JP2000212305A - イオン交換膜及びその製造方法 - Google Patents

イオン交換膜及びその製造方法

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JP2000212305A
JP2000212305A JP11011705A JP1170599A JP2000212305A JP 2000212305 A JP2000212305 A JP 2000212305A JP 11011705 A JP11011705 A JP 11011705A JP 1170599 A JP1170599 A JP 1170599A JP 2000212305 A JP2000212305 A JP 2000212305A
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Japan
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monomer
group
exchange membrane
ion exchange
ion
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Tomoaki Arimura
智朗 有村
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Nissan Motor Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大きいイオン導電性を安定して示す新規な配
向型イオン交換膜及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 次の構造式(1) (式中、R1は水素、脂肪族誘導体基又は芳香族環誘導
体基、Mは1〜4価の金属、R2は脂肪族誘導体基、芳
香族環誘導体基又は存在しない場合も許容でき、R3〜
R5は脂肪族誘導体基又は芳香族環誘導体基、R6は芳
香族環誘導体基、R7は脂肪族誘導体基、芳香族環誘導
体基又は存在しない場合も許容でき、R8は水素又は脂
肪族誘導体基、R9は酸性部位を有する脂肪族誘導体基
または芳香族環誘導体基、R10は架橋基を3個有して
いる脂肪族環基又は芳香族環基、p=1〜350、q=
1〜500、x=1〜600、y=1〜300、m=1
〜200及びn=10〜10000を示す)で表される
含金属モノマーIと芳香族誘導体モノマーIIとカルボン
酸誘導体モノマーIII と強酸基含有モノマーIVとから成
る化学結合主鎖が架橋されたイオン交換樹脂から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン交換膜及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、パーフルオロアルキルスルホ
ン酸膜が、固体高分子型燃料電池や電気化学センサーに
用いられる高分子固体イオン導伝体として使用されてい
る。かかるパーフルオロスルホン酸膜の構造は、図1に
示すようにパーフルオロアルキル主鎖から延びる側鎖の
先端にイオン交換基であるスルホン酸基が結合している
ものであり、フッ素原子が有する疎水性とスルホン酸基
が有する親水性との両作用により、マクロ的には図2に
示すように疎水相中に球状の親水相が形成され、親水相
同士は連結管によりつながっているクラスター構造を呈
している。
【0003】この親水相中のスルホン酸基上を水素イオ
ンが伝導することにより、当該膜は高分子としては比較
的大きいイオン伝導性を発現することが可能であり、こ
の性質により、固体高分子型燃料電池や電気化学センサ
ーあるいはフラットパネル用のイオン伝導膜として用い
られている。
【0004】しかしながら、パーフルオロスルホン酸膜
は、未だ電気抵抗が大きいために、固体高分子型燃料電
池等のシステム中に組み込んだ場合の電気エネルギーの
損失が大きいことが問題である。
【0005】また、パーフルオロスルホン酸膜中に含ま
れるスルホン酸基数の密度をより増大させるために、こ
のパーフルオロスルホン酸膜に、スルホン酸基を有する
別種類のイオン交換樹脂を混合することが提案されてい
る。しかし、膜中に混合された別種類のイオン交換樹脂
のスルホン酸基等のイオン交換基は、不規則な方向を向
いており、またイオン交換基間の距離が大きいためにイ
オン伝導の速度が遅くなっている。
【0006】さらに、このような方法では、例えば固体
高分子型燃料電池等のシステム中で正負電極間における
イオン伝導膜として用いられた場合、発生する電場の作
用により、混合されたイオン交換樹脂が片側の電極側に
泳動してしまい、電池により発電を行っている途中での
膜のイオン伝導性が低下することが問題となっている。
【0007】また、直接メタノール型燃料電池用のイオ
ン伝導膜として用いた場合、メタノールがアノードから
カソード側に浸透してしまい、カソード側での還元反応
を妨害するので、発電効率を低下させてしまうという問
題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点を解決し、大きいイオン導電性を安定して
示す新規な配向型イオン交換膜及びその製造方法を提供
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため研究した結果、従来のパーフルオロアル
キルスルホン酸膜中に他のイオン交換樹脂を混合するの
ではなく、膜を形成する高分子体の新規な分子設計を行
うことによって、イオン交換基相互間の距離が小さく且
つイオン交換基自身が配向したマクロ構造を有する新た
なイオン伝導高分子を得ることにより、パーフルオロア
ルキルスルホン膜が示すイオン伝導性よりも大きいイオ
ン伝導性を安定して示す配向型イオン交換膜を得ること
を見い出し、本発明に到達した。
【0010】請求項1記載のイオン交換膜は、次の構造
式(1)
【化2】 (式中、R1は水素、脂肪族誘導体基又は芳香族環誘導
体基、Mは1〜4価の金属、R2は脂肪族誘導体基、芳
香族環誘導体基又は存在しない場合も許容でき、R3〜
R5は脂肪族誘導体基又は芳香族環誘導体基、R6は芳
香族環誘導体基、R7は脂肪族誘導体基、芳香族環誘導
体基又は存在しない場合も許容でき、R8は水素又は脂
肪族誘導体基、R9は酸性部位を有する脂肪族誘導体基
又は芳香族環誘導体基、R10は架橋基を3個有してい
る脂肪族環基又は芳香族環基、p=1〜350、q=1
〜500、x=1〜600、y=1〜300、m=1〜
200及びn=10〜10000を示す)で表される含
金属モノマーIと芳香族誘導体モノマーIIとカルボン酸
誘導体モノマーIII と強酸基含有モノマーIVとから成る
化学結合主鎖が架橋されたイオン交換樹脂から成ること
を特徴とする。
【0011】請求項2記載のイオン交換膜は、請求項1
項記載のイオン交換膜において、Mは4価の金属であ
り、イオン交換樹脂は、化学結合主鎖間を、架橋基が3
個存在する架橋剤を用いて架橋された構造を有すること
を特徴とする。
【0012】請求項3記載のイオン交換膜は、請求項1
又は2記載のイオン交換膜において、R1は水素又は脂
肪族誘導体基、Mはけい素、R2は脂肪族誘導体基又は
存在しない場合を許容することができ、R7は存在しな
いかあるいは脂肪族誘導体基、R9がスルホン酸基を有
する脂肪族誘導体又は芳香族誘導体基であることを特徴
とする。
【0013】請求項4記載のイオン交換膜は、請求項1
又は2記載のイオン交換膜において、モノマーIはジメ
チルエトキシビニルシラン、モノマーIIはスチレン、モ
ノマーIII はアクリル酸、モノマーIVは2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸から成る共重合主
鎖が、架橋剤であるシアヌル酸トリアリルによって架橋
されたイオン交換樹脂からなることを特徴とする。
【0014】請求項5記載のイオン交換膜は、請求項1
〜4いずれかの項記載のイオン交換膜において、モノマ
ーIはジメチルエトキシビニルシラン、モノマーIIはス
チレン、モノマーIII はアクリル酸、モノマーIVは2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸から成
る共重合主鎖が、架橋剤であるシアヌル酸トリアリルに
よって架橋されたイオン交換樹脂からなることを特徴と
する。
【0015】請求項6記載のイオン交換膜の製造方法
は、請求項1〜5いずれかの項記載のイオン交換膜を製
造するにあたり、モル比にしてモノマーIが0.4〜1
2に対して、モノマーIIが0.2〜10、モノマーIII
が0.3〜13、モノマーIVが0.01〜8.5、架橋
剤が0.001〜4.0の範囲で混合して共重合反応を
行い、イオン交換樹脂溶液を得る工程を含むことを特徴
とする。
【0016】請求項7記載のイオン交換膜の製造方法
は、請求項6記載のイオン交換膜の製造方法において、
共重合反応における各モノマー濃度を、溶媒の容量に対
する値(それぞれのモノマー重量(mg)を反応溶媒の総
体積(ml)で除した値)として、モノマーIが10mg/
ml〜12g/ml、モノマーIIが1mg/ml〜5g/ml、モ
ノマーIII が6mg/ml〜8g/ml、モノマーIVが0.2
mg/ml〜7g/ml、架橋剤が0.05mg/ml〜2g/ml
の範囲として共重合反応を行うことを特徴とする。
【0017】請求項8記載のイオン交換膜の製造方法
は、請求項6又は7記載のイオン交換膜に製造方法にお
いて、モノマーI及びII及び架橋剤から成る疎水性化合
物の全重量に対して、0.05〜23重量%の疎水性重
合開始剤と、モノマーIII 及びIVから成る親水性化合物
の全重量に対して0.01〜18重量%の親水性重合開
始剤とから成る疎水・親水混合重合開始剤を添加するこ
とを特徴とする。
【0018】請求項9記載のイオン交換膜の製造方法
は、請求項6〜8いずれかの項記載のイオン交換膜の製
造方法において、共重合反応における溶媒として、水1
部に対して、非プロトン性溶媒を0.1部〜30部まで
の容積比になるように調製した混合溶媒を用いることを
特徴とする。
【0019】請求項10記載のイオン交換膜の製造方法
は、請求項1〜9いずれかの項記載のイオン交換膜の製
造方法において、更に、2センチポイズ〜60000セ
ンチポイズの粘度に調整したイオン交換樹脂溶液を基材
上に流延し、基材上の温度分布における最高温度と最低
温度との差が30℃以内で樹脂溶液を乾燥することによ
り製膜することを特徴とする。
【発明の実施の形態】
【0020】本発明のイオン交換膜は、次の構造式
(1)
【化3】 (式中、R1は水素、脂肪族誘導体基又は芳香族環誘導
体基、Mは1〜4価の金属、R2は脂肪族誘導体基、芳
香族環誘導体基又は存在しない場合も許容でき、R3〜
R5は脂肪族誘導体基又は芳香族環誘導体基、R6は芳
香族環誘導体基、R7は脂肪族誘導体基、芳香族環誘導
体基又は存在しない場合も許容でき、R8は水素又は脂
肪族誘導体基、R9は酸性部位を有する脂肪族誘導体基
又は芳香族環誘導体基、R10は架橋基を3個有してい
る脂肪族環基又は芳香族環基、p=1〜350、q=1
〜500、x=1〜600、y=1〜300、m=1〜
200及びn=10〜10000を示す)で表される含
金属モノマーIと芳香族誘導体モノマーIIとカルボン酸
誘導体モノマーIII と強酸基含有モノマーIVとから成る
化学結合主鎖が架橋されたイオン交換樹脂から成る。
【0021】上記式〔化3〕のモノマー中、R1は水
素、または脂肪族誘導体基、又は芳香族環誘導体であ
り、例えば脂肪族鎖誘導体基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ
基、プロピオキシ基、ブトキシ基、フルオロ基、クロロ
基、ブロム基、ヨード基、アセトアミド基、ヒドロキシ
ル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メチ
ルチオール基、アミノメチル基、シクロヘキシル基、モ
ルホリニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、芳香
族環誘導体基としては、ベンジル基、ジメチルベンジル
基、アセトフェニル基、ピリジニル基、ピラニル基、イ
ミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インデニル基、
トリアゾリル基、チアゾリル基、ナフチル基、チオナフ
チル基、アントラセニル基、フルオレニル基、カルバゾ
イル基、イソキノリニル基等を用いることができる。
【0022】モノマーIは、含金属系モノマーであり、
疎水性を有している。この疎水性によってメタノールの
浸透を防御することができる。モノマーIにおいて、M
は1価から4価の金属であり、好ましくは元素周期表の
IVa 族に含まれるけい素、ゲルマニウム、すず、鉛等で
ある。R2は脂肪族誘導体基、芳香族環誘導体基又は、
存在しない場合も許容できる。R3からR5は、メチル
基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基
や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基などの脂肪族エーテル基等の脂肪族誘導体基、あるい
はフエニル基、メチルフエニル基、ジメチルフエニル
基、トリメチルフエニル基などのフェニル基誘導体基や
ピリジン、フラン、チアゾール等のヘテロ芳香族基等の
芳香族環誘導体基を選択することができ、全てが同一で
も、また2つが同一で1つが異なっても、全て別々でも
よい。このようなモノマーとしてはジメチルエトキシビ
ニルシラン、ビニルトリエチルシラン、ビニルトリメチ
ルシラン、ビニルトリフエニルシラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。モノマーIの
重合度pは1〜350であり、好適には30〜220で
ある。350以上ではイオン交換ポリマーが溶剤に溶解
しなくなり、キャスト法が使用できない。
【0023】モノマーIIは、芳香族誘導体モノマーであ
り、それ自身単独で重合された樹脂を溶剤に溶解させた
後に、基材上にキャストして剥離を行うことにより膜を
得ることが可能と成る性質を有している。モノマーIIに
おいて、R6はフェニル基、メチルフェニル基、ジメチ
ルフェニル基トリメチルフェニル基などのフェニル基誘
導体、あるいはピリジン、フラン、チアゾールなどのヘ
テロ芳香族基、又はナフチル基、チオナフチル基、アン
トラセン基などの多環系芳香族基等の芳香族環誘導体基
を選択できる。このようなモノマーとしては、スチレ
ン、 α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メ
チルスチレン、4−メチルスチレン、ビニルナフタレン
などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。モノマーIIの重合度qは1〜500であり、好適に
は60〜340である。qが500よりも大きくなると
イオン交換基の密度が低下するので、膜のイオン伝導性
が低下する。
【0024】モノマーIII は、カルボン酸誘導体モノマ
ーであり、その共重合効果としては、疎水性が大きい含
金属系モノマーIと、芳香族系モノマーIIとが形成する
疎水領域と、モノマーIVが形成する親水領域との間で相
互作用力を発生させ、疎水領域と親水領域とを結合させ
ながら膜形成を可能にするのでイオン交換膜の力学的強
度を増大させるとともに、モノマーIII が有する高い光
透過性をイオン交換膜に付与することができる。モノマ
ーIII において、R7は脂肪族誘導体基、芳香族誘導体
基又は存在しない場合も許容でき、また、R8は水素ま
たは脂肪族誘導体基であり、脂肪族誘導体基又は芳香族
誘導体基は例えばR1と同じものを使用することができ
る。R8が水素の場合は、弱いイオン交換能を示し、こ
の機能によって、強酸基のイオン交換能を補足する作用
を有するので、膜全体のイオン伝導性を向上させる効果
がある。モノマーIII の重合度xは1〜600であり、
好適には80〜480である。xが600よりも大きく
なる場合はイオン交換膜の湿潤性が大きいために膨潤が
激しく、膜の寸法安定性が低下する。このようなモノマ
ーとしては、アクリル酸、ビニル酢酸、ビニル酪酸、ビ
ニルペンタン酸、ビニルヘキサン酸、ビニルヘプタン
酸、ビニルオクタン酸、酪酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリン酸ビニル等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0025】モノマーIVは強酸基を有するモノマーであ
り、強酸基としてはスルホン酸基などを選択することが
でき、これらの対イオンは水素イオン、アルカリまたは
アルカリ土類等の金属イオンを用いることができる。モ
ノマーIVにおいて、R9は酸性部位を有する脂肪族誘導
体基あるいは芳香族環誘導体基である。具体的なビニル
モノマーとしては、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルナフチ
ルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、
メタリルスルホン酸等のスルホン酸基を有する親水性ビ
ニルモノマーを選択することができるが、これらの化合
物に限定されるものではない。アクリルアミドスルホン
酸はスルホン酸基同士の親水結合に加えて、アミド部分
の水素結合による相互作用を有し、非常に強い会合状態
を呈すので、膜の強度や寸法安定性の保持に効果があ
り、特に好ましい。モノマーIVの重合度yは1〜300
であり、好ましくは40〜240である。yが300よ
りも大きくなるとイオン交換基の周辺に水分子が凝集す
ることにより膜が膨潤し過ぎる結果、膜の力学的強度が
弱くなる。
【0026】架橋剤のR10は環状構造を有しており、
架橋基を3個有している。環状部分は脂肪族環あるいは
芳香族環のどちらでもよい。このようなものとしては、
例えば、ピペリジン環、ジオキサン環、モルホリン環、
シクロヘキサン環、ピペラジン環、ピロリン環、ジオキ
ソラン環、ピラゾリジン環、ベンゼン環、トリアジン
環、トリスイソシアン酸環、ピリジン環、トリアゾール
環、ナフタレン環、アントラセン環等がある。このよう
な架橋剤は架橋密度を大きくすることができるのでイオ
ン交換膜の力学的強度を高めるばかりでなく、膜の乾燥
にも耐性を有するので燃料電池のイオン伝導膜として用
いた場合にアノードの水分乾燥を低減できる。また、架
橋基が自ら伸縮や変形をしないばかりか、外部からの応
力からの変形も受けないので、イオン交換ポリマー主鏡
間に比較的大きな空間を作ることができる。この効果に
より、イオン交換ポリマー主鎖によるミクロブラウン運
動やからみ合い運動や、あるいは構成部位のフリップ運
動等の種々の分子運動により輸送中のイオンの進路が妨
害される影響を抑制することができる(図4)。架橋剤
の重合度mは1〜150であり、好適には1〜120で
ある。mが150よりも大きい場合は高分子構造が三次
元網目構造となり、溶剤に対して不溶化するので膜形成
のための処理ができなくなる。
【0027】モノマーI〜IVまでと架橋剤とによるイオ
ン交換ドメインの重合度nは10〜10000であり、
好適には20〜8600である。nが10000よりも
大きくなるとキャスト膜を乾燥する際に溶剤を膜中に取
り込んでしまうのでイオン輸送を妨げ、結果的にイオン
伝導性を低下させる。またnが10より小さくなる場合
には、膜の耐薬品性が低下してしまう。
【0028】モノマーI〜IVまでと架橋剤とによるイオ
ン交換ドメイン中におけるモノマーの繰り返し方は、連
続的でも非連続的でもよく、ブロック共重合形式でもラ
ンダム共重合形式でもよい。
【0029】本発明のイオン交換膜は、上記モノマーが
形成する高分子主鎖が剛直なるトリビニルモノマーで架
橋されたイオン交換樹脂から成るので、従来のパーフル
オロアルキルスルホン酸膜における膜抵抗による大きな
電気エネルギー損失が解消できる。このような効果を発
揮するメカニズムとしては図3に示す本発明によるイオ
ン交換膜のミクロ構造を参照して以下に説明する。膜マ
トリックス相中に含金属基の配列が幾重にも存在してお
り、(図3では例としてその内2列を示す)含金属基間
は疎水結合で会合している。一方、イオン交換基は親水
結合によりイオン交換基同士が比較的近い距離に存在
し、さらに含金属基からの相互作用によりイオン交換基
も配列している。このためにイオン伝導が、より大きい
速度で起こる。また、3個の架橋基が存在する環状構造
を有する剛直な架橋剤が用いられている。かかるタイプ
の架橋剤は、ポリマー主鎖間を一定距離に保持する効果
を有するので、主鎖の分子運動やからみ合いによりイオ
ン伝導が妨げられる影響を低減する効果を有する(図
4)。これらの効果によって、従来のパーフルオロスル
ホン酸膜よりも大きいイオン伝導性を示すことが可能と
なる。また、疎水性を有する含金属基は、直接型メタノ
ール燃料電池のイオン伝導膜として用いられた場合、膜
中に浸透してくるメタノールを排除する効果を有するの
で、燃料電池の効率を増大させることも可能となる。
【0030】上記モノマーが形成する高分子主鎖が剛直
なるトリビニルモノマーで架橋されたイオン交換樹脂を
原料として、該樹脂溶液を基材上への流延して成膜(キ
ャスト)する方法によりイオン交換膜を製造する。キャ
スト法はイオン交換樹脂を加熱溶融する必要がないの
で、熱履歴によるポリマー構造が酸化分解を受ける危険
性を回避できるとともに、ポリマー溶液を濾過すること
により不純物を完全に除去することができる。また、膜
の厚みやマクロ構造を均一にすることができる点でも樹
脂を溶融してTダイから引き出す方法よりも優れてい
る。
【0031】具体的にはまず、上記モノマーI〜IVを架
橋剤とを、重合開始剤とともに溶媒に混合溶解させて、
重合開始温度まで反応溶液系を加熱し、所定時間攪拌し
て重合を促進させた後、反応生成物をろ過、煮沸、透析
又は脱泡することにより、高分子化合物としてのイオン
交換樹脂を得る。
【0032】共重合する際の各モノマーの混合モル比
は、モノマーIが0.4〜12に対してモノマーIIが
0.2〜10、好ましくは0.3〜8である。モノマー
Iのモル比は好ましくは0.5〜10であり、0.4よ
り小さくなるとイオン交換ポリマー主鎖の成長が起こら
ずに、膜形成に必要な分子量に至らず、また、12より
大きくなるとモノマーIのみが重合した沈殿が生じてし
まい、目的とするイオン交換ポリマーが生成しない。モ
ノマーIIのモル比は、0.2より小さくなると疎水領域
と親水領域との結合ができなくなるので膜の強度が低下
し、一方モル比が10より大きくなると反応系中に湿潤
ゲルが生じてしまい、正常な攪拌が行なわれなくなる。
【0033】モノマーIII の混合モル比は上記モノマー
Iのモル比に対して、0.3〜13で、好適には0.6
〜10である。モノマーIII のモル比が0.3よりも小
さい場合は、イオン交換基の配列が困難となるので、膜
のイオン伝導度が低下し、一方13よりも大きい場合は
膜に加工した時に膜に亀裂が生じてしまい、膜形成がで
きない。
【0034】モノマーIVの混合モル比は上記モノマーI
のモル比に対して、0.01〜8.5であり、好適には
0.3〜6である。このモル比が0.01よりも小さい
時にはイオン交換基の密度が小さくなるので良好なイオ
ン伝導性を示さず、また、8.5よりも大きい場合は重
合反応系からモノマーIVのみが重合した沈殿が生じるの
で設定したモノマー構成内容での共重合反応が起こらな
くなる。
【0035】架橋剤の混合比は、上記モノマーIのモル
比に対して0.001〜4.0までのモル比範囲であ
り、好ましくは0.008〜3.5の範囲である。0.
001よりも小さい場合は重合反応時に架橋剤がポリマ
ー主鎖に衝突する回数が減少するので架橋反応が起こら
ず、また、4.0よりも大きくなる場合は、架橋剤同士
が重合したポリマーが海綿状に析出してしまうので、目
的とするイオン交換ポリマー溶液は得られない。以上の
ように、これらの混合範囲外では製膜によって得られた
イオン交換膜の強度が従来のパーフルオロアルキルスル
ホン酸膜の強度よりも低下する。
【0036】また、共重合反応する際のモノマー濃度
は、モノマーIが10mg/ml〜12g/mlであり、好ま
しくは40〜9000mg/mlである。モノマーIが10
mg/mlよりも小さい場合はイオン交換ポリマー主鎖にモ
ノマーが全く導入されず、また、12g/mlよりも大き
い場合は反応系が疎水相と親水相に分離してしまうので
共重合反応が生じない。上記においてmg/mlは、各モノ
マーの仕込み重量(mg)をその時に使用した水と有機溶
剤とからなる混合溶剤の総体積(ml)で除した値である
(モノマーの体積は含まれず、溶剤のみの体積を示
す)。
【0037】また、モノマーIIの仕込み濃度は1mg/ml
〜5g/mlであり、好適には80〜4500mg/mlであ
る。このとき1mg/mlよりも小さい濃度では、ポリマー
の成長反応速度が低下するので目的とする時間内に適切
な重合度を得ることができない。また5g/mlよりも大
きい場合は、疎水性反応開始剤の均一分散を阻害するの
で、生成するポリマーの分子量分布が幅広くなり、より
低分子領域のポリマーがキャスト膜形成を妨げてしま
う。
【0038】モノマーIII の濃度は6mg/mlから8g/
mlであり、好ましくは、12〜7000mg/mlである。
6mg/mlよりも小さい場合は単分子がランダムに共重合
するので配向相を形成せず、2g/mlよりも大きくなる
と親水性モノマーを反応溶液外に析出させてしまう。
【0039】モノマーIVの濃度は20mg/mlから10g
/mlであり、好ましくは70〜5000mg/mlである。
20mg/mlよりも小さい場合は、連鎖移動反応速度が低
下するので重合時間が非常に長くなり、一方5000mg
/mlよりも大きい場合は、疎水性モノマーの疎水−疎水
相互作用によって凝集沈殿を生じさせる。
【0040】架橋剤の仕込み濃度は0.05mg/ml〜2
g/mlであり、好ましくは0.08〜1600mg/mlで
ある。0.05mg/mlより小さい場合は、架橋反応が促
進されず、また2g/mlより大きい場合は発生するラジ
カルを消失させてしまう。
【0041】上記モノマーI〜IVを共重合させる際に用
いる重合開始剤としては、疎水性開始剤及び親水性開始
剤の混合系開始剤を用いることができる。疎水性開始剤
としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾ
イルパーオキサイド、ベンゾフェノン、過酸化−t−ブ
チルなどが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。また親水性開始剤としてはペルオキソ二硫酸アン
モニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫
酸ナトリウム、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0042】上記疎水性重合開始剤の濃度は、モノマー
I及びII及び架橋剤から成る疎水性化合物の全重量に対
して0.01〜23重量%であり、好適には0.05〜
19重量%である。0.01重量%よりも小さい場合は
重合を開始させられる程のラジカルが発生しないので、
重合反応が開始されず、一方23重量%よりも大きい場
合は、重合速度が大き過ぎるので短時間内に高分子量に
達してしまい、生成する高分子構造が無秩序に三次元網
目構造を呈してしまう。これによりキャスト法を用いる
ことは非常に困難となる。
【0043】上記親水性重合開始剤の濃度は、モノマー
III 及びIVから成る親水性化合物の全重量に対して0.
01〜18重量%であり、好ましくは0.08〜14重
量%である。0.01重量%よりも小さいときは、溶剤
中に溶解した酸素によりラジカルが消失し、一方18重
量%よりも大きいと多量に発生するラジカルにより親水
性ポリマーの分子構造が破壊されてしまう。
【0044】かかる共重合に用いる溶媒としては、水と
非プロトン性溶媒との混合溶媒を用いる。その混合比と
しては、水の容積を1部としたときに非プロトン性溶媒
を0.1部〜30部容積比になるように調製する。特に
非プロトン性溶媒の好ましい混合比としては0.5部〜
25部である。非プロトン性溶媒の混合比が0.1部よ
り小さい場合は疎水性モノマーが沈殿してしまい共重合
反応が起こらず、また、30よりも大きい時は親水性モ
ノマーがゲル化するのみで疎水性モノマーがポリマー主
鎖に導入されずに、分子量が膜形成に必要な値に到達し
ない。
【0045】このようにして得られたイオン交換樹脂の
溶液の粘度は、2センチポイズ〜60000センチポイ
ズに調整され、好適には30センチポイズ〜40000
センチポイズである。2センチポイズより小さいときは
樹脂中に多量の溶剤が残留してしまうのでイオン伝導性
が低下し、60000センチポイズよりも大きい場合は
溶液を乾燥する際に多量の気泡が発生してしまうので、
イオン伝導性が低下する。調整には、回転粘度計、同心
円筒型粘度計、毛管粘度計、落球粘度計、平行板圧縮型
プラストメーターなどを用いることができる。
【0046】次いで、かかる粘度のイオン交換樹脂溶液
を基材に流延して乾燥することにより、イオン交換膜を
得ることができる。溶液を流延する基材としては、アル
ミニウム、スチール、ニッケルなどの金属や硝子あるい
はセラミックスやプラスチック、ゴムなどを用いること
ができるが、これらに限定されるものではない。基材の
形状としては板状、円盤状、フィルム状、金属箔状、プ
ール状、波板状、管状などが挙げられるが特にこれらに
限定されず、また静置された状態でも等速度あるいは加
速度下にて直進、並進、回転、振幅等の運動を行うこと
により目的とするイオン交換膜を連続生産することがで
きる。
【0047】基材上の溶液温度分布における最高温度と
最低温度との差は30℃以内でなければならず、好適に
は20℃以内である。温度分布差が30℃を越えるとポ
リマー溶液の乾燥速度が流延された面内で相違するの
で、乾燥速度が大きい部分にポリマーが擬集してしま
い、膜厚が非連続的に不均一となるからである。
【0048】乾燥は、例えばキャスト基材をセラミック
ヒータ又は赤外線照射などを用いて加熱することにより
行なうか、あるいはキャスト膜および基材を加熱又は非
加熱状態で雰囲気を減圧することにより行なうか、キャ
スト膜と基材に加熱ロール間を通過させることにより行
うことができる。
【0049】
【実施例】本発明を、次の実施例及び比較例により説明
する。実施例1 重合反応装置として、3つ口200mlセパラブルフラス
コにオーバーヘッドスターラー、攪拌羽根付き攪拌棒、
冷却器及び窒素導入管を装着したものを用いた。反応容
器中に、モノマーIとしてジメチルエトキシビニルシラ
ン2.27g(1.7×10-2 mol)、モノマーII と
してスチレン1.95g(1.87×10-2 mol)、架
橋剤としてシアヌル酸トリアリル0.0667g(2.
68×10-4 mol)とアゾビスイソブチロニトリル0.
06g、さらにベンゾイルパーオキサイド0.10gを
N,N−ジチメルホルムアミド8mlに溶解させたもの
を、疎水モノマー溶液とした。これとは別にモノマーII
I としてアクリル酸1.1.26g(1.74×10-2 m
ol)、モノマーIVとして2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸2.77g(1.34×10-2 m
ol)、水4ml、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.06
6gを溶解したものを水溶性モノマー溶液としておく。
反応容器内部を窒素雰囲気にし、疎水モノマー溶液を攪
拌しながら親水モノマー溶液を滴下漏斗により除々に滴
下する。反応温度を室温から80℃まで上昇させ、4時
間攪拌したところ、粘稠黄色なポリマー溶液が得られ
た。
【0050】得られたポリマー溶液を回転粘度計を用い
てN,N−ジメチルホルムアミドを添加することによっ
て、溶液粘度を100センチポイズに調整した。この溶
液をロータリーエバポレーターを用いて脱泡した後、ガ
ラスフィルターG2で不純物を除去した。
【0051】キャスト板は、セラミックヒータ、銅板、
アルミ板が積層された平面構造のものを使用した。セラ
ミックヒータの加熱と銅板の高い熱伝導性により、アル
ミ平面内温度を120℃±4℃に設定した。アルミ平面
の所望面積領域ヘ、ポリマー溶液を流延した後、加熱乾
燥しながら溶媒を徐々に揮発させることによりキャスト
膜を得た。得られたキャスト膜は相対湿度80%、温度
20℃の恒温恒湿室中に12時間静置した後に金属ヘラ
を用いてアルミ板より剥離させて、イオン交換膜を得
た。
【0052】実施例2 実施例1において、モノマーIとしてビニルトリフェニ
ルシランを、モノマーIIとしてp−メチルスチレンを、
モノマーIII にアクリル酸エチルを、モノマーIVとして
ビニルスルホン酸を、架橋剤に2,4,6−トリアリロ
キシ−1,3,5−トリアジンを各々以外は、実施例1
と同様に行った。
【0053】実施例3 実施例1において、モノマーIにビニルトリエチルシラ
ンを、モノマーにIIとしてビニルナフタレンを、モノマ
ーIII としてメタクリル酸メチルを、モノマーIVとして
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
を、架橋剤としてトリアリル−1,3,5−トリアジン
−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオンを各々
用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0054】実施例4 実施例1において、モノマーIとしてビニルトリス(2
−メトキシエトキシ)シランを、モノマーIIとしてビニ
ルピリジンを、モノマーIII にとして酪酸ビニルを、モ
ノマーIVとしてp−スチレンスルホン酸を、架橋剤とし
てトリス〔2−(アクリロイロキシ)エチル〕イソシア
ン酸を各々用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0055】比較例1 商品名Nafion(パーフルオロアルキルスルホン酸膜)を
イオン交換膜とした。
【0056】
【試験例】上記実施例1〜4及び比較例1で得られたイ
オン交換膜の性能を、以下の試験に供した。
【0057】膜のイオン伝導性は次の方法により測定し
た。 (1)イオン伝導性の測定a.電気伝導度測定用セルの作製 a.1 白金電極の作製 セルとしては、その中央部に貫通した液だめ(縦0.5
cm×横1.0cm×深さ1.0cm)を有するテフロン板
(立て3.5cm×横4.5cm×高さ1.0cm)2枚を用
いた。電極として、白金箔(厚み、0.30mm)を0.
5cm×2.0cmにカットし、両面テープでテフロン板液
だめの0.5cm辺と白金箔の0.5cmの辺が正確に一致
するように貼り付けた。電極の液だめ側の端から0.7
cmの位置に保護テープを貼り、電極面積が0.35cm2
となるようにした。
【0058】a.2 白金黒のめっき 白金電極の表面積を大きくするために、次の手順により
白金電極表面に白金黒をめっきした。1/40Nの塩酸
30mlに酢酸鉛(Pb(CH3 COO)2・3H 2 O)
0.008g及び塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2
O)1gを溶解させたものをめっき液とした。このめっ
き液中に上記a. 1で作製した白金電極付テフロン板を1
個ずつ浸し、浴電圧3.0V、電流14mA、電流密度
40mA/cm2 となるように、直流電圧電流発生装置
(アドバンテストR1644)をセットした。2電極を
交互に少しずつめっきするために、約1分ごとに装置側
の+−の設定スイッチを入れ換えることにより電極の+
−を交換する操作を50分間続けた。その後、2電極を
蒸留水で洗浄し、10%希硫酸中、白金黒極板を−に、
また別の新しい白金極板を+にして10分間3Vの電圧
をかけることにより、メッキ液や吸着した塩素を除去し
た。最後に蒸留水で電極をよく洗浄し、蒸留水中に保存
した。
【0059】b.交流法(コール・コールプロット)によ
る電気伝導度測定 各イオン交換膜は、上記a.で作製したセルの液だめと白
金黒電極を覆う大きさ15mm×12mm)にカットし、2
枚のテフロン板間に挟んだ後、膜の両側の液だめに0.
03N塩酸を約0.3ml入れ、塩酸が膜の両側から膜全
体を覆うようにした。セルをスタンドに固定し、白金黒
電極をソーラトロン−インピーダンス/ゲイン−フェイ
スアナライザーSI 1260 に接続し、交流電流を高周波
側から低周波側へ電流の周波数を小さくしながらナフイ
オン膜に流した。この時の抵抗値を実数軸及び虚数軸に
対してプロットした(コール・コールプロット)。一般
的に、この場合グラフは、高周波側で半円を描いた後低
周波側では右上がりの直線の形となる。この半円の直径
がサンプルの抵抗を表わしている。本測定においては、
この半円の半径を見積り、その値から再生ナフィオン膜
−H型の電気伝導度を計算した。この測定によって膜抵
抗を得ることができる。膜中で電流が流れる距離は、セ
ルの構造上0.5cmである。従って膜の電気伝導度は次
の式により求められる。 イオン伝導度=電極間距離/〔膜断面積×抵抗〕(W−
1・cm-1)=0.5 (cm)/〔1.0 (cm)×膜厚(cm)×
膜抵抗(W) 〕
【0060】図5に従来のパーフルオロスルホン酸膜と
本発明によるイオン交換膜のイオン伝導度を示した。本
発明によるイオン交換膜のイオン伝導度はパーフルオロ
スルホン酸膜の場合の2倍大きい結果となっており、イ
オン伝導性の著しい改善が可能となったことを示してい
る。
【0061】(2)力学的相対強度の測定 (a)アクリル酸の重合度との関係 実施例1で得られるポリマーにおいて、アクリル酸の重
合度を変化させた時の引っ張り試験における力学的相対
強度を図6に示した。引っ張り試験は、幅10mm、長さ
150mmの長方形サンプルを、引っ張り試験機で、チャ
ック間距離100mm、引っ張り速度5mm/秒にて試験す
る際、サンプルが破断したときの応力をサンプル断面積
で除した引っ張り強度をFxとすると、 力学的相対強度=F1/F2 F1:本実施例により作製したサンプルの引っ張り強度 F2:従来膜(パーフルオロアルキルスルホン酸膜:商
品名 Nafion )(比較例)の引っ張り強度 により定義される値とした。その結果、図6に示すよう
にアクリル酸の重合度が600を越えると急激に力学的
相対強度が低下することが明らかとなった。
【0062】(b)モノマーIII のモル比との関係 実施例1で得られるポリマーの重合を行う際の「仕込み
モル比」において、カルボン酸誘導体系モノマーのモル
比を変化させた時の力学的相対強度を、図7に示す。力
学的相対強度は上記(a)の方法と同様にして測定し
た。
【0063】(c)架橋剤のモル比との関係 実施例1で得られるポリマーの共重合反応を行う際の架
橋剤の「仕込みモル比」と、得られたイオン交換膜の力
学的相対強度を調べた結果を、図8に示す。力学的相対
強度は上記(a)の方法と同様にして測定した。架橋剤
の「仕込みモル比」が0.001〜4.0までの範囲で
は従来の強度よりも大きかったが、この範囲以外では強
度がより低下したので、この範囲が適切であることがわ
かった。
【0064】(3)膜形成限界分子量相対値の測定 本発明のイオン交換樹脂のキャスト溶液からキャスト膜
の調製をする際に、膜形成能を示す最低の重量平均分子
量をM1とした場合に、本発明における重合方法によっ
て得られる共重合体の重量平均分子量をM2として、膜
形成限界分子量相対値を M2/M1=膜形成限界分子量相対値 で規定する。
【0065】(a)モノマーIとの関係 実施例1における共重合反応において、含金属モノマー
(モノマーI)の「仕込み濃度」と膜形成限界分子量相
対値との関係をゲルパーミュエーションクロマトグラフ
ィーによりN,N−ジメチルホルムアミドを溶媒とし
て、試料濃度3mg/ml、流速2ml/分、カラム温度70
℃、ポリスチレン分子量換算法により求めた。その結果
を図9に示す。含金属モノマーの「仕込み濃度」が10
mg/mlから12000mg/mgの範囲では膜形成限界分子
量相対値が1.0よりも大きく、膜形成能を示すが、こ
の範囲以外ではイオン交換膜を調製することができなか
った。
【0066】(b)モノマーIIとの関係 共重合反応時に用いる混合溶媒において、水を一部(容
量)とした時に非プロトン性溶媒の容積比を変化させ
て、生成するポリマーの分子量に関して、膜形成限界分
子量相対値を調べた結果を図10に示した。非プロトン
性溶媒の容積比が水に対して0.1〜30の場合に、膜
形成可能な分子量が得られることが明らかとなった。
【0067】(4)イオン伝導度相対値の測定 従来のパーフルオロアルキルスルホン酸膜(商品名:Na
fion(デュポン社製)のイオン伝導度をI −1、また本
発明によって得られたイオン交換膜のイオン伝導度をI
−2として、 I−2/I−1=イオン伝導度相対値 で規定する。実施例1におけるキャスト膜調製時のポリ
マー溶液粘度と、イオン伝導度相対値との関係を調べた
結果を、図11に示す。ポリマー溶液粘度が2センチポ
イズ〜60000センチポイズの範囲内でイオン伝導度
相対値が1.0以上になっており、これらの粘度範囲内
の溶液から調製したイオン交換膜のイオン伝導性が、従
来のパーフルオロアルキルスルホン酸膜よりも大きい値
を示した。
【0068】(5)メタノール透過度の測定 実施例1〜4までに得られたイオン交換膜(厚み180
ミクロン)をガラス透析容器に挟持することによって透
析相1と透析相2の2つの相に分割した。それぞれの相
は開放しておき、透析相1中に3重量%のメタノール水
溶液を一定量入れた。この容積と同一量の水を透析相2
に入れ、両相とも攪拌羽根を用いて100回転/分の回
転速度で相内部を攪拌した。
【0069】透析開始から24時間後、相1から相2へ
浸透してきたメタノールを一定量採取し、ガスクロマト
グラフィーによりメタノール量を定量した。パーフルオ
ロアルキルスルホン酸膜(厚み180ミクロン)を用い
て測定したときのメタノール量をMfとし、実施例n
(n=1〜4)により得られた膜を用いたときのメタノ
ール量をMnとしたとき、Mn/Mfの値を用いること
によってメタノール透過度を評価した。
【0070】その結果、実施例1〜4で得られた膜のメ
タノール透過度は従来のパーフルオロスルホン酸膜(商
品名:Nafion(デュポン社製))の場合よりも15%程
度低く、本発明によるイオン交換膜が優れたメタノール
バリアー性を有していることが明らかとなった。(図1
2)。
【0071】
【発明の効果】本発明により得られた4種の系統のモノ
マーが共重合したイオン交換ポリマー主鎖を剛直な架橋
剤を用いて架橋した高分子構造を有するイオン交換膜
は、従来のパーフルオロスルホン酸膜とは異なり電気抵
抗損失を小さくすることができた。これにより、固体高
分子型燃料電池や電気化学式センサーあるいはフラット
パネルのイオン伝導素子など多くの分野での電気エネル
ギー損失を低減することを可能にする。
【0072】特に本発明によるイオン交換膜は、メタノ
ールバリアアー性が大きいので、直接メタノール型燃料
電池に用いた場合に、メタノールがアノード側から浸透
してカソード側で酸素還元反応を阻害することにより発
生する発電効率の低下を防ぐこともできる。
【0073】また、従来のパーフルオロアルキルスルホ
ン酸膜はフッ素系のモノマーを原料としているため、単
位面積当たりの価格が高騰してしまうが、本発明による
イオン交換膜は炭化水素系のモノマーを用いているので
従来膜よりも非常に安価なものである換膜を提供でき
る。さらに、焼却廃棄の際にフッ化水素を発生しないの
で、環境にも十分配慮されたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のパーフルオロスルホン酸膜の構造を説
明する図である。
【図2】 従来のパーフルオロスルホン酸膜中のミクロ
構造を説明する図である。
【図3】 本発明のイオン交換膜のミクロ構造における
含金属イオン基によるスルホン酸基の配向性誘発の状況
を説明する図である。
【図4】 堅固な構造を有する架橋剤のイオン伝導に寄
与するプロセスを概略的に説明する図である。
【図5】 従来のパーフルオロアルキルスルホン酸膜と
本発明のイオン交換膜とのイオン伝導性を示す図であ
る。
【図6】 カルボン酸誘導体系膜の重合度と力学的相対
強度との関係を示した図である。
【図7】 カルボン酸誘導体系モノマーのモル比と力学
的相対強度との関係を示した図である。
【図8】 共重合時における架橋剤のモル比と力学的相
対強度との関係を示した図である。
【図9】 含金属系モノマーの仕込み濃度と膜形成限界
分子量相対値との関係を示した図である。
【図10】 非プロトン性溶媒の容積比と膜形成限界分
子量相対値との関係を示した図である。
【図11】 キャスト膜調製時におけるポリマー溶液粘
度とイオン伝導性との関係を示した図である。
【図12】 従来のパーフルオロアルキルスルホン酸膜
と本発明によるイオン交換膜のメタノール透過性を示す
図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の構造式(1) 【化1】 (式中、R1は水素、脂肪族誘導体基又は芳香族環誘導
    体基、Mは1〜4価の金属、R2は脂肪族誘導体基、芳
    香族環誘導体基又は存在しない場合も許容でき、R3〜
    R5は脂肪族誘導体基又は芳香族環誘導体基、R6は芳
    香族環誘導体基、R7は脂肪族誘導体基、芳香族環誘導
    体基又は存在しない場合も許容でき、R8は水素又は脂
    肪族誘導体基、R9は酸性部位を有する脂肪族誘導体基
    又は芳香族環誘導体基、R10は架橋基を3個有してい
    る脂肪族環基又は芳香族環基、p=1〜350、q=1
    〜500、x=1〜600、y=1〜300、m=1〜
    200及びn=10〜10000を示す)で表される含
    金属モノマーIと芳香族誘導体モノマーIIとカルボン酸
    誘導体モノマーIII と強酸基含有モノマーIVとから成る
    化学結合主鎖が架橋されたイオン交換樹脂から成ること
    を特徴とするイオン交換膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のイオン交換膜において、
    Mは4価の金属であり、イオン交換樹脂は、化学結合主
    鎖間を、架橋基が3個存在する架橋剤を用いて架橋され
    た構造を有することを特徴とするイオン交換膜。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のイオン交換膜にお
    いて、R1は水素又は脂肪族誘導体基、Mはけい素、R
    2は脂肪族誘導体基又は存在しない場合を許容すること
    ができ、R7は存在しないかあるいは脂肪族誘導体基、
    R9がスルホン酸基を有する脂肪族誘導体又は芳香族誘
    導体基であることを特徴とするイオン交換膜。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のイオン交換膜にお
    いて、R1が水素、Mがけい素、R2は存在せず、R3
    〜R5が酸素を含有する炭素数1〜10までの脂肪族誘
    導体基又は炭素数1〜12までの脂肪族アルコキシド、
    R6はスチレン誘導体、R7は存在せず、R8が水素又
    はアクリル酸誘導体基、R9がアクリルアミトセスルホ
    ン酸誘導体基、R10が芳香族ヘテロ環誘導体であるこ
    とを特徴とするイオン交換膜。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかの項記載のイオン
    交換膜において、モノマーIはジメチルエトキシビニル
    シラン、モノマーIIはスチレン、モノマーIII はアクリ
    ル酸、モノマーIVは2−アクリルアミド−2−メチルプ
    ロパンスルホン酸から成る共重合主鎖が、架橋剤である
    シアヌル酸トリアリルによって架橋されたイオン交換樹
    脂からなることを特徴とするイオン交換膜。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかの項記載のイオン
    交換膜を製造するにあたり、モル比にしてモノマーIが
    0.4〜12に対して、モノマーIIが0.2〜10、モ
    ノマーIII が0.3〜13、モノマーIVが0.01〜
    8.5、架橋剤が0.001〜4.0の範囲で混合して
    共重合反応を行い、イオン交換樹脂溶液を得る工程を含
    むことを特徴とするイオン交換膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のイオン交換膜の製造方法
    において、共重合反応における各モノマー仕込み濃度
    を、溶媒の容量に対する値として、モノマーIが10mg
    /ml〜12g/ml、モノマーIIが1mg/ml〜5g/ml、
    モノマーIII が6mg/ml〜8g/ml、モノマーIVが0.
    2mg/ml〜7g/ml、架橋剤が0.05mg/ml〜2g/
    mlの範囲として共重合反応を行うことを特徴とするイオ
    ン交換膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載のイオン交換膜の製
    造方法において、モノマーI及びII及び架橋剤から成る
    疎水性化合物の全重量に対して、0.05〜23重量%
    の疎水性重合開始剤と、モノマーIII 及びIVから成る親
    水性化合物の全重量に対して0.01〜18重量%の親
    水性重合開始剤とから成る疎水・親水混合重合開始剤を
    添加することを特徴とするイオン交換膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8いずれかの項記載のイオン
    交換膜の製造方法において、共重合反応における溶媒と
    して、水1部に対して、非プロトン性溶媒を0.1部〜
    30部までの容積比になるように調製した混合溶媒を用
    いることを特徴とするイオン交換膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれかの項記載のイオ
    ン交換膜の製造方法において、更に、2センチポイズ〜
    60000センチポイズの粘度に調整したイオン交換樹
    脂溶液を基材上に流延し、基材上の温度分布における最
    高温度と最低温度との差が30℃以内で樹脂溶液を乾燥
    することにより製膜することを特徴とするイオン交換膜
    の製造方法。
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