JPH11302432A - 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法

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JPH11302432A
JPH11302432A JP10113570A JP11357098A JPH11302432A JP H11302432 A JPH11302432 A JP H11302432A JP 10113570 A JP10113570 A JP 10113570A JP 11357098 A JP11357098 A JP 11357098A JP H11302432 A JPH11302432 A JP H11302432A
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JP
Japan
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thermoplastic polyester
polyester resin
extruder
weight
foam
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JP10113570A
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Mikiyoshi Nakamichi
幹芳 中道
Masaaki Nakamura
正明 中村
Fumiyasu Sezaki
文康 瀬崎
Haruo Tomita
春生 冨田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分を含んだ熱可塑性ポリエステル系樹脂か
ら、緩衝性、機械的性質および耐熱性に優れた発泡体を
簡便かつ安定的に製造する。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル系樹脂と酸無水
物、ホスファイト化合物とを溶融混合した組成物に発泡
剤を添加して発泡性組成物とし、次いで押出機から低圧
領域へ押出し発泡する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル系樹脂発泡体の製造方法に関するものである。さら
に詳しくは、熱可塑性ポリエステル系樹脂を押出し発泡
させて、発泡体を製造する方法の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートをはじめと
する線状芳香族ポリエステル系樹脂は、機械的性質、耐
熱性、耐薬品性、寸法安定性等に優れており、さらに安
価であるために、射出成形品、ブロー成形品、フィル
ム、繊維等の広範囲な用途を有している。しかしなが
ら、その溶融時の粘弾性が不充分なため、該線状芳香族
ポリエステル系樹脂を用いて良好な成形品を得ることが
難しく、とくに該線状芳香族ポリエステル系樹脂を用い
て押出し発泡を行う場合、押出し発泡体を得ることが困
難であるとういう欠点があった。前記欠点を改良する方
法として、溶融時の粘弾性を高めるために線状芳香族ポ
リエステル系樹脂に分岐剤を共重合することにより分岐
ポリエステルをうることが提案されたが、この方法は分
岐ポリエステルを製造するために特別の製造装置を必要
とすることから、工程が煩雑となり経済性も不利になる
などの欠点があった。一方、一般的な線状芳香族ポリエ
ステル系樹脂を用いて押出発泡成形する方法としては、
線状芳香族ポリエステル系樹脂に1分子中に2個以上の
酸無水物を有する化合物を該樹脂に混合する方法(特公
平5−15736号公報)や、これと同様の酸無水物を
特定の金属化合物と組み合わせて該樹脂に混合する方法
(特公平5−47575号公報)が提案されている。こ
れらの方法によれば、押出発泡に行うに必要な溶融時の
粘弾性の増大を望めるが、線状芳香族ポリエステル系樹
脂は吸湿性であるため、吸湿した樹脂を高温で加熱する
と加水分解が起こり、前述の方法にもかかわらず、溶融
時の粘弾性が不充分になるという欠点を持っている。し
たがって、特開平2−150434では、樹脂含有水分
を予め乾燥にて、できるだけ少なくすることが必要であ
るとし、含有水分量を200ppm以下にすることが好
ましく、その方法として熱可塑性ポリエステル系樹脂を
除湿熱風乾燥機において60〜180℃の温度及び−2
0℃以下の露点の熱風で4時間乾燥するのが望ましいと
記載されている。また、特開平8−183083では、
予め乾燥して樹脂の含有水分を除去する必要がないかわ
りに、吸湿樹脂の含有水分を押出機のバレルから減圧吸
引して取り除く方法が、さらに特開平8−239502
では、湿気を吸収して酸無水物基が開環し、酸無水物基
がなくなったようなポリカルボン酸をも、押出機のバレ
ルから減圧吸引することで架橋剤として使用できるよう
な熱可塑性ポリエステル系樹脂の押出し発泡の方法が開
示されている。このように、押出機を用いて発泡体を製
造する場合において、熱可塑性ポリエステル系樹脂の含
有水分を除去し、加水分解による樹脂の溶融時の粘弾性
の低下を防止する必要があると考えられており、従来、
水分を含んだ系の熱可塑性ポリエステル樹脂を用いた発
泡体の製造方法は実施されていないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題を改善し、水分を含んだ熱可塑性ポリエステル
系樹脂から、緩衝性、機械的性質および耐熱性に優れた
発泡体を簡便かつ安定的に製造する方法を提供するもの
である。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性ポリ
エステル系樹脂に、1分子中に2個以上の酸無水物基を
有する化合物及びホスファイト化合物とを溶融混合した
熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を押出機中で発泡剤
を混合して発泡性組成物とし、次いで該発泡性組成物を
押出機から低圧領域へ押出して発泡体を製造することに
より前記課題が解決されることを見出した。すなわち、
本発明は熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し
て、1分子中に2個以上の酸無水基を有する化合物を
0.1〜5重量部、ホスファイト化合物を0.05〜1
0重量部を加えて溶融混練した熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物に、押出機中で発泡剤を混合して発泡性組成
物とし、次いで該発泡性組成物を押出機から低圧領域へ
押出発泡させることを特徴とする熱可塑性ポリエステル
系樹脂発泡体の製造方法(請求項1)、熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂組成物の280℃におけるせん断速度12
2sec -1のときの溶融粘度が500〜3000Pa・
sであり、280℃における溶融張力が3g以上である
ことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性ポリエステル
系樹脂発泡体の製造方法(請求項2)に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる熱可塑性ポリ
エステル系樹脂は、例えばテレフタル酸を主たる成分と
する多価カルボン酸、エチレングリコールを主たる成分
とする多価アルコールとを重縮合して得られるポリエス
テル樹脂である。テレフタル酸を主たる成分とすると
は、前記多価カルボン酸がテレフタル酸を70重量%以
上含有していることを意味し、エチレングリコールを主
たる成分とするとは、前記多価アルコールがエチレング
リコールを70重量%以上含有していることを意味す
る。テレフタル酸、エチレングリコールが70重量%未
満では、本発明により得られる発泡体に、ポリエチレン
テレフタレートをはじめとする熱可塑性ポリエステルが
有する優れた機械的特性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定
性を生かしたバランスのよい物性を付与しやすいという
効果が低減する。前記多価カルボン酸の具体例として
は、テレフタル酸のほかに、テレフタル酸ジメチル等の
テレフタル酸ジアルキルエステル、イソフタル酸、イソ
フタル酸ジメチル等のイソフタル酸ジアルキルエステ
ル、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸等があげられ、これらは単独で
または2種以上混合して用いることができる。前記多価
アルコールの具体例としては、エチレングリコールのほ
かに、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ブタンジオール、ネオペンチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、シクロヘキサンジメチロール、トリ
シクロデカンジメチロール、2,2−ビス(4−β−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン、4,4‘−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホン等があ
げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。前記熱可塑性ポリエステル系樹脂とし
ては、数平均分子量10000〜50000、固有粘度
0.5〜1.0であることが好ましい。このような熱可
塑性ポリエステル系樹脂は通常のポリエステルの製造に
用いられる溶融重縮合や固相重合の方法により製造する
ことができる。一般に、溶融重縮合法では高分子量のも
のが得られ難くなる傾向があるため、固相重合によって
より高分子量化する場合があるが、固相重合の工程を経
ることにより工程が煩雑となり、コストが高くなるなど
の傾向がある。本発明においては、溶融重縮合で得られ
る比較的分子量の小さい熱可塑性ポリエステル系樹脂を
用いることができるため、簡便性や低コスト性を要求す
る場合には溶融重縮合により得られる熱可塑性ポリエス
テル系樹脂を用いることが好ましい場合がある。なお、
本明細書において、樹脂の固有粘度とは、フェノールと
テトラクロロエタンとの混合物(フェノール/テトラク
ロロエタン(重量比)=1/1)を溶媒として23℃で
測定した値をいう。熱可塑性ポリエステル系樹脂の具体
例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリー1,4−シクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、
ポリブチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレー
トなどが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併
用して用いることができるが、これらの中でも工業的利
用価値の高さや取り扱いやすさ等の観点からポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
ー1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートが
好ましい。本発明に用いられる1分子中に2個以上の酸
無水物基を有する化合物は、1分子中に2個以上、好ま
しくは2〜3個の酸無水物基を有するものであればとく
に制限はないが、反応性の点から、ピロメリット酸二無
水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテト
ラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アン
ヒドロトリメリテート)、グリセロール−トリス(アン
ヒドロトリメリテート)などが好ましく、取り扱いが容
易という理由からピロメリット酸二無水物、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物がさらに好ましい。前記
酸無水物基含有化合物は単独で用いてもよく2種以上を
併用してもよい。本発明に用いられるホスファイト化合
物は、水分を含有する熱可塑性ポリエステル系樹脂と溶
融混練することにより、熱可塑性ポリエステル系樹脂の
水分を除去する目的で使用しうる。このようなホスファ
イト化合物の具体例としては、トリフェニルホスファイ
ト、トリイソデシルホスファイト、トリメチルホスファ
イト、トリエチルホスファイト、トリイソプロピルホス
ファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−n−
ヘキシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、ト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよ
い。これらのうちでは、トリフェニルホスファイトが工
業的な取り扱いが容易であるという点から好ましい。ホ
スファイト化合物は熱可塑性ポリエステル系樹脂100
重量部に対し、0.05〜10重量部の割合で用いるこ
とができ、好ましくは、0.1〜5重量部、さらに好ま
しくは、0.1〜3重量部である。ホスファイト化合物
の量が0.05重量部よりも少ない場合には、熱可塑性
ポリエステル系樹脂の含有水分を除去できず、加水分解
が起こり、得られる樹脂組成物に発泡に適した溶融時の
粘弾性を付与することが困難となり、10重量部を越え
る場合には、過剰量の化合物の影響で好ましくない着色
を生じたり、得られる発泡体の機械的物性が低下したり
することがある。本発明で用いられる発泡剤としては、
加熱により気化する液体の揮発型発泡剤、加圧下で樹脂
に溶解しうる気体のガス型発泡剤のいずれも用いること
ができる。揮発型発泡剤の具体例としては、例えばブタ
ン、ペンタン、ヘキサンのような飽和脂肪族炭化水素、
シクロヘキサンのような飽和脂環族炭化水素、ベンゼ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素、塩化メチルのよ
うなハロゲン化炭化水素、フレオン(商品名)のような
フルオルクロル置換炭化水素等があげられる。ガス型発
泡剤の具体例としては、例えば窒素、二酸化炭素等があ
げられる。前記発泡剤は、通常、単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。前記発泡剤の使用量
は、特に限定がなく、得られる発泡体の所望の発泡倍率
に応じて適宜調整すればよい。通常、発泡剤の使用量
は、熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量部に対して
0.5〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部、
更に好ましくは0.5〜10重量部程度である。さらに
本発明の方法で押出し発泡成形を行う場合、安定剤、タ
ルク等の造核剤、顔料、充填剤、難燃剤、帯電防止剤等
の1種又は2種以上を必要に応じて用いてもよい。本発
明の熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いて熱可塑性ポリ
エステル系樹脂発泡体を製造する際には、例えば単軸押
出機、多軸押出機、タンデム型押出機などを用いること
ができる。熱可塑性ポリエステル系樹脂と1分子中に2
個以上の酸無水基を有する化合物及びホスファイト化合
物との溶融混練を押出機を用いて行う場合は、得られた
熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を一旦押出機から取
り出してから押出し発泡に用いる押出機に供給してもよ
いし、溶融混練に用いる押出機と押出し発泡に用いる押
出機とを同じ押出機として溶融混練した樹脂組成物をそ
のまま次の発泡剤を混合する工程に移送してもよい。押
出機中で熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物と発泡剤と
を混合する方法としては、前記押出機のシリンダー途中
から発泡剤を注入して溶融状態の熱可塑性ポリエステル
系樹脂組成物と混合する方法、タンデム押出機の1段目
押出機と2段目押出機との間から発泡剤を注入して溶融
状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物と混合する方
法等により行うことができる。押出発泡成形を行うに必
要な熱可塑性ポリエステル系樹脂に、安定剤、タルク等
の造核剤、顔料、充填剤、難燃剤、帯電防止剤等を添加
する方法としては、あらかじめ溶融前の熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂に混合して定量フィーダーから二軸押出機
に供給する方法や、熱可塑性ポリエステル系樹脂と安定
剤、タルク等の造核剤、顔料、充填剤、難燃剤、帯電防
止剤等とを別々の定量フィーダーから二軸押出機に供給
する方法が採用できる。発泡剤を含んだ発泡性組成物は
押出機で混練を継続しながら、発泡体形成に適するよう
に樹脂構造や温度の均質化及び圧力の保持が行われる。
押出機の先端にはサーキュラー金型、フラット金型、ノ
ズル金型等の所望の金型を付設し、この金型から上記発
泡性樹脂組成物を低圧領域に押出す。低圧領域とは押出
機スクリュー先端部に生じている圧力未満の圧力帯域の
ことをいい、押出された発泡性樹脂組成物は、高圧下の
押出機内から低圧領域に移ることにより発泡して発泡体
となる。前記方法で得られる熱可塑性ポリエステル系樹
脂組成物は、好ましくは280℃におけるせん断速度1
22sec-1のときの溶融粘度が500〜3000Pa
・sであり、280℃における溶融張力が3g以上であ
る。より好ましくは前記溶融粘度が1000〜2500
Pa・sであり、前記溶融張力が5〜70gである。こ
れら溶融粘度及び溶融張力が前記範囲より小さい場合
は、押出し発泡時の溶融粘弾性の向上が充分でなくなり
押出し発泡の際の気泡構造の保持が困難となる傾向があ
り、前記範囲よりも大きい場合は、押出し発泡時の発泡
体の延伸加工性が悪化したり、押出し圧力が高くなりす
ぎるなど溶融加工が容易でなくなる傾向がある。本発明
の方法により得られる発泡体は、その密度を600Kg
/m3以下、好ましくは500Kg/m3以下にすること
により、発泡体に利点である軽量性を実現することがで
きる。さらに、発泡体中に存在する気泡の独立気泡率を
80%以上、好ましくは85%以上にすることで得られ
る発泡体の断熱性を高めることができる。また、発泡体
中の気泡の大きさを直径で1000μm以下、好ましく
は500μm以下にすることで得られる発泡体の断熱性
を高めることができる。このようにして製造された発泡
体は、外観美麗で、均一微細なセル構造を有するもので
あり、例えば耐熱容器、断熱容器、緩衝包装材等に好適
に用いられる。次に、本発明を実施例に基づいて具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (見かけ密度)JIS K 7112「プラスチックの
密度と比重の測定法」のA法(水中置換法による測定方
法)に準じて測定した。 (気泡の大きさ)発泡体断面を透過型電子顕微鏡にて観
察し、発泡体の幅方向の数平均気泡径を測定した。 (独立気泡率)マルチピクノメータ(湯浅アイオニクス
(株)社製)を用いて、ASTM D2856に準じた
方法で測定した。 (溶融粘度、溶融張力)溶融粘度は、JIS K 71
99「熱可塑性プラスチックのキャピラリーレオメータ
による流れ特性試験方法」に準拠して測定される粘度の
ことをいう。本発明では、押出発泡成形時に発泡剤を注
入しないで得られた熱可塑性ポリエステル系樹脂の溶融
粘度は、下記の条件で測定した。
【0006】 測定装置 :キャピログラフ((株)東洋精機製) 測定樹脂量 :20g 測定温度 :280℃ 測定せん断速度:122sec-1 オリフィス :1φ×10mm,入り口角90度 前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の溶融張力は、前記溶
融粘度測定時と同様のキャピログラフから押出したフィ
ラメント状の樹脂を引き取る時の応力を測定し、引き取
り速度を11.1mm/sec2で増加させてフィラメ
ントが破断したときの応力とした。 実施例1 押出機として、シリンダー後半部に発泡剤注入口を有す
るシリンダー径45mm、L/D32の同方向回転噛み
合い型二軸押出機を一段目押出機とし、シリンダー径5
0mm、L/D27の単軸押出機を二段目押出機として
搬送管で連結したタンデム押出機を用いた。二段目押出
機の先端には口径50mmのサーキュラー金型が取り付
けられている。前記押出機に、数平均分子量が1700
0、固有粘度が0.65dl/g、水分を315ppm
含むポリエチレンテレフタレート100重量部、ピロメ
リット酸二無水物0.35重量部、トリフェニルホスフ
ァイト0.2重量部、タルク0.25重量部、ブレンド
オイル0.05重量部の割合で混合して得られた組成物
を振動式定量フィーダーより16Kg/hrの割合で供
給し、発泡剤注入口より発泡剤として液化ブタンガスを
溶融物100重量部に対して2.0重量部注入して、以
下に示す条件にて大気中に連続的に押出して円筒シート
状の発泡体を得た。押出機中の樹脂組成物の平均滞留時
間は約10分であった。
【0007】 一段目押出機シリンダー温度 ;265〜290℃ 搬送管温度 ;280〜285℃ 二段目押出機シリンダー温度 ;270〜280℃ 二段目押出機ヘッド温度 ;270〜280℃ 二段目押出機口金温度 ;270〜280℃ 得られた発泡体について、見かけ密度、気泡の大きさ及
び独立気泡率を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。また、発泡剤を注入しなかった以外は前記の方法と
同様にして、得られた熱可塑性ポリエステル系樹脂組成
物の溶融物性を測定した。表1にその結果を示す。 実施例2 実施例1において、数平均分子量が17000、固有粘
度が0.65dl/g、水分を680ppm含むポリエ
チレンテレフタレート100重量部に、ピロメリット酸
二無水物0.35重量部、トリフェニルホスファイト
0.28重量部、タルク0.25重量部、ブレンドオイ
ル0.05重量部の割合で混合した以外は、実施例1と
同様にして円筒シート状の発泡体を得た。得られた発泡
体について、見かけ密度、気泡の大きさ及び独立気泡率
を測定し、発泡剤を注入しなかった以外は前記の方法と
同様にして、得られた熱可塑性ポリエステル系樹脂組成
物の溶融物性を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。 実施例3 実施例1において、数平均分子量が17000、固有粘
度が0.65dl/g、水分を950ppm含むポリエ
チレンテレフタレート100重量部に、ピロメリット酸
二無水物0.35重量部、トリフェニルホスファイト
0.4重量部、タルク0.25重量部、ブレンドオイル
0.05重量部の割合で混合した以外は、実施例1と同
様にして円筒シート状の発泡体を得た。得られた発泡体
について、見かけ密度、気泡の大きさ及び独立気泡率を
測定し、発泡剤を注入しなかった以外は前記の方法と同
様にして、得られた熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物
の溶融物性を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。 比較例1 実施例1において、トリフェニルホスファイトを混合し
なかった以外は実施例1と同様にして押出し発泡を行っ
たが、表面性の悪い発泡シートしか得ることができなか
った。また、発泡剤を注入しなかった以外は前記方法と
同様にして、得られた熱可塑性ポリエステル系樹脂組成
物の溶融物性を実施例1と同様に測定したところ、表1
に示す結果であった。
【0008】比較例2 実施例3において、トリフェニルホスファイトを0.0
25重量部とした以外は実施例3と同様にして押出し発
泡を行ったが、発泡剤と溶融樹脂が断続的に金型から放
出され、発泡シートを得ることができなかった。また、
発泡剤を注入しなかった以外は前記方法と同様にして、
得られた熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の溶融物性
を実施例1と同様に測定したところ、表1に示す結果で
あった。
【0009】
【表1】
【0010】
【発明の効果】叙上の通り、本発明によれば、熱可塑性
ポリエステル系樹脂を押出し発泡させる際に、特別な除
湿熱風乾燥設備や減圧吸引装置を用いることなく、熱可
塑性ポリエステル系樹脂に含有する水分が原因で発生す
る押出しの不安定性を防止するとともに、品質の安定し
た発泡体を簡易設備、低運転コストで製造することがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 67:00 105:04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部
    に対して、1分子中に2個以上の酸無水物基を有する化
    合物を0.1〜5重量部、ホスファイト化合物を0.0
    5〜10重量部を加えて溶融混練した熱可塑性ポリエス
    テル系樹脂組成物に、押出機中で発泡剤を混合して発泡
    性組成物とし、次いで該発泡性組成物を押出機から低圧
    領域へ押出発泡させることを特徴とする熱可塑性ポリエ
    ステル系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の2
    80℃におけるせん断速度122sec-1のときの溶融
    粘度が500〜3000Pa・sであり、280℃にお
    ける溶融張力が3g以上である請求項1記載の熱可塑性
    ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法。
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