JP2004060590A - ローラポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性チューブをローラ回転装置により押圧閉塞してポンプ動作を行なうローラポンプで、安全確保のため逆転防止機構が組み込まれるが、メンテナンスや方向設定の変更の時は、ポンプを装置から取り外してからでないと行うことができなかった。又、組み立て性の向上を阻害していた。これらの欠点を排除する事が課題である。
【解決手段】本発明においては、ローラポンプの逆転防止機構をローラポンプとは別体として設けることにより、ローラポンプから分離可能として、さらに逆転防止機構を弾性チューブ装着面側に配置することにより、逆転防止機構を容易に取り付け、取り外し可能とし、ローラポンプを透析装置等の装置に組み込んだ状態あるいはローラポンプ単体でも逆転防止機構のメンテナンスや逆転防止方向の設定が可能で、さらにポンプ製造時の組立性も改善して目的を達成する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明においては、ローラポンプの逆転防止機構をローラポンプとは別体として設けることにより、ローラポンプから分離可能として、さらに逆転防止機構を弾性チューブ装着面側に配置することにより、逆転防止機構を容易に取り付け、取り外し可能とし、ローラポンプを透析装置等の装置に組み込んだ状態あるいはローラポンプ単体でも逆転防止機構のメンテナンスや逆転防止方向の設定が可能で、さらにポンプ製造時の組立性も改善して目的を達成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、弾性チューブをローラにより押圧閉塞してポンプ動作を行なうローラポンプに関し、特に医療用の送液装置に適したローラポンプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性チューブをローラにより押圧閉塞してポンプ動作を行なうローラポンプは医療分野や理化学分野等の液体を送液させる装置に多く用いられており、例えば医療分野では透析装置に組み込まれて血液を体外循環させる血液ポンプにローラポンプが用いられている。一般的にこの血液ポンプはモータなどの駆動源により駆動されているが、誤って本来の回転方向とは逆方向に駆動された場合、血液が逆流してしまい、人命に関わる大事故の懸念がある。そのため、血液ポンプに逆転防止機構を組み込み、所望の一方向にしか駆動できない構造にすることがある。
図4と図5は逆転防止機構を組み込んだ従来技術に成るローラポンプの例で、ローラポンプ2は、ローラポンプヘッド5、減速機構4、モータ3より成り、逆転防止機構6はモータ3に組み込まれていて、ワンウェイクラッチ6−1とワンウェイクラッチハウジング6−2で構成されている。ワンウェイクラッチ6−1はワンウェイクラッチハウジング6−2に固定されていて、ワンウェイクラッチハウジング6−2はモータカバー3−1にねじで固定されている。ワンウェイクラッチ6−1はモータ軸3−2と噛み合っていて、モータ3が正規の方向に回転するときはフリーであるが、正規の方向と逆方向に回転する場合はロックするようになっている。モータ3により発生した回転は減速機構4で減速される。減速機構4の出力軸4−1とロータ5−2は固着されているため、減速機構4で減速された回転がロータ5−2に伝わる。ロータ5−2の周囲には弾性チューブを押圧閉塞するローラ5−3が出力軸4−1に対して対称の位置に2個配置されていて、ローラ5−3は、コの字形のローラ支持板5−4に固定されたローラ軸5−31に軸受で回転可能に軸支されている。ローラ支持板5−4の一端にはローラ支持板軸5−41が固定されていて、このローラ支持板軸5−41はロータ5−2に設けられた孔に回転可能に拘束されている。ローラ支持板5−4の他端には、ローラ支持板5−4をロータ5−2の外側へ押し出すようにバネ5−5の一端が接触していて、このバネ5−5の他端はロータ5−2の側面に設けられた穴に入っている。ロータ5−2は、弾性チューブの入口溝と出口溝を有し円弧状の内壁を持ったローラポンプハウジング5−1に収まっていて、弾性チューブはバネ5−5による適切な押圧でローラ5−2とローラポンプハウジング5−1の内壁との間に挟まれている。以上のような構造のため、モータ3が駆動すると減速機構を介してロータ5−2がローラポンプハウジング5−1内部で回転し、ローラ5−3がロータ5−2と一緒に回転するので、ローラ5−3が弾性チューブをローラポンプハウジング5−1の内壁に押し付け、ローラ5−3により弾性チューブを扱きながら弾性チューブ内の液体を送液することができる。もし、モータ3が正規の方向とは逆に回転しようとしたときは、ワンウェイクラッチ6−1によりロックされて回転できないため、逆方向に送液されることはない。
このような血液ポンプは、透析装置1に組み込まれるためモータ3と減速機構4は透析装置1の中に隠れてしまう。そのためローラポンプ2を透析装置1に組み込んだ状態では、逆転防止機構6の取り付け、取り外しをすることができない。また、他の従来例として、逆転防止機構が予め減速機構4の内部に組み込まれ、何らかの理由で逆転防止機構の取り付け、取り外しが必要な場合は、減速機構4とモータ3を分離解体する必要が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き従来の構成は、ローラポンプを透析装置等の装置に組み込んだ状態では、逆転防止機構の取り付け、取り外しをすることができないため、逆転防止機構のメンテナンスや逆転方向設定の変更がある場合は、ローラポンプを透析装置等の装置から取り外して行う必要があり、逆転防止機構が減速機構内に組み込まれたローラポンプ単体では,減速機構とモータを分離解体する必要を生じて、取扱に不便なローラポンプとなっていた。また、このように逆転防止方向の設定に柔軟性を欠いた構造は、ローラポンプ製造時にも組み立て性の向上を阻害する要因にもなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、ローラポンプの逆転防止機構をローラポンプとは別体として設けることにより、ローラポンプと分離可能として、さらに逆転防止機構を弾性チューブ装着面側に配置することにより、逆転防止機構を容易に取り付け、取り外し可能とし、ローラポンプを透析装置等の装置に組み込んだ状態あるいはローラポンプ単体でも、逆転防止機構のメンテナンスや逆転防止方向の設定が可能で、さらにローラポンプ製造時の組立性も向上する。
【0005】
【実施例】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。図1は本発明に成るローラポンプの要部断面図、図2は上面図、図3は部分透視側面図である。
【0006】
ローラ5−3により弾性チューブを押圧閉塞してポンプ動作を行なうローラポンプ2は、図2のように、ローラポンプヘッド5、減速機構4、モータ3で構成されている。更にローラポンプヘッド5は弾性チューブを保持するローラポンプハウジング5−1と弾性チューブを押圧閉塞するローラ5−3を備えたロータ5−2により構成されている。以下、ローラポンプ2のそれぞれの構成要素について詳述する。
【0007】
図1、図3によりローラポンプ5を詳述する。ロータ5−2はほぼ直方体の形状をしており、中心部に出力軸4−1を挿入・固着される孔が形成されている。弾性チューブを押圧閉塞する円筒状のローラ5−3は、出力軸4−1の半径方向対称の位置に2つ配置されており、コの字形のローラ支持板5−4に固定されたローラ軸5−31により、軸受で回転可能に軸支されている。このローラ支持板5−4の一端にはローラ支持板軸5−41が固定されていて、ローラ支持板5−4の他端はバネ5−5によりローラ支持板5−4をロータ5−2より外側に押し出され、その結果ローラ5−3がロータ5−2より外方向に押し出されるようになっている。その結果、ローラ支持板5−4に設けられ、出力軸4−1に軸支されたローラ5−3が、バネ5−5の復元力により、弾性チューブをローラ5−3とローラポンプハウジング5−1の内壁面との間に挟み押圧閉塞するようになっている。
【0008】
次にロータ5−2と出力軸4−1の固着方法を詳述すると、ロータ5−2の上部と出力軸4−1にはほぼ同じ幅とほぼ同じ深さを持った軸方向の溝4−12があり、この溝4−12はロータ5−2と出力軸4−1との位置関係により一直線になるように形成されている。ロータ5−2と出力軸4−1の軸方向の溝4−12には、この溝4−12より若干幅の狭い長方形状のプレート5−7が収まり、出力軸4−1からの回転力をロータ5−2に伝えて、ロータ5−2が回転するようになっている。このプレート5−7には一箇所孔があり、この孔にはロータ5−2に固定されたプレート軸5−71が貫通していて、このプレート軸5−71を支点にプレート5−7が動くようになっていて、プレート5−7を溝4−12に収めたときには出力軸4−1の回転力をロータ5−2に伝え、プレート5−7を持ち上げたときには出力軸4−1の回転力をロータ5−2に伝えないようになっている。更に、このプレート5−7はマグネット5−6に吸着する金属でできており、プレート5−7の下部のロータ5−2にマグネット5−6が埋め込まれていて、プレート5−7を溝4−12に収めるとマグネット5−6が吸引してプレート5−7が固定される。
【0009】
また、出力軸4−1の端部には周方向の溝4−11があり、ロータ5−2の中心にある出力軸4−1を挿入する孔には、この周方向の溝4−11に収まる小さい抜け止めピン5−8が横から突き出ており、この抜け止めピン5−8が周方向の溝4−11に収まっているときにはロータ5−2が出力軸4−1より抜けないようになっている。
【0010】
以上のような構造になっているので、ロータ5−2を出力軸4−1より抜く時は、プレート5−7を持ち上げて回転方向の出力軸4−1との拘束を解除し、ロータ5−2を出力軸4−1に対して約90°回転させて抜け止めピン5−8を出力軸4−1の軸方向の溝4−12の位置に移動させることで、ロータ5−2と出力軸4−1の抜け方向の拘束を解除しロータ5−2を引き抜くことができ、工具等を使用せずにロータ5−2を出力軸4−1より容易に取り外し可能としている。
【0011】
減速機構4を詳述すると、出力軸4−1は2つの軸受4−4で回転自由に支えられ、この2つの軸受4−4の間に大歯車4−3が出力軸4−1に固定されている。この大歯車4−3と噛み合う小歯車4−3が形成された歯車支軸4−2があり、この両端には2つの軸受4−4で回転自由に支えられている。この歯車支軸4−2には別の大歯車4−が固定されていて、減速機構4の下部にはモータ3が固着され、このモータ軸3−2に形成された小歯車4−3が前記別の大歯車4−3と噛合されている。
【0012】
前記歯車支軸4−2の、ローラポンプハウジング5−1側の軸端は軸受4−4よりもワンウェイクラッチ6−1が噛み合うのに必要な長さだけ突き出ている。ワンウェイクラッチ6−1はワンウェイクラッチハウジング6−2に嵌め込まれていて、ワンウェイクラッチハウジング6−2には孔が4箇所開いていて、ローラポンプハウジング5−1にはこの孔位置と一致する位置に雌ねじが形成されており、ワンウェイクラッチ6−1をローラポンプハウジング5−1にねじ6−3で取り付けられるようになっている。
【0013】
ワンウェイクラッチ6−1を交換する場合は、ロータ5−2を前述した方法で取り外し、ワンウェイクラッチ6−1を固定しているねじ6−3を取り外し、ワンウェイクラッチハウジング6−2とともにワンウェイクラッチ6−1を引き抜くことにより容易に取り外しができる。ワンウェイクラッチ6−1を取り付けるときは前述の取り外し方法の逆手順により容易に行なうことができる。また、これまでの説明で明らかなように,ロータ5−2を取り外さない限り、ワンウェイクラッチハウジング6−2の取り外しが不可能であり、ロータ回転中に誤ってワンウェイクラッチ6−1の着脱を行うような不正な操作も防止できる。
【0014】
また、本発明の実施例においては歯車支軸4−2にワンウェイクラッチ6−1を取り付けているが、出力軸4−1等にワンウェイクラッチ6−1を取り付けてもよく、また、ワンウェイクラッチ6−1は、ワンウェイクラッチハウジング6−2を介さずにローラポンプハウジング5−1に嵌着・保持されることも可能であることは言うまでも無い。なお、本願発明に係るローラポンプ2には、送液の逆流を防止するために逆転防止機構6が設けられることは上述の通りで、該逆転防止手段6−1としては、ワンウェイクラッチが使用されることが多いので、逆転防止機構6に付いてはワンウェイクラッチを使用した例で示しているが、これに限定されるものではない。
【0015】
【発明の効果】
本発明に成るローラポンプは、ローラポンプの逆転防止機構をローラポンプとは別体で製作することによりローラポンプと分離可能として、さらに逆転防止機構を弾性チューブ装着面側から取り付けることにより、逆転防止機構を容易に取り付け及び取り外し可能とすることで、ローラポンプを透析装置等に組み込んだ状態あるいはローラポンプ単体でも、逆転防止機構のメンテナンスや逆転防止方向の設定が可能で、さらにローラポンプ製造時の組立性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に成るローラポンプを備える透析装置の要部断面図である。
【図2】図1の例の上面図である。
【図3】図1の例の部分透視側面図である。
【図4】従来技術に成る透析装置の例の要部断面図である。
【図5】図4の例の上面図である。
【符号の説明】
1 透析装置
2 ローラポンプ
3 モータ
3−1 モータカバー
3−2 モータ軸
4 減速機構
4−1 出力軸
4−11 端部周方向の溝
4−12 端部軸方向の溝
4−2 歯車支軸
4−21 歯車支軸の端部
4−3 歯車
4−4 軸受
5 ローラポンプヘッド
5−1 ローラポンプハウジング
5−2 ロータ
5−3 ローラ
5−31 ローラ軸
5−4 ローラ支持板
5−41 ローラ支持板軸
5−5 バネ
5−6 マグネット
5−7 プレート
5−71 プレート軸
5−8 抜け止めピン
5−9 軸受
6 逆転防止機構
6−1 逆転防止手段(ワンウェイクラッチ)
6−2 保持部材(ワンウェイクラッチハウジング)
6−3 ねじ
【産業上の利用分野】
本発明は、弾性チューブをローラにより押圧閉塞してポンプ動作を行なうローラポンプに関し、特に医療用の送液装置に適したローラポンプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性チューブをローラにより押圧閉塞してポンプ動作を行なうローラポンプは医療分野や理化学分野等の液体を送液させる装置に多く用いられており、例えば医療分野では透析装置に組み込まれて血液を体外循環させる血液ポンプにローラポンプが用いられている。一般的にこの血液ポンプはモータなどの駆動源により駆動されているが、誤って本来の回転方向とは逆方向に駆動された場合、血液が逆流してしまい、人命に関わる大事故の懸念がある。そのため、血液ポンプに逆転防止機構を組み込み、所望の一方向にしか駆動できない構造にすることがある。
図4と図5は逆転防止機構を組み込んだ従来技術に成るローラポンプの例で、ローラポンプ2は、ローラポンプヘッド5、減速機構4、モータ3より成り、逆転防止機構6はモータ3に組み込まれていて、ワンウェイクラッチ6−1とワンウェイクラッチハウジング6−2で構成されている。ワンウェイクラッチ6−1はワンウェイクラッチハウジング6−2に固定されていて、ワンウェイクラッチハウジング6−2はモータカバー3−1にねじで固定されている。ワンウェイクラッチ6−1はモータ軸3−2と噛み合っていて、モータ3が正規の方向に回転するときはフリーであるが、正規の方向と逆方向に回転する場合はロックするようになっている。モータ3により発生した回転は減速機構4で減速される。減速機構4の出力軸4−1とロータ5−2は固着されているため、減速機構4で減速された回転がロータ5−2に伝わる。ロータ5−2の周囲には弾性チューブを押圧閉塞するローラ5−3が出力軸4−1に対して対称の位置に2個配置されていて、ローラ5−3は、コの字形のローラ支持板5−4に固定されたローラ軸5−31に軸受で回転可能に軸支されている。ローラ支持板5−4の一端にはローラ支持板軸5−41が固定されていて、このローラ支持板軸5−41はロータ5−2に設けられた孔に回転可能に拘束されている。ローラ支持板5−4の他端には、ローラ支持板5−4をロータ5−2の外側へ押し出すようにバネ5−5の一端が接触していて、このバネ5−5の他端はロータ5−2の側面に設けられた穴に入っている。ロータ5−2は、弾性チューブの入口溝と出口溝を有し円弧状の内壁を持ったローラポンプハウジング5−1に収まっていて、弾性チューブはバネ5−5による適切な押圧でローラ5−2とローラポンプハウジング5−1の内壁との間に挟まれている。以上のような構造のため、モータ3が駆動すると減速機構を介してロータ5−2がローラポンプハウジング5−1内部で回転し、ローラ5−3がロータ5−2と一緒に回転するので、ローラ5−3が弾性チューブをローラポンプハウジング5−1の内壁に押し付け、ローラ5−3により弾性チューブを扱きながら弾性チューブ内の液体を送液することができる。もし、モータ3が正規の方向とは逆に回転しようとしたときは、ワンウェイクラッチ6−1によりロックされて回転できないため、逆方向に送液されることはない。
このような血液ポンプは、透析装置1に組み込まれるためモータ3と減速機構4は透析装置1の中に隠れてしまう。そのためローラポンプ2を透析装置1に組み込んだ状態では、逆転防止機構6の取り付け、取り外しをすることができない。また、他の従来例として、逆転防止機構が予め減速機構4の内部に組み込まれ、何らかの理由で逆転防止機構の取り付け、取り外しが必要な場合は、減速機構4とモータ3を分離解体する必要が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き従来の構成は、ローラポンプを透析装置等の装置に組み込んだ状態では、逆転防止機構の取り付け、取り外しをすることができないため、逆転防止機構のメンテナンスや逆転方向設定の変更がある場合は、ローラポンプを透析装置等の装置から取り外して行う必要があり、逆転防止機構が減速機構内に組み込まれたローラポンプ単体では,減速機構とモータを分離解体する必要を生じて、取扱に不便なローラポンプとなっていた。また、このように逆転防止方向の設定に柔軟性を欠いた構造は、ローラポンプ製造時にも組み立て性の向上を阻害する要因にもなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、ローラポンプの逆転防止機構をローラポンプとは別体として設けることにより、ローラポンプと分離可能として、さらに逆転防止機構を弾性チューブ装着面側に配置することにより、逆転防止機構を容易に取り付け、取り外し可能とし、ローラポンプを透析装置等の装置に組み込んだ状態あるいはローラポンプ単体でも、逆転防止機構のメンテナンスや逆転防止方向の設定が可能で、さらにローラポンプ製造時の組立性も向上する。
【0005】
【実施例】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。図1は本発明に成るローラポンプの要部断面図、図2は上面図、図3は部分透視側面図である。
【0006】
ローラ5−3により弾性チューブを押圧閉塞してポンプ動作を行なうローラポンプ2は、図2のように、ローラポンプヘッド5、減速機構4、モータ3で構成されている。更にローラポンプヘッド5は弾性チューブを保持するローラポンプハウジング5−1と弾性チューブを押圧閉塞するローラ5−3を備えたロータ5−2により構成されている。以下、ローラポンプ2のそれぞれの構成要素について詳述する。
【0007】
図1、図3によりローラポンプ5を詳述する。ロータ5−2はほぼ直方体の形状をしており、中心部に出力軸4−1を挿入・固着される孔が形成されている。弾性チューブを押圧閉塞する円筒状のローラ5−3は、出力軸4−1の半径方向対称の位置に2つ配置されており、コの字形のローラ支持板5−4に固定されたローラ軸5−31により、軸受で回転可能に軸支されている。このローラ支持板5−4の一端にはローラ支持板軸5−41が固定されていて、ローラ支持板5−4の他端はバネ5−5によりローラ支持板5−4をロータ5−2より外側に押し出され、その結果ローラ5−3がロータ5−2より外方向に押し出されるようになっている。その結果、ローラ支持板5−4に設けられ、出力軸4−1に軸支されたローラ5−3が、バネ5−5の復元力により、弾性チューブをローラ5−3とローラポンプハウジング5−1の内壁面との間に挟み押圧閉塞するようになっている。
【0008】
次にロータ5−2と出力軸4−1の固着方法を詳述すると、ロータ5−2の上部と出力軸4−1にはほぼ同じ幅とほぼ同じ深さを持った軸方向の溝4−12があり、この溝4−12はロータ5−2と出力軸4−1との位置関係により一直線になるように形成されている。ロータ5−2と出力軸4−1の軸方向の溝4−12には、この溝4−12より若干幅の狭い長方形状のプレート5−7が収まり、出力軸4−1からの回転力をロータ5−2に伝えて、ロータ5−2が回転するようになっている。このプレート5−7には一箇所孔があり、この孔にはロータ5−2に固定されたプレート軸5−71が貫通していて、このプレート軸5−71を支点にプレート5−7が動くようになっていて、プレート5−7を溝4−12に収めたときには出力軸4−1の回転力をロータ5−2に伝え、プレート5−7を持ち上げたときには出力軸4−1の回転力をロータ5−2に伝えないようになっている。更に、このプレート5−7はマグネット5−6に吸着する金属でできており、プレート5−7の下部のロータ5−2にマグネット5−6が埋め込まれていて、プレート5−7を溝4−12に収めるとマグネット5−6が吸引してプレート5−7が固定される。
【0009】
また、出力軸4−1の端部には周方向の溝4−11があり、ロータ5−2の中心にある出力軸4−1を挿入する孔には、この周方向の溝4−11に収まる小さい抜け止めピン5−8が横から突き出ており、この抜け止めピン5−8が周方向の溝4−11に収まっているときにはロータ5−2が出力軸4−1より抜けないようになっている。
【0010】
以上のような構造になっているので、ロータ5−2を出力軸4−1より抜く時は、プレート5−7を持ち上げて回転方向の出力軸4−1との拘束を解除し、ロータ5−2を出力軸4−1に対して約90°回転させて抜け止めピン5−8を出力軸4−1の軸方向の溝4−12の位置に移動させることで、ロータ5−2と出力軸4−1の抜け方向の拘束を解除しロータ5−2を引き抜くことができ、工具等を使用せずにロータ5−2を出力軸4−1より容易に取り外し可能としている。
【0011】
減速機構4を詳述すると、出力軸4−1は2つの軸受4−4で回転自由に支えられ、この2つの軸受4−4の間に大歯車4−3が出力軸4−1に固定されている。この大歯車4−3と噛み合う小歯車4−3が形成された歯車支軸4−2があり、この両端には2つの軸受4−4で回転自由に支えられている。この歯車支軸4−2には別の大歯車4−が固定されていて、減速機構4の下部にはモータ3が固着され、このモータ軸3−2に形成された小歯車4−3が前記別の大歯車4−3と噛合されている。
【0012】
前記歯車支軸4−2の、ローラポンプハウジング5−1側の軸端は軸受4−4よりもワンウェイクラッチ6−1が噛み合うのに必要な長さだけ突き出ている。ワンウェイクラッチ6−1はワンウェイクラッチハウジング6−2に嵌め込まれていて、ワンウェイクラッチハウジング6−2には孔が4箇所開いていて、ローラポンプハウジング5−1にはこの孔位置と一致する位置に雌ねじが形成されており、ワンウェイクラッチ6−1をローラポンプハウジング5−1にねじ6−3で取り付けられるようになっている。
【0013】
ワンウェイクラッチ6−1を交換する場合は、ロータ5−2を前述した方法で取り外し、ワンウェイクラッチ6−1を固定しているねじ6−3を取り外し、ワンウェイクラッチハウジング6−2とともにワンウェイクラッチ6−1を引き抜くことにより容易に取り外しができる。ワンウェイクラッチ6−1を取り付けるときは前述の取り外し方法の逆手順により容易に行なうことができる。また、これまでの説明で明らかなように,ロータ5−2を取り外さない限り、ワンウェイクラッチハウジング6−2の取り外しが不可能であり、ロータ回転中に誤ってワンウェイクラッチ6−1の着脱を行うような不正な操作も防止できる。
【0014】
また、本発明の実施例においては歯車支軸4−2にワンウェイクラッチ6−1を取り付けているが、出力軸4−1等にワンウェイクラッチ6−1を取り付けてもよく、また、ワンウェイクラッチ6−1は、ワンウェイクラッチハウジング6−2を介さずにローラポンプハウジング5−1に嵌着・保持されることも可能であることは言うまでも無い。なお、本願発明に係るローラポンプ2には、送液の逆流を防止するために逆転防止機構6が設けられることは上述の通りで、該逆転防止手段6−1としては、ワンウェイクラッチが使用されることが多いので、逆転防止機構6に付いてはワンウェイクラッチを使用した例で示しているが、これに限定されるものではない。
【0015】
【発明の効果】
本発明に成るローラポンプは、ローラポンプの逆転防止機構をローラポンプとは別体で製作することによりローラポンプと分離可能として、さらに逆転防止機構を弾性チューブ装着面側から取り付けることにより、逆転防止機構を容易に取り付け及び取り外し可能とすることで、ローラポンプを透析装置等に組み込んだ状態あるいはローラポンプ単体でも、逆転防止機構のメンテナンスや逆転防止方向の設定が可能で、さらにローラポンプ製造時の組立性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に成るローラポンプを備える透析装置の要部断面図である。
【図2】図1の例の上面図である。
【図3】図1の例の部分透視側面図である。
【図4】従来技術に成る透析装置の例の要部断面図である。
【図5】図4の例の上面図である。
【符号の説明】
1 透析装置
2 ローラポンプ
3 モータ
3−1 モータカバー
3−2 モータ軸
4 減速機構
4−1 出力軸
4−11 端部周方向の溝
4−12 端部軸方向の溝
4−2 歯車支軸
4−21 歯車支軸の端部
4−3 歯車
4−4 軸受
5 ローラポンプヘッド
5−1 ローラポンプハウジング
5−2 ロータ
5−3 ローラ
5−31 ローラ軸
5−4 ローラ支持板
5−41 ローラ支持板軸
5−5 バネ
5−6 マグネット
5−7 プレート
5−71 プレート軸
5−8 抜け止めピン
5−9 軸受
6 逆転防止機構
6−1 逆転防止手段(ワンウェイクラッチ)
6−2 保持部材(ワンウェイクラッチハウジング)
6−3 ねじ
Claims (4)
- 駆動源と該駆動源に連係し所定の減速比で駆動される出力軸を有する減速機構と、円弧状の内壁を持ち且つ該内壁に略垂直なベース面を持つローラポンプハウジングと、該ローラポンプハウジングに内装され前記出力軸に締結保持されるロータと、該ロータに連係し転動・回転自在に保持されたローラを有するローラポンプにおいて、前記減速機構がローラポンプハウジングのベース面に連通する歯車支軸を有すると共に、該歯車支軸に対して該ベース面側から配設・保持が可能な逆転防止手段を備えていることを特徴とするローラポンプ。
- 前記逆転防止手段が、該逆転防止手段を嵌着する保持部材を介してローラポンプハウジングに保持されていることを特徴とする請求項1に記載のローラポンプ。
- 前記逆転防止手段を嵌着する保持部材が、ロータの取り外しで露出し、前記逆転防止手段の取り外し・取り付けが可能なように構成されていることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のローラポンプ。
- 前記逆転防止手段が、ワンウェイクラッチであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のローラポンプ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002222878A JP2004060590A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ローラポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002222878A JP2004060590A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | ローラポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004060590A true JP2004060590A (ja) | 2004-02-26 |
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ID=31942797
Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2002-07-31 JP JP2002222878A patent/JP2004060590A/ja active Pending
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