラン、フルオロトリメトキシ
シラン、フルオロトリエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメ
トキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメトキシ
シラン、ジエトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラ
ン、ジフルオロジエトキシシラン、トリフルオロメチル
トリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシ
シランなどが挙げられる。
【0023】有機溶媒としは、アルコール類、ケトン
類、エーテル類、エステル類などが挙げられ、より具体
的には、例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモ
ノプロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレング
リコールなどのグリコール類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル類が用いら
れる。
【0024】触媒としては、アンモニアの他に、アミ
ン、アルカリ金属水素化物、第4級アンモニウム化合
物、アミン系カップリング剤などの塩基性化合物などを
用いることもできる。
【0025】このようなシリカ微粒子の調製法をさらに
詳細に説明すると、例えば、水-アルコール混合溶媒を
撹拌しながら、この混合溶媒にアルコキシシランおよび
アンモニア水を添加し、アルコキシシランの加水分解・
重縮合反応を行う。
【0026】このとき、水はアルコキシシランを構成す
るSi-OR基1モル当たり0.5〜50モル、好ましくは1
〜25モルとなるような量で用いられることが望ましい。
また、アンモニアは、アルコキシシラン1モル当たり、
0.01〜1モル、好ましくは0.05〜0.8モルとなるような量
で配合されることが望ましい。
【0027】アルコキシシランの加水分解・重縮合反応
は、通常180℃以上、好ましくは200℃以上で、かつオー
トクレーブなどの耐熱耐圧容器を用いて行うことが望ま
しい。
【0028】さらに、この後、加水分解と同一温度また
はより高い温度で熟成してもよい。上記の加水分解反応
温度、熟成温度は、高い方がアルコキシシランの重縮合
がより促進され、シリカ微粒子内部が緻密化されるので
望ましい。また、このようにシリカ微粒子が緻密化され
ると、粒子自体の吸湿性が低下するとともに、粒子表面
の残留官能基を少なくすることもできる。
【0029】また、例えば撹拌下の水-アルコール混合
溶媒にエチレングリコールなどの高沸点の溶媒を添加し
て、アルコキシシランの加水分解を行い、シリカ微粒子
を生成、成長させてもよい。このような高沸点の溶媒を
アルコキシシランの加水分解時に添加しておくと、アル
コキシ基のエステル交換反応が起こり、高沸点溶媒がシ
リカ微粒子内部に取り込まれ、密度の低い多孔質のシリ
カ微粒子が得られる。
【0030】また、本発明では、上記以外にシリカ微粒
子としては、アルカリ金属珪酸塩等をイオン交換した
り、加水分解したりすることによって得られたシリカゾ
ルなども用いることができる。さらには、アルミノケイ
酸塩からなるゼオライトからアルミニウムを除去したよ
うな多孔質ゼオライトからなる微粒子も用いることもで
きる。
【0031】以上のようなシリカ微粒子は、平均粒径が
30〜1000Å、好ましくは50〜500Åの範囲内にあること
が望ましい。このような範囲の平均粒径のシリカ微粒子
であれば、均一な粒径のものでも粒径の異なる微粒子の
2種類以上の混合物でもよく、すなわち粒度分布がシャ
ープなものであっても、ブロードなものであっても、バ
イモダルなものであってもよい。
【0032】平均粒径が30Å未満のものでは、形成した
被膜が低誘電率化しないことがあり、一方、平均粒径が
1000Åを越えるものでは、形成した被膜がフォトリソグ
ラフィ工程での微細加工時に欠陥を生じやすい。
【0033】本発明で使用される(i)フェニル基を有す
るシリカ系微粒子は、上記のようなシリカ微粒子とフェ
ニル基含有アルコキシシランまたはフェニル基含有クロ
ロシランとを、縮合反応によって結合させることによっ
て得られる。
【0034】フェニル基含有アルコキシシランとして
は、下記一般式(IV)で表されるものが挙げられる。 XpPhqSi(OR1)4-(p+q) (IV) XおよびR1は、前記一般式(I)におけるXおよびR1
同じものを示す。また、Phはフェニル基を示す。な
お、このフェニル基には、アルキル基が置換されていて
もよい。
【0035】また、pは0〜3の整数、qは1〜4の整
数であり、p+qは4以下の整数である。このようなフ
ェニル基含有アルコキシシランとして具体的には、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルメチルジ
メトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フ
ェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジメチルアセ
トキシシランなどが挙げられる。
【0036】フェニル基を有するクロロシランとして
は、下記一般式(V)で表されるものが挙げられる。 XpPhqSiCl4-(p+q) (V) Xは、前記一般式(I)におけるXと同じものを示す。
【0037】また、pは0〜3の整数、qは1〜4の整
数であり、p+qは4以下の整数である。このようなフ
ェニル基含有クロロシシランとして具体的には、フェニ
ルトリクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、
フェニルエチルジクロロシラン、フェニルジメチルクロ
ロシラン、フェニルメチルクロロシラン、フェニルジク
ロロシランなどが挙げられる。
【0038】本発明では、これらフェニル基含有アルコ
キシシランまたはフェニル基含有クロロシランの加水分
解物を用いることもできる。また、フェニル基含有アル
コキシシランとフェニル基含有クロロシランとを混合し
て使用することもできる。
【0039】なお、シリカ微粒子とフェニル基含有アル
コキシシランまたはフェニル基含有クロロシランとの反
応では、シリカ微粒子の成長、あるいは新たなシリカ微
粒子の生成は起こらず、シリカ微粒子の表面で、このシ
リカ微粒子表面のOH基とフェニル基含有アルコキシシ
ランまたはフェニル基含有クロロシランとの縮合反応が
起こり、これによりシリカ微粒子表面にフェニル基が導
入される。
【0040】シリカ微粒子とフェニル基含有アルコキシ
シランまたはフェニル基含有クロロシランとを反応させ
る際には、両者の混合割合は、SiO2に換算して、シリ
カ微粒子1重量部あたり、フェニル基含有アルコキシシ
ランまたはフェニル基含有クロロシランの量が0.01重量
部〜0.3重量部、好ましくは0.05重量部〜0.2重量部の範
囲にあることが望ましい。
【0041】フェニル基含有アルコキシシランまたはフ
ェニル基含有クロロシランの量が0.01重量部より少ない
と、調製されるシリカ系微粒子表面のフェニル基の量が
少なくなり、得られるシリカ被膜の酸素プラズマ耐性や
耐薬品性が劣る傾向がある。また、フェニル基含有アル
コキシシランまたはフェニル基含有クロロシランの量
が、0.3重量部より多いと、シリカ系微粒子との反応に
関与しない余剰のフェニル基含有アルコキシシランまた
はフェニル基含有クロロシランが残存し、これにより製
造される塗布液を塗布して得られるシリカ系被膜は、被
塗布面との密着性、機械的強度、塗布性などが悪くなる
ことがある。
【0042】このようなシリカ微粒子とフェニル基含有
アルコキシシランまたはフェニル基含有クロロシランと
の反応は、通常、水、有機溶媒、触媒の存在下で行われ
る。使用される水は、フェニル基含有アルコキシシラン
を構成するSi-OR基またはフェニル基含有クロロシラン
を構成するSi-Cl基1モルに対し、0.1モル以上の量であ
ればよい。
【0043】有機溶媒としては、前記シリカ微粒子調製
時に使用したものと同様のものが挙げられる。また、触
媒としては、前記シリカ微粒子調製時に使用したものと
同様のものに加え、酸触媒を使用することもできる。酸
触媒として具体的には、塩酸、硝酸、硫酸などの無機
酸、酢酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸などの有機酸
または金属セッケンなど水溶液中で酸性を示す化合物が
挙げられる。しかしながら、触媒としては、塩基性の触
媒が好ましい。
【0044】上記のようなシリカ微粒子とフェニル基含
有アルコキシシランまたはフェニル基含有クロロシラン
との反応は、通常、約100℃以下、好ましくは80℃以下
の温度で、また温度条件などにより変動するが、通常、
0.5〜50時間、好ましくは0.5〜15時間加熱することが望
ましい。
【0045】このような加熱処理によって、シリカ系微
粒子の少なくとも一部の表面にフェニル基含有アルコキ
シシランまたはフェニル基含有クロロシランの加水分解
物が結合し、フェニル基を有するシリカ系微粒子が得ら
れる。
【0046】なお、以上の方法で得られた未精製のフェ
ニル基を有するシリカ系微粒子は、そのまま使用しても
よいが、後述するポリシロキサザンとの反応に先立ち、
あらかじめ限外濾過あるいは蒸留などの手段により分散
媒の水-有機溶媒系を有機溶媒系に溶媒置換させておく
ことが望ましい。
【0047】(ii)ポリシロキサザン 次に、(ii)ポリシロキサザンについて説明する。本発明
で用いられる(ii)ポリシロキサザンは、アルコキシシラ
ンおよび/またはハロゲン化シランの加水分解物と、ポ
リシラザンとの反応物である。[アルコキシシランおよ
び/またはハロゲン化シランの加水分解物]本発明で
は、ポリシロキサザンを形成する成分として、下記一般
式(I)で表されるアルコキシシランまたは下記一般式(I
I)で表されるハロゲン化シランの加水分解物が使用され
る。
【0048】 XnSi(OR1)4-n …(I) XnSiX'4-n …(II) 式中、Xは、水素原子、フッ素原子、または炭素数1〜
8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基ま
たはビニル基を表し、R1は、水素原子または炭素数1
〜8のアルキル基、アリール基またはビニル基を表し、
X'はハロゲン原子を表す。また、nは0〜3の整数であ
る。
【0049】一般式(I)で表されるアルコキシシランと
して、前記シリカ微粒子で例示したものと同様のものが
挙げられる。一般式(II)で表されるハロゲン化シランと
しては、トリクロロシラン、トリブロモシラン、ジクロ
ロシラン、フルオロトリクロロシラン、フルオロトリブ
ロモシランなどが挙げられる。
【0050】本発明で使用する加水分解物は、上記一般
式(I)で表されるアルコキシシランおよび/または上記
一般式(II)で表されるハロゲン化シランを、水、有機溶
媒および触媒の存在下に加水分解・重縮合させることに
より得られる。このような加水分解・重縮合方法として
は、従来公知の方法が挙げられる。
【0051】有機溶媒としては、アルコール類、ケトン
類、エーテル類、エステル類などが挙げられ、具体的に
は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ルなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエ
ーテルなどのグリコールエーテル類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキシレングリコールなど
のグリコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチ
ル、乳酸エチルなどのエステル類が使用される。
【0052】触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸などの無
機酸、酢酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸どの有機
酸、または金属セッケンなどの水溶液中で酸性を示す化
合物、アンモニア、アミン、アルカリ金属水素化物、第
4級アンモニウム化合物、アミン系カップリング剤など
の塩基性化合物が挙げられる。
【0053】加水分解反応に必要な水は、アルコキシシ
ランを構成するSi-OR基、またはハロゲン化シランを
構成するSi-X'基1モル当たり、通常、0.1〜5モ
ル、好ましくは0.1〜2モルの量で用いられることが
望ましい。また、触媒は、アルコキシシランまたはハロ
ゲン化シラン1モル当たり0.001〜1モルの量で添
加されることが望ましい。
【0054】加水分解の反応条件は特に制限されるもの
ではないが、アルコキシシランを加水分解する場合、反
応温度は、0〜80℃、好ましくは5〜60℃であり、
反応時間は0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間で
あることが望ましく、また、ハロゲン化シランを加水分
解する場合、反応温度は、0〜50℃、好ましくは5〜
20℃であり、反応時間は0.1〜20時間、好ましく
は1〜10時間であることが望ましい。
【0055】このようにして得られた加水分解物の数平
均分子量は、100〜50000、好ましくは500〜
10000(ポリスチレン換算分子量)であることが望ま
しい。
【0056】なお、アルコキシシランを使用する場合、
アルコキシシランは前記シリカ系微粒子の調製に用いら
れたものと同一のものでもよく、また異なるものであっ
てもよい。 [ポリシラザン]本発明では、ポリシラザンとして、下
記一般式(III)で表されるものが使用される。
【0057】
【化4】
【0058】R2、R3およびR4は、水素原子または炭
素数1〜8のアルキル基、アリール基またはビニル基を
示し、mは整数である。上記式(III)でR2、R3およびR
4がすべて水素原子であり、1分子中にケイ素原子が5
5〜65重量%、窒素原子が20〜30重量%、水素原
子が10〜15重量%であるような量で存在している無
機ポリシラザンが特に好ましい。
【0059】また、ポリシラザン中のSi原子とN原子
との比(Si/N比)は、1.0〜1.3であることが好
ましい。このような無機ポリシラザンは、たとえば、ジ
ハロシランと塩基とを反応させてジハロシランのアダク
ツを形成させたのち、アンモニアと反応させる方法(特
公昭63−16325号公報)、メチルフェニルジクロ
ロシランやジメチルジクロロシランなどとアンモニアを
反応させる方法(特開昭62−88327号公報)など
の公知の方法に従って製造することができる。
【0060】上記式(III)で表される繰り返し単位を有
するポリシラザンは、直鎖状であっても、環状であって
もよく、直鎖状のポリシラザンと環状のポリシラザンと
の混合物でもよい。
【0061】これらのポリシラザンの数平均分子量(ポ
リスチレン換算)は、100〜10000、好ましくは
500〜2000の範囲にあることが望ましい。 [(ii)ポリシロキサザンの調製]本発明で用いられる(i
i)ポリシロキサザンは、上記のようにして得られたアル
コキシシランおよび/またはハロゲン化シランの加水分
解物と、ポリシラザンを有機溶媒中で混合し、反応させ
ることにより得られる。
【0062】有機溶媒としては、アルコキシシランまた
はハロゲン化シランの加水分解物とポリシラザンを溶解
するものであればよく、たとえば、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエ
ン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素を用い
ることができる。
【0063】アルコキシシランまたはハロゲン化シラン
の加水分解物とポリシラザンとの混合量は、アルコキシ
シランまたはハロゲン化シランの加水分解物91〜99重量
%、ポリシラザン9〜1重量%の範囲にあることが望ま
しい。ポリシラザンが9重量%より多くなると、これよ
り製造される塗布液を塗布して得られるシリカ系被膜中
にSi-N結合が残存しやすく、誘電率が高くなることがあ
る。また、ポリシラザンが1重量%未満では、被塗布面
との密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性
に劣ることがある。
【0064】上記のアルコキシシランおよび/またはハ
ロゲン化シランの加水分解物とポリシラザンとの反応条
件は特に制限されるものではないが、通常、アルコキシ
シランまたはハロゲン化シランの加水分解物とポリシラ
ザンとの混合物を、約100℃以下、好ましくは80℃以下
の反応温度で、通常0.5〜5時間、好ましくは0.5〜3時間
加熱することが望ましい。
【0065】上記反応によって、アルコキシシランまた
はハロゲン化シランの加水分解物の一部の末端にポリシ
ラザンが結合した(ii)ポリシロキサザンが得られる。得
られる(ii)ポリシロキサザンの数平均分子量(ポリスチ
レン換算)は100〜50000、好ましくは500〜10000の範囲
にあることが望ましい。
【0066】低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液の調製 本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、上
記(i)フェニル基を有するシリカ系微粒子を含む分散液
と(ii)ポリシロキサザンとを、必要に応じて溶媒を添加
して混合し、加熱処理によって(i)フェニル基を有する
シリカ系微粒子と(ii)ポリシロキサザンとを反応させる
ことによって調製される。
【0067】(i)フェニル基を有するシリカ系微粒子と
(ii)ポリシロキサザンとの混合割合は、(i)フェニル基
を有するシリカ系微粒子の少なくとも一部の表面が上記
ポリシロキサザンと結合するのに十分な量のポリシロキ
サザンがあればよいが、好ましくはフェニル基を有する
シリカ系微粒子と、ポリシロキサザンとの重量比(フェ
ニル基を有するシリカ系微粒子の重量/ポリシロキサザ
ンの重量)が、0.1〜20、好ましくは0.5〜10となるよう
な重量比で混合・反応させることが望ましい。
【0068】前記重量比が20よりも多くなると、得られ
るシリカ系被膜はフェニル基を有するシリカ系微粒子の
粒子間空孔を多く含む多孔質となり、低誘電率化は期待
できるものの、被塗布面との密着性、機械的強度、被塗
布面の平坦化性能などが悪くなる傾向がある。一方、前
記重量比が0.1よりも小さくなると、同様にして得られ
るシリカ系被膜はフェニル基を有するシリカ系微粒子の
間がポリシロキサザンにより埋められ誘電率が低くなら
ないことがある。
【0069】加熱処理は、通常約100℃以下、好ましく
は80℃以下の反応温度で、0.5〜5時間、好ましくは0.5
〜3時間程度行うことが望ましい。この加熱処理によっ
て、(i)フェニル基を有するシリカ系微粒子の表面と(i
i)ポリシロキサザンとが反応する。なお、この反応にお
いてもシリカ系微粒子の成長あるいは新たなシリカ系微
粒子の生成は起こらず、シリカ系微粒子の表面とポリシ
ロキサザンとが結合する。
【0070】なお、このように製造された本発明に係る
低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、固形分(シリカ
系微粒子とポリシロキサザンとの合計)を、5〜40重
量%、好ましくは10〜30重量%の量で含んでいるこ
とが望ましい。
【0071】本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成用
塗布液は、被膜形成成分として、シリカ系微粒子を含ん
でいるので、シリカ系粒子間の空孔によって、被膜を多
孔質とすることができる。またシリカ系微粒子表面のフ
ェニル基は、被膜中のこの空孔への水の再吸着を防ぐ効
果を有するとともに、酸素プラズマ耐性も高いという特
性を有している。このため、このようなフェニル基を有
するシリカ系微粒子とポリシロキサザンとの反応物を含
む被膜形成用塗布液を用いて低誘電率シリカ系被膜を形
成すると、マイクロフォトリソグラフィ加工時のプラズ
マエッチングやレジスト剥離時の酸素プラズマによる膜
質の劣化を防止することが可能となり、さらに被膜への
水分再吸着も防止されるため、誘電率が低く、密着性、
耐薬品性、耐クラック性などに優れ、導電歩留りが向上
し、しかも平坦化特性の良い、安定した低誘電率シリカ
系被膜を形成することができる。
【0072】また、上記方法で得られた低誘電率シリカ
系被膜形成用塗布液は、ロータリーエバポレータなどを
用いて、メチルイソブチルケトンなどの溶媒に置換し
て、前記反応で生成したアルコールや水分を完全に除去
したのち、上記の固形分濃度となるように濃度調整をし
てもよい。
【0073】さらにまた、本発明に係る低誘電率シリカ
系被膜形成用塗布液には、充填剤が含まれていてもよ
く、充填剤としては、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化タングステン、酸化ルテニウム、チタン酸カリ
ウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、マイカ、カオリン、タルクなどが挙げられる。
【0074】[低誘電率シリカ系被膜付基材]本発明に
係る被膜付基材は、上記のようにして得られた低誘電率
シリカ系被膜形成用塗布液を各種の基材の表面に塗布
し、次いで加熱することによって得られる。
【0075】このような塗布液の塗布方法としては、ス
プレー法、スピンコート法、ディップコート法、ロール
コート法、転写印刷法など通常の方法を採用することが
できる。塗布後の加熱温度は、通常、300〜450℃、好ま
しくは350〜400℃の範囲である。この加熱は窒素などの
不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましく、この結果比
誘電率のより低い被膜が得られる。
【0076】上記のようにして基材上に塗布液を塗布、
乾燥した後加熱すると、塗布液中の被膜形成成分の重合
が進み硬化するが、加熱の過程で重合体の溶融粘度が低
下すると、被膜のリフロー性が増し、得られる被膜の平
坦性が向上する。本発明に係るシリカ系被膜形成用塗布
液を用いて被膜を形成する場合、加熱によって重合体の
溶融粘度の低下が起こり、350℃程度まで低粘度による
リフロー性を維持している。その結果、平坦性が一層向
上した被膜が得られる。
【0077】このようにして形成される低誘電率シリカ
系被膜の膜厚は、被膜を形成する基材、その目的によっ
て異なるが、例えば、半導体装置におけるシリコン基板
上では通常1000〜2500Å程度であり、多層配線の配線層
間の場合は通常3000〜5000Åである。
【0078】本発明に係る低誘電率シリカ系被膜付基材
としては、具体的には半導体装置、液晶表示装置、位相
シフタ付フォトマスクなどが挙げられ、特に半導体装置
においては、シリコン基板上、多層配線構造の配線層
間、素子表面あるいはPN接合部分などに上記低誘電率
シリカ系被膜が形成されている。
【0079】
【発明の効果】本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成
用塗布液によれば、比誘電率が3以下と小さく、しかも
マイクロフォトリソグラフィ加工時の酸素プラズマ耐性
に優れるとともに、機械的強度、耐アルカリ性などの耐
薬品性、耐クラック性に優れた絶縁膜を形成できる。
【0080】このような本発明に係る低誘電率シリカ系
被膜形成用塗布液は、(i)フェニル基を有するシリカ系
微粒子と(ii)ポリシロキサザンとの反応物を含んでい
る。塗布液中のシリカ系微粒子は、粒子間の空孔により
被膜を多孔質化させる。また、シリカ系微粒子表面のフ
ェニル基は被膜中のこの空孔への水の再吸着を防ぐ効果
を有するとともに、酸素プラズマ耐性も高いという特性
を有している。このため、本発明に係る低誘電率シリカ
系被膜形成用塗布液を用いて低誘電率シリカ系被膜を形
成すると、マイクロフォトリソグラフィ加工時のプラズ
マエッチングやレジスト剥離時の酸素プラズマによる膜
質の劣化を防止することが可能となり、さらに被膜への
水分再吸着も防止されるため、誘電率が低く、密着性、
耐薬品性、耐クラック性などに優れ、導電歩留りが向上
し、しかも平坦化特性の良い、安定した低誘電率シリカ
系被膜を形成することができる。また、シリカ系微粒子
のアンカー効果により被塗布面との密着性にも優れてい
る。
【0081】また、本発明によれば、比誘電率が3以下
と小さく、しかもマイクロフォトリソグラフィ加工時の
酸素プラズマ耐性に優れ、同時に機械的強度、耐アルカ
リ性などの耐薬品性、耐クラック性に優れたシリカ系被
膜を有する各種基材を得ることができる。
【0082】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0083】
【製造例】1.フェニル基を有するシリカ系微粒子の調製 (1)純水139.1gとメタノール169.9gの混合溶液を60℃に
保持し、これにテトラエトキシシラン(エチルシリケー
ト-28、多摩化学工業製)の水-メタノール溶液(重量比
2/8の水/メタノール混合液2450gにテトラエトキシシラ
ンを532.5g加えたもの)2982.5gおよび0.25%のアンモニ
ア水596.4gを同時に52時間かけて添加した。添加終了
後、さらにこの温度で3時間熟成した。その後、限外濾
過法で未反応のテトラエトキシシラン、メタノール、ア
ンモニアを除去すると同時に純水を加え、精製した。シ
リカ濃度5重量%に調整後、オートクレーブで300℃-10時
間、縮合反応を行い、その後、両性イオン交換樹脂(AG
-501、Bio-Rad社製)で精製して、平均粒径300Åのシリ
カ微粒子分散液(A)を得た。
【0084】(2)純水139.1gとメタノール140g、エチレ
ングリコール29.9gの混合溶液を用いた以外はシリカ微
粒子分散液(A)と同様の条件で調製を行い、平均粒径250
Åの多孔質シリカ微粒子分散液(B)を得た。
【0085】(3)上記のシリカ微粒子分散液(A)を5重量
%濃度に調整し、5〜10倍量のエタノールを添加し、次
いで、ロータリーエバポレーターで溶媒置換を行い、濃
度5重量%、水分5重量%のエタノール分散液に調整した
後、フェニルトリメトキシシランをSiO2に換算してシリ
カ系微粒子重量の10重量%加え、1重量%のアンモニア
水でpHを10に調整した。50℃で15時間反応させた後、10
倍量のMIBK(メチルイソブチルケトン)を添加し、ロー
タリーエバポレーターで溶媒置換を行い、濃度5重量
%、水分0.5重量%のMIBK分散液(C)を得た。
【0086】(4)上記のシリカ微粒子分散液(B)を5重量
%濃度に調整し、5〜10倍量のエタノールを添加し、次
いで、ロータリーエバポレーターで溶媒置換を行い、濃
度5重量%、水分5重量%のエタノール分散液に調整した
後、フェニルトリメトキシシランをSiO2に換算してシリ
カ系微粒子重量の10重量%加え、1重量%のアンモニア
水でpHを10に調整した。50℃で15時間反応させた後、10
倍量のMIBK(メチルイソブチルケトン)を添加し、ロー
タリーエバポレーターで溶媒置換を行い、濃度5重量
%、水分0.5重量%のMIBK分散液(D)を得た。2.ポリシロキサザンの調製 (1)アルコキシシランおよびハロゲン化シランの加水分
解物の調製 特公平6-41518号公報に開示されている方法に従って、
トリクロロシランをトルエン中でトルエンスルホン酸水
和物を触媒にして加水分解を行い、数平均分子量3500の
ハイドロジェンシルセスキオキサンポリマーを得た。
【0087】(2)ポリシラザンの調製 特公昭63-16325号公報に記載されている製造法に準じ
て、次のような製造法で製造した。
【0088】温度が0℃に保たれた恒温槽内に設置した
反応器中にピリジン600mlを入れ、撹拌しながらジクロ
ロシラン28.3gを加えて錯体(ピリジンアダクツ)を形
成させた。これにNH3量がジクロロシランの15モル倍に
なるまでアンモニアガスを2時間で吹き込み、反応生成
物を含む溶液を得た。得られた沈殿を濾過して除去した
後、濾液を減圧して溶媒をキシレンに置換することによ
り、数平均分子量800、5重量%のポリシラザンを得
た。
【0089】(3)ポリシロキサザンの調製 上記のようにして得られたハイドロジェンシルセスキオ
キサンポリマーをMIBKに溶解して5重量%溶液を調整
し、ポリシラザン溶液を3時間かけて添加した。50℃で
5時間反応させた後、ロータリーエバポレーターで溶媒
をMIBKに置換し、数平均分子量4000、5重量%のポリシ
ロキサザンを得た。3.被膜形成用塗布液の調製 上記のようにして得られたフェニル基を有するシリカ系
微粒子(C),(D)とポリシロキサザンを表1の記載の所定
の割合で混合し、50℃で1時間加熱処理した。その後、
ロータリーエバポレーターで再度メチルイソブチルケト
ンに溶媒置換して、加熱処理により生成するアルコール
や水分を完全に除去して、シリカ濃度が20重量%である
被膜形成用塗布液〜を調製した。
【0090】比較のためにフェニル基を有していないシ
リカ微粒子(A),(B)とポリシロキサザンとを同様に反応
させて、被膜形成用塗布液、を調製した。調製した
被膜形成用塗布液の組成を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【実施例1〜4,比較例1,2】シリカ系被膜付半導体
装置の作製 被膜形成用塗布液〜を、それぞれ最小0.25μルール
の金属配線が施された半導体基板上にスピンコート法で
塗布し、250℃で3分間乾燥した。その後、窒素中で400
℃、30分間焼成してシリカ系被膜を形成した。これらの
シリカ系被膜はいずれも5000Åであった。これらの膜上
にプラズマCVD法でSiO2膜を4000Å形成し、CMP(Chemi
cal Mechanical Polishing)法で配線段差を平坦化し
た。通常のマイクロフォトリソグラフィー工程に供して
via holeを形成し、酸素プラズマを照射して残存するレ
ジストを除去した後、有機アミン、水でvia holeを洗浄
した。バリアーメタルとしてTiNをスパッタリング法で
形成し、さらにWプラグをCVD法およびCMP法で形成して
viaを形成した。その後、上層の金属配線を形成し、半
導体装置を作成した。
【0093】このようにして得られたそれぞれの半導体
装置のシリカ系被膜の比誘電率と100個の連続したviaの
導通歩留まりを測定した。比誘電率は隣接配線間のC-V
測定から算出し、100個の連続したviaの導通歩留まりは
配線抵抗の測定により評価した。
【0094】結果を表2に示す。
【0095】
【表2】
【0096】表2に示すように、実施例1〜4のフェニ
ル基を有するシリカ系微粒子を用いたシリカ系被膜で
は、比誘電率は低く、viaの導通歩留まりは大きくなっ
た。これに対し、比較例1,2のフェニル基を有してい
ないシリカ微粒子を用いたシリカ系被膜では、比誘電率
は高くなり、viaの導通歩留まりが小さくなった。
【0097】表2の結果から、比較例に比べ、実施例の
フェニル基を有するシリカ系微粒子を用いたシリカ系被
膜は、比誘電率が小さく、また、マイクロフォトリソグ
ラフィ加工時の酸素プラズマ耐性に優れ、同時に機械的
強度、耐アルカリ性などの耐薬品性、耐クラック性に優
れていることが認められる。このため、本発明による低
誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用いれば、優れた半
導体装置が提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)フェニル基を有するシリカ系微粒子
    と、(ii)下記一般式(I)で示されるアルコキシシランお
    よび/または下記一般式(II)で示されるハロゲン化シラ
    ンの加水分解物と、下記一般式(III)で示されるポリシ
    ラザンとの反応物であるポリシロキサザンとを含有する
    ことを特徴とする低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液。 XnSi(OR1)4-n (I) XnSiX'4-n (II) 【化1】 (Xは、水素原子、フッ素原子、または炭素数1〜8の
    アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基または
    ビニル基を表し、R1、R2、R3およびR4は、水素原子
    または炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはビ
    ニル基を表し、X'はハロゲン原子を表す。また、mは整
    数、nは0〜3の整数である。)
  2. 【請求項2】前記フェニル基を有するシリカ系微粒子
    (i)が、前記一般式(I)で示されるアルコキシシランの1
    種または2種以上を加水分解、または加水分解後、熟成
    して得られたシリカ微粒子の少なくとも一部の表面に、
    フェニル基含有アルコキシシランまたはフェニル基含有
    クロロシランの加水分解物を結合させて得られたもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の低誘電率シリカ
    系被膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】前記一般式(I)で示されるアルコキシシラ
    ンの1種または2種以上からシリカ微粒子を調製する際
    の加水分解温度または熟成温度が180℃以上であること
    を特徴とする請求項2に記載の低誘電率シリカ系被膜形
    成用塗布液。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の塗布液を
    用いて形成された低誘電率シリカ系被膜を有することを
    特徴とする低誘電率被膜付基材。
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