JP3663267B2 - 熱式空気流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱式流量計に係り、特に、自動車用エンジンの吸気量検出に好適な熱式空気流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジンにおける吸入空気流れは時間的に脈動している順流と共に、吸気弁と排気弁のあるタイミングで生じる逆流をも含む流れである。従って、流れを感知する熱素子を一個しか有しない従来の多くの熱式流量計では、この逆流により大きな流量計測誤差を生じやすい。そのため、近年、この逆流を検知して出力を補正する熱式流量計が考案されている。特開平1−185416 号公報には板形の基板上に気流の方向に並んだ各々一対の発熱抵抗体および温度補償抵抗体を形成した素子と、順流出力と逆流出力を比較、逆流成分を考慮して逆流補正を行う回路が開示されている。
【0003】
一方、空気の物性値はその温度により変化するため、発熱抵抗体の温度を一定に保つ旧知の定温度形熱線風速計では、吸入空気温度変化により誤差を生じる。このため、特開昭55−50121 号公報のように発熱抵抗体の温度を吸気温度に依存して変化させる、すなわち、図2に示す温度補償用抵抗体24で検知した吸気温度に対し、ほぼ一定の加熱度(超過温度:ΔTh)を発熱抵抗体3に与えるような基本的には図2と同等なブリッジ回路により、この誤差を解消するという開示がある。
【0004】
特開平1−185416 号公報で開示された熱式流量計の回路でも、順流側及び逆流側に対して基本的には上述のブリッジ回路と同等な吸気温度補償回路が採用されている。しかし、順流側及び逆流側のブリッジ回路の回路定数を同一に設計するとしており、その点吸気温度変化時の順流側と逆流側の発熱素子の熱的干渉による出力誤差特性(以後吸気温特と呼ぶことがある)に対する考慮が十分でなく、順流時の順流側と逆流側発熱抵抗体の吸気温特がずれてしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
自動車用エンジンは非常に広い空気温度条件下での安定作動が要求される。一般には、その温度範囲は−30〜80℃である。空気の物性値は温度により変化し、最終的に影響する平均熱伝達係数αmは、空気温が高いほど大きくなり、空気温が低いほど小さくなる。基本的にはこの変化が発熱抵抗体およびその支持部材等からの放熱量変化、すなわち、発熱抵抗体の全発熱量の変化を生じさせ、吸気温度変化による熱式流量計の誤差(吸気温特)の原因となる。
【0006】
一方、一枚のアルミナ,ガラス,シリコン等の薄板状の電気絶縁性基板に順流側及び逆流側の二個の発熱抵抗素子を隣接して形成して逆流を検知,補正する熱式流量計においては、順流側及び逆流側の温度補償ブリッジ回路の回路定数を同一に設計すると、吸気温度変化時の順流側と逆流側の発熱素子の熱的干渉のため、順流側と逆流側発熱抵抗体の吸気温特がずれてしまう。
【0007】
本発明の目的は、この順流側と逆流側発熱抵抗体の吸気温特のずれを低減し、高精度に逆流を検知,補正する熱式流量計を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明は平板状基板上に隣接して形成された順流側と逆流側の二個の発熱抵抗体が形成された測定素子及び二個の温度補償用抵抗体を吸入空気流に接して配置した逆流検知型熱式空気流量計において、温度補償用抵抗体の温度に対して一定の加熱温度ΔThを与える固定抵抗を含む各々独立の温度補償ブリッジ回路と出力増幅器,比較器,符号反転手段等から構成される回路を設け、前記加熱温度ΔThの内、逆流側の加熱温度ΔThrの変化を順流側の加熱温度ΔThfの変化より、吸入空気温度変化に対して大きくなるよう前記温度補償ブリッジ回路に含まれる固定抵抗R8f,R8rの値に相違を持たせた。
【0009】
また、具体的な逆流側の加熱温度ΔThrの変化と順流側の加熱温度ΔThfの変化の相違は、素子の寸法や発熱抵抗と温度補償用抵抗の大きさ及び抵抗膜の電気抵抗の温度係数の値、さらには基板の熱伝導率の値及びその熱伝導率の温度係数により相違してくるが、それらに応じて逆流側の加熱温度変化を順流側の加熱温度変化より5/10000〜5/1000(℃/℃)程度大きくする。
【0010】
また、具体的な前記固定抵抗R8f,R8rの値の相違は、上記の条件により、およそ逆流側の固定抵抗R8rの値を順流側の固定抵抗R8fの値より0.3〜3%程度小さい値、即ち、R8r=0.997〜0.97R8fとした事となる。
【0011】
上記した具体的解決手段の理論的根拠について以下説明する。
【0012】
まず図2に示した温度補償ブリッジ回路の作用を説明する。代表して順流側のブリッジ回路で示している。発熱抵抗体(HF:抵抗Rhf)3の全発熱量Phfは、その電気抵抗値Rhfとそこを流れる電流値Ihfに対し
【0013】
【数1】
Phf=Rhf×Ihf2 …(数1)
で決まり、従って電流Ihfはブリッジ出力電圧V2fで示すと、
【0014】
【数2】
Ihf=√(Phf/Rhf)=V2f/R1f …(数2)
となる。熱式流量計の出力はこのV2を増幅したものである。(以下順流側,逆流側区別無く言うため、順流側f,逆流側rなる符号を付加せず表現する。)従って基準出力をV20、その時の電流をIh0とすれば出力誤差は次式で表される。
【0015】
【数3】
δ0=(V2−V20)/V20=(Ih−Ih0)/Ih0=Ih/Ih0−1…(数3)
また、これを発熱抵抗体の発熱量Ph,電気抵抗値Rhの関係で示すと
【0016】
【数4】
δ0=√(Ph/Ph0)×√(Rh0/Rh)−1 …(数4)
となる。上式をV2をベースとした表現にしたδは、次式となる。
【0017】
【数5】
δ=1−√(Ph0/Ph)×√(Rh/Rh0) …(数5)
一方Rhは、R1,R7,R8を固定抵抗、Rcを温度補償抵抗体の電気抵抗値として
【0018】
【数6】
Rh=(R1/R7)×(Rc+R8) …(数6)
である。また、Rcは、Rc0を0℃の温度補償抵抗体の電気抵抗値とすると、
【0019】
【数7】
Rc=Rc0(1+κTce) …(数7)
である。κは、発熱抵抗素材である白金線あるいは白金膜等の電気抵抗の温度係数である。Tceは、温度補償抵抗体の温度であり、温度補償を行おうとする図2のようなブリッジ回路では、Tceは、吸気温度Taとほぼ等しく、あるいは比例するようにしている。従って、図2のようなブリッジ回路により吸気温度に比例した電気抵抗がRhの値となり、たとえば基準温度から温度が上昇した時はRh/Rh0の値は1より大きな値となる。この時、空気の物性値の変化により全発熱量の比Ph/Ph0の値も1より大きくなり、この値に対応してRh/Rh0の値が設定され、且つ、Ph/Ph0の値が流量(流速)によって影響をうけなければδ0(またはδ)をゼロにできる。しかし、平板上基板が例えばアルミナやシリコンであるとすると、これらは温度が上昇すると、その熱伝導率が小さくなるという、いわゆる負の熱伝導率温度係数を有し、基板を通しての熱伝導量が温度により変化する。また、順流側と逆流側の二個の発熱抵抗体が隣接して形成された素子の場合、順流側と逆流側の発熱抵抗体の熱伝達特性の相違、即ち、温度の微妙な相違の発生も加わって、両者間の熱移動が微妙に変化する。このため、この誤差をゼロにする事はなかなか難しい。
【0020】
以下逆流側発熱抵抗体の加熱度変化を、順流側発熱抵抗体の加熱度変化に対し若干大きく設定する事により吸気温特が改善される事の理論的根拠について述べる。
【0021】
平板状基板上に隣接して形成された順流側と逆流側の二個の発熱抵抗体が形成された板形素子の場合、流れが順流の条件では、
(1)板の前縁側(順流側発熱抵抗体)の方が熱伝達率が大きい。
【0022】
(2)逆流側発熱抵抗体の放熱は、順流側発熱抵抗体で加熱された空気への熱伝達となり、素子と空気の温度差は逆流側発熱抵抗体の方が小さい。
【0023】
(3)順,逆両発熱抵抗体の温度がほぼ等しければ、両者の素子支持部材方向への熱伝導分は同等である。
【0024】
(4)上記の事項より通常、順流側発熱抵抗体の発熱量の方が逆流側より大きい。
【0025】
従って、基準温度(20℃又は25℃)時、加熱度ΔThf0=ΔThr0,発熱抵抗体温度Thef0=Ther0(これは発熱抵抗体抵抗Rhf0=Rhr0)の条件で、以下の関係となる。
【0026】
【数8】
Phf0>Phr0 …(数8)
また、空気温80℃時においても、ΔThf≒ΔThr,Thef≒Ther(Rhf≒Rhr)であるから、
【0027】
【数9】
Phf>Phr …(数9)
で、順流側,逆流側の誤差を数5を用いて別々に示すと、以下の式となる。
【0028】
【数10】
δf=1−√(Phf0/Phf)×√(Rhf/Rhf0)…(数10)
【0029】
【数11】
δr=1−√(Phr0/Phr)×√(Rhr/Rhr0)…(数11)
今、Thef0=Ther0(:Rhf0=Rhr0),Thef≒Ther(:Rhf≒Rhr)であれば、
【0030】
【数12】
√(Rhf/Rhf0)≒√(Rhr/Rhr0) …(数12)
と考えられるから、両者の誤差の差Δδは数10,数11より、次式で表される。
【0031】
【数13】
Δδ=(δf−δr)≒√(Rhf/Rhf0){√(Phr0/Phr)−√(Phf0/Phf)} …(数13)
今、順流側の誤差の方が大であるとすると、Δδ=(δf−δr)⇒(+)従って、Δδ′={√(Phr0/Phr)−√(Phf0/Phf)}⇒(+)
即ち、次の関係にある。
【0032】
【数14】
√(Phr0/Phr)>√(Phf0/Phf) …(数14)
まず、両者の誤差の差Δδ(Δδ′)を小さくする事を考えると、Phr0及びPhf0は変えられないから、Phrを増大させる必要がある。こうすると、逆流側発熱抵抗体側から順流側発熱抵抗体への伝導による熱移動が生じる。但し、熱移動を生じさせる為には、僅かでも逆流側発熱抵抗体温度Therが順流側発熱抵抗体温度Thefより高くなるようにする必要がある。これが解決手段であり、「加熱温度ΔThの内、逆流側の加熱温度ΔThrの変化を順流側の加熱温度ΔThfの変化より、吸入空気温度変化に対して大きくなるよう設定する。
【0033】
」事である。即ち、逆流側発熱抵抗体の発熱量Phrが増大する事により √(Phr0/Phr)が小さくなり、一方、順流側発熱抵抗体へ熱移動が生じると、順流側発熱抵抗体の必要発熱量Phfは、逆流側発熱抵抗体からの移動熱量分減少し、√(Phf0/Phf)は大きくなり、数13のΔδがあるところでゼロになる。これは両者の誤差の差が無くなるという事である。さらにこれは、数10のδfでみれば、√(Phf0/Phf)×√(Rhf/Rhf0)が増大して1.0 に近づく事となり、順流側発熱抵抗体の誤差δf自体も小さくなる事が判る。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1ないし図5を用いて説明する。図1は本発明の一実施態様を示す。発熱抵抗素子1には、順流100に対して上流側抵抗膜3と下流側抵抗膜23の二個の抵抗膜が膜非形成部5fを挟んで近接して形成された発熱部5a、および発熱部5aと同幅の非発熱部5b、および5b部分に段差をつけて形成された幅広の非発熱部5cが形成されている。また、温度補償抵抗素子2には、順流100に対して上流側抵抗膜4と下流側抵抗膜24の二個の抵抗膜が形成されている。破線で輪郭を示した15は、熱不良導体部材で形成した素子1の支持体で、発熱抵抗素子1の5a,5b部分と幅広の非発熱部5c部分の上流端部および温度補償抵抗素子2が、流れ100に対して充分曝されるよう、
15a,15bの部分で段差をもって形成されている。
【0035】
ここで、素子1の基板はアルミナ等のセラミックよりなり、応答速度を速めるために0.1mm 前後の極めて薄い板厚としている。抵抗膜3,4等は白金薄膜等よりなり、スパッタ,蒸着等の方法により2μ以下の膜厚で一括して基板上に着膜された後、ホトエッチング等の方法によりパターン形成される。接続電極端子26〜31は全部で6個設けられており、端子26と29は各々発熱抵抗膜23と温度補償抵抗膜4および3と24の引出し電極(40等)が接続された共通端子となっている。順流側抵抗膜3と逆流側抵抗膜23の温度は、通常の熱式流量計と同様に、各々空気温度との差が空気流速に関係なくほぼ一定値になるよう各一個の発熱抵抗膜と温度補償抵抗膜とで独立に作動する二個のブリッジ回路により各々電気加熱される。矢印100に示される順方向に流れがある時は、順流側抵抗膜3は逆流側抵抗膜23に比べて流れによる冷却が大であるので、駆動回路からの供給電流は順流側抵抗膜3の方が逆流側抵抗膜23の方より大となる。一方、矢印200に示される逆流の場合、流れによる冷却は逆流側抵抗膜23の方が順流側抵抗膜3の方より大となり、駆動回路からの供給電流は逆流側抵抗膜23の方が順流側抵抗膜3の方より大となる。従って、発熱抵抗膜3と23への供給電流(端子電圧)の差により、流れの方向を検知することができる。
【0036】
二個のブリッジ回路には電源50より電圧が供給される。順流側は発熱抵抗膜HFと温度補償抵抗膜CFおよび固定抵抗R8f,R7f,R1fから成り、ブリッジ電圧V2fを回路60に出力する。逆流側は発熱抵抗膜23と温度補償抵抗膜4および固定抵抗R8r,R7r,R1rから成り、ブリッジ電圧V2rを回路60に出力する。回路60は、増幅器,比較器,逆流信号符号反転手段等を含むものである。本実施例では、固定抵抗の値の設定をR1f=R1r,R8r=0.997〜0.97R8fとしている。この時の順流側と逆流側の吸気温度変化に対する加熱度の設定の差は、およそ5/10000〜5/1000(℃/℃)ほど逆流側の方が大きい。尚、基準温度での各抵抗の具体的な値は、発熱抵抗膜Rhfで10〜30Ω、温度補償抵抗膜Rcfで100〜200Ω程度、固定抵抗R1fが10Ω前後、R7fやR7rは以上の抵抗値の組み合わせで変わるが、40〜200Ω程度、R8fも他の抵抗値との組み合わせで変わるが、10〜40Ω程度の値である。
【0037】
また、図には示さないが、抵抗膜Rhf,Rcfには、素子の保護のためにガラス等の保護膜が形成されている。
【0038】
図2は、図1に示した実施例における順流側ブリッジ回路を取り出して示したものである。順流側発熱抵抗膜HF(抵抗値Rhf),順流側温度補償抵抗膜CF(抵抗値Rcf)等から成り、順流側発熱抵抗膜HFとR1fには電流Ihfが流れる。
【0039】
図3は、図1に示した測定素子1を内燃機関の空気流量計として構成した本発明の実施例の断面図であり、図4はその正面図である。吸気90の主通路102を形成する流量計のボディ101と副流路114を形成する通路部材113で流量計としての流路を形成している。発熱抵抗素子部5、および温度補償抵抗部2は副通路114の流れに並行な流路部分に回路ユニット116と一体化された支持部材15を介して配置され、非発熱幅広基板の上流端部分5cと共に、副通路114に流入する順流100および逆流200に曝されるよう構成されている。117は副通路114よりの流出流である。通路部材113には、副通路114の上流および下流側開口には各々順流90の上,下流に対し全周に突出する縁が設けられ、凹部からなる空気流安定手段115aおよび115bが形成されている。矢印91は、機関からの逆流を示す。
【0040】
図5は、吸気温度が25℃から80℃に変化した時の流速による出力誤差の発生状況を示す実験結果である。実線で示した結果は、発熱抵抗の加熱度の変化を設定するブリッジ回路の固定抵抗R8の値を順流側より逆流側でやや小さくした(R8r=0.99R8f とした)本発明の一実施例における結果である。一方破線で示した結果は、構成は同等として固定抵抗R8の値を、常識的に順流側と逆流側で等しく(R8r=R8fとした)結果である。R8r=R8fの場合、この抵抗の値をいかに選ぼうと、順流側と逆流側の発熱抵抗素子での熱伝達の相違による放熱特性の相違により、順流側と逆流側の発熱抵抗素子の出力誤差の間に幅が出来てしまい、両者を考えた場合の誤差を±5%以下にするのは難しい。一方、本実施例(R8r=0.99R8f)の場合には、順流側と逆流側の発熱抵抗素子の出力誤差がほぼ同等な値にでき、両者を考えた場合の誤差を±3%程度までに低減出来ている。
【0041】
R8r=0.99R8f とした事は、逆流側ブリッジ回路の固定抵抗R8rを順流側ブリッジ回路の固定抵抗R8fより1%小さく設定した事であり、これはこの実施例の場合、逆流側の加熱温度ΔThrの吸気温度変化に対する変化が順流側の加熱温度ΔThf変化に較べ、およそ2/1000(℃/℃)大きく設定されている事である。逆流側と順流側の加熱温度変化の相違の適正値は、素子の寸法(厚さ,伝熱面積等)や発熱抵抗と温度補償用抵抗の値及び抵抗膜の電気抵抗温度係数の値、さらには基板の熱伝導率の値及びその熱伝導率の温度係数により相違してくる。それらを考えた場合、逆流側と順流側の加熱温度変化の相違は5/10000〜5/1000(℃/℃)程度の範囲にあると推定される。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、吸気温度の広い変動と流量の広い変動に対し、順流側と逆流側の発熱抵抗素子の出力誤差がほぼ同等な値にでき、両者を考えた出力誤差が±3%程度の範囲に入る高精度な逆流検知熱式流量計が平板形素子を用いて実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱式流量計の測定素子および回路の一実施例の説明図。
【図2】本発明の熱式流量計の温度補償ブリッジ回路の一部の基本構成の説明図。
【図3】内燃機関の空気流量計として構成した本発明の一実施例の断面図。
【図4】図3の正面図。
【図5】本発明の一実施例および従来例の出力誤差実験結果を示す特性図。
【符号の説明】
1…測定素子、2…温度補償素子部、HF…発熱抵抗膜、CF…温度補償抵抗膜、5…発熱抵抗素子部、R8f,R8r,R7f,R7r,R1f,R1r…温度補償ブリッジ回路の固定抵抗。

Claims (1)

  1. 平板状基板上に隣接して形成された順流側と逆流側の二個の発熱抵抗体が形成された測定素子及び二個の温度補償用抵抗体を吸入空気流に接して配置し、且つ、温度補償用抵抗体の温度に対して一定の加熱温度ΔThを与える固定抵抗を含む各々独立の温度補償ブリッジ回路と出力増幅器,比較器,符号反転手段等から構成される回路を有する熱式空気流量計において、前記加熱温度ΔThの内、逆流側の加熱温度ΔThrの変化を順流側の加熱温度ΔThfの変化に較べ、吸入空気温度変化に対して大きくした事を特徴とする逆流検知型熱式空気流量計。
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