JPH10316790A - 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発泡体の製造法 - Google Patents
熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発泡体の製造法Info
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- JPH10316790A JPH10316790A JP9132214A JP13221497A JPH10316790A JP H10316790 A JPH10316790 A JP H10316790A JP 9132214 A JP9132214 A JP 9132214A JP 13221497 A JP13221497 A JP 13221497A JP H10316790 A JPH10316790 A JP H10316790A
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- Molding Of Porous Articles (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 均一で微細な気泡を有する、熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂組成物の発泡体を簡便かつ安定的に製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量
部、(B)少なくとも3個のカルボキシル基を有する多価
カルボン酸0.05〜5重量部および(C)成分(A)と成分(B)
とを減圧下で溶融混合したときの高分子量化反応を促進
する化合物0.01〜3重量部を減圧装置に接続されたベン
ト部を有する押出機に供給して該ベント部を減圧しなが
ら溶融混合し、えられた熱可塑性ポリエステル系樹脂組
成物に発泡剤を混合して発泡性組成物とし、ついで該発
泡性組成物を低圧領域へ押し出して発泡体を製造するこ
とを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発
泡体の製造法。
ステル系樹脂組成物の発泡体を簡便かつ安定的に製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量
部、(B)少なくとも3個のカルボキシル基を有する多価
カルボン酸0.05〜5重量部および(C)成分(A)と成分(B)
とを減圧下で溶融混合したときの高分子量化反応を促進
する化合物0.01〜3重量部を減圧装置に接続されたベン
ト部を有する押出機に供給して該ベント部を減圧しなが
ら溶融混合し、えられた熱可塑性ポリエステル系樹脂組
成物に発泡剤を混合して発泡性組成物とし、ついで該発
泡性組成物を低圧領域へ押し出して発泡体を製造するこ
とを特徴とする熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発
泡体の製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル系樹脂組成物の発泡体を製造する技術分野に属す
る。さらに詳しくは、たとえば耐熱容器、緩衝包装材な
どに好適に使用しうる熱可塑性ポリエステル系樹脂組成
物の発泡体を製造する技術分野に属する。
テル系樹脂組成物の発泡体を製造する技術分野に属す
る。さらに詳しくは、たとえば耐熱容器、緩衝包装材な
どに好適に使用しうる熱可塑性ポリエステル系樹脂組成
物の発泡体を製造する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
エチレンテレフタレートなどの線状芳香族ポリエステル
系樹脂は、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性
などに優れているため、射出成形品、ブロー成形品、フ
ィルム、繊維などの広範囲な用途を有している。しかし
ながら、その溶融時の粘弾性が不充分なため、該線状芳
香族ポリエステル系樹脂を用いて良好な成形品をうるこ
とが難しく、とくに該線状芳香族ポリエステル系樹脂を
用いて押出発泡を行なうばあい、押出発泡体をうること
が困難であるという欠点があった。
エチレンテレフタレートなどの線状芳香族ポリエステル
系樹脂は、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性
などに優れているため、射出成形品、ブロー成形品、フ
ィルム、繊維などの広範囲な用途を有している。しかし
ながら、その溶融時の粘弾性が不充分なため、該線状芳
香族ポリエステル系樹脂を用いて良好な成形品をうるこ
とが難しく、とくに該線状芳香族ポリエステル系樹脂を
用いて押出発泡を行なうばあい、押出発泡体をうること
が困難であるという欠点があった。
【0003】前記欠点を改良する方法として、溶融時の
粘弾性を高めるために線状芳香族ポリエステル系樹脂に
分岐剤を共重合することにより分岐ポリエステルをうる
ことが提案されたが、この方法は分岐ポリエステルを製
造するために特別の製造装置を必要とすることから、工
程が煩雑となり経済性も不利となるなどの欠点があっ
た。
粘弾性を高めるために線状芳香族ポリエステル系樹脂に
分岐剤を共重合することにより分岐ポリエステルをうる
ことが提案されたが、この方法は分岐ポリエステルを製
造するために特別の製造装置を必要とすることから、工
程が煩雑となり経済性も不利となるなどの欠点があっ
た。
【0004】一方、一般的な線状芳香族ポリエステル系
樹脂を用いて押出発泡する方法としては、線状芳香族ポ
リエステル系樹脂に1分子中に2個以上の酸無水物基を
有する化合物を混合して押出発泡する方法(特公平5−
15736号公報)や、これと同様の酸無水物基を有す
る化合物を特定の金属化合物と組み合わせて該樹脂に混
合して押出発泡する方法(特公平5−47575号公
報)が提案されている。これらの方法によれば、押出発
泡を行なうのに必要な溶融粘度の増大を望めるが、酸無
水物基を有する化合物が水分に対して不安定であるた
め、一定の改質を継続的に行なうことが困難となり、安
定した状態で押出発泡体を製造することができないとい
う問題があった。
樹脂を用いて押出発泡する方法としては、線状芳香族ポ
リエステル系樹脂に1分子中に2個以上の酸無水物基を
有する化合物を混合して押出発泡する方法(特公平5−
15736号公報)や、これと同様の酸無水物基を有す
る化合物を特定の金属化合物と組み合わせて該樹脂に混
合して押出発泡する方法(特公平5−47575号公
報)が提案されている。これらの方法によれば、押出発
泡を行なうのに必要な溶融粘度の増大を望めるが、酸無
水物基を有する化合物が水分に対して不安定であるた
め、一定の改質を継続的に行なうことが困難となり、安
定した状態で押出発泡体を製造することができないとい
う問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来技術
の問題を改善し、均一な樹脂組成を有し、緩衝性、機械
的性質および耐熱性に優れた発泡体を簡便かつ安定的に
製造できるような溶融粘弾性を有するポリエステル系樹
脂を製造し、該樹脂を用いて発泡体を製造する方法を提
供するものである。
の問題を改善し、均一な樹脂組成を有し、緩衝性、機械
的性質および耐熱性に優れた発泡体を簡便かつ安定的に
製造できるような溶融粘弾性を有するポリエステル系樹
脂を製造し、該樹脂を用いて発泡体を製造する方法を提
供するものである。
【0006】本発明者らは、熱可塑性ポリエステル樹
脂、少なくとも3個のカルボキシル基を有する多価カル
ボン酸およびこれら2成分を減圧下で溶融混合したとき
の高分子量化反応を促進する化合物を減圧装置に接続さ
れたベント部を有する押出機に供給し、該ベント部を減
圧しながら溶融混練させることで発泡に適した粘弾性特
性を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物をうるこ
とができ、該樹脂組成物を用いて押出機にて押出発泡す
ることにより前記課題が解決されることを見出した。
脂、少なくとも3個のカルボキシル基を有する多価カル
ボン酸およびこれら2成分を減圧下で溶融混合したとき
の高分子量化反応を促進する化合物を減圧装置に接続さ
れたベント部を有する押出機に供給し、該ベント部を減
圧しながら溶融混練させることで発泡に適した粘弾性特
性を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物をうるこ
とができ、該樹脂組成物を用いて押出機にて押出発泡す
ることにより前記課題が解決されることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、(A)熱可塑性ポリ
エステル樹脂100重量部、(B)少なくとも3個のカ
ルボキシル基を有する多価カルボン酸0.05〜5重量
部および(C)成分(A)と成分(B)とを減圧下で溶
融混合したときの高分子量化反応を促進する化合物0.
01〜3重量部を減圧装置に接続されたベント部を有す
る押出機に供給して該ベント部を減圧しながら溶融混合
し、えられた熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に発泡
剤を混合して発泡性組成物とし、ついで該発泡性組成物
を低圧領域へ押し出して発泡体を製造することを特徴と
する熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発泡体の製造
法(請求項1)、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の
280℃における剪断速度122sec-1のときの溶融粘
度が500〜3000Pa・sであり、280℃におけ
る溶融張力が3g以上である請求項1記載の熱可塑性ポ
リエステル系樹脂組成物の発泡体の製造法(請求項2)
および成分(A)と成分(B)とを減圧下で溶融混合し
たときの高分子量化反応を促進する化合物(C)がトリ
フェニルホスファイトである請求項1記載の熱可塑性ポ
リエステル系樹脂組成物の発泡体の製造法(請求項3)
に関する。
エステル樹脂100重量部、(B)少なくとも3個のカ
ルボキシル基を有する多価カルボン酸0.05〜5重量
部および(C)成分(A)と成分(B)とを減圧下で溶
融混合したときの高分子量化反応を促進する化合物0.
01〜3重量部を減圧装置に接続されたベント部を有す
る押出機に供給して該ベント部を減圧しながら溶融混合
し、えられた熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に発泡
剤を混合して発泡性組成物とし、ついで該発泡性組成物
を低圧領域へ押し出して発泡体を製造することを特徴と
する熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発泡体の製造
法(請求項1)、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の
280℃における剪断速度122sec-1のときの溶融粘
度が500〜3000Pa・sであり、280℃におけ
る溶融張力が3g以上である請求項1記載の熱可塑性ポ
リエステル系樹脂組成物の発泡体の製造法(請求項2)
および成分(A)と成分(B)とを減圧下で溶融混合し
たときの高分子量化反応を促進する化合物(C)がトリ
フェニルホスファイトである請求項1記載の熱可塑性ポ
リエステル系樹脂組成物の発泡体の製造法(請求項3)
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる熱可塑性ポリ
エステル樹脂(A)は、テレフタル酸を主たる成分とす
るカルボン酸と、エチレングリコールを主たる成分とす
るアルコールとを重縮合してえられるポリエステルであ
る。テレフタル酸を主たる成分とするとは、前記カルボ
ン酸がテレフタル酸を70重量%以上含有していること
を意味し、エチレングリコールを主たる成分とすると
は、前記アルコールがエチレングリコールを70重量%
以上含有していることを意味する。
エステル樹脂(A)は、テレフタル酸を主たる成分とす
るカルボン酸と、エチレングリコールを主たる成分とす
るアルコールとを重縮合してえられるポリエステルであ
る。テレフタル酸を主たる成分とするとは、前記カルボ
ン酸がテレフタル酸を70重量%以上含有していること
を意味し、エチレングリコールを主たる成分とすると
は、前記アルコールがエチレングリコールを70重量%
以上含有していることを意味する。
【0009】前記カルボン酸の具体例としては、テレフ
タル酸のほかに、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸な
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上混合して
用いることができる。
タル酸のほかに、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸な
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上混合して
用いることができる。
【0010】前記アルコールの具体例としては、エチレ
ングリコールのほかに、プロピレングリコール、ブタン
ジオール、ネオペンチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、シクロヘキサンジメチロール、トリシクロ
デカンジメチロール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン、4,4′−ビス(β−
ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホンなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
ングリコールのほかに、プロピレングリコール、ブタン
ジオール、ネオペンチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、シクロヘキサンジメチロール、トリシクロ
デカンジメチロール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン、4,4′−ビス(β−
ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホンなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0011】前記熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とし
ては、数平均分子量10000〜50000、固有粘度
0.5〜1.1dl/gであることが好ましい。このよ
うな熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は通常ポリエステ
ルの製造に用いられる溶融重縮合や固相重合の方法によ
り製造することができる。一般に、溶融重縮合法では高
分子量のものがえられにくくなる傾向があるため、固相
重合によってより高分子量化するばあいがあるが、固相
重合の工程を経ることにより工程が煩雑となり、コスト
が高くなるなどの傾向がある。本発明においては、溶融
重縮合でえられる比較的分子量の小さい熱可塑性ポリエ
ステル樹脂を用いることができるため、簡便性や低コス
ト性を要求するばあいには溶融重縮合によりえられる熱
可塑性ポリエステル樹脂を用いることが好ましいばあい
がある。
ては、数平均分子量10000〜50000、固有粘度
0.5〜1.1dl/gであることが好ましい。このよ
うな熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は通常ポリエステ
ルの製造に用いられる溶融重縮合や固相重合の方法によ
り製造することができる。一般に、溶融重縮合法では高
分子量のものがえられにくくなる傾向があるため、固相
重合によってより高分子量化するばあいがあるが、固相
重合の工程を経ることにより工程が煩雑となり、コスト
が高くなるなどの傾向がある。本発明においては、溶融
重縮合でえられる比較的分子量の小さい熱可塑性ポリエ
ステル樹脂を用いることができるため、簡便性や低コス
ト性を要求するばあいには溶融重縮合によりえられる熱
可塑性ポリエステル樹脂を用いることが好ましいばあい
がある。
【0012】前記熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の具
体例としては、100%のポリエチレンテレフタレート
などがあげられる。
体例としては、100%のポリエチレンテレフタレート
などがあげられる。
【0013】本発明に用いられる少なくとも3個のカル
ボキシル基を有する多価カルボン酸(B)(以下、多価
カルボン酸(B)ともいう)は、1分子中に少なくとも
3個、好ましくは3〜4個のカルボキシル基を有する化
合物であればとくに制限はないが、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂(A)との溶融混合後の相溶性を良好にするとい
う観点から、分子量は好ましくは500以下、より好ま
しくは150〜350である。
ボキシル基を有する多価カルボン酸(B)(以下、多価
カルボン酸(B)ともいう)は、1分子中に少なくとも
3個、好ましくは3〜4個のカルボキシル基を有する化
合物であればとくに制限はないが、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂(A)との溶融混合後の相溶性を良好にするとい
う観点から、分子量は好ましくは500以下、より好ま
しくは150〜350である。
【0014】前記多価カルボン酸(B)の具体例として
は、たとえば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフ
タレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸な
どがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。前記多価カルボン酸(B)のなか
でも、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との溶融混合が
均一かつ簡便に行なえるという理由から、ピロメリット
酸が好ましい。
は、たとえば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフ
タレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸な
どがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。前記多価カルボン酸(B)のなか
でも、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との溶融混合が
均一かつ簡便に行なえるという理由から、ピロメリット
酸が好ましい。
【0015】前記多価カルボン酸(B)は、熱可塑性ポ
リエステル樹脂(A)と溶融混合することにより、エス
テル交換反応を通じて枝分かれ構造を有するポリエステ
ル分子を生ぜしめる。このポリエステル分子は、さらに
減圧吸引しながら混練されることで高分子量化して、溶
融粘度や溶融張力が向上し、これを用いて押出発泡を行
なうことにより独立気泡率が高く発泡倍率の高い発泡体
がえられる。
リエステル樹脂(A)と溶融混合することにより、エス
テル交換反応を通じて枝分かれ構造を有するポリエステ
ル分子を生ぜしめる。このポリエステル分子は、さらに
減圧吸引しながら混練されることで高分子量化して、溶
融粘度や溶融張力が向上し、これを用いて押出発泡を行
なうことにより独立気泡率が高く発泡倍率の高い発泡体
がえられる。
【0016】多価カルボン酸(B)は、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂(A)100重量部に対して、0.05〜5
重量部、好ましくは0.1〜3重量部、より好ましくは
0.2〜2重量部用いる。前記多価カルボン酸(B)の
量が前記範囲よりも少ないばあいには、本発明に用いら
れる発泡性組成物の溶融粘度や溶融張力が不充分とな
り、前記範囲を超えるばあいには、発泡性組成物の溶融
粘度や溶融張力が高くなりすぎて押出加工が容易でなく
なる傾向がある。
ステル樹脂(A)100重量部に対して、0.05〜5
重量部、好ましくは0.1〜3重量部、より好ましくは
0.2〜2重量部用いる。前記多価カルボン酸(B)の
量が前記範囲よりも少ないばあいには、本発明に用いら
れる発泡性組成物の溶融粘度や溶融張力が不充分とな
り、前記範囲を超えるばあいには、発泡性組成物の溶融
粘度や溶融張力が高くなりすぎて押出加工が容易でなく
なる傾向がある。
【0017】本発明に用いられる、成分(A)と成分
(B)とを減圧下で溶融混合したときの高分子量化反応
を促進する化合物(C)(以下、化合物(C)ともい
う)は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と多価カルボ
ン酸(B)との溶融混合により生じるポリエステルが減
圧吸引しながら混練されて溶融粘度や溶融張力が向上す
る反応を促進させる目的で使用する。
(B)とを減圧下で溶融混合したときの高分子量化反応
を促進する化合物(C)(以下、化合物(C)ともい
う)は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と多価カルボ
ン酸(B)との溶融混合により生じるポリエステルが減
圧吸引しながら混練されて溶融粘度や溶融張力が向上す
る反応を促進させる目的で使用する。
【0018】前記化合物(C)の具体例としては、たと
えばトリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスフ
ァイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファ
イト、トリイソプロピルホスファイト、トリ−n−ブチ
ルホスファイト、トリ−n−ヘキシルホスファイト、ト
リオクチルホスファイトなどがあげられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらのうちでは、トリフェニルホスファイトが工
業的な取扱いが容易であるという点から好ましい。
えばトリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスフ
ァイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファ
イト、トリイソプロピルホスファイト、トリ−n−ブチ
ルホスファイト、トリ−n−ヘキシルホスファイト、ト
リオクチルホスファイトなどがあげられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらのうちでは、トリフェニルホスファイトが工
業的な取扱いが容易であるという点から好ましい。
【0019】前記化合物(C)は、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂(A)100重量部に対し、0.01〜3重量
部、とりわけ0.05〜1重量部用いることが好まし
い。化合物(C)の量が、前記範囲よりも少ないばあい
には、押出機内での限られた加工時間で熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂組成物に発泡に適した溶融粘弾性を付与す
ることが困難となり、前記範囲を超えるばあいには、過
剰量の化合物(C)の影響でえられる発泡体の機械的物
性が低下したり、好ましくない着色を生じたりする傾向
となる。
ル樹脂(A)100重量部に対し、0.01〜3重量
部、とりわけ0.05〜1重量部用いることが好まし
い。化合物(C)の量が、前記範囲よりも少ないばあい
には、押出機内での限られた加工時間で熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂組成物に発泡に適した溶融粘弾性を付与す
ることが困難となり、前記範囲を超えるばあいには、過
剰量の化合物(C)の影響でえられる発泡体の機械的物
性が低下したり、好ましくない着色を生じたりする傾向
となる。
【0020】前記化合物(C)を用いることにより、簡
便かつ短時間な押出加工の手段を用いて高い独立気泡率
および高発泡倍率などの優れた特性を有する発泡体を製
造できるという効果が奏される。
便かつ短時間な押出加工の手段を用いて高い独立気泡率
および高発泡倍率などの優れた特性を有する発泡体を製
造できるという効果が奏される。
【0021】本発明で用いられる発泡剤としては、加熱
により気化する液体の揮発型発泡剤、加圧下で樹脂に溶
解しうる気体のガス型発泡剤のいずれも用いることがで
きる。
により気化する液体の揮発型発泡剤、加圧下で樹脂に溶
解しうる気体のガス型発泡剤のいずれも用いることがで
きる。
【0022】揮発型発泡剤の具体例としては、たとえば
ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水
素、シクロヘキサンなどの飽和脂環族炭化水素、ベンゼ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチルなどの
ハロゲン化炭化水素、フレオン(商品名)などのフルオ
ロクロロ置換炭化水素などがあげられる。
ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水
素、シクロヘキサンなどの飽和脂環族炭化水素、ベンゼ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチルなどの
ハロゲン化炭化水素、フレオン(商品名)などのフルオ
ロクロロ置換炭化水素などがあげられる。
【0023】ガス型発泡剤の具体例としては、たとえば
チッ素、二酸化炭素などがあげられる。
チッ素、二酸化炭素などがあげられる。
【0024】前記発泡剤は、通常、単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
上を混合して用いることができる。
【0025】前記発泡剤の使用量は、とくに限定がな
く、えられる発泡体の所望の発泡倍率に応じて適宜調整
すればよい。通常、発泡剤の使用量は、熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂組成物100重量部に対して0.5〜50
重量部である。
く、えられる発泡体の所望の発泡倍率に応じて適宜調整
すればよい。通常、発泡剤の使用量は、熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂組成物100重量部に対して0.5〜50
重量部である。
【0026】つぎに本発明の熱可塑性ポリエステル系樹
脂組成物の発泡体の製造法について説明する。
脂組成物の発泡体の製造法について説明する。
【0027】まず、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、
多価カルボン酸(B)および成分(A)と成分(B)と
を減圧下で溶融混合したときの高分子量化反応を促進す
る化合物(C)を減圧装置に接続されたベント部を有す
る押出機に供給し、該ベント部を減圧しながら260〜
300℃の温度で2〜30分間溶融混合する。
多価カルボン酸(B)および成分(A)と成分(B)と
を減圧下で溶融混合したときの高分子量化反応を促進す
る化合物(C)を減圧装置に接続されたベント部を有す
る押出機に供給し、該ベント部を減圧しながら260〜
300℃の温度で2〜30分間溶融混合する。
【0028】押出機としては、シリンダー中間部に減圧
装置が接続されたベント部を有する押出機が用いられ
る。減圧装置としては、通常真空ポンプが用いられる。
前記押出機としてはたとえば単軸押出機、多軸押出機、
タンデム型押出機などを用いることができる。えられる
発泡体の性状を所望の程度に安定的に制御するために樹
脂組成物の混練程度・温度などを調整しやすいという観
点から、二軸押出機を一段目押出機とし、単軸押出機を
二段目押出機としたタンデム型押出機を用いることが好
ましく、このばあい前記二軸押出機が減圧装置に接続さ
れたベント部を有する二軸押出機であることが好まし
い。それは、二軸押出機を用いると、回転する2個のス
クリューのあいだで溶融したポリエステル系樹脂が展開
しやすく、ベント部の減圧効果が向上するためである。
装置が接続されたベント部を有する押出機が用いられ
る。減圧装置としては、通常真空ポンプが用いられる。
前記押出機としてはたとえば単軸押出機、多軸押出機、
タンデム型押出機などを用いることができる。えられる
発泡体の性状を所望の程度に安定的に制御するために樹
脂組成物の混練程度・温度などを調整しやすいという観
点から、二軸押出機を一段目押出機とし、単軸押出機を
二段目押出機としたタンデム型押出機を用いることが好
ましく、このばあい前記二軸押出機が減圧装置に接続さ
れたベント部を有する二軸押出機であることが好まし
い。それは、二軸押出機を用いると、回転する2個のス
クリューのあいだで溶融したポリエステル系樹脂が展開
しやすく、ベント部の減圧効果が向上するためである。
【0029】ベント部は、押出機シリンダー内での樹脂
組成物の反応により副生する揮発分を系外へ除去するた
めにその抜き出し口としてシリンダー中間部に孔をあけ
た箇所であり、本発明においては、このベント部に減圧
装置を接続して該ベント部の圧力を低い圧力に保つこと
によって、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と多価カル
ボン酸(B)とのエステル交換および高分子量化反応を
有効に促進させることができる。ベント部の押出方向上
流部および下流部において、熱可塑性ポリエステル樹脂
(A)、多価カルボン酸(B)および化合物(C)の溶
融樹脂がシリンダー内壁とスクリューとのあいだに緻密
に充満し、ベント部とその上流側および下流側とのあい
だの空気の流通を遮断できるように構成された押出機で
あることが好ましく、そのために、たとえばニーディン
グディスク、混練用エレメントなどを配してバリア部を
設けたスクリュー構成の二軸押出機を用いることが好ま
しい。
組成物の反応により副生する揮発分を系外へ除去するた
めにその抜き出し口としてシリンダー中間部に孔をあけ
た箇所であり、本発明においては、このベント部に減圧
装置を接続して該ベント部の圧力を低い圧力に保つこと
によって、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と多価カル
ボン酸(B)とのエステル交換および高分子量化反応を
有効に促進させることができる。ベント部の押出方向上
流部および下流部において、熱可塑性ポリエステル樹脂
(A)、多価カルボン酸(B)および化合物(C)の溶
融樹脂がシリンダー内壁とスクリューとのあいだに緻密
に充満し、ベント部とその上流側および下流側とのあい
だの空気の流通を遮断できるように構成された押出機で
あることが好ましく、そのために、たとえばニーディン
グディスク、混練用エレメントなどを配してバリア部を
設けたスクリュー構成の二軸押出機を用いることが好ま
しい。
【0030】ベント部の圧力は、8000Pa以下にす
ることが好ましく、2000Pa以下にすることがさら
に好ましい。前記範囲内の圧力のばあい、熱可塑性ポリ
エステル系樹脂組成物の溶融粘弾性を押出機内での限ら
れた加工時間内の反応でも発泡に適した溶融粘弾性に向
上させることができる。
ることが好ましく、2000Pa以下にすることがさら
に好ましい。前記範囲内の圧力のばあい、熱可塑性ポリ
エステル系樹脂組成物の溶融粘弾性を押出機内での限ら
れた加工時間内の反応でも発泡に適した溶融粘弾性に向
上させることができる。
【0031】こうしてえられる熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物は、好ましくは280℃における剪断速度1
22sec-1のときの溶融粘度が500〜3000Pa・
sであり、280℃における溶融張力が3g以上であ
る。より好ましくは前記溶融粘度が1000〜2500
Pa・sであり、前記溶融張力が5〜70gである。こ
れら溶融粘度および溶融張力が前記範囲より小さいばあ
いは、押出発泡時の溶融粘弾性の向上が充分でなくなり
押出発泡の際の気泡構造の保持が困難となる傾向があ
り、前記範囲よりも大きいばあいは、押出発泡時の発泡
体の延伸加工性がわるくなったり、押出圧力が高くなり
すぎるなど溶融加工が容易でなくなる傾向がある。
樹脂組成物は、好ましくは280℃における剪断速度1
22sec-1のときの溶融粘度が500〜3000Pa・
sであり、280℃における溶融張力が3g以上であ
る。より好ましくは前記溶融粘度が1000〜2500
Pa・sであり、前記溶融張力が5〜70gである。こ
れら溶融粘度および溶融張力が前記範囲より小さいばあ
いは、押出発泡時の溶融粘弾性の向上が充分でなくなり
押出発泡の際の気泡構造の保持が困難となる傾向があ
り、前記範囲よりも大きいばあいは、押出発泡時の発泡
体の延伸加工性がわるくなったり、押出圧力が高くなり
すぎるなど溶融加工が容易でなくなる傾向がある。
【0032】えられた熱可塑性ポリエステル系樹脂組成
物は、いったん押出機から取出してもいいし、そのまま
つぎの押出機に移送してもよい。
物は、いったん押出機から取出してもいいし、そのまま
つぎの押出機に移送してもよい。
【0033】つぎに、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物は、押出機中で溶融状態を保ったまま、発泡
剤と混合される。
樹脂組成物は、押出機中で溶融状態を保ったまま、発泡
剤と混合される。
【0034】この方法においては、熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂組成物とその他の必要な添加剤とは、一段目押
出機で溶融混合されることが好ましい。
ル系樹脂組成物とその他の必要な添加剤とは、一段目押
出機で溶融混合されることが好ましい。
【0035】前記添加剤としては、安定剤、タルクなど
の造核剤、顔料、充填剤、難燃剤、帯電防止剤などを必
要に応じて用いることができる。
の造核剤、顔料、充填剤、難燃剤、帯電防止剤などを必
要に応じて用いることができる。
【0036】押出発泡を行なうに必要な熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂組成物に添加剤を添加する方法としては、
あらかじめ添加剤と溶融前の熱可塑性ポリエステル系樹
脂組成物とを混合したものを定量フィーダーから二軸押
出機に供給する方法や、熱可塑性ポリエステル系樹脂組
成物と添加剤とを別々の定量フィーダーから二軸押出機
に供給する方法が採用できる。
ステル系樹脂組成物に添加剤を添加する方法としては、
あらかじめ添加剤と溶融前の熱可塑性ポリエステル系樹
脂組成物とを混合したものを定量フィーダーから二軸押
出機に供給する方法や、熱可塑性ポリエステル系樹脂組
成物と添加剤とを別々の定量フィーダーから二軸押出機
に供給する方法が採用できる。
【0037】発泡剤は、一段目押出機のベント部より押
出方向下流位置、一段目押出機から二段目押出機への搬
送管、二段目押出機の任意の場所から注入されうるが、
溶融樹脂中への発泡剤の分散混合を良好にするために
は、一段目押出機に注入するのが好ましい。
出方向下流位置、一段目押出機から二段目押出機への搬
送管、二段目押出機の任意の場所から注入されうるが、
溶融樹脂中への発泡剤の分散混合を良好にするために
は、一段目押出機に注入するのが好ましい。
【0038】発泡剤を含んだ発泡性組成物は搬送管を通
って二段目押出機に移送され、二段目押出機で混練を継
続しながら、発泡体形成に適するように樹脂構造や温度
の均質化および圧力の保持が行なわれる。二段目押出機
の先端には口金が付設され、この口金から前記発泡性組
成物が低圧領域に押出される。押出された発泡性組成物
は、高圧下の押出機内から低圧領域に移ることにより発
泡して発泡体となる。
って二段目押出機に移送され、二段目押出機で混練を継
続しながら、発泡体形成に適するように樹脂構造や温度
の均質化および圧力の保持が行なわれる。二段目押出機
の先端には口金が付設され、この口金から前記発泡性組
成物が低圧領域に押出される。押出された発泡性組成物
は、高圧下の押出機内から低圧領域に移ることにより発
泡して発泡体となる。
【0039】さらに、タルクのような粒子を気泡調整剤
として使用するばあいでも、二軸押出機を使用すること
により均一に混合分散させることができ、粒子が凝集す
ることなく微細な粒子として存在するため気泡調整剤と
しての機能を効果的に発現させることができる。
として使用するばあいでも、二軸押出機を使用すること
により均一に混合分散させることができ、粒子が凝集す
ることなく微細な粒子として存在するため気泡調整剤と
しての機能を効果的に発現させることができる。
【0040】本発明の方法によりえられる熱可塑性ポリ
エステル系樹脂組成物の発泡体は、見かけ密度が好まし
くは600kg/m3以下、より好ましくは500kg
/m3以下、独立気泡率が好ましくは80%以上、より
好ましくは85%以上、気泡の大きさが好ましくは5〜
1000μm、より好ましくは10〜500μmという
特性を有するものである。
エステル系樹脂組成物の発泡体は、見かけ密度が好まし
くは600kg/m3以下、より好ましくは500kg
/m3以下、独立気泡率が好ましくは80%以上、より
好ましくは85%以上、気泡の大きさが好ましくは5〜
1000μm、より好ましくは10〜500μmという
特性を有するものである。
【0041】本発明の方法により製造される熱可塑性ポ
リエステル系樹脂組成物の発泡体は、たとえば耐熱容
器、断熱容器、緩衝包装材などに好適に用いられる。
リエステル系樹脂組成物の発泡体は、たとえば耐熱容
器、断熱容器、緩衝包装材などに好適に用いられる。
【0042】
【実施例】以下に、本発明の熱可塑性ポリエステル系樹
脂組成物の発泡体の製造法を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。
脂組成物の発泡体の製造法を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。
【0043】なお、見かけ密度、気泡の大きさは以下の
方法で測定した。
方法で測定した。
【0044】(見かけ密度)JIS K7112「プラ
スチックの密度と比重の測定方法」のA法(水中置換法
による測定方法)に準じて測定した。
スチックの密度と比重の測定方法」のA法(水中置換法
による測定方法)に準じて測定した。
【0045】(気泡の大きさ)発泡体の断面を透過型電
子顕微鏡にて観察し、発泡体の幅方向の数平均気泡径を
測定した。
子顕微鏡にて観察し、発泡体の幅方向の数平均気泡径を
測定した。
【0046】(独立気泡率)マルチピクノメーター(湯
浅アイオニクス(株)製)を用いて、ASTM D28
56に準じた方法で測定した。
浅アイオニクス(株)製)を用いて、ASTM D28
56に準じた方法で測定した。
【0047】実施例1 押出機として、シリンダー後半部に発泡剤注入口を有
し、スクリュー構成要素として該注入口の上流部に2箇
所のニーディングディスク部を配し、前記ニーディング
ディスク部のあいだに減圧装置に接続されたベント部が
設けられたシリンダー径45mm、L/D32の同方向
回転噛み合い型二軸押出機を一段目押出機とし、シリン
ダー径50mm、L/D27の単軸押出機を二段目押出
機として搬送管で連結したタンデム型押出機を用いた。
二段目押出機の先端には口径50mmの円環状口金が取
付けられている。
し、スクリュー構成要素として該注入口の上流部に2箇
所のニーディングディスク部を配し、前記ニーディング
ディスク部のあいだに減圧装置に接続されたベント部が
設けられたシリンダー径45mm、L/D32の同方向
回転噛み合い型二軸押出機を一段目押出機とし、シリン
ダー径50mm、L/D27の単軸押出機を二段目押出
機として搬送管で連結したタンデム型押出機を用いた。
二段目押出機の先端には口径50mmの円環状口金が取
付けられている。
【0048】前記押出機に、数平均分子量が1700
0、固有粘度が0.65dl/gのポリエチレンテレフ
タレートのペレット100重量部、ピロメリット酸0.
6重量部、トリフェニルホスファイト0.2重量部、タ
ルク0.25重量部およびブレンドオイル0.05重量
部を混合してえられた組成物を、振動式定量フィーダー
より16kg/hrの割合で供給し、発泡剤注入口より
発泡剤として液化ブタンガスを溶融物100重量部に対
して2.0重量部注入して、以下に示す条件にて大気圧
中に連続的に押し出して円筒シート状の発泡体をえた。
押出機中の樹脂組成物の平均滞留時間は約10分であっ
た。 一段目押出機シリンダー温度 265〜290℃ 搬送管温度 280〜285℃ 二段目押出機シリンダー温度 270〜280℃ 二段目押出機ヘッド温度 270〜280℃ 二段目押出機口金温度 270〜280℃ 押出量 16kg/hr ベント部圧力 670Pa
0、固有粘度が0.65dl/gのポリエチレンテレフ
タレートのペレット100重量部、ピロメリット酸0.
6重量部、トリフェニルホスファイト0.2重量部、タ
ルク0.25重量部およびブレンドオイル0.05重量
部を混合してえられた組成物を、振動式定量フィーダー
より16kg/hrの割合で供給し、発泡剤注入口より
発泡剤として液化ブタンガスを溶融物100重量部に対
して2.0重量部注入して、以下に示す条件にて大気圧
中に連続的に押し出して円筒シート状の発泡体をえた。
押出機中の樹脂組成物の平均滞留時間は約10分であっ
た。 一段目押出機シリンダー温度 265〜290℃ 搬送管温度 280〜285℃ 二段目押出機シリンダー温度 270〜280℃ 二段目押出機ヘッド温度 270〜280℃ 二段目押出機口金温度 270〜280℃ 押出量 16kg/hr ベント部圧力 670Pa
【0049】えられた発泡体について、見かけ密度およ
び気泡の状態を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。
び気泡の状態を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。
【0050】また、発泡剤を注入しなかった以外は前記
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物の溶融物性を以下に示す方法で測定したとこ
ろ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融粘度
は950Pa・sであり、280℃における溶融張力は
15.3gであった。
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物の溶融物性を以下に示す方法で測定したとこ
ろ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融粘度
は950Pa・sであり、280℃における溶融張力は
15.3gであった。
【0051】(溶融粘度)長さ10mm、径1mm、入
り口角90度のキャピラリーダイを取付けたキャピログ
ラフ((株)東洋精機製)に樹脂約20gを供給し、温
度280℃、剪断速度122sec-1のときの粘度を測定
した。
り口角90度のキャピラリーダイを取付けたキャピログ
ラフ((株)東洋精機製)に樹脂約20gを供給し、温
度280℃、剪断速度122sec-1のときの粘度を測定
した。
【0052】(溶融張力)前記と同様のキャピログラフ
から押し出したフィラメント状の樹脂を引き取るときの
応力を測定し、引取速度を11.1mm/sec2で増加さ
せてフィラメントが破断したときの応力を溶融張力とし
た。
から押し出したフィラメント状の樹脂を引き取るときの
応力を測定し、引取速度を11.1mm/sec2で増加さ
せてフィラメントが破断したときの応力を溶融張力とし
た。
【0053】実施例2 実施例1において、ピロメリット酸の量を0.8重量
部、トリフェニルホスファイトの量を0.1重量部と
し、ベント部の圧力を500Paにまで減圧した以外
は、実施例1と同様にして円筒シート状の発泡体をえ
た。
部、トリフェニルホスファイトの量を0.1重量部と
し、ベント部の圧力を500Paにまで減圧した以外
は、実施例1と同様にして円筒シート状の発泡体をえ
た。
【0054】えられた発泡体について、見かけ密度およ
び気泡の状態を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。
び気泡の状態を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。
【0055】また、発泡剤を注入しなかった以外は前記
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物の溶融物性を実施例1と同様にして測定した
ところ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融
粘度は1420Pa・sであり、280℃における溶融
張力は24.3gであった。
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物の溶融物性を実施例1と同様にして測定した
ところ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融
粘度は1420Pa・sであり、280℃における溶融
張力は24.3gであった。
【0056】実施例3 実施例2において、ピロメリット酸の量を0.4重量
部、トリフェニルホスファイトの量を0.2重量部とし
た以外は、実施例2と同様にして円筒シート状の発泡体
をえた。
部、トリフェニルホスファイトの量を0.2重量部とし
た以外は、実施例2と同様にして円筒シート状の発泡体
をえた。
【0057】えられた発泡体について、見かけ密度およ
び気泡の状態を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。
び気泡の状態を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。
【0058】また、発泡剤を注入しなかった以外は前記
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物の溶融物性を実施例1と同様にして測定した
ところ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融
粘度は650Pa・sであり、280℃における溶融張
力は4.2gであった。
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物の溶融物性を実施例1と同様にして測定した
ところ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融
粘度は650Pa・sであり、280℃における溶融張
力は4.2gであった。
【0059】実施例4 実施例3において、ピロメリット酸0.4重量部に代え
てトリメリット酸0.9重量部とした以外は、実施例3
と同様にして円筒シート状の発泡体をえた。
てトリメリット酸0.9重量部とした以外は、実施例3
と同様にして円筒シート状の発泡体をえた。
【0060】えられた発泡体について、見かけ密度およ
び気泡の状態を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。
び気泡の状態を測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。
【0061】また、発泡剤を注入しなかった以外は前記
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物の溶融物性を実施例1と同様にして測定した
ところ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融
粘度は620Pa・sであり、280℃における溶融張
力は3.7gであった。
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂組成物の溶融物性を実施例1と同様にして測定した
ところ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融
粘度は620Pa・sであり、280℃における溶融張
力は3.7gであった。
【0062】比較例1 実施例1において、トリフェニルホスファイトを混合し
なかった以外は実施例1と同様にして押出発泡を行なっ
たが、発泡剤と溶融樹脂が断続的に金型から放出され、
発泡シートをうることができなかった。
なかった以外は実施例1と同様にして押出発泡を行なっ
たが、発泡剤と溶融樹脂が断続的に金型から放出され、
発泡シートをうることができなかった。
【0063】また、発泡剤を注入しなかった以外は前記
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂の溶融物性を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融粘度
は250Pa・sであり、280℃における溶融張力は
0.4gであった。
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂の溶融物性を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融粘度
は250Pa・sであり、280℃における溶融張力は
0.4gであった。
【0064】比較例2 実施例1において、一段目押出機のバレルに設けられた
ベント部を封鎖して減圧吸引を行なわなかった以外は実
施例1と同様にして押出発泡を行なったが、発泡剤と溶
融樹脂が断続的に金型から放出され、発泡シートをうる
ことができなかった。
ベント部を封鎖して減圧吸引を行なわなかった以外は実
施例1と同様にして押出発泡を行なったが、発泡剤と溶
融樹脂が断続的に金型から放出され、発泡シートをうる
ことができなかった。
【0065】また、発泡剤を注入しなかった以外は前記
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂の溶融物性を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融粘度
は330Pa・sであり、280℃における溶融張力は
0.6gであった。
の方法と同様にして、えられた熱可塑性ポリエステル系
樹脂の溶融物性を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、280℃、剪断速度122sec-1における溶融粘度
は330Pa・sであり、280℃における溶融張力は
0.6gであった。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、簡便な方法で、均一で
微細な気泡を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物
の発泡体を安定的に製造することができる。本発明によ
ってえられる発泡体は、押出発泡シート、押出発泡ボー
ド、発泡ブロー成形品として使用することができ、さら
には二次成形加工用の材料として利用することができ
る。
微細な気泡を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物
の発泡体を安定的に製造することができる。本発明によ
ってえられる発泡体は、押出発泡シート、押出発泡ボー
ド、発泡ブロー成形品として使用することができ、さら
には二次成形加工用の材料として利用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:12 5:524
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100
重量部、(B)少なくとも3個のカルボキシル基を有す
る多価カルボン酸0.05〜5重量部および(C)成分
(A)と成分(B)とを減圧下で溶融混合したときの高
分子量化反応を促進する化合物0.01〜3重量部を減
圧装置に接続されたベント部を有する押出機に供給して
該ベント部を減圧しながら溶融混合し、えられた熱可塑
性ポリエステル系樹脂組成物に発泡剤を混合して発泡性
組成物とし、ついで該発泡性組成物を低圧領域へ押し出
して発泡体を製造することを特徴とする熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂組成物の発泡体の製造法。 - 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の2
80℃における剪断速度122sec-1のときの溶融粘度
が500〜3000Pa・sであり、280℃における
溶融張力が3g以上である請求項1記載の熱可塑性ポリ
エステル系樹脂組成物の発泡体の製造法。 - 【請求項3】 成分(A)と成分(B)とを減圧下で溶
融混合したときの高分子量化反応を促進する化合物
(C)がトリフェニルホスファイトである請求項1記載
の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発泡体の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9132214A JPH10316790A (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発泡体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9132214A JPH10316790A (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発泡体の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10316790A true JPH10316790A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=15076066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9132214A Pending JPH10316790A (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の発泡体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10316790A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008045120A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-28 | Nitto Denko Corp | ポリエステル系エラストマー発泡体、及び該発泡体で構成された電気・電子機器用シール材 |
-
1997
- 1997-05-22 JP JP9132214A patent/JPH10316790A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008045120A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-28 | Nitto Denko Corp | ポリエステル系エラストマー発泡体、及び該発泡体で構成された電気・電子機器用シール材 |
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