JPH11298995A - 同軸型スピーカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】薄型化が可能であると共に構造が簡単となり、
部品点数も削減することができる同軸型スピーカを提供
することにある。 【解決手段】第１のスピーカの前面側に第２のスピーカ
を同軸的に配置してなる同軸型スピーカであって、第２
のスピーカは外磁型磁気回路を備え、該外磁型磁気回路
のボトムプレートの下面側に前記外磁型磁気回路のマグ
ネットと同極同士が対向するように第２のマグネットを
配置して、該ボトムプレートの外周部に反発磁束による
磁界が形成されるようにし、該磁界内に位置するように
前記第１のスピーカのボイスコイルを配置した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ウーハ等の第１の
スピーカの前面側にツイータ等の第２のスピーカが同軸
的に配置されてなる同軸型スピーカに係り、特に磁気回
路部を共用するように構成した同軸型スピーカに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の同軸型スピーカは、ウーハ等の第
１のスピーカとツイータ等の第２のスピーカがスピーカ
ユニットとしては完全に独立しており、この場合、磁気
回路構成としては、第１のスピーカが通常の外磁型磁気
回路で第２のスピーカが反発磁気回路としたものや、図
３に示すように、第１のスピーカが反発磁気回路で第２
のスピーカが内磁型又は外磁型の磁気回路としたもの
等、各種の形式のものがある。

【０００３】図３に示すものにおいては、第１のスピー
カ（ウーハ）は、磁性材からなるセンタープレート２３
を挾んで２つのマグネット２１，２２を同極同士が対向
するように配置し、該センタープレート２３の外周部に
生じする反発磁束による反発磁界内に第１のスピーカ
（ウーハ）のボイスコイル２４を配置してウーハ振動板
２５を駆動する形式の反発磁気回路が使用されている。

【０００４】第２のスピーカ（ツイータ）は、前記反発
磁気回路の回路部に取付支柱３０を立設して第１のスピ
ーカの前面側に同軸的に取り付けられ、磁気回路部の構
成としては、ヨーク３３、マグネット３４及びトッププ
レート３５で構成される内磁型磁気回路が用いられ、第
２のスピーカのボイスコイル３２、ツイータ振動板３１
を駆動する形式である。

【０００５】図において、２０は反発磁気回路を保持す
るホルダー、２６は前記センタープレート２３の外周側
に配置された磁束誘導用のアウターリング、２７はウー
ハフレーム、２８はダンパ、２９は取付支柱３０を固定
するネジ、３０ａは支柱ベース、３６はツイータパネ
ル、３７はツイータフレームである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の同軸型スピーカ
にあっては、第１のスピーカと第２のスピーカが独立し
た構成であるため、スピーカ全体が嵩高となって薄型が
困難であると共に構造的に複雑となり、また、第１のス
ピーカの取付用部品の部品点数も多くなる等の欠点があ
った。

【０００７】本発明の目的は、前記のような従来の欠点
を解消し、薄型化が可能であると共に構造が簡単とな
り、部品点数も削減することができる同軸型スピーカを
提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の同軸型スピーカ
は、請求項１記載のものにおいては、第１のスピーカの
前面側に第２のスピーカを同軸的に配置してなる同軸型
スピーカであって、第２のスピーカは外磁型磁気回路を
備え、該外磁型磁気回路のボトムプレートの下面側に前
記外磁型磁気回路のマグネットと同極同士が対向するよ
うに第２のマグネットを配置して、該ボトムプレートの
外周部に反発磁束による磁界が形成されるようにし、該
磁界内に位置するように前記第１のスピーカのボイスコ
イルを配置したことを特徴とする。

【０００９】これにより、同軸型スピーカ全体の嵩高が
小さくなって小型化が可能となると共に構造が簡単にな
り、部品点数が削減される。

【００１０】請求項２記載のものにおいては、請求項１
記載の同軸型スピーカにおいて、外磁型磁気回路を構成
するセンターポール部の上部に小径部が形成され、該小
径部とトッププレートとの間に第２のスピーカのボイス
コイルが配置されていることを特徴とする。

【００１１】これにより、外磁型磁気回路におけるマグ
ネットはヨークのポール部に接触するように組み込むこ
とができると共に第２のスピーカのボイスコイルの駆動
ストロークを充分に確保することができる。

【００１２】請求項３記載のものにおいては、請求項１
記載の同軸型スピーカにおいて、外磁型磁気回路のトッ
ププレートに嵌合するように筒状フレームが配置され、
該筒状フレームで第２のスピーカの振動系が保持されて
いることを特徴とする。

【００１３】これにより、第２のスピーカの組込みが容
易になると共に少ない部品点数で第２のスピーカを取り
付けることができる。

【００１４】請求項４記載のものにおいては、請求項１
記載の同軸型スピーカにおいて、ボトムプレートの外周
側に磁性材からなるアウターリングが配置され、該アウ
ターリングとボトムプレートの外周部との間に第１のス
ピーカのボイスコイルが配置されていることを特徴とす
る。

【００１５】これにより、反発磁気回路の磁束密度を高
めることができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の同軸型スピーカの実施例
を図１及び図２に基づいて説明する。図において、１は
ウーハ用の第１のスピーカであり、その前面側にツイー
タ用の第２のスピーカ２が同軸的に配置されていて同軸
型スピーカを構成している。第２のスピーカ２は、セン
ターポール部４を有するボトムプレート３と、ボトムプ
レート上に配置されたリング状のマグネット５と、該マ
グネット５上に配置されたトッププレート６とで構成さ
れた外磁型磁気回路を備え、センターポール部４とトッ
ププレート６との間の磁気ギャップに第２のスピーカ２
のボイスコイル（ツイータボイスコイル）７が配置され
ていて第２のスピーカ２の振動板（ツイータ振動板）８
を駆動するように構成されている。

【００１７】前記ボトムプレート３の下面側には前記マ
グネット５と同極同士が対向するようにリング状の第２
のマグネット９を配置して、該ボトムプレート３の外周
部に反発磁束による磁界が形成されるようにし、該磁界
内に位置するように前記第１のスピーカ１のボイスコイ
ル１０が配置されていてコーンによる第１のスピーカ１
の振動板（ウーハ振動板）１１を駆動するようになって
いる。

【００１８】前記ボトムプレート３の外周縁は前記マグ
ネット５及び第２のマグネット９の外周縁よりも周方向
に突出するように設定されており、前記第２のマグネッ
ト９は中央部にポール部１３を有する略椀状の非磁性材
からなるホルダー１２で保持され、また、該ホルダー１
２には前記ボトムプレート３の外周側に位置するように
磁性材からなるアウターリング１４が配置されていて前
記ボトムプレート３の外周部に生じる反発磁束を誘導
し、磁束密度を高めるようになっている。

【００１９】前記マグネット５はその内周部がセンター
ポール部４に接触する形態で配置されており、該センタ
ーポール部４の上部には小径部４ａが形成されていて、
該小径部４ａとトッププレート６の内周部との間の磁気
ギャップに前記第２のスピーカ２のボイスコイル７が配
置されていて、該ボイスコイル７の駆動ストロークが充
分に確保されるようになっている。

【００２０】前記トッププレート６の外径は前記マグネ
ット５の外径よりも小さくなっており、このトッププレ
ート６の外周部に嵌合するように略筒状をなすフレーム
１５が配置されていて、該フレーム１５の開口部と該開
口部に配置されるツイータパネル１６で前記第２のスピ
ーカ２の振動板８のエッジ部を挟持することにより第２
のスピーカ２の振動系が保持されている。なお、図中、
１７は第１のスピーカ１のダンパ、１８は第１のスピー
カ１のフレームである。

【００２１】前記の構成において、第１のスピーカ１の
磁気ギャップ、即ち、ボトムプレート３とアウターリン
グ１４との間の磁気ギャップと、第２のスピーカ２の磁
気ギャップ、即ち、センターポール部４の小径部４ａと
トッププレート６との間の磁気ギャップを略同等に設定
することにより、必要な磁束密度が得られる。シュミレ
ーションの結果では、第１のスピーカ１側のギャップ幅
を１．０７５ｍｍ、第２のスピーカ２側のギャップ幅を
１．１７ｍｍとした場合に必要な磁束密度が得られるこ
とを確認した。ギャップ幅の範囲としては、第１のスピ
ーカ１側が１．０５〜１．２ｍｍ、第２のスピーカ２側
が１．１〜１．３ｍｍの範囲であることが好ましい。

【００２２】

【発明の効果】本発明の同軸型スピーカによれば、請求
項１記載のものにおいては、同軸型スピーカ全体の嵩高
が小さくなって小型化が可能となると共に構造が簡単に
なり、部品点数を削減することができる。

【００２３】請求項２記載のものにおいては、外磁型磁
気回路におけるマグネットはヨークのポール部に接触す
るように組み込むことができると共に第２のスピーカの
ボイスコイルの駆動ストロークを充分に確保することが
できる。

【００２４】請求項３記載のものにおいては、第２のス
ピーカの組込みが容易になると共に少ない部品点数で第
２のスピーカを取り付けることができる。

【００２５】請求項４記載のものにおいては、反発磁気
回路の磁束密度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る同軸型スピーカの一部除去した断
面図。

【図２】本発明に係る同軸型スピーカの要部を示す拡大
断面図。

【図３】従来の同軸型スピーカの一例を示す一部除去し
た断面図。

【符号の説明】

１ 第１のスピーカ ２ 第２のスピーカ ３ ボトムプレート ４ センターポール部 ４ａ 小径部 ５ マグネット ６ トッププレート ７ 第２のスピーカのボイスコイル ８ 第２のスピーカの振動板 ９ 第２のマグネット １０ 第１のスピーカのボイスコイル １１ 第１のスピーカの振動板 １２ ホルダー １３ ポール部 １４ アウターリング １５ フレーム １６ ツイータパネル １７ 第１のスピーカのダンパ １８ 第１のスピーカのフレーム

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１のスピーカの前面側に第２のスピー
   カを同軸的に配置してなる同軸型スピーカであって、第
   ２のスピーカは外磁型磁気回路を備え、該外磁型磁気回
   路のボトムプレートの下面側に前記外磁型磁気回路のマ
   グネットと同極同士が対向するように第２のマグネット
   を配置して、該ボトムプレートの外周部に反発磁束によ
   る磁界が形成されるようにし、該磁界内に位置するよう
   に前記第１のスピーカのボイスコイルを配置したことを
   特徴とする同軸型スピーカ。
2. 【請求項２】 外磁型磁気回路を構成するセンターポー
   ル部の上部に小径部が形成され、該小径部とトッププレ
   ートとの間に第２のスピーカのボイスコイルが配置され
   ていることを特徴とする請求項１記載の同軸型スピー
   カ。
3. 【請求項３】 外磁型磁気回路のトッププレートに嵌合
   するように略筒状をなすフレームが配置され、該フレー
   ムで第２のスピーカの振動系が保持されていることを特
   徴とする請求項１記載の同軸型スピーカ。
4. 【請求項４】 ボトムプレートの外周側に磁性材からな
   るアウターリングが配置され、該アウターリングとボト
   ムプレートの外周部との間に第１のスピーカのボイスコ
   イルが配置されていることを特徴とする請求項１記載の
   同軸型スピーカ。