JP2001247741A - イオン伝導膜及びその製造方法 - Google Patents

イオン伝導膜及びその製造方法

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JP2001247741A JP2000063758A JP2000063758A JP2001247741A JP 2001247741 A JP2001247741 A JP 2001247741A JP 2000063758 A JP2000063758 A JP 2000063758A JP 2000063758 A JP2000063758 A JP 2000063758A JP 2001247741 A JP2001247741 A JP 2001247741A
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ion conductive
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aromatic
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Tomoaki Arimura
智朗 有村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】メタノールバリア性、耐熱性、高いイオン伝導
性、力学的強度及び低価格性を有する固体高分子燃料電
池用イオン伝導膜とその製造方法の提供。 【解決手段】芳香族系モノマーI 、イオン伝導性モノマ
ーII、高容積モノマーIII 、架橋剤IVからなる式1のイ
オン伝導性樹脂と繊維集合体とを膜状に複合する。例え
ば、Iとしてt−ブチルスチレン、IIとして2−アクリ
ルアミド−2メチルプロパンスルホン酸、IIIとしてプ
ロピルメタクリルPOSS、IVとしてビスフェノールA
グリセロレートジアクリレートを用いたイオン伝導樹脂
中にガラス不織布を複合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高いイオン伝導性
と耐熱性及びメタノールバリアー性を有するイオン伝導
膜及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大気汚染や地球温暖化などの問題解決へ
の取り組みが叫ばれている中、排気ガス抑制型自動車の
開発に対する期待が高まりを見せている。特に固体高分
子型燃料電池は、エネルギー総合効率が高く、環境性が
高いなどの様々な利点があり、新しいクリーンな電気自
動車用発電形式として期待が大きい。一般的に燃料電池
と呼ばれる発電方式は、水の電気分解の逆反応を利用し
て燃料(水素など)の持っているエネルギーを直接電気
エネルギーとして取り出すものである。一般に構成上の
特徴からリン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型及び固
体高分子型の4種類に代表される。
【0003】前記4種類に代表される中の固体高分子型
燃料電池(PEFC)に用いられているイオン伝導膜と
しては、商品名「ナフィオン」などのパーフルオロアル
キルスルホン酸の非架橋型のイオン伝導膜が用いられて
きた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記フッ素系イオン伝
導膜は高い化学的安定性と耐熱性を有しており、固体高
分子型燃料電池の実用性を高めるために重要な役割を果
たしている。しかしながら、従来用いられているフッ素
系イオン伝導膜は、本来食塩を電気分解して苛性ソーダ
と塩素ガスを工業レベルで取り出す際の隔膜として開発
されたものであって、燃料電池用の材料として開発され
たものではなく、膜抵抗が大きいことから燃料電池の発
電エネルギー効率が低下していることが指摘されてお
り、多くの改良点が課題として残されている。
【0005】また、ダイレクトメタノール型燃料電池
(DMFC)の基礎研究の分野においてもフッ素系イオ
ン伝導膜が有する多数の優位性を模倣しながら補足的に
ダイレクトメタノール型燃料電池として必要な機能を加
えて行く方法が採用される場合が多い。これらの機能と
しては、1)メタノールバリア性、2)耐熱性、3)イ
オン伝導性、4)力学的強度、5)低価格性などである
が、これらの機能は全て関連しており、これらの中で1
つの機能を向上させて行くと他の機能が低下する傾向が
有る。例えば、ダイレクトメタノール型燃料電池の場合
は現状では触媒活性が低いことから電池の稼動温度を1
30℃〜200℃まで高い温度範囲に設定しなければな
らない。しかしながら、従来膜においてはスルホン酸基
が有する高い酸性の影響によりポリマー主鎖の切断が発
生するなどの酸化分解が起こる。さらに、メタノールク
ロスオーバに起因したカソードにおける還元反応の妨害
が起こり、電池の発電効率が低下する。従って、上記の
機能をバランスよく向上させることが課題である。
【0006】本発明の目的は上記の課題に鑑みて、メタ
ノールバリア性、耐熱性、高いイオン伝導性、力学的強
度及び低価格性を有するイオン伝導膜及びその製造方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるイオン伝導膜は、(構造式1) 芳香族系モノマーI 、イオン伝導系モノマーII、高容積
モノマーIII 及び架橋剤IVからなる上記構造式1のイオ
ン伝導樹脂と繊維集合体とを膜状に複合したことを特徴
とするものである。
【0008】また、前記の芳香族系モノマーI が芳香族
系ビニルモノマーからなり、イオン伝導系モノマーIIが
酸性基を有するビニルモノマーからなり、高容積モノマ
ーIII がケイ素−酸素、ケイ素−炭素、炭素−炭素結合
の何れか1つ又は全部により立体的で篭形状を形成した
ものからなり、架橋剤IVは芳香族環からなり、有機繊維
又は無機繊維の網状、織布状、不織布状、フィブリル状
のうちから選択された繊維集合体と複合化されたことを
特徴とするものである。
【0009】さらに、前記の芳香族系モノマーI はR1
=炭素数が所要個数の芳香族官能基からなり、イオン伝
導系モノマーIIはR2=炭素数が所要個数の炭化水素部
分と所要個数のヘテロ原子を含む場合を許容するエーテ
ル、エステル、アクリルアミド、アミド、アルキル部分
及びスルホン酸基、リン酸の何れか1つ又は全部とが直
鎖又は分岐直鎖状に化学結合したイオン伝導基を有する
ものからなり、高容積モノマーIII は所要個数のケイ素
又は酸素原子によって囲まれる2個の環状化合物が、相
対するケイ素原子同士において酸素原子を介してケイ素
−酸素−ケイ素結合する場合、所要本数のケイ素−酸素
−ケイ素結合によって連結されることにより構成する篭
形状化合物において、ケイ素が所要数員環の環状脂肪族
系炭素化合物と化学結合した構造を呈する嵩さ高い官能
基を有するものからなり、架橋剤IVは芳香族環からな
り、これらのビニルモノマーが共重合及び架橋したイオ
ン伝導樹脂と合成繊維又はセラミックス、ガラス、金
属、非金属系元素化合物のうち何れかからなる網状、織
布状、不織布状、フィブリル状のうちから選択された繊
維集合体がイオン伝導膜内部に包含されたことを特徴と
するものである。
【0010】さらにまた、前記芳香族系モノマーI がt
−ブチルスチレン、イオン伝導系モノマーIIが2−アク
リルアミド−2メチルプロパンスルホン酸、高容積モノ
マーIII がプロピルメタクリルPOSS、架橋剤IVがビ
スフェノールAグリセロレートジアクリレートであるイ
オン伝導樹脂中にガラス不織布が複合化されたことを特
徴とするものである。
【0011】上記イオン伝導膜の製造方法は芳香族系モ
ノマーI の重量含有率が5%〜80%、高容積モノマー
III が0.1%〜50%、また架橋剤IVが0.02%〜
30%、疎水性重合開始剤が0.01%〜20%さらに
は有機溶剤が1%〜85%の各範囲内で構成される疎水
重合相と、イオン伝導系モノマーIIが3%〜90%、親
水性重合開始剤が0.03%〜25%また水が6%〜9
5%の各範囲で含まれる親水性重合相からなるビニルモ
ノマー溶液に対して繊維集合体をピックアップ20%〜
520%の範囲で含浸したことを特徴とするものであ
る。尚、疎水性重合開始剤としては、アゾビスイソブチ
ロニトリル、ベンゾフェノン、ベンゾイルパーオキサイ
ド、過酸化t−ブチルなどが挙げられるが、これらの開
始剤に限定されるものではない。親水性重合開始剤とし
ては、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫
酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、2,2−ア
ゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]二塩酸塩などが挙げられるが、特にこれら開始剤に
限定されるものではない。
【0012】また、上記イオン伝導膜の他の製造方法
は、芳香族系モノマーI の重量含有率が5%〜80%、
高容積モノマーIII が0.1%〜50%、また架橋剤IV
が0.02%〜30%、疎水性重合開始剤が0.01%
〜20%さらには有機溶剤が1%〜85%の各範囲内で
構成される疎水重合相と、イオン伝導系モノマーIIが3
%〜90%、親水性重合開始剤が0.03%〜25%ま
た水が6%〜95%の各範囲で含まれる親水性重合相に
対して繊維集合体をピックアップ20%〜520%の範
囲で含浸した後、合成樹脂フィルムを用いて繊維集合体
に密着させ、架橋エネルギーを繊維集合体に照射してビ
ニルモノマー及び架橋剤を重合させることを特徴とする
ものである。
【0013】上記架橋エネルギーを繊維集合体に照射す
る方法は、熱伝導体、赤外線、遠赤外線照射装置の何れ
かにより繊維集合体のビニルモノマー含浸温度が35℃
〜220℃の範囲で0.5秒〜4時間維持される条件又
は波長190nm〜700nmの範囲の紫外光又は可視
光照射器を用いてビニルモノマー含浸体表面が0.5m
W/cmから5600mW/cmの受光エネル
ギー範囲になるような照射条件、あるいは電子線照射装
置によって20Mrad・m/minから360Mra
d・m/minの範囲で電子線を0.2秒〜5時間照射
する条件で架橋エネルギー照射することを特徴とするも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。図面について、図1はフッ素系イオン伝
導膜の高分子構造、図2はフッ素系膜内部の親水−疎水
相モデル、図3はPOSS基の構造、図4はメタノール
排除性測定セル、図5は実施例1における要求特性の改
良効果、図6は実施例2.における芳香族系モノマーの
重量含有率とイオン伝導値との関係、図7は実施例3に
おけるメタノール排除性基の重量含有率と膜強度との関
係、図8は実施例4における架橋剤の重量含有率と膜強
度との関係、図9は実施例5における重合開始剤の重量
含有率とイオン伝導値との関係、図10は実施例6にお
ける有機溶剤の重量含有率とメタノール排除性値との関
係、図11は実施例7におけるイオン伝導系モノマーの
重合含有率とイオン伝導値との関係、図12は実施例8
における親水性重合開始剤の重量含有率と耐熱値との関
係、図13は実施例9における水の重量含有率と耐熱値
との関係、図14は実施例10におけるピックアップと
イオン伝導値との関係、図15は実施例11における硬
化温度と膜強度との関係、図16は実施例12における
硬化時間とメタノール排除値との関係、図17は実施例
13における紫外−可視光線波長と膜強度の関係、図1
8は実施例14における受光エネルギー密度とイオン伝
導値との関係、図19は実施例15における電子線強度
と耐熱値との関係、図20は実施例16における受光エ
ネルギー密度とイオン伝導値との関係を示すものであ
る。
【0015】尚、請求項3における前記芳香族系モノマ
ーI は、R1=炭素数が1〜20個までの芳香族官能基
からなり、これの具体的な例はスチレン、3−メチルス
チレン、4−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、s
ec−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、tran
s−β−メチルスチレン、2−クロロスチレン、3−ク
ロロスチレン、4−クロロスチレン、2−ビニルナフタ
レン、9−ビニルアントラセン、ビニルピレン、N−ビ
ニルカルバゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピ
リジン、或いは1−ビニルイミダゾールなどであるが、
これらに限定されるものではない。イオン伝導系モノマ
ーIIはR2=炭素数が1〜18個までの炭化水素部分と
1〜5個までのヘテロ原子を含む場合を許容するエーテ
ル、エステル、アクリルアミド、アミド、アルキル部分
及びスルホン酸基、リン酸の何れか1つ又は全部が直鎖
又は分岐直鎖状に化学結合したイオン伝導基を有するも
のからなり、これの具体的な例は2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン
酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリル
スルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸、ビニルプロ
パンスルホン酸、エチルジエチルホスホノアセテート、
ビニルリン酸、アリルリン酸などであるが、これらの化
合物に限定されるものではない。高容積モノマーIII は
3〜80個までのケイ素又は酸素原子によって囲まれる
2個の環状化合物が、相対するケイ素原子同士において
酸素原子を介してケイ素−酸素−ケイ素結合する場合、
3〜80本のケイ素−酸素−ケイ素結合によって連結さ
れることにより構成する篭形状化合物において、ケイ素
が3〜12員環の環状脂肪族系炭素化合物と化学結合し
た構造を呈する嵩さ高い官能基を有するものからなり、
例えばプロピルメタクリルPOSS、ビニルPOSS、
POSSアクリルアミド、アリルPOSS、メタリルP
OSS、メタクリルPOSS、アクリル酸POSS等が
挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではな
い。架橋剤IVは芳香族環からなり、これの具体的な例と
してはビスフェノールAグリセロレートジアクリレー
ト、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジアリル
フタレート、ジアリルテトラブロモフタレート、ジアリ
ルジフェニルシラン、ジアリルジフェニルホスフィン等
が挙げられるが、これらの架橋剤に限定されるものでは
ない。これらのビニルモノマーが共重合及び架橋したイ
オン伝導樹脂と合成繊維又はセラミックス、ガラス、金
属、非金属系元素化合物のうち何れかからなる網状、織
布状、不織布状、フィブリル状のうちから選択された繊
維集合体がイオン伝導膜内部に包含されたものである。
非金属系元素化合物としては炭化ケイ素、炭化ホウ素、
窒化ケイ素、窒化ホウ素などであるが、これらの化合物
に限られるものではない.上記R1、R2の炭素数、R
3のケイ素又は酸素原子個数、ケイ素−酸素−ケイ素結
合本数及びケイ素の員環数の各数値範囲が望ましい範囲
であるが、必ずしもこの各数値範囲に限定されるもので
はない。
【0016】
【実施例1】t−ブチルスチレン5.25g、2−アク
リルアミド−2メチルプロパンスルホン酸0.8g、プ
ロピルメタクリルPOSS0.25g、ビスフェノール
Aグリセロレートジアクリレート1.0gをN,N’−
ジメチルホルムアミド8ml及び水3mlの混合溶媒に
溶解させ、アゾビスイソブチロニトリル20mgを添加
して得られた溶液を20メッシュのポリプロピレンネッ
トにピックアップ250%で含浸した後、熱ロールを用
いて10℃で3分加熱架橋することにより、イオン伝導
膜を得た。尚、POSS基の構造は図3に示す通りであ
る。
【0017】上記得られたイオン伝導膜のメタノール排
除性能を次のようにして測定した。すなわち図4に示す
測定用セル構成において、メタノール透過性幅10mm
の合わせ代付きガラス円筒(内容量98ml)2個を準
備し、その間に直径70mmのイオン伝導膜を挾み込ん
で、イオン伝導膜のメタノール透過直径を50mmと
し、一方のガラス円筒内部には3重量%のメタノール水
溶液をいれ(メタノール相)、もう一方のガラス円筒内
部には蒸溜水を充填した(水相)。これらの測定セルを
組み上げた時を測定開始と定め、30分経過後の水相か
ら一部水をサンプリングした後、日立製作所G−500
0型ガスクロマトグラフ(FID検出器)を用いて分析
し水相中のメタノール濃度Miを定量した。
【0018】同様にしてフッ素系イオン伝導膜(比較
例)を用いて測定したメタノール濃度Mfとするとき、
メタノール透過抑制値を相対値として下記の式(1)の
ようにに定義した。 メタノール排除値=Mf/Mi…式(1) その結果は図5に示すように、従来、直接メタノール型
燃料電池のイオン伝導膜として用いられているフッ素系
イオン伝導膜(比較例)に比べて本発明によるイオン伝
導膜は、より高いメタノール排除性を示した。
【0019】耐熱性に関しては、次のようにして評価し
た。前記得られたイオン伝導膜から一部をサンプリング
し、TG−DTAを用いて空気中にてイオン伝導膜の熱
分解開始温度Tiを測定した。同様にして従来のフッ素
系イオン伝導膜の熱分解開始温度Tfを測定し、下記の
式(2)のように耐熱性をフッ素系膜が示す値の相対値
として定義した。 耐熱性値=Ti/Tf…式(2) その結果は図5に示すように、本発明によるイオン伝導
膜の耐熱性値は従来膜であるフッ素系膜の値より大き
く、より高い耐熱性を示した。
【0020】イオン伝導性に関しては次のようにして評
価した。縦4.0cm、横4.0cm、厚み0.5cm
のフッ素樹脂製板の中央部に縦0.5cm、横1.0c
mの液だめを刳り貫いて、縦1.0cm、横2.5c
m、厚み10ミクロンの白金箔を調製し、白金箔の1.
0cmの辺が、フッ素樹脂製板の液だめの1.0cm辺
に対して接するようにフッ素樹脂製板上に貼付した。
【0021】この板を2個作製した後に、塩化白金酸の
1/40N硝酸水溶液に浸し、浴電圧3.0V、電流密
度40mA/cmにて1時間、白金箔上に白金黒を
メッキした。このフッ素樹脂製板を1%硫酸中に浸して
対極に白金電極を用いて、白金電極側を負極、フッ素樹
脂製板の白金箔側を正極として電圧3.0Vにて10分
間通電する操作を2枚のフッ素樹脂製板のそれぞれにつ
いて行った。
【0022】このようにして得られた白金黒メッキのフ
ッ素樹脂製板2枚の間に縦1.0cm、横1.5cmに
カットしたイオン伝導膜を挾み込み、白金箔をソーラト
ロン社製インピーダンスアナライザS1−1260に接
続し、交流法により膜のイオン伝導度を算出した。本発
明によるイオン伝導値を下記の式(3)のように定義し
た。 イオン伝導値=Ii/If…式(3) If:従来のフッ素系のイオン伝導度 Ii:本発明による膜のイオン伝導度 その結果は図5に示すように、イオン伝導性においても
本発明によるイオン伝導膜の方が従来膜のイオン伝導性
よりも大きいことが判明した。
【0023】膜の強度に関しては、次のようにして評価
した。縦15cm、横0.5cmのイオン伝導膜を引っ
張り試験機に掛け、チャック間距離10cmにてサンプ
ルを引っ張りにより破断させたときの応力をイオン伝導
膜の断面積で除すことによって引っ張り強度をSi、従
来のフッ素系膜の引っ張り強度をSfとするとき、膜強
度を式(4)のように定義した。膜強度=Si/Sf…
式(4)その結果は図5に示すように、本発明による膜
強度は従来のフッ素系膜に比べて高い膜強度を有してい
た。
【0024】
【実施例2】実施例1においてイオン伝導膜を調製する
際のt−ブチルスチレンの重量含有率を変化させた場合
のイオン伝導値を測定した結果は図6に示すように、t
−ブチルスチレン重量含有率が5%〜80%の範囲にお
いてイオン伝導値が従来膜に比べて大きくなっており、
芳香族系モノマーの重量含有率は請求項5に記載した範
囲が適切である。
【0025】
【実施例3】実施例1においてイオン伝導膜を調製する
際に、プロピルメタクリルPOSSの重量含有率を変化
させたときの膜強度は図7で示すように、プロピルメタ
クリルPOSSの重量含有率が0.1%〜50%の範囲
において膜強度が従来膜の値よりも大きくなっているこ
とから、高容積モノマーの重量含有率は請求項5に記載
した範囲が妥当である。
【0026】
【実施例4】実施例1においてイオン伝導膜を調製する
際に、架橋剤としてビスフェノールAグルセロレートジ
アクリレートの重量含有率を変化させた場合の膜強度変
化は図8で示すように、0.02%〜30%の範囲で従
来膜の値よりも大きくなっており、請求項5に記載した
範囲が適切である。
【0027】
【実施例5】実施例1において疎水性重合開始剤として
アゾビスイソブチロニトリルの重量含有率を変化させた
ときのイオン伝導値は図9で示すように、疎水性重合開
始剤の重量含有率が0.01%〜20%の範囲において
従来のフッ素系膜の値より大きくなっていることから、
疎水性重合開始剤の重量含有率は請求項5に記載した範
囲は妥当である。
【0028】
【実施例6】実施例1においてイオン伝導膜を調製する
場合、有機溶剤の重量含有率とメタノール排除値との関
係は、図10で示すように、有機溶剤の重量含有率は1
%〜85%の範囲のときにメタノール排除値が従来膜の
値よりも大きくなっており、有機溶剤の重量含有率は請
求項5に記載した範囲は妥当である。
【0029】
【実施例7】実施例1においてイオン伝導膜を調製する
場合にイオン伝導系モノマーとして2−アクリルアミド
−2メチルプロパンスルホン酸の重量含有率とイオン伝
導値との関係は図11で示すように、イオン伝導値は2
−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸の重量
含有率は3%〜90%の範囲のときにイオン伝導値が従
来膜よりも大きくなっており、イオン伝導系モノマーの
重量含有率は請求項5に記載した範囲が適切である。
【0030】
【実施例8】実施例1においてイオン伝導膜を製造する
際、親水性重合開始剤としてぺルオキソニ硫酸アンモニ
ウムの重量含有率を変化させるときの耐熱値は図12に
示すように、耐熱値はぺルオキソニ硫酸アンモニウムの
重量含有率は、0.03%〜25%の範囲内において従
来のフッ素系膜の値よりも大きくなっており、親水性重
合開始剤の重量含有率は請求項5に記載した範囲が適切
である。
【0031】
【実施例9】実施例1においてイオン伝導膜を製造する
際、水の重量含有率を変化させたときの耐熱値は図13
で示すように、水の重量含有率は6%〜95%の範囲で
耐熱性が従来膜よりも大きくなっており、水の重量含有
率は請求項5に記載した範囲が適切である。
【0032】
【実施例10】実施例1においてイオン伝導膜を製造す
るとき、繊維集合体であるポリプロピレンネットをモノ
マー溶液相に含浸する際にピックアップとイオン伝導値
との関係は図14に示すように、ピックアップが20%
〜520%の範囲でイオン伝導値が従来膜よりも大きく
なっており、繊維集合体のピックアップは請求項5に記
載した範囲が妥当である。
【0033】
【実施例11】実施例1においてビニルモノマー溶液を
含浸した繊維集合体及び架橋によって硬化させる場合、
硬化温度を変化させたときのイオン伝導膜の強度は図1
5で示すように、硬化温度は35℃〜220℃の範囲に
て従来膜の値よりも大きくなっており、硬化温度は請求
項7に記載した範囲が適切である。
【0034】
【実施例12】実施例1においてイオン伝導膜の硬化時
間を変化させたときのイオン伝導膜が示すメタノール排
除値は図16に示すように、硬化時間は0.5秒〜4時
間の範囲において従来膜の物性よりも大きくなってお
り、硬化時間は請求項7に記載した範囲が適切である。
【0035】
【実施例13】実施例1におけるモノマー溶液中、疎水
性重合開始剤のアゾビスイソブチロニトリルをベンゾフ
ェノンに変化した配合内容を採用し、熱ロールの代わり
に紫外線照射装置を用いた場合、膜強度に関しては、図
17に示すように紫外線の波長が190nm〜700n
mの範囲で従来膜の値よりも大きくなっており、紫外線
照射装置による紫外線の波長は請求項7に記載した範囲
が適切である。
【0036】
【実施例14】実施例13においてビニルモノマー含浸
体表面が受ける紫外−可視光線の受光エネルギー密度を
変化させた場合は、イオン伝導膜のイオン伝導値の変化
は図18に示すように、受光エネルギー密度は0.5m
W/cmから5600mW/cmの範囲で従来
膜のイオン伝導性よりも優れており、受光エネルギー密
度は請求項7に記載した範囲が適している。
【0037】
【実施例15】実施例13において紫外線ランプの代わ
りに電子線照射装置を用いた場合の電子線の照射エネル
ギーを変化させたときのイオン伝導膜の耐熱値は図19
に示すように、20Mrad・m/min〜30Mra
d・m/minの範囲で電子線を照射したときにイオン
伝導膜が示す耐熱性は従来膜よりも大きくなったので、
電子線照射装置による電子線の照射エネルギーは請求項
7に記載した範囲が適している。
【0038】
【実施例16】実施例15において電子線の照射時間を
変化させたときのイオン伝導膜のイオン伝導値は図20
に示すように、0.2秒〜5時間の範囲で従来膜の値を
上回っており、電子線照射装置による電子線の照射時間
は請求項7に記載した範囲が適切である。
【0039】ところで、ダイレクトメタノール型燃料電
池(DMFC)においてメタノールクロスオーバは重要
な問題である。メタノールは水分とともにアノード(負
極、燃料極)からイオン伝導膜中を浸透してカソード
(正極、酸素極)へと浸透することによって電極触媒反
応を阻害するといわれている。DMFCにおける主な電
極反応は以下の通りである。 アノード:CHOH+HO→CO+6H+6e カソード:0.5O+2H+2e→HO このうち浸透してきたメタノールはカソードの還元反応
を阻害するのでDMFC全体としての出力、すなわち、
電池の発電効率は低下してしまう。
【0040】そこで、本発明はイオン伝導膜を形成する
高分子構造中にメタノール排除性官能基を導入する事に
よって膜中のメタノールの拡散を抑制した。図3に示す
ように、メタノール排除性官能基としてヘプタシクロペ
ンチルペンタシクロオクタシロキサン1−イルであるP
OSS基を導入した。図3の構造は、2個の環状のケイ
酸塩が化学結合(Si−O−Si)した形をしている。
膜中を拡散するメタノール分子は数個の水分を引き連れ
てメタノール水分子集団を形成している。前記POSS
基は篭形状構造をしているので、これらメタノール水分
子集団が篭の中に取り込まれる。
【0041】次に、ケイ素は疎水性が高く、原子半径が
約0.04nmと元素のなかではかなり小さい部類に属
しており、また高い疎水性(親油性)も有しており、疎
水性が局在化している。メタノール分子は水よりもメチ
ル基の分だけ、非常に僅かな差であるが、疎水性が大き
い。そこで、前記篭の中に取り込まれたメタノール水分
子は疎水性−疎水性相互作用により吸引されるので、水
分子よりもPOSS基から脱出する速度に遅れが生じ
る。その結果、メタノール分子はPOSS基が有する篭
効果と疎水性局在化効果とによって膜中における拡散が
抑制されるのである。尚、POSS基は疎水性が局在し
ているのでイオン伝導膜全体の疎水性を上げることなく
膜中の疎水性を上昇させることが可能である。
【0042】DMFCのイオン伝導膜に用いるためのポ
リマー分子の設計については、従来のPEFCやDMF
Cに用いられているフッ素系膜において、フッ素は基本
的にメタノールとの親和性が大きく、クロスオーバを抑
制する効果はあまり期待できない。従って、これらポリ
マーの分子設計では炭化水素系の原料(モノマー)を用
いた。
【0043】その構造材料の実施例として請求項4に記
載しているように、t−ブチルスチレンを選択した。こ
のt−ブチルスチレンはモノマーの疎水性がより大き
い。従って、より大きい疎水性−疎水性相互作用を期待
できるので、膜構造をより強固にすることができる。ま
た、架橋剤にビフェノールAタイプを用いた。この架橋
剤の構造は一般的にポリマー中で高い結合力を持ってい
る。よって、これらにより架橋強度と耐熱性を保持する
ものである。
【0044】尚、本発明によるイオン伝導膜は固体高分
子型燃料電池の他に電気化学式センサー、発光素子、ラ
ップトップパソコンのフラットパネル等に適用すること
が可能である。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によると、高いメタ
ノール排除性、耐熱性を有し、大きなイオン伝導性、膜
強度、硬化温度及び硬化時間による膜の物性等がバラン
スよく得られ、燃料電池の発電エネルギー効率を上昇さ
せたイオン伝導膜を低価格で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明フッ素系イオン伝導膜の高分子構造図
【図2】本発明におけるフッ素系膜内部の親水−疎水相
モデル
【図3】本発明におけるPOSS基の構造図
【図4】本発明において用いられるメタノール排除性測
定セルを示す図
【図5】本発明の実施例1における要求特性の改良効果
を示す棒グラフ
【図6】本発明の実施例2における芳香族系モノマーの
重量含有率とイオン伝導値との関係を示すグラフ
【図7】本発明の実施例3におけるメタノール排除性基
の重量含有率と膜強度との関係を示すグラフ
【図8】本発明の実施例4における架橋剤の重量含有率
と膜強度との関係を示すグラフ
【図9】本発明の実施例5における重合開始剤の重量含
有率とイオン伝導膜値との関係を示すグラフ
【図10】本発明の実施例6における有機溶剤の重量含
有率とメタノール排除性値との関係示すグラフ
【図11】実施例7におけるイオン伝導系モノマーの重
合含有率とイオン伝導値との関係を示すグラフ
【図12】実施例8における親水性重合開始剤の重量含
有率と耐熱値との関係を示すグラフ
【図13】本発明の実施例9における水の重量含有率と
耐熱値との関係を示すグラフ
【図14】本発明の実施例10におけるピックアップと
イオン伝導値との関係を示すグラフ
【図15】本発明の実施例11における硬化温度と膜強
度との関係を示すグラフ
【図16】本発明の実施例12における硬化時間とメタ
ノール排除値との関係を示すグラフ
【図17】本発明の実施例13における紫外−可視光線
波長と膜強度の関係を示すグラフ
【図18】本発明の実施例14における受光エネルギー
密度とイオン伝導値との関係を示すグラフ
【図19】本発明の実施例15における電子線強度と耐
熱値との関係を示すグラフ
【図20】本発明の実施例16における電子線照射時間
とイオン伝導値との関係を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/30 C08F 220/30 5H026 220/38 220/38 220/58 220/58 228/02 228/02 230/02 230/02 C08J 5/18 CER C08J 5/18 CER C08K 7/02 C08K 7/02 C08L 25/16 C08L 25/16 H01M 8/02 H01M 8/02 P Fターム(参考) 4F071 AA22X AA35X AF37 AH15 BA02 BB03 BC01 4J002 BB122 BC011 BC081 BC091 BC111 BG051 BG071 BG131 FA042 FA046 GQ02 4J011 QA09 QA11 QA12 QA20 QA39 QA40 QA42 QA43 SA21 UA01 WA10 4J015 AA03 AA10 BA05 BA06 BA14 4J100 AB00Q AB02Q AB03Q AB07P AB08Q AB15S AB16S AL08R AL66S AM21P AP01P AP07P AP16R AQ06Q AQ12Q AQ19Q BA02S BA03S BA56P BA64P BA81R BC03R BC45S BC51R CA06 JA43 5H026 AA06 BB00 BB03 CX02 CX03 CX04 CX05 EE02 EE11 EE18 HH00 HH03 HH05 HH08 HH10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(構造式1) 芳香族系モノマーI 、イオン伝導系モノマーII、高容積
    モノマーIII 及び架橋剤IVからなる上記構造式1のイオ
    ン伝導樹脂と繊維集合体とを膜状に複合したことを特徴
    とするイオン伝導膜。
  2. 【請求項2】芳香族系モノマーI が芳香族系ビニルモノ
    マーからなり、イオン伝導系モノマーIIが酸性基を有す
    るビニルモノマーからなり、高容積モノマーIII がケイ
    素−酸素、ケイ素−炭素、炭素−炭素結合の何れか1つ
    又は全部により立体的で篭形状を形成したものからな
    り、架橋剤IVは芳香族環からなり、有機繊維又は無機繊
    維の網状、織布状、不織布状、フィブリル状のうちから
    選択された繊維集合体と複合化されたことを特徴とする
    請求項1に記載のイオン伝導膜。
  3. 【請求項3】芳香族系モノマーI はR1=炭素数が所要
    個数の芳香族官能基からなり、イオン伝導系モノマーII
    はR2=炭素数が所要個数の炭化水素部分と所要個数の
    ヘテロ原子を含む場合を許容するエーテル、エステル、
    アクリルアミド、アミド、アルキル部分及びスルホン酸
    基、リン酸の何れか1つ又は全部とが直鎖又は分岐直鎖
    状に化学結合したイオン伝導基を有するものからなり、
    高容積モノマーIII は所要個数のケイ素又は酸素原子に
    よって囲まれる複数個の環状化合物が、相対するケイ素
    原子同士において酸素原子を介してケイ素−酸素−ケイ
    素結合する場合、所要本数のケイ素−酸素−ケイ素結合
    によって連結されることにより構成する篭形状化合物に
    おいて、ケイ素が所要数員環の環状脂肪族系炭素化合物
    と化学結合した構造を呈する嵩さ高い官能基を有するも
    のからなり、架橋剤IVは芳香族環からなり、これらのビ
    ニルモノマーが共重合及び架橋したイオン伝導樹脂と合
    成繊維又はセラミックス、ガラス、金属、非金属系元素
    化合物のうち何れかからなる網状、織布状、不織布状、
    フィブリル状のうちから選択された繊維集合体がイオン
    伝導膜内部に包含されたことを特徴とする請求項1に記
    載のイオン伝導膜。
  4. 【請求項4】芳香族系モノマーI がt−ブチルスチレ
    ン、イオン伝導系モノマーIIが2−アクリルアミド−2
    メチルプロパンスルホン酸、高容積モノマーIII がプロ
    ピルメタクリルPOSS、架橋剤IVがビスフェノールA
    グリセロレートジアクリレートであるイオン伝導樹脂中
    にガラス不織布が複合化されたことを特徴とする請求項
    1に記載のイオン伝導膜。
  5. 【請求項5】請求項1〜4何れかに記載のイオン伝導膜
    を製造する際に、芳香族系モノマーI の重量含有率が5
    %〜80%、高容積モノマーIII が0.1%〜50%、
    また、架橋剤IVが0.02%〜30%、疎水性重合開始
    剤が0.01%〜20%さらには有機溶剤が1%〜85
    %の各範囲内で構成される疎水重合相と、イオン伝導系
    モノマーIIが3%〜90%、親水性重合開始剤が0.0
    3%〜25%また水が6%〜95%の各範囲で含まれる
    親水性重合相からなるビニルモノマー溶液に対して繊維
    集合体をピックアップ20%〜520%の範囲で含浸し
    たことを特徴とするイオン伝導膜の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜4何れかに記載のイオン伝導膜
    を製造する際に、芳香族系モノマーI の重量含有率が5
    %〜80%、高容積モノマーIII が0.1%〜50%、
    また、架橋剤IVが0.02%〜30%、疎水性重合開始
    剤が0.01%〜20%さらには有機溶剤が1%〜85
    %の各範囲内で構成される疎水重合相と、イオン伝導系
    モノマーIIが3%〜90%、親水性重合開始剤が0.0
    3%〜25%また水が6%〜95%の各範囲で含まれる
    親水性重合相に対して繊維集合体をピックアップ20%
    〜520%の範囲で含浸した後、合成樹脂フィルムを用
    いて繊維集合体に密着させ、架橋エネルギーを繊維集合
    体に照射してビニルモノマー及び架橋剤を重合させるこ
    とを特徴とするイオン伝導膜の製造方法。
  7. 【請求項7】熱伝導体、赤外線、遠赤外線照射装置の何
    れかにより繊維集合体のビニルモノマー含浸温度が35
    ℃〜220℃の範囲で0.5秒〜4時間維持される条件
    又は波長190nm〜700nmの範囲の紫外光又は可
    視光照射器を用いてビニルモノマー含浸体表面が0.5
    mW/cmから5600mW/cmの受光エネ
    ルギー範囲になるような照射条件、あるいは電子線照射
    装置によって20Mrad・m/minから360Mr
    ad・m/minの範囲で電子線を0.2秒〜5時間照
    射する条件で架橋エネルギー照射することを特徴とする
    請求項6に記載のイオン伝導膜の製造方法。
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