JPH11299581A - 流体圧利用マット - Google Patents

流体圧利用マット

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JPH11299581A
JPH11299581A JP3448699A JP3448699A JPH11299581A JP H11299581 A JPH11299581 A JP H11299581A JP 3448699 A JP3448699 A JP 3448699A JP 3448699 A JP3448699 A JP 3448699A JP H11299581 A JPH11299581 A JP H11299581A
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liquid
liquid bag
mat
fluid pressure
width
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JP3448699A
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Takeshi Kamijo
健 上條
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Calsonic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量な「流体圧利用マット」を提供する。 【解決手段】液体Lが封入された液体袋11がマット1
の一部に設けられている。その他の部分はウレタンパッ
ド12で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば寝たきり
患者などの褥瘡(圧迫性壊疽(えそ)の一種であり、重
症患者が長期間臥床している時、皮下脂肪の減少、皮膚
循環の障害により、体重がかかる部分にできる潰瘍やと
こずれのこと)を予防するためなどとして好適に用いら
れるウォータマットなどの流体圧利用マットに関する。
【0002】
【従来の技術】褥瘡予防用ウォータマットとしては、た
とえば実公昭59−5,409号公報、実開平4−3
2,142号公報に開示されているように、寝具全体に
液体袋が配置されているものが知られている。
【0003】褥瘡は、多くの原因により発生すると考え
られているが、主要な要因と考えられているのが、患者
の身体にかかる持続的な長時間の圧迫である。したがっ
て、上記従来のウォータマットは、患者の身体をより広
い面で支えることによって、身体にかかる圧力を均一に
し圧力集中を少なくするように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ウォータマットは、寝具全体に液体袋が配置されている
ので100kg前後の重量があり、持ち運びに不便であ
る。また、重量物なのでベッド側の支持構造を強固なも
のにする必要もある。
【0005】一方、100kg前後の液体が封入されて
いるので、漏洩したときの処理も著しく困難である。ま
た、体温が多量の液体に奪われるのでそのままでは使用
できず、断熱体あるいは液体の保温機器が必要となる。
仮に液体の保温機器を設けたとしても昇温に時間がかか
るといった問題があった。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、褥瘡などの予防効果および寝心地を維持しつつ、き
わめて軽量な流体圧利用マットを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の流体圧利用マットは、液体が封入された液
体袋がマットの一部に設けられていることを特徴とす
る。
【0008】すなわち、必要な部分にのみ液体袋を配置
することで、褥瘡などの予防効果および寝心地を維持し
つつ、軽量化が達成でき運搬に利便となる。また、液体
量が少ないので、たとえ漏洩したとしても後処理の煩雑
さが軽減される。さらに、液体量が少ないので、体温の
吸熱量が比較的少なく、また保温機器を設ければ昇温時
間を短縮することができる。
【0009】ちなみに、液体袋が設けられた部分以外の
マットの部分は、比重が1未満の材料により構成するこ
とが望ましい。特に限定されないが、ポリウレタンなど
を例示することができる。
【0010】本発明に係る液体袋の配置に関しては、特
に限定されず以下の形態を採用することが好ましい。請
求項2記載の流体圧利用マットは、前記液体袋が、体幅
以下の幅で体幹方向に沿って延在することを特徴とす
る。液体袋の体幅方向の幅寸法を体幅以下にすること
で、臥床したときの臀部等からの圧力の伝搬が主として
体幹方向に円滑に作用する。すなわち、臀部等からの圧
力が腰椎部の湾曲面に伝搬し、パスカルの原理によって
同一圧力となり、これにより直立姿勢を維持したまま臥
床することができる。その結果、直立姿勢にきわめて近
い姿勢で臥床することができ、寝心地が良好になるとと
もに床ずれ防止や姿勢の矯正に寄与することとなる。
【0011】請求項3記載の流体圧利用マットは、前記
液体袋が、少なくとも臥床状態における肩胛骨から臀部
に至る範囲に設けられていることを特徴とする。直立姿
勢を維持したまま臥床するために最も必要とされる領域
に液体袋を設けることで、マットの軽量化を効率的に図
ることができる。
【0012】請求項4記載の流体圧利用マットは、前記
液体袋が、体幹方向に沿って設けられた複数の液体袋か
らなることを特徴とする。液体袋を複数に分割すること
で、就寝中に寝返りをうっても、直立姿勢を維持して臥
床することができる。
【0013】請求項5記載の流体圧利用マットは、前記
複数の液体袋の一部が、互いに重ね合わされていること
を特徴とする。複数に分割された液体袋を互いに重ね合
わせることで、寝返りの際の液体袋の変形を滑らかに
し、身体に作用する圧力を臥床位置に拘わらず常に均一
に保つことができる。
【0014】請求項6記載の流体圧利用マットは、前記
液体袋が、体幹方向に沿って分割された互いに独立の3
つの液体袋からなり、真中の液体袋の体幅方向の幅を、
その両側に設けられた液体袋の体幅方向の幅より幅広に
してあることを特徴とする。真中の液体袋の幅を他の液
体袋より幅広にすることで、臥床状態における真中の液
体袋と両側の液体袋との厚み差が小さくなり、しかも両
側の液体袋により身体の側部に壁が形成されるので、安
定かつ十分な身体の支持性能を得ることができる。
【0015】請求項7記載の流体圧利用マットは、前記
液体袋が、マットの体幅方向に対する中央であって体幹
方向に対する略中央に設けられていることを特徴とす
る。直立姿勢を維持したまま臥床するために最も必要と
される領域に液体袋を設けることで、マットの軽量化を
一層効率的に図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。第1実施形態 図1は本発明の流体圧利用マットの第1実施形態を示す
(A)斜視図および(B)平面図、図2(A)は図1の
A−A線、図2(B)は図2(A)のB−B線、図2
(C)は図2(A)のC−C線に沿う断面図である。
【0017】図1に示すように、本実施形態の流体圧利
用マット1は、体幅方向Xに対する中央に体幹方向Yに
延在する液体袋11が配置され、その両側にウレタンパ
ッド12,12が配置された基本構造を採る。液体袋1
1には、予め防腐剤が添加された水Lを注入しておくた
めの流体注入口111が形成されている。なお、この液
体注入口111の設置位置は図示する位置には特に何ら
限定されず、必要に応じて決定される。
【0018】液体袋11は、内部に液体Lが注入された
うえ体圧が加わるので、これに対処できる厚さおよび強
度を有する防水シートで形成されており、特に限定され
ないがビニールシートなどを溶着することにより製造す
ることができる。
【0019】液体袋11の厚さtは、図2(A)に示す
ように人間Mが自然に臥床した状態で最も落ち込む位置
(通常は同図に示す臀部M2である。)においても、底
付きしない程度の厚さとすることが望ましい。
【0020】ウレタンパッド12は、液体袋11の両側
の位置を規制するように配置され、必要に応じて硬質ウ
レタン〜軟質ウレタンが採用される。また、図示する例
では、液体袋11とウレタンパッド12との厚さtをほ
ぼ同一にしたが、ウレタンパッド12の中央に凹部を形
成し、ここに液体袋11を載置しても良い。
【0021】特に本実施形態の流体圧利用マット1で
は、図1(B)に示すように、液体袋11の体幅方向X
(同図(A)参照)の幅Wが、平均的な日本人の身体の
幅Wmと同等か或いはそれよりも小さくされている(W
≦Wm)。ここで、身体の幅、つまり本明細書にいう体
幅Wmとは、肩幅と臀部の幅との平均値をいうものとす
る。
【0022】ちなみに、図示は省略するが、使用に際し
ては液体袋11とウレタンパッド12とを包み込むカバ
ーを設けることが望ましい。また、図示はしないが、液
体袋11およびウレタンパッド12の下面および/また
は上面に他のパッドを設けても良い。さらに、ウレタン
パッド12は複数のパッドを積層して構成しても良く、
この場合、必要に応じて各パッドの硬度を相違させても
良い。
【0023】次に作用を説明する。直立姿勢と同じ姿勢
で臥床できるマットが、床ずれ対策や寝心地に対して良
好である。こうした観点から、図2に示すように、本実
施形態の流体圧利用マット1に人間Mが臥床すると、最
も背面側に突出した臀部(仙骨が略中心となる。)M2
が最も落ち込み、直立姿勢と同じ姿勢を維持しようとす
る。
【0024】また、この臀部M2の落ち込みにより、液
体Lが周囲へ逃げようとするが、液体袋11の両側はウ
レタンパッド12でその動きが規制されているので、こ
の液体Lは体幹方向Yにのみ移動することになる。
【0025】そして、この体幹方向Yに移動しようとす
る液体Lは、主として、臥床状態で最も上に凸状態、つ
まり最も身体Mからの圧力を受けていない腰椎部M3に
移動することとなり、同図(B)に示すように液体袋1
1は、腰椎部M3を押し上げるように変形する。すなわ
ち、本実施形態の流体圧利用マット1では、臀部M2の
圧力が腰椎部M3に伝搬し、パスカルの原理によって同
一圧力となり、これにより直立姿勢を維持したまま臥床
することができる。
【0026】このように、本実施形態の流体圧利用マッ
ト1によれば、直立姿勢にきわめて近い姿勢で臥床する
ことができ、寝心地が良好になるとともに床ずれ防止や
姿勢の矯正に寄与することとなる。
【0027】また、従来のウォータマットに比べて、液
体Lの重量が約1/3となっているので、軽量化が達成
でき、運搬に利便である。また、液体量が少ないので、
たとえ漏洩したとしても後処理の煩雑さが軽減される。
さらに、液体量が少ないので、体温の吸熱量が比較的少
なく、また保温機器を設ければ昇温時間を短縮すること
ができる。
【0028】第2実施形態 図3は本発明の流体圧利用マットの第2実施形態を示す
斜視図、図4(A)は図3のA−A線、図4(B)は図
4(A)のB−B線、図4(C)は図4(A)のC−C
線に沿う断面図である。
【0029】図3に示すように、本実施形態の流体圧利
用マット1は、体幹方向Yに対する略中央に体幅方向X
に延在する液体袋11が配置され、その前後側にウレタ
ンパッド12,12が配置された基本構造を採る。液体
袋11には、予め防腐剤が添加された水Lを注入してお
くための流体注入口111が形成されている。なお、こ
の液体注入口111の設置位置は図示する位置には特に
何ら限定されず、必要に応じて決定される。
【0030】液体袋11は、内部に液体Lが注入された
うえ体圧が加わるので、これに対処できる厚さおよび強
度を有する防水シートで形成されており、特に限定され
ないがビニールシートなどを溶着することにより製造す
ることができる。
【0031】液体袋11の厚さtは、図4(A)(C)
に示すように人間Mが自然に臥床した状態で最も落ち込
む位置(通常は同図に示す臀部M2である。)において
も、底付きしない程度の厚さとすることが望ましい。
【0032】ウレタンパッド12は、液体袋11の前後
両側の位置を規制するように配置され、必要に応じて硬
質ウレタン〜軟質ウレタンが採用される。また、図示す
る例では、液体袋11とウレタンパッド12との厚さt
をほぼ同一にしたが、ウレタンパッド12の中央に凹部
を形成し、ここに液体袋11を載置しても良い。
【0033】特に本実施形態の流体圧利用マット1で
は、図4(A)に示すように、液体袋11の体幹方向Y
の設置位置が、平均的な日本人の身体の少なくとも肩胛
骨M1から臀部M2に至ることとされている。
【0034】ちなみに、図示は省略するが、使用に際し
ては液体袋11とウレタンパッド12とを包み込むカバ
ーを設けることが望ましい。また、図示はしないが、液
体袋11およびウレタンパッド12の下面および/また
は上面に他のパッドを設けても良い。さらに、ウレタン
パッド12は複数のパッドを積層して構成しても良く、
この場合、必要に応じて各パッドの硬度を相違させても
良い。
【0035】次に作用を説明する。直立姿勢と同じ姿勢
で臥床できるマットが、床ずれ対策や寝心地に対して良
好である。こうした観点から、図4に示すように、本実
施形態の流体圧利用マット1に人間Mが臥床すると、最
も背面側に突出した臀部(仙骨が略中心となる。)M2
が最も落ち込み、直立姿勢と同じ姿勢を維持しようとす
る。
【0036】また、この臀部M2の落ち込みにより、液
体Lが周囲へ逃げようとするが、液体袋11の前後の両
側はウレタンパッド12でその動きが規制されているの
で、この液体Lは体幅方向Xおよび肩胛骨M1から臀部
M2に至る間の体幹方向Yにのみ移動することになる。
【0037】そして、こうした領域はきわめて限定され
ており、臀部M2の落ち込み量は応答性良く、主とし
て、臥床状態で最も上に凸状態、つまり最も身体Mから
の圧力を受けていない腰椎部M3に伝わり、同図(B)
に示すように液体袋11は、腰椎部M3を押し上げるよ
うに変形する。すなわち、本実施形態の流体圧利用マッ
ト1では、臀部M2の圧力が腰椎部M3に伝搬し、パス
カルの原理によって同一圧力となり、これにより直立姿
勢を維持したまま臥床することができる。
【0038】このように、本実施形態の流体圧利用マッ
ト1によれば、直立姿勢にきわめて近い姿勢で臥床する
ことができ、寝心地が良好になるとともに床ずれ防止や
姿勢の矯正に寄与することとなる。
【0039】また、身体が受ける圧力が均等になる領域
を必要な位置に限定した結果、従来のウォータマットに
比べて、液体Lの重量が約1/3となっているので、軽
量化が達成でき、運搬に利便である。また、液体量が少
ないので、たとえ漏洩したとしても後処理の煩雑さが軽
減される。さらに、液体量が少ないので、体温の吸熱量
が比較的少なく、また保温機器を設ければ昇温時間を短
縮することができる。
【0040】第3実施形態 図5は本発明の流体圧利用マットの第3実施形態を示す
(A)斜視図および(B)平面図、図6(A)は図5の
A−A線、図6(B)は図6(A)のB−B線、図6
(C)は図6(A)のC−C線に沿う断面図である。
【0041】図5に示すように、本実施形態の流体圧利
用マット1は、体幅方向Xに対する中央であって体幹方
向Yに対する略中央に、液体袋11が配置され、その前
後両側、すなわち周囲にウレタンパッド12,12が配
置された基本構造を採る。液体袋11には、予め防腐剤
が添加された水Lを注入しておくための流体注入口11
1が形成されている。なお、この液体注入口111の設
置位置は図示する位置には特に何ら限定されず、必要に
応じて決定される。
【0042】液体袋11は、内部に液体Lが注入された
うえ体圧が加わるので、これに対処できる厚さおよび強
度を有する防水シートで形成されており、特に限定され
ないがビニールシートなどを溶着することにより製造す
ることができる。
【0043】液体袋11の厚さtは、図6(A)(C)
に示すように人間Mが自然に臥床した状態で最も落ち込
む位置(通常は同図に示す臀部M2である。)において
も、底付きしない程度の厚さとすることが望ましい。
【0044】ウレタンパッド12は、液体袋11の周囲
の位置を規制するように配置され、必要に応じて硬質ウ
レタン〜軟質ウレタンが採用される。また、図示する例
では、ウレタンパッド12の中央に凹部を形成し、ここ
に液体袋11を載置したが、液体袋11とウレタンパッ
ド12との厚さtをほぼ同一にしても良い。
【0045】特に本実施形態の流体圧利用マット1で
は、図6(A)に示すように、液体袋11の体幹方向Y
の設置位置が、平均的な日本人の身体の少なくとも肩胛
骨M1から臀部M2に至ることとされている。また、図
5(B)に示すように、液体袋11の体幅方向Xの幅W
が、平均的な日本人の身体の幅Wmと同等か或いはそれ
よりも小さくされている(W≦Wm)。
【0046】ちなみに、図示は省略するが、使用に際し
ては液体袋11とウレタンパッド12とを包み込むカバ
ーを設けることが望ましい。また、図示はしないが、液
体袋11およびウレタンパッド12の下面および/また
は上面に他のパッドを設けても良い。さらに、ウレタン
パッド12は複数のパッドを積層して構成しても良く、
この場合、必要に応じて各パッドの硬度を相違させても
良い。
【0047】次に作用を説明する。直立姿勢と同じ姿勢
で臥床できるマットが、床ずれ対策や寝心地に対して良
好である。こうした観点から、図6に示すように、本実
施形態の流体圧利用マット1に人間Mが臥床すると、最
も背面側に突出した臀部(仙骨が略中心となる。)M2
が最も落ち込み、直立姿勢と同じ姿勢を維持しようとす
る。
【0048】また、この臀部M2の落ち込みにより、液
体Lが周囲へ逃げようとするが、液体袋11の周囲は全
てウレタンパッド12でその動きが規制されているの
で、この液体Lは肩胛骨M1から臀部M2に至る間の体
幹方向Yにのみ移動することになる。
【0049】そして、この体幹方向Yに移動しようとす
る液体Lは、主として、臥床状態で最も上に凸状態、つ
まり最も身体Mからの圧力を受けていない腰椎部M3に
移動することとなり、同図(B)に示すように液体袋1
1は、腰椎部M3を押し上げるように変形する。しか
も、液体袋11が設置された領域はきわめて限定されて
いるので、臀部M2の落ち込み量は応答性良く伝搬す
る。すなわち、本実施形態の流体圧利用マット1では、
臀部M2の圧力が腰椎部M3に伝搬し、パスカルの原理
によって同一圧力となり、これにより直立姿勢を維持し
たまま臥床することができる。
【0050】このように、本実施形態の流体圧利用マッ
ト1によれば、直立姿勢にきわめて近い姿勢で臥床する
ことができ、寝心地が良好になるとともに床ずれ防止や
姿勢の矯正に寄与することとなる。
【0051】また、身体が受ける圧力が均等になる領域
を必要な位置に限定した結果、従来のウォータマットに
比べて、液体Lの重量が約1/9となっているので、軽
量化が達成でき、運搬に利便である。また、液体量が少
ないので、たとえ漏洩したとしても後処理の煩雑さが軽
減される。さらに、液体量が少ないので、体温の吸熱量
が比較的少なく、また保温機器を設ければ昇温時間を短
縮することができる。
【0052】第4実施形態 図7は本発明の流体圧利用マットの第4実施形態を示す
(A)斜視図および(B)平面図、図8(A)は図7の
A−A線、図8(B)は図8(A)のB−B線、図8
(C)は図8(A)のC−C線に沿う断面図である。
【0053】図7に示すように、本実施形態の流体圧利
用マット1は、体幅方向Xに対する中央であって体幹方
向Yに対する略中央に、液体袋11が配置され、その前
後両側、すなわち周囲にウレタンパッド12,12が配
置された基本構造を採る。また、本実施形態に係る液体
袋11は、体幹方向Yに沿って分割された互いに独立の
3つの液体袋11a,11b,11cからなる。それぞ
れの液体袋11a〜11cには、予め防腐剤が添加され
た水Lを注入しておくための流体注入口111a,11
1b,111cが形成されている。なお、この液体注入
口111a〜111cの設置位置は図示する位置には特
に何ら限定されず、必要に応じて決定される。
【0054】それぞれの液体袋11a〜11cは、内部
に液体Lが注入されたうえ体圧が加わるので、これに対
処できる厚さおよび強度を有する防水シートで形成され
ており、特に限定されないがビニールシートなどを溶着
することにより製造することができる。
【0055】それぞれの液体袋11a〜11cの厚さt
は、図8(A)(C)に示すように人間Mが自然に臥床
した状態で最も落ち込む位置(通常は同図に示す臀部M
2である。)においても、底付きしない程度の厚さとす
ることが望ましい。
【0056】ウレタンパッド12は、液体袋11の周囲
の位置を規制するように配置され、必要に応じて硬質ウ
レタン〜軟質ウレタンが採用される。また、図示する例
では、ウレタンパッド12の中央に凹部を形成し、ここ
に液体袋11を載置したが、液体袋11とウレタンパッ
ド12との厚さtをほぼ同一にしても良い。
【0057】本実施形態の流体圧利用マット1では、図
8(A)に示すように、液体袋11の体幹方向Yの設置
位置が、平均的な日本人の身体の少なくとも肩胛骨M1
から臀部M2に至ることとされている。また、図7
(B)に示すように、液体袋11の体幅方向Xの幅W
が、平均的な日本人の身体の幅Wmより大きくされてい
る(Wm<W)。
【0058】ちなみに、図示は省略するが、使用に際し
ては液体袋11とウレタンパッド12とを包み込むカバ
ーを設けることが望ましい。また、図示はしないが、液
体袋11およびウレタンパッド12の下面および/また
は上面に他のパッドを設けても良い。さらに、ウレタン
パッド12は複数のパッドを積層して構成しても良く、
この場合、必要に応じて各パッドの硬度を相違させても
良い。
【0059】次に作用を説明する。直立姿勢と同じ姿勢
で臥床できるマットが、床ずれ対策や寝心地に対して良
好である。こうした観点から、図8に示すように、本実
施形態の流体圧利用マット1に人間Mが臥床すると、最
も背面側に突出した臀部(仙骨が略中心となる。)M2
が最も落ち込み、直立姿勢と同じ姿勢を維持しようとす
る。
【0060】また、この臀部M2の落ち込みにより、液
体Lが周囲へ逃げようとするが、液体袋11の周囲は全
てウレタンパッド12でその動きが規制されているの
で、この液体Lは肩胛骨M1から臀部M2に至る間の体
幹方向Yにのみ移動することになる。
【0061】そして、この体幹方向Yに移動しようとす
る液体Lは、主として、臥床状態で最も上に凸状態、つ
まり最も身体Mからの圧力を受けていない腰椎部M3に
移動することとなり、同図(B)に示すように液体袋1
1は、腰椎部M3を押し上げるように変形する。しか
も、液体袋11が設置された領域はきわめて限定されて
いるので、臀部M2の落ち込み量は応答性良く伝搬す
る。すなわち、本実施形態の流体圧利用マット1では、
臀部M2の圧力が腰椎部M3に伝搬し、パスカルの原理
によって同一圧力となり、これにより直立姿勢を維持し
たまま臥床することができる。
【0062】これに加えて本実施形態の流体圧利用マッ
ト1では、液体袋11の体幅方向Xの幅を体幅Wmより
十分大きくしているので、就寝中に寝返りをうっても、
両側の液体袋11bまたは11cの何れかによって上述
した同じ作用を司ることになる。
【0063】このように、本実施形態の流体圧利用マッ
ト1によれば、寝返りの有無に拘わらず、直立姿勢にき
わめて近い姿勢で臥床することができ、寝心地が良好に
なるとともに床ずれ防止や姿勢の矯正に寄与することと
なる。
【0064】また、身体が受ける圧力が均等になる領域
を必要な位置に限定した結果、従来のウォータマットに
比べて、液体Lの重量が約1/5となっているので、軽
量化が達成でき、運搬に利便である。また、液体量が少
ないので、たとえ漏洩したとしても後処理の煩雑さが軽
減される。さらに、液体量が少ないので、体温の吸熱量
が比較的少なく、また保温機器を設ければ昇温時間を短
縮することができる。
【0065】第5実施形態 図9は本発明の流体圧利用マットの第5実施形態を示す
(A)斜視図および(B)平面図、図10(A)は図9
のA−A線、図10(B)は図10(A)のB−B線、
図10(C)は図10(A)のC−C線に沿う断面図で
ある。
【0066】図9に示すように、本実施形態の流体圧利
用マット1は、体幅方向Xに対する中央であって体幹方
向Yに対する略中央に、液体袋11が配置され、その前
後両側、すなわち周囲にウレタンパッド12,12が配
置された基本構造を採る。
【0067】また、本実施形態に係る液体袋11は、上
述した第4実施形態と同様に体幹方向Yに沿って分割さ
れた互いに独立の3つの液体袋11a,11b,11c
からなるが、これら3つの液体袋11のうち隣り合う液
体袋11aと11bおよび11aと11cの側縁が互い
に重なり合って設置されている。図9(B)に示すよう
に、各液体袋11a〜11cの幅をWa,Wb,Wcと
すると、重なり幅は全体の幅Wとして、(Wa+Wb+
Wc−W)/2で表されるが、具体的にどの程度の寸法
だけ重ね合わせるかについては特に限定されない。
【0068】それぞれの液体袋11a〜11cには、予
め防腐剤が添加された水Lを注入しておくための流体注
入口111a,111b,111cが形成されている。
なお、この液体注入口111a〜111cの設置位置は
図示する位置には特に何ら限定されず、必要に応じて決
定される。
【0069】それぞれの液体袋11a〜11cは、内部
に液体Lが注入されたうえ体圧が加わるので、これに対
処できる厚さおよび強度を有する防水シートで形成され
ており、特に限定されないがビニールシートなどを溶着
することにより製造することができる。
【0070】それぞれの液体袋11a〜11cの厚さt
は、図10(A)(C)に示すように人間Mが自然に臥
床した状態で最も落ち込む位置(通常は同図に示す臀部
M2である。)においても、底付きしない程度の厚さと
することが望ましい。
【0071】ウレタンパッド12は、液体袋11の周囲
の位置を規制するように配置され、必要に応じて硬質ウ
レタン〜軟質ウレタンが採用される。また、図示する例
では、ウレタンパッド12の中央に凹部を形成し、ここ
に液体袋11を載置したが、液体袋11とウレタンパッ
ド12との厚さtをほぼ同一にしても良い。
【0072】本実施形態の流体圧利用マット1では、図
10(A)に示すように、液体袋11の体幹方向Yの設
置位置が、平均的な日本人の身体の少なくとも肩胛骨M
1から臀部M2に至ることとされている。また、図9
(B)に示すように、液体袋11の体幅方向Xの幅W
が、平均的な日本人の身体の幅Wmより大きくされてい
る(Wm<W)。
【0073】ちなみに、図示は省略するが、使用に際し
ては液体袋11とウレタンパッド12とを包み込むカバ
ーを設けることが望ましい。また、図示はしないが、液
体袋11およびウレタンパッド12の下面および/また
は上面に他のパッドを設けても良い。さらに、ウレタン
パッド12は複数のパッドを積層して構成しても良く、
この場合、必要に応じて各パッドの硬度を相違させても
良い。
【0074】次に作用を説明する。直立姿勢と同じ姿勢
で臥床できるマットが、床ずれ対策や寝心地に対して良
好である。こうした観点から、図10に示すように、本
実施形態の流体圧利用マット1に人間Mが臥床すると、
最も背面側に突出した臀部(仙骨が略中心となる。)M
2が最も落ち込み、直立姿勢と同じ姿勢を維持しようと
する。
【0075】また、この臀部M2の落ち込みにより、液
体Lが周囲へ逃げようとするが、液体袋11の周囲は全
てウレタンパッド12でその動きが規制されているの
で、この液体Lは肩胛骨M1から臀部M2に至る間の体
幹方向Yにのみ移動することになる。
【0076】そして、この体幹方向Yに移動しようとす
る液体Lは、主として、臥床状態で最も上に凸状態、つ
まり最も身体Mからの圧力を受けていない腰椎部M3に
移動することとなり、同図(B)に示すように液体袋1
1は、腰椎部M3を押し上げるように変形する。しか
も、液体袋11が設置された領域はきわめて限定されて
いるので、臀部M2の落ち込み量は応答性良く伝搬す
る。すなわち、本実施形態の流体圧利用マット1では、
臀部M2の圧力が腰椎部M3に伝搬し、パスカルの原理
によって同一圧力となり、これにより直立姿勢を維持し
たまま臥床することができる。
【0077】これに加えて本実施形態の流体圧利用マッ
ト1では、液体袋11の体幅方向Xの幅を体幅Wmより
十分大きくしているので、就寝中に寝返りをうっても両
側の液体袋11bまたは11cの何れかによって上述し
た同じ作用を司ることになる。しかも、隣接する液体袋
11は互いに重なり合って設けられているので、中央に
臥床しているときでも、両側の液体袋11b,11cに
身体Mからの荷重が作用している。したがって、どちら
かに寝返りをうったとき、その方向に設置された液体袋
11が滑らかに変形することとなり、圧力の伝搬作用が
より円滑になる。
【0078】このように、本実施形態の流体圧利用マッ
ト1によれば、寝返りの有無に拘わらず、直立姿勢にき
わめて近い姿勢で臥床することができ、寝心地が良好に
なるとともに床ずれ防止や姿勢の矯正に寄与することと
なる。
【0079】また、身体が受ける圧力が均等になる領域
を必要な位置に限定した結果、従来のウォータマットに
比べて、液体Lの重量が約1/5となっているので、軽
量化が達成でき、運搬に利便である。また、液体量が少
ないので、たとえ漏洩したとしても後処理の煩雑さが軽
減される。さらに、液体量が少ないので、体温の吸熱量
が比較的少なく、また保温機器を設ければ昇温時間を短
縮することができる。
【0080】第6実施形態 図11は本発明の流体圧利用マットの第6実施形態を示
す斜視図、図12(A)は図11のA−A線、図12
(B)は図12(A)のB−B線、図12(C)は図1
2(A)のC−C線に沿う断面図、図12(D)は図1
2(A)のD−D方向から見た図である。
【0081】図11に示すように、本実施形態の流体圧
利用マット1は、体幹方向Yに対する略中央に体幅方向
Xに延在する液体袋11が配置され、その前後側にウレ
タンパッド12,12が配置された基本構造を採る。ま
た、液体袋11は、体幹方向Yに沿って分割された互い
に独立の3つの液体袋11a,11b,11cからな
る。それぞれの液体袋11a〜11cには、予め防腐剤
が添加された水Lを注入しておくための流体注入口11
1a,111b,111cが形成されている。なお、こ
の液体注入口111a〜111cの設置位置は図示する
位置には特に何ら限定されず、必要に応じて決定され
る。
【0082】それぞれの液体袋11a〜11cは、内部
に液体Lが注入されたうえ体圧が加わるので、これに対
処できる厚さおよび強度を有する防水シートで形成され
ており、特に限定されないがビニールシートなどを溶着
することにより製造することができる。
【0083】それぞれの液体袋11a〜11cの厚さt
は、図12(A)(C)に示すように人間Mが自然に臥
床した状態で最も落ち込む位置(通常は同図に示す臀部
M2である。)においても、底付きしない程度の厚さと
することが望ましい。ウレタンパッド12は、液体袋1
1の周囲の位置を規制するように配置され、必要に応じ
て硬質ウレタン〜軟質ウレタンが採用される。また、図
示する例では、ウレタンパッド12の中央に凹部を形成
し、ここに液体袋11を載置したが、液体袋11とウレ
タンパッド12との厚さtをほぼ同一にしても良い。
【0084】特に、本実施形態では、図12(A)に示
すように、液体袋11の体幹方向Yの設置位置が、平均
的な日本人の身体の少なくとも肩胛骨M1から臀部M2
に至るようにしてある。また、図11(B)に示すよう
に、液体袋11の体幅方向Xの幅Wを、平均的な日本人
の身体の幅Wmより大きくしてある(Wm<W)。さら
には、液体袋11のうち、真中の液体袋11aの体幅方
向Xの幅Waを、前記身体の幅Wmより小さくしてあり
(Wm>Wa)、かつ、前記液体袋11aの両側に設け
られた液体袋11b,11cの幅Wb,Wcより大きく
してある(Wa>Wb,Wc)。たとえば、平均的な日
本人の身体の幅Wm=400mmとした場合に、Wa=
270mmであり、WbおよびWcは特に限定されな
い。
【0085】ちなみに、図示は省略するが、使用に際し
ては液体袋11とウレタンパッド12とを包み込むカバ
ーを設けることが望ましい。また、図示はしないが、液
体袋11およびウレタンパッド12の下面および/また
は上面に他のパッドを設けても良い。さらに、ウレタン
パッド12は複数のパッドを積層して構成しても良く、
この場合、必要に応じて各パッドの硬度を相違させても
良い。
【0086】なお、本実施形態では、互いに隣り合う液
体袋11a,11b、および11a,11cのそれぞれ
の側縁が重なり合うことなく設置されているが、別段こ
れに限定されず、上述した第5実施形態と同様に、互い
に重なり合って設置されるようにしてもよい。この場合
にも第5実施形態と同様、各液体袋11a〜11cの幅
をWa,Wb,Wcとすると、重なり幅は全体の幅Wと
して、(Wa+Wb+Wc−W)/2で表されるが、具
体的にどの程度の寸法だけ重ね合わせるかについては特
に限定されない。
【0087】次に作用を説明する。直立姿勢と同じ姿勢
で臥床できるマットが、床ずれ対策や寝心地に対して良
好である。こうした観点から、図12に示すように、本
実施形態の流体圧利用マット1に人間Mが臥床すると、
最も背面側に突出した臀部(仙骨が略中心となる。)M
2が最も落ち込み、直立姿勢と同じ姿勢を維持しようと
する。
【0088】また、この臀部M2の落ち込みにより、液
体Lが周囲へ逃げようとするが、液体袋11の前後の両
側はウレタンパッド12でその動きが規制されているの
で、この液体Lは体幅方向Xおよび肩胛骨M1から臀部
M2に至る間の体幹方向Yにのみ移動することになる。
【0089】本実施形態の流体圧利用マット1では、液
体袋11のうち、真中の液体袋11aの体幅方向Xの幅
Waを、前記身体の幅Wmより小さくしてある(Wm>
Wa)ので、臥床時において、当該液体袋11a中の液
体Lは何れの方向へも逃げることができず、したがっ
て、主として、臥床状態で最も上に凸状態、つまり最も
身体Mからの圧力を受けていない腰椎部M3に伝わり、
同図(B)に示すように液体袋11は、腰椎部M3を押
し上げるように変形し、背中の形状に沿った形で背中を
支持することになる。しかも、真中の液体袋11aが設
置された領域はきわめて限定されており、臀部M2の落
ち込み量は応答性良く伝搬する。
【0090】一方、液体袋11aの両側には、該液体袋
11aの幅Waより狭い幅Wb,Wcを持つ液体袋11
b,11cが設けられており、この液体袋11b,11
cには前記真中の液体袋11aからはみ出た背中(肩)
の一部がそれぞれあたるために当該部分が落ち込むが、
あたらない部分は押し上げられ、液体袋11b,11c
の外側にそれぞれ壁11b’,11c’が形成される
(図12(D)参照)。この形成された壁11b’,1
1c’により、体が横にずれるのを効果的に防止するこ
とができるようになる。換言すれば、真中の液体袋11
aの幅Waをその両側の液体袋11b,11cより幅広
にすることで、臥床状態における真中の液体袋11aと
両側の液体袋11b,11cとの厚み差が小さくなり、
しかも両側の液体袋11b,11cにより身体の側部に
壁11b’,11c’が形成されるので、安定かつ十分
な身体の支持性能を得ることができる。
【0091】すなわち、本実施形態の流体圧利用マット
1では、臀部M2の圧力が腰椎部M3に伝搬し、パスカ
ルの原理によって同一圧力となり、これにより直立姿勢
を維持したまま臥床することができるばかりでなく、就
寝中の体の横へのずれを効果的に防止することができ
る。
【0092】このように、本実施形態の流体圧利用マッ
ト1によれば、直立姿勢にきわめて近い姿勢で臥床する
ことができ、寝心地が良好になるとともに床ずれ防止や
姿勢の矯正に寄与することとなる。
【0093】また、身体が受ける圧力が均等になる領域
を必要な位置に限定した結果、従来のウォータマットに
比べて、液体Lの重量が約1/3となっているので、軽
量化が達成でき、運搬に利便である。また、液体量が少
ないので、たとえ漏洩したとしても後処理の煩雑さが軽
減される。さらに、液体量が少ないので、体温の吸熱量
が比較的少なく、また保温機器を設ければ昇温時間を短
縮することができる。
【0094】第7実施形態 図13は本発明の流体圧利用マットの第7実施形態を示
す(A)斜視図および(B)平面図、図14(A)は図
7のA−A線、図14(B)は図14(A)のB−B
線、図14(C)は図14(A)のC−C線に沿う断面
図、図14(D)は図14(A)のD−D方向から見た
図である。
【0095】図13に示すように、本実施形態の流体圧
利用マット1は、体幅方向Xに対する中央であって体幹
方向Yに対する略中央に、液体袋11が配置され、その
前後両側、すなわち周囲にウレタンパッド12,12が
配置された基本構造を採る。また、液体袋11は、上述
した第6実施形態と同様に、体幹方向Yに沿って分割さ
れた互いに独立の3つの液体袋11a,11b,11c
からなる。それぞれの液体袋11a〜11cには、予め
防腐剤が添加された水Lを注入しておくための流体注入
口111a,111b,111cが形成されている。な
お、この液体注入口111a〜111cの設置位置は図
示する位置には特に何ら限定されず、必要に応じて決定
される。
【0096】それぞれの液体袋11a〜11cは、内部
に液体Lが注入されたうえ体圧が加わるので、これに対
処できる厚さおよび強度を有する防水シートで形成され
ており、特に限定されないがビニールシートなどを溶着
することにより製造することができる。
【0097】それぞれの液体袋11a〜11cの厚さt
は、図14(A)(C)に示すように人間Mが自然に臥
床した状態で最も落ち込む位置(通常は同図に示す臀部
M2である。)においても、底付きしない程度の厚さと
することが望ましい。ウレタンパッド12は、液体袋1
1の周囲の位置を規制するように配置され、必要に応じ
て硬質ウレタン〜軟質ウレタンが採用される。また、図
示する例では、ウレタンパッド12の中央に凹部を形成
し、ここに液体袋11を載置したが、液体袋11とウレ
タンパッド12との厚さtをほぼ同一にしても良い。
【0098】特に、本実施形態では、図14(A)に示
すように、液体袋11の体幹方向Yの設置位置が、平均
的な日本人の身体の少なくとも肩胛骨M1から臀部M2
に至るようにしてある。また、図13(B)に示すよう
に、液体袋11の体幅方向Xの幅Wを、平均的な日本人
の身体の幅Wmより大きくしてある(Wm<W)。さら
には、液体袋11のうち、真中の液体袋11aの体幅方
向Xの幅Waを、前記身体の幅Wmより小さくしてあり
(Wm>Wa)、かつ、前記液体袋11aの両側に設け
られた液体袋11b,11cの幅Wb,Wcより大きく
してある(Wa>Wb,Wc)。たとえば、平均的な日
本人の身体の幅Wm=400mmとした場合に、Wa=
270mmであり、WbおよびWcは特に限定されな
い。
【0099】ちなみに、図示は省略するが、使用に際し
ては液体袋11とウレタンパッド12とを包み込むカバ
ーを設けることが望ましい。また、図示はしないが、液
体袋11およびウレタンパッド12の下面および/また
は上面に他のパッドを設けても良い。さらに、ウレタン
パッド12は複数のパッドを積層して構成しても良く、
この場合、必要に応じて各パッドの硬度を相違させても
良い。
【0100】なお、本実施形態では、互いに隣り合う液
体袋11a,11b、および11a,11cのそれぞれ
の側縁が重なり合うことなく設置されているが、別段こ
れに限定されず、上述した第5実施形態と同様に、互い
に重なり合って設置されるようにしてもよい。この場合
にも第5実施形態と同様、各液体袋11a〜11cの幅
をWa,Wb,Wcとすると、重なり幅は全体の幅Wと
して、(Wa+Wb+Wc−W)/2で表されるが、具
体的にどの程度の寸法だけ重ね合わせるかについては特
に限定されない。
【0101】次に作用を説明する。直立姿勢と同じ姿勢
で臥床できるマットが、床ずれ対策や寝心地に対して良
好である。こうした観点から、図14に示すように、本
実施形態の流体圧利用マット1に人間Mが臥床すると、
最も背面側に突出した臀部(仙骨が略中心となる。)M
2が最も落ち込み、直立姿勢と同じ姿勢を維持しようと
する。
【0102】また、この臀部M2の落ち込みにより、液
体Lが周囲へ逃げようとするが、液体袋11の周囲は全
てウレタンパッド12でその動きが規制されているの
で、この液体Lは肩胛骨M1から臀部M2に至る間の体
幹方向Yにのみ移動することになる。
【0103】本実施形態の流体圧利用マット1では、液
体袋11のうち、真中の液体袋11aの体幅方向Xの幅
Waを、前記身体の幅Wmより小さくしてある(Wm>
Wa)ので、臥床時において、当該液体袋11a中の液
体Lは何れの方向へも逃げることができず、したがっ
て、主として、臥床状態で最も上に凸状態、つまり最も
身体Mからの圧力を受けていない腰椎部M3に伝わり、
同図(B)に示すように液体袋11は、腰椎部M3を押
し上げるように変形し、背中の形状に沿った形で背中を
支持することになる。しかも、真中の液体袋11aが設
置された領域はきわめて限定されており、臀部M2の落
ち込み量は応答性良く伝搬する。
【0104】一方、液体袋11aの両側には、該液体袋
11aの幅Waより狭い幅Wb,Wcを持つ液体袋11
b,11cが設けられており、この液体袋11b,11
cには前記真中の液体袋11aからはみ出た背中(肩)
の一部がそれぞれあたるために当該部分が落ち込むが、
あたらない部分は押し上げられ、液体袋11b,11c
の外側にそれぞれ壁11b’,11c’が形成される
(図12(D)参照)。この形成された壁11b’,1
1c’により、体が横にずれるのを効果的に防止するこ
とができるようになる。換言すれば、真中の液体袋11
aの幅Waをその両側の液体袋11b,11cより幅広
にすることで、臥床状態における真中の液体袋11aと
両側の液体袋11b,11cとの厚み差が小さくなり、
しかも両側の液体袋11b,11cにより身体の側部に
壁11b’,11c’が形成されるので、安定かつ十分
な身体の支持性能を得ることができる。
【0105】すなわち、本実施形態の流体圧利用マット
1では、臀部M2の圧力が腰椎部M3に伝搬し、パスカ
ルの原理によって同一圧力となり、これにより直立姿勢
を維持したまま臥床することができるばかりでなく、就
寝中の体の横へのずれを効果的に防止することができ
る。
【0106】このように、本実施形態の流体圧利用マッ
ト1によれば、直立姿勢にきわめて近い姿勢で臥床する
ことができ、寝心地が良好になるとともに床ずれ防止や
姿勢の矯正に寄与することとなる。
【0107】また、身体が受ける圧力が均等になる領域
を必要な位置に限定した結果、従来のウォータマットに
比べて、液体Lの重量が約1/5となっているので、軽
量化が達成でき、運搬に利便である。また、液体量が少
ないので、たとえ漏洩したとしても後処理の煩雑さが軽
減される。さらに、液体量が少ないので、体温の吸熱量
が比較的少なく、また保温機器を設ければ昇温時間を短
縮することができる。
【0108】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0109】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、直立姿勢にきわめて近い姿勢で臥床することがで
き、寝心地が良好になるとともに床ずれ防止や姿勢の矯
正に寄与することができる。また、従来のウォータマッ
トに比べて、液体の重量が著しく減少するので軽量化が
達成でき、運搬に利便である。また、液体量が少ないの
で、たとえ漏洩したとしても後処理の煩雑さが軽減され
る。さらに、液体量が少ないので、体温の吸熱量が比較
的少なく、また保温機器を設ければ昇温時間を短縮する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体圧利用マットの第1実施形態を示
す(A)斜視図および(B)平面図である。
【図2】(A)は図1のA−A線、(B)は図2(A)
のB−B線、(C)は図2(A)のC−C線に沿う断面
図である。
【図3】本発明の流体圧利用マットの第2実施形態を示
す斜視図である。
【図4】(A)は図3のA−A線、(B)は図4(A)
のB−B線、(C)は図4(A)のC−C線に沿う断面
図である。
【図5】本発明の流体圧利用マットの第3実施形態を示
す斜視図である。
【図6】(A)は図5のA−A線、(B)は図6(A)
のB−B線、(C)は図6(A)のC−C線に沿う断面
図である。
【図7】本発明の流体圧利用マットの第4実施形態を示
す(A)斜視図および(B)平面図である。
【図8】(A)は図7のA−A線、(B)は図8(A)
のB−B線、(C)は図8(A)のC−C線に沿う断面
図である。
【図9】本発明の流体圧利用マットの第5実施形態を示
す(A)斜視図および(B)平面図である。
【図10】(A)は図9のA−A線、(B)は図10
(A)のB−B線、(C)は図10(A)のC−C線に
沿う断面図である。
【図11】本発明の流体圧利用マットの第6実施形態を
示す斜視図である。
【図12】(A)は図11のA−A線、図12(B)は
図12(A)のB−B線、図12(C)は図12(A)
のC−C線に沿う断面図、図12(D)は図12(A)
のD−D方向から見た図である。
【図13】本発明の流体圧利用マットの第7実施形態を
示す(A)斜視図および(B)平面図である。
【図14】(A)は図7のA−A線、図14(B)は図
14(A)のB−B線、図14(C)は図14(A)の
C−C線に沿う断面図、図14(D)は図14(A)の
D−D方向から見た図である。
【符号の説明】
1…流体圧利用マット 11,11a,11b,11c…液体袋 11b’,11c’…壁 111,111a,111b,111c…液体注入口 12…ウレタンパッド L…水(液体) X…体幅方向 Y…体幹方向 Wm…体幅

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体(L)が封入された液体袋(11)が
    マット(1)の一部に設けられていることを特徴とする
    流体圧利用マット。
  2. 【請求項2】前記液体袋(11)が、体幅(Wm)以下
    の幅(W)で体幹方向(Y)に沿って延在することを特
    徴とする請求項1記載の流体圧利用マット。
  3. 【請求項3】前記液体袋(11)が、少なくとも臥床状
    態における肩胛骨(M1)から臀部(M2)に至る範囲
    に設けられていることを特徴とする請求項1または2記
    載の流体圧利用マット。
  4. 【請求項4】前記液体袋(11)が、体幹方向(Y)に
    沿って設けられた複数の液体袋(11a〜11c)から
    なることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の流
    体圧利用マット。
  5. 【請求項5】前記複数の液体袋(11a〜11c)の一
    部が、互いに重ね合わされていることを特徴とする請求
    項4記載の流体圧利用マット。
  6. 【請求項6】前記液体袋(11)が、体幹方向(Y)に
    沿って分割された互いに独立の3つの液体袋(11a〜
    11c)からなり、 真中の液体袋(11a)の体幅方向(X)の幅(Wa)
    を、その両側に設けられた液体袋(11b,11c)の
    体幅方向(X)の幅(Wb,Wc)より幅広にしてある
    ことを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の流体圧
    利用マット。
  7. 【請求項7】前記液体袋(11)が、マット(1)の体
    幅方向(X)に対する中央であって体幹方向(Y)に対
    する略中央に設けられていることを特徴とする請求項6
    記載の流体圧利用マット。
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