JPH11302410A - イオン交換膜およびその製造方法 - Google Patents
イオン交換膜およびその製造方法Info
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- JPH11302410A JPH11302410A JP10115599A JP11559998A JPH11302410A JP H11302410 A JPH11302410 A JP H11302410A JP 10115599 A JP10115599 A JP 10115599A JP 11559998 A JP11559998 A JP 11559998A JP H11302410 A JPH11302410 A JP H11302410A
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- ion exchange
- monomer
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のパーフルオロ(アルキル)スルホン酸
膜が示すイオン伝導性よりも大きいイオン伝導性を安定
して示す低コストのイオン交換膜を提供する。 【解決手段】 構造式(1)に示す、R1=膜マトリッ
クス系、R2=イオン交換系、R3=配向系、の3種の
低分子系が化学結合したビニルモノマーが共重合し、X
=1〜50でかつY=0.1〜20でかつZ=0.02
〜10であり、重合度n=10〜1000であるイオン
交換樹脂から成るイオン交換膜。 【化1】
膜が示すイオン伝導性よりも大きいイオン伝導性を安定
して示す低コストのイオン交換膜を提供する。 【解決手段】 構造式(1)に示す、R1=膜マトリッ
クス系、R2=イオン交換系、R3=配向系、の3種の
低分子系が化学結合したビニルモノマーが共重合し、X
=1〜50でかつY=0.1〜20でかつZ=0.02
〜10であり、重合度n=10〜1000であるイオン
交換樹脂から成るイオン交換膜。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池や電気化学センサーやフラットパネル用のイオン伝
導膜などに利用されるイオン交換膜およびその製造方法
に関するものである。
電池や電気化学センサーやフラットパネル用のイオン伝
導膜などに利用されるイオン交換膜およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池や電気化学センサ
ーなどに用いられる高分子固体イオン伝導体としては、
パーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜(商品名;Na
fion)が用いられて来た。このパーフルオロ(アル
キル)スルホン酸膜は、テトラフルオロエチレンとパー
フルオロスルホニルエトキシビニルエーテルとの共重合
体(XR樹脂)を加水分解したものであって、その化学
構造は、下記の構造式に示すように、電気陰性度の非常
に大きいパーフルオロアルキル主鎖から延びる側鎖の先
端にイオン交換基であるスルホン酸基(−SO3 −)が
結合しているものとなっている(例えば、「新素材ハン
ドブック」昭和63年1月30日発行 新素材ハンドブ
ック編集委員会編 第614頁〜第618頁)。
ーなどに用いられる高分子固体イオン伝導体としては、
パーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜(商品名;Na
fion)が用いられて来た。このパーフルオロ(アル
キル)スルホン酸膜は、テトラフルオロエチレンとパー
フルオロスルホニルエトキシビニルエーテルとの共重合
体(XR樹脂)を加水分解したものであって、その化学
構造は、下記の構造式に示すように、電気陰性度の非常
に大きいパーフルオロアルキル主鎖から延びる側鎖の先
端にイオン交換基であるスルホン酸基(−SO3 −)が
結合しているものとなっている(例えば、「新素材ハン
ドブック」昭和63年1月30日発行 新素材ハンドブ
ック編集委員会編 第614頁〜第618頁)。
【0003】
【化2】
【0004】このパーフルオロ(アルキル)スルホン酸
膜は、フッ素原子がもつ疎水性とスルホン酸基がもつ親
水性の両作用により、マクロ的には、図4のイオンクラ
スター網目構造モデルに示すように、疎水相の中に球状
の親水相が存在し、親水相同士は連結管によりつながっ
ているクラスター構造をとっている。そして、この親水
相中のスルホン酸基上を水素イオンが伝導することによ
り、当該膜は高分子としては比較的大きいイオン伝導性
を発現することが可能である。したがって、この性質に
より、固体高分子型燃料電池や電気化学センサーあるい
はフラットパネル用のイオン伝導膜などとして用いられ
て来た。
膜は、フッ素原子がもつ疎水性とスルホン酸基がもつ親
水性の両作用により、マクロ的には、図4のイオンクラ
スター網目構造モデルに示すように、疎水相の中に球状
の親水相が存在し、親水相同士は連結管によりつながっ
ているクラスター構造をとっている。そして、この親水
相中のスルホン酸基上を水素イオンが伝導することによ
り、当該膜は高分子としては比較的大きいイオン伝導性
を発現することが可能である。したがって、この性質に
より、固体高分子型燃料電池や電気化学センサーあるい
はフラットパネル用のイオン伝導膜などとして用いられ
て来た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このパ
ーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜は、未だ電気抵抗
が大きいために、目的とするシステム中に組み込んだ場
合の電気エネルギー損失が大きいことが問題であった。
ーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜は、未だ電気抵抗
が大きいために、目的とするシステム中に組み込んだ場
合の電気エネルギー損失が大きいことが問題であった。
【0006】他方、パーフルオロ(アルキル)スルホン
酸膜中に含まれるスルホン酸基数の密度をより増大させ
るために、スルホン酸基を有する別種類のイオン交換樹
脂を混合するという解決方法が提案されて来た。
酸膜中に含まれるスルホン酸基数の密度をより増大させ
るために、スルホン酸基を有する別種類のイオン交換樹
脂を混合するという解決方法が提案されて来た。
【0007】ところが、膜中に混合された別の種類のイ
オン交換樹脂のスルホン酸基等のイオン交換基は不規則
な方向を向いているばかりか、イオン交換基間の距離が
大きいために、イオン伝導の速度が小さいという難点が
あった。
オン交換樹脂のスルホン酸基等のイオン交換基は不規則
な方向を向いているばかりか、イオン交換基間の距離が
大きいために、イオン伝導の速度が小さいという難点が
あった。
【0008】さらに、前出の解決方法では、例えば、固
体高分子型燃料電池等のシステム中で正負電極間におけ
るイオン伝導膜として用いられた場合、発生する電場の
作用により混合されたイオン交換樹脂が一方の電極側に
泳動してしまい、電池により発電を行っている途中で膜
のイオン伝導性が低下することが問題となっていたこと
から、このような問題点を解決することが課題としてあ
った。
体高分子型燃料電池等のシステム中で正負電極間におけ
るイオン伝導膜として用いられた場合、発生する電場の
作用により混合されたイオン交換樹脂が一方の電極側に
泳動してしまい、電池により発電を行っている途中で膜
のイオン伝導性が低下することが問題となっていたこと
から、このような問題点を解決することが課題としてあ
った。
【0009】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題を解決
するためになされたものであって、従来のパーフルオロ
(アルキル)スルホン酸膜中に他のイオン交換樹脂を混
合するではなく、膜を形成する高分子体の分子設計を行
うことによってイオン交換基相互の距離が小さく且つイ
オン交換基自身が配向したマクロ構造を有する新たなイ
オン伝導性高分子を得ることにより、パーフルオロ(ア
ルキル)スルホン酸膜が示すイオン伝導性よりも大きい
イオン伝導性を安定して示す配向型イオン交換膜を提供
できるようにすることを目的としている。
するためになされたものであって、従来のパーフルオロ
(アルキル)スルホン酸膜中に他のイオン交換樹脂を混
合するではなく、膜を形成する高分子体の分子設計を行
うことによってイオン交換基相互の距離が小さく且つイ
オン交換基自身が配向したマクロ構造を有する新たなイ
オン伝導性高分子を得ることにより、パーフルオロ(ア
ルキル)スルホン酸膜が示すイオン伝導性よりも大きい
イオン伝導性を安定して示す配向型イオン交換膜を提供
できるようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるイオン交
換膜は、請求項1に記載しているように、構造式(1)
に示す、R1=膜マトリックス系、R2=イオン交換
系、R3=配向系、の3種の低分子系が化学結合したビ
ニルモノマーが共重合し、X=1〜50でかつY=0.
1〜20でかつZ=0.02〜10であり、重合度n=
10〜1000であるイオン交換樹脂から成るものとし
たことを特徴としている。
換膜は、請求項1に記載しているように、構造式(1)
に示す、R1=膜マトリックス系、R2=イオン交換
系、R3=配向系、の3種の低分子系が化学結合したビ
ニルモノマーが共重合し、X=1〜50でかつY=0.
1〜20でかつZ=0.02〜10であり、重合度n=
10〜1000であるイオン交換樹脂から成るものとし
たことを特徴としている。
【0011】
【化3】 そして、本発明に係わるイオン交換膜の実施態様におい
ては、請求項2に記載しているように、3種の低分子系
の内、R1=炭素数1〜20個から成る疎水性を示す官
能基、R2=イオン交換基を有する官能基、R3=平面
分子構造を有する官能基、をそれぞれ保持する3種のビ
ニルモノマーから成るイオン交換高分子を原料とするも
のとなすことができる。
ては、請求項2に記載しているように、3種の低分子系
の内、R1=炭素数1〜20個から成る疎水性を示す官
能基、R2=イオン交換基を有する官能基、R3=平面
分子構造を有する官能基、をそれぞれ保持する3種のビ
ニルモノマーから成るイオン交換高分子を原料とするも
のとなすことができる。
【0012】同じく、本発明に係わるイオン交換膜の実
施態様においては、請求項3に記載しているように、3
種の低分子系の内、R1=炭素数が1個以上またはヘテ
ロ原子が化学結合した原子団がビニル基に結合したモノ
マーで当該モノマーのみからなる高分子化合物を原料の
みの場合においても成膜を可能ならしめるビニルモノマ
ー、R2=正または負のイオンとイオン結合することが
可能な原子団がビニル基に結合したモノマー、R3=芳
香環が炭素=炭素二重結合を介して平面分子構造を取っ
た原子団がビニル基に結合したモノマー、の3種のモノ
マーが共重合したイオン交換高分子を原料とするものと
なすことができる。
施態様においては、請求項3に記載しているように、3
種の低分子系の内、R1=炭素数が1個以上またはヘテ
ロ原子が化学結合した原子団がビニル基に結合したモノ
マーで当該モノマーのみからなる高分子化合物を原料の
みの場合においても成膜を可能ならしめるビニルモノマ
ー、R2=正または負のイオンとイオン結合することが
可能な原子団がビニル基に結合したモノマー、R3=芳
香環が炭素=炭素二重結合を介して平面分子構造を取っ
た原子団がビニル基に結合したモノマー、の3種のモノ
マーが共重合したイオン交換高分子を原料とするものと
なすことができる。
【0013】同じく、本発明に係わるイオン交換膜の実
施態様においては、請求項4に記載しているように、3
種の低分子系の内、R1=アクリロニトリル、R2=ア
クリルアミドスルホン酸、R3=ビニルナフタレン、か
ら成る共重合体を原料とするものとなすことができる。
施態様においては、請求項4に記載しているように、3
種の低分子系の内、R1=アクリロニトリル、R2=ア
クリルアミドスルホン酸、R3=ビニルナフタレン、か
ら成る共重合体を原料とするものとなすことができる。
【0014】本発明に係わるイオン交換膜の製造方法
は、請求項5に記載しているように、請求項1ないし4
のいずれかに記載のイオン交換膜を製造するに際し、重
合反応条件は、膜マトリックスモノマーおよび配向性ビ
ニルモノマーから成る疎水性ビニルモノマーの総モル数
に対して0.01モル%から30モル%までの疎水性重
合開始剤を含む疎水性モノマー部と0.01g/mlか
ら10g/mlまでの親水性モノマーの水溶液部とを2
0℃から140℃までの温度範囲で10秒から16時間
までの時間範囲で混合攪拌するようにしたことを特徴と
している。
は、請求項5に記載しているように、請求項1ないし4
のいずれかに記載のイオン交換膜を製造するに際し、重
合反応条件は、膜マトリックスモノマーおよび配向性ビ
ニルモノマーから成る疎水性ビニルモノマーの総モル数
に対して0.01モル%から30モル%までの疎水性重
合開始剤を含む疎水性モノマー部と0.01g/mlか
ら10g/mlまでの親水性モノマーの水溶液部とを2
0℃から140℃までの温度範囲で10秒から16時間
までの時間範囲で混合攪拌するようにしたことを特徴と
している。
【0015】同じく、本発明に係わるイオン交換膜の製
造方法は、請求項6に記載しているように、請求項1な
いし4のいずれかに記載のイオン交換膜を製造するに際
し、キャスト(流延成膜)溶液は、イオン交換樹脂を非
プロトン性溶媒と水の混合溶液で非プロトン性溶媒の含
有率が30%から100%までの範囲から成る溶媒に対
し溶解させることにより、イオン交換樹脂濃度を1重量
%から60重量%までの範囲で調製するようにしたこと
を特徴としている。
造方法は、請求項6に記載しているように、請求項1な
いし4のいずれかに記載のイオン交換膜を製造するに際
し、キャスト(流延成膜)溶液は、イオン交換樹脂を非
プロトン性溶媒と水の混合溶液で非プロトン性溶媒の含
有率が30%から100%までの範囲から成る溶媒に対
し溶解させることにより、イオン交換樹脂濃度を1重量
%から60重量%までの範囲で調製するようにしたこと
を特徴としている。
【0016】同じく、本発明に係わるイオン交換膜の製
造方法は、請求項7に記載しているように、請求項1な
いし4のいずれかに記載のイオン交換膜を製造するに際
し、3種の低分子系から成るイオン交換高分子のキャス
ト膜をキャスト基材上から剥離する際の剥離溶媒とし
て、誘電率が1.2から35までの範囲に該当する溶媒
を0.01W/cm2から100W/cm2までの超音
波を使用し、キャスト基材上の膜面から照射部分に接す
るかあるいは1mまでの範囲で照射距離を設けることに
より剥離を促進させるようにしたことを特徴としてい
る。
造方法は、請求項7に記載しているように、請求項1な
いし4のいずれかに記載のイオン交換膜を製造するに際
し、3種の低分子系から成るイオン交換高分子のキャス
ト膜をキャスト基材上から剥離する際の剥離溶媒とし
て、誘電率が1.2から35までの範囲に該当する溶媒
を0.01W/cm2から100W/cm2までの超音
波を使用し、キャスト基材上の膜面から照射部分に接す
るかあるいは1mまでの範囲で照射距離を設けることに
より剥離を促進させるようにしたことを特徴としてい
る。
【0017】
【発明の作用】本発明に係わるイオン交換膜およびその
製造方法は、上述した課題を解決するための手段とした
ものであるが、以下、本発明をさらに詳細に説明する。
製造方法は、上述した課題を解決するための手段とした
ものであるが、以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】本発明によるイオン交換膜は、膜構成ビニ
ルモノマーと、イオン交換系ビニルモノマーと、配向系
ビニルモノマーの3種のビニルモノマーが共重合したイ
オン交換樹脂を原料としたイオン交換膜の基材上への流
延成膜(キャスト)法により製造することができ、この
ように、本発明によるイオン交換膜は、膜形成モノマ
ー、イオン交換モノマー、配向性モノマーの3種が共重
合したイオン交換膜であるので、従来のパーフルオロ
(アルキル)スルホン酸膜に見られた膜抵抗による電気
エネルギー損失が大きいという課題が解消されることと
なる。
ルモノマーと、イオン交換系ビニルモノマーと、配向系
ビニルモノマーの3種のビニルモノマーが共重合したイ
オン交換樹脂を原料としたイオン交換膜の基材上への流
延成膜(キャスト)法により製造することができ、この
ように、本発明によるイオン交換膜は、膜形成モノマ
ー、イオン交換モノマー、配向性モノマーの3種が共重
合したイオン交換膜であるので、従来のパーフルオロ
(アルキル)スルホン酸膜に見られた膜抵抗による電気
エネルギー損失が大きいという課題が解消されることと
なる。
【0019】このような作用・効果が発揮されるメカニ
ズムとしては、次のようなものが考えられる。すなわ
ち、図1には本発明によるイオン交換膜のマクロ構造を
示しているが、膜マトリックス相の中に配向性基の配列
が幾重にも存在しており(ここでは、そのうち2列を示
した)、配向性基間は疎水結合で会合している。一方、
イオン交換基は親水結合によりイオン交換基同士が比較
的近い距離に存在し、さらに配向性基からの相互作用に
よりイオン交換基も配列している。このため、イオン伝
導がより大きい速度で起こる。従って、従来のパーフル
オロ(アルキル)スルホン酸膜よりも大きいイオン伝導
性を示すものとなる。
ズムとしては、次のようなものが考えられる。すなわ
ち、図1には本発明によるイオン交換膜のマクロ構造を
示しているが、膜マトリックス相の中に配向性基の配列
が幾重にも存在しており(ここでは、そのうち2列を示
した)、配向性基間は疎水結合で会合している。一方、
イオン交換基は親水結合によりイオン交換基同士が比較
的近い距離に存在し、さらに配向性基からの相互作用に
よりイオン交換基も配列している。このため、イオン伝
導がより大きい速度で起こる。従って、従来のパーフル
オロ(アルキル)スルホン酸膜よりも大きいイオン伝導
性を示すものとなる。
【0020】(1)イオン交換膜の構造について 本発明によるイオン交換膜は、構造式(1)に示す化学
構造を有するものである。
構造を有するものである。
【0021】
【化4】
【0022】そして、このような構造を有するイオン交
換樹脂において、R1は、疎水性を示す官能基であり、
R1から成るビニルモノマーはそれ自身単独で重合され
た樹脂を溶剤に溶解させた後に基材上にキャストして剥
離を行うことにより膜を得ることが可能と成る性質を有
している。
換樹脂において、R1は、疎水性を示す官能基であり、
R1から成るビニルモノマーはそれ自身単独で重合され
た樹脂を溶剤に溶解させた後に基材上にキャストして剥
離を行うことにより膜を得ることが可能と成る性質を有
している。
【0023】この場合、R1の炭素数は1〜20個であ
るものとするのが望ましく、さらに好適には1〜10個
であるものとするのが望ましい。ここで、R1の炭素数
が20より大きい炭素数になると、イオン交換基である
スルホン酸基の密度が低下するため、膜のイオン伝導度
が従来膜と比較して小さくなってしまう(表1参照)。
また、炭素が存在しないヘテロ元素と水素あるいは酸素
から成る原子団の場合は膜生成能が低下してしまう。
るものとするのが望ましく、さらに好適には1〜10個
であるものとするのが望ましい。ここで、R1の炭素数
が20より大きい炭素数になると、イオン交換基である
スルホン酸基の密度が低下するため、膜のイオン伝導度
が従来膜と比較して小さくなってしまう(表1参照)。
また、炭素が存在しないヘテロ元素と水素あるいは酸素
から成る原子団の場合は膜生成能が低下してしまう。
【0024】このようなビニルモノマーとしては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、
メタクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の脂肪
族疎水性ビニルモノマー、あるいは、スチレン、メチル
スチレン異性体、ジメチルスチレン異性体等の芳香族疎
水性ビルニモノマー、あるいは、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン等の含ハロゲン疎水性ビニルモノマーを選択する
ことができるが、これらの化合物に特に限定されるもの
ではない。
リロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、
メタクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の脂肪
族疎水性ビニルモノマー、あるいは、スチレン、メチル
スチレン異性体、ジメチルスチレン異性体等の芳香族疎
水性ビルニモノマー、あるいは、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン等の含ハロゲン疎水性ビニルモノマーを選択する
ことができるが、これらの化合物に特に限定されるもの
ではない。
【0025】次に、上記構造式(1)においてR2に含
まれるイオン交換基は、スルホン酸基、カルボキシル
基、リン酸基、第四級アンモニウム基を選択することが
でき、これらの対イオンは、水素イオン、水酸イオン、
アルカリまたはアルカリ土類等の金属イオンでもよい。
そして、具体的なビニルモノマーとしては、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスル
ホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸等のス
ルホン酸基を有する親水性ビニルモノマーを選択するこ
とができるが、これらの化合物に特に限定されるもので
はない。このうち、アクリルアミドスルホン酸は、スル
ホン酸基同士の親水結合に加えて、アミド部分の水素結
合による相互作用が機能しており、非常に強い会合状態
を呈している。
まれるイオン交換基は、スルホン酸基、カルボキシル
基、リン酸基、第四級アンモニウム基を選択することが
でき、これらの対イオンは、水素イオン、水酸イオン、
アルカリまたはアルカリ土類等の金属イオンでもよい。
そして、具体的なビニルモノマーとしては、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスル
ホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸等のス
ルホン酸基を有する親水性ビニルモノマーを選択するこ
とができるが、これらの化合物に特に限定されるもので
はない。このうち、アクリルアミドスルホン酸は、スル
ホン酸基同士の親水結合に加えて、アミド部分の水素結
合による相互作用が機能しており、非常に強い会合状態
を呈している。
【0026】さらに、上記構造式(1)においてR3を
有するビニルモノマーとしては、平面構造(メソゲン
基)を有し、親水相と疎水相が同時に存在する場合に疎
水相内に自己配向相を形成することが可能となる芳香族
ビニルモノマーを選択することができる。具体的には、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバ
ゾール等を選択することができるが、これらの化合物に
特に限定されるものではない。
有するビニルモノマーとしては、平面構造(メソゲン
基)を有し、親水相と疎水相が同時に存在する場合に疎
水相内に自己配向相を形成することが可能となる芳香族
ビニルモノマーを選択することができる。具体的には、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバ
ゾール等を選択することができるが、これらの化合物に
特に限定されるものではない。
【0027】これらR1,R2,R3の3種のビニルモ
ノマーの構成比において、X=1〜50であり、好適に
は3〜20である。そして、Xが50よりも大きい場合
は膜中のスルホン酸基の密度が低下するのでイオン伝導
性が従来のパーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜より
低下してしまう。また、逆に1より小さい場合は膜が粘
性を著しく増大させるので基材から剥離することができ
ない。
ノマーの構成比において、X=1〜50であり、好適に
は3〜20である。そして、Xが50よりも大きい場合
は膜中のスルホン酸基の密度が低下するのでイオン伝導
性が従来のパーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜より
低下してしまう。また、逆に1より小さい場合は膜が粘
性を著しく増大させるので基材から剥離することができ
ない。
【0028】また、上記構成比において、Y=0.1〜
20であり、好適には0.3〜10である、そして、Y
が20よりも大きい場合は疎水基数に対する親水基数の
比率が大きくなることによって膜の力学的強度が弱くな
ってしまう。また、逆に0.1より小さい場合は水素イ
オンが伝導するために必要なスルホン酸基の密度が小さ
くなることによりイオン伝導性が小さくなってしまう。
20であり、好適には0.3〜10である、そして、Y
が20よりも大きい場合は疎水基数に対する親水基数の
比率が大きくなることによって膜の力学的強度が弱くな
ってしまう。また、逆に0.1より小さい場合は水素イ
オンが伝導するために必要なスルホン酸基の密度が小さ
くなることによりイオン伝導性が小さくなってしまう。
【0029】さらにまた、上記構成比において、Z=
0.02〜10であり、好適には0.05〜5である。
そして、Zが10よりも大きい場合はキャスト膜にする
場合に亀裂が生じてしまうので膜を形成し得ない。ま
た、逆に0.02よりも小さい場合はスルホン酸基に配
向性を与えることができないので、イオン伝導性が低下
してしまう。
0.02〜10であり、好適には0.05〜5である。
そして、Zが10よりも大きい場合はキャスト膜にする
場合に亀裂が生じてしまうので膜を形成し得ない。ま
た、逆に0.02よりも小さい場合はスルホン酸基に配
向性を与えることができないので、イオン伝導性が低下
してしまう。
【0030】さらにまた、上記構造式(1)において、
重合度n=10〜1000であり、好ましく15〜50
0である。そして、nが1000よりも大きい場合はキ
ャスト溶媒に溶解しなくなり、15より小さい場合は室
温下で固体にならないので膜を形成しない。
重合度n=10〜1000であり、好ましく15〜50
0である。そして、nが1000よりも大きい場合はキ
ャスト溶媒に溶解しなくなり、15より小さい場合は室
温下で固体にならないので膜を形成しない。
【0031】(2)イオン交換膜の製造方法について 重合反応条件における疎水性モノマー部には、膜マトリ
ックスモノマーおよび配向性ビニルモノマーから成る疎
水性ビニルモノマーの総モル数に対して0.01モル%
から30モル%まで(好ましくは、0.5モル%から1
0モル%まで)の疎水性重合開始剤を用いることができ
る。このとき、総モル数に対して0.01%モルより小
さい場合はアクリロニトリルの単独重合に消費されてし
まうので生成する高分子中においてイオン交換モノマー
の含有率が低下してしまい、結果的に膜のイオン伝導性
が低下する。また、30モル%より大きい場合は生成す
る高分子鎖が3次元網目構造を取るので溶媒への溶解性
が低下してしまうばかりか、ランダム共重合が起こって
しまい、マトリックス部、イオン交換部、配向部の1つ
ずつのサイズが小さくなってしまうのでイオン輸送速度
が低下する。従って、イオン伝導度が小さくなってしま
う(図2参照)。
ックスモノマーおよび配向性ビニルモノマーから成る疎
水性ビニルモノマーの総モル数に対して0.01モル%
から30モル%まで(好ましくは、0.5モル%から1
0モル%まで)の疎水性重合開始剤を用いることができ
る。このとき、総モル数に対して0.01%モルより小
さい場合はアクリロニトリルの単独重合に消費されてし
まうので生成する高分子中においてイオン交換モノマー
の含有率が低下してしまい、結果的に膜のイオン伝導性
が低下する。また、30モル%より大きい場合は生成す
る高分子鎖が3次元網目構造を取るので溶媒への溶解性
が低下してしまうばかりか、ランダム共重合が起こって
しまい、マトリックス部、イオン交換部、配向部の1つ
ずつのサイズが小さくなってしまうのでイオン輸送速度
が低下する。従って、イオン伝導度が小さくなってしま
う(図2参照)。
【0032】親水性モノマーの水溶液部におけるモノマ
ー濃度は0.01g/mlから10g/mlまであり、
好適には0.5g/mlから7g/mlまである。この
とき、0.01g/mlより小さい場合は共重合体中に
おける親水モノマーの構成比が低下して良好なイオン伝
導性が得られない。また、10g/mlより大きい場合
は反応時の攪拌状態が不均一になってしまい目的とする
構成比が得られないのでイオン伝導度も低下してしまう
((図3参照)。
ー濃度は0.01g/mlから10g/mlまであり、
好適には0.5g/mlから7g/mlまである。この
とき、0.01g/mlより小さい場合は共重合体中に
おける親水モノマーの構成比が低下して良好なイオン伝
導性が得られない。また、10g/mlより大きい場合
は反応時の攪拌状態が不均一になってしまい目的とする
構成比が得られないのでイオン伝導度も低下してしまう
((図3参照)。
【0033】反応温度は20℃から140℃までの温度
範囲であり、好適には40℃から120℃までの温度範
囲である。このとき、20℃よりも低い場合は重合開始
剤からラジカルが発生しないので重合反応が進行しな
い。また、140℃よりも高い場合は重合速度が大きく
なり過ぎるために親水相と疎水相が不均一分散してしま
いイオン伝導性が劣ってしまう。
範囲であり、好適には40℃から120℃までの温度範
囲である。このとき、20℃よりも低い場合は重合開始
剤からラジカルが発生しないので重合反応が進行しな
い。また、140℃よりも高い場合は重合速度が大きく
なり過ぎるために親水相と疎水相が不均一分散してしま
いイオン伝導性が劣ってしまう。
【0034】反応時間は10秒から16時間までの範囲
であり、好適には5分間から4時間までの範囲である。
このとき、10秒より短い場合は重合が不十分なために
キャスト膜が脆くなる。また、16時間よりも長い場合
は重合が進行し過ぎて高分子量化し過ぎるために得られ
た高分子の溶媒への溶解性が低下する。
であり、好適には5分間から4時間までの範囲である。
このとき、10秒より短い場合は重合が不十分なために
キャスト膜が脆くなる。また、16時間よりも長い場合
は重合が進行し過ぎて高分子量化し過ぎるために得られ
た高分子の溶媒への溶解性が低下する。
【0035】混合攪拌方法としては、磁気により磁性を
帯びた攪拌子を回転させる方法や、攪拌羽根付きの攪拌
棒を用いて行うことができるが、特にこれらの攪拌方法
に限定されるものではない。
帯びた攪拌子を回転させる方法や、攪拌羽根付きの攪拌
棒を用いて行うことができるが、特にこれらの攪拌方法
に限定されるものではない。
【0036】重合方法としては、懸濁重合や界面活性剤
を用いた乳化重合、アニオン重合、カチオン重合、塊状
重合などを選択することができるが、特にこれらの方法
に限定されるものではない。
を用いた乳化重合、アニオン重合、カチオン重合、塊状
重合などを選択することができるが、特にこれらの方法
に限定されるものではない。
【0037】キャスト溶媒は、イオン交換樹脂を非プロ
トン性溶媒と水の混合溶液または非プロトン性溶媒単独
で用いることができる。そして、この場合の非プロトン
性溶媒の含有率は30%から100%までの範囲から成
り、好適には60%から100%である。このとき、3
0%より小さい場合は溶解操作時に高分子の不溶部が生
じてしまう。この場合の非プロトン性溶媒の具体的な例
としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサフルオロイソプロパ
ノール、トリクロロベンゼン、スルホラン、クロロホロ
ムなどを用いることができるが、特にこれらに限定され
るものではない。
トン性溶媒と水の混合溶液または非プロトン性溶媒単独
で用いることができる。そして、この場合の非プロトン
性溶媒の含有率は30%から100%までの範囲から成
り、好適には60%から100%である。このとき、3
0%より小さい場合は溶解操作時に高分子の不溶部が生
じてしまう。この場合の非プロトン性溶媒の具体的な例
としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサフルオロイソプロパ
ノール、トリクロロベンゼン、スルホラン、クロロホロ
ムなどを用いることができるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0038】イオン交換樹脂濃度は1重量%から60重
量%までの範囲で調製することが求められ、好適には3
重量%から40重量%までである。このとき、1重量%
より低い場合は溶媒を蒸発させる時間が長くなるために
親水相と疎水相がマクロ的に相分離を起こしてしまう。
逆に、60重量%より高い場合はキャスト膜中に気泡が
混入してしまう。
量%までの範囲で調製することが求められ、好適には3
重量%から40重量%までである。このとき、1重量%
より低い場合は溶媒を蒸発させる時間が長くなるために
親水相と疎水相がマクロ的に相分離を起こしてしまう。
逆に、60重量%より高い場合はキャスト膜中に気泡が
混入してしまう。
【0039】構造式(1)に示す3種の低分子系から成
るイオン交換高分子のキャスト膜をキャスト基材上から
剥離する際の剥離溶媒としては、誘電率が1.2から3
5まで、好適には2.3〜22までの範囲に該当する溶
媒を用いる。このとき、1.2より小さい場合は溶媒の
疎水性が大き過ぎるので膜中の親水領域からの反発力に
より膜を基材から剥離させることができない。逆に、2
2より大きい場合は膜中の親水性部分の粘度を増大させ
るので、剥離が不可能となる。
るイオン交換高分子のキャスト膜をキャスト基材上から
剥離する際の剥離溶媒としては、誘電率が1.2から3
5まで、好適には2.3〜22までの範囲に該当する溶
媒を用いる。このとき、1.2より小さい場合は溶媒の
疎水性が大き過ぎるので膜中の親水領域からの反発力に
より膜を基材から剥離させることができない。逆に、2
2より大きい場合は膜中の親水性部分の粘度を増大させ
るので、剥離が不可能となる。
【0040】照射される超音波のエネルギーは0.01
W/cm2から100W/cm2までであり、好ましく
は0.05W/cm2から60W/cm2までである。
このとき、0.01W/cm2より小さい場合は膜の表
面に付着する気泡の妨害により超音波を膜に伝えること
が困難となる。逆に、100W/cm2より大きい場合
は膜中に溶媒を浸透させてしまい、イオン伝導性を低下
させる。
W/cm2から100W/cm2までであり、好ましく
は0.05W/cm2から60W/cm2までである。
このとき、0.01W/cm2より小さい場合は膜の表
面に付着する気泡の妨害により超音波を膜に伝えること
が困難となる。逆に、100W/cm2より大きい場合
は膜中に溶媒を浸透させてしまい、イオン伝導性を低下
させる。
【0041】超音波エネルギーを照射するに際しては、
キャスト基材上の膜面から照射部分に接するかあるいは
1mまで(好適には、2cmから30cmまで)の範囲
で照射距離を設ける。このとき、1mを超えてしまうと
キャビテーション効果による剥離が促進されず、膜の剥
離が困難となる。
キャスト基材上の膜面から照射部分に接するかあるいは
1mまで(好適には、2cmから30cmまで)の範囲
で照射距離を設ける。このとき、1mを超えてしまうと
キャビテーション効果による剥離が促進されず、膜の剥
離が困難となる。
【0042】
【発明の効果】本発明によるイオン交換膜では、請求項
1に記載しているように、構造式(1)に示す、R1=
膜マトリックス系、R2=イオン交換系、R3=配向
系、の3種の低分子系が化学結合したビニルモノマーが
共重合し、X=1〜50でかつY=0.1〜20でかつ
Z=0.02〜10であり、重合度n=10〜1000
であるイオン交換樹脂から成るものとしたから、従来課
題とされていたパーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜
の電気抵抗損失が大きいという問題点を解消することが
でき、固体高分子型燃料電池や電気化学式センサーやフ
ラットパネルのイオン伝導素子などの数多くの技術分野
での電気抵抗損失を大幅に低減することが可能であると
共に、従来のパーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜の
ように高価なフッ素系のモノマーを用いず安価な炭化水
素系のモノマーを使用しているのでイオン交換膜のコス
トを大幅に低減することが可能であるなどの著しく優れ
た効果がもたらされる。
1に記載しているように、構造式(1)に示す、R1=
膜マトリックス系、R2=イオン交換系、R3=配向
系、の3種の低分子系が化学結合したビニルモノマーが
共重合し、X=1〜50でかつY=0.1〜20でかつ
Z=0.02〜10であり、重合度n=10〜1000
であるイオン交換樹脂から成るものとしたから、従来課
題とされていたパーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜
の電気抵抗損失が大きいという問題点を解消することが
でき、固体高分子型燃料電池や電気化学式センサーやフ
ラットパネルのイオン伝導素子などの数多くの技術分野
での電気抵抗損失を大幅に低減することが可能であると
共に、従来のパーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜の
ように高価なフッ素系のモノマーを用いず安価な炭化水
素系のモノマーを使用しているのでイオン交換膜のコス
トを大幅に低減することが可能であるなどの著しく優れ
た効果がもたらされる。
【0043】
【化5】
【0044】そして、請求項2に記載しているように、
3種の低分子系の内、R1=炭素数1〜20個から成る
疎水性を示す官能基、R2=イオン交換基を有する官能
基、R3=平面分子構造を有する官能基、をそれぞれ保
持する3種のビニルモノマーから成るイオン交換高分子
を原料とするようになすことによって、スルホン酸基の
密度を高いものにし、そしてまた、膜生成能を良好なも
のとして、従来のパーフルオロ(アルキル)スルホン酸
膜に比べてイオン伝導度をかなり向上させたイオン交換
膜を提供することが可能であるという著しく優れた効果
がもたらされる。
3種の低分子系の内、R1=炭素数1〜20個から成る
疎水性を示す官能基、R2=イオン交換基を有する官能
基、R3=平面分子構造を有する官能基、をそれぞれ保
持する3種のビニルモノマーから成るイオン交換高分子
を原料とするようになすことによって、スルホン酸基の
密度を高いものにし、そしてまた、膜生成能を良好なも
のとして、従来のパーフルオロ(アルキル)スルホン酸
膜に比べてイオン伝導度をかなり向上させたイオン交換
膜を提供することが可能であるという著しく優れた効果
がもたらされる。
【0045】さらにまた、請求項3に記載しているよう
に、3種の低分子系の内、R1=炭素数が1個以上また
はヘテロ原子が化学結合した原子団がビニル基に結合し
たモノマーで当該モノマーのみからなる高分子化合物を
原料のみの場合においても成膜を可能ならしめるビニル
モノマー、R2=正または負のイオンとイオン結合する
ことが可能な原子団がビニル基に結合したモノマー、R
3=芳香環が炭素=炭素二重結合を介して平面分子構造
を取った原子団がビニル基に結合したモノマー、の3種
のモノマーが共重合したイオン交換高分子を原料とする
ことによっても、従来のパーフルオロ(アルキル)スル
ホン酸膜に比べてイオン伝導度をかなり向上させたイオ
ン交換膜を提供することが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
に、3種の低分子系の内、R1=炭素数が1個以上また
はヘテロ原子が化学結合した原子団がビニル基に結合し
たモノマーで当該モノマーのみからなる高分子化合物を
原料のみの場合においても成膜を可能ならしめるビニル
モノマー、R2=正または負のイオンとイオン結合する
ことが可能な原子団がビニル基に結合したモノマー、R
3=芳香環が炭素=炭素二重結合を介して平面分子構造
を取った原子団がビニル基に結合したモノマー、の3種
のモノマーが共重合したイオン交換高分子を原料とする
ことによっても、従来のパーフルオロ(アルキル)スル
ホン酸膜に比べてイオン伝導度をかなり向上させたイオ
ン交換膜を提供することが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
【0046】さらにまた、請求項4に記載しているよう
に、3種の低分子系の内、R1=アクリロニトリル、R
2=アクリルアミドスルホン酸、R3=ビニルナフタレ
ン、から成る共重合体を原料とするようになすことによ
って、かなり強い会合状態を呈しているものとすること
が可能となり、イオン伝導度がかなり向上した低コスト
のイオン交換膜を提供することが可能であるという著し
く優れた効果がもたらされる。
に、3種の低分子系の内、R1=アクリロニトリル、R
2=アクリルアミドスルホン酸、R3=ビニルナフタレ
ン、から成る共重合体を原料とするようになすことによ
って、かなり強い会合状態を呈しているものとすること
が可能となり、イオン伝導度がかなり向上した低コスト
のイオン交換膜を提供することが可能であるという著し
く優れた効果がもたらされる。
【0047】本発明によるイオン交換膜の製造方法で
は、請求項5に記載しているように、請求項1ないし4
のいずれかに記載のイオン交換膜を製造するに際し、重
合反応条件は、膜マトリックスモノマーおよび配向性ビ
ニルモノマーから成る疎水性ビニルモノマーの総モル数
に対して0.01モル%から30モル%までの疎水性重
合開始剤を含む疎水性モノマー部と0.01g/mlか
ら10g/mlまでの親水性モノマーの水溶液部とを2
0℃から140℃までの温度範囲で10秒から16時間
までの時間範囲で混合攪拌するようになすことによっ
て、イオン交換モノマーの含有率を低下させることな
く、また、共重合体中における親水モノマーの構成比を
低下させることなく、重合を適度に進行させて、イオン
伝導度の高いイオン交換膜を低コストで製造することが
可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
は、請求項5に記載しているように、請求項1ないし4
のいずれかに記載のイオン交換膜を製造するに際し、重
合反応条件は、膜マトリックスモノマーおよび配向性ビ
ニルモノマーから成る疎水性ビニルモノマーの総モル数
に対して0.01モル%から30モル%までの疎水性重
合開始剤を含む疎水性モノマー部と0.01g/mlか
ら10g/mlまでの親水性モノマーの水溶液部とを2
0℃から140℃までの温度範囲で10秒から16時間
までの時間範囲で混合攪拌するようになすことによっ
て、イオン交換モノマーの含有率を低下させることな
く、また、共重合体中における親水モノマーの構成比を
低下させることなく、重合を適度に進行させて、イオン
伝導度の高いイオン交換膜を低コストで製造することが
可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0048】また、請求項6に記載しているように、請
求項1ないし4のいずれかに記載のイオン交換膜を製造
するに際し、キャスト溶液は、イオン交換樹脂を非プロ
トン性溶媒と水の混合溶液で非プロトン性溶媒の含有率
が30%から100%までの範囲から成る溶媒に対し溶
解させることにより、イオン交換樹脂濃度を1重量%か
ら60重量%までの範囲で調製するようになすことによ
って、溶解操作時に高分子の不溶部を生じることなく、
親水相と疎水相とをマクロ的に相分離することなく、イ
オン伝導度の高いイオン交換膜を低コストで製造するこ
とが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
求項1ないし4のいずれかに記載のイオン交換膜を製造
するに際し、キャスト溶液は、イオン交換樹脂を非プロ
トン性溶媒と水の混合溶液で非プロトン性溶媒の含有率
が30%から100%までの範囲から成る溶媒に対し溶
解させることにより、イオン交換樹脂濃度を1重量%か
ら60重量%までの範囲で調製するようになすことによ
って、溶解操作時に高分子の不溶部を生じることなく、
親水相と疎水相とをマクロ的に相分離することなく、イ
オン伝導度の高いイオン交換膜を低コストで製造するこ
とが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
【0049】さらにまた、請求項7に記載しているよう
に、請求項1ないし4のいずれかに記載のイオン交換膜
を製造するに際し、3種の低分子系から成るイオン交換
高分子のキャスト膜をキャスト基材上から剥離する際の
剥離溶媒として、誘電率が1.2から35までの範囲に
該当する溶媒を0.01W/cm2から100W/cm
2までの超音波を使用し、キャスト基材上の膜面から照
射部分に接するかあるいは1mまでの範囲で照射距離を
設けることにより剥離を促進させるようになすことによ
って、膜の基材からの剥離性を良好なものとし、膜中に
溶媒を浸透させることなく、イオン伝導度の高いイオン
交換膜を低コストで製造することが可能であるという著
しく優れた効果がもたらされる。
に、請求項1ないし4のいずれかに記載のイオン交換膜
を製造するに際し、3種の低分子系から成るイオン交換
高分子のキャスト膜をキャスト基材上から剥離する際の
剥離溶媒として、誘電率が1.2から35までの範囲に
該当する溶媒を0.01W/cm2から100W/cm
2までの超音波を使用し、キャスト基材上の膜面から照
射部分に接するかあるいは1mまでの範囲で照射距離を
設けることにより剥離を促進させるようになすことによ
って、膜の基材からの剥離性を良好なものとし、膜中に
溶媒を浸透させることなく、イオン伝導度の高いイオン
交換膜を低コストで製造することが可能であるという著
しく優れた効果がもたらされる。
【0050】
【実施例】以下、本発明に係わるイオン交換膜およびそ
の製造方法の実施例を比較例と共に詳細に説明するが、
本発明はこのような実施例のみに限定されないことはい
うまでもない。
の製造方法の実施例を比較例と共に詳細に説明するが、
本発明はこのような実施例のみに限定されないことはい
うまでもない。
【0051】(実施例1)重合装置としては、3つ口2
00mlセパラブルフラスコに、オーバーヘッドスター
ラー、攪拌羽根付き攪拌棒、冷却器、窒素導入管を装着
して、反応容器とした。そして、反応容器中に、アクリ
ロニトリル3.85g(7.25×10− 2mol)、
2−ビニルナフタレン0.447g(2.90×10
−3mol)、アゾビスイソブチロニトリル0.476
g(2.9×10−3mol)を溶解しておくことによ
って疎水溶液部とした。
00mlセパラブルフラスコに、オーバーヘッドスター
ラー、攪拌羽根付き攪拌棒、冷却器、窒素導入管を装着
して、反応容器とした。そして、反応容器中に、アクリ
ロニトリル3.85g(7.25×10− 2mol)、
2−ビニルナフタレン0.447g(2.90×10
−3mol)、アゾビスイソブチロニトリル0.476
g(2.9×10−3mol)を溶解しておくことによ
って疎水溶液部とした。
【0052】これとは別に、予め、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸3.0g(1.45×
10−2mol)、水1.5ml、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム0.0662g(2.90×10−4mo
l)を溶解しておくことによって親水溶液部とした。
−2−メチルプロパンスルホン酸3.0g(1.45×
10−2mol)、水1.5ml、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム0.0662g(2.90×10−4mo
l)を溶解しておくことによって親水溶液部とした。
【0053】次いで、疎水溶液部を攪拌しながら親水溶
液部を滴下漏斗より徐々に滴下し、反応温度を室温から
100℃まで上昇させて2時間攪拌したところ、粘稠で
褐色な樹脂が得られた。
液部を滴下漏斗より徐々に滴下し、反応温度を室温から
100℃まで上昇させて2時間攪拌したところ、粘稠で
褐色な樹脂が得られた。
【0054】次に、ここで得られた樹脂を純水200m
l中に沈殿させ、100ml用遠沈管2本を用いて15
00回/分の回転速度で20分間遠心分離した。そし
て、デカンテーションにより上清と沈殿を分けた後、沈
殿に対して純水で遠心操作を繰り返すことにより十分洗
浄した。
l中に沈殿させ、100ml用遠沈管2本を用いて15
00回/分の回転速度で20分間遠心分離した。そし
て、デカンテーションにより上清と沈殿を分けた後、沈
殿に対して純水で遠心操作を繰り返すことにより十分洗
浄した。
【0055】そして、沈殿を乾燥した後ジメチルホルム
アミド75%、水25%から成る混合溶媒300ml中
130℃で加熱攪拌することにより沈殿を溶解させた。
アミド75%、水25%から成る混合溶媒300ml中
130℃で加熱攪拌することにより沈殿を溶解させた。
【0056】この溶液をロータリーエバポレーターを用
いて溶媒を減圧留去することにより溶液を100mlま
で濃縮した後、ガラスフィルターG2で不溶部を除去し
た。
いて溶媒を減圧留去することにより溶液を100mlま
で濃縮した後、ガラスフィルターG2で不溶部を除去し
た。
【0057】この黄色い透明な溶液をガラスシャーレー
上に流延した後、ホットプレート上70℃に加熱しなが
ら溶媒を徐々に揮発させることによりキャスト膜を得
た。
上に流延した後、ホットプレート上70℃に加熱しなが
ら溶媒を徐々に揮発させることによりキャスト膜を得
た。
【0058】キャスト膜は圧力0.1mmHg、温度1
00℃にて減圧乾燥し、重量変化が0.1%以下になる
まで乾燥した。
00℃にて減圧乾燥し、重量変化が0.1%以下になる
まで乾燥した。
【0059】ジエチルエーテル(誘電率4.2)中、超
音波を0.1W/cm2にて10分間照射することによ
りガラスシャーレー上よりキャスト膜を剥離した。
音波を0.1W/cm2にて10分間照射することによ
りガラスシャーレー上よりキャスト膜を剥離した。
【0060】イオン交換膜の分子構造については赤外ス
ペクトル、核磁気共鳴スペクトル、元素分析、ゲルパー
ミュエーションクロマトグラフによる確認を行った。
ペクトル、核磁気共鳴スペクトル、元素分析、ゲルパー
ミュエーションクロマトグラフによる確認を行った。
【0061】得られた膜は風乾燥後、0.03mol/
l塩酸中に1週間浸漬することによりイオン交換基を完
全に水素イオン化した。
l塩酸中に1週間浸漬することによりイオン交換基を完
全に水素イオン化した。
【0062】膜のイオン伝導性は次の方法により測定し
た。
た。
【0063】a.電気伝導度測定用セルの作製 a.1 白金電極の作製 セルとしては、その中央部に貫通した液だめ(縦0.5
cm×横1.0cm×深さ1.0cm)を有するテフロ
ン板(縦3.5cm×横4.5cm×高さ1.0cm)
2枚を用いた。電極として、白金箔(厚み0.030m
m)を0.5cm×2.0cmにカットし、両面テープ
でテフロン板液だめの0.5cmの辺と白金箔の0.5
cmの辺が正確に一致するように貼り付けた。電極の液
だめ側の端から0.7cmの位置に保護テープを貼り、
電極面積が0.35cm2となるようにした。
cm×横1.0cm×深さ1.0cm)を有するテフロ
ン板(縦3.5cm×横4.5cm×高さ1.0cm)
2枚を用いた。電極として、白金箔(厚み0.030m
m)を0.5cm×2.0cmにカットし、両面テープ
でテフロン板液だめの0.5cmの辺と白金箔の0.5
cmの辺が正確に一致するように貼り付けた。電極の液
だめ側の端から0.7cmの位置に保護テープを貼り、
電極面積が0.35cm2となるようにした。
【0064】a.2 白金黒のめっき 白金電極の表面積を大きくするために、次の手順により
白金電極表面に白金黒をめっきした。すなわち、1/4
0Nの塩酸30mlに酢酸鉛(Pb(CH3COO)2
・3H2O)0.008g、塩化白金酸(H2PtCl
6・6H2O)1gを溶解させたものをめっき液とし
た。このめっき液中に上記a.1で作製した白金電極付
テフロン板を1個ずつ浸し、浴電圧3.0V、電流14
mA、電流密度40mA/cm2となるように、直流電
圧電流発生装置(アドバンテスト製R1644)をセッ
トした。そして、2電極を交互に少しずつめっきするた
めに、約1分ごとに装置側の+−の設定スイッチを入れ
換えることにより電極の+−を交換する操作を50分間
続けた。その後、2電極を蒸留水で洗浄し、10%希硫
酸中白金黒極板を−に、また、別の新しい白金極板を+
にして10分間3Vの電圧をかけることによりめっき液
や吸着した塩素を除去した。最後に蒸留水で電極をよく
洗浄し、蒸留水中に保存した。
白金電極表面に白金黒をめっきした。すなわち、1/4
0Nの塩酸30mlに酢酸鉛(Pb(CH3COO)2
・3H2O)0.008g、塩化白金酸(H2PtCl
6・6H2O)1gを溶解させたものをめっき液とし
た。このめっき液中に上記a.1で作製した白金電極付
テフロン板を1個ずつ浸し、浴電圧3.0V、電流14
mA、電流密度40mA/cm2となるように、直流電
圧電流発生装置(アドバンテスト製R1644)をセッ
トした。そして、2電極を交互に少しずつめっきするた
めに、約1分ごとに装置側の+−の設定スイッチを入れ
換えることにより電極の+−を交換する操作を50分間
続けた。その後、2電極を蒸留水で洗浄し、10%希硫
酸中白金黒極板を−に、また、別の新しい白金極板を+
にして10分間3Vの電圧をかけることによりめっき液
や吸着した塩素を除去した。最後に蒸留水で電極をよく
洗浄し、蒸留水中に保存した。
【0065】b.交流法(コール・コールプロット)に
よる電気伝導度の測定 膜は、前記a.で作製したセルの液だめと白金黒電極を
覆う大きさ(15mm×12mm)にカットし2枚のテ
フロン板の間に挟んだ後、膜の両側の液だめに0.03
N塩酸を約0.3ml入れ塩酸が膜の両側から膜全体を
覆うようにした。セルをスタンドに固定し、白金黒電極
をソーラトロン−インピーダンス/ゲイン−フェイスア
ナライザーSI1260に接続し、交流電流を高周波側
から低周波側へ電流の周波数を小さくしながらナフィオ
ン(Nafion)膜に流した。この時の抵抗値を実数
軸および虚数軸に対してプロットした(コール・コール
プロット)。一般的にグラフはこの場合、高周波側で半
円を描いた後低周波側では右上がりの直線の形となる。
この半円の直径がサンプルの抵抗を表わしている。本測
定においては、この半円の半径を見積り、その値から再
生ナフィオン(Nafion)膜−H型の電気伝導度を
計算した。
よる電気伝導度の測定 膜は、前記a.で作製したセルの液だめと白金黒電極を
覆う大きさ(15mm×12mm)にカットし2枚のテ
フロン板の間に挟んだ後、膜の両側の液だめに0.03
N塩酸を約0.3ml入れ塩酸が膜の両側から膜全体を
覆うようにした。セルをスタンドに固定し、白金黒電極
をソーラトロン−インピーダンス/ゲイン−フェイスア
ナライザーSI1260に接続し、交流電流を高周波側
から低周波側へ電流の周波数を小さくしながらナフィオ
ン(Nafion)膜に流した。この時の抵抗値を実数
軸および虚数軸に対してプロットした(コール・コール
プロット)。一般的にグラフはこの場合、高周波側で半
円を描いた後低周波側では右上がりの直線の形となる。
この半円の直径がサンプルの抵抗を表わしている。本測
定においては、この半円の半径を見積り、その値から再
生ナフィオン(Nafion)膜−H型の電気伝導度を
計算した。
【0066】この測定によって膜抵抗が得られる。膜中
で電流が流れる距離はセルの構造上0.5cmである。
従って、膜の電気伝導度は次の式(2)により求められ
る。
で電流が流れる距離はセルの構造上0.5cmである。
従って、膜の電気伝導度は次の式(2)により求められ
る。
【0067】 イオン伝導度(Ω−1・cm−1) =電極間距離/[膜断面積×膜抵抗] =0.5(cm)/[膜幅1.0(cm)×膜厚(cm)×膜抵抗(Ω)] ・・・(2) 表1に従来のパーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜
(Nafion)と本発明実施例1によるイオン交換膜
のイオン伝導度を示した。
(Nafion)と本発明実施例1によるイオン交換膜
のイオン伝導度を示した。
【0068】表1の実施例1の欄に示すように、本発明
によるイオン交換膜のイオン伝導度は従来のパーフルオ
ロ(アルキル)スルホン酸膜のそれに比べて約2倍大き
い結果となっており、イオン伝導性の著しい改善が可能
となったことが確かめられた。
によるイオン交換膜のイオン伝導度は従来のパーフルオ
ロ(アルキル)スルホン酸膜のそれに比べて約2倍大き
い結果となっており、イオン伝導性の著しい改善が可能
となったことが確かめられた。
【0069】(実施例2)実施例1におけるアクリロニ
トリルの代わりに炭素数が12個からなる長鎖アルキル
ビニルモノマーを用いた。
トリルの代わりに炭素数が12個からなる長鎖アルキル
ビニルモノマーを用いた。
【0070】その結果、同じく表1の実施例2の欄に示
すように、イオン伝導度は従来のパーフルオロ(アルキ
ル)スルホン酸膜のそれに比べて2倍の値を示してお
り、本発明により、イオン伝導性を増大させた膜の調製
が可能であることが確かめられた。
すように、イオン伝導度は従来のパーフルオロ(アルキ
ル)スルホン酸膜のそれに比べて2倍の値を示してお
り、本発明により、イオン伝導性を増大させた膜の調製
が可能であることが確かめられた。
【0071】(実施例3)実施例1におけるアクリロニ
トリルの代わりに炭素数が20個からなる長鎖アルキル
ビニルモノマーを用いた。
トリルの代わりに炭素数が20個からなる長鎖アルキル
ビニルモノマーを用いた。
【0072】その結果、同じく表1の実施例3の欄に示
すように、イオン伝導度は従来のパーフルオロ(アルキ
ル)スルホン酸膜のそれに比べて2倍の値を示し、本発
明による膜のイオン伝導性は従来膜のイオン伝導性に比
べて、顕著に改良されたことが確かめられた。
すように、イオン伝導度は従来のパーフルオロ(アルキ
ル)スルホン酸膜のそれに比べて2倍の値を示し、本発
明による膜のイオン伝導性は従来膜のイオン伝導性に比
べて、顕著に改良されたことが確かめられた。
【0073】(比較例1)実施例1におけるアクリロニ
トリルの代わりに炭素数が21個からなる長鎖アルキル
ビニルモノマーを用いた。
トリルの代わりに炭素数が21個からなる長鎖アルキル
ビニルモノマーを用いた。
【0074】その結果、同じく表1の比較例1の欄に示
すように、イオン伝導度は従来のパーフルオロ(アルキ
ル)スルホン酸膜の60%に留まった。このことは、膜
マトリックスモノマーの分子量が大きくなり過ぎたため
に、スルホン酸基の密度が低下してしまい、これにより
イオン伝導性も低下したことを示している。
すように、イオン伝導度は従来のパーフルオロ(アルキ
ル)スルホン酸膜の60%に留まった。このことは、膜
マトリックスモノマーの分子量が大きくなり過ぎたため
に、スルホン酸基の密度が低下してしまい、これにより
イオン伝導性も低下したことを示している。
【0075】
【表1】
【0076】(実施例4〜7,比較例2,3)実施例1
において親水性モノマーであるアクリルアミドスルホン
酸の重合反応時の仕込み濃度を2.0g/mlと一定に
した場合に、下記の式(3)によって求められる疎水性
重合開始剤添加率(モル%)を図2に示すように0.0
09(比較例2)、0.01(実施例4)、0.5(実
施例5)、10(実施例6)、30(実施例7)、31
(比較例3)の各モル%と変化させた時に得られたイオ
ン交換樹脂をジメチルホルムアミドに溶解させ、キャス
ト法により成膜したイオン交換膜のイオン伝導度をそれ
ぞれ求めた。その結果を図2に示す。
において親水性モノマーであるアクリルアミドスルホン
酸の重合反応時の仕込み濃度を2.0g/mlと一定に
した場合に、下記の式(3)によって求められる疎水性
重合開始剤添加率(モル%)を図2に示すように0.0
09(比較例2)、0.01(実施例4)、0.5(実
施例5)、10(実施例6)、30(実施例7)、31
(比較例3)の各モル%と変化させた時に得られたイオ
ン交換樹脂をジメチルホルムアミドに溶解させ、キャス
ト法により成膜したイオン交換膜のイオン伝導度をそれ
ぞれ求めた。その結果を図2に示す。
【0077】図2に示すように、実施例4〜7の膜のイ
オン伝導度は、いずれもの場合も従来膜の値よりも大き
くなっていたが、疎水性重合開始剤添加率が0.009
モル%と31モル%の場合ではイオン伝導度が従来値の
50%程度に留まった。これらのことにより、疎水性重
合開始剤添加率は0.01モル%から30モル%までが
適切な範囲であることが判明した。
オン伝導度は、いずれもの場合も従来膜の値よりも大き
くなっていたが、疎水性重合開始剤添加率が0.009
モル%と31モル%の場合ではイオン伝導度が従来値の
50%程度に留まった。これらのことにより、疎水性重
合開始剤添加率は0.01モル%から30モル%までが
適切な範囲であることが判明した。
【0078】 疎水性重合開始剤添加率(モル%) =[(アゾビスイソブチロニトリルのモル数)/ (アクリロニトリルのモル数+ビニルナフタレンのモル数)×100 ・・・(3)
【0079】(実施例8〜12,比較例4,5)実施例
1において、疎水溶液部の内容を一定にしておいて親水
性モノマーであるアクリルアミドスルホン酸の水に対す
る濃度(g/ml)を図3に示すように0.009(比
較例4)、0.01(実施例8)、0.5(実施例
9)、2(実施例10)、7(実施例11)、10(実
施例12)、10.5(比較例5)の各g/mlと変化
させた時に得られたイオン交換樹脂をジメチルホルムア
ミドに溶解させ、キャスト法により成膜したイオン交換
膜のイオン伝導度をそれぞれ求めた。その結果を図3に
示す。
1において、疎水溶液部の内容を一定にしておいて親水
性モノマーであるアクリルアミドスルホン酸の水に対す
る濃度(g/ml)を図3に示すように0.009(比
較例4)、0.01(実施例8)、0.5(実施例
9)、2(実施例10)、7(実施例11)、10(実
施例12)、10.5(比較例5)の各g/mlと変化
させた時に得られたイオン交換樹脂をジメチルホルムア
ミドに溶解させ、キャスト法により成膜したイオン交換
膜のイオン伝導度をそれぞれ求めた。その結果を図3に
示す。
【0080】図3に示すように、実施例8〜12の膜の
イオン伝導度は、いずれもの場合も従来膜の値よりも大
きくなっていたが、親水性モノマー濃度が0.009g
/mlと10.5g/mlの場合ではイオン伝導度が従
来値の50%以下に留まった。これらのことにより、親
水性モノマーの水に対する濃度は0.01g/mlから
10g/mlまでが適切な範囲であることが判明した。
イオン伝導度は、いずれもの場合も従来膜の値よりも大
きくなっていたが、親水性モノマー濃度が0.009g
/mlと10.5g/mlの場合ではイオン伝導度が従
来値の50%以下に留まった。これらのことにより、親
水性モノマーの水に対する濃度は0.01g/mlから
10g/mlまでが適切な範囲であることが判明した。
【0081】このように、本発明によるイオン交換膜の
製造方法により得られたイオン交換基配向型のイオン交
換膜は、従来課題とされていたパーフルオロ(アルキ
ル)スルホン酸膜の電気抵抗損失が大きいという課題を
解決したと言うことができる。これにより、固体高分子
型燃料電池や電気化学式センサーあるいはフラットパネ
ルのイオン伝導素子など数多くの技術分野での電気エネ
ルギー損失を低減する効果が大きいと言うことができ
る。
製造方法により得られたイオン交換基配向型のイオン交
換膜は、従来課題とされていたパーフルオロ(アルキ
ル)スルホン酸膜の電気抵抗損失が大きいという課題を
解決したと言うことができる。これにより、固体高分子
型燃料電池や電気化学式センサーあるいはフラットパネ
ルのイオン伝導素子など数多くの技術分野での電気エネ
ルギー損失を低減する効果が大きいと言うことができ
る。
【0082】そのうえ、従来のパーフルオロ(アルキ
ル)スルホン酸膜はふっ素系のモノマーを原料としてい
るため、単位面積当たりの価格が高騰してしまうが、本
発明によるイオン交換膜は炭化水素系のモノマーを用い
ているので従来膜よりも非常に安価に提供できるという
効果がもたらされる。
ル)スルホン酸膜はふっ素系のモノマーを原料としてい
るため、単位面積当たりの価格が高騰してしまうが、本
発明によるイオン交換膜は炭化水素系のモノマーを用い
ているので従来膜よりも非常に安価に提供できるという
効果がもたらされる。
【図1】本発明によるイオン交換膜のマクロ構造におけ
る配向性基によるスルホン酸基の配向性誘発の状況を示
す説明図である。
る配向性基によるスルホン酸基の配向性誘発の状況を示
す説明図である。
【図2】イオン伝導度に関する重合反応時における疎水
性重合開始剤濃度依存性を調べた結果を例示するグラフ
である。
性重合開始剤濃度依存性を調べた結果を例示するグラフ
である。
【図3】イオン伝導度に関する重合時の親水性モノマー
濃度依存性を調べた結果を例示するグラフである。
濃度依存性を調べた結果を例示するグラフである。
【図4】従来のパーフルオロ(アルキル)スルホン酸膜
中のマクロ(クラスター)構造を示す説明図である。
中のマクロ(クラスター)構造を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 220/58 C08F 220/58
Claims (7)
- 【請求項1】 構造式(1)に示す、R1=膜マトリッ
クス系、R2=イオン交換系、R3=配向系、の3種の
低分子系が化学結合したビニルモノマーが共重合し、X
=1〜50でかつY=0.1〜20でかつZ=0.02
〜10であり、重合度n=10〜1000であるイオン
交換樹脂から成ることを特徴とするイオン交換膜。 【化1】 - 【請求項2】 3種の低分子系の内、R1=炭素数1〜
20個から成る疎水性を示す官能基、R2=イオン交換
基を有する官能基、R3=平面分子構造を有する官能
基、をそれぞれ保持する3種のビニルモノマーから成る
イオン交換高分子を原料とすることを特徴とする請求項
1に記載のイオン交換膜。 - 【請求項3】 3種の低分子系の内、R1=炭素数が1
個以上またはヘテロ原子が化学結合した原子団がビニル
基に結合したモノマーで当該モノマーのみからなる高分
子化合物を原料のみの場合においても成膜を可能ならし
めるビニルモノマー、R2=正または負のイオンとイオ
ン結合することが可能な原子団がビニル基に結合したモ
ノマー、R3=芳香環が炭素=炭素二重結合を介して平
面分子構造を取った原子団がビニル基に結合したモノマ
ー、の3種のモノマーが共重合したイオン交換高分子を
原料とすることを特徴とする請求項1または2に記載の
イオン交換膜。 - 【請求項4】 3種の低分子系の内、R1=アクリロニ
トリル、R2=アクリルアミドスルホン酸、R3=ビニ
ルナフタレン、から成る共重合体を原料とすることを特
徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のイオン交
換膜。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のイ
オン交換膜を製造するに際し、重合反応条件は、膜マト
リックスモノマーおよび配向性ビニルモノマーから成る
疎水性ビニルモノマーの総モル数に対して0.01モル
%から30モル%までの疎水性重合開始剤を含む疎水性
モノマー部と0.01g/mlから10g/mlまでの
親水性モノマーの水溶液部とを20℃から140℃まで
の温度範囲で10秒から16時間までの時間範囲で混合
攪拌することを特徴とするイオン交換膜の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載のイ
オン交換膜を製造するに際し、キャスト溶液は、イオン
交換樹脂を非プロトン性溶媒と水の混合溶液で非プロト
ン性溶媒の含有率が30%から100%までの範囲から
成る溶媒に対し溶解させることにより、イオン交換樹脂
濃度を1重量%から60重量%までの範囲で調製するこ
とを特徴とするイオン交換膜の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載のイ
オン交換膜を製造するに際し、3種の低分子系から成る
イオン交換高分子のキャスト膜をキャスト基材上から剥
離する際の剥離溶媒として、誘電率が1.2から35ま
での範囲に該当する溶媒を0.01W/cm2から10
0W/cm2までの超音波を使用し、キャスト基材上の
膜面から照射部分に接するかあるいは1mまでの範囲で
照射距離を設けることにより剥離を促進させることを特
徴とするイオン交換膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10115599A JPH11302410A (ja) | 1998-04-24 | 1998-04-24 | イオン交換膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10115599A JPH11302410A (ja) | 1998-04-24 | 1998-04-24 | イオン交換膜およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11302410A true JPH11302410A (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=14666623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10115599A Pending JPH11302410A (ja) | 1998-04-24 | 1998-04-24 | イオン交換膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11302410A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-04-24 JP JP10115599A patent/JPH11302410A/ja active Pending
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