JPH11301123A - 熱転写受容シート - Google Patents

熱転写受容シート

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JPH11301123A
JPH11301123A JP10104774A JP10477498A JPH11301123A JP H11301123 A JPH11301123 A JP H11301123A JP 10104774 A JP10104774 A JP 10104774A JP 10477498 A JP10477498 A JP 10477498A JP H11301123 A JPH11301123 A JP H11301123A
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JP
Japan
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layer
resin
porous resin
sheet
resin layer
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Application number
JP10104774A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tsukamoto
浩史 塚本
Yoshio Mizuhara
由郎 水原
Yoshihiro Shimizu
良浩 清水
Shigeo Hayashi
滋雄 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種のサーマルプリンターに対して、優れた印
画適性を有し、カールの発生が殆どなく、しかも低コス
トの熱転写受容シートを提供する。 【解決手段】シート状セルロース芯材層と、この芯材層
の一面上に設けられたフィルム層と、前記フィルム層上
に形成され、かつ染料染着性樹脂を主成分とする受容層
とを有する熱転写受容シートにおいて、前記シート状セ
ルロース芯材層の一面上に、水性系樹脂含有液に機械的
撹拌を施すことにより形成された多数の微細気孔を有し
てなる多孔性樹脂層が設けられ、この多孔性樹脂層表面
に前記フィルム層を積層した熱転写受容シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写受容シート
に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明
は、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに
適し、カールの発生が殆どなく、画質が良好で、銀塩写
真類似の画像が得られ、かつコスト上も有利な熱転写受
容シート(以下、単に受容シートと記す)に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、サーマルプリンター、特に鮮明な
フルカラー画像がプリント可能な染料熱転写プリンター
が注目されてきた。染料熱転写プリンターは、染料イン
クシートに、受容シートの染料染着性樹脂を含む受容層
を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱に
より、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ受容層上
に転写して画像を形成するものである。インクシート
は、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいは
これにブラックを加えた4色の染料からなる。フルカラ
ー画像は、インクシートの各色の染料を受容シートに順
に繰り返し転写することによって得られる。
【0003】このようなサーマルヘッド付プリンターに
おいて、良好なプリント印画を得るために、一軸ないし
二軸延伸フィルムや多層構造延伸フィルム(例えば合成
紙)などのシート上に、染料染着性樹脂を主成分として
含む画像受容層を形成した受容シートが用いられること
が多い。上記の様な受容シートは、厚さが均一で、柔軟
性があり、しかもセルロース繊維からなる紙に比べて熱
伝導度が低いなどの利点があり、このため、均一で濃度
の高い転写画像が得られるという長所がある。
【0004】しかし、上記の様な延伸フィルムをシート
状基材として用いた受容シートに熱転写記録を施すと、
熱によりフィルムの延伸応力が開放されて、熱収縮し、
その結果受容シートにカールやシワを発生して、プリン
ター内での走行が困難となり、また得られるプリントの
商品価値を著しく低下させる等の欠点があった。
【0005】このようなシート状基材に由来する問題点
を改善するために、紙などのように熱収縮性の小さな芯
材の両面に、上記の延伸フィルムを積層粘着して、基材
表裏のフィルムのテンションバランスをとることで、基
材のカールをコントロールする方法が試みられている。
しかし、この様な多層構造の受容シートにおいては、例
えば受容層塗工時の乾燥時の熱などにより、基材を構成
する延伸フィルムが熱収縮をおこし、その結果受容シー
トにカールが発生して商品価値を著しく低下させる等の
欠点があった。また、プリンターの高速度化・高画質化
に対応して、芯材として紙の代わりに、高平滑で熱収縮
性の小さいPET等の延伸フィルムを用いることが多い
が、紙に比べてコスト高となるため、紙芯材を用いた高
画質の受容シートが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙芯材を用
い、各種のサーマルプリンターに対して、優れた印画適
性を有し、カールの発生が殆どなく、しかも低コストの
受容シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するために、特に受容シートの支持体について
鋭意検討した。一般に、受容シートの支持体としては、
多層構造基材が用いられており、その積層方法として
は、主にドライラミネート法が行われている。ドライラ
ミネート法に用いられる接着剤としては、例えばポリエ
ーテル系、ポリエステル系などの高分子樹脂成分に、ポ
リイソシアネート系、エポキシ系等の硬化剤を配合した
ものが挙げられる。
【0008】しかしながら、これらの接着剤を用いて、
セルロース芯材層上にフィルム層を積層した場合、画像
部分において白抜け等が起こり十分に鮮明な画質が得ら
れなかった。これは、上記の如き方法で、セルロース芯
材層上にフィルム層を積層した場合、セルロースシート
表面の繊維形状に基づく凹凸がフィルム表面上にも転写
され、この凹凸により記録ヘッドの熱の伝達が不均一と
なるため、画像部分において白抜け等が起こり十分に鮮
明な画質が得られないものと考えられる。セルロース芯
材として、アート紙やコート紙のような塗被層を有する
シートを用いても、原紙の微細な凹凸がフィルム表面に
現れてしまい、十分に鮮明な画質が得られなかった。
【0009】本発明者等は、使用する支持体について更
に研究を重ねた結果、シート状セルロース芯材層の一面
上に、水性系樹脂含有液に機械的撹拌を施すことにより
形成された多数の微細気孔を有してなる多孔性樹脂層を
形成し、その多孔性樹脂層表面にフィルム層及び受容層
を形成することで、低コストでカールが小さく、かつ記
録画質の良好な受容シートが得られることを見出した。
【0010】(1)本発明は、シート状セルロース芯材
層と、この芯材層の一面上に設けられたフィルム層と、
前記フィルム層上に形成されかつ染料染着性樹脂を主成
分とする受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、
前記シート状セルロース芯材層の一面上に、水性系樹脂
含有液に機械的撹拌を施すことにより形成された多数の
微細気孔を有してなる多孔性樹脂層が設けられ、この多
孔性樹脂層表面に前記フィルム層を積層したことを特徴
とする熱転写受容シートである。 (2)また、前記多孔性樹脂層表面の平均気孔直径が
0.5〜30μmであり、かつ多孔性樹脂層の見かけの
密度が0.05〜0.5g/cm3であることが好まし
い。
【0011】(3)上記受容シートにおいて、多孔性樹
脂層とフィルム層の積層が、ドライラミネート法を採用
する場合、ガラス転移温度50℃以下の高分子樹脂を用
いることが好ましい。 (4)上記受容シートにおいて、多孔性樹脂層とフィル
ム層の積層が、エクストルージョンラミネート法を採用
する場合、ポリオレフィンを主成分とする樹脂を用いる
ことが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においては、シート状セル
ロース芯材層の一面上に、水性樹脂含有液に機械的撹拌
を施すことにより形成された多数の微細気孔を有してな
る多孔性樹脂層が設けられ、この多孔性樹脂層表面に前
記フィルム層が積層され、フィルム層上に受容層を有す
る構成を採用した結果、印画時の白抜けが軽減され記録
画質が向上し、記録濃度も向上するのである。印画時の
白抜けが軽減され記録画質が向上する理由としては、一
つには多孔性樹脂層を設けることにより、断熱性が高く
なるとともに、セルロースシート表面の凹凸がレベリン
グされ、フィルム層表面が平滑に保たれるためと考えら
れる。
【0013】本発明において、多孔性樹脂層の見かけの
密度を0.05〜0.5g/cm3の範囲にコントロー
ルすることが好ましい。多孔性樹脂層の密度が小さいほ
ど断熱性が良好となり、多孔性樹脂層の見かけの密度を
0.05〜0.5g/cm3の範囲にコントロールする
と、受容シートの熱伝導率を0.25kW/m・K以下
に調整することが可能となり、記録感度あるいは記録濃
度が極めて向上する。見かけの密度が0.05g/cm
3未満の場合には、多孔性樹脂層の強度が不十分とな
り、受容層表面の平滑性が損なわれ、記録画質が低下す
る傾向がある。一方見かけの密度が0.5g/cm3
越える場合には記録感度の十分な向上効果が得られなく
なる傾向にある。
【0014】本発明の多孔性樹脂層は、水性系の樹脂お
よび必要により顔料を主成分として含むものである。こ
のような多孔性樹脂層は、樹脂、あるいは樹脂と顔料と
の混合物を含む液状物に、機械的攪拌を施して微細な多
数の気泡を形成分散させ、この気泡含有樹脂液をシート
状セルロース芯材層上に塗工、乾燥して形成することが
できる。
【0015】また、多孔性樹脂層を形成する水性系の樹
脂としては、例えば、種々の分子量およびケン化度のポ
リビニルアルコールおよびその誘導体、デンプン、デン
プンの誘導体(例えば酸化デンプン、カチオン化デンプ
ンのような各種化工デンプン)、メトキシセルロース、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチ
ルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソ
ーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アク
リル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル
酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン
−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリル
アミドおよびその誘導体、ポリエチレングリコール等の
水溶性樹脂、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、
スチレン−ブタジエン共重合体(SBRラテックス)、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBRラテッ
クス)、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル
系共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の水分散性樹脂、更
にはニカワ、カゼイン、大豆タンパク、ゼラチン、アル
ギン酸ナトリウム等を用いることができるが、これらに
限定されるものではない。これらの樹脂は必要に応じ
て、単独あるいは2種類以上混合して使用することがで
きる。
【0016】多孔性樹脂層に含ませることができる顔料
としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、珪酸、珪酸塩、クレー、タルク、マイカ、焼成クレ
ー、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、コ
ロイダルシリカ等の無機顔料、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、スチレン−アク
リル共重合体等の真球、中空あるいは、さまざまな形状
に加工されたタイプのプラスチックピグメントと称され
る有機顔料やデンプン粉末、セルロース粉末等を用いる
ことができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらの顔料は必要に応じて単独にあるいは2種類
以上混合して使用することができる。
【0017】また、本発明における多孔性樹脂層は、特
に密度が低い場合には、各種顔料を配合すると塗膜強度
がさらに低下して、積層したフィルム層の剥離を生じる
などのトラブルの原因となることもある。したがって、
水性系樹脂含有液に各種の顔料を含ませて、多孔性樹脂
層を形成する場合には、受容シートとしての総合的な品
質を考慮して、適正な配合率で使用する。
【0018】気泡形成前の樹脂、あるいは樹脂および顔
料の混合物を含む水性液状物中には、必要に応じて公知
の粘度調節剤(いわゆる増粘剤)、分散剤、染色剤、耐
水化剤、潤滑剤、架橋剤、可塑剤などを添加することが
できる。また、所期の気泡含有状態を創出し、気泡の安
定性を向上するためには、陰イオン界面活性剤、または
非イオン界面活性剤を添加することが可能である。
【0019】本発明で使用可能な陰イオン界面活性剤と
しては、例えば脂肪酸のアンモニウム塩やナトリウム塩
などの脂肪酸石鹸類、N−アシルアミノ酸塩、アルキル
エーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホル
マリン重縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルマリン重縮
合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキル
スルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩,N−アシ
ルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エス
テル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェー
ト、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、ア
ルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エス
テル塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。これらの陰イオン界面活
性剤は必要に応じて、単独あるいは2種類以上混合して
使用することができる。
【0020】また本発明で使用可能な非イオン界面活性
剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチ
レンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮
合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ひまし油および硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪
酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリプロピ
レングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂
肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アル
キルアミンオキサイド等の非イオン界面活性剤等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
非イオン界面活性剤は必要に応じて、単独あるいは2種
類以上混合して使用することができる。
【0021】上記の界面活性剤の使用量は、樹脂液、あ
るいは樹脂液と顔料との混合液の固形分100重量部に
対して、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の固
形分の合計が1〜30重量部であることが好ましく、よ
り好ましくは1〜20重量部である。界面活性剤の添加
量が1重量部未満では、気泡の安定性が悪く、塗工、乾
燥工程で気泡が合体および破壊し、インク受像層の気孔
の開孔面積率が10%未満となり、良好な記録画像が得
ることができない。界面活性剤の添加量が30重量部を
越えて多量になっても、その効果は飽和し、かえって経
済的に不利になることが多く、また多孔性樹脂層の膜強
度が不十分となり、良好な記録画像が得ることができな
いことが多い。
【0022】本発明において、樹脂含有液に気泡を形成
含有分散させる方法(以下これを発泡方法と記す)は、
例えば遊星運動をしつつ回転する攪拌翼を有するいわゆ
る製菓用の発泡機、一般に乳化分散等に利用されている
ホモミキサー、カウレスディゾルバー等の攪拌機あるい
は密閉系内に空気と樹脂含有液の混合物とを連続的に送
入しながら機械的に攪拌を施し、空気を微細な気泡に分
散、混合できる装置、例えば米国ガストンカウンティー
社、オランダのストーク社等の連続発泡機を用いること
ができるが、特に厳格な制限はない。
【0023】樹脂含有混合液の気泡含有状態には特に制
限はないものの、平均直径が0.5〜30μmの微小気
泡が分散、混合されていることが好ましく、より好まし
くは、平均直径が0.5〜20μmの範囲にあるのが良
い。樹脂含有混合液の気泡平均直径が0.5〜20μm
の範囲にあると、概ね多孔性樹脂層の表面の平均気孔直
径が0.5〜30μmの範囲となる。含有された気泡の
大きさは、その一部を光学顕微鏡もしくは走査型電子顕
微鏡で写真撮影し、画像解析装置で計測することが可能
である。
【0024】多孔性樹脂層の塗設量は、即ち塗工量は、
得られる支持体の一面上の1m2 当たりの乾燥重量が2
〜40g(2〜40g/m2) の範囲にあるようにする
のが好ましい。塗工量が2g/m2 より少ない場合に
は、充分な断熱性が得られない。一方それが40g/m
2 を越えるような場合は、多孔性樹脂層の厚さが過大と
なり、樹脂層内の結合強度が低下して、剥離を起こすな
どのトラブルを発生することもある。従って、多孔性樹
脂層の塗工量の適正化は、樹脂含有液組成の適正化と同
様に充分な注意を払うのは当然である。
【0025】本発明において多孔性樹脂層は、前記の水
性系樹脂液、あるいは水性系樹脂および顔料を主成分と
して含む混合物液に多数の微細気泡を含有させ、これを
シート状支持体上に塗工し、乾燥することによって得る
ことができるが、気泡を形成、含有させる方法や設備、
および塗工方法には特に厳格な制限はない。また気泡を
含有する水性系樹脂含有液の気泡含有状態にも特に制限
はないが、好ましくは気泡含有液の原液に対する体積比
(以下発泡倍率と記す)が1倍を越え10倍以下である
ことが好ましく、より好ましくは1倍を越え5倍以下で
ある。すなわち発泡倍率は気泡含有水性系樹脂含有液中
の気泡含有率を示す尺度であり、発泡倍率が大きくなる
と気泡を構成する樹脂膜(壁)の厚さが薄くなることを
意味している。また、同じ発泡倍率である場合には、発
泡前の水分散型樹脂含有混合液の固形分濃度が低いほ
ど、樹脂膜が薄くなることを意味している。このよう
に、樹脂膜が薄くなると、得られる多孔性樹脂層の強度
を十分なレベルに維持することが困難になることがあ
り、この点において、発泡倍率と水性系樹脂含有混合液
組成とのバランスには十分な注意を払うべきである。
【0026】多孔性樹脂層をセルロース芯材層上に形成
するための塗工方式としては、メイヤーバー方式、グラ
ビアロール方式、ロール方式、リバースロール方式、ブ
レード方式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、押し出し
方式、キャスト方式等の既知の方法から任意に選定する
ことができる。
【0027】上記の多孔性樹脂層を形成したシートは、
気泡含有樹脂液をシート状支持体上に塗工、乾燥したま
まの状態でフィルム層を積層貼着、受容層塗工しても良
好な画像を示すことができるが、さらに金属製ロール2
段以上で構成されるカレンダー、あるいは金属製ロール
および樹脂製ロールあるいは金属製ロールとコットン製
ロールなどを適宜組み合わせて構成されるスーパーカレ
ンダーを使用して、この多孔性樹脂層に仕上げ処理を施
し、その表面の平滑性をさらに向上させた後、フィルム
層を積層貼着、受容層塗工して受容シートとすることが
できる。また多孔質樹脂層塗工後、半乾燥状態もしくは
乾燥状態にあるシートの多孔性樹脂層の表面を鏡面仕上
げした加温あるいは非加温状態のキャストドラム等に接
触させて、その表面平滑性を向上させてもよい。しか
し、過度の加圧力下で上記平滑仕上げ処理を施すと、多
孔性樹脂層中の気泡を取り囲む樹脂壁が破壊され、断熱
性が低下するため、性能が得られなくなることもある。
従って、前記の平滑仕上げ処理に際しては処理条件を十
分に検討することが必要である。
【0028】多孔性樹脂層とフィルム層の積層方法とし
ては、ドライラミネート法、ホットメルト法、ウェット
ラミネート法、エキストルージョンラミネート法、ワッ
クスラミネート法等の公知の技術が適用できる。中でも
ドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法
は受容シートのカールの発生が少なく好ましい。なお、
接着剤の塗工量は、1.0〜50.0g/m2の範囲が
好ましい。
【0029】本発明の接着剤の種類については、特に限
定されるものではなく、公知の材料が使用できる。ドラ
イラミネート法の場合、例えばポリエーテル系、ポリエ
ステル系などの高分子樹脂成分に、ポリイソシアネート
系、エポキシ系等の硬化剤を配合したものなど公知の材
料が挙げられる。一般に、ドライラミネート用の接着剤
は、積層間の接着力を向上させるため、ガラス転移温度
が50℃を越える高分子樹脂が使用されている。しか
し、このような高分子樹脂を用いた場合、受容層を塗工
する製造工程の乾燥の熱とシートを引っ張るテンショ
ン、またはドライラミネート時の乾燥の熱とシートを引
っ張るテンションにより、フィルムに内部応力が残留し
易い傾向にあり、それによる熱収縮が起こり、受容シー
トにカールが発生しやすくなる。
【0030】したがって、本発明においては、多孔性樹
脂層上にフィルム基材をドライラミネート法で積層する
際の接着剤としては、ガラス転移温度が50℃以下の高
分子樹脂を用いることが、加熱による受容シートのカー
ルが著しく改善されるので好ましい。この理由として
は、芯材と延伸フィルム間で適度なズレを生じることが
可能となり、延伸フィルムの熱収縮による受容シートの
カール発生が抑制されるものと考えられる。高分子樹脂
層のガラス転移温度は、低いほどカール改善の効果が大
きいが、接着強度の点でガラス転移温度が0〜50℃の
高分子樹脂が好ましく用いられる。また、ガラス転移温
度が50℃を越えると芯材とフィルムの間のズレが発生
しにくくなりカールが大きくなる場合がある。
【0031】なお、ガラス転移温度が50℃以下の材料
としては、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエン
重合体、クロロプレン重合体、アクリル酸エステル共重
合体、ビニルエーテル共重合体、EVA、ポリウレタ
ン、シリコン樹脂等の高分子が主剤として好ましく用い
られる。また、粘着付与樹脂、フタル酸エステル、リン
酸エステル、塩化パラフィン等の可塑剤、ポリイソシア
ネート、金属キレート、エポキシ化合物等の架橋剤、老
化防止剤、安定剤等を適宜使用できる。
【0032】エクストルージョンラミネート法の場合、
接着剤として熱可塑性樹脂が使用でき、例えば、ポリオ
レフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂等が挙げられる。
【0033】中でも、ポリオレフィン樹脂はカールが生
じ難いので好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、密
度0.85〜0.98g/cm3が好ましく、より好ま
しくは0.90〜0.95g/cm3程度のものが使用
できる。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリペンテン等が好ましく使用される。これらのポ
リオレフィン樹脂は2種以上を併用することも勿論可能
である。ラミネート量としては、ポリオレフィンを主成
分とする樹脂層の厚みが、好ましくは3〜100μmと
なるように調整され、より好ましくは5〜60μmに調
整される。また、熱可塑性樹脂の融点は低い程、ラミネ
ート温度を下げることができ、フィルム層の熱収縮が少
なく、その結果、積層体のカールを小さくコントロール
することが可能となる。実用的には80〜160℃が好
ましく、95〜140℃がより好ましい。ポリオレフィ
ン以外の熱可塑性樹脂を、適宜併用することも可能であ
る。例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート等のポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂等が挙げられる。
【0034】なお、上記熱可塑性樹脂に、例えば白色度
調整のために、無機微粒子、有機微粒子、蛍光増白剤等
が使用され、さらに帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加物を配合してもよ
い。
【0035】本発明のセルロース芯材層においては、木
材パルプを主成分とするシート状パルプ基材が、適度な
断熱性、クッション性を有し、かつコスト的にも有利な
こと等から好ましく用いられる。シート状パルプ基材と
しては、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針葉樹混
合パルプ等の木材パルプ、また、クラフトパルプ、サル
ファイトパルプ、ソーダパルプ等通常使用されているパ
ルプからなる原紙が使用できる。原紙を抄造後、これに
カレンダーにて圧力を印加して圧縮するなどして表面平
滑性を改善したものが好ましく、その坪量は、50〜2
50g/m2が好ましい。
【0036】原紙は、通常の紙用各種添加剤、例えば乾
燥紙力増強剤(カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリ
ルアミド等)、サイズ剤(脂肪酸塩、ロジン、マレイン
化ロジン、カチオン化サイズ剤、反応性サイズ剤等)、
填料(クレー、カオリン、チタン等)、湿潤紙力増強剤
(メラミン樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等)、定着
剤(硫酸アルミニウム、カチオン化デンプン等)、PH
調節剤(苛性ソーダ、炭酸ソーダ等)などの1種以上を
含んでもいてもよい。また原紙は水溶性高分子添加剤、
サイズ剤、無機電解質、吸湿性物質、顔料、染料、PH
調節剤などの1種以上を含む処理液でタブサイズ、又は
サイズプレスされたものであってもよい。また、必要に
応じて顔料を含有した塗工層を有してもよい。具体的に
は、上質紙、アート紙、コート紙、片艶紙、含浸紙、板
紙等が挙げられる。
【0037】またパルプ基材の裏面側、もしくは両表面
は耐水性、熱可塑性樹脂で被覆されていてもよく、例え
ば、ポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン
樹脂としては、エチレン、α−オレフィン類、例えばプ
ロピレンなどの単独重合体、及び前記オレフィンの少な
くとも2種の共重合体から選ばれ、これら各種重合体の
2種以上を併用することも可能である。
【0038】本発明において、多孔性樹脂層上に積層さ
れるフィルム層としては、印画された画質の均一性や階
調性の点から、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンな
どを主成分とするフィルム基材が使用される。好ましく
は、合成紙に代表される熱可塑性樹脂を主成分とする多
層構造延伸フィルムが用いられる。多層構造延伸フィル
ムとしては、表面層、中芯層の2層、或は更に裏面層等
を含む3層、或は更に他の層を有する4層以上の延伸さ
れたフィルムが適宜使用することができる。
【0039】多層構造延伸フィルムの好ましい一例とし
ては、無機微粉末を15〜45重量%含有するポリオレ
フィンを中芯層とし、この中芯層の表面に無機微粉末を
0〜10重量%含有するポリオレフィンの厚み0.3〜
1.5μm程度の表面層を有する2層構造の延伸フィル
ム、更に、中芯層の裏面側に、無機微粉末を0〜10重
量%含有するポリオレフィンフィルムの裏面層を有する
3層構造の延伸フィルムが挙げられる。このような多層
構造延伸フィルムは、例えば、中芯層用組成物をシート
状に押出し、このシートの片面又は両表面の表面層組成
物を積層し、この多層樹脂シートをポリオレフィンの融
点より低い温度で同時に、又は逐次に縦方向及び横方向
にそれぞれ4〜12倍延伸することにより、中芯層に多
数のミクロボイドを生成させ、圧縮性が良好で、表面層
又は両表面層が平坦な多層構造延伸フィルムとなる。こ
のような多層構造延伸フィルムは、受容層が形成される
側の最外表面層は、実質的に無機微粉末を含まず(0〜
5重量%)、且つ実質的にミクロボイドを有しないので
平滑性を有し、受容シート表面を平滑にする為、好まし
い。また、受容層が設けられる最外表面層のJISに基
づく光沢度が、60%以上、とりわけ75〜98%であ
ると、銀塩写真ライクな記録を得ることができるので好
ましい。
【0040】多層構造延伸フィルム全体の厚みは、5〜
200μm程度が好ましく、5〜100μmがより好ま
しい。表面層、裏面層と中芯層の各層の厚さは、表面層
と裏面層の合計の厚さが多層構造樹脂フィルムの全厚み
の10〜40%で、中芯層の厚さが90〜60%の範囲
であることが好ましい。表面層と裏面層の厚さが厚すぎ
ると中芯層の圧縮特性を生かすことができず、薄すぎる
と表面平滑性が低下し、ヘッドと受容シートとの密着性
が不安定となる傾向がある。
【0041】また、セルロース芯材層、多孔質樹脂層と
フィルム層からなる積層支持体の厚さは、20〜300
μmの範囲が好ましい。支持体の厚さが20μm未満で
あると、得られる受容シートの機械的強度が不十分とな
るばかりでなく、その硬さや、変形に対する反発力が不
十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十
分に防止できないという不都合を生ずることがある。ま
た、厚さが300μmを越えると、得られる受容シート
の厚さが過大になることがある。所定容積のプリンター
では、受容シート収容容積に限度があり、受容シートの
厚さの増大は、プリンター内蔵受容シート収容枚数の低
下を招く。この場合、所定枚数の受容シートを収容しよ
うとすれば、プリンターの容積を大きくしなければなら
ず、プリンターのコンパクト化が困難となる。
【0042】本発明の受容シートにおいては、フィルム
層上にインキリボンの染料を受容するために受容層が設
けられている。受容層は、染料染着性の高い樹脂を主成
分とし、架橋剤、融着防止剤、および紫外線吸収剤等が
適宜配合される。染料染着性の高い樹脂にはアセテート
ブチレート系樹脂およびポリエステル系樹脂等が用いら
れる。また、架橋剤にはイソシアネート化合物およびエ
ポキシ化合物等、紫外線吸収剤にはベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系、フェニルサリシレート系および
シアノアクリレート系化合物等、融着防止剤にはアクリ
ルシリコン系樹脂、さらに滑剤および離型剤等が用いら
れる。これら受容層成分は架橋剤を介して架橋反応を起
こすものが望ましい。受容層の塗工量は0.1〜20.
0g/m 2 の範囲が好ましい。
【0043】受容層の形成は、多孔性樹脂層上にフィル
ム層を積層後、フィルム層上に受容層を塗布乾燥する方
法、或は、予めフィルム層上に受容層を塗布乾燥してお
き、次いで多孔性樹脂層とフィルム層を積層する方法な
ど適宜選択できる。
【0044】本発明の受容シートにおいて、裏面(受容
層に対し反対側)上に、走行性向上、静電気の防止、受
容シート相互の擦れによる受容層の損傷防止、さらには
プリントした受容シートを重ね置きしたとき、受容層か
らそれに接触隣接する受容シート裏面への染料の移行の
防止などを目的として背面被覆層が形成されていてもよ
い。背面被覆層には、バインダーとして有効な樹脂が含
まれ、且つ、この樹脂は、受容シートの走行性、受容層
面の傷つき防止の為にも有効なものである。このような
樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン
樹脂、メラミン樹脂等、並びにこれらの樹脂の反応硬化
物を用いることができる。
【0045】また背面被覆層には、帯電防止処理のため
に各種の導電剤を添加することができる。導電剤として
は、カチオン系ポリマーを用いることが望ましい。カチ
オン系ポリマーとしては、一般的にポリエチレンイミ
ン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチ
オン変性アクリルアミド系重合体およびカチオン澱粉等
を用いることができる。背面被覆層の塗工量は、0.3
〜10g/m2 の範囲内が好ましく、0.5〜3g/m
2 の範囲内がより好ましい。0.3g/m2 未満である
と、受容層と裏面とが擦れ合った時受容層の傷つきを十
分に防止できないことがあり、また10g/m2 を越え
ると、効果が飽和し不経済である。
【0046】本発明における受容層などの各塗工層は、
ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロー
ルコーターなど公知のコーターを用いて塗工、乾燥して
形成することができる。
【0047】本発明の受容シートの構成例を図1に示
す。図1において、シート状セルロース芯材層2の表面
上には、順次、多孔性樹脂層3、接着剤層4、フィルム
層5を有しており、フィルム層5の表面上には染料染着
性樹脂を主成分とする受容層6が形成され、シート状芯
材層の裏面側(受容層に対し反対側)には、背面被覆層
7を有す。もちろん、受容シートの構成は、これに限ら
れるものではない。例えば、シート状芯材層2の裏面側
に、多孔性樹脂層、高分子樹脂層、フィルム層、受容層
などを設けてもよい。シート状芯材層2の裏面に、粘着
剤層及び剥離シートを積層した粘着加工も可能である。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
に説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるも
のではない。尚、実施例中の「部」および「%」は、す
べて「重量部」および「重量%」を示す。
【0049】 「多孔性樹脂層用樹脂混合液」 スチレン−ブタジエン(SBR)ラテックス樹脂 (商標:L−1919、旭化成工業社製) 10部 パラフィンワックス(商標:ハイドリンD−336、中京油脂社製) 5部 脂肪酸アンモニウム塩系陰イオン性界面活性剤 (商標:DC−100A、サンノプコ社製) 10部 増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 5部
【0050】 「受容層用塗料」 ポリエステル樹脂(商標:バイロン200、東洋紡社製) 100部 シリコーンオイル(商標:KF393、信越シリコン社製) 3部 イソシアネート(商標:タケネートD−140N、武田薬品社製) 5部 トルエン 300部
【0051】 「背面被覆層用塗料」 アクリル酸エステル共重合体 (商標:プライマールWL−81、ロームアンドハース社製) 100部 エポキシ樹脂(商標:エポコートDX−225、シェル化学社製) 5部 導電剤(商標:サフトマーST1000、三菱油化社製) 50部 変性エタノール 1420部
【0052】実施例1 [多孔性樹脂層の形成]上記の組成を有する多孔性樹脂
層用樹脂混合液(固形分濃度35%)を、攪拌機(商
標:ケンミックスアイコーPRO、愛工舎製作所製)を
使用して、攪拌速度490rpmで5分間攪拌して発泡
処理を施した。発泡倍率は5.0倍であった。発泡処理
後ただちに、米坪75g/m2 の上質紙の表面上にアプ
リケーターバーを用いて塗工量(乾物量)が10g/m
2 となるように塗工し、乾燥して、多孔性樹脂層を形成
した。その際、多孔性樹脂層表面の平均気孔直径は15
μmであり、また多孔性樹脂層の見かけの密度は0.2
5g/cm3であった。
【0053】[フィルム層の作成]前記多孔性樹脂層の
上に、ポリウレタン系接着剤(商標:AD−593、東
洋モートン社製、ガラス転移温度10℃)を5μm設け
た。つぎにポリオレフィンを主成分とし、無機顔料とし
て約30%の炭酸カルシウムを含む2軸延伸された厚さ
60μmの多層構造フィルム(商標:ユポFPG60、
王子油化合成紙製)をこの高分子樹脂上にドライラミネ
ート方式でカールが無くなるようテンションをコントロ
ールして積層し(この面を表面とする)た。
【0054】[受容シートの作成]この積層シートの表
面に、上記受容層用塗液を、固形分塗工量が8g/m2
となるように塗工、乾燥(120℃,1分間)して受容
層を形成した。さらに該積層シートの裏面上に上記背面
被覆層用塗料を、固形分塗工量が1g/m2となるよう
に塗工、乾燥(120℃,1分間)して背面被覆層を形
成し、受容シートを作製した。
【0055】なお、多孔性樹脂層の気孔直径は、下記の
方法により測定した。 「気孔直径の測定方法」多孔性樹脂層の表面の気孔直径
は、光学顕微鏡を使用して、多孔性樹脂層の表面を写真
撮影した後、表面の気孔の輪郭を正確に透明フィルム上
に黒色のペン等で描き写し、さらに、ドラムスキャナー
(商標:2605型ドラムスキャンデンシトメーター、
(株)阿部設計製)により、光学的に気孔の輪郭の情報
を読み取り、これを画像解析装置(商標:ルーゼックス
111、(株)ニレコ製)を用いて測定する。なお、本
多孔性樹脂層表面上に形成された気孔の形状は、必ずし
も真円ではないので、気孔直径は画像解析装置で得られ
る気孔の輪郭内の面積をもとに、円相当直径に換算して
表示する。
【0056】実施例2 実施例1の多孔性樹脂層の形成において、多孔性樹脂層
用樹脂混合液の撹拌速度を調整して、発泡倍率を3.0
倍にして用いた以外は実施例1と同様にして受容シート
を得た。この多孔性樹脂層表面の平均気孔直径は10μ
mで、かつ多孔性樹脂層の見かけの密度は0.32g/
cm3であった
【0057】実施例3 実施例1のフィルム層の形成において、ポリウレタン系
接着剤に代えて、アクリルエマルジョン粘着剤(商標:
ニッカゾールL−145、日本カーバイト工業社製、ガ
ラス転移温度−50℃)を用いた以外は実施例1と同様
にして受容シートを得た。
【0058】実施例4 実施例1のフィルム層の形成において、ポリウレタン系
接着剤に代わりに、ポリウレタン系接着剤(商標:AD
−593、東洋モートン社製)、ポリイソシアネート
(商標:CAT−56、東洋モートン社製)を固形分比
1:0.2として配合したものを用い、積層貼着後40
℃で48時間、接着剤層の架橋を進めた以外は実施例1
と同様にして受容シートを得た。架橋反応後の接着剤層
のガラス転移温度は80℃であった。
【0059】実施例5 実施例1の多孔性樹脂層の形成において、多孔性樹脂層
用樹脂混合液を撹拌速度を調整して、発泡倍率を25.
0倍にして用いた以外は実施例1と同様にして受容シー
トを得た。この多孔性樹脂層表面の平均気孔直径は45
μmで、かつ多孔性樹脂層の見かけの密度は0.04g
/cm3であった
【0060】比較例1 実施例1の多孔性樹脂層用樹脂混合液を、撹拌(発泡)
処理をしないで用いた以外は実施例1と同様にして受容
シートを得た。この多孔性樹脂層の見かけの密度は1.
0g/cm3であった
【0061】比較例2 実施例1の多孔性樹脂層を設けない以外は実施例1と同
様にして受容シートを得た。
【0062】実施例6 [受容層の形成]ポリオレフィンを主成分とし、無機顔
料として約30%の炭酸カルシウムを含む2軸延伸され
た厚さ60μmの多層構造フィルム(商標:ユポFPG
60、王子油化合成紙製)の表面に、上記受容層用塗液
を、固形分塗工量が8g/m2となるように塗工、乾燥
(120℃、1分間)して受容層を形成した。さらに、
このシートを10枚重ねて、60℃のオーブン中でイソ
シアネートの架橋を進め、受容層積層フィルムを得た。
【0063】[多孔性樹脂層の形成]上記の組成を有す
る多孔性樹脂層用樹脂混合液(固形分濃度35%)を、
攪拌機(商標:ケンミックスアイコーPRO、愛工舎製
作所製)を使用して、攪拌速度490rpmで6分間攪
拌してこれに発泡処理を施した。発泡倍率は5.0倍で
あった。発泡処理後ただちに、米坪75g/m2の上質
紙の表面上にアプリケーターバーを用いて塗工量(乾物
量)が10g/m2となるように塗工し、乾燥して、多
孔性樹脂層を形成した。その際、多孔性樹脂層表面の平
均気孔直径は15μmであり、また多孔性樹脂層の見か
けの密度は0.25g/cm3であった。
【0064】[受容シートの作製]前記多孔性樹脂層の
上に、低密度ポリエチレン(商標:ミラソン11P、三
井石油化学製、密度0.917g/cm3、融点106
℃)を30μmの厚さにエクストルージョンラミネート
し、同時に受容層を形成したフィルムのフィルム面を積
層して、熱転写受容シートを作製した.
【0065】実施例7 実施例6の多孔性樹脂層用樹脂混合液の撹拌速度を調整
して、発泡倍率を3.0倍にして用いた以外は実施例6
と同様にして受容シートを得た。この多孔性樹脂層の見
かけの密度は0.32g/cm3であった。
【0066】実施例8 実施例6の低密度ポリエチレンの代わりに高密度ポリエ
チレン(商標:ネオゼックス40150C、三井石油化
学製、密度:0.94)を用いた以外は実施例6と同様
にして受容シートを得た。
【0067】比較例3 実施例6の多孔性樹脂層用樹脂混合液を撹拌せず(発砲
倍率1.0倍)に塗工した以外は実施例6と同様にして
受容シートを得た。
【0068】比較例4 実施例6の多孔性樹脂層用樹脂混合液を塗工せず(すな
わち,多孔性樹脂層を設けなかった)以外は実施例6と
同様にして受容シートを得た。
【0069】評価 上記各実施例および比較例で得られた受容シートについ
て、それぞれ下記の方法により測定を行い得られた結果
を表1に示す。
【0070】〔断裁後カール評価〕得られた受容シート
をA5サイズに断裁し、20℃、65%RHの環境下で
24時間水平な机上に受容層面上にして放置したときの
カールを測定した。カールの程度は、凹面側を上にして
放置したときの4隅の持ち上がり量を測定しそれらの平
均値で表した。カールが増大すると印画プリンター中で
走行トラブルを起こしやすくなる等、商品価値が低下す
る。
【0071】〔画像の均一性〕厚さ6μmのポリエステ
ルフィルムの上に昇華性染料をバインダーとともに含む
インク層を設けたイエロー、マゼンタ、シアンの3色そ
れぞれのインクシートを受容シートに接触させ、市販の
熱転写ビデオプリンター(商標:VY−50、日立製作
所製)を用いて、サーマルヘッドで段階的に加熱するこ
とにより所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の
中間調の単色および色重ねの画像をプリントした。この
受容シート上に転写させた記録画像について、マクベス
反射濃度計RD−914(:商標)を用いて、印加エネ
ルギー別に反射濃度を測定し、光学濃度(黒)が1.0
に相当する階調部分の記録画像の均一性について、
(1)濃淡ムラの有無、および(2)白抜けの有無など
について目視観察した。上記、評価結果が特に優秀なも
のを5、良好なものを4、普通のものを3、少し欠陥の
あるものを2、欠陥の著しいものを1とした。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】本発明は、各種のサーマルプリンターに
対して、優れた印画適性を有し、カールの発生が殆どな
く、表面の光沢性が良好で、しかも低コストの熱転写受
容シートを提供するもであって、産業界に寄与するとこ
ろは大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱転写受容シートの一実施態様の構成を示す断
面説明図である。
【符号の説明】
1:熱転写受容シート 2:シート状セルロース芯材層 3:多孔性樹脂層 4:接着剤層 5:フィルム層 6:受容層 7:背面被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 滋雄 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状セルロース芯材層と、この芯材層
    の一面上に設けられたフィルム層と、前記フィルム層上
    に形成され、かつ染料染着性樹脂を主成分とする受容層
    とを有する熱転写受容シートにおいて、前記シート状セ
    ルロース芯材層の一面上に、水性系樹脂含有液に機械的
    撹拌を施すことにより形成された多数の微細気孔を有し
    てなる多孔性樹脂層が設けられ、この多孔性樹脂層表面
    に前記フィルム層を積層したことを特徴とする熱転写受
    容シート。
  2. 【請求項2】多孔性樹脂層表面の平均気孔直径が0.5
    〜30μmであり、かつ多孔性樹脂層の見かけの密度が
    0.05〜0.5g/cm3である請求項1記載の熱転
    写受容シート。
  3. 【請求項3】多孔性樹脂層とフィルム層が、ガラス転移
    温度50℃以下の高分子樹脂を用いてドライラミネート
    法により積層されている請求項1又は2記載の熱転写受
    容シート。
  4. 【請求項4】多孔性樹脂層とフィルム層が、ポリオレフ
    ィンを主成分とする樹脂を用いてエクストルージョンラ
    ミネート法により積層されている請求項1又は2記載の
    熱転写受容シート。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009220355A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Oji Paper Co Ltd 発泡体および該発泡体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009220355A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Oji Paper Co Ltd 発泡体および該発泡体の製造方法

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