JPH11302160A - 医療用粘着剤組成物及び医療用貼付剤 - Google Patents

医療用粘着剤組成物及び医療用貼付剤

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JPH11302160A
JPH11302160A JP10639598A JP10639598A JPH11302160A JP H11302160 A JPH11302160 A JP H11302160A JP 10639598 A JP10639598 A JP 10639598A JP 10639598 A JP10639598 A JP 10639598A JP H11302160 A JPH11302160 A JP H11302160A
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孝之 岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水性に優れ、貼付剤として用いた際に剥離
を生じることがない医療用粘着剤組成物、及び、皮膚刺
激性が少なく、かつ、薬物の経皮吸収効果が高い医療用
貼付剤を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸アルキルエステル4
0〜90モル%及びビニルピロリドン60〜10モル%
からなる共重合体を主成分とする医療用粘着剤組成物で
あって、上記共重合体は、吸水率が1.5%以上である
医療用粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用粘着剤組成
物及び医療用貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用貼付剤は、簡便な経皮投与手段と
して広く用いられている。医療用貼付剤としては、支持
体上に薬物を含有する粘着剤層を形成したプラスター剤
やハップ剤が主として使用されている。このような経皮
投与は、血中濃度の急激な立ち上がりを抑えることがで
きること、肝臓での代謝を回避することができること、
薬物の血中濃度を持続できること、副作用が著しい場合
に途中で投与を中止することができること等の点から有
用なものである。
【0003】医療用貼付剤は、一般に、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とする単量体組成物を溶
液重合やエマルション重合することによって得られた粘
着剤溶液に、薬物や添加剤等を配合して粘着剤組成物を
調製した後、これを支持体上に塗工し、溶媒を乾燥除去
して得られる。
【0004】これらの医療用貼付剤に用いられている医
療用粘着剤組成物としては、アクリル系粘着剤、ゴム系
粘着剤等がある。なかでも、アクリル系粘着剤は、耐熱
性、耐久性及び耐水性等の各種性能において優れたもの
であり、更には、アクリル系モノマーの組み合わせによ
って、粘着力等の要求される物性を制御することができ
るため、最も広く使用されている。
【0005】しかしながら、アクリル系粘着剤は、疎水
性であるため、ほとんど吸水性を有しておらず、医療用
貼付剤に適用して皮膚に接触させた場合、人体から発生
する汗等の水分が粘着剤界面に滞留し、貼付剤が剥がれ
たり、皮膚(角質層)が過度に水和して皮膚刺激を引き
起こす等の問題があった。
【0006】特開昭59−199628号公報には、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとビニルピロリド
ンとの共重合体からなる医療用粘着剤組成物を用いた医
療用貼付剤が開示されている。このものは、貼付後、短
時間で薬効を発揮させることができ、かつ、その薬効を
長時間持続させうる。
【0007】このような医療用粘着剤の製造方法として
は、特開昭60−161917号公報には、重合初期に
おいて、ビニルピロリドンの全使用量の90重量%以上
と(メタ)アクリル酸アルキルエステルの全使用量の3
0〜80重量%とを共存させ、重合開始後にビニルピロ
リドン及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルの残量
を逐次添加して共重合する方法が開示されている。この
技術では、薬物の変質、劣化、悪臭(モノマー臭)、皮
膚刺激性、かぶれ、粘着剤の軟化・劣化等の原因となる
ビニル化合物の未反応残留量が飛躍的に減少し、薬物の
再放出性が著しく向上する。
【0008】(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び
ビニルピロリドンからなる共重合体を用いた医療用粘着
剤組成物は、共重合体中に吸水性を有しているビニルピ
ロリドンを含んでいるため、一般的なアクリル系粘着剤
と比べて吸水性はあるものの、長時間貼付した場合に
は、一般的なアクリル系粘着剤と同様の問題があった。
【0009】ところで、医療用貼付剤を使用する際に
は、皮膚刺激を抑えることが重要な課題である。医療用
貼付剤による皮膚刺激には、感作性に起因するもののほ
か、接触による一次刺激性のものがあり、感作を起こさ
ない材料を用いても、医療用貼付剤を剥がした後に皮膚
に赤みが残ったり、色素沈着が生じることがある。
【0010】このため、従来より、さまざまな方法で皮
膚刺激の低減化が検討されてきた。例えば、プラスター
剤は、粘着剤層が疎水性であるため、皮膚からの水分排
泄が阻害され、皮膚刺激を引き起こすことが知られてお
り、この現象を回避することが行われている。
【0011】特開平6−256183号公報には、皮膚
刺激低減化効果のあるポリオキシアルキレングリコー
ル、そのブロック共重合体及びこれらの誘導体からなる
群より選択された少なくとも1つの吸湿性物質を多量に
含有した医療用貼付剤が開示されている。特開平7−2
03710号公報には、エラストマー及び吸湿性物質が
分散状態の粘着剤層からなり、剥離時には適用面上に吸
湿性物質の一部が残留することにより、皮膚刺激性を低
減する方法が開示されている。
【0012】一般に、吸湿性物質の皮膚刺激低減化効果
は、固体のものよりも液状のもののほうが優れている
が、医療用粘着剤として広く使用されているアクリル系
粘着剤が疎水性であるため、液状の吸湿性物質との相溶
性が極めて低く、粘着剤層から吸湿性物質がブリードア
ウトしてしまう問題があり、現実的には、皮膚刺激低減
化を行う際には、固体の吸湿性物質だけを選択してい
る。
【0013】しかしながら、固体の吸湿性物質は、液状
の吸湿性物質よりも吸湿性が低いため、充分な皮膚刺激
低減化効果を得るためには、多量に含有させる必要があ
る。この場合、固体の吸湿性物質は、アクリル系粘着剤
と相溶しないため、分散して存在しており、均一性や造
膜性に問題が生じる場合があった。
【0014】特開平7−236016号公報には、ハッ
プ剤のような含水系ゲル状膏体を用い、剥離力を和らげ
るとともに吸水性をもたせて蒸れを防ぐ方法が開示され
ている。しかしながら、この技術では、水で分解しやす
い薬物は適用できないこと、疎水性の高い薬物では、投
与量を確保するために、ある程度の面積が必要となる等
の問題があり、使用できる薬物が限定される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、吸水性に優れ、貼付剤として用いた際に剥離を生じ
ることがない医療用粘着剤組成物、及び、皮膚刺激性が
少なく、かつ、薬物の経皮吸収効果が高い医療用貼付剤
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル40〜90モル%及びビニルピ
ロリドン60〜10モル%からなる共重合体を主成分と
する医療用粘着剤組成物であって、上記共重合体は、吸
水率が1.5%以上である医療用粘着剤組成物である。
以下に本発明を詳述する。
【0017】本発明の医療用粘着剤組成物は、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル40〜90モル%及びビニ
ルピロリドン60〜10モル%からなる共重合体を主成
分とする。本明細書中、「(メタ)アクリル酸」とは、
メタクリル酸及びアクリル酸の双方を意味する。
【0018】上記共重合体は、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル及びビニルピロリドンからなる。上記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとしては特に限定され
ず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デ
シル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル
酸ステアリル等が挙げられる。これらは単独で使用して
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】上記ビニルピロリドンは、一般に、γ−ブ
チロラクトンとエタノールアミンとから合成した1−
(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンのヒドロキ
シル基を塩化チオニルで塩素化した後、脱塩化水素して
合成されるN−ビニル−2−ピロリドンである。
【0020】上記共重合体において、上記(メタ)アク
リル酸アルキルエステル及び上記ビニルピロリドンの構
成比率は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜
90モル%及びビニルピロリドン60〜10モル%であ
る。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの構成比
率が40モル%未満であると、形成される粘着剤層の粘
着性が低下し、90モル%を超えると、粘着剤層に含有
される薬物の初期徐放性が低下することがあるので、上
記範囲に限定される。
【0021】上記共重合体を形成する際、上記(メタ)
アクリル酸アルキルエステル及び上記ビニルピロリドン
を含んでなる単量体組成物には、必要とする粘着物性に
応じて、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共
重合可能な単量体が添加されていてもよい。
【0022】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と共重合可能な単量体としては特に限定されず、例え
ば、酢酸ビニル、ジアセトンアクリルアミド、アクリロ
ニトリル、ジメチルアクリルアミド、エチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等が挙げ
られる。
【0023】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と共重合可能な単量体の添加量は、医療用粘着剤組成物
の粘着性、凝集性に悪影響を及ぼさない範囲であって、
上記単量体組成物全体の40モル%以下が好ましい。
【0024】また、上記単量体組成物には、1分子中に
重合性二重結合を2個以上有する多官能性単量体が添加
されていてもよい。上記多官能性単量体を添加すること
によって、得られる共重合体が部分的に架橋され、いわ
ゆる「微架橋」された状態となり、より重合度の高い共
重合体を得ることができる。この微架橋により、医療用
粘着剤組成物に適度の凝集性が付与されるとともに、接
着性が高められ、剥離の際の糊残りを防止することがで
きる。また、上記共重合体を含んでなる粘着剤溶液の安
定性を向上させることができる。
【0025】上記多官能性単量体としては特に限定され
ず、例えば、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリル
アミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキシレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0026】上記多官能性単量体の添加量は、上記単量
体組成物100モルに対して、0.001〜0.1モル
が好ましい。0.001モル未満であると、凝集効果を
得ることができず、0.1モルを超えると、反応液がゲ
ル化しやすくなるか、ゲル化しなくても長時間溶液状態
で安定に保つことが難しくなる。より好ましくは、0.
003〜0.07モルである。
【0027】上記共重合体は、吸水率が1.5%以上で
ある。ここで、「吸水率」とは、25℃、相対湿度90
%に調整された雰囲気下に10日間保存した後の重量率
をいい、初期重量に対する増加量の割合で表されるもの
であり、吸水性の指標とされる。
【0028】上記吸水率が1.5%未満であると、貼付
剤として皮膚等に貼付した際に、貼付剤の剥がれや皮膚
の過度の水和が生じるおそれがあり、また、後で詳述す
る吸湿性物質を添加して、貼付剤とした場合、吸湿性物
質が粘着剤層からブリードアウトしてしまうので、上記
範囲に限定される。
【0029】上記共重合体の吸水性は、構成成分の一つ
であるビニルピロリドンに起因し、特に、ビニルピロリ
ドンが共重合体中にブロック状で存在することにより有
意に増大する。従って、上記共重合体は、ビニルピロリ
ドンのブロック共重合体やグラフト共重合体であること
が好ましい。このような共重合体は、マクロモノマー、
反応性モノマー、リビング重合等の通常のブロック共重
合体やグラフト共重合体を得るために用いられる方法等
により得ることができる。
【0030】また、上記共重合体は、ビニルピロリドン
のブロック共重合体やグラフト共重合体のようにビニル
ピロリドンが完全にブロック状に存在しているものでな
くてもよく、ビニルピロリドンがリッチな共重合組成を
有していればよい。このような共重合体は、例えば、以
下のようにして製造することができる。
【0031】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の全使用量のうち0.1〜5重量%と、上記ビニルピロ
リドンの全使用量のうち90重量%以上とが共存する単
量体組成物を用いて溶液重合を開始した後、少なくとも
重合初期における単量体組成物中での上記(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの割合が35重量%以下となる
ように、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの残
量及び上記ビニルピロリドンの残量を逐次添加して重合
することにより共重合体を得る。なお、本明細書中、
「重合初期」とは、重合率が10%以下の状態を意味す
る。
【0032】上記溶液重合においては、まず、重合反応
器に窒素ガスをパージして、重合反応器内に残存する空
気を排出し、窒素置換し、ついで、重合反応器に予め窒
素バブリングにより溶存酸素を除去した所定量の単量体
組成物及び溶剤を供給し、所定の重合温度に昇温した
後、必要に応じて、重合開始剤を添加して共重合反応を
進めることができる。
【0033】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と上記ビニルピロリドンとは、共重合反応性が大きく異
なり、共重合反応において、上記(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルが急激に消費されるのに対して、上記ビ
ニルピロリドンの消費速度は相対的に遅いことが知られ
ている。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
50モル%とビニルピロリドン50モル%とを共重合す
ると、共重合反応性比から、瞬間的には、おおよそ(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル70モル%及びビニル
ピロリドン30モル%の共重合体が生成し、ビニルピロ
リドンよりも(メタ)アクリル酸アルキルエステルが急
速に消費されることが計算される。
【0034】従って、上記(メタ)アクリル酸アルキル
エステル及び上記ビニルピロリドンを含んでなる単量体
組成物から得られる共重合体の組成は、マクロ的には単
量体の仕込み組成比と一致するが、共重合の進行に伴っ
て上記単量体組成物の組成比が変化するため、単量体を
反応開始前に一括投入すると、反応の開始から終了まで
に、ビニルピロリドンの構成比率の幅がかなり広い共重
合体が生成するものと推測される。
【0035】このように、(メタ)アクリル酸アルキル
エステルが急速に消費されて、上記単量体組成物中のビ
ニルピロリドンの残存比率が高まる結果、ビニルピロリ
ドンの多いブロック連鎖、すなわち、ビニルピロリドン
がリッチな共重合組成である共重合体が得られることに
なる。このような共重合体を主成分とする医療用粘着剤
組成物は、吸水率が著しく増大するものと推測される。
【0036】上記共重合においては、上述したように、
反応の進行に伴って(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルが急激に消費されるので、少なくとも重合初期におけ
る上記単量体組成物中の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの割合を35重量%以下、好ましくは、30重量
%以下に保つように、逐次(メタ)アクリル酸アルキル
エステルの残量及びビニルピロリドンの残量を添加して
溶液重合を進めることが好ましい。上記(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの残量及び上記ビニルピロリドン
の残量は、窒素バブリングしてから添加される。
【0037】上記溶液重合に用いられる溶剤としては特
に限定されず、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
酸ブチル等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系溶剤;ベンゼン、トルエン
等の芳香族系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等のセロソルブ系溶剤等が挙げられる。これらは単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】上記重合開始剤としては、例えば、一般に
用いられている熱ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、例
えば、パーオキシカーボネート、ケトンパーオキサイ
ド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド;ラ
ウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等
のジアルキルパーオキサイド;ジアシルパーオキサイ
ド;パーオキシエステル等の有機過酸化物;2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイ
ソ酪酸ジメチル等のアゾ化合物等が挙げられる。これら
は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0039】上記重合開始剤の添加量は、上記共重合体
を構成する単量体100重量部に対して、0.0001
〜5重量部が好ましい。上記重合開始剤は、所定量を一
括して供給してもよく、分割して供給してもよい。
【0040】上記溶液重合においては、上記単量体組成
物、上記溶剤、上記重合開始剤のほか、必要に応じて、
通常、重合反応に用いられる添加剤等を添加していても
よい。
【0041】本発明の医療用粘着剤組成物は、更に、4
0℃以下で液状である吸湿性物質を含んでなるものが好
ましい。上記吸湿性物質としては特に限定されず、例え
ば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、エチレングリコール−プロピレングリコー
ルブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ルエーテル等が挙げられる。これらは単独で使用しても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0042】なかでも、グリセリン、プロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、分子量200〜6
00のポリエチレングリコールが好ましい。これらは、
いずれも、吸湿性が高く、皮膚に適用しても刺激性が極
めて低い安全な物質である。なお、上記ポリエチレング
リコールは、分子量200〜600のものが、常温で液
体であり、この範囲以上の分子量では、固体状である。
【0043】上記吸湿性物質の添加量は、医療用粘着剤
組成物中、10〜40重量%が好ましい。10重量%未
満であると、皮膚刺激性低下の効果が充分ではなく、4
0重量%を超えると、形成される粘着剤層の内部凝集力
が過度に低下し、剥離時に糊残りが生じたりする。より
好ましくは、15〜35重量%である。
【0044】本発明の医療用粘着剤組成物には、必要に
応じて、40℃以下で液状である吸湿性物質以外の吸湿
性物質が添加されていてもよい。上記吸湿性物質として
は特に限定されず、高分子量のポリエチレングリコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ソ
ルビトール、乳酸ソーダ、2−ピロリドン−5−カルボ
ン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
デキストリン、ペクチン、ゼラチン等が挙げられる。
【0045】本発明の医療用粘着剤組成物は、更に、薬
物を含んでいてもよい。上記薬物としては特に限定され
ず、例えば、インドメタシン、ケトプロフェン等の消炎
鎮痛剤;ニトログリセリン、硝酸イソソルビド等の冠血
管拡張剤;ニフェジピン、クロニジン等の降圧剤;エス
トラジオール、プロゲストロン等のステロイドホルモン
剤;リドカイン等の麻酔剤;プレドニゾロン、デキサメ
タゾン等のステロイド系抗炎症剤;ジフェンヒドラミ
ン、クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;フルフェ
ナジン等の精神安定剤;テトラサイクリン等の抗生物
質;塩化ベンザルコニウム等の抗菌性物質;5−フルオ
ロウラシル、シスプラチン等の抗腫瘍剤;性ホルモン;
脳循環改善剤等が挙げられる。
【0046】上記薬物の添加量は、薬物の種類によって
も異なるが、通常、医療用粘着剤組成物中、0.1〜3
0重量%が好ましい。
【0047】また、本発明の医療用粘着剤組成物には、
必要に応じて、吸収促進剤、薬物溶解剤、粘着付与剤、
充填剤、酸化防止剤等が添加されていてもよい。
【0048】本発明の医療用粘着剤組成物は、吸水率が
1.5%以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル4
0〜90モル%及びビニルピロリドン60〜10モル%
からなる共重合体を主成分としているので、吸水性に優
れたものであり、医療用貼付剤に好適に使用することが
できる。
【0049】また、本発明の医療用粘着剤組成物は、上
記共重合体を溶液重合させる際に、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルの全使用量の0.1〜5重量%とビニ
ルピロリドンの全使用量の90重量%以上とを共存さ
せ、重合開始後、少なくとも重合初期に単量体組成物中
における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が
35重量%以下となるように、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル及びビニルピロリドンの残量を逐次添加し
て共重合した場合、吸水性の高いビニルピロリドンがリ
ッチな共重合組成である共重合体の生成を促進すること
が可能である。
【0050】本発明2は、支持体の片面に、上記本発明
の医療用粘着剤組成物と薬物(レボドパ及びその薬学上
許容されるエステルを除く)とからなる薬物含有粘着剤
層を設けてなる医療用貼付剤である。
【0051】上記支持体としては、皮膚表面の動きに追
従できる柔軟性と、薬物及びその他の添加物の散逸を防
ぐバリヤー性を有するものが好適である。このような支
持体としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリブテン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体
等のオレフィン系重合体又は共重合体;スチレン−イソ
プレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−ス
チレン共重合体、これらの水素添加物等のスチレン系共
重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−スチレ
ン共重合体等の塩化ビニリデン系重合体又は共重合体;
ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化
ビニル−アクリル酸アルキルエステル共重合体等の塩化
ビニル系重合体又は共重合体;シリコン樹脂;ポリフッ
化エチレン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系共重合体;ポリウ
レタン;ポリアミド等を素材とする樹脂フィルム、織
布、不織布等の単体;これらの積層体等が挙げられる。
【0052】上記支持体の形状としては特に限定され
ず、任意の形状であってもよく、例えば、フィルム状、
シート状、テープ状等が挙げられる。
【0053】上記支持体の厚みは、支持体を形成する材
料により異なるが、例えば、フィルム状の場合には、5
00μm以下が好ましい。より好ましくは、40〜20
0μmである。
【0054】上記支持体は、上記薬物含有粘着剤層との
接着性を高めるために、必要に応じて、上記薬物粘着剤
層を形成される側に、予め下塗り加工、コロナ放電処
理、薬品酸化処理、オゾン処理等の前処理が施されてい
てもよい。
【0055】本発明2の医療用貼付剤は、粘着テープ製
造の常法、例えば、溶剤塗工法に従って製造することが
できる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル40〜90モル%及びビニルピロリドン6
0〜10モル%からなる共重合体を含む粘着剤溶液に、
薬物、及び、必要に応じて、その他の添加物を配合し、
支持体の片面に塗工した後、溶剤を乾燥して除去するこ
とにより、支持体の片面に薬物含有粘着剤層が形成され
た医療用貼付剤を得ることができる。また、薬物を含有
した粘着剤溶液を剥離紙上に一旦塗工し、乾燥させて薬
物含有粘着剤層を形成した後、該薬物含有粘着剤層を支
持体に転写、積層してもよい。
【0056】上記剥離紙としては特に限定されず、例え
ば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリエチレンテレフタレートフィルム等のフィルム等が
挙げられる。上記剥離紙の厚みは、通常、300μmい
かが好ましい。より好ましくは、10〜200μmであ
る。
【0057】上記塗工の方法としては特に限定されず、
例えば、バーコーター、グラビア塗工等の通常の粘着剤
塗工方法を用いることができる。
【0058】上記薬物含有粘着剤層の厚みは、20〜1
000μmが好ましい。20μm未満であると、必要量
の薬物を含有させることが困難となり、1000μmを
超えると、支持体付近の粘着剤層に含有される薬物が充
分に拡散せず、薬物利用効率が低下する。
【0059】本発明2の医療用貼付剤は、吸水率が1.
5%以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜
90モル%及びビニルピロリドン60〜10モル%から
なる共重合体を用いているので、吸水性に優れており、
また、40℃以下で液状である吸湿性物質を多量に含ん
でいても、該吸湿性物質を安定的に保持することが可能
である。このため、本発明2の医療用貼付剤は、長時間
にわたって貼付しても、貼付中の皮膚からの水分蒸散を
吸湿性物質を介して外界に逃すことができ、水分排泄阻
害による皮膚刺激を低減することができる優れた医療用
貼付剤である。
【0060】また、本発明2の医療用貼付剤は、親水性
の低い薬物や、含水系では分解されやすい薬物を投与す
る場合に極めて有用である。すなわち、ハップ剤等の含
水系貼付剤では、経皮投与することができない薬物を、
患者の皮膚をかぶれさせることなく、持続的に経皮投与
することができる。
【0061】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0062】実施例1〜6 粘着剤溶液の調製 攪拌棒、温度計、還流冷却器、窒素導入管及び滴下ロー
トを取り付けた5つ口フラスコを用いた。表1に示した
所定量の単量体組成物及び酢酸エチルを投入した後、窒
素置換した。更に、窒素置換を行いながら、30rpm
の回転数で攪拌し、昇温を開始した。ついで、窒素気流
中、沸点下で約30分還流を行って余剰酸素を排出した
後、この単量体組成物溶液(重合初期)を70℃に保っ
た。
【0063】開始剤溶液として、ラウロイルパーオキサ
イド1.0gを全量30mlになるように酢酸エチルに
溶解した溶液を調製し、この溶液を1ml/時間の割合
で、上記単量体組成物溶液に滴下しながら共重合を行っ
た。更に、重合を開始してから、表1に示した所定時間
経過後に、表1に示した所定量の窒素バブリングした単
量体組成物の酢酸エチル溶液を添加して投入し、共重合
を継続した。重合開始から35時間経過した時点で共重
合を停止し、固形分が30重量%となるように酢酸エチ
ルを投入して混合し、粘着剤溶液(1)〜(6)を得
た。
【0064】比較例1〜5 粘着剤溶液の調製 表1に示した条件に変更したこと以外は、実施例1と同
様にして重合を行った。重合反応終了後、固形分濃度が
30重量%となるように酢酸エチルを投入して混合し、
粘着剤溶液(7)〜(11)を得た。
【0065】
【表1】
【0066】なお、表中、EHAは、アクリル酸2−エ
チルヘキシルであり、VPは、ビニルピロリドンであ
り、EAは、アクリル酸エチルであり、OAは、アクリ
ル酸n−オクチルであり、EtOAcは、酢酸エチルで
ある。
【0067】吸水率測定 得られた粘着剤溶液(1)〜(11)を、乾燥後の厚み
が300μmとなるようにポリエチレンテレフタレート
フィルム上に延展後、60℃で1時間乾燥し、シートサ
ンプルを得た。ついで、シートサンプルを100cm2
の大きさに裁断し、吸水率測定試料を作製した。各試料
は、真空乾燥機を用いて完全に水分を除去した後、重量
(W1)を測定した。更に、試料を25℃、相対温度9
0%の恒温恒湿槽に10日間保存した後、重量(W2)
を測定した。また、試料に用いたポリエチレンテレフタ
レートフィルムは、恒温恒湿槽保存前後で重量変化がな
いことを確認し、各試料に用いたポリエチレンテレフタ
レートフィルムの重量(W0)を測定した。各粘着剤溶
液の吸水率は、下記の式により算出した。 吸水率(%)=(W2−W1)/(W1−W0) 結果を表2に示した。
【0068】
【表2】
【0069】表2に示したように、実施例1〜6の粘着
剤溶液の吸水率は、いずれも1.5%以上であるのに対
し、比較例1〜5の粘着剤溶液は、いずれも1.5%未
満の吸水率であった。実施例1〜4と比較例1〜4、実
施例5、6と比較例4、5は、(メタ)アクリル酸アル
キルエステルとビニルピロリドンとの共重合組成比が同
じであるが、その製造(重合)方法により吸水率が異な
ることが認められた。
【0070】実施例7〜14、比較例6〜13 貼付剤
の調製 表3に示した組成で、粘着剤溶液及び吸水性液状成分を
加え、全体が均一になるように混合し、塗液を得た。得
られた各塗液を、乾燥後の厚みが80μmとなるよう
に、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に延展後、
60℃で30分間乾燥し、粘着剤層を形成した。この粘
着剤層に、ポリエステル12μm/エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂20μmのラミネートフィルムを貼り合わ
せて貼付剤を得た。
【0071】
【表3】
【0072】なお、表中、*1は、分子量400のポリ
エチレングリコールであり、*2は、分子量600のポ
リエチレングリコールである。
【0073】皮膚刺激性評価 実施例7〜14及び比較例6〜13で得られた貼付剤を
3.14cm2 に打ち抜き、試験片とした。モルモット
(ハートレー系、雄、5週齢)の腹部を剃毛し、各試験
片を貼付し、その上からガーゼで覆って絆創膏で固定し
た。貼付24時間後、各試験片を剥離し、その30分後
の貼付部皮膚の紅斑状態を目視で観察し、紅斑の生成状
態をドレイズ法に従って、下記の基準で評価した。試験
は、各試験片につき、6匹で行い、評点の平均値を各貼
付剤の皮膚刺激指数とした。結果を表4に示した。 0:紅斑なし 1:非常に軽度の紅斑(やっと認められる程度) 2:明らかな紅斑 3:中程度ないし強い紅斑 4:深赤色の強い紅斑と軽いか皮形成
【0074】安定性評価 実施例7〜14及び比較例6〜13で得られた各貼付剤
をアルミ包材で密封し、25℃の恒温槽で保存した。保
存1カ月後、各貼付剤の膏体屑を観察し、ブリードの有
無を評価した。結果を表4に示した。 ○:ブリードなし ×:ブリードあり
【0075】
【表4】
【0076】表4から、安定性評価では、実施例7〜1
4のいずれもブリードアウトを認めていないのに対し
て、吸水率の低い粘着剤溶液を用い、吸湿性液状成分を
多量含有した製剤(比較例7、10、13)は、いずれ
も吸湿性液状成分のブリードアウトが認められた。ま
た、実施例7〜14は、いずれも皮膚刺激指数1.8以
下の低刺激性であるのに対し、比較例6、8、9、1
1、12は、皮膚刺激指数が2.0以上であることが認
められた。また、比較例7は、剥離時に糊残りが多量発
生し、比較例10、13は、いずれも吸湿性液状成分が
ブリードアウトしているため、粘着性が著しく低下して
おり、皮膚刺激性評価の際、貼付剤の剥がれが生じてい
た。
【0077】実施例15〜19、比較例14〜18
付剤の調製 表5に示した組成で、粘着剤溶液、吸水性液状成分、薬
物及び添加剤を加え、全体が均一になるように混合し、
塗液を得た。との塗液を、乾燥後の厚みが80μmとな
るようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に延展
後、60℃で30分間乾燥し、粘着剤層を形成した。こ
の粘着剤層に、ポリエステル12μm/エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂20μmのラミネートフィルムを貼り
合わせて貼付剤を得た。
【0078】
【表5】
【0079】なお、表中、*1は、分子量400のポリ
エチレングリコールであり、BL−9は、ポリオキシエ
チレン(9)ラウリルエーテルである。
【0080】得られた各貼付剤について、実施例7と同
様にして、皮膚刺激性評価及び安定性評価を行った。結
果を表6に示した。また、以下の薬物放出性評価を行っ
た。
【0081】薬物放出性評価 ヘアレスマウス(雄、7週齢)の皮膚透過試験により行
った。ヘアレスマウスの背部摘出皮膚をフランツの拡散
セルに固定し、皮膚の上側に3.14cm2 に打ち抜い
た貼付剤を試験片として貼りつけた。貼付後24時間ま
で皮膚下側に設けられたレセプター液を経時的にサンプ
リングし、液中の薬物量を高速液体クロマトグラフ法に
より測定し、24時間における薬物透過量(μg/cm
2 )を求めた。結果を表6に示した。
【0082】
【表6】
【0083】表6より、薬物放出性評価では、実施例1
5、16が、吸湿性液状成分を含有しない比較例15に
比べ、有意に高いことが認められた。また、安定性評価
から、吸湿性液状成分を多量に含有している実施例15
〜19では、いずれもブリードアウトが認められないの
に対して、吸水率の低い粘着剤溶液を用い、吸湿性液状
成分を多量に含有した製剤(比較例14、16、18)
では、いずれも吸湿性液状成分のブリードアウトが認め
られた。更に、実施例15〜19は、いずれも皮膚刺激
指数1.8以下の低刺激性であり、特に、吸湿性液状成
分の含有量だけが異なる実施例18と比較例17とで、
皮膚刺激性が大きく異なることが認められた。また、比
較例14、16、18は、いずれも吸湿性液状成分がブ
リードアウトしているため、粘着性が著しく低下してお
り、薬物放出性評価、皮膚刺激性評価の際、貼付剤の剥
がれが生じていた。
【0084】
【発明の効果】本発明の医療用粘着剤組成物は、上述の
構成よりなるので、吸水性が高く、また、特定の製造方
法により製造された場合には、ビニルピロリドンがリッ
チな共重合組成である共重合体の生成を促進するため、
より吸水性を高めることができ、長時間皮膚に貼付して
も、人体から発生する汗等の水分による貼付剤の剥がれ
や皮膚の過度の水和が生じないため、医療用貼付剤に好
適に用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステル4
    0〜90モル%及びビニルピロリドン60〜10モル%
    からなる共重合体を主成分とする医療用粘着剤組成物で
    あって、前記共重合体は、吸水率が1.5%以上である
    ことを特徴とする医療用粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸アルキルエステル4
    0〜90モル%及びビニルピロリドン60〜10モル%
    からなる共重合体は、前記(メタ)アクリル酸アルキル
    エステルの全使用量のうち0.1〜5重量%と、前記ビ
    ニルピロリドンの全使用量のうち90重量%以上とが共
    存する単量体組成物を用いて溶液重合を開始した後、少
    なくとも重合初期における単量体組成物中での前記(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステルの割合が35重量%以
    下となるように、前記(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テルの残量及び前記ビニルピロリドンの残量を逐次添加
    して重合してなるものである請求項1記載の医療用粘着
    剤組成物。
  3. 【請求項3】 更に、40℃以下で液状である吸湿性物
    質を含んでなる請求項1又は2記載の医療用粘着剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 40℃以下で液状である吸湿性物質は、
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜90モル%
    及びビニルピロリドン60〜10モル%からなる共重合
    体60〜90重量%に対して、10〜40重量%含有さ
    れる請求項3記載の医療用粘着剤組成物。
  5. 【請求項5】 40℃以下で液状である吸湿性物質は、
    グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレン
    グリコール、及び、分子量200〜600のポリエチレ
    ングリコールからなる群より選択される少なくとも1種
    である請求項3又は4記載の医療用粘着剤組成物。
  6. 【請求項6】 支持体の片面に、請求項1、2、3又は
    4記載の医療用粘着剤組成物と薬物(レボドパ及びその
    薬学上許容されるエステルを除く)とからなる薬物含有
    粘着剤層を設けてなることを特徴とする医療用貼付剤。
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