JPH11295850A - ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法

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JPH11295850A
JPH11295850A JP9721998A JP9721998A JPH11295850A JP H11295850 A JPH11295850 A JP H11295850A JP 9721998 A JP9721998 A JP 9721998A JP 9721998 A JP9721998 A JP 9721998A JP H11295850 A JPH11295850 A JP H11295850A
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JP
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group
silver halide
sensitive material
halide photographic
sensitizing dye
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JP9721998A
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Jun Miura
順 三浦
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】現像処理後に増感色素の残存着色がなく、最低
濃度が低い保存安定性にすぐた高画質のハロゲン化銀写
真感光材料の製造方法を提供することにある。 【解決手段】支持体上に、2個以上の水溶性基を有する
増感色素を含有するハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1
層を塗布、乾燥した後、加熱処理するハロゲン化銀写真
感光材料の製造方法に於て、ゼラチン総量に対する含水
率が20重量%以下の状態で加熱処理することを特徴と
するハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分光増感されたハロ
ゲン化銀写真感光材料の製造方法に関するものであり、
詳しくは高照度の光源に対して高感度で、最低濃度が低
く、保存安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の迅速な情報伝達システムの発達に
ともなって、ハロゲン化銀写真感光材料の露光も電算写
植機、スキャナーやイメージセッターなどのいわゆるレ
ーザー出力機で10-3〜10-7秒という高照度短時間露
光が行われようになった。このような用途のハロゲン化
銀写真感光材料は、例えば、陰極線管(CRT)、アル
ゴンあるいはヘリウム−ネオンレーザー、発光ダイオー
ド(LED)、半導体レーザー(LD、赤色LD)など
のそれぞれ異なる特定発振波長に適した高い分光感度が
要求される。
【0003】ハロゲン化銀乳剤を分光増感させる手段と
しては、ある種のメチン色素類を添加することが極めて
有効であることは周知であり、例えば、「ザ・セオリー
・オブ・ザ・フォトグラフィック・ポロセス」第4版、
194〜234頁(ティ・エイチ・ジェイムス著、19
77、マクミラン社、N.Y.)に多くの化合物いわゆ
る増感色素が記載されている。更に、例えば、米国特許
第2,647,050号、同2,647,051号、同
2,647,052号、同3,282,932号、同
3,384,489号、同3,615,644号、同
4,965,183号、同5,116,722号、特開
昭62−164043号、同62−223748号、同
63−228145号、特開平2−143242号、同
3−59637号、同3−171135号、同4−31
8542号、同5−158181号、同5−25722
1号、同5−303158号、同5−307220号、
同5−3132271号、同5−313294号、同6
−75322号、同6−194774号、同6−242
544号、同7−270961号、同7−287337
号、同7−325362号、同8−201954号、同
8−262610号、同9−222687号などに記載
の如く、従来から様々なタイプ、例えば、シアニン系、
メロシアニン系、ロダシアニンに代表される多核メチン
色素系などの増感色素が合成され、又、それを有用に用
いる為の手段が提案されている。
【0004】ハロゲン化銀乳剤の分光増感は、増感色素
の添加により感光波長域を単に拡大させればよいのでは
ない。分光増感されたハロゲン化銀乳剤によるハロゲン
化銀感光材料が高品質であるためには、増感色素は要求
される数多くの条件を満足させるものでなければならな
い。特に以下の条件は増感色素として有すべき基本的条
件である。 1)それぞれのレーザー発振波長域に適切で高感度(高
効率)であること。 2)メーカー製造からユーザー使用までの期間、いわゆ
る保存期間中にその環境により感度低下や最低濃度上昇
など、写真性能が変化しないこと。 3)現像処理後に分光増感色素の残存による着色汚染や
カブリを残さないこと。
【0005】例えば、特開平3−171135号、同5
−257221号、同7−287337号には分子中に
水溶性基を有する増感色素を用いて、現像処理後の増感
色素の残存による着色汚染(以下、単に「残存着色」と
いう)を低減する技術が開示されている。確かに、水溶
性基を有する増感色素はそうでないものに比べ残存着色
は少ないが、保存安定性という点ではそうでないものに
比べ劣ることが多い。さらに、水溶性基を2個有するも
のは残存着色はさらに低減され有用であるが、保存安定
性の点はさらに見劣りがする。このような残存着色と保
存安定性の関係は、特に、分光感度の極大波長が620
〜690nmにある増感色素に比較的強く現れ、さら
に、増感色素がローダシアニン色素である場合にはより
顕著である。
【0006】従って、適切な分光増感波長域で高感度で
あって、残存着色が少なく、保存期間中の写真性能の安
定性が十分に満足できる技術が要請されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高照
度光源に対して適切な分光増感波長域で高感度で、カブ
リや増感色素の残存着色のない最低濃度(Dmin)の
低い、そして保存安定性に優れたハロゲン化銀写真感光
材料の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
支持体上に、2個以上の水溶性基を有する増感色素を含
有するハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層を塗布、乾
燥した後、加熱処理するハロゲン化銀写真感光材料の製
造方法に於て、ゼラチン総量に対する含水率が20重量
%以下の状態で加熱処理することによって達成された。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。少なくとも2個の水溶性基を有する増感色素に
は、例えば、シアニン系、メロシアニン系、ローダシア
ニンに代表される多核メチン色素系が挙げられる。好ま
しい例としては、下記一般式(化1)、一般式(化2)
あるいは一般式(化3)で示すことができる。
【0010】
【化1】
【0011】[式中Z1およびZ2は、それぞれ5または
6員含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表す。
1は置換あるいは無置換のメチン基が7個以下の奇数
個共役二重結合で連結されて形成される3価の基を表
す。R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基
もしくはアリール基を表す。pおよびqはそれぞれ0ま
たは1を表し、Xは該分子の電荷を中和するための対イ
オンを表す。分子内塩を形成するときは、Xは存在しな
い。]
【0012】
【化2】
【0013】[式中Z1、Z2、R1、R2、pおよびqは
一般式化1におけるそれぞれと同義である。L2は置換
あるいは無置換のメチン基が6個以下の偶数個共役二重
結合をするように連結された4価の基を表し、L3は置
換あるいは無置換のメチン基が7個以下の奇数個共役二
重結合で連結されて形成される3価の基を表す。Y1
よびY2は、5または6員含窒素複素環を形成するのに
必要な原子群を表す。rは0または1を表し、Xは該分
子の電荷を中和するための対イオンを表す。分子内塩を
形成するときは、Xは存在しない。]
【0014】
【化3】
【0015】[式中Z1、R1、pは一般式化1における
それぞれと同義である。L2、Y1、Y2、rは一般式化
2におけるそれぞれと同義である。Y3およびY4は、5
または6員含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を
表す。mは0または1を表す。]
【0016】上記一般式(化1)、一般式(化2)及び
一般式(化3)で表される化合物についてさらに具体的
に説明する。
【0017】式中Z1およびZ2は、それぞれ5または6
員含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表す。こ
れらの含窒素複素環の具体例としては、例えば、オキサ
ゾリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナ
フトオキサゾール環、チアゾリン環、チアゾール環、チ
アジン環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、
ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、キノリ
ン環、ベンゾキノリン環、インドレニン環、ベンゾイン
ドレニン環、ベンズイミダゾール環、ナフトイミダゾー
ル環等がある。さらにこれらの複素環の炭素原子にはハ
ロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子など)、アル
キル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基な
ど)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基など)、ヒドロキシ基、トリフル
オロメチル基、シアノ基、アルカンスルホニル基(例え
ば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基など)、
スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N
−ジメチルスルファモイル基、ピペリジノスルホニル
基、モルホリノスルホニル基など)、アリール基(例え
ば、フェニル基、メトキシフェニル基など)などの置換
基がついていても良い。これらの中で好ましいものは、
置換基を含めての炭素数が12個以下のものである。
【0018】Y1、Y2およびY3、Y4によって形成され
る含窒素複素環の具体例としては、例えばオキサゾリジ
ン環、チアゾリジン環、イミダゾリジン環、チオバルビ
ツール酸環等があり、これらの複素環の窒素置換基の例
としてはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ア
ミル基、β−ヒドロキシエチル基、γ−ヒドロキシプロ
ピル基、β−アセトキシエチル基、γ−アセトキシプロ
ピル基、β−メトキシエチル基、γ−メトキシプロピル
基、カルボキシメチル基、β−カルボキシエチル基、γ
−カルボキシプロピル基、δ−カルボキシブチル基、ω
−カルボキシペンチル基、メトキシカルボニルメチル
基、エトキシカルボニルメチル基、β−メトキシカルボ
ニルエチル基、γ−メトキシカルボニルプロピル基、δ
−メトキシカルボニルブチル基、β−スルホエチル基、
γ−スルホプロピル基、γ−スルホブチル基、δ−スル
ホブチル基、ベンジル基、フェネチル基、p−カルボキ
シベンジル基、p−スルホフェネチル基、アリル基、プ
ロパルギル基など)、アリール基(例えば、フェニル
基、メトキシフェニル基など)、複素環基(例えば、2
−ピリジル基、2−チアゾリル基、4−テトラヒドロピ
ラニル基など)等がある。これらの中で好ましいもの
は、置換基を含めての炭素数が12個以下のものであ
る。
【0019】R1あるいはR2は置換あるいは無置換のア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、β
−ヒドロキシエチル基、γ−ヒドロキシプロピル基、β
−アセトキシエチル基、γ−アセトキシプロピル基、β
−メトキシエチル基、γ−メトキシプロピル基、カルボ
キシメチル基、β−カルボキシエチル基、γ−カルボキ
シプロピル基、δ−カルボキシブチル基、ω−カルボキ
シペンチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシ
カルボニルメチル基、β−メトキシカルボニルエチル
基、γ−メトキシカルボニルプロピル基、δ−メトキシ
カルボニルブチル基、β−スルホエチル基、γ−スルホ
プロピル基、γ−スルホブチル基、δ−スルホブチル
基、ベンジル基、フェネチル基、p−カルボキシベンジ
ル基、p−スルホフェネチル基、アリル基、プロパルギ
ル基など)、アリ−ル基(例えば、フェニル基、メトキ
シフェニル基など)を表す。これらのうち、炭素数6個
以下の置換アルキル基が好ましい。
【0020】L1あるいはL3は置換されていてもよいメ
チン基が7個以下の奇数個共役二重結合で連結されて形
成される3価の基(例えば、=CH−、=CH−CH=
CH−、=CH−CH=CH−CH=CH−、=CH−
CH=CH−CH=CH−CH=CH−など)を表す。
2は置換されていてもよいメチン基が6個以下の偶数
個共役二重結合を形成するように連結された4価の基
(例えば、=CH−CH=、=CH−CH=CH−CH
=、=CH−CH=CH−CH=CH−CH=など)を
表す。これらのメチン基の置換基としては、置換されて
いてもよいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、
ベンジル基など)、アリール基(例えば、フェニル基な
ど)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基
など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基な
ど)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチル
チオ基など)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ
基など)、置換アミノ基(例えば、ピペリジノ基な
ど)、またはハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子など)などが挙げられる。また、メチン鎖の置換基同
士で5ないし6員環として環を形成していてもよく、こ
のような環の例としては下記化4などが挙げられる。
【0021】
【化4】
【0022】p,q,mはそれぞれ0または1を表し、
p,qは好ましくは0である。rは0または1を表す。
【0023】本発明で使用する「水溶性基」とは、遊離
酸または塩等の形で該化合物に水溶性を付与する基であ
って、例えば、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基
などを挙げることができる。特にスルホ基、カルボキシ
基が好ましい。本発明の係わる増感色素は、これら水溶
性基を置換したR1、R2、Z1、Z2、Y1、Y2およびY
3、Y4の上記各基で、分子内に少なくとも2個の水溶性
基を有する化合物であることにより成される。
【0024】本発明に係わる増感色素が、一般式
(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表されるもの
で、ハロゲン化銀写真感光材料の分光感度の極大波長を
620〜690nmにせしめる増感色素であること、さ
らには、一般式(2)で表される増感色素であることは
本発明の効果を得ることに関してより好ましい。
【0025】本発明で用いられる増感色素の具体例を以
下に示すが、本発明に用いられる増感色素はこれらの化
合物に限定されるものではない。
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】これらの化合物をハロゲン化銀乳剤に添加
するには、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ピリジン、ジメチルホルムアミド、水等の単独また
は混合した溶媒の溶液として添加することができる。ま
た、超音波分散を用いて乳剤中に加えることもできる。
さらに、米国特許第3,482,981号、同第3,5
85,195号、同第3,469,987号、同第3,
649,286号、同第3,485,634号、同第
3,334,605号および同第2,912,343号
明細書に記載されている方法も用いることができる。ま
たこれらの化合物をハロゲン化銀写真乳剤に添加する時
期は物理熟成から化学熟成終了まで、化学熟成終了から
塗布までの乳剤製造工程中のいずれの時期でもよい。そ
の添加量は化合物の種類や使用される条件や乳剤の種類
に大きく依存して変化するが、好ましくはハロゲン化銀
1モル当たり1×10-6〜5×10-3モル、より好まし
くは2×10-6〜2×10-3モルの範囲である。
【0043】これら化合物を2種以上で併用することも
できる。例えば、ヘリウム−ネオンレーザー(633n
m発振)に対して有効な分光感度の極大波長を示すもの
と、半導体レーザー(670nm近辺に発振波長を有す
るもの)に対して有効なものとの併用で本発明により成
されたハロゲン化銀写真感光材料は、対応する光源を持
つ少なくとも2つ以上のレーザー出力機に対して同一の
感光材料を使用できるので、大変有用である。
【0044】よく知られているように、現在のハロゲン
化銀写真感光材料は種々の塗布方式、例えば、ディップ
方式、エアナイフ方式、エキストルージョン方式、カー
テン方式等により1層または2層以上の写真用塗液を走
行する支持体上に塗布し、乾燥した後、コアに巻き取ら
れて製造されている。乾燥はゼラチンのゾル・ゲル化現
象を利用し、支持体に塗布された直後は冷却ゾーンで凝
固(いわゆるセット)させ、その後は徐々に温度を上昇
させて、材料予熱期間、単位時間当たりの溶媒の蒸発量
すなわち溶媒の蒸発速度が一定である恒率乾燥期間、溶
媒の蒸発速度が徐々に低下して蒸発がほとんどなくなる
(塗膜がほぼ外気の温湿度条件下における平衡水分率と
なる)減率乾燥期間を経て完了する。通常、乾燥ゾーン
は約30〜60℃の最大乾燥温度となるように設定され
ている。乾燥ゾーンを出たハロゲン化銀写真感光材料
は、場合により調湿され、巻き取り室へ送られてコアに
ロール状で巻き取られ、通常ロール状のままで加熱処理
される。
【0045】本発明において、ゼラチン総量に対する含
水率とはハロゲン化銀写真感光材料の含有水分、即ち、
ハロゲン化銀乳剤層、保護層、下塗層、裏塗層などの全
構成層中に含まれる水分の総和を全構成層に含まれるゼ
ラチン量で割ったものである。ハロゲン化銀写真感光材
料の含有水分量は、加熱乾燥重量測定方式等で測定でき
る。測定機器としては、長計量器製作所製の電子水分計
(MC−30MB)等がある。裏塗層の含有水分をも含
めて規定するのは、支持体を挟んでハロゲン化銀乳剤
層、ゼラチン含有保護層等を有するいわゆる乳剤面と裏
塗層を有するいわゆる裏面とは塗布乾燥後にコアにロー
ル状で巻き取られることにより密着することとなり、そ
の後の加熱処理中に影響を及ぼすことがあるからであ
る。
【0046】加熱処理するときのハロゲン化銀写真感光
材料の含水率を20重量%以下にするには、ハロゲン化
銀乳剤層が塗布乾燥されて、コアにロール状で巻き取ら
れる時点で20重量%以下(好ましくは15〜20重量
%)の状態にするのが好ましい。通常、塗布乾燥後、調
湿ゾーンを通過して巻き取り室でコアに巻き取られる
が、調湿ゾーン及び巻き取り室を通過する間の調湿によ
り含水率をコントロールすることが良い。含水率を20
重量%以下にするには、調湿は相対湿度45%以下にす
ることが必要であり、好ましくは相対湿度40%以下で
ある。ハロゲン化銀写真感光材料の製造における一般的
な調湿条件は、ゼラチン膜の硬膜促進の面から相対湿度
50%程度が下限であった。
【0047】巻き取られた後の加熱処理は、直後から引
き続いて行っても良いし、ある期間が経過してから行っ
ても良いが、短期間、例えば1日以内で加熱処理に入る
ことが好ましい。加熱処理は主に現像処理に耐えうる膜
強度にするための硬膜反応促進の為であり、加熱処理条
件は、硬膜剤の種類やその添加量、膜pH、所要する膜
強度等によって適宜決定しなければならないが、35〜
50℃が好ましく、期間は2〜10日間が好ましい。
【0048】最も重要なことは、この加熱処理する時の
写真感光材料の含水率を20重量%以下にして行うこと
によって、特に、最低濃度が十分に低く、さらには、感
度などの写真性能が変動することなく長期間に渡って保
持している保存安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材
料が得られるのである。
【0049】特開平2−287345に写真感光材料の
ゼラチン総量に対する含水率を20重量%以下にする技
術が記載されているが、寸法安定性が改良されるという
ものである。また、特開平6−250308には同様の
技術が記載されているが、ヒドラジン誘導体を含有する
写真感光材料で問題となっていたセーフライト安全性が
改良されるというものである。本発明の構成は、上記の
特許公報とは構成のみならず、目的や効果が異なるもの
であり、従来の技術からは予想されない全く新規の技術
であると言える。
【0050】本発明で用いられるハロゲン化銀乳剤は、
塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀あるいは塩ヨウ
臭化銀のいずれかでもよい。
【0051】ハロゲン化銀乳剤は金硫黄増感により化学
増感されることが好ましい。。用いる硫黄増感剤として
は、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物の他、種々の硫黄
化合物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール
類、ローダニン類等を、金増感剤としては種々の金塩で
あり、例えば塩化金酸、三塩化金酸、チオシアナト金酸
などを挙げることがである。
【0052】本発明に用いられるハロゲン化銀の物理熟
成中あるいは化学熟成中に、ロジウム、イリジウム等の
金属塩を添加することができる。本発明に用いられるハ
ロゲン化乳剤は、第4級アンモニウム塩、チオエーテル
化合物、ポリエチレンオキサイド誘導体、ジケトン類な
どを用いて増感することもできる。これらの方法は米国
特許第2,708,162号、同3,046,132
号、同3,046,133号、同3,046,134
号、同3,046,135号、英国特許第939,35
7号等に記載されている。
【0053】本発明に係わる写真感光材料には種々の親
水性コロイドを用いることができる。ハロゲン化乳剤層
および/または他の親水性コロイド層用のベヒクルとし
ては、例えばゼラチン、コロイド性アルブミン、カゼイ
ン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、寒天、アルギン酸ソー
ダ、澱粉誘導体などの糖誘導体、合成親水性コロイド、
例えばポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体、部分加
水分解物等があげられる。必要に応じて、これらのコロ
イドの二つ以上の相溶性混合物を使用する。この中で最
も一般的に用いられるのはゼラチンであるが、ゼラチン
は一部または全部を合成高分子物質で置き換えることが
できるほか、いわゆるゼラチン誘導体すなわち分子中に
含まれる官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロオ
キシ基、カルボキシル基をそれらと反応し得る基を一個
持った試薬で処理、改質した物は他の高分子物質の分子
鎖を結合させたグラフトポリマーで置き換えて使用して
もよい。
【0054】本発明に係わる写真感光材料には、ハロゲ
ン化乳剤層その他の親水性コロイド層に無機または有機
の硬膜剤を含有してよい。例えばクロル酸(クロム明ば
ん、酢酸クロムなど)、アルデヒト類(ホルムアルデヒ
ト、グリオキサール、グルタールアルデヒトなど)、N
−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチロールジ
メチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体(2,3
−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル化合物
(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−
トリアジン、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノ
ールなど)、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−
6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)ムコハロゲン酸
類(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸など)、な
どを単独または組み合わせて用いることができる。
【0055】本発明に係わる写真感光材料のハロゲン化
乳剤層または他の親水性コロイド層には塗布助剤、帯電
防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止など種々の目
的で界面活性剤を含んでもよい。
【0056】例えばサポニン(ステロイド系)、アルキ
レンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコー
ル縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類
またはポリエチレングリコールアルキルアリールエーテ
ル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレ
ングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレング
リコールアルキルアミンまたはアミド類、シリコーンの
ポリエチレンオキサイド付加物類)、グリオキシドーリ
ル誘導体(たとえばアルケニルコハク酸ポリグリセリ
ド、アルキルソエノールポリグリセリド)、多価アルコ
ールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステル類など
の非イオン性界面活性剤、アリキルカルボン酸塩、アル
キルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキル硫酸
エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−
N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、
スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルリン酸エス
テル類などのような、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ
基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の酸性基を含
むアニオン界面活性剤:アミノ酸類、アミノアルキルス
ルホン酸類、アミノアルキル硫酸またはリン酸エステル
類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類などの両性
界面活性剤:アルキルアミン塩類、脂肪族あるいは芳香
族第4級アンモニウム塩類、ピリジウム、イミダゾリウ
ムなどの複素環第4級アンモニウム塩類、および脂肪族
または複素環を含むホスホニウムまたはスルホニウム塩
類などのカチオン界面活性剤を用いることができる。ま
た、ラテックスポリマー等を添加してゼラチン膜の物性
を改質したり、シリカ、デンプン粉や、コロイダルシリ
カ、ガラス粉などを添加してマット化したりすることも
できる。
【0057】本発明に係わる感光材料のハロゲン化乳剤
層または他の親水性コロイド層には、例えば、アゾール
類たとえばベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾール
類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイ
ミダゾール類(特にニトロ−またはハロゲン置換体):
ヘテロ環メルカプト化合物類、たとえばメルカプトチア
ゾール類、メルカプトベンズチアゾール類、メルカプト
ベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、
メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類:カ
ルボキシル基やスルホン基などの水溶性基を有する上記
のヘテロ環メルカプト化合物類:チオケト化合物、たと
えばオキサゾリンチオン:アザインデン類、たとえばテ
トラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1、
3、3a、7)テトラアザインデン類):ベンゼンチオ
スルホン酸類:ベンゼンスルフィン酸:などのようなカ
ブリ防止剤または安定剤などをはじめとする公知の種々
のいわゆる添加剤を含有することができる。
【0058】本発明に係わる写真感光材料には、前記以
外の種々の化合物、たとえば帯電防止剤、ハレーション
防止染料、可塑剤、現像主役、紫外線吸収剤、蛍光染
料、現像促進剤、カプラー等を含有させることができ
る。
【0059】本発明に係わるの写真感光材料の支持体と
しては、たとえばセルロースナイトレートフィルム、セ
ルロースアセテートフィルム、セルロースアセテートブ
チレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネー
トフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、その
他これらの積層物などのフィルム類。例えば、バライタ
またはα−オレフィンポリマー、特にポリエチレン、ポ
リプロピレンなど炭素原子2〜10のα−オレフィンの
ポリマーを塗布またはラミネートした紙類などを挙げる
ことができる。フィルム類の支持体が好適である。
【0060】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明するため
に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はなく、特許請求の範囲において各種の応用ができるの
もである。
【0061】実施例1 乳剤塗液の調製。 水1200ml中に塩化ナトリウム10g、ゼラチン80g
を含む水溶液に40℃でpAg8.6にコントロールし
たダブルジェット法で硝酸銀水溶液と、水溶性イリジウ
ム塩(銀1モルに対し1.36×10-5モル)とヘキサ
クロロロジウム酸カリウム(銀1モルに対し1.88×
10-7モル)を含むハロゲン溶液を混合して平均粒径
0.25μmの塩臭化銀(臭化銀30モル%)乳剤を調
製し、ヨウ化カリウム(銀に対し0.1モル%)溶液を
添加した後、沈澱、水洗を行い、ゼラチンを加えて再溶
解を行った。こうして得られた乳剤を60℃で硫黄+金
増感を施した。その後、例示化合物の増感色素をハロゲ
ン化銀1モル当り1.5×10-4モル(2種併用は各
0.75×10-4モル)になるように添加し、さらに、
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、フェノキ
シポリエチレングリコール系の界面活性剤及び水溶性ラ
テックスを加えて、それぞれのハロゲン化銀乳剤塗液を
調製した。
【0062】上記のそれぞれの乳剤塗液と保護層用塗液
(界面活性剤、マット剤を含むゼラチン水溶液)とを硬
膜剤(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシトリアジン)
と共に、ゼラチン2g/m2の裏塗を施した厚み100μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体とし
て、銀が3.8g/m2、ゼラチン総量が2.5g/m2(乳
剤層1.7g/m2、保護層0.8g/m2)となるようマル
チスライドホッパーにて同時塗布、乾燥し、直ちにロー
ル状に巻き取った。それぞれのロール状サンプルを水分
を透過しない包装材料で包装して、40℃で7日間の加
熱処理を行った。添加した例示化合物、巻取時の全ゼラ
チン量に対する含有水分率を表1に示す。
【0063】加熱処理が終了した直後にそれぞれのサン
プルをシート状に裁断した。裁断したそれぞれのサンプ
ルの一部を35℃で相対湿度80%の環境下で2ヶ月間
放置し、保存安定性評価用のサンプルを作成した。加熱
処理後にシート状に裁断した直後と、35℃相対湿度8
0%で2ヶ月経過後にそれぞれのサンプルをキセノンラ
ンプを用い、650nmに透過光ピークを有する干渉フィ
ルターを通して10-5秒で露光し、その後、三菱製紙
(株)製の現像液MRA−CD401及び定着液MRA
−CF901の処理液を用いて、自動現像機(大日本ス
クリーン製LD−281Q)で現像処理を行い、所定の
白黒像をもつストリップスを得た。ストリップスの濃度
測定によりセンシトメトリーを行った。感度は、透過濃
度が4.0となる点で評価し、加熱処理直後に得られた
それぞれの値を基準(100として)に35℃相対湿度
80%で2ヶ月保存後のサンプルでの値を相対的な変化
率で表記した。最低濃度は加熱処理直後の値を基準に3
5℃相対湿度80%で2ヶ月保存後の値の増減量で表記
した。得られた結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1の結果より、含有水分19重量%及び
17重量%で巻き取られ加熱処理された各サンプルは、
含有水分20重量%以上である各サンプルに比べ、2ヶ
月間の強制条件保存後も感度や最低濃度の変化は極めて
小さいあるいは全く無く、製造直後の写真性能を保持し
ていることがわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明の方法により、保存中に感度や最
低濃度が変動することない、長期保存安定性に優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、2個以上の水溶性基を有す
    る増感色素を含有するハロゲン化銀乳剤層の少なくとも
    1層を塗布、乾燥した後、加熱処理するハロゲン化銀写
    真感光材料の製造方法に於て、ゼラチン総量に対する含
    水率が20重量%以下の状態で加熱処理することを特徴
    とするハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
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