JPH11295126A - 流量検出素子及び流量センサ - Google Patents
流量検出素子及び流量センサInfo
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- JPH11295126A JPH11295126A JP10093393A JP9339398A JPH11295126A JP H11295126 A JPH11295126 A JP H11295126A JP 10093393 A JP10093393 A JP 10093393A JP 9339398 A JP9339398 A JP 9339398A JP H11295126 A JPH11295126 A JP H11295126A
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- flow
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 出力値のばらつきが小さく信頼性に優れた流
量検出素子あるいは流量センサを得る。 【解決手段】 流量検出素子ないしは流量センサにおい
ては、平板状基材1の表面に絶縁性の支持膜3が形成さ
れ、該支持膜3の上に複数の感熱抵抗体6、7が配置さ
れている。そして、感熱抵抗体6、7ないしは支持膜3
は、絶縁性の保護膜4によって覆われている。また、感
熱抵抗体6、7が形成されている領域の下方で、平板状
基材1が裏面側から部分的に除去されて開口部2が形成
され、これによりダイヤフラム部Dが形成されている。
ここで、ダイヤフラム部Dの短幅方向の長さをWとし、
ダイヤフラム部Dの撓み量をSとすれば、S/Wが1/
50以下に設定され、これにより、出力値のばらつきが
低減され、流量検出素子あるいは流量センサの信頼性が
高められている。
量検出素子あるいは流量センサを得る。 【解決手段】 流量検出素子ないしは流量センサにおい
ては、平板状基材1の表面に絶縁性の支持膜3が形成さ
れ、該支持膜3の上に複数の感熱抵抗体6、7が配置さ
れている。そして、感熱抵抗体6、7ないしは支持膜3
は、絶縁性の保護膜4によって覆われている。また、感
熱抵抗体6、7が形成されている領域の下方で、平板状
基材1が裏面側から部分的に除去されて開口部2が形成
され、これによりダイヤフラム部Dが形成されている。
ここで、ダイヤフラム部Dの短幅方向の長さをWとし、
ダイヤフラム部Dの撓み量をSとすれば、S/Wが1/
50以下に設定され、これにより、出力値のばらつきが
低減され、流量検出素子あるいは流量センサの信頼性が
高められている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱体あるいは発
熱体によって加熱された部分から流体への熱伝達現象に
基づいて該流体の流速ないしは流量を計測する流量検出
素子及び該流量検出素子を用いた流量センサに関するも
のであって、例えば内燃機関の吸入空気量の計測等に用
いられるものに関する。
熱体によって加熱された部分から流体への熱伝達現象に
基づいて該流体の流速ないしは流量を計測する流量検出
素子及び該流量検出素子を用いた流量センサに関するも
のであって、例えば内燃機関の吸入空気量の計測等に用
いられるものに関する。
【0002】
【従来の技術】流体の流速ないしは流量と、該流体中に
配置された発熱体から流体への熱伝達量との間に成立す
るほぼ一義的な関数関係を利用して、該熱伝達量に基づ
いて流体の流速ないしは流量を検出するようにした感熱
式流量検出素子、あるいは該流量検出素子を用いた流量
センサは、従来より内燃機関の吸入空気量の検出等に広
く用いられている。
配置された発熱体から流体への熱伝達量との間に成立す
るほぼ一義的な関数関係を利用して、該熱伝達量に基づ
いて流体の流速ないしは流量を検出するようにした感熱
式流量検出素子、あるいは該流量検出素子を用いた流量
センサは、従来より内燃機関の吸入空気量の検出等に広
く用いられている。
【0003】図6と図7とは、それぞれ、例えば特開平
4−2967号公報に開示されている従来の感熱式流量
検出素子の立面断面図と、保護膜を取り除いた状態にお
ける平面図とである。図6及び図7において、1はシリ
コン半導体よりなる平板状基材であり、2は平板状基材
1の裏側に形成された開口部(空洞部)であり、3は平
板状基材1の表面に設けられたSi3N4又はSiO2より
なる絶縁性の支持膜であり、5は平板状基材1の裏面に
取り付けられた裏面保護膜である。そして、6及び7
は、それぞれ、支持膜3の上に配置された、白金等より
なる薄膜状の感熱抵抗体(薄膜測温抵抗体)であり、こ
れらの感熱抵抗体6、7ないし支持膜3は、Si3N4又は
SiO2よりなる絶縁性の保護膜4で保護されている。な
お、8は計測流体温度補償抵抗体である。ここで、感熱
抵抗体6、7の着膜部の下方において平板状基材1に形
成されている開口部2は、Si3N4又はSiO2に損傷を
与えないエッチング液を用いてシリコン半導体からなる
平板状基材1の一部を除去して形成されたものである。
4−2967号公報に開示されている従来の感熱式流量
検出素子の立面断面図と、保護膜を取り除いた状態にお
ける平面図とである。図6及び図7において、1はシリ
コン半導体よりなる平板状基材であり、2は平板状基材
1の裏側に形成された開口部(空洞部)であり、3は平
板状基材1の表面に設けられたSi3N4又はSiO2より
なる絶縁性の支持膜であり、5は平板状基材1の裏面に
取り付けられた裏面保護膜である。そして、6及び7
は、それぞれ、支持膜3の上に配置された、白金等より
なる薄膜状の感熱抵抗体(薄膜測温抵抗体)であり、こ
れらの感熱抵抗体6、7ないし支持膜3は、Si3N4又は
SiO2よりなる絶縁性の保護膜4で保護されている。な
お、8は計測流体温度補償抵抗体である。ここで、感熱
抵抗体6、7の着膜部の下方において平板状基材1に形
成されている開口部2は、Si3N4又はSiO2に損傷を
与えないエッチング液を用いてシリコン半導体からなる
平板状基材1の一部を除去して形成されたものである。
【0004】このような従来の流量検出素子では、普
通、感熱抵抗体7は、計測流体温度補償抵抗体8との温
度差が一定となるように、図示しない制御回路によって
通電されている。なお、図6中における矢印10は空気
の通常の流れの方向を示している。この流量検出素子に
おいて、例えば、空気の流量が増加して感熱抵抗体6、
7の温度が低下すると、これに応じて感熱抵抗体6に流
れる電流が増やされ、感熱抵抗体7と計測流体温度補償
抵抗体8の温度差が一定となるように感熱抵抗体6の電
流が制御される。かくして、感熱抵抗体6の消費電力か
ら計測流体の流速ないしは流量を求めることができる。
通、感熱抵抗体7は、計測流体温度補償抵抗体8との温
度差が一定となるように、図示しない制御回路によって
通電されている。なお、図6中における矢印10は空気
の通常の流れの方向を示している。この流量検出素子に
おいて、例えば、空気の流量が増加して感熱抵抗体6、
7の温度が低下すると、これに応じて感熱抵抗体6に流
れる電流が増やされ、感熱抵抗体7と計測流体温度補償
抵抗体8の温度差が一定となるように感熱抵抗体6の電
流が制御される。かくして、感熱抵抗体6の消費電力か
ら計測流体の流速ないしは流量を求めることができる。
【0005】以上に述べた流量の計測原理は、感熱抵抗
体6、7の温度ないしは抵抗値を流速にかかわらず一定
値に保つ定温度差制御の場合であるが、感熱抵抗体7へ
の加熱電流を一定にしておいて、流速に対応する感熱抵
抗体6、7の抵抗値変化を検出することによっても、流
速ないしは流量を検出することができる。
体6、7の温度ないしは抵抗値を流速にかかわらず一定
値に保つ定温度差制御の場合であるが、感熱抵抗体7へ
の加熱電流を一定にしておいて、流速に対応する感熱抵
抗体6、7の抵抗値変化を検出することによっても、流
速ないしは流量を検出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の流
量検出素子を用いた従来の流量センサにおいては、流量
測定時にその出力値ないしは計測値がばらつくといった
問題がある。そして、例えば自動車用の内燃機関の燃料
制御の吸入空気流量センサにばらつきの大きい流量検出
素子を用いた場合、流量センサの出力値が真の吸入空気
量から大きくずれてしまい、燃料噴射量のエラーが大き
くなる。このため、燃料の不完全燃焼によって大気汚染
物質が排出されるといった問題が生じる。
量検出素子を用いた従来の流量センサにおいては、流量
測定時にその出力値ないしは計測値がばらつくといった
問題がある。そして、例えば自動車用の内燃機関の燃料
制御の吸入空気流量センサにばらつきの大きい流量検出
素子を用いた場合、流量センサの出力値が真の吸入空気
量から大きくずれてしまい、燃料噴射量のエラーが大き
くなる。このため、燃料の不完全燃焼によって大気汚染
物質が排出されるといった問題が生じる。
【0007】かくして、本願発明者は、かかる従来の流
量センサにおいてこのように出力値ないしは計測値がば
らつくといった現象は、流量検出素子のダイヤフラム部
の上下方向の撓みないしは歪みに起因するといった事実
を見いだした。すなわち、かかる流量検出素子ないしは
流量センサにおいては、ダイヤフラム部の上下方向の撓
み量ないしは歪み量と流量センサの出力値のばらつきと
の間には相関関係が認められ、ダイヤフラム部の撓み量
が大きいときほど、流量センサの出力値のばらつきが大
きくなるといった事実が判明した。
量センサにおいてこのように出力値ないしは計測値がば
らつくといった現象は、流量検出素子のダイヤフラム部
の上下方向の撓みないしは歪みに起因するといった事実
を見いだした。すなわち、かかる流量検出素子ないしは
流量センサにおいては、ダイヤフラム部の上下方向の撓
み量ないしは歪み量と流量センサの出力値のばらつきと
の間には相関関係が認められ、ダイヤフラム部の撓み量
が大きいときほど、流量センサの出力値のばらつきが大
きくなるといった事実が判明した。
【0008】この発明は、上記の本願発明者の知見に基
づいて、上記従来の問題を解決するためになされたもの
であって、出力値のばらつきを低減することができ、計
測流体の流量検出精度及び信頼性を高めることができる
流量検出素子ないしは流量センサを得ることを目的ない
しは解決すべき課題とする。
づいて、上記従来の問題を解決するためになされたもの
であって、出力値のばらつきを低減することができ、計
測流体の流量検出精度及び信頼性を高めることができる
流量検出素子ないしは流量センサを得ることを目的ない
しは解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされたこの発明に係る流量検出素子は、(a)平
板状の基材と、(b)基材の表面に配置された絶縁性の
支持膜と、(c)支持膜の上に配置され該支持膜によっ
て支持された、感熱抵抗膜よりなる複数の発熱部と、
(d)発熱部の上に形成され、該発熱部を保護する絶縁
性の保護膜とを備えていて、(e)発熱部が形成されて
いる領域の下方で基材が部分的に除去されてダイヤフラ
ム部が形成され、(f)計測流体の流れの方向にみて、
上流側の発熱部と下流側の発熱部の加熱電流の差に相当
する量に基づいて計測流体の流量を計測するようになっ
ている感熱式流量検出素子であって、(g)ダイヤフラ
ム部の平面視における短幅方向の長さをWとし、ダイヤ
フラム部の上下方向の撓み量(歪み量)をSとすれば、
S/Wが1/50以下であることを特徴とするものであ
る。なお、ここで、ダイヤフラム部の平面視における短
幅方向の長さWは、例えばダイヤフラム部が平面視で長
方形の場合は、短い方の辺の長さである。
めになされたこの発明に係る流量検出素子は、(a)平
板状の基材と、(b)基材の表面に配置された絶縁性の
支持膜と、(c)支持膜の上に配置され該支持膜によっ
て支持された、感熱抵抗膜よりなる複数の発熱部と、
(d)発熱部の上に形成され、該発熱部を保護する絶縁
性の保護膜とを備えていて、(e)発熱部が形成されて
いる領域の下方で基材が部分的に除去されてダイヤフラ
ム部が形成され、(f)計測流体の流れの方向にみて、
上流側の発熱部と下流側の発熱部の加熱電流の差に相当
する量に基づいて計測流体の流量を計測するようになっ
ている感熱式流量検出素子であって、(g)ダイヤフラ
ム部の平面視における短幅方向の長さをWとし、ダイヤ
フラム部の上下方向の撓み量(歪み量)をSとすれば、
S/Wが1/50以下であることを特徴とするものであ
る。なお、ここで、ダイヤフラム部の平面視における短
幅方向の長さWは、例えばダイヤフラム部が平面視で長
方形の場合は、短い方の辺の長さである。
【0010】前記のとおり、一般に感熱式流量検出素子
においては、ダイヤフラム部の上下方向の撓み量Sが大
きいときほど、その出力値のばらつきが大きくなるが、
この流量検出素子においては、S/Wが1/50以下で
あり、したがって撓み量Sが非常に小さいので、その出
力値のばらつきが大幅に低減される。このため、該流量
検出素子の流量検出値の精度が高められ、その信頼性が
高められる。なお、この流量検出素子では、空気流量が
1〜200g/sの領域における出力値のばらつきを4
%以下にすることができる。
においては、ダイヤフラム部の上下方向の撓み量Sが大
きいときほど、その出力値のばらつきが大きくなるが、
この流量検出素子においては、S/Wが1/50以下で
あり、したがって撓み量Sが非常に小さいので、その出
力値のばらつきが大幅に低減される。このため、該流量
検出素子の流量検出値の精度が高められ、その信頼性が
高められる。なお、この流量検出素子では、空気流量が
1〜200g/sの領域における出力値のばらつきを4
%以下にすることができる。
【0011】また、この発明に係る流量センサは、前記
の流量検出素子を用いて計測流体の流量を計測するよう
になっていることを特徴とするものである。この流量セ
ンサは、前記の流量検出素子を用いているので、前記の
流量検出素子と同様に、計測流体の流量を高精度で計測
することができる。
の流量検出素子を用いて計測流体の流量を計測するよう
になっていることを特徴とするものである。この流量セ
ンサは、前記の流量検出素子を用いているので、前記の
流量検出素子と同様に、計測流体の流量を高精度で計測
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1と図2とは、
それぞれ、この発明の実施の形態1に係る流量検出素子
の立面断面図と、保護膜を取り外した状態における平面
図とである。図1及び図2において、1は例えば厚さ約
0.4mm(400μm)のシリコンよりなる平板状基
材であり、2は平板状基材1の裏側に形成された開口部
(空洞部)である。そして、平板状基材1の表面に、例
えば厚さ0.5μmの酸化シリコン等よりなる絶縁性の
支持膜3がスパッタ法、蒸着法あるいはCVD法等を用
いて形成されている。なお、5は平板状基材1の裏面に
取り付けられた裏面保護膜である。
それぞれ、この発明の実施の形態1に係る流量検出素子
の立面断面図と、保護膜を取り外した状態における平面
図とである。図1及び図2において、1は例えば厚さ約
0.4mm(400μm)のシリコンよりなる平板状基
材であり、2は平板状基材1の裏側に形成された開口部
(空洞部)である。そして、平板状基材1の表面に、例
えば厚さ0.5μmの酸化シリコン等よりなる絶縁性の
支持膜3がスパッタ法、蒸着法あるいはCVD法等を用
いて形成されている。なお、5は平板状基材1の裏面に
取り付けられた裏面保護膜である。
【0013】そして、支持膜3の上に、例えば厚さ0.
05μmの、支持膜3と白金等の感熱抵抗体の両方に密
着性の良い膜が、スパッタ法、蒸着法あるいはCVD法
等を用いて形成され、さらにこの膜の上に、白金等の感
熱抵抗膜よりなる感熱抵抗体6、7が蒸着法やスパッタ
法等を用いて着膜されている。感熱抵抗体6、7は、写
真製版法、ウエットエッチング法あるいはドライエッチ
ング法等を用いてパターニングされ、これにより電流路
が形成されている。このパターニングによって形成され
る感熱抵抗体6、7の発熱部の大きさは、例えば1mm
×0.05mmである。また、感熱抵抗体6、7と同様
に、例えば厚さ0.2μmの白金等の感熱抵抗膜よりな
る計測流体温度補償抵抗体8、9が、蒸着法やスパッタ
法等を用いて着膜されている。これらの計測流体温度補
償抵抗体8、9は、写真製版法、ウエットエッチング法
あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングさ
れ、これにより電流路が形成されている。さらに、感熱
抵抗体6、7及び計測流体温度補償抵抗体8、9ないし支
持膜3の上には、これらを保護するために、例えば厚さ
1μmの窒化シリコン等よりなる絶縁性の保護膜4が、
スパッタ法、蒸着法あるいはCVD法等を用いて形成さ
れている。
05μmの、支持膜3と白金等の感熱抵抗体の両方に密
着性の良い膜が、スパッタ法、蒸着法あるいはCVD法
等を用いて形成され、さらにこの膜の上に、白金等の感
熱抵抗膜よりなる感熱抵抗体6、7が蒸着法やスパッタ
法等を用いて着膜されている。感熱抵抗体6、7は、写
真製版法、ウエットエッチング法あるいはドライエッチ
ング法等を用いてパターニングされ、これにより電流路
が形成されている。このパターニングによって形成され
る感熱抵抗体6、7の発熱部の大きさは、例えば1mm
×0.05mmである。また、感熱抵抗体6、7と同様
に、例えば厚さ0.2μmの白金等の感熱抵抗膜よりな
る計測流体温度補償抵抗体8、9が、蒸着法やスパッタ
法等を用いて着膜されている。これらの計測流体温度補
償抵抗体8、9は、写真製版法、ウエットエッチング法
あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングさ
れ、これにより電流路が形成されている。さらに、感熱
抵抗体6、7及び計測流体温度補償抵抗体8、9ないし支
持膜3の上には、これらを保護するために、例えば厚さ
1μmの窒化シリコン等よりなる絶縁性の保護膜4が、
スパッタ法、蒸着法あるいはCVD法等を用いて形成さ
れている。
【0014】また、この流量検出素子では、感熱抵抗体
6、7が形成されている領域の下方で、平板状基材1
(裏面保護膜5を含む)が裏面側から部分的に除去され
て開口部2が形成され、これによりダイヤフラム部Dが
形成されている。すなわち、この流量検出素子は、感熱
抵抗体6、7が形成されている領域ではダイヤフラム構
造をなしている。このダイヤフラム部Dは、熱伝導度を
高めて該流量検出素子の流量検出精度を高めるために、
できる限り薄く形成されるのが好ましい。
6、7が形成されている領域の下方で、平板状基材1
(裏面保護膜5を含む)が裏面側から部分的に除去され
て開口部2が形成され、これによりダイヤフラム部Dが
形成されている。すなわち、この流量検出素子は、感熱
抵抗体6、7が形成されている領域ではダイヤフラム構
造をなしている。このダイヤフラム部Dは、熱伝導度を
高めて該流量検出素子の流量検出精度を高めるために、
できる限り薄く形成されるのが好ましい。
【0015】この流量検出素子において、感熱抵抗体
6、7は、図示していない制御回路によって、それぞれ
所定の平均温度になるよう制御されている。図示してい
ないが、この制御回路は、計測流体温度補償抵抗体8と
感熱抵抗体6とを含む第1のブリッジ回路と、計測流体
温度補償抵抗9と感熱抵抗体7とを含む第2のブリッジ
回路と、感熱抵抗体6、7をそれぞれ流れる加熱電流に
相当する電圧の差を求める回路とで構成されている。か
くして、感熱抵抗体6、7の発熱温度を、それぞれ計測
流体温補償抵抗8、9で検出された計測流体温度に基づ
いて適切に変えて行けば、計測流体の流速と密度の積に
相当する量が、加熱電流より得られる。
6、7は、図示していない制御回路によって、それぞれ
所定の平均温度になるよう制御されている。図示してい
ないが、この制御回路は、計測流体温度補償抵抗体8と
感熱抵抗体6とを含む第1のブリッジ回路と、計測流体
温度補償抵抗9と感熱抵抗体7とを含む第2のブリッジ
回路と、感熱抵抗体6、7をそれぞれ流れる加熱電流に
相当する電圧の差を求める回路とで構成されている。か
くして、感熱抵抗体6、7の発熱温度を、それぞれ計測
流体温補償抵抗8、9で検出された計測流体温度に基づ
いて適切に変えて行けば、計測流体の流速と密度の積に
相当する量が、加熱電流より得られる。
【0016】ここで、矢印10で示す方向に流体が流れ
ている場合において、計測流体の流速が速くなると、上
流側の感熱抵抗体6では、該感熱抵抗体6から計測流体
への熱伝達が多くなるため、加熱電流が増加する。他
方、下流側の感熱抵抗体7では、その付近を上流側の感
熱抵抗体6によって暖められた流体が流れるため、上流
側の感熱抵抗体6に比べると、加熱電流の増加は少な
い。したがって、感熱抵抗体6、7の加熱電流の差を求
めることによって、流量と流れの方向とを検出すること
ができる。
ている場合において、計測流体の流速が速くなると、上
流側の感熱抵抗体6では、該感熱抵抗体6から計測流体
への熱伝達が多くなるため、加熱電流が増加する。他
方、下流側の感熱抵抗体7では、その付近を上流側の感
熱抵抗体6によって暖められた流体が流れるため、上流
側の感熱抵抗体6に比べると、加熱電流の増加は少な
い。したがって、感熱抵抗体6、7の加熱電流の差を求
めることによって、流量と流れの方向とを検出すること
ができる。
【0017】そして、この実施の形態1に係る流量検出
素子は、ダイヤフラム部Dの平面視における短幅方向の
長さ、すなわち平面視で長方形のダイヤフラム部Dの短
い方の辺の長さをWとし、ダイヤフラム部Dの上下方向
の撓み量ないしは歪み量をSとすれば、S/Wが1/5
0以下となるように形成されているので、ダイヤフラム
部Dの撓みによる空気の乱れを小さくすることができ
る。このため、該流量検出素子の出力値ないしは計測値
のばらつきが大幅に低減され、該流量検出素子を用いれ
ば、センサ出力の乱れないしはばらつき(TURBULENCE)
が少なく、信頼性の高い流量センサを得ることができ
る。
素子は、ダイヤフラム部Dの平面視における短幅方向の
長さ、すなわち平面視で長方形のダイヤフラム部Dの短
い方の辺の長さをWとし、ダイヤフラム部Dの上下方向
の撓み量ないしは歪み量をSとすれば、S/Wが1/5
0以下となるように形成されているので、ダイヤフラム
部Dの撓みによる空気の乱れを小さくすることができ
る。このため、該流量検出素子の出力値ないしは計測値
のばらつきが大幅に低減され、該流量検出素子を用いれ
ば、センサ出力の乱れないしはばらつき(TURBULENCE)
が少なく、信頼性の高い流量センサを得ることができ
る。
【0018】図5に、S/Wを種々変えた場合におけ
る、流量検出素子ないしは流量センサの乱れないしはば
らつき(TURBULENCE)の変化特性を示す。図5から明ら
かなとおり、S/Wが0.02すなわち1/50以上に
なると、乱れないしはばらつき(TURBULENCE)の値が4
%を越えている。したがって、S/Wが1/50以下と
なるように流量検出素子を形成すれば、ダイヤフラム部
Dの撓みによる空気の乱れないしはばらつきを小さく
(4%以下)することができ、センサ出力の乱れの少な
い流量センサが得られることがわかる。
る、流量検出素子ないしは流量センサの乱れないしはば
らつき(TURBULENCE)の変化特性を示す。図5から明ら
かなとおり、S/Wが0.02すなわち1/50以上に
なると、乱れないしはばらつき(TURBULENCE)の値が4
%を越えている。したがって、S/Wが1/50以下と
なるように流量検出素子を形成すれば、ダイヤフラム部
Dの撓みによる空気の乱れないしはばらつきを小さく
(4%以下)することができ、センサ出力の乱れの少な
い流量センサが得られることがわかる。
【0019】実施の形態2.図3及び図4は、それぞ
れ、実施の形態1に係る流検出素子を用いた流量センサ
の1つの実施の形態を示す正面図及び側面断面図であ
る。図3及び図4において、11は流量検出素子であ
り、12は検出管路であり、13は流体の通路である主
通路であり、14は格子状の整流器であり、15は制御
回路が収められたケースであり、16は該流量センサに
電源を供給したり出力を取り出すためのコネクタであ
る。なお、矢印10は通常時の空気の流れの方向を示し
ている。このように、実施の形態1に係る流量検出素子
を組み込むことにより、該流量検出素子と同様の効果を
奏する流量センサを得ることができる。
れ、実施の形態1に係る流検出素子を用いた流量センサ
の1つの実施の形態を示す正面図及び側面断面図であ
る。図3及び図4において、11は流量検出素子であ
り、12は検出管路であり、13は流体の通路である主
通路であり、14は格子状の整流器であり、15は制御
回路が収められたケースであり、16は該流量センサに
電源を供給したり出力を取り出すためのコネクタであ
る。なお、矢印10は通常時の空気の流れの方向を示し
ている。このように、実施の形態1に係る流量検出素子
を組み込むことにより、該流量検出素子と同様の効果を
奏する流量センサを得ることができる。
【0020】なお、前記の実施の形態では、全ての図に
おいてわかりやすいように、パターン幅とパターン間距
離とを大きめに図示しているが、実際にはさらに細かな
パターンニングがなされる場合もある。
おいてわかりやすいように、パターン幅とパターン間距
離とを大きめに図示しているが、実際にはさらに細かな
パターンニングがなされる場合もある。
【0021】
【発明の効果】この発明によれば、以下に示すような顕
著な効果を奏する。すなわち、この発明に係る流量検出
素子によれば、ダイヤフラム部における比S/Wが1/
50以下であり、したがって撓み量Sが非常に小さいの
で、その出力値のばらつきが大幅に低減される。このた
め、該流量検出素子の流量検出値の精度が高められ、そ
の信頼性が高められる。
著な効果を奏する。すなわち、この発明に係る流量検出
素子によれば、ダイヤフラム部における比S/Wが1/
50以下であり、したがって撓み量Sが非常に小さいの
で、その出力値のばらつきが大幅に低減される。このた
め、該流量検出素子の流量検出値の精度が高められ、そ
の信頼性が高められる。
【0022】また、この発明に係る流量センサによれ
ば、前記の流量検出素子を用いているので、前記の流量
検出素子と同様に、計測流体の流量を高精度で計測する
ことができる。
ば、前記の流量検出素子を用いているので、前記の流量
検出素子と同様に、計測流体の流量を高精度で計測する
ことができる。
【図1】 この発明の実施の形態1に係る感熱式流量検
出素子の立面断面図である。
出素子の立面断面図である。
【図2】 図1に示す流量検出素子の、保護膜を取り外
した状態における平面図である。
した状態における平面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る流量センサの
正面図である。
正面図である。
【図4】 図3に示す流量センサの側面断面図である。
【図5】 流量検出素子ないしは流量センサの、乱れな
いしはばらつき(TURBULENCE)のS/Wに対する変化特
性を示すグラフである。
いしはばらつき(TURBULENCE)のS/Wに対する変化特
性を示すグラフである。
【図6】 従来の流量検出素子の立面断面図である。
【図7】 図6に示す従来の流量検出素子の、保護膜を
取り外した状態における平面図である。
取り外した状態における平面図である。
1 平板状基材、2 開口部、3 支持膜、4 保護
膜、5 裏面保護膜、6 感熱抵抗体、7 感熱抵抗
体、8 計測流体温度補償抵抗体、9 計測流体温度補
償抵抗体、10 矢印、11 流量検出素子、12 検
出管路、13 主通路、14 整流器、15 ケース、
16 コネクタ。
膜、5 裏面保護膜、6 感熱抵抗体、7 感熱抵抗
体、8 計測流体温度補償抵抗体、9 計測流体温度補
償抵抗体、10 矢印、11 流量検出素子、12 検
出管路、13 主通路、14 整流器、15 ケース、
16 コネクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 和彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 平板状の基材と、 前記基材の表面に配置された絶縁性の支持膜と、 前記支持膜の上に配置され該支持膜によって支持され
た、感熱抵抗膜よりなる複数の発熱部と、 前記発熱部の上に形成され、該発熱部を保護する絶縁性
の保護膜とを備えていて、 前記発熱部が形成されている領域の下方で前記基材が部
分的に除去されてダイヤフラム部が形成され、 計測流体の流れの方向にみて、上流側の発熱部と下流側
の発熱部の加熱電流の差に相当する量に基づいて前記計
測流体の流量を計測するようになっている感熱式流量検
出素子であって、 前記ダイヤフラム部の平面視における短幅方向の長さを
Wとし、前記ダイヤフラム部の上下方向の撓み量をSと
すれば、S/Wが1/50以下であることを特徴とする
流量検出素子。 - 【請求項2】 請求項1に記載の流量検出素子を用いて
計測流体の流量を計測するようになっていることを特徴
とする流量センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10093393A JPH11295126A (ja) | 1998-04-06 | 1998-04-06 | 流量検出素子及び流量センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10093393A JPH11295126A (ja) | 1998-04-06 | 1998-04-06 | 流量検出素子及び流量センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11295126A true JPH11295126A (ja) | 1999-10-29 |
Family
ID=14081071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10093393A Pending JPH11295126A (ja) | 1998-04-06 | 1998-04-06 | 流量検出素子及び流量センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11295126A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2822542A1 (fr) * | 2001-03-23 | 2002-09-27 | Denso Corp | Capteur de temperature et procede pour sa fabrication |
JP2012189492A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Seiko Instruments Inc | パーティクルカウンタ |
-
1998
- 1998-04-06 JP JP10093393A patent/JPH11295126A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2822542A1 (fr) * | 2001-03-23 | 2002-09-27 | Denso Corp | Capteur de temperature et procede pour sa fabrication |
US6880969B2 (en) | 2001-03-23 | 2005-04-19 | Denso Corporation | Temperature sensor and production method thereof |
JP2012189492A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Seiko Instruments Inc | パーティクルカウンタ |
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