JPH1130186A - Ｂｉｂ式飲料ディスペンサのチューブ式ポンプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】構造簡素化，コスト低減化を狙いに、飲料ディ
スペンサに搭載した２個のＢＩＢに対し、ポンプ駆動モ
ータを１台設置するだけで各ＢＩＢから飲料を個別に抽
出できるように改良したチューブ式ポンプ装置を提供す
る。 【解決手段】飲料入りＢＩＢ１から下方に引き出した吐
出チューブ９の配管途上に配置し、チューブを扱いて飲
料を抽出するチューブ式ポンプ装置で、該ポンプが駆動
モータ６に連結したローラ５ａ付きのロータ５と、該ロ
ータの周上に吐出チューブを挟んで対向するチューブガ
イド７とからなるものにおいて、ロータを可逆転式駆動
モータに連結し、かつロータの左右両側に２組のチュー
ブガイドを配置するとともに、２個のＢＩＢ＃１，＃２
から個々に引出した吐出チューブをロータと左右のチュ
ーブガイドとの間に挟み込み、駆動モータの正転，逆転
に合わせてＢＩＢ＃１，＃２から個別に飲料を抽出する
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ＢＩＢ式飲料デ
ィスペンサ、特に２種類のＢＩＢ製品（飲料）を搭載し
た２フレーバ機の飲料ディスペンサ用として好適なチュ
ーブ式ポンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】昨今では、レストラン，ファストフード
店などに設置して果汁などのシロップ飲料の販売に使用
するＢＩＢ式飲料ディスペンサが広く普及している。こ
のＢＩＢ式飲料ディスペンサは、果汁などの濃縮飲料を
密閉状態に収容したＢＩＢ（Bag in Box：ビニールシー
トなどで作られたバッグに濃縮飲料を密閉状態に収容
し、このバッグをダンボール製の箱に格納したもの）を
ディスペンサの冷蔵庫内に収容セットして保冷するとと
もに、ＢＩＢから下方に引き出した飲料吐出チューブの
配管経路途上にチューブ式ポンプを配置し、該チューブ
式ポンプによりＢＩＢから定量ずつ抽出した濃縮飲料
と、別な冷水ラインから供給した希釈冷水と混ぜ合わせ
てカップに吐出し供給するようにしたものである。

【０００３】ここで、前記のチューブ式ポンプは、駆動
モータに連結した扱きローラ付きロータと、該ロータの
周上に前記吐出チューブを挟んで対向する円弧状のチュ
ーブガイドとから構成した一種の定容量ポンプであり、
ポンプを始動することによりチューブガイドに沿ってロ
ータが吐出チューブを扱いて飲料を送り出す。なお、こ
のチューブ式ポンプの構成，動作については、例えば特
公平４−４２２７１号公報に詳しく述べられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】先記したＢＩＢ式飲料
ディスペンサの従来構成では、１個のＢＩＢに対して１
台のチューブ式ポンプを使用している。一方、最近の飲
料ディスペンサでは１台で２種類のＢＩＢ製品を販売す
る２フレーバ併売機が主流をなしているが、従来機では
２個のＢＩＢに対して各独立した２台のチューブ式ポン
プを必要とするために、コスト高となるほか、ポンプの
占有スペースも大となる。特にチューブ式ポンプの駆動
モータには価格の高いステップモータを使用しており、
このことがコストを押し上げる大きな要因となってい
る。

【０００５】この発明は上記の点に鑑みなされたもので
あり、構造簡素化，コスト低減化を狙いに、飲料ディス
ペンサに搭載した２個のＢＩＢに対して、駆動モータを
１台設置するだけで各ＢＩＢから飲料を個別に抽出でき
るように改良したＢＩＢ式飲料ディスペンサのチューブ
式ポンプ装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、飲料入りＢＩＢ（Bag in Box)
から下方に引き出した吐出チューブの配管途上に配置し
て飲料を抽出するＢＩＢ式飲料ディスペンサのチューブ
式ポンプ装置で、該チューブ式ポンプが駆動モータに連
結した扱きローラ付きロータと、該ロータの周上に前記
吐出チューブを挟んで対向する円弧状のチューブガイド
とからなるものにおいて、 (1) 前記ロータを可逆転式駆動モータに連結し、かつロ
ータの左右両側に２組のチューブガイドを配置するとと
もに、飲料を収容した２個のＢＩＢから個々に引出した
吐出チューブをロータと各チューブガイドとの間に挟み
込み、駆動モータの正転，逆転に合わせて回転するロー
タを介して各ＢＩＢから個別に飲料を抽出する（請求項
１）。

【０００７】(2) 左右に並ぶ２組のロータを備え、かつ
各ロータと１基の正逆転式駆動モータとの間をそれぞれ
ワンウエイクラッチを介して連結するとともに、飲料を
収容した２個のＢＩＢから個々に引出した吐出チューブ
を各ロータとチューブガイドとの間に挟み込み、駆動モ
ータの正転，逆転に合わせて回転するロータを介して各
ＢＩＢから個別に飲料を抽出する（請求項２）。

【０００８】(3) 前項(1) ，または(2) において、各Ｂ
ＩＢから個々に引出した吐出チューブの先端側に、待機
状態でチューブを押し潰して吐出チューブを閉塞するピ
ンチバルブを備える（請求項３）。前項(1) の構成で、
チューブ式ポンプのロータの回転方向を正転，あるいは
逆転のいずれかに選択することにより、その回転方向に
対応して一方の吐出チューブは飲料を押し出す方向に扱
かれ、他方の吐出チューブは逆に飲料を押し戻す方向に
扱かれる。したがって、飲料の選択指令に合わせてチュ
ーブ式ポンプの駆動モータの回転方向を正転，逆転制御
することで、飲料ディスペンサに搭載した２個のＢＩＢ
から個別に飲料を抽出して２種類の飲料を販売すること
ができる。

【０００９】一方、(2) 項の構成では、駆動モータの回
転方向を正転，あるいは逆転することにより、その回転
方向に対応して噛み合い動作するワンウエイクラッチを
介していずれか一方のロータが回転し、該ロータに対応
するＢＩＢから飲料を抽出する。したがって、(1) 項と
同様に、飲料ディスペンサに搭載した１台の可逆転式駆
動モータを、飲料の選択指令に合わせてその回転方向を
正転，逆転制御することで、飲料ディスペンサに搭載し
た２個のＢＩＢから個別に飲料を抽出して２種類の飲料
を販売することができる。

【００１０】また、ＢＩＢから引出した吐出チューブの
先端に(3) 項のピンチバルブを取付け、ロータが停止し
ている待機状態ではピンチバルブを閉じて吐出チューブ
の先端を押し潰して閉塞することにより、吐出チューブ
内に残留している飲料がチューブ先端から滴下するのを
防止できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示実施例に基づいて説明する。 〔実施例１〕図１，図２はこの発明の請求項１，３に対
応する実施例を示すものである。図１において、１はＢ
ＩＢ、２はこの発明によるチューブ式ポンプ装置、３は
ベンドステージ、４は飲料カップであり、当該飲料ディ
スペンサには、異種飲料を入れた２個のＢＩＢ（＃１，
＃２）を搭載している。ここで、チューブ式ポンプ装置
２は、周上に複数個の扱きローラ５ａを等ピッチ間隔に
備えたロータ５と、ロータ５に連結した可逆転式駆動モ
ータ６と、ロータ５の左右両側に配した２組の円弧状の
チューブガイド７と、２組のピンチバルブ８との組合せ
からなり、ＢＩＢ＃１，＃２から下方に引出した吐出チ
ューブ９が１本ずつ分けて前記ロータ６と左右に配した
チューブガイド７との間に挟み込んで配管されており、
各吐出チューブの先端が前記したピンチバルブ８に通し
てある。

【００１２】また、図２で示すようにピンチバルブ８
は、吐出チューブ９を挟んでその両側に対向する凹状の
固定座８ａ，凸状の押圧片８ｂと、押圧片８ｂに連結し
た電磁ソレノイド８ｃと、復帰ばね８ｄとの組立体とし
てなり、図２(a) のようにソレノイド８ｃを通電（Ｏ
Ｎ）すると押圧片８ｂが吐出チューブ９から後退し、吐
出チューブ９の先端が開放状態となる。一方、ソレノイ
ド８ｃを非通電（ＯＦＦ）にすると、復帰ばね８ｄのば
ね力で押圧片８ｂが左方に駆動され、吐出チューブ９を
固定座８ａとの間に挟んで押し潰す。これにより吐出チ
ューブ９の先端が閉塞状態となる。

【００１３】なお、前記した駆動モータ６は飲料販売時
に販売制御部（図示せず）に与えられる選択信号に対応
して正転，もしくは逆転方向に回転し、また２組のピン
チバルブ８は飲料の販売動作に連係してＯＮ，ＯＦＦ制
御される。次に、前記構成になる飲料ディスペンサの飲
料供給動作を説明する。まず、飲料ディスペンサの待機
状態では駆動モータ６が停止しており、左右２組のピン
チバルブ８はいずれも閉塞（ＯＦＦ）している。

【００１４】ここで、右側のＢＩＢ＃１から飲料を供給
する場合には、図１(a) で示すように、カップ４をベン
ドステージ３の右側にセットし、ＢＩＢ＃１に対応する
飲料選択ボタン（飲料ディスペンサの前面に装備されて
いる）を押す。これにより、駆動モータ６が正転してロ
ータ５を時計方向に回転するとともに、ＢＩＢ＃１に対
応する右側のピチンバルブ８が開放（ＯＮ）となる。こ
れにより、ＢＩＢ＃１から引出した吐出チューブ９はロ
ーラ５ａにより飲料を送り出す方向に扱かれて、ＢＩＢ
＃１の飲料がカップ４に供給される。一方、ＢＩＢ＃２
から引出した吐出チューブ９に対してはローラ５ａが飲
料を押し戻す方向に扱き、かつチューブの先端に配した
ピンチバルブ８は閉塞しているので飲料が抽出されな
い。そして、駆動モータ６が所定回数だけ回転するとＯ
ＦＦとなって１回の飲料抽出動作が停止するとともに、
ピンチバルブ８が閉塞となる。

【００１５】また、左側のＢＩＢ＃２から飲料を供給す
る場合には、図１(b) で示すようにベンドステージ３の
左側にカップ４をセットし、ＢＩＢ＃２に対応した飲料
選択ボタンを押す。これにより、駆動モータ６が逆転
（反時計方向）に回転するとともに、左側のピンチバル
ブ８が開放する。これにより、前記とは逆にＢＩＢ＃２
から飲料が抽出され、ＢＩＢ＃１からは飲料が抽出され
ない。

【００１６】上記の説明で判るように、チューブ式ポン
プ装置に組み込んだ１台の駆動モータ６を正転，逆転制
御することで、飲料ディスペンサに搭載した２個のＢＩ
Ｂから飲料を選択的に抽出することができる。なお、飲
料供給動作の上では前記のピンチバルブ８を省略するこ
とも可能であるが、このピンチバルブを設けることによ
り、吐出チューブ９の中（ロータ５より下流側の管路）
に残っている飲料が待機時にチューブ先端から滴下する
後垂れ現象を防止できる。

【００１７】〔実施例２〕次に、この発明の請求項２，
３に対応する実施例を図３，４に示す。なお、この実施
例の図中で、図１に対応する同一部材には同じ符号が付
してある。この実施例では、チューブ式ポンプ装置が左
右に並ぶ２組のロータ５，および各ロータ５ごとに付属
するチューブガイド７を備えており、左右のロータ５と
可逆転式駆動モータ６との間が伝動歯車機構１０，およ
びワンウエイクラッチ１１を介して連結されている。な
お、ワンウエイクラッチ１１としては、例えばスプラッ
グクラッチ（内輪と外輪との間に特殊な形状のカムを多
数入れ、そのくさび作用で一方向の回転運動を伝える）
が採用されてる。

【００１８】ここで、右側のロータ５に対してはチュー
ブガイド７を右側面に配置してロータ５との間にＢＩＢ
＃１から引出した吐出チューブ９を挟み込んでおり、左
側のロータ５に対してはチューブガイド７を左側面に配
置してＢＩＢ＃２から引出した吐出チューブ９をロータ
５とチューブガイド７との間に挟み込んでいる。また、
右側のロータ５に連結したワンウエイクラッチ１１は動
力伝達の方向を時計方向とし、左側のワンウエイクラッ
チ１１は動力伝達の方向を反時計方向とし、その逆の回
転方向ではクラッチが空回りするように互いにクラッチ
を逆向きにしてポンプ装置に組み込む。

【００１９】なお、駆動モータ６は、実施例１と同様に
販売制御部に与えられる飲料の選択信号に対応して正
転，もしくは逆転方向に制御される。また吐出チューブ
９の先端側に配したピンチバルブ８についても実施例１
と同様に飲料供給動作に合わせてＯＮ，ＯＦＦ制御され
る。かかる構成で、右側のＢＩＢ＃１から飲料を供給す
る場合には、図３(a) で示すように、カップ４をベンド
ステージ３の右側にセットし、ＢＩＢ＃１に対応する飲
料選択ボタンを押す。これにより、駆動モータ６が正転
（実腺矢印方向）し、伝動歯車機構１０，および右側の
ワンウエイクラッチ１１を介して右側のロータ５が時計
方向に回転するとともに、ＢＩＢ＃１に対応する右側の
ピチンバルブ８が開放（ＯＮ）となる。これにより、Ｂ
ＩＢ＃１から引出した吐出チューブ９はローラ５ａによ
り飲料を送り出す方向に扱かれてＢＩＢ＃１の飲料がカ
ップ４に供給される。一方、左側のワンウエイクラッチ
１１は空回りして駆動モータ６の動力が左側のロータ５
には伝達されないので、ＢＩＢ＃２からは飲料が抽出さ
れない。

【００２０】また、左側のＢＩＢ＃２から飲料を供給す
る場合には、図３(b) で示すようにベンドステージ３の
左側にカップ４をセットし、ＢＩＢ＃２に対応した飲料
選択ボタンを押す。これにより、駆動モータ６が逆転
（点線矢印方向）に回転し、伝動歯車機構１０，および
左側のワンウエイクラッチ１１を介して左側のロータ５
が反時計方向に回転するとともに、ＢＩＢ＃２に対応す
る左側のピチンバルブ８が開放（ＯＮ）となる。これに
より、ＢＩＢ＃２から引出した吐出チューブ９はローラ
５ａにより飲料を送り出す方向に扱かれてＢＩＢ＃２の
飲料がカップ４に供給される。なお、右側のワンウエイ
クラッチ１１は空回りして駆動モータ６の動力が左側の
ロータ５には伝達されないので、ＢＩＢ＃１からは飲料
が抽出されない。これにより、１台の可逆転式駆動モー
タ６により左右２組のロータを回転，停止制御すること
で、ＢＩＢ＃１，＃２から２種類の飲料を選択的に抽出
することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
機内に２個のＢＩＢを搭載して２種類のＢＩＢ製品を販
売する２フレバー飲料ディスペンサに対し、機内に組み
込んだチューブ式ポンプの駆動モータとして、１台の可
逆転式駆動モータを使用するだけで各ＢＩＢから飲料を
選択的に抽出することができ、従来のように各ＢＩＢご
とに独立したチューブ式ポンプを設置した構成と較べ
て、ポンプの占有スペースが小さくなるほか、高価なス
テップモータの使用台数が減って大幅なコトスダウンが
図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１に対応するＢＩＢ式飲料デ
ィスペンサの飲料供給系統図であり、(a) は右側のＢＩ
Ｂから飲料を抽出している状態図、(b) は左側のＢＩＢ
から飲料を供給している状態図

【図２】図１におけるピンチバルブの構成，動作の説明
図であり、(a) はバルブの開放状態図、(b) はバルブの
閉塞状態図

【図３】この発明の実施例２に対応するＢＩＢ式飲料デ
ィスペンサの飲料供給系統図であり、(a) は右側のＢＩ
Ｂから飲料を抽出している状態図、(b) は左側のＢＩＢ
から飲料を供給している状態図

【図４】図３におけるチューブ式ポンプ装置の動力伝達
機構を表す図

【符号の説明】

１ ＢＩＢ ２ チューブ式ポンプ装置 ３ ベンドステージ ４ カップ ５ ロータ ５ａ ローラ ６ 可逆転式駆動モータ ７ チューブガイド ８ ピンチバルブ ９ 吐出チューブ １１ ワンウエイクラッチ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】飲料入りＢＩＢ（Bag in Box) から下方に
   引き出した吐出チューブの配管途上に配置して飲料を抽
   出するＢＩＢ式飲料ディスペンサのチューブ式ポンプ装
   置であり、該チューブ式ポンプが駆動モータに連結した
   扱きローラ付きロータと、該ロータの周上に前記吐出チ
   ューブを挟んで対向する円弧状のチューブガイドとから
   なるものにおいて、前記ロータを可逆転式駆動モータに
   連結し、かつロータの左右両側に２組のチューブガイド
   を配置するとともに、飲料を収容した２個のＢＩＢから
   個々に引出した吐出チューブをロータと各チューブガイ
   ドとの間に挟み込み、駆動モータの正転，逆転に合わせ
   て回転するロータを介して各ＢＩＢから個別に飲料を抽
   出するようにしたことを特徴とするＢＩＢ式飲料ディス
   ペンサのチューブ式ポンプ装置。
2. 【請求項２】飲料入りＢＩＢ（Bag in Box) から下方に
   引き出した吐出チューブの配管途上に配置して飲料を抽
   出するＢＩＢ式飲料ディスペンサのチューブ式ポンプ装
   置であり、該チューブ式ポンプが駆動モータに連結した
   扱きローラ付きロータと、該ロータの周上に前記吐出チ
   ューブを挟んで対向する円弧状のチューブガイドとから
   なるものにおいて、左右に並ぶ２組のロータを備え、か
   つ各ロータと１基の正逆転式駆動モータとの間をそれぞ
   れワンウエイクラッチを介して連結するとともに、飲料
   を収容した２個のＢＩＢから個々に引出した吐出チュー
   ブを各ロータとチューブガイドとの間に挟み込み、駆動
   モータの正転，逆転に合わせて回転するロータを介して
   各ＢＩＢから個別に飲料を抽出するようにしたことを特
   徴とするＢＩＢ式飲料ディスペンサのチューブ式ポンプ
   装置。
3. 【請求項３】請求項１，または２記載のチューブ式ポン
   プ装置において、各ＢＩＢから個々に引出した吐出チュ
   ーブの先端側に、待機状態でチューブを押し潰して吐出
   チューブを閉塞するピンチバルブを備えたことを特徴と
   するＢＩＢ式飲料ディスペンサのチューブ式ポンプ装
   置。