JP2008516518A - 二重マグネットを備えた磁気回路及びそれを利用したスピーカーと振動発生装置 - Google Patents
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Abstract
二重マグネットを備えた磁気回路及びそれを利用したスピーカーと振動発生装置が提供される。磁気回路は、磁力損失が少なくて、磁力密度が増加し、ヨーク対向面における均一な磁力線分布を実現し得る磁気ギャップを含む。スピーカーは、互いに等しい極性が対向するように予め設定された距離を置いて配置されて非交番磁界を発生する下部及び上部マグネットと、前記下部マグネットから上部マグネットに延長されるルーフ型循環回路部と下部マグネットから上側に垂直に延長された延長部とを一体に備えた第1ヨークと、前記下部及び上部マグネットの間を連結して 第2ヨークと第1ヨークの延長部の間に磁気ギャップを形成する第2ヨークと、磁気ギャップに配置され、ボビンに巻取されたコイルと、前記第1ヨークに延長されたフレームと、駆動信号に対応した音響が発生する振動板と、前記ボビンの振動範囲を制限するダンパーと、ボビンを覆うセンタキャップと、を含む。
【選択図】
図2
【選択図】
図2
Description
本発明は二重マグネットを備えた磁気回路及びそれを利用したスピーカーと振動発生装置に係るもので、特に、内磁型マグネットと外磁型マグネットを二重磁気回路に備えて、磁気ギャップ部分の磁力損失が少なくて、磁力密度が増加し、磁気ギャップを成すヨーク対向面における均一な磁力線分布を実現し得る磁気回路によって高効率、高出力、低歪曲周波数の特性を有する二重マグネットを備えた磁気回路及びそれを利用したスピーカーに関する。
一般に、音響再生機はホーンスピーカーと、コンポーネントシステムのようなハイファイオーディオシステムに使われて一定の周波帯域をカバーするウーファー、ミッドレンジ及びツイーターなどから成るシステムスピーカーと、一つのユニットにより全周波帯域をカバーする一般スピーカーと、超小型キャムコーダ、ウォークマンなどのような小型電子機器に使われる超軽量・超スリム型構造を有するマイクロスピーカーと、移動通信用端末機に使われるレシーバと、一部が耳の中に挿入される構造を有するイヤホンと、特定帯域の周波数のみを再生するブザーと、に分類される。
従来の一般スピーカーは、図1a及び図1bに示したように、単一マグネット1がヨーク2の外部または内部に設置され、マグネット1の上部にトッププレート3が設置された磁気回路(M)の磁気ギャップ(G)にボイスコイル4が巻取されたボビン5が位置している。また、該ボビン5の上部はそれぞれ外周部がフレーム6の上部と下部に固定され、中心部が円形に穿孔された振動板7とダンパー8に固定され、前記振動板7の中央部にボビン5の穴を塞ぐためのセンタキャップ9(言い換えれば、ダストキャップ)が結合された構造を有している。
前記スピーカーは固定された磁気回路(M)から発生する非交番(直流)磁束と上下流動可能なボイスコイル4から発生する交番(交流)回転磁束とがフレミングの左手の法則によって互いに反応して発生する吸入及び反発力によって前記振動板7とボイスコイル4が上/下に振動して駆動信号に対応した音響を発生させる構造である。
このような従来の単一マグネット1を使ってヨーク2のセンターポールとトッププレート3の間に磁気ギャップ(G)が形成される磁気回路(M)では磁気ギャップ(G)を形成する対向するヨーク面が相対的に大きさが小さく制限されて、対向ヨーク面に均一な磁束密度が形成されない。
すなわち、前記マグネット1と相対的に近い対向ヨーク面部分は前記マグネット1と相対的に遠い対向ヨーク面部分に比べて磁束密度が高くなって、その結果、対向ヨーク面間の磁気ギャップ(G)に挿入されているボイスコイル4に及ぶ吸入及び反発力はコイル4の位置によって均一にならない結果をもたらす。
このような現象は原音を再生する時、前記ボイスコイル4が券線されたボビン5の上下振動に影響を及ぼして振動板7の原音再生の時に歪曲(distortion)が発生する。
このような問題点を解決するために韓国公開特許公報第2004-82462号(特許文献1)には均等な磁束分布を形成するスピーカーの磁気回路が提案されている。前記公開特許公報においては、互いに異なる透磁率を有する複数のポールピースを積層するか、または二つのポールピースの間に空間部を形成して磁気力線が集中される角の個数をふやして磁気力線の分布を均等にすることで、ボイスコイルの直進性を改善している。
しかし、このような方法はボイスコイルの直進性の改善には効果的であるが、後述する磁束の漏洩現象とそれによる効率低下には備えることができなくて、高出力のための大きい許容入力と磁束密度の増加方案に対しても総合的な代案を提示することができない。
すなわち、図1a及び図1bに図示された通常的なスピーカーの磁気回路(M)においては、磁気ギャップ(G)を通過しない多くの漏洩磁力線はボイスコイル4との相互作用には影響を及ぼすことができなく、むしろ周辺に配置されるテレビなどのような周辺器機に悪い影響を及ぼす。
このような漏洩磁束の問題点を解決するために従来に提案された構造のうち一つが韓国実用新案公報第1990-11300号(特許文献2)に開示されている。前記実用新案公報に開示された防磁形スピーカーは内磁型スピーカーと同様にマグネットを支持するカバーを通じて上部ヨークを連結することによってポールピースからの磁束が上部ヨークとカバーを経てS極に入る磁気回路を形成したものであるが、該磁気回路は磁気ギャップ部分を成すヨーク対向面の構造が均等な磁束分布を成すことができなくてボイスコイルの直進性を解決することができない。
また、前記実用新案公報に提示された漏洩磁束の防止構造としてヨークの上下部に等しい極性の一対の環状マグネットを対向するように設置して同極どうしの斥力によって磁束漏洩を防止する磁気回路は、同一極性のマグネットを強圧装着することにより組み立てが難しく、磁気回路に挿入された二重マグネットが磁気ギャップの磁束密度を増加させることができずにむしろマグネットの性能を低下させるという問題点があった。
一方、高出力のためには大きい許容入力が可能になるようにコイルの線径とターン数を増加させるか、またはこれを駆動するために磁気ギャップの磁束密度が増加するようにマグネットを大きくするか、またはマグネットの材料を一般的なフェライト材料のうち磁束密度の大きい材料、例えば、ネオジム(Nd)を使うことができる。
この場合、このうちマグネットによって磁気力を向上させて同一磁気力を有するスピーカーの小型化軽量化を図る技術が韓国公開特許公報第2000-40796号(特許文献3)に開示されている。この技術は、外磁型磁気回路を有するスピーカーにおいて、ポールピースの外周部に環状補助マグネットを逆相に挿入した構造であって、装置の全体的な大きさを増加させることなく、実質的なマグネットの大きさを増加させる効果を奏しているが、高出力用スピーカーに適合した十分な磁束密度を提供することができないという問題点がある。
また、ネオジム材料を使った大型の環状マグネットを利用する場合、マグネットの強い磁力のため、他の部品を組み立てることが難しいという問題点があって、大部分の場合、フェライトマグネットと同様に先に各部品を組み立てた後に高価の着磁設備を利用してマグネットを着磁する工程を採用している。
さらに、大出力の大口径振動板を有するサブウーファー(sub woofer)の場合、低音領域周波数を再生する時に振動計の垂直運動を精緻にする構造が提示されることができなくて、周波数再生特性に悪い影響を及ぼすか、またはそれによって振動板が損傷されるという問題点が発生することがあり、かつ、ボイスコイル及びマグネットから発生する熱を適切に冷却させることができなくて特性に悪い影響を及ぼすという問題点があった。
前述したように、従来のスピーカー用磁気回路は磁束漏洩、磁気ギャップ部分の不均等な磁束分布、高効率、高出力/高入力、放熱問題を総合的に解決し得る提案が提示されていない。
一方、有酸素運動を手伝ってくれながら膝の関節に無理を与えない運動器具として垂直運動機が提案されている。従来の垂直運動機としてバイブレータが回転モーターを利用した方式が知られている。このような回転式垂直運動機は周波数の適正な設定によって腹部にのみ振動が加えられて便利に有酸素運動をすることができるから、特に腹部肥満の患者に医学的に利用されている。
ところで、このような従来の垂直運動機は回転モーターの回転軸に偏心ウェイトが備えられてウェイトが回転しながら支持板を上下に振動させてくれる方式で作動するため、偏心によるベアリングの片摩耗がたくさん起きて耐久性が落ちて騷音が大きく発生する構造的な問題点を抱いている。
また、従来の回転式垂直運動機においては、回転モーターを利用した方式であるため、十分な振動力を提供しにくいという問題点があった。
一方、従来に永久磁石を利用したスピーカーの磁気回路を利用してオーディオ信号に対応する振動を発生するための振動機が提案された。しかし、このような技術はオーディオ信号に対応して使用者が立体的に振動を感じるには適合しているが、有酸素運動のための振動板を駆動するには磁気力が足りなかった。すなわち、通常的な限定された大きさで永久磁石を利用した直流磁場の磁力は最大5000Gaussを越えにくいため、有酸素運動のための振動板駆動メカニズムに適合していなかった。
韓国公開特許公報第2004-82462号
韓国実用新案公報第1990-11300号
韓国公開特許公報第2000-40796号
したがって、本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みて成されたもので、その目的は、外磁型マグネットと内磁型マグネットを第1及び第2磁気回路に備えて、内磁型マグネットを含むルーフ型第2磁気回路によって磁気ギャップ部分の磁束漏洩を防止し、外磁型マグネットを含む第1磁気回路の前記磁気ギャップを成すヨーク対向面における均一な磁力線分布を実現することによって振動計の線形応答性(ボイスコイルの直進性)を改善して高効率、低歪曲周波数の特性を有する二重マグネットを備えた磁気回路及びそれを利用したスピーカーを提供することにある。
本発明の他の目的は、内磁型マグネットと外磁型マグネットにネオジムマグネットを使った磁気回路を構成して磁気ギャップの磁束密度を増加させると同時に、ルーフ型第2磁気回路によって磁気ギャップからの漏洩磁束が発生することを抑制して高出力、高効率特性を有する二重マグネットを備えた磁気回路及びそれを利用した防磁形スピーカーを提供することにある。
本発明のまた他の目的は、二重マグネットによって磁気ギャップの磁束密度を増加させると同時に、磁気ギャップを成す2ヨークの間の対向部分を従来に比べて相対的に長く延長し、該磁気ギャップに挿入されるボイスコイルの券線量を十分に増加させて許容入力を増加させることによって振動計が制限なく入力信号によって十分な振動ができて、磁石の大きさを増加させることができて、スピーカーの変換効率(SPL)の向上した高出力磁気回路及びそれを利用したスピーカーを提供することにある。
本発明の他の目的は、低音領域でボビンの垂直運動が精緻に行われるように垂直ガイドを備えた高出力、低周波再生用スピーカーを提供することにある。
本発明のまた他の目的は、ボビンとボイスコイル及び垂直ガイドによって振動計の質量を増加させることによってスピーカーの低音共振周波数(f0)を低めて低音特性の改善したスピーカーを提供することにある。
本発明の他の目的は、予め着磁された複数の分割型マグネットを使うことによって直接着磁が可能で、組み立ての後に着磁が行われる従来の間接着磁方式に比べて磁石の効率性が高くて、低廉な着磁設備の利用が可能なスピーカーの磁気回路を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、高出力スピーカーのようにボイスコイルに印加される許容入力が大きい場合に発生する多くの熱を効果的に発散し得る放熱構造を採用したスピーカー構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、強い磁力を発生し得る二重ネオジムマグネットを利用した磁気回路の磁気ギャップに振動板と連結されたボビンコイルを配置すると同時に、振動板を垂直ガイドを利用して正確な垂直運動が行われるように支持することによって騷音が少なくて片摩耗などの部品摩耗が少ない振動発生装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は互いに等しい極性が対向するように所定の距離を置いて配置されて非交番磁界を発生する下部及び上部マグネットと、前記下部マグネットの下部面から上部マグネットの上部面に延長されるルーフ型循環回路部と下部マグネットの下側内周部から一定の間隔を置いて上側に垂直に延長された延長部とを一体に備えた第1ヨークと、前記下部及び上部マグネットの間を連結して内周面が第1ヨークの延長部外周面の間に磁気ギャップを形成する第2ヨークと、電気的な駆動信号が印加される時に交番磁界を発生して前記磁気ギャップに配置され、前記下部及び上部マグネットから発生した非交番磁界との相互作用によって上下に変位されるようにボビンに巻取されたコイルと、前記第1ヨークの上部面から放射状に延長されたフレームと、一端が前記ボビンに固定されて他端が前記フレームの上端に固定され、コイルが上下に変位される時に前記駆動信号に対応した音響が発生する振動板と、前記ボビンが予め設定された範囲内で振動するように制限するダンパーと、前記振動板の中央部に備えられたセンタキャップと、から構成されることを特徴とする二重マグネットを備えたスピーカーを提供する。
この場合、前記下部マグネット、第1ヨークの延長部及び第2ヨークは第1磁気回路を形成し、前記下部マグネット、第1ヨークのルーフ型循環回路部、上部マグネット及び第2ヨークは第2磁気回路を形成する。また、前記第2ヨークは対称構造を成し、磁気ギャップを成す内周面から上部マグネットの下部面と下部マグネットの上部面を向けて分枝構造を有する。
前記スピーカーはボビンの運動が垂直方向を成すように案内するための垂直ガイド手段を含んで、前記第1ヨークの延長部の内部中央に垂直方向に支持された円筒状のガイドベアリングと、上側がボビンの上端中央部に支持されて下側の自由端がガイドベアリングに挿入されているガイド軸と、から構成されることを特徴とする。
さらに、本発明スピーカーは、前記第1ヨークの延長部とガイドベアリングの間に挿入され、コイルとマグネットから発生する熱を外部に放出するための放熱手段をさらに含むことができる。
この場合、前記下部及び上部マグネットはそれぞれN極が互いに対向するように配置され、ネオジムの複数の分割型ディスクから成ることが高出力と組立性の側面で好ましい。
前記磁気ギャップを形成する第1ヨークの延長部外周面と第2ヨークの内周面の間の対向面は、全体的に均一な磁力線分布になることによってボイスコイルの直進性を改善することができる。
本発明の他の特徴によれば、本発明は互いにN極が対向するように所定の距離を置いて配置されて非交番磁界を発生する下部及び上部マグネットと、前記下部マグネットの下部面から上部マグネットの上部面に延長されるルーフ型循環回路部と下部マグネットの下側内周部から一定の間隔を置いて上側に垂直に延長された延長部とを一体に備えた第1ヨークと、前記下部及び上部マグネットの間を連結して内周面が第1ヨークの延長部外周面の間に磁気ギャップを形成する第2ヨークと、から構成され、前記磁気ギャップを形成する第1ヨークの延長部外周面と第2ヨークの内周面の間の対向面は全体的に均一な磁力線分布になることを特徴とする二重マグネットを備えた磁気回路を提供する。
本発明のまた他の特徴によれば、本発明は互いにN極が対向するように所定の距離を置いて配置されて非交番磁界を発生する下部及び上部マグネットと、前記下部マグネットの下部面から上部マグネットの上部面に延長されるルーフ型循環回路部と下部マグネットの下側内周部から一定の間隔を置いて上側に垂直に延長された延長部とを一体に備えた第1ヨークと、前記下部及び上部マグネットの間を連結して内周面が第1ヨークの延長部外周面の間に磁気ギャップを形成する第2ヨークと、電気的な駆動信号が印加される時に交番磁界を発生して前記磁気ギャップに配置され、前記下部及び上部マグネットから発生した非交番磁界との相互作用によって上下に変位される駆動コイルと、該駆動コイルが円筒部に券線された円筒状ボビンと、該ボビンの上端部に結合されて上下振動する振動板と、該振動板の上下振動の時に垂直運動が行われるように案内するための垂直ガイド手段と、から構成されることを特徴とする振動発生装置を提供する。
前述したように、本発明においては、二重マグネットを使うことによってマグネットの大きさを増加させて、分割片状ネオジムマグネットを使って第1及び第2磁気回路を形成することによって磁気ギャップの磁束密度を増加させて、一方、磁気ギャップを成す2ヨークの間の対向部分を従来に比べて相対的に長く延長し、該磁気ギャップに挿入されるボイスコイルの券線量を十分に増加させて許容入力を増加させることによって振動計が制限なく入力信号によって十分な振動ができるようにしてスピーカーの変換効率(SPL)の向上をはかった。
また、本発明においては、対称構造の第2ヨークの下部及び上部に等しい特性の外磁型マグネットと内磁型マグネットとを対称構造に形成することによって磁気ギャップを成すヨーク対向面における均一な磁力線分布を実現することによって振動計の線形応答性を改善し、かつ、ルーフ型第2磁気回路の追加によって磁気ギャップ部分の磁束漏洩を最小限に抑制することによって高効率、低歪曲周波数の特性を図ることができるようになった。
さらに、本発明においては、振動計の質量を増加させることによって低音共振周波数(f0)を低めて低音特性を改善し、ボビンに垂直ガイドが備えられているから、大きい入力がコイルに印加されて振動板が上下に大きく振動する時にも左右に偏心することなく、垂直方向の直線運動が起きるように案内されて歪曲現象を抑制することができるようになる。
また、本発明においては、強い磁力を発生し得る二重マグネットを利用した磁気回路によってボビンコイルと連結された振動板を上下に駆動させることによって十分な垂直運動力を提供することができて、騷音と部品摩耗の少ない垂直運動機の振動発生装置を提供する。
本発明の前述した利点及び他の利点は添付図面を参考して好ましい実施例を詳細に説明することによってもっと明確になるであろう。
以下、前述した本発明を好ましい実施例による磁気回路とそれを利用したスピーカーについて図示された添付図面を参考して説明する。
添付された図2は本発明による二重マグネットを備えた高効率高出力スピーカーの断面図、図3は図2のX-X線断面図である。
図2及び図3を参考すれば、本発明の好ましい一実施例による二重マグネットを備えたスピーカーは外磁型(マグネットが磁気回路の外側に配置される)マグネット11aと内磁型(マグネットが磁気回路の内側に配置される)マグネット11bを第1及び第2磁気回路(M1、M2)に備えて、外磁型マグネット11aを含む第1磁気回路(M1)の磁気ギャップ(G)を成すヨーク12、13の対向面に均一な磁力線分布を実現し、内磁型マグネット11bを含むルーフ型第2磁気回路(M2)によって前記磁気ギャップ部分の磁束漏洩を防止し、第1磁気回路(M1)に形成された磁気ギャップ(G)に振動板17を上下に駆動させるためのボイスコイル14が巻取されたボビン15が挿入されている構造を有している。
前記第1及び第2磁気回路(M1、M2)の磁気力を提供する外磁型マグネット11aと内磁型マグネット11bは、それぞれ図3に示したように、フェライト磁性材料より11.5倍以上の磁束密度を有しているネオジム磁性材料を使ってディスク状の分割片に成形した後、直接着磁方式で強く着磁させたマグネットを利用している。
したがって、本発明においては、強力な磁気力を有するネオジムマグネットを予め直接着磁させたものを使うから、間接着磁方式の高価の着磁設備の代りに低廉な直接着磁設備を利用することができて、設備投資費用を減らすことができて、着磁時間も直接着磁方式であるから、速く行われる。
また、マグネットの組み立ての時には複数の分割片から成るものを使ってヨーク12、13に接着剤で固定させて、単一の環状マグネットを組み立ての時に強い吸引力で他の部品が吸引される問題点や同一極性のマグネットを組立てる場合に強い反発力による問題点が発生しない。
さらに、前記マグネット11a、11bには環状から成るフェライトまたは他の磁性体を使って組立てた後、着磁によって成されたマグネットを使うことももちろん可能である。
前記第1磁気回路(M1)は外磁型マグネット11aと、該外磁型マグネット11aの下部に配置される第1ヨーク12の内周部から一定の間隔を置いてポールピース状に上側に延長された延長部12bと、前記外磁型マグネット11aの上部に配置されて前記ポールピース状延長部12bとの対向面の間に磁気ギャップ(G)が形成される第2ヨーク13と、から成り、第2磁気回路(M2)は前記第2ヨーク13と、該第2ヨーク13の上部面に外磁型マグネット11aと等しい極性(例えば、S極)に配置された内磁型マグネット11bと、該内磁型マグネット11bの上端から外磁型マグネット11aの下端に延長されたルーフ型循環回路部12cと、から成る。
前記ルーフ型循環回路部12cは延長部12bと一体に第1ヨーク12を形成している。また、前記第2ヨーク13は磁気ギャップ(G)を成す対向面13aから第1マグネット11aの上部面及び第2マグネット11bの下部面にそれぞれ線状に分枝されて対称に延長されて磁力線の通路を成している。
その結果、前記のような第1及び第2磁気回路(M1、M2)においては、第2ヨーク13の上部及び下部にそれぞれ互いに等しい規格と互いに等しい極性の第1及び第2マグネット11a、11bが対称構造に配置されているから、第1ヨーク12の延長部12bから発生した磁力線は第2ヨーク13の上部及び下部のいずれか一方に偏重されることなく、前記第2ヨーク13を経て第1及び第2マグネット11a、11bに帰還される。その結果、前記ヨーク12、13の対向面に均一な磁力線分布が形成され、振動計の線形応答性(ボイスコイルの直進性)が改善されるから、微細な周波数の歪曲現象が減少する。
また、S極を成す第2ヨーク13がN極を成す第1ヨーク12及び第1及び第2マグネット11a、11bによって取り囲まれているから、磁束の漏洩現象が抑制されて振動計に対する駆動力が増強するから、磁気効率が増加するようになる。
前記第1磁気回路(M1)の磁気ギャップ(G)にボイスコイル14が券線されて挿入されたボビン15はコーン状の振動板17の下端部と連結され、該振動板17の上端部はエッジ部を通じてフレーム16の上端部に固定されている。また、前記振動板17の下端中央部にはセンタキャップ19が結合されていて、ボビン15の側面にはボビンの振動幅を制限するためのダンパー18が連結されている。
一方、前記第1ヨーク12のポールピース状延長部12bには中央部が空いていて、その中央部にはボイスコイル14、マグネット11a、11b及びヨーク12から発生する熱を空冷方式で熱を迅速に外部に放出するために熱伝導率の優れた、例えば、Al材質の放熱パイプ20が挿入されている。
該放熱パイプ20は放熱機能の以外に後述する垂直ガイド23を支持する役目と、N極を成す第1ヨーク12の延長部12bから内側の垂直ガイド23に及ぶ磁気力を極小化して磁気ギャップ(G)側を向けて磁力線が集中されるように誘導する役目をする。
また、前記放熱パイプ20の中央部には円筒状のガイドベアリング21と、該ガイドベアリング21の中央部に下端部が挿入されて上端部がボビン15の上端部に固定板22aを通じて支持されたガイド軸22と、から構成されて、前記ボビン15の上下振動を正振動させるための垂直ガイド23が備えられている。
また、前記ボビン15はスピーカーが、例えば、18インチ〜24インチの超大型サブウーファー用として製作される場合、強度維持のために、例えば、プラスチック材料の射出成形によってガイド軸22の固定板22aが結合される部分は厚く成り、コイル14が券線される円筒部分は磁気ギャップ(G)の間隔を考慮して薄く製作され、前記コイル14が券線される部分は凹溝状から成ることができる。この場合、券線されるコイル14は許容入力が増加されるように4層構造から成る。
また、前記ボビンの材料としはAlや黄銅のような金属素材から成ることができて、小型に製作される場合はフィルムから成ることができる。
さらに、スピーカーが小型に製作される場合は垂直ガイド23を省略することも可能である。
本発明においては、前記のように垂直ガイド23が備えられているから、大きい入力がコイル14に印加されて振動板17が上下に大きく振動する時にも左右に偏心することなく、垂直方向の直線運動が起きるように案内される。
本発明においては、磁気ギャップ(G)に挿入されて上下に振動するコイル14に効率的に磁気力が及ぶようにするために、第1及び第2ヨーク12、13の磁気ギャップ対向面12a、13aはコイル14が振動する範囲を充分にカバーするように長く形成されることが好ましい。
前記のように構成された本発明の二重マグネットスピーカーの作用について以下に詳細に説明する。
本発明においては、二重マグネット11a、11bを使うことによってマグネットの大きさを増加させて、材料を直接着磁方式で形成した分割片状ネオジムマグネットを外磁型及び内磁型マグネット11a、11bに使って第1及び第2磁気回路(M1、M2)を形成することによって磁気ギャップ(G)の磁束密度を増加させて、コイル14に対する作用力を増加させて、一方、磁気ギャップ(G)を成す2ヨーク12、13の間の対向部分を従来に比べて相対的に長く延長し、該磁気ギャップ(G)に挿入されるボイスコイル14の券線量を十分に増加させて許容入力を増加させることによって振動計が制限なく入力信号によって十分な振動ができるようにしてスピーカーの変換効率(SPL)の向上をはかった。
また、本発明においては、対称構造の第2ヨーク13の下部及び上部に等しい特性の外磁型マグネット11aと内磁型マグネット11bとを対称構造に形成することによって、磁気ギャップを成すヨーク対向面12a、13aにおける均一な磁力線分布を実現することによって振動計の線形応答性(ボイスコイルの直進性)を改善し、かつ、ルーフ型第2磁気回路(M2)の追加によって磁気ギャップ部分の磁束漏洩を最小限に抑制することによって高効率、低歪曲周波数の特性を図ることができる。
一方、一般に、スピーカーの低音共振周波数(f0)は振動計の質量が増加することによって低くなる。ところで、本発明においては、前記振動板17及びセンタキャップ19に付け加えて固定板22aの支持部分が厚く形成されているボビン15、4層構造のボイスコイル14及び垂直ガイド23との結合構造などによって形成される振動計の質量を増加させることによって低音共振周波数(f0)が低くなり低音特性が改善する。
本発明は、サブウーファー用スピーカーに適用する場合、最大正格アンプパワー(Watts Peak)を10000Wまで実現することができる。
一方、前述したスピーカーの構造は、振動板17、センタキャップ19及びフレーム16などを除去し、ボビン15の上部面を大きく増加させて板状振動板を付着させることによって振動発生装置を構成することも可能である。
この場合、振動発生装置はスピーカーの駆動原理と同様に構成される。すなわち、コイル14に極性が周期的に変わる正弦波駆動信号が印加されれば、該駆動コイル14の交流性回転磁場と磁気ギャップ(G)内に直流磁場とが相互作用してフレミングの左手の法則によってボビン15に券線された駆動コイル14は磁気ギャップ(G)内で上下に振動するようになり、その結果、振動板も上下に振動する。
さらに、振動板に少なくとも3以上の垂直ガイドと振動吸収装置を振動発生装置の外部に付け加えれば、振動板が上下に振動する時に左右に偏心することなく、垂直方向の直線運動が起きるようにすることができる。
前述した振動発生装置は、有酸素運動器具として摩擦や衝撃部分が存在しないから、騷音が少なくて片摩耗などの部品摩耗が少なくて耐久性が非常に高くなる。
したがって、有酸素運動器具としてだけではなく、コイル駆動回路の付加によって物理治療用補助器具と、固体と液体とを分離するための高液分離器、選別器、穀物洗浄器などの産業用でも多様に利用することができる。
本発明においては、予め着磁された複数の分割型マグネットを使うことによって直接着磁が可能で、組み立ての後に着磁が行われる従来の間接着磁方式に比べて磁石の効率性が高く、低廉な着磁設備の利用が可能である。
以上、本発明を特定の好ましい実施例の例を挙げて図示して説明したが、本発明は前述した実施例に限定されることなく、本発明の精神を脱しない範囲内で当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変更と修正が可能であろう。
前述したように、本発明は磁気回路及びそれを利用したスピーカーに適用することができる。また、本発明は有酸素運動器具だけではなく、コイルク駆動回路の付加によって物理治療用補助器具と、固体と液体とを分離するための高液分離器、選別器、穀物洗浄器などのような多様な形態で産業用装置に適用し得る振動発生装置に適用することができる。
Claims (14)
- 互いに等しい極性が対向するように予め設定された距離を置いて配置されて非交番磁界を発生する下部及び上部マグネットと、
前記下部マグネットの下部面から上部マグネットの上部面に延長されるルーフ型循環回路部と下部マグネットの下側内周部から一定の間隔(gap)を置いて上側に垂直に延長された延長部とを一体に備えた第1ヨークと、
前記下部及び上部マグネットの間を連結して内周面が第1ヨークの延長部外周面の間に磁気ギャップ(magnetic gap)を形成する第2ヨークと、
電気的な駆動信号が印加される時に交番磁界を発生して前記磁気ギャップに配置され、前記下部及び上部マグネットから発生した非交番磁界との相互作用によって上下に変位されるようにボビンに巻取されたコイルと、
前記第1ヨークの上部面から放射状に延長されたフレームと、
一端が前記ボビンに固定されて他端が前記フレームの上端に固定され、コイルが上下に変位される時に前記駆動信号に対応した音響が発生する振動板と、
前記ボビンが予め設定された範囲内で振動されるように制限するダンパーと、
前記振動板の中央部に備えられてボビンを覆うセンタキャップと、から構成されることを特徴とする二重マグネットを備えたスピーカー。 - 前記下部マグネット、第1ヨークの延長部及び第2ヨークは第1磁気回路を形成し、前記下部マグネット、第1ヨークのルーフ型循環回路部、上部マグネット及び第2ヨークは第2磁気回路を形成することを特徴とする請求項1に記載の二重マグネットを備えたスピーカー。
- 前記第2ヨークは対称構造を成し、磁気ギャップを成す内周面から上部マグネットの下部面と下部マグネットの上部面を向けて分枝構造を有することを特徴とする請求項1に記載の二重マグネットを備えたスピーカー。
- 前記ボビンの運動が垂直方向に行われるように案内するための垂直ガイド手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の二重マグネットを備えたスピーカー。
- 前記ボビンは反転されたコップ状を成し、
前記垂直ガイド手段は前記第1ヨークの延長部の内部中央に垂直方向に支持された円筒状のガイドベアリングと、
上側がボビンの上端中央部に支持されて下側の自由端がガイドベアリングに挿入されているガイド軸と、から構成されることを特徴とする請求項4に記載の二重マグネットを備えたスピーカー。 - 前記第1ヨークの延長部とガイドベアリングとの間に挿入されてコイルとマグネットから発生する熱を外部に放出するための放熱手段をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の二重マグネットを備えたスピーカー。
- 前記下部及び上部マグネットはそれぞれN極が互いに対向するように配置されてネオジム(Nd)から成る複数の分割型ディスクから成ることを特徴とする請求項1〜6項のいずれか一項に記載の二重マグネットを備えたスピーカー。
- 前記磁気ギャップを形成する第1ヨークの延長部外周面と第2ヨークの内周面の間の対向面は全体的に均一な磁力線分布になるように前記下部及び上部マグネットは等しい非交番磁界を発生するように等しい大きさから成ることを特徴とする請求項1〜6項のいずれか一項に二重マグネットを備えたスピーカー。
- 互いにN極が対向するように予め設定された距離を置いて配置されて非交番磁界を発生する下部及び上部マグネットと、
前記下部マグネットの下部面から上部マグネットの上部面に延長されるルーフ型循環回路部と下部マグネットの下側内周部から一定の間隔を置いて上側に垂直に延長された延長部とを一体に備えた第1ヨークと、
前記下部及び上部マグネットの間を連結して内周面が第1ヨークの延長部外周面の間に磁気ギャップを形成する第2ヨークと、から構成されることを特徴とする二重マグネットを備えた磁気回路。 - 前記下部及び上部マグネットは等しい非交番磁界を発生するように等しい大きさから成ることを特徴とする請求項9に記載の二重マグネットを備えた磁気回路。
- 互いにN極が対向するように予め設定された距離を置いて配置されて非交番磁界を発生する下部及び上部マグネットと、
前記下部マグネットの下部面から上部マグネットの上部面に延長されるルーフ型循環回路部と下部マグネットの下側内周部から一定の間隔を置いて上側に垂直に延長された延長部とを一体に備えた第1ヨークと、
前記下部及び上部マグネットの間を連結して内周面が第1ヨークの延長部外周面の間に磁気ギャップを形成する第2ヨークと、
電気的な駆動信号が印加される時に交番磁界を発生して前記磁気ギャップに配置され、前記下部及び上部マグネットから発生した非交番磁界との相互作用によって上下に変位される駆動コイルと、
該駆動コイルが円筒部に券線された円筒状ボビンと、
該ボビンの上端部に結合されて上下振動される振動板と、
該振動板の上下振動の時に垂直運動が行われるように案内するための垂直ガイド手段と、から構成されることを特徴とする振動発生装置。 - 前記垂直ガイド手段は前記第1ヨークの延長部の内部中央に垂直方向に支持された円筒状のガイドベアリングと、
上側が振動板の中央部に支持されて下側の自由端がガイドベアリングに挿入されているガイド軸と、から構成されることを特徴とする請求項11に記載の振動発生装置。 - 前記下部及び上部マグネットはN極が互いに対向するように配置され、ネオジムの複数の分割型ディスクから成ることを特徴とする請求項10に記載の振動発生装置。
- 前記磁気ギャップを形成する第1ヨークの延長部外周面と第2ヨークの内周面の間の対向面は全体的に均一な磁力線分布になるように前記下部及び上部マグネットは等しい非交番磁界を発生するように等しい大きさから成ることを特徴とする請求項11に記載の振動発生装置。
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