JPH11295127A - 流量検出素子及び流量センサ並びに流量検出素子の製造方法 - Google Patents

流量検出素子及び流量センサ並びに流量検出素子の製造方法

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JPH11295127A
JPH11295127A JP10093399A JP9339998A JPH11295127A JP H11295127 A JPH11295127 A JP H11295127A JP 10093399 A JP10093399 A JP 10093399A JP 9339998 A JP9339998 A JP 9339998A JP H11295127 A JPH11295127 A JP H11295127A
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detecting element
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JP10093399A
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English (en)
Inventor
Akira Yamashita
彰 山下
Yuichi Sakai
裕一 坂井
Yukihisa Yoshida
幸久 吉田
Kazuhiko Tsutsumi
和彦 堤
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流量出力特性のばらつきの少ない流量検出素
子あるいは流量センサを得る。 【解決手段】 流量検出素子ないしは流量センサにおい
ては、平板状基材1の表面に絶縁性の支持膜3が形成さ
れ、該支持膜3の上に複数の感熱抵抗体6、7が配置さ
れている。そして、感熱抵抗体6、7ないしは支持膜3
は、絶縁性の保護膜4によって覆われている。また、感
熱抵抗体6、7が形成されている領域の下方で、平板状
基材1が裏面側から部分的に除去されて開口部2が形成
され、これによりダイヤフラム部Dが形成されている。
ここで、基材の裏面及び上面には、熱処理により同時に
裏面保護膜5及び上面保護膜5’が形成されている。そ
して、ダイヤフラム部Dを形成する際に上面保護膜5’
によりエッチング液のダイヤフラム部Dへの侵入が防止
され、これにより出力値のばらつきが低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関の吸
入空気量の計測等に用いられる、発熱体あるいは発熱体
によって加熱された部分から流体への熱伝達現象に基づ
いて該流体の流速ないしは流量を計測する流量検出素子
及び該流量検出素子を用いた流量センサ並びに該流量検
出素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】流体の流速ないしは流量と、該流体中に
配置された発熱体から流体への熱伝達量との間に成立す
るほぼ一義的な関数関係を利用して、該熱伝達量に基づ
いて流体の流速ないしは流量を検出するようにした感熱
式流量検出素子、あるいは該流量検出素子を用いた流量
センサは、従来より内燃機関の吸入空気量の検出等に広
く用いられている。
【0003】図6と図7とは、それぞれ、例えば特開平
4−2967号公報に開示されている従来の感熱式流量
検出素子の立面断面図と、保護膜を取り除いた状態にお
ける平面図とである。図6及び図7において、1はシリ
コン半導体よりなる平板状基材であり、2は平板状基材
1の裏側に形成された開口部(空洞部)であり、3は平
板状基材1の表面に設けられたSi34又はSiO2より
なる絶縁性の支持膜である。そして、6及び7は、それ
ぞれ、支持膜3の上に配置された、白金等よりなる薄膜
状の感熱抵抗体(薄膜測温抵抗体)であり、これらの感
熱抵抗体6、7ないし支持膜3は、Si34又はSiO2
りなる絶縁性の保護膜4で保護されている。なお、8は
計測流体温度補償抵抗体である。ここで、感熱抵抗体
6、7の着膜部の下方において平板状基材1に形成され
ている開口部2は、Si34又はSiO2に損傷を与えな
いエッチング液を用いてシリコン半導体からなる平板状
基材1の一部を除去して形成されたものである。かくし
て、該流量検出素子は、感熱抵抗体6、7が形成されて
いる領域にダイヤフラム部が形成されたダイヤフラム構
造をなしている。
【0004】このような従来の流量検出素子では、普
通、感熱抵抗体6は、計測流体温度補償抵抗体8と感熱
抵抗体7との温度差が一定となるように、図示しない制
御回路によって通電されている。なお、図6中における
矢印10は空気の通常の流れの方向を示している。この
流量検出素子において、例えば、空気の流量が増加して
感熱抵抗体7の温度が低下すると、これに応じて感熱抵
抗体6に流れる電流が増やされ、感熱抵抗体7と計測流
体温度補償抵抗体8の温度差が一定となるように感熱抵
抗体6の電流が制御される。かくして、感熱抵抗体6の
消費電力から計測流体の流速ないしは流量を求めること
ができる。
【0005】以上に述べた流量の計測原理は、感熱抵抗
体7の温度ないしは抵抗値を流速にかかわらず一定値に
保つ定温度差制御の場合であるが、感熱抵抗体6、7へ
の加熱電流を一定にしておいて、流速に対応する感熱抵
抗体6、7の抵抗値変化を検出することによっても、流
速ないしは流量を検出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の流
量検出素子を用いた従来の流量センサにおいては、ダイ
ヤフラム部をウエットエッチング法等で形成するとき
に、エッチングを施す方の表面とは反対側の表面に形成
されたピンホールないしはピットにより、ダイヤフラム
部の形状が乱されるといった問題がある。そして、この
ようにダイヤフラム部の形状に乱れが生じやすいので、
流量検出素子ごとに該ダイヤフラム部の熱容量に差が生
じ、ひいては流量検出素子の出力特性にばらつきが生じ
るといった問題が生じる。
【0007】この発明は上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、ダイヤフラム部の形状が安定
し、流量出力特性のばらつきが小さい流量検出素子及び
流量センサ並びに該流量検出素子を容易に製造すること
ができる方法を得ることを目的ないしは解決すべき課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされたこの発明の第1の態様に係る流量検出素子
は、(a)平板状の基材と、(b)基材の表面に配置さ
れた絶縁性の支持膜と、(c)支持膜の上に配置され該
支持膜によって支持された、感熱抵抗膜よりなる複数の
発熱部と、(d)発熱部の上に形成され、該発熱部を保
護する絶縁性の保護膜とを備えていて、(e)発熱部が
形成されている領域の下方で基材が部分的に除去されて
ダイヤフラム部が形成され、(f)計測流体の流れの方
向にみて、上流側の発熱部と下流側の発熱部の加熱電流
の差に相当する量に基づいて計測流体の流量を計測する
ようになっている感熱式流量検出素子であって、(g)
基材の裏側表面と表側表面とにそれぞれ基材保護膜が形
成されていることを特徴とするものである。
【0009】この流量検出素子においては、基材の表側
表面に基材保護膜が形成されているので、基材を裏側表
面からウエットエッチング法等により除去してダイヤフ
ラム部を形成するときに、エッチングを施す方の表面と
は反対側の表面すなわち表側表面にピンホールないしは
ピットが形成されていても、基材保護膜によって、エッ
チング液がピンホールないしはピットを介してダイヤフ
ラム部に侵入するのが防止される。したがって、ダイヤ
フラム部の形状が乱されず、流量検出素子ごとに該ダイ
ヤフラム部の熱容量に差が生じない。このため、流量検
出素子の出力特性にばらつきが生じるのが防止され、ダ
イヤフラム部の形状が安定し、流量出力特性のばらつき
が小さい流量検出素子が得られる。また、この流量検出
素子は簡素な構造であるので、簡単な製造工程で容易に
製造することができる。
【0010】この発明の第2の態様に係る流量検出素子
は、第1の態様に係る流量検出素子において、基材保護
膜が、膜厚5000Å以上の酸化膜(熱酸化膜)である
ことを特徴とするものである。この流量検出素子におい
ては、ウエットエッチング法等によりダイヤフラム部を
形成するときに、エッチングを施す方の表面とは反対側
の表面にピンホールないしはピットが形成されていて
も、膜厚5000Å以上の酸化膜によって、エッチング
液がピンホールないしはピットを介してダイヤフラム部
に侵入するのが確実に防止される。このため、流量検出
素子の出力特性にばらつきが生じるのが確実に防止さ
れ、ダイヤフラム部の形状が安定し、流量出力特性のば
らつきが小さい流量検出素子が得られる。
【0011】この発明の第3の態様に係る流量検出素子
は、第1の態様にかかる流量検出素子において、基材保
護膜が、膜厚3000Å以上の窒化膜(熱窒化膜)であ
ることを特徴とするものである。この流量検出素子にお
いては、ウエットエッチング法等によりダイヤフラム部
を形成するときに、エッチングを施す方の表面とは反対
側の表面にピンホールないしはピットが形成されていて
も、膜厚3000Å以上の窒化膜によって、エッチング
液がピンホールないしはピットを介してダイヤフラム部
に侵入するのが確実に防止される。このため、流量検出
素子の出力特性にばらつきが生じるのが防止され、ダイ
ヤフラム部の形状が安定し、流量出力特性のばらつきが
小さい流量検出素子が得られる。
【0012】この発明の第4の態様に係る流量検出素子
は、第1の態様にかかる流量検出素子において、基材保
護膜が、膜厚4000Å以上の酸窒化膜(熱酸窒化膜)
であることを特徴とするものである。この流量検出素子
においては、ウエットエッチング法等によりダイヤフラ
ム部を形成するときに、エッチングを施す方の表面とは
反対側の表面にピンホールないしはピットが形成されて
いても、膜厚4000Å以上の酸窒化膜によって、エッ
チング液がピンホールないしはピットを介してダイヤフ
ラム部に侵入するのが確実に防止される。このため、流
量検出素子の出力特性にばらつきが生じるのが防止さ
れ、ダイヤフラム部の形状が安定し、流量出力特性のば
らつきが小さい流量検出素子が得られる。
【0013】この発明の第5の態様に係る流量検出素子
は、第1〜第4の態様のいずれか1つに係る流量検出素
子において、表側表面の基材保護膜が、支持膜の少なく
とも一部を兼ねることを特徴とするものである。この流
量検出素子においては、少なくとも支持膜の一部を省略
できるので、該流量検出素子の材料費が低減され、製造
コストが低減される。
【0014】この発明の第6の態様に係る流量センサ
は、第1〜第5の態様のいずれか1つに係る流量検出素
子を用いて計測流体の流量を計測するようになっている
ことを特徴とするものである。この流量センサにおいて
は、第1〜第5の態様のいずれか1つに係る流量検出素
子を用いているので、これらの流量検出素子と同様に、
流量出力特性のばらつきが小さくなり、信頼性が高めら
れる。
【0015】この発明の第7の態様に係る流量検出素子
の製造方法は、第1の態様にかかる流量検出素子を製造
するための方法であって、シリコンからなる基材を、酸
素と窒素のうちの少なくとも一方の雰囲気下で加熱する
ことにより、該基材の裏側表面と表側表面とに同時に、
酸化膜(熱酸化膜)、窒化膜(熱窒化膜)又は酸窒化膜
(熱酸窒化膜)からなる基材保護膜を形成するようにし
たことを特徴とするものである。この流量検出素子の製
造方法においては、加熱処理を行うだけの簡素な工程
で、基材の裏側表面と表側表面とに同時に基材保護膜を
形成することができるので、流量検出素子を極めて容易
に製造することができ、ひいては該流量検出素子の製造
コストが低減される。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1と図2とは、
それぞれ、この発明の実施の形態1に係る流量検出素子
の立面断面図と、保護膜を取り外した状態における平面
図とである。図1及び図2において、1は例えば厚さ約
0.4mm(400μm)のシリコンよりなる平板状基
材1であり、この平板状基材1の裏面(裏側表面)には
裏面保護膜5(基材保護膜)が形成され、他方平板状基
材1の上面(表側表面)には上面保護膜5’(基材保護
膜)が形成されている。なお、両保護膜5、5’は熱的
処理により同時に形成されるが、その具体的な形成方法
は後記のとおりである。
【0017】そして、上面保護膜5’の上には、例えば
厚さ0.5μmの窒化シリコン等よりなる絶縁性の支持
膜3がスパッタ法、蒸着法、あるいはCVD法等を用い
て形成されている。この流量検出素子では、上面保護膜
5’は支持膜3の一部を兼ねている。すなわち、支持膜
3の一部として利用されている。したがって、支持膜3
は、その分だけ薄く形成されている。なお、上面保護膜
5’を全面的に支持膜として利用するようにしてもよ
い。
【0018】さらに、支持膜3の上に、例えば厚さ0.
2μmの白金等の感熱抵抗膜よりなる感熱抵抗体6、7
が蒸着法やスパッタ法等を用いて着膜されている。これ
らの感熱抵抗体6、7は、写真製版法、ウエットエッチ
ング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニ
ングが行われ、これにより電流路が形成されている。こ
のパターニングによって形成された感熱抵抗体6、7の
発熱部の大きさは、例えば1mm×0.05mmであ
る。また、支持膜3の上には、感熱抵抗体6、7と同様
に、例えば厚さ0.2μmの白金等の感熱抵抗膜よりな
る計測流体温度補償抵抗体8、9が蒸着法やスパッタ法
等を用いて着膜されている。これらの計測流体温度補償
抵抗体8、9は、写真製版法、ウエットエッチング法あ
るいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行
われ、これにより電流路が形成されている。さらに、感
熱抵抗体6、7及び計測流体温度補償抵抗体8、9ないし
支持膜3の上には、例えば厚さ1μmの窒化シリコン等
よりなる絶縁性の保護膜4がスパッタ法、蒸着法あるい
はCVD法等を用いて形成されている。
【0019】さらに、平板状基材1の裏面すなわち支持
膜3が形成されている表面とは反対側の表面に形成され
た裏面保護膜5に、写真製版法等によりエッチングホー
ルが形成された後、例えばアルカリエッチング等を施す
ことにより平板状基材1の一部が除去されて開口部2
(凹部)が形成され、これによりダイヤフラム部Dが形
成されている。なお、開口部2は、感熱抵抗体6、7が
形成されている領域の下方で、平板状基材1が裏面側か
ら部分的に除去されて形成されている。すなわち、この
流量検出素子は、感熱抵抗体6、7が形成されている領
域ではダイヤフラム構造をなしている。このダイヤフラ
ム部Dは、熱伝導度を高めて該流量検出素子の流量検出
精度を高めるために、できる限り薄く形成されるのが好
ましい。
【0020】この流量検出素子において、感熱抵抗体
6、7は、図示していない制御回路によって、それぞれ
所定の平均温度になるよう制御されている。図示してい
ないが、この制御回路は、計測流体温度補償抵抗体8と
感熱抵抗体6とを含む第1のブリッジ回路と、計測流体
温度補償抵抗9と感熱抵抗体7とを含む第2のブリッジ
回路と、感熱抵抗体6、7をそれぞれ流れる加熱電流に
相当する電圧の差を求める回路とで構成されている。か
くして、感熱抵抗体6、7の発熱温度を、それぞれ計測
流体温補償抵抗8、9で検出された計測流体温度に基づ
いて適切に変えて行けば、計測流体の流速と密度の積に
相当する量が、加熱電流より得られる。
【0021】ここで、矢印10で示す方向に流体が流れ
ている場合において、計測流体の流速が速くなると、上
流側の感熱抵抗体6では、該感熱抵抗体6から計測流体
への熱伝達が多くなるため、加熱電流が増加する。他
方、下流側の感熱抵抗体7では、その付近を上流側の感
熱抵抗体6によって暖められた流体が流れるため、上流
側の感熱抵抗体6に比べると、加熱電流の増加は少な
い。したがって、感熱抵抗体6、7の加熱電流の差を求
めることによって、流量と流れの方向とを検出すること
ができる。
【0022】ところで、この流量検出素子において、ダ
イヤフラム部Dを形成する際に、保護膜4にピンホール
ないしはピットがあると、そこからエッチング液が浸入
し、平板状基材1のダイヤフラム部Dを形成すべき部分
がエッチングされる。そして、このようにして形成され
たピンホールないしはピットがダイヤフラム部Dに存在
すると、該ダイヤフラム部Dが形状異常を引き起こす。
このように、ダイヤフラム部Dに形状異常が引き起こさ
れた場合、計測流体の流れの方向にみて上流側の感熱抵
抗体6と下流側の感熱抵抗体7の熱容量がアンバランス
となり、無風時における感熱抵抗体6、7の加熱電流に
差が生じることになる。それゆえ、正常なダイヤフラム
部Dと形状異常のダイヤフラムDとでは、該ダイヤフラ
ム部Dの感熱抵抗体6、7への加熱電流により生じる熱
平衡状態に差が生じることになり、ひいては流量検出素
子の流量検出特性にばらつきが生じることになる。
【0023】しかしながら、この実施の形態1に係る流
量検出素子では、保護膜4にピンホールないしはピット
が形成されている場合でも、上面保護膜5’によってエ
ッチング液がダイヤフラム部Dに侵入するのが防止され
る。したがって、ダイヤフラム部Dの形状が乱されず、
流量検出素子ごとにダイヤフラム部の熱容量に差は生じ
ない。このため、流量検出素子の出力特性にばらつきが
生じるのが防止され、ダイヤフラム部Dの形状が安定
し、流量出力特性のばらつきが小さい流量検出素子が得
られる。また、この流量検出素子は簡素な構造であるの
で、簡単な製造工程で容易に製造することができる。
【0024】ここで、平板状基材1の裏面及び上面にそ
れぞれ形成された裏面保護膜5及び5’は、およそ次の
ような手順ないしは方法で形成される。すなわち、両保
護膜5、5’は、基本的には、シリコンからなる平板状
基材1を、酸素と窒素のうちの少なくとも一方の雰囲気
下で加熱することにより(例えば、900〜1200°
C)、該平板状基材1の裏面と上面とに同時に、熱酸化
膜、熱窒化膜又は熱酸窒化膜を形成するといった手法で
形成される。
【0025】ここで、保護膜5、5’が熱酸化膜である
場合はその膜厚が5000Å以上であるのが好ましく、
熱窒化膜である場合はその膜厚が3000Å以上である
のが好ましく、熱酸窒化膜である場合はその膜厚が40
00Å以上であるのが好ましい。このようにすれば、ダ
イヤフラム部Dの形成時に発生するピンホールないしは
ピット(エッチピット)の数を低減することができ、正
常なダイヤフラム形状が得られるからである。かくし
て、流量出力特性ばらつきが小さい流量検出素子を得る
ことができる。
【0026】図5に、3インチウエハにおけるピンホー
ルないしはピット(エッチピット)の発生数の保護膜
5、5’の厚さに対する依存性を、熱酸化膜と熱窒化膜
と熱酸窒化膜とについて示す。図5によれば、熱酸化膜
の場合は膜厚5000Å以上で、熱窒化膜の場合は膜厚
3000Å以上で、熱酸窒化膜の場合は膜厚4000Å
以上で、3インチウエハにおけるピンホール数ないしは
ピット数を5個以下にすることができ、したがって正常
なダイヤフラム形状が得られ、流量出力特性ばらつきの
小さい流量検出素子及び流量センサを得ることができる
ことがわかる。
【0027】また、この保護膜形成手法によれば、1回
の熱処理で裏面保護膜5と上面保護膜5’とを同時に形
成することができる。それゆえ、これらの保護膜5、
5’の形成が極めて容易である。また、上面保護膜5’
の一部又は全部を支持膜3として利用する場合は、支持
膜3の形成に要する時間が短縮され、あるいはなくなる
ので、該流量検出素子の製造工程を短縮することができ
る。
【0028】実施の形態2.図3及び図4は、上記の実
施の形態1に係る流検出素子を用いた流量センサの1つ
の実施の形態を示す正面図及び側面断面図である。図3
及び図4において、11は流量検出素子であり、12は
検出管路であり、13は流体の通路である主通路であ
り、14は格子状の整流器であり、15は制御回路が収
められたケースであり、16は該流量センサに電源を供
給したり出力を取り出すためのコネクタである。なお、
矢印10は、通常時における計測流体(空気)の流れの
方向を示している。このように、実施の形態1に係る流
量検出素子を組み込むことにより、実施の形態1に係る
流体検出素子の場合と同様の効果を奏する流量センサが
得られる。
【0029】なお、以上の実施の形態では、全ての図に
おいて、わかりやすいようにパターン幅及びパターン間
距離を大きめに図示しているが、実際にはさらに細かな
パターンニングがなされる場合もある。
【0030】
【発明の効果】この発明によれば、以下に示すような顕
著な効果を奏する。すなわち、この発明の第1の態様に
係る流量検出素子によれば、基材の表側表面に基材保護
膜が形成されているので、基材にダイヤフラム部を形成
するときに、エッチングを施す方の表面とは反対側の表
面にピンホールないしはピットが形成されていても、基
材保護膜によって、エッチング液がピンホールないしは
ピットを介してダイヤフラム部に侵入するのが防止さ
れ、ダイヤフラム部の形状が乱されず、流量検出素子ご
とに該ダイヤフラム部の熱容量に差が生じない。このた
め、流量検出素子の出力特性にばらつきが生じるのが防
止され、ダイヤフラム部の形状が安定し、流量出力特性
のばらつきが小さい流量検出素子が得られる。また、こ
の流量検出素子は簡素な構造であるので、簡単な製造工
程で容易に製造することができる。
【0031】この発明の第2の態様に係る流量検出素子
によれば、ウエットエッチング法等により基材にダイヤ
フラム部を形成するときに、酸化膜によって、エッチン
グ液がピンホールないしはピットを介してダイヤフラム
部に侵入するのが確実に防止される。このため、流量検
出素子の出力特性にばらつきが生じるのが確実に防止さ
れ、ダイヤフラム部の形状が安定し、流量出力特性のば
らつきが小さい流量検出素子が得られる。また、この流
量検出素子は簡素な構造であるので、簡単な製造工程で
容易に製造することができる。
【0032】この発明の第3の態様に係る流量検出素子
によれば、ウエットエッチング法等により基材にダイヤ
フラム部を形成するときに、窒化膜によって、エッチン
グ液がピンホールないしはピットを介してダイヤフラム
部に侵入するのが確実に防止される。このため、流量検
出素子の出力特性にばらつきが生じるのが防止され、ダ
イヤフラム部の形状が安定し、流量出力特性のばらつき
が小さい流量検出素子が得られる。また、この流量検出
素子は簡素な構造であるので、簡単な製造工程で容易に
製造することができる。
【0033】この発明の第4の態様に係る流量検出素子
によれば、ウエットエッチング法等により基材にダイヤ
フラム部を形成するときに、酸窒化膜によって、エッチ
ング液がピンホールないしはピットを介してダイヤフラ
ム部に侵入するのが確実に防止される。このため、流量
検出素子の出力特性にばらつきが生じるのが防止され、
ダイヤフラム部の形状が安定し、流量出力特性のばらつ
きが小さい流量検出素子が得られる。また、この流量検
出素子は簡素な構造であるので、簡単な製造工程で容易
に製造することができる。
【0034】この発明の第5の態様に係る流量検出素子
によれば、少なくとも支持膜の一部を省略できるので、
該流量検出素子の材料費が低減され、製造コストが低減
される。
【0035】この発明の第6の態様に係る流量センサに
よれば、第1〜第5の態様のいずれか1つに係る流量検
出素子を用いているので、これらの流量検出素子と同様
に、流量出力特性のばらつきが小さくなり、信頼性が高
められる。
【0036】この発明の第7の態様に係る流量検出素子
の製造方法によれば、加熱処理を行うだけの簡素な工程
で、基材の裏側表面と表側表面とに同時に基材保護膜を
形成することができるので、流量検出素子を極めて容易
に製造することができる、ひいては該流量検出素子の製
造コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る感熱式流量検
出素子の立面断面図である。
【図2】 図1に示す流量検出素子の、保護膜を取り外
した状態における平面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る流量センサの
正面図である。
【図4】 図3に示す流量センサの側面断面図である。
【図5】 3インチウエハにおける裏面保護膜の膜厚と
エッチピットの関係を表すグラフである。
【図6】 従来の流量検出素子の立面断面図である。
【図7】 図6に示す従来の流量検出素子の平面図であ
る。
【符号の説明】
1 平板状基材、2 開口部、3 支持膜、4 保護
膜、5 裏面保護膜、5’ 上面保護膜、6 上流側感
熱抵抗体、7 下流側感熱抵抗体、8 計測流体温度補
償抵抗体、9 計測流体温度補償抵抗体、10 矢印、
11 流量検出素子、12 検出管路、13 主通路、
14 整流器、15 ケース、16 コネクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 和彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の基材と、 前記基材の表面に配置された絶縁性の支持膜と、 前記支持膜の上に配置され該支持膜によって支持され
    た、感熱抵抗膜よりなる複数の発熱部と、 前記発熱部の上に形成され、該発熱部を保護する絶縁性
    の保護膜とを備えていて、 前記発熱部が形成されている領域の下方で前記基材が部
    分的に除去されてダイヤフラム部が形成され、計測流体
    の流れの方向にみて、上流側の発熱部と下流側の発熱部
    の加熱電流の差に相当する量に基づいて前記計測流体の
    流量を計測するようになっている感熱式流量検出素子で
    あって、 前記基材の裏側表面と表側表面とにそれぞれ基材保護膜
    が形成されていることを特徴とする流量検出素子。
  2. 【請求項2】 前記基材保護膜が、膜厚5000Å以上
    の酸化膜であることを特徴とする請求項1に記載の流量
    検出素子。
  3. 【請求項3】 前記基材保護膜が、膜厚3000Å以上
    の窒化膜であることを特徴とする請求項1に記載の流量
    検出素子。
  4. 【請求項4】 前記基材保護膜が、膜厚4000Å以上
    の酸窒化膜であることを特徴とする請求項1に記載の流
    量検出素子。
  5. 【請求項5】 前記表側表面の基材保護膜が、前記支持
    膜の少なくとも一部を兼ねることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1つに記載の流量検出素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の流
    量検出素子を用いて計測流体の流量を計測するようにな
    っていることを特徴とする流量センサ。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の流量検出素子を製造す
    るための方法であって、 シリコンからなる基材を、酸素と窒素のうちの少なくと
    も一方の雰囲気下で加熱することにより、該基材の裏側
    表面と表側表面とに同時に、酸化膜、窒化膜又は酸窒化
    膜からなる基材保護膜を形成するようにしたことを特徴
    とする流量検出素子の製造方法。
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