JPH11302533A

JPH11302533A - 難燃ポリアミド樹脂成形品

Info

Publication number: JPH11302533A
Application number: JP10670498A
Authority: JP
Inventors: Tadashi Takeda; 正武田; Osamu Hamazoe; 修浜添; Toshihiro Arai; 敏弘新井; Hiroshi Kirikoshi; 浩志桐越
Original assignee: Showa Denko KK
Current assignee: Resonac Holdings Corp
Priority date: 1998-04-16
Filing date: 1998-04-16
Publication date: 1999-11-02

Abstract

(57)【要約】【課題】引張破断伸びに優れた難燃性ポリアミド樹脂
成形品を提供すること。【解決手段】（Ａ）ポリアミド樹脂と、（Ｂ）メラミ
ンシアヌレートまたはメラミンシアヌレート系難燃付与
剤を混合したポリアミド樹脂組成物（Ｉ）に、（Ｃ）ポ
リアミド樹脂を混合し成形加工して得られる、メラミン
シアヌレートまたはメラミンシアヌレート系難燃付与剤
含有量が０．５〜２０重量％である難燃ポリアミド樹脂
成形品。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高引張破断伸びを
有する難燃ポリアミド樹脂成形品に関する。

【０００２】

【従来の技術】ポリアミド樹脂は、その優れた熱的性
質，機械的性質，電気的性質，化学的性質などによりエ
ンジニアリングプラスチックとして幅広く利用されてい
る。また、昨今のプラスチック素材の用途の多様化によ
り、ポリアミド樹脂においても難燃性が要求されるよう
になった。従来、ポリアミド樹脂に難燃性を付与するに
は、メラミンシアヌレートの使用（特開昭５３−０３１
７５９号）やメラミンシアヌレートと水酸化マグネシウ
ムとの併用（特開平７−００３１５２号、特開平７−３
１００１１号）等の方法が提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法で得られる成形品はいずれも引張破断伸びが低く、例
えばヒンジ付き成形品ではヒンジ性能が劣るため適用で
きず、用途の制限を免れないという問題があった。本発
明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、引張破
断伸びに優れた難燃ポリアミド樹脂成形品を提供するこ
とを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、予めメラ
ミンシアヌレートまたはメラミンシアヌレート系難燃付
与剤を配合したポリアミド樹脂組成物にポリアミド樹脂
を混合して成形することにより、上記目的を達成しうる
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は（Ａ）ポリアミド樹脂
と、（Ｂ）メラミンシアヌレートまたはメラミンシアヌ
レート系難燃付与剤を混合したポリアミド樹脂組成物
（Ｉ）に、（Ｃ）ポリアミド樹脂を混合し成形加工して
得られる、メラミンシアヌレートまたはメラミンシアヌ
レート系難燃付与剤含有量が０．５〜２０重量％である
難燃ポリアミド樹脂成形品を提供するものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明における（Ａ）ポリアミド
樹脂は、酸アミド結合( −ＣＯＮＨ−) を繰り返し単位
に持つ高分子化合物である。具体的にはポリアミド６，
ポリアミド１１，ポリアミド１２等のポリラクタム類；
ポリアミド６６，ポリアミド６１０，ポリアミド６１
２，ポリアミド４６などのジカルボン酸とジアミンとか
ら得られるポリアミド類；ポリアミド６−６６，ポリア
ミド６−６１０などの共重合ポリアミド類；ポリアミド
６−６Ｔ（Ｔ：テレフタル酸成分），イソフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸と、メタキシリレンジアミンある
いは脂環族ジアミンから得られる半芳香族ポリアミドな
どが挙げられる。これらポリアミドは単独で用いてもよ
く、また２種以上を併用しても良い。これらの中でもポ
リアミド６，ポリアミド６６，ポリアミド６−６６が好
ましい。上記ポリアミド樹脂は、相対粘度（ＪＩＳＫ
６８１０に準拠し、硫酸法にて測定）が、通常２．５以
上であり３．０以上が好ましい。さらに、これらポリア
ミド樹脂は末端基の種類あるいはその割合に特に制限さ
れるものではない。

【０００６】また、（Ｂ）メラミンシアヌレートは、メ
ラミンとシアヌル酸の当モル反応物で、例えばシアヌル
酸の水溶液とメラミンの水溶液とを混合させ、生成した
沈殿物を濾過することによって得ることができる。ま
た、メラミンシアヌレート系難燃付与剤は、メラミンシ
アヌレートの水酸基およびアミノ基のいくつかが他の置
換基で置換されているメラミンシアヌレート誘導体を言
う。例えば、メラミンと、モノ（β−シアノエチル）イ
ソシアヌレート、ビス（β−シアノエチル）イソシアヌ
レートあるいはトリス（β−シアノエチル）イソシアヌ
レートとの等モル反応物などが挙げられる。本発明のメ
ラミンシアヌレートまたはメラミンシアヌレート系難燃
付与剤は、その製造方法について特に上記の方法に限定
されるものはなく、またその形状は平均粒径１００μｍ
以下の微粉末が好ましい。さらに、メラミンシアヌレー
トまたはメラミンシアヌレート系難燃付与剤の配合割合
としては、ポリアミド樹脂１００重量部に対して、好ま
しくは１〜４０重量部であり、とりわけ３〜２０重量部
が好適である。

【０００７】本発明のポリアミド樹脂組成物（Ｉ）は、
上記ポリアミド樹脂及びメラミンシアヌレートまたはメ
ラミンシアヌレート系難燃付与剤を混合して得られる。
混合する方法としては特に制限はなく、合成樹脂の分野
において一般に行われている方法を採用すればよい。具
体的には、ヘンシェルミキサー，タンブラー及びリボン
ブレンダーのごとき混合機を用いてドライブレンドした
後、スクリュー式押出機などの混練機を用いて溶融状態
で混練させる方法などが挙げられる。

【０００８】以上のように製造したポリアミド樹脂組成
物（Ｉ）と混合する（Ｃ）ポリアミド樹脂としては、上
記（Ａ）成分の説明において記載したポリアミド樹脂の
いずれでもよいが、（Ａ）成分と同一の樹脂を用いるこ
とが特に好ましい。その配合割合は樹脂組成物（Ｉ）１
００重量部あたり好ましくは１５〜１５００重量部、特
に５０〜２００重量部が好適である。本発明のポリアミ
ド樹脂成形品は、樹脂組成物（Ｉ）と（Ｃ）ポリアミド
樹脂とを上記ポリアミド樹脂組成物（Ｉ）について記載
した混合方法のいずれの方法によって混合してもよく、
目的に応じて選択でき、そのようにして混合し、射出成
形などの成形機を用いて成形して得られる。

【０００９】本発明のポリアミド樹脂成形品におけるメ
ラミンシアヌレートまたはメラミンシアヌレート系難燃
付与剤は、０．５〜２０重量％であることが必要であ
り、好ましくは１〜１５重量％、さらに好ましくは２〜
１０重量％である。

【００１０】また、ポリアミド樹脂成形品の引張破断伸
びについては、１００％以上が好ましく、とりわけ１５
０％以上が好適である。

【００１１】さらに、本発明の該ポリアミド樹脂成形品
を製造するにあたり、その性能を損なわない範囲で、酸
素，熱，光，紫外線に対する安定剤，滑剤，帯電防止
剤，補強剤，着色剤（顔料など）並びにそのほかの添加
剤などを配合させても良い。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。ポリアミドとして、相対粘度が３．５であるポ
リアミド６（以下「ＰＡ６」という）と、相対粘度が
３．２であるポリアミド６−６６（以下「ＰＡ６−６
６」という）を用いた。

【００１３】なお、性能試験は以下に準じた。（１）難燃性試験長さ１００ｍｍ、幅６ｍｍ、厚み１ｍｍの試験片を用い
て、ＪＩＳＫ７２０１に準拠し、酸素濃度２４容量％
の条件下で測定を行い次のように評価した。 ○・・・試験片が４秒以内に消火 ×・・・試験片が４秒を越え燃焼し続けた（２）引張破断伸び温度２３℃、湿度５０％ＲＨで平衡吸水したＡＳＴＭ１
号ダンベルを、ＡＳＴＭＤ６３８に従って測定した。

【００１４】ポリアミド樹脂組成物（Ｉ）の調製表１に示す種類及び配合量で、ポリアミド樹脂とメラミ
ンシアヌレートを予めタンブラーを用いて予備混合した
後に、３０ｍｍ同方向２軸押出機（池貝鉄工社ＰＣＭ３
０）に供給し、溶融混練して水冷却後カッターを用い組
成物（ペレット）を製造した。得られたペレットを、表
１に示すように以下組成物ａ〜ｃという。

【００１５】実施例１〜５、比較例１〜３上記方法により得られた組成物ａ〜ｃと（Ｃ）ポリアミ
ド樹脂を表２に示す割合で混合して射出成形機（住友重
機社製）を用い成形を行い、各種試験片を作成し、表２
に示す特性を測定した。その結果を表２に示す。なお、
比較例３は、ＰＡ６単体を使用した。

【００１６】

【表１】

【００１７】

【表２】

【００１８】

【発明の効果】本発明の難燃ポリアミド樹脂成形品は引
張破断伸びに優れ、良好な難燃性を有するので有用であ
る。特に、ヒンジ部を有する成形品に好適であり、例え
ばケーブルプロテクター等の自動車工業部品、ＯＡ機器
部品、家電製品などの広い分野に有望である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者桐越浩志神奈川県川崎市川崎区千鳥町３番２号昭和電工株式会社総合研究所川崎研究室内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（Ａ）ポリアミド樹脂と、（Ｂ）メラミ
ンシアヌレートまたはメラミンシアヌレート系難燃付与
剤を混合したポリアミド樹脂組成物（Ｉ）に、（Ｃ）ポ
リアミド樹脂を混合し成形加工して得られる、メラミン
シアヌレートまたはメラミンシアヌレート系難燃付与剤
含有量が０．５〜２０重量％である難燃ポリアミド樹脂
成形品。
【請求項２】ポリアミド樹脂組成物（Ｉ）が、（Ａ）
ポリアミド樹脂１００重量部あたり（Ｂ）メラミンシア
ヌレートまたはメラミンシアヌレート系難燃付与剤１〜
４０重量部を配合したものである請求項１に記載の難燃
ポリアミド樹脂成形品。
【請求項３】引張破断伸びが１００％以上である請求
項１または請求項２に記載の難燃ポリアミド樹脂成形
品。
【請求項４】（Ａ）ポリアミド樹脂が、ポリアミド
６、ポリアミド６６、ポリアミド６−６６からなる群か
ら選ばれた少なくとも１種である請求項１〜３のいずれ
か１項に記載の難燃ポリアミド樹脂成形品。