JPH11300329A - 焼却灰の処理方法及びその装置 - Google Patents

焼却灰の処理方法及びその装置

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JPH11300329A
JPH11300329A JP10109987A JP10998798A JPH11300329A JP H11300329 A JPH11300329 A JP H11300329A JP 10109987 A JP10109987 A JP 10109987A JP 10998798 A JP10998798 A JP 10998798A JP H11300329 A JPH11300329 A JP H11300329A
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incinerated ash
heavy metal
regulator
ash
compound
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JP10109987A
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English (en)
Inventor
Miyuki Rikitake
幸 力武
Noriaki Shirahama
憲章 白濱
Migiji Matsushima
右児 松島
Yukihiro Matsuo
幸広 松尾
Kimihiro Koga
公博 古賀
Akio Kato
章男 加藤
Hiroyasu Nakano
浩康 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagasaki Ryoden Technica Co Ltd
Original Assignee
Nagasaki Ryoden Technica Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単にしかも効率よく焼却灰を処理するとと
もに、その有効利用を図る。 【解決手段】 焼却灰1中の未燃有機物、ダイオキシン
類等を反応槽2にて熱分解し、この熱分解した物質から
安定した結晶化合物を生成する。次に焼却灰1を粒子化
装置7にて粒子化し、反応槽10にて焼却灰1に含まれ
ている重金属類を還元し、反応槽16にて還元脱酸重金
属の硫化物を生成し、PH調整を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、都市ゴミ、下水
汚泥、その他産業廃棄物の焼却時に発生する焼却灰の処
理方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミ、下水汚泥、その他産業廃棄物
の焼却時に発生する焼却灰において、その一部はセメン
トの増量材、或いはブロックの骨材の一部、さらには焼
却灰を溶融した路盤材等として利用されてはいるもの
の、その大部分は埋立て処理されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の焼却灰の処理方
法は以上のように構成されているので、焼却灰に有害物
質が含まれたまま埋立て処理されてしまうおそれがあ
る。近年、埋立地の確保が困難になってきており、又、
焼却灰は、通常、ダイオキシン、ジベンソフランのダイ
オキシン類およびクロム、水銀、鉛、カドミウム等の重
金属類を含有していることが多く、かかるダイオキシン
類および重金属類による水質汚染の見地から廃棄基準が
厳しく、その結果、高コストの管理型埋立てが要求さ
れ、利用が困難であるという問題が発生している。従っ
て、今日においては、上記焼却灰の安全化処理が非常に
重要な課題となっている。
【0004】焼却灰の安全化処理としては、これをセメ
ントの補助材料として利用することが考えられる。しか
しながら、焼却灰には、CaO,SiO2 、Al2
3 、Fe23 、等、セメント類の有効成分を多く含ん
でいるものの、一方で、K2 O,Na2 Oのアルカリ成
分や、塩素成分を多く含んでおり、これをセメント材と
してそのまま利用することは好ましくない。また、最新
の焼成装置にそのまま焼却灰を処理しようとしても、前
記アルカリ成分や塩素成分が、ヒータやセンサ等に付着
し、これらを閉塞するなどして安定した操作が不可能と
なる。そればかりか、焼成した焼却灰によりアルカリ骨
材反応、塩素による鉄筋腐食等を起こし、焼却灰をその
ままセメント補助材として利用するには問題がある。
【0005】更に、未燃有機物や重金属化合物が多く含
まれている焼却灰には、適正処理方式とされているセメ
ント固化方式を採用しようとしても、未燃有機物から短
時間でメタンガスが発生し、固化物が破壊されるばかり
か、有害重金属類が破損部分から溶出して、環境維持を
図ることが難しい。従来の焼却灰の処理方法及びその装
置では、このような解決しなければならない課題があっ
た。
【0006】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、簡単にしかも効率よく焼却灰を処
理すると共に、その有効利用を図ることが可能な焼却灰
の処理方法及びその装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る焼却灰の
処理方法は、焼却灰中の未燃有機物を熱分解する工程1
と、前記未燃有機物が熱分解した焼却灰に、熱分解した
物質と反応する第1調整剤を添加して安定した結晶化合
物を生成する工程2と、残った焼却灰を粒子化する工程
3と、該粒子化した焼却灰に重金属化合物を活性化する
第2調整剤及び重金属化合物を還元脱酸する第3調整剤
を添加して、焼却灰に含まれている重金属化合物から、
還元雰囲気中で還元脱酸重金属を生成する工程4と、該
還元脱酸重金属を含む焼却灰に、前記還元脱酸重金属の
硫化物を生成するための第4調整剤およびPHを調整す
る第5調整剤を添加し、焼却灰に含まれている還元脱酸
重金属を硫化物に変え、さらに焼却灰のPHを調整する
工程5とを備えたものである。
【0008】この発明に係る焼却灰の処理方法は、工程
2において添加される第1調整剤および工程4において
添加される第2調整剤が、ナトリウムあるいはその化合
物、カリウムあるいはその化合物およびカルシウムある
いはカルシウム化合物のうち、少なくとも1つを含んで
いるものである。
【0009】この発明に係る焼却灰の処理方法は、第1
調整剤または第2調整剤に、水和固化速度制御剤を添加
したものである。
【0010】この発明に係る焼却灰の処理方法は、工程
4において添加される第3調整剤が、工程1において発
生する燃焼ガス、水素化合物、一酸化炭素、亜硫酸、ア
ルカリ金属、塩、不活性ガスおよび蟻酸、蓚酸のうち、
少なくとも1つを含んでいるものである。
【0011】この発明に係る焼却灰の処理方法は、工程
5において添加される第4調整剤が、硫黄又は硫化物で
あるものである。
【0012】この発明に係る焼却灰の処理方法は、工程
5において添加される第5調整剤が、PH調整水又は炭
酸ガスであるものである。
【0013】この発明に係る焼却灰の処理方法は、工程
5が、工程1において発生する燃焼ガスにより還元雰囲
気または、窒素、二酸化炭素等の雰囲気を形成し、前記
処理を行う工程であるものである。
【0014】この発明に係る焼却灰の処理装置は、焼却
灰中の未燃有機物を熱分解し、所定の第1調整剤を添加
して熱分解した物質と反応させ、安定した結晶化合物を
生成する第1の反応槽と、該第1の反応槽で残った焼却
灰を粒子化する粒子化装置と、該粒子化した焼却灰に重
金属化合物を活性化する第2調整剤及び重金属化合物を
還元脱酸する第3調整剤を添加して、焼却灰に含まれて
いる重金属化合物から、還元雰囲気、窒素雰囲気、二酸
化炭素雰囲気のうちのいずれか1つの雰囲気中で還元脱
酸重金属を生成する第2の反応槽と、前記還元脱酸重金
属の硫化物を生成するための第4調整剤を添加して前記
還元脱酸重金属の硫化物を生成し、PHを調整する第5
調整剤を添加して焼却灰のPHを調整する第3の反応槽
とを備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1に係る焼却
灰の処理方法およびその装置を示す図であり、図1にお
いて、1は焼却灰、2は焼却灰1に含まれている未燃有
機物を熱分解させるための反応槽(第1の反応槽)、4
は反応槽2の内部を撹拌する撹拌機、5は反応槽2の内
部を加熱する加熱器、6は反応槽2で発生した燃焼ガス
のフィルタリングを行うフィルタ、7は焼却灰1を15
0メッシュ以下の粒子にする例えばロータリ粉砕機、ミ
ル機器等の粒子化装置、10は焼却灰1に含まれている
重金属化合物を還元するための反応槽(第2の反応
槽)、11は反応槽10の内部を加熱する加熱器、12
は反応槽10の内部を撹拌する撹拌機、13は燃焼ガス
の温度が反応槽16の温度制御値と同じになるように温
度調整するための加熱式分岐器、16は還元脱酸重金属
類を硫化物にしてPH調整を行うための反応槽(第3の
反応槽)、17は反応槽16の内部を加熱する加熱器、
18は反応槽16の内部を撹拌する撹拌機である。
【0016】また、3は、ナトリウムあるいはその化合
物、カリウムあるいはその化合物およびカルシウムある
いは生石灰、消石灰等の化合物のうちの少なくとも1つ
を含み、熱分解した物質と反応させて結晶化合物を生成
するための第1調整剤、8は第1調整剤3と同じ成分で
はあるが、粒子化した焼却灰1に含まれている重金属化
合物を活性化する第2調整剤、9は反応槽2で発生する
燃焼ガス、あるいは水素化合物、一酸化炭素、亜硫酸、
アルカリ金属、塩、不活性ガスおよび蟻酸、蓚酸等の有
機物のうち、少なくとも1つを含み、重金属化合物を脱
酸する第3調整剤、14は硫黄又は硫化水素、硫化ナト
リウム、硫酸等の硫化物等からなり、還元脱酸重金属の
硫化物を生成するための第4調整剤、15はPH調整水
又は炭酸ガス等からなり、PHを調整する第5調整剤、
19はセメント補助剤である。尚、第1調整剤3または
第2調整剤8に、生成物を固化するために水和固化速度
制御剤を添加して固化するもよい。
【0017】次に動作について説明する。一般に稼働し
ている現状の焼却炉では、焼却灰1を完全燃焼させて排
出しているものは少なく、未然炭化物を多く含んでい
る。そして、そのままセメント等により固化させても、
未然炭化物等がメタンガス等の発生要因となリ、環境汚
染を著しく加速させる。
【0018】またダイオキシン類を始めとする塩素成分
やアルカリ成分については、焼却灰1に含有されている
ものを、そのままセメントでの固化を行っても短時間で
アルカリ骨材反応等によって固化による破損に至り、機
能損傷に結びつくことが考えられる。
【0019】ダイオキシン類は、600℃程度以上の雰
囲気に放置すると、その成分元素の炭素、酸素、塩素等
にイオン化された状態で浮遊することが知られている。
この状態での成分元素は危険物質とは評価されていな
い。しかしながら、徐々に冷却すると再結晶化し、猛毒
化することが知られている。
【0020】更に焼却灰1中のカドミウム(Cd)や、
鉛(Pb)等の重金属類はセメント固化させたものでも
雨水中に活性化された状態で溶解し、これをそのまま利
用あるいは廃棄することはできない。
【0021】焼却灰1中に含まれるカドミウム(Cd)
に代表される重金属類の溶解度は、一般にPH(ぺー
ハ)が大きくなればなるほど、小さくなる。しかし、焼
却灰1の中に含まれる鉛(Pb)はこの原則に当てはま
らず、鉛の溶解度(g/l)とPHとの関係は図2に示
す通りである。すなわち、PbではPH9で溶解度が最
小となり、逆にこれ以上PHが上昇しても下降しても溶
解度は大きくなる。
【0022】更に重金属類のうち地球上で主として硫化
物層に集まる元素、銅、銀、亜鉛、カドミウム、水銀、
鉛、砒素類等は重金属類の中で有害物質とされている
が、自然界においては硫化物として安定して存在してい
る。例えば、亜鉛の天然鉱石は、化合物ZnSの形で閃
亜鉛鉱、水銀の天然鉱石は、化合物HgSの形で辰砂、
銅の天然鉱石は、化合物Cu2 Sの形で輝銅鉱、鉛の天
然鉱石は、化合勿PbSの形で方鉛鉱として存在してい
る。しかしながら、焼却灰1中の硫化物相に集まる元素
は人工的に加工されているため、他の元素の化合物とな
っている。
【0023】実施の形態1では、焼却灰1中に含まれて
いるメタンの発生源となる未燃炭化物を除去し、ダイオ
キシン類の分解・安定化処理を行い、各種重金属物質の
溶解度を抑えるPH調整を行い、更に自然界に存在する
硫化物に転換させて安定焼却灰を生成することにより、
焼却灰1をセメント等の補助材として有効活用しようと
するものである。
【0024】ゴミ焼却場から排出された焼却灰1は反応
槽2に送られ、加熱器5により加熱される。焼却灰1を
加熱することにより、メタン発生源となる有機物および
有害なダイオキシン類は炭素、酸素、炭酸ガス、塩素等
の無機物のガス成分に分解され、活性化される。これに
第1調整剤3を添加し、ガス成分を第1調整剤3ととも
に撹拌機4で撹拌する。撹拌によりガス成分のうちの塩
素成分はNa,Ca,Kl等と結合し、例えばNaCl
等の安定化物質の結晶が生成される。この実施の形態1
では、焼却灰100Kgに対し、5gの第1調整剤で処
理可能であり、生成物は安定化物質として捕集可能であ
り、一般廃棄物とすることができる。
【0025】分析の結果、フィルタ6を経たガスにはダ
イオキシン類は検出されなかった。尚、反応槽2、加熱
器5および撹拌機4についてはこの実施の形態1に限定
されるものではなく、この3つの機器の機能を保有する
機器、例えばロータリーキルンを用いてもよい。
【0026】反応槽2の工程を経た焼却灰1は、次の反
応工程において焼却灰1の表面積を大きくして反応促進
を支援するため、粒子化装置7において150メッシュ
以下の粒子に粒子化される。50〜100メッシュ程度
の粒子にすることにより次工程で焼却灰100Kgを2
分程度の時間内で処理可能となり、最適な状態となる。
【0027】粒子化された焼却灰は粒子化装置7から排
出され、反応槽10に送られる。反応槽10にはフィル
タ6を通り、反応槽2の燃焼ガスが送られる。尚、この
燃焼ガスには未燃有機物が熱分解する際に発生する焼却
灰燃焼ガスと未燃有機物を加熱する際に用いられる重油
等の燃焼排気ガスとが含まれている。更に前述のように
第2調整剤8として、カルシウム化合物あるいはナトリ
ウム金属等、第3調整剤9として例えばH2 S、亜硫酸
等の還元脱酸剤がそれぞれ添加され、加熱器11により
加熱、撹拌機12によって混合撹拌される。
【0028】加熱された焼却灰1に含有されている重金
属類は、ゴミ焼却場あるいは反応槽2において酸化して
いるが、焼却灰1が保有する触媒機能および添加剤に混
合された触媒機能の活用、最適な雰囲気温度によリ、還
元脱酸重金属類に変換される。尚、形成する雰囲気とし
ては、還元雰囲気だけでなく、窒素、二酸化炭素等の雰
囲気であってもよい。
【0029】反応槽10で処理された焼却灰1は還元脱
酸重金属類を含んだ状態で、反応槽10から反応槽16
へ送られる。重金属のなかで、人体内に蓄積し、旦つ障
害を与えるものとして、亜鉛、水銀、カドミウム、銅、
鉛等があるが、前述のようにこれらは自然界においては
きわめて安定した硫化物として多く存在し、溶出し難
い。反応槽16では、このような現象に鑑みて硫黄を含
む第4調整剤14を添加し、還元脱酸重金属の硫化物を
生成する処理が行われる。
【0030】また、この送られてきた焼却灰1ではアル
カリ成分が強く、安全な処理を行うためには、PH調整
を行って重金属類を極力溶出しにくくする必要がある。
【0031】図2に示すように理想的には鉛(Pb)の
PHを9に、カドミニウム(Cd)のPHを7.5にす
ることが望ましいが、焼却灰1中に最も多く含まれる鉛
(Pb)に焦点を合わせることが現実的である。
【0032】PHを調整するため、反応槽16には、前
述の第5調整剤15が添加される。尚、加熱式分岐器1
3を通過してこの反応槽16へ送られた燃焼ガスに含ま
れている燃焼排気ガスによってもPHは調整される。こ
の実施の形態1では硫黄分を焼却灰1の1%、燃焼排気
ガスを3m3 /hr投入することにより、PHは10と
なり、鉛(Pb)の溶解度は極小に近づき、焼却灰1中
の金属分析溶出試験では、Pb,Cd,CrおよびAs
の検出量が0.001mg/l未満となった。
【0033】反応槽16で処理された焼却灰1はセメン
ト補助剤19として排出される。この処理された焼却灰
1は以上の工程で焼成されていることから、セメント補
助剤19を適度の水と混合撹拌させることにより、水和
反応が起き、セメント補助剤19を固化させることがで
きる。
【0034】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、極めて効果的に焼却灰1を処理することができ、こ
れをセメントの補助剤、原料等として有効に活用するこ
とができるという効果が得られる。
【0035】尚、本実施の形態1では、一般焼却灰を中
心に処理説明を行ってきたが、特別管理廃棄物に指定さ
れている「飛灰」についても同様に処理可能であり、公
害問題に対応することができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、焼却
灰中の未燃有機物を熱分解する工程1と、前記未燃有機
物が熱分解した焼却灰に、熱分解した物質と反応する第
1調整剤を添加して安定した結晶化合物を生成する工程
2と、残った焼却灰を粒子化する工程3と、該粒子化し
た焼却灰に重金属化合物を活性化する第2調整剤及び重
金属化合物を還元脱酸する第3調整剤を添加して、焼却
灰に含まれている重金属化合物から、還元雰囲気中で還
元脱酸重金属を生成する工程4と、該還元脱酸重金属を
含む焼却灰に、前記還元脱酸重金属の硫化物を生成する
ための第4調整剤およびPHを調整する第5調整剤を添
加し、焼却灰に含まれている還元脱酸重金属を硫化物に
変え、さらに焼却灰のPHを調整する工程5とを備える
ように構成したので、極めて効果的に焼却灰を処理する
ことができ、これをセメント補助剤、原料等として有効
に活用することができるという効果を得ることができ
る。
【0037】この発明によれば、工程2において添加さ
れる第1調整剤および工程4において添加される第2調
整剤が、ナトリウムあるいはその化合物、カリウムある
いはその化合物およびカルシウムあるいはカルシウム化
合物のうち、少なくとも1つを含んでいるように構成し
たので、工程2においては熱分解した物質と反応させて
安定した結晶化合物を生成することができ、工程4にお
いては重金属化合物を活性化して還元脱酸重金属を生成
しやすくするという効果がある。
【0038】この発明によれば、第1調整剤または第2
調整剤に、水和固化速度制御剤を添加するように構成し
たので、固化する速度を制御することができるという効
果がある。
【0039】この発明によれば、工程4において添加さ
れる第3調整剤が、工程1において発生する燃焼ガス、
水素化合物、一酸化炭素、亜硫酸、アルカリ金属、塩、
不活性ガスおよび蟻酸、蓚酸のうち、少なくとも1つを
含むように構成したので、還元雰囲気を形成することが
できるという効果がある。
【0040】この発明によれば、工程5において添加さ
れる第4調整剤が、硫黄又は硫化物であるように構成し
たので、還元脱酸重金属の硫化物を生成することができ
るという効果がある。
【0041】この発明によれば、工程5において添加さ
れる第5調整剤が、PH調整水又は炭酸ガスであるよう
に構成したので、PHを調整することができるという効
果がある。
【0042】この発明によれば、工程5が、工程1にお
いて発生する燃焼ガスにより還元雰囲気または窒素、二
酸化炭素等の雰囲気を形成し、前記処理を行う工程であ
るように構成したので、これらの雰囲気を形成すること
で還元脱酸重金属の硫化物を生成し、PHを調整するこ
とができ、また、燃焼ガスの場合は、工程1で発生した
燃焼ガスを再利用して還元雰囲気を形成することができ
るという効果がある。
【0043】この発明によれば、焼却灰中の未燃有機物
を熱分解し、所定の第1調整剤を添加して熱分解した物
質と反応させ、安定した結晶化合物を生成する第1の反
応槽と、該第1の反応槽で残った焼却灰を粒子化する粒
子化装置と、該粒子化した焼却灰に重金属化合物を活性
化する第2調整剤及び重金属化合物を還元脱酸する第3
調整剤を添加して、焼却灰に含まれている重金属化合物
から、還元雰囲気、窒素雰囲気、二酸化炭素雰囲気のう
ちのいずれか1つの雰囲気中で還元脱酸重金属を生成す
る第2の反応槽と、前記還元脱酸重金属の硫化物を生成
するための第4調整剤を添加して前記還元脱酸重金属の
硫化物を生成し、PHを調整する第5調整剤を添加して
焼却灰のPHを調整する第3の反応槽とを備えるように
構成したので、極めて効果的に焼却灰を処理することが
でき、これをセメント補助剤、原料等として有効に活用
することができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る焼却灰の処理方
法およびその装置を示す図である。
【図2】重金属の溶解度とPHとの関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 焼却灰 2 反応槽(第1の反応槽) 7 粒子化装置 10 反応槽(第2の反応槽) 16 反応槽(第3の反応槽)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 幸広 長崎県長崎市丸尾町4番4号 長崎菱電テ クニカ株式会社内 (72)発明者 古賀 公博 長崎県長崎市丸尾町4番4号 長崎菱電テ クニカ株式会社内 (72)発明者 加藤 章男 長崎県長崎市丸尾町4番4号 長崎菱電テ クニカ株式会社内 (72)発明者 中野 浩康 長崎県長崎市丸尾町4番4号 長崎菱電テ クニカ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却灰中の未燃有機物を熱分解する工程
    1と、 前記未燃有機物が熱分解した焼却灰に、熱分解した物質
    と反応する第1調整剤を添加して安定した結晶化合物を
    生成する工程2と、 残った焼却灰を粒子化する工程3と、 該粒子化した焼却灰に重金属化合物を活性化する第2調
    整剤及び重金属化合物を還元脱酸する第3調整剤を添加
    して、焼却灰に含まれている重金属化合物から、還元雰
    囲気中で還元脱酸重金属を生成する工程4と、 該還元脱酸重金属を含む焼却灰に、前記還元脱酸重金属
    の硫化物を生成するための第4調整剤およびPHを調整
    する第5調整剤を添加し、焼却灰に含まれている還元脱
    酸重金属を硫化物に変え、さらに焼却灰のPHを調整す
    る工程5とを備えていることを特徴とする焼却灰の処理
    方法。
  2. 【請求項2】 工程2において添加される第1調整剤お
    よび工程4において添加される第2調整剤は、ナトリウ
    ムあるいはその化合物、カリウムあるいはその化合物お
    よびカルシウムあるいはカルシウム化合物のうち、少な
    くとも1つを含んでいることを特徴とする請求項1記載
    の焼却灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 第1調整剤または第2調整剤に、水和固
    化速度制御剤を添加したことを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の焼却灰の処理方法。
  4. 【請求項4】 工程4において添加される第3調整剤
    は、工程1において発生する燃焼ガス、水素化合物、一
    酸化炭素、亜硫酸、アルカリ金属、塩、不活性ガスおよ
    び蟻酸、蓚酸のうち、少なくとも1つを含んでいること
    を特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1
    項記載の焼却灰の処理方法。
  5. 【請求項5】 工程5において添加される第4調整剤
    は、硫黄又は硫化物であることを特徴とする請求項1か
    ら請求項4のうちのいずれか1項記載の焼却灰の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 工程5において添加される第5調整剤
    は、PH調整水又は炭酸ガスであることを特徴とする請
    求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の焼却灰
    の処理方法。
  7. 【請求項7】 工程5は、工程1において発生する燃焼
    ガスにより還元雰囲気または窒素、二酸化炭素等の雰囲
    気を形成し、前記処理を行う工程であることを特徴とす
    る請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の焼
    却灰の処理方法。
  8. 【請求項8】 焼却灰中の未燃有機物を熱分解し、所定
    の第1調整剤を添加して熱分解した物質と反応させ、安
    定した結晶化合物を生成する第1の反応槽と、 該第1の反応槽で残った焼却灰を粒子化する粒子化装置
    と、 該粒子化した焼却灰に重金属化合物を活性化する第2調
    整剤及び重金属化合物を還元脱酸する第3調整剤を添加
    して、焼却灰に含まれている重金属化合物から、還元雰
    囲気、窒素雰囲気、二酸化炭素雰囲気のうちのいずれか
    1つの雰囲気中で還元脱酸重金属を生成する第2の反応
    槽と、 前記還元脱酸重金属の硫化物を生成するための第4調整
    剤を添加して前記還元脱酸重金属の硫化物を生成し、P
    Hを調整する第5調整剤を添加して焼却灰のPHを調整
    する第3の反応槽とを備えたことを特徴とする焼却灰の
    処理装置。
JP10109987A 1998-04-20 1998-04-20 焼却灰の処理方法及びその装置 Pending JPH11300329A (ja)

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JP2007033142A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Nippo Mecx Kk 計量装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007033142A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Nippo Mecx Kk 計量装置
JP4658728B2 (ja) * 2005-07-25 2011-03-23 ニッポメックス株式会社 計量装置

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