JPH11297815A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法

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JPH11297815A
JPH11297815A JP9746098A JP9746098A JPH11297815A JP H11297815 A JPH11297815 A JP H11297815A JP 9746098 A JP9746098 A JP 9746098A JP 9746098 A JP9746098 A JP 9746098A JP H11297815 A JPH11297815 A JP H11297815A
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trench
layer
oxide film
semiconductor device
film
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JP9746098A
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Inventor
Hajime Akiyama
肇 秋山
Kiyoto Watabe
毅代登 渡部
Masao Yamawaki
正雄 山脇
Naoki Yasuda
直紀 保田
Shigeyuki Yamamoto
茂之 山本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トレンチの形成に関し、ストレスの低減と平
坦化と製造工程の簡略化を同時に達成する。 【解決手段】 拡散層23〜26やフィールド酸化膜2
を形成した後に、トレンチ6を形成する。トレンチ6は
フィールド酸化膜2を避けるように形成する。トレンチ
6は絶縁物である酸化膜7とBPSG層8で充填する。
充填の際には酸化膜7とBPSG層8のエッチングバッ
クは行わない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はSOI(Silicon
On Insulator)基板を用いる半導体装置およびその製造
方法に関し、特にSOI基板に形成される素子間分離溝
(以下トレンチという。)とフィールド酸化膜で素子の
分離を行い、数百ボルト以上の絶縁耐圧を備える半導体
装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】モノリシックな半導体集積回路に用いら
れる素子間分離として、素子間にトレンチ溝を形成し、
そのトレンチ溝に絶縁体を充填することで形成されるも
のが知られている。特に、高い電圧に耐える半導体装置
を得るために、SOI基板と上記の素子間分離とを組み
合わせたものがあり、例えば特開昭61‐59852号
公報には、素子間分離を行うために貼り合わせ基板に分
離溝を形成してなる半導体装置が開示されている。図1
3は例えば特開昭61‐59852号公報に記載されて
いる従来の半導体装置の製造工程についてその要部の一
例を示す工程図である。図13(a)に示すように、シ
リコン基板230の一方主面に鏡面研磨を施した後、熱
酸化を施し所定の膜厚の絶縁膜231を形成する。次
に、図13(b)に示すように、シリコン基板230の
絶縁膜231側に鏡面研磨された主面を有する他のシリ
コン基板232を、十分に清浄な雰囲気かで密着して例
えば200℃以上の加熱処理をして一体的に接合する。
次に、シリコン基板232にリアクティブイオンエッチ
ング処理を施し、図13(c)に示す、絶縁膜231に
達する分離溝233を形成する。分離溝233を形成し
たシリコン基板230,232を熱酸化を施し、分離溝
233およびシリコン基板232の表面に絶縁皮膜23
4を形成する。不純物をドープしていない多結晶シリコ
ン部材の堆積を数μm行うことによって、図13(d)
に示すように、分離溝233を多結晶シリコン層235
で埋めることができる。分離溝233からはみ出した絶
縁皮膜234および多結晶シリコン層235を除去する
ことにより素子領域236を得る(図13(e)参
照)。
【0003】図13に示す工程の後にさらに複数の工程
を経て、図14に示すような、フィールド酸化膜240
と、深い拡散層であるウェル241と、浅い拡散層であ
るエミッタ拡散層242などがシリコン基板232に形
成される。浅い拡散層を形成する際にトレンチ分離部の
表面を保護する必要から、フィールド酸化膜240の一
部が分離溝233の上に形成される。
【0004】図15は、図13および図14で説明した
工程の概要を示すフローチャートである。上記の説明で
は、深い拡散層の形成は、分離溝233の形成後に実施
されることのみが説明されているが、図15に示すよう
に、トレンチ分離形成ステップST2の前に、第1の深
い拡散領域形成ステップST1を設ける場合もある。ト
レンチ分離形成ステップST2の後に、フィールド酸化
膜形成ステップST3を実施する。さらに、第2の深い
拡散領域形成ステップST4、それに続く浅い拡散領域
形成ステップST4を行う。次に、拡散領域や外部との
電気的接続のためにコンタクトや配線の形成を行って半
導体装置の主要部が形成される(ステップST5)。そ
の他の工程として保護膜の形成等もあるがここでは説明
を省く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体装置およ
びその製造方法は以上のように構成されており、トレン
チ分離形成工程が複雑になるという問題がある。例え
ば、図13に示す製造方法においては、分離溝233を
多結晶シリコン層235で充填するために、多結晶シリ
コン層235を全面に堆積する工程と、堆積された多結
晶シリコン層235を、シリコン基板232の表面が露
出するまでエッチバックするという工程が必要になる。
また従来の製造方法は、シリコン基板232の表面と多
結晶シリコン235の表面の段差(リセス量)を十分小
さくするためにエッチングの終了時点を正確に制御する
ことができるシリコンドライエッチング工程を採用する
など、プロセスマージンの取り難い製造方法となる。
【0006】図16は、例えば特開平8−23027号
公報に記載されている半導体装置の製造方法を示す工程
図である。まず、図16(a)に示すように、2つのシ
リコン基板311,313を酸化膜312を介して直接
接合法により接合してSOI基板を構成する。シリコン
基板311の主面に、熱酸化膜314とシリコン窒化膜
315とTEOS‐SiO2膜316の3層からなるマ
スクを形成する。ここで、TEOS‐SiO2膜とはテ
トラエチルオルソシリケートを用いて形成されるシリコ
ン酸化膜である。次に、このマスクにトレンチ開口部を
形成し、絶縁層312に達するトレンチ317を形成す
る(図16(b)参照)。トレンチ317の内側壁のダ
メージ部分の処理を行った後、図16(c)に示すよう
に、トレンチ317の内側壁に約1000Åの熱酸化膜
318を形成する。続いて、TEOS‐SiO2膜31
9を成膜して1050℃で15分間のアニール処理を2
回繰り返して行う。次に、トレンチ317内にTEOS
‐SiO2膜319を充填する(図16(d)参照)。
その後、ドライエッチングによりトレンチ317からは
み出たTEOS‐SiO2膜319とマスクのTEOS
‐SiO2膜316を、その下にあるシリコンチック膜
315をストッパーにして除去し、さらにシリコン窒化
膜315および酸化膜314を順次除去し、トレンチ3
17上部を平坦化する。プリセスマージンの取りやすい
従来の製造方法は、図16に示すようにさらに工程が複
雑になる。
【0007】また、従来の半導体装置およびその製造方
法においては、トレンチの周囲に応力が発生し、欠陥結
晶やウェーハの反りが発生するという問題がある。例え
ば、図13に示す製造方法においては、高い絶縁耐圧を
得るために内側壁の絶縁皮膜234を十分厚くする必要
がある。トレンチ217の内側壁が酸化膜となる際に体
積膨張するため、トレンチ217の内側壁上端部や下端
部に応力が集中し、結晶欠陥やウェーハの反りが発生す
る。このような応力の集中を緩和するために、例えば、
“N.Itoh et al.,Optimization of shallow and deep t
rench isolation structures for ultra-high-speed bi
polar LSIs, proc. of BCTM'92 pp.104-107”に示され
ているように、トレンチ内へ充填する材料を選択するこ
とでストレスを低減することができる。図17はこの文
献に記載されている半導体装置の製造方法を説明するた
めの工程図である。まず、図17(a)に示すように、
半導体基板400の表面に浅いトレンチ401の絶縁材
料を形成し、さらに、図17(b)に示すように、深い
トレンチ402を形成する。図17(c)に示すよう
に、トレンチ401,402を絶縁材料403で埋め
る。この絶縁材料403をエッチバックすることによっ
て図17(d)の構造を得る。浅いトレンチ401はL
OCOSによって形成された酸化膜ではないので、浅い
トレンチ401を埋めている絶縁材料403から半導体
基板400はストレスを受けない。しかし、このような
製造方法においても絶縁材料403のエッチバックは必
要である。また、このような構成では、絶縁耐圧を上げ
るために浅いトレンチ401を深くすると、フィールド
酸化膜と異なり、矢印405で示す半導体層の厚みが浅
いトレンチ401と同じだけ増すため半導体装置の一部
の特性が劣化するという問題がある。フィールド酸化膜
の場合には半導体基板に食い込む部分と半導体基板上に
飛び出る部分とがあるため、このような問題は緩和され
る。
【0008】また、従来の半導体装置の各製造方法は図
15のような工程を経るため、フィールド酸化膜形成ス
テップST3や拡散領域形成ステップST4において9
50℃〜1150℃程度で1〜5時間程度の高温熱処理
が施され、素子を分離するために形成されているトレン
チの周囲にストレスを生じるという問題がある。
【0009】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたもので、フィールド酸化膜を有する半導体装置
およびその製造方法において、工程の簡略化と半導体装
置の基板表面の平坦化とトレンチの周囲に生じるストレ
スの低減とを同時に実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る半導体
装置の製造方法は、拡散層およびフィールド酸化膜を主
面に形成するための熱処理が終了しているSOI基板を
準備する工程と、前記SOI基板の前記主面における前
記フィールド酸化膜が形成されていない領域にトレンチ
を形成する工程と、前記SOI基板の全面に絶縁物を堆
積することによって層間膜の形成と同時に前記トレンチ
に絶縁物を充填する工程とを備えて構成される。
【0011】第2の発明に係る半導体装置の製造方法
は、第1の発明の半導体装置の製造方法において、前記
絶縁物を充填する工程は、テトラエチルオルソシリケー
トを用いて酸化膜を0.3μm以上の厚みに堆積する工
程と、BPSG層を、トレンチの幅に2の平方根を掛け
た値以上の厚みに堆積する工程とを含むことを特徴とす
る。
【0012】第3の発明に係る半導体装置の製造方法
は、第2の発明の半導体装置の製造方法において、前記
絶縁物を充填する工程は、第1層アルミ配線の前に行わ
れ、前記酸化膜および前記BPSG層の厚みをRESU
RF効果に最適な厚みに設定する工程を含み、前記酸化
膜および前記BPSG層上に前記第1層アルミ配線によ
ってマルチフィールドプレートを形成する工程をさらに
備えて構成される。
【0013】第4の発明に係る半導体装置の製造方法
は、第1の発明の半導体装置の製造方法において、前記
絶縁物を充填する工程は、第1層アルミ配線の後で、か
つ第2層アルミ配線の前に行われる層間膜の形成工程を
含み、前記層間膜の形成工程は、前記層間膜を所定の厚
みに形成することによって多段マルチフィールドプレー
トを構成する前記第1層アルミ配線と前記第2層アルミ
配線の間隔をRESURF効果に最適な間隔に設定する
工程を含むことを特徴とする。
【0014】第5の発明に係る半導体装置は、埋め込み
絶縁層に達するトレンチを有するSOI基板と、前記S
OI基板上の前記トレンチのない領域に配置されている
フィールド酸化膜と、前記トレンチの内部および前記フ
ィールド酸化膜上に配置されている絶縁膜と、前記絶縁
膜上に配置されているマルチフィールドプレートとを備
えて構成される。
【0015】第6の発明に係る半導体装置は、埋め込み
絶縁層に達するトレンチを有するSOI基板と、前記S
OI基板上の前記トレンチのない領域に配置されている
フィールド酸化膜と、前記フィールド酸化膜上に配置さ
れている絶縁膜と、前記絶縁膜上に配置されている第1
のマルチフィールドプレートと、前記トレンチの内部並
びに前記絶縁膜および前記第1のフィールドプレート上
に配置されている層間膜と、前記層間膜上に配置されて
いる第2のフィールドプレートとを備えて構成される。
【0016】第7の発明に係る半導体装置は、第5また
は第6の発明の半導体装置において、前記トレンチと前
記フィールド酸化膜との間隔が1μm以上であることを
特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1による半導体装置の製造方法について図1
〜図6を用いて説明する。図1〜図4は実施の形態1に
よる半導体装置の各製造工程を説明するため断面図であ
る。図5は実施の形態1による半導体装置の製造工程を
示すフローチャートである。図6は図3に示されている
フィールド酸化膜とトレンチの関係を説明するための平
面図である。図1の断面は、図5に示されているステッ
プST1〜ST10の工程を経て形成された構造を示し
ている。ステップST1〜ST5は、従来と同様の工程
である。ステップST5までの製造工程で従来と異なる
点は、第1の深い拡散領域形成ステップST1とフィー
ルド酸化膜形成ステップST3の間に行われていたトレ
ンチ分離形成ステップST2が省かれている点である。
ステップST10は、図1に示すゲートポリシリコン3
やゲート酸化膜4や絶縁物堆積層1等を形成する絶縁物
堆積層形成工程である。絶縁物堆積層1は例えばTEO
Sを用いて形成された酸化膜やBPSG等の絶縁物から
なり、その厚さは0.3〜1μm程度である。N-SO
I層20と基板シリコン層22との間には、埋め込みシ
リコン酸化層21が形成されている。このようなSOI
基板は、例えば図13のシリコン基板230,232と
絶縁膜231からなるSOI基板と同じように準備さ
れ、あるいはその他の方法で準備される。N-SOI層
20の主面に配置されているPウェル23やNバッファ
層25は、第1および第2の深い拡散領域形成ステップ
ST1,ST4で形成される。厚さ0.3〜0.7μm
のフィールド酸化膜2がフィールド酸化膜形成ステップ
ST3で形成される。このフィールド酸化膜2の間にあ
る開口は、5〜15μm程度の幅を有している。Pウェ
ル23やNバッファ層25の中のN-SOI層20の主
面に配置されているN+エミッタ拡散層24やP+コレク
タ拡散層26は、浅い拡散領域形成ステップST5で形
成される。
【0018】図2に示す構造は、図1の構造に対し、ト
レンチパターンを写真製版の技術で形成した後、絶縁物
堆積層1をパターニングした状態の構造である。トレン
チパターン溝5が形成されている点が、図2と図1の構
造の相違点である。トレンチパターン溝5は、フィール
ド酸化膜2のエッジとの間隔WTFが1μm以上になるよ
うに配置されている。このように配置するのは、フィー
ルド酸化膜2のエッジの近傍に局所的に存在するストレ
スをトレンチの内側壁に現出させないようにするためで
ある。
【0019】図3に示す構造は、図2の構造から、絶縁
物堆積層1をマスクとして異方性エッチングによってト
レンチ6が形成された状態の構造である。トレンチ6の
幅は0.6〜2.0μm程度で、トレンチの深さは5〜
20μm程度である。トレンチ6がフィールド酸化膜2
の存在しないところに形成されているので、トレンチ6
周辺に新たなストレスが発生することは抑制され、トレ
ンチ6の形成によって半導体装置内に新たな転移や欠陥
が導入されることはない。図6に示すようにトレンチの
開口5とフィールド酸化膜2は互いに平行に配置されて
いる。
【0020】図4に示す構造は、図3の構造に対し、T
EOSを用いて形成された酸化膜とBPSGとでトレン
チを埋め込んだ状態の構造である。TEOSを用いて形
成された酸化膜7は、トレンチ6の内側壁での厚さが
0.3μm以上に設定されている。これはBPSG層8
の中にあるホウ素BやリンP成分がN-SOI層20内
へ拡散するのを防止するのに必要な厚さである。また、
酸化膜7とBPSG層8の厚みの合計をDと表し、トレ
ンチ6の幅をWと表すとすると、厚みDはトレンチ6の
幅Wに2の平方根を掛けて得られる値以上の値を有して
いなければならない。つまりD≧20.5×Wの関係を満
たすことが条件となる。このような条件を満たすことに
よって、トレンチ6の上方に形成されているBPSG層
8を平坦にすることができる。BPSG層8の形成条件
(温度やガス組成比など)やBPSG層8の堆積後のシ
ンター温度を最適化することによりD≧20.5×Wの条
件を満たす範囲で実用的な薄さに設定することは可能で
ある。酸化膜7とBPSG膜8とがそのまま層間膜とし
て用いられ、そのため全面に渡ってBPSG層8をエッ
チバックする工程を省くことができ、工程の簡略化を図
ることができる。なお、図1〜図4に示す半導体装置の
基本構造は、K.Watabe, H.Akiyama, T.Terashima, S.No
buto, M.Yamawaki, T.Hirao "A 0.8μm High Voltage
IC usingNewly Designed 600V Lateral IGBT on Thick
Buried-Oxide SOI",Proceedingof ISPSD'96, pp.151-15
4(1996)に示されているIGBTの構造に準拠してい
る。
【0021】実施の形態2.図7は実施の形態2による
半導体装置の一工程例を示す断面図である。実施の形態
1の説明で用いた図4の工程の次に、第1層アルミ配線
が施される。図7はこの第1層アルミ配線が施された状
態の断面構造を示している。この発明の実施の形態2
は、この第1層アルミ配線を用いて形成されるマルチフ
ィールドプレートに関係するRESURF効果(REduce
d SURFace effect)を十分に引き出すためのBPSG層
8の形成に係わる。図8はマルチフィールドプレート構
造を有する半導体装置の要部の一例を示す断面図であ
る。図9はマルチフィールドプレート構造を有さない半
導体装置の要部を示す断面図である。図8および図9に
おいて、2点鎖線は電気力線を示している。図8の半導
体装置において、フィールド酸化膜2上に配置された第
1層アルミ配線9‐3がマルチフィールドプレートを構
成している。図9に示されている半導体装置は、このよ
うな第1層アルミ配線9‐3を有していないため、領域
50において電気力線が集中しており、すなわち領域5
0において電界の集中が生じている。このようにマルチ
フィールドプレートを設けることによって電界の集中が
緩和され、半導体装置の絶縁耐圧を向上させることがで
きる。そして、この絶縁耐圧の向上度合いは、第1層ア
ルミ配線9‐3とN-SOI層20の距離によって異な
る。図10は、例えば「秋山他、SOI分離構造の高耐
圧化、電気学会研究資料 EDD‐92‐106、p
p.1〜6」に記載されている、横型ダイオードの絶縁
耐圧の変化ΔBVとSOI層‐マルチフィールドプレー
ト間距離tfpとの関係を示すグラフである。図10から
も分かるように、絶縁耐圧の変化ΔBVが極大値をとる
距離tfpが存在する。この点に関してはIGBTにおい
ても同じである。図7における半導体装置においては、
フィールド酸化膜2の厚みtFと、絶縁物堆積層1の厚
みtBと、酸化膜7およびBPSG層8の厚みDとの和
fpによって絶縁耐圧が制御される。実施の形態1にお
いて説明したように厚みDは、平坦化のためにトレンチ
6の幅Wに2の平方根を掛けて得られる値以上の値を有
していなければならない。そのような厚みDの条件の下
で、さらに距離tfpが最適値になるように厚みDを設定
することによって、トレンチ6の埋め込みとSOI層‐
マルチフィールドプレート間距離の適正化を同時に実現
することができる。それによってSOI層‐マルチフィ
ールドプレート間距離の適正化に必要な絶縁膜の積層工
程を省略することができる。従来は距離tfpを変更する
ためにフィールド酸化膜の厚みtFを変更することがあ
る。このようにして厚みtFを再設定するときは、フィ
ールド酸化膜形成と同時に与えうる熱拡散効果の変動に
よる影響も考慮しなければならず、厚みtFの変更に伴
う製造工程の変更には大幅な条件の見直しが必要であ
る。一方、実施の形態2で示す半導体装置において、R
ESURF条件を見直す場合には、熱拡散効果の変動は
生じないため条件の設定のし直しは容易である。
【0022】実施の形態3.実施の形態1および実施の
形態2では、第1層アルミ配線の前にトレンチの埋め込
みを行う。それに対し、実施の形態3では、第1層アル
ミ配線の後で、かつ第2層アルミ配線の前に行われる層
間膜形成と同時にトレンチの埋め込みを行う。第1層ア
ルミ配線および第2層アルミ配線を用いて実施の形態2
で説明したマルチフィールドプレートと同様の効果を得
るための多段マルチフィールドプレートが従来から知ら
れている。図11において、第1層アルミ配線9‐3と
第2層アルミ配線11‐2が多段マルチフィールドプレ
ートを構成している。多段マルチフィールドプレートに
おいては、実施の形態2のパラメータtfpと等価なパラ
メータとして第1層アルミ配線9‐3と第2層アルミ配
線11‐2との間隔tfp2がある。実施の形態2と同様
に、トレンチ6の埋め込みと同時に行われる層間膜10
の形成時にパラメータtfp2が最適値になるように層間
膜10の厚みを設定すれば、層間膜10の形成工程とト
レンチ6の埋め込み工程とを同時に行え、製造工程の簡
略化が達成できる。図12は実施の形態3による半導体
装置の製造工程の要部を示すフローチャートである。第
1層アルミ配線ステップST20の次に、窒化膜の堆積
を行う(ステップST21)。窒化膜を用いるのは、低
い温度、例えば300℃で形成できるからであって、第
1層アルミ配線の損傷を防ぐために形成温度の低いもの
を選択している。次に、レジストを形成してトレンチ場
ターンの写真製版を行い(ステップST22)、窒化膜
のトレンチパターンエッチング(ステップST23)を
経て、窒化膜をマスクとしてエッチングを行うことによ
りトレンチ6を形成する(ステップST24)。トレン
チ6とフィールド酸化膜2の間隔は1μm以上である。
続いて、シリコンラダーポリマーを用いてトレンチ6の
埋め込みと層間膜10の形成とを同時に行う。ステップ
ST26でこの層間膜10にスルーホールを形成し、ス
テップST27で第2層アルミ配線を行う。
【0023】実施の形態3における層間膜10の形成に
は、シリコンラダーポリマーが用いられる。実施の形態
3で、シリコンラダーポリマーは次の特性を有している
という理由から層間膜10に用いられる。すなわち、シ
リコンラダーポリマーは、スピンコートによって比較的
容易にトレンチ内を充填できる、スピンコートによって
比較的容易に厚膜(2μm程度以上)を形成できる、エ
ッチングによってパターニングが可能である、パターニ
ングの際にエッチング断面を傾斜制御できる、シリコン
ラダーポリマー自身にも感光剤を添加してレジストを使
わずにパターニングが可能である、電気絶縁性能が高く
高耐圧配線間の絶縁材として使用可能である、という特
性を有している。なお、このような特性においてシリコ
ンラダーポリマーと同等かまたはそれ以上の性能を有し
ていればシリコンラダーポリマーに代えてそのような材
料を用いることができる。
【0024】なお、シリコンラダーポリマーを用いた層
間膜10の形成においては、スピンコートの回転数、ポ
リマーの粘度、滴下量で膜厚が制御されるが、トレンチ
6を充填するには粘度が高い方が好ましく、平坦化する
には粘度が低いことが好ましいことから、条件を変えて
複数回シリコンラダーポリマーを塗布することが好まし
い。シリコンラダーポリマーについては、例えば「足達
他、耐熱性梯子型シリコーン樹脂の開発、電気材料技術
雑誌、Vol.3、No.1、1994」に記載されて
いる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の半導体装
置の製造方法によれば、トレンチがフィールド酸化膜を
避けて形成されるとともに950℃程度以上の処理温度
で行う熱処理がトレンチ形成前に終了しているため、熱
処理によるストレスがトレンチに与える影響を抑制で
き、トレンチに充填される絶縁物を除去する必要がない
ことから工程の簡略化が図られ、拡散層などをSOI基
板の主面に形成する際にはトレンチによる段差がSOI
基板の主面にはないことからSOI基板の平坦性も維持
されて拡散層などの形成の精度が向上するという効果が
ある。
【0026】請求項2記載の半導体装置の製造方法によ
れば、酸化膜によってBPSG層から不純物がSOI基
板に入るのを防止でき、同時に、トレンチの幅に2の平
方根を掛けた値以上の厚みに堆積されるBPSG層によ
って、トレンチの上のBPSG層が十分に平坦化できる
という効果がある。
【0027】請求項3または請求項4記載の半導体装置
の製造方法によれば、RESURF効果が最大となるよ
うな厚みに設定する工程を絶縁物を充填する工程に含め
ることで工程が簡略化できるという効果がある。
【0028】請求項5記載の半導体装置によれば、トレ
ンチの充填物と絶縁膜とが一体的に形成される半導体装
置において、SOI基板のSOI層からのマルチフィー
ルドプレートの距離がRESURF効果のために最適と
なるように、絶縁膜の厚みの設定によって容易に調整で
きるという効果がある。
【0029】請求項6記載の半導体装置によれば、トレ
ンチの充填物と層間膜とが一体的に形成される半導体装
置において、第1と第2のフィールドプレートの間隔が
RESURF効果のために最適となるように、層間膜の
厚みの設定によって容易に調整できるという効果があ
る。
【0030】請求項7記載の半導体装置によれば、トレ
ンチとフィールド酸化膜の間を1μm以上離すことによ
って、フィールド酸化膜の形成によりストレスがおよぶ
範囲外にトレンチを形成でき、フィールド酸化膜による
ストレスの影響がトレンチにおよぶことを十分に抑制す
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による半導体装置の一製造工程
を説明するため断面図である。
【図2】 実施の形態1による半導体装置の一製造工程
を説明するため断面図である。
【図3】 実施の形態1による半導体装置の一製造工程
を説明するため断面図である。
【図4】 実施の形態1による半導体装置の一製造工程
を説明するため断面図である。
【図5】 実施の形態1による半導体装置の製造工程の
要部を示すフローチャートである。
【図6】 実施の形態1による半導体装置の一製造工程
を説明するため平面図である。
【図7】 実施の形態2による半導体装置の一製造工程
を説明するため断面図である。
【図8】 RESURF効果を説明するための断面図で
ある。
【図9】 RESURF効果を説明するための断面図で
ある。
【図10】 RESURF効果を説明するためのグラ
フである。
【図11】 実施の形態3による半導体装置の一製造工
程を説明するため断面図である。
【図12】 実施の形態3による半導体装置の製造工程
の要部を示すフローチャートである。
【図13】 従来のSOI基板の一製造方法を示す工程
図である。
【図14】 フィールド酸化膜とトレンチ分離を組み合
わせる、従来の素子分離構造を示す断面図である。
【図15】 従来の半導体装置の製造方法の一例を示す
フローチャートである。
【図16】 従来のSOI基板の製造方法に関する他の
例を示す工程図である。
【図17】 従来のSOI基板の製造方法に関する他の
例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 絶縁物堆積層、2 フィールド酸化膜、3 ゲート
ポリシリコン、6 トレンチ、7 酸化膜、8 BPS
G層、9 第1層アルミ配線、11 第2層アルミ配
線、23 Pウェル、24 エミッタ拡散層、25 N
バッファ層、26コレクタ拡散層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保田 直紀 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山本 茂之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散層およびフィールド酸化膜を主面に
    形成するための熱処理が終了しているSOI基板を準備
    する工程と、 前記SOI基板の前記主面における前記フィールド酸化
    膜が形成されていない領域にトレンチを形成する工程
    と、 前記SOI基板の全面に絶縁物を堆積することによって
    層間膜の形成と同時に前記トレンチに絶縁物を充填する
    工程とを備える半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁物を充填する工程は、 テトラエチルオルソシリケートを用いて酸化膜を0.3
    μm以上の厚みに堆積する工程と、 BPSG層を、トレンチの幅に2の平方根を掛けた値以
    上の厚みに堆積する工程とを含むことを特徴とする、請
    求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁物を充填する工程は、第1層ア
    ルミ配線の前に行われ、前記酸化膜および前記BPSG
    層の厚みをRESURF効果に最適な厚みに設定する工
    程を含み、 前記酸化膜および前記BPSG層上に前記第1層アルミ
    配線によってマルチフィールドプレートを形成する工程
    をさらに備える、請求項2記載の半導体装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記絶縁物を充填する工程は、第1層ア
    ルミ配線の後で、かつ第2層アルミ配線の前に行われる
    層間膜の形成工程を含み、 前記層間膜の形成工程は、前記層間膜を所定の厚みに形
    成することによって多段マルチフィールドプレートを構
    成する前記第1層アルミ配線と前記第2層アルミ配線の
    間隔をRESURF効果に最適な間隔に設定する工程を
    含むことを特徴とする、請求項1記載の半導体装置の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 埋め込み絶縁層に達するトレンチを有す
    るSOI基板と、 前記SOI基板上の前記トレンチのない領域に配置され
    ているフィールド酸化膜と、 前記トレンチの内部および前記フィールド酸化膜上に配
    置されている絶縁膜と、 前記絶縁膜上に配置されているマルチフィールドプレー
    トとを備える半導体装置。
  6. 【請求項6】 埋め込み絶縁層に達するトレンチを有す
    るSOI基板と、 前記SOI基板上の前記トレンチのない領域に配置され
    ているフィールド酸化膜と、 前記フィールド酸化膜上に配置されている絶縁膜と、 前記絶縁膜上に配置されている第1のマルチフィールド
    プレートと、 前記トレンチの内部並びに前記絶縁膜および前記第1の
    フィールドプレート上に配置されている層間膜と、 前記層間膜上に配置されている第2のフィールドプレー
    トとを備える半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記トレンチと前記フィールド酸化膜と
    の間隔が1μm以上であることを特徴とする、請求項5
    または請求項6記載の半導体装置。
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