JP3662391B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、比誘電率が3以下と小さく、しかも被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れ、同時に耐クラック性に優れた絶縁膜を形成でき、しかも被塗布面の凹凸を高度に平坦化し得るようなシリカ系被膜が形成された液晶表示装置に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
カラー液晶表示装置として、ガラス基板上にTFT(薄膜トランジスタ)素子とITO画素電極などで構成される電極板と、ガラス基板上にカラーフィルターおよび透明電極が順次形成されている対向電極板とを有し、電極板と対向電極板との間に液晶層が充填されてなる液晶表示セルを備えたマトリックス形カラー液晶表示装置が知られている。上記のような液晶表示セルでは、表示の高精細化のために画素の高開口率化が進められており、画素電極とTFT素子のオーバーラップ構造が提案されている。
【0003】
このような液晶表示セルでは、画素電極とTFT素子間のクロストークや画素電極表面の段差により、電界が不均一になり、液晶表示セル内部に封入された液晶材料の配向が乱れたり、表示画像に色むらなどの画素むらが生じやすいといった傾向がある。
【0004】
このため、TFT素子とITO画素電極の層間に比誘電率が3以下の平坦化膜を設け、液晶材料の配向乱れを防止することが要求されている。
このような目的で用いられている平坦化膜は、一般にプラズマCVD法、スパッタリング法などの気相成長法または被膜形成用塗布液を用いて基板上に形成されている。しかしながら、プラズマCVD法などの気相成長法では、得られる被膜の比誘電率がフッ素ドープシリカ膜の3.5が限界と言われており、3以下の被膜を形成することは難しい。
【0005】
また、フッ素添加ポリイミド樹脂やフッ素系樹脂からなる塗布液を用いて形成された被膜は、比誘電率が2程度となるものの、被塗布面との密着性が悪く、また、微細加工に用いるレジスト材料との密着性も悪い、耐薬品性、耐酸素プラズマ性に劣るなどの欠点もある。
【0006】
さらにまた、従来から用いられているアルコキシシランの部分加水分解物を含むシリカ系被膜形成用塗布液を用いて被膜を形成しても、比誘電率2.5程度の被膜が得られるが、被塗布面との密着性が悪いという欠点がある。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決しようとするものであって、比誘電率が3以下と小さく、しかも被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れるとともに、耐クラック性に優れた絶縁膜を形成でき、かつ被塗布面の凹凸を高度に平坦化し得るようなシリカ系被膜が形成された液晶表示装置を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る液晶表示装置は、
(i)シリカ微粒子と、(ii)下記一般式[1]で表されるアルコキシシランまたは下記一般式[2]で表されるハロゲン化シランの加水分解物と
の反応物を含む低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用いて形成された比誘電率が3以下のシリカ系被膜を有することを特徴としている。
【0009】
XnSi(OR)4-n …[1]
XnSiX'4-n …[2]
式中、Xは水素原子,フッ素原子,炭素数1〜8のアルキル基,アリール基またはビニル基を示し、Rは水素原子,炭素数1〜8のアルキル基,アリール基またはビニル基を示し、X'は塩素原子または臭素原子を示し、nは0〜3の整数である。
【0010】
前記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、(i)シリカ微粒子と、(ii)上記アルコキシシランまたはハロゲン化シランの加水分解物を、
10〜80℃の温度で、0.5〜20時間反応させて得られた反応物を含んでいることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る液晶表示装置について具体的に説明する。
本発明に係る液晶表示装置は、
(i)シリカ微粒子と、(ii)式[1]で表されるアルコキシシランまたは式[2]で表されるハロゲン化シランの加水分解物と
の反応物を含有する低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用いて形成された比誘電率が3以下のシリカ系被膜を有している。
【0012】
シリカ微粒子
本発明で使用されるシリカ微粒子は、下記一般式[1]で示される1種または2種以上のアルコキシシランを、水、有機溶媒および触媒の存在下に加水分解することによって得ることができる。
【0013】
XnSi(OR)4-n …[1]
式中、Xは水素原子,フッ素原子,炭素数1〜8のアルキル基,アリール基またはビニル基を示し、Rは水素原子,炭素数1〜8のアルキル基,アリール基またはビニル基を示し、nは0〜3の整数である。
【0014】
一般式[1]で表されるアルコキシシランとして、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラン、ジフルオロジエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0015】
有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類などが挙げられ、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル類が用いられる。
【0016】
触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸、酢酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸などの有機酸または金属セッケンなど水溶液中で酸性を示す化合物、アンモニア、アミン、アルカリ金属水素化物、第4級アンモニウム化合物、アミン系カップリング剤などの塩基性化合物が用いられる。
【0017】
このようなシリカ微粒子は、たとえば、水−アルコール混合溶媒を攪拌しながら、この混合溶媒にアルコキシシランおよびアンモニア水のような触媒を添加し、アルコシシランを加水分解反応させることによって得られる。このとき、水は、アルコキシシランを構成するSi-OR基1モル当たり0.5〜50モル、好ましくは1〜25モルの量で混合溶媒中に含まれていることが望ましい。触媒は、アルコキシシラン1モルに対して、0.01〜1モル、好ましくは0.5〜0.8モルとなるように添加されていることが望ましい。
【0018】
アルコキシシランの加水分解は、溶媒の沸点以下の温度、好ましくは沸点より5〜10℃低い温度で行われることが望ましい。このような条件で加水分解すると、アルコキシシランの重縮合が三次元的に進行し、シリカ微粒子が生成、成長する。さらに、得られたシリカ微粒子を加水分解温度と同じ温度または高い温度で熟成してもよい。
【0019】
上記の加水分解温度および熟成温度は、高いほうがアルコキシシランの重縮合がより一層促進され、シリカ微粒子内部が緻密となるため望ましい。このため、オートクレーブなどの耐圧容器を用いて、180℃以上、好ましくは200℃以上の温度で、加水分解および熟成を行うこと好ましい。このようにして得られたシリカ微粒子は、緻密であり、粒子自体の吸湿性が低下するとともに粒子表面の残留官能基も少なく、また塗布液に配合して形成された被膜は比誘電率の経時変化がなく、耐熱性に優れたものとなる。
【0020】
また、水−アルコール混合溶媒にエチレングリコールなどの高沸点の溶媒を添加して、アルコキシシランの加水分解を行い、シリカ微粒子を生成させてもよい。このような高沸点の溶媒をアルコキシシランの加水分解時に添加しておくと、アルコキシ基のエステル交換が起こり、高沸点溶媒がシリカ微粒子内部に取り込まれ、密度の低い多孔質のシリカ微粒子が得られる。
【0021】
このようにして得られたシリカ微粒子は、分散媒を水に置換して、イオン交換樹脂で脱イオン処理を行ってもよい。このような脱イオン処理によって、シリカ微粒子と後述するシラン化合物との反応性を高めることができる。
【0022】
また、本発明では、シリカ微粒子として、アルカリ金属珪酸塩などをイオン交換、加水分解などによって得られるシリカゾルなどを使用することができる。さらに、シリカ微粒子として、アルミノ珪酸塩からなるゼオライトからアルミニウムを除去したような多孔性ゼオライトからなる微粒子も使用することができる。
【0023】
本発明で用いられるシリカ微粒子の形状は、とくに限定されるものではなく、球状、繊維状、リン片状などの形状のものを使用することができる。
たとえば、球状のシリカ微粒子では、粒径が30〜1000Å、好ましくは50〜500Åの範囲にあるものが望ましい。また、短繊維状のシリカ微粒子では、平均直径(D)が100〜300Å、好ましくは100〜200Å、長さ(L)が300〜1000Å、好ましくは300〜600Å、アスペクト比(L/D)が、3〜10、好ましくは3〜5の範囲にあるものが望ましい。このようなシリカ微粒子を使用すると、低誘電率で、加工時に欠陥の少ない被膜を形成することができる。
【0024】
アルコキシシランまたはハロゲン化シランの加水分解物
本発明では、
▲1▼下記一般式[1]で表されるアルコキシシラン、または
▲2▼下記一般式[2]で表されるハロゲン化シラン
の加水分解物が使用される。
【0025】
XnSi(OR)4-n …[1]
XnSiX'4-n …[2]
式中、Xは水素原子,フッ素原子,炭素数1〜8のアルキル基,アリール基またはビニル基を示し、Rは水素原子,炭素数1〜8のアルキル基,アリール基またはビニル基を示し、X'は塩素原子または臭素原子を示し、nは0〜3の整数である。
【0026】
一般式[1]で表されるアルコキシシランとしては、前述のものと同様のものが挙げられる。なお、シラン化合物として使用されるアルコキシシランは、シリカ微粒子の調製に用いられたものと同一のものでもあっても、異なるものであってもよい。
【0027】
一般式[2]で表されるハロゲン化シランとしては、トリクロロシラン、トリブロモシラン、ジクロロシラン、フルオロトリクロロシラン、フルオロトリブロモシランなどが挙げられる。
【0028】
このようなアルコキシシランまたはハロゲン化シランの加水分解物は、上記一般式[1]で表されるアルコキシシランまたは上記一般式[2]で表されるハロゲン化シランを、水、有機溶媒および触媒の存在下に加水分解・重縮合させて得られる。このような加水分解・重縮合方法としては、従来公知の方法が挙げられ、有機溶媒および触媒としては、前記と同様のものが挙げられる。
【0029】
加水分解に必要な水の量は、アルコキシシランを構成するSi-OR基、またはハロゲン化シランを構成するSi-X'基1モル当たり、通常、0.1〜5モル、好ましくは0.1〜2モルの量であることが望ましい。触媒の添加量は、通常、アルコキシシランまたはハロゲン化シラン1モル当たり0.001〜1モルの量で用いられる。
【0030】
このようにして得られた加水分解物の数平均分子量は、1000〜50000、好ましくは2000〜20000(ポリスチレン換算分子量)であることが望ましい。
【0031】
このようなアルコキシシランまたはハロゲン化シランの加水分解物を使用すると、シリカ微粒子の凝集、ゲル化が起こり難くなり安定した塗布液が得ることができる。
【0032】
低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液
本発明で用いられる低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、
前記シリカ微粒子と、前記加水分解物との反応物を含んでいる。この反応物は、シリカ微粒子の少なくとも一部の表面に前記加水分解物が結合したものであると考えられる。
【0033】
このような低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、シリカ微粒子の分散液と前記加水分解物とを混合したのち、10〜80℃の温度で0.5〜20時間、好ましくは20〜60℃の温度で0.5〜10時間、さらに好ましくは、40〜60℃の温度で3〜8時間加熱処理を行うことによって得られる。
【0034】
このとき加水分解物の量は、シリカ微粒子の少なくとも一部の表面が前記加水分解物と結合するのに十分な量であればよく、具体的にはSiO2換算で、シリカ微粒子1重量部当たり、0.01重量部以上、好ましくは0.02重量部以上であることが望ましい。加水分解物の量が0.01重量部より少ないと、得られるシリカ系被膜はシリカ微粒子の粒界ボイドを多く含む多孔質となり、被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性に劣り、耐クラック性、被塗布面の平坦化性能も悪くなることがある。
【0035】
また、加水分解物は、被膜形成用のバインダーとしての機能も有するので、塗布液中にシリカ微粒子と未反応の加水分解物が存在していてもよい。しかしながら、これらの量が大きくなると、得られる被膜はシリカ微粒子の粒界ボイドが加水分解物で埋められ、被膜の比誘電率が低くならないため、上記加水分解物の量は、シリカ微粒子1重量部当たり、10重量部未満、好ましくは1重量部未満とすることが望ましい。
【0036】
また、上記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を調製する際、シリカ微粒子の分散液を、あらかじめ限外濾過などによって、水を含まない有機溶媒に溶媒置換しておくことが望ましい。用いられる有機溶媒としては、前記のアルコキシシランの加水分解のときに用いられるものと同様のものが挙げられる。
【0037】
上記のような加熱処理により、シリカ微粒子と前記加水分解物とが反応するが、このような反応では、シリカ微粒子の成長あるいは新たなシリカ微粒子の生成は起こらず、シリカ微粒子の表面で、このシリカ微粒子と前記加水分解物との表面反応が起きていると考えられる。
【0038】
さらに、加熱処理後の塗布液は、必要に応じて、ロータリーエバポレーターで生成したアルコールや水分を完全に除去してもよい。
このようにして調製された低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液中の固形分濃度は、5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%であることが望ましい。
【0039】
このような低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用いて、シリカ系被膜を形成すると、反応物中の加水分解物成分が、ボイドへの水の再吸着を防止するため、耐熱性に優れ、かつ比誘電率が低く、経時変化が少ないシリカ系被膜を形成することができる。
【0040】
このような塗布液を基材上に塗布し、酸素含有ガス雰囲気下(たとえば、1000rpm酸素含有窒素ガス)、400℃で焼成して得られたシリカ系被膜を、一週間の常温放置した後、FT-IRスペクトルを測定しても、OH基に起因するピークが測定されず、このため得られた被膜の比誘電率値が大きくなることはない。
【0041】
液晶表示装置
本発明に係る液晶表示装置は、TFT素子とITO画素電極の層間に、前記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用いて比誘電率が3以下のシリカ系被膜が形成されている。
【0042】
このようなシリカ系被膜は、前記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を塗布し、次いで加熱することによって形成することができる。
このような塗布液の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、転写印刷法などが挙げられる。また、塗布後の加熱温度は、通常、200〜450℃、好ましくは200〜400℃であればよい。こうして形成されたシリカ系被膜の膜厚は、通常5000〜30000Åである。
【0043】
なお、塗膜の加熱硬化処理に際して、紫外線照射または電子線照射、プラズマ処理などによる塗膜の硬化処理を併用してもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、比誘電率が3以下と小さく、しかも被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れ、同時に耐クラック性に優れた平坦化絶縁膜を有する液晶表示装置を得ることができる。すなわち、低誘電率の平坦化絶縁膜を有しているため、表示の高精細化のための画素の高開口率化が可能であり、画素電極とTFT素子のオーバーラップ構造を形成することができる。また、画素電極とTFT素子間のクロストークや画素電極表面の段差を低減できるため、液晶表示セル内部に封入された液晶材料の配向が乱れたり、表示画像に色むらなどの画素むらを抑え、高品位の表示特性を示すことができる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0046】
【製造例】
1 . シリカ微粒子の調製
(1)純水139.1g とメタノール169.9gの混合溶媒を60℃に保持し、これにテトラエトキシシラン(エチルシリケート-28、多摩化学工業製)の水−メタノール溶液(水/メタノール(重量比2/8)混合溶媒2450gにテトラエトキシシラン532.5gを溶解したもの)2982.5gおよび0.25%アンモニア水596.4gを同時に52時間かけて添加した。添加終了後、さらにこの温度で3時間熟成した。その後、限外濾過法で未反応のテトラエトキシシラン、メタノール、アンモニアを除去すると同時に純水を加え、シリカ濃度5重量%に調整したのち、250℃のオートクレーブ中で10時間縮合反応を行い、その後、両性イオン交換樹脂(AG-501、Bio-Rad社製)で精製して、平均粒径300Åのシリカ微粒子(A)を得た。
【0047】
(2)純水139.1g とメタノール140g 、エチレングリコール29.9gの混合溶媒を用いた以外はシリカ微粒子(A)と同様の条件で調製を行い、平均粒径250Åの多孔質シリカ微粒子(B)を得た。
2 . アルコキシシランおよびハロゲン化シランの加水分解物の調製
(1)トリエトキシシラン250gをメチルイソブチルケトン750g に混合し、0.01重量%の塩酸水溶液1000gを添加し、撹拌しながら50℃で1時間反応させた。静置後、上層のメチルイソブチルケトン溶液を分取し、加水分解物(C)を得た。
【0048】
(2)特公平6-41518記載の方法でトリクロロシランの加水分解を行い、得られたハイドロジェンシルセスキオキサンをメチルイソブチルケトンで溶解し、加水分解物(D)を得た。
3 . 被膜形成用塗布液の調製
上記のようにして得られたシリカ微粒子(A)および(B)の分散液から、ロータリーエバポレーターで、水とアルコールとを留去したのち、メチルイソブチルケトンに溶媒置換した。得られた微粒子分散液と、加水分解物(C)および(D)とを、表1に記載の割合で混合し、50℃で1時間加熱処理した。その後、ロータリーエバポレーターで加熱処理により生成するアルコールや水分を完全に除去したのち、再度メチルイソブチルケトンに溶媒置換し、シリカ濃度を20重量%に調整して、表1に示す被膜形成用塗布液▲1▼〜▲4▼を調製した。
【0049】
【表1】
【0050】
【実施例1〜4、比較例1および2】
カラー液晶表示装置
製造例で調製した被膜形成用塗布液▲1▼〜▲6▼を、TFT素子が形成されたガラス基板上塗布し、加熱処理をしてシリカ系被膜を形成した。その後、上層にITO画素電極、ポリイミド配向膜を形成し、ガラス基板上にカラーフィルターおよび透明電極、ポリイミド配向膜が順次形成されている対向電極板と貼り合わせた。次いでその間に液晶層を充填し液晶表示セルを備えたマトリックス形カラー液晶表示装置を作成した。
【0051】
このようにして得られたカラー液晶表示装置のシリカ系被膜の平坦化特性、クロストークの有無、表示特性を評価した。結果を表2に示す。
なお、平坦化特性はSEM型電子顕微鏡で観察し、クロストークの有無は目視で、表示特性は輝度、コントラスト比で判定した。
【0052】
【表2】
【0053】
表2より、本発明に係る液晶表示装置は、クロストークがなく、平坦化特性、表示特性に優れている。
Claims (2)
- (i) 下記一般式 [a] で示される1種または2種以上のアルコキシシランを、水、有機溶媒および触媒の存在下に加水分解し 180 ℃以上の温度で熟成して得られたシリカ微粒子と、
X n S i( OR ) 4-n … [a]
(式中、Xは水素原子 , フッ素原子 , 炭素数1〜8のアルキル基 , アリール基またはビニル基を示し、Rは水素原子 , 炭素数1〜8のアルキル基 , アリール基またはビニル基を示し、 n は0〜3の整数である)
(ii)下記一般式[1]で表されるアルコキシシランまたは下記一般式[2]で表されるハロゲン化シランの加水分解物と
の反応物を含む低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用いて形成された比誘電率が3以下のシリカ系被膜を有することを特徴とする液晶表示装置。
XnSi(OR)4-n …[1]
XnSiX'4-n …[2]
(式中、Xは水素原子,フッ素原子,炭素数1〜8のアルキル基,アリール基またはビニル基を示し、Rは水素原子,炭素数1〜8のアルキル基,アリール基またはビニル基を示し、X'は塩素原子または臭素原子を示し、nは0〜3の整数である。) - 低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液が、(i)シリカ微粒子と、(ii)上記アルコキシシランまたはハロゲン化シランの加水分解物を、10〜80℃の温度で、0.5〜20時間反応させて得られた反応物を含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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JP21334597A JP3662391B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 液晶表示装置 |
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JP21334597A JP3662391B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 液晶表示装置 |
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JPH1152344A JPH1152344A (ja) | 1999-02-26 |
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- 1997-08-07 JP JP21334597A patent/JP3662391B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH1152344A (ja) | 1999-02-26 |
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