JPH11294888A - 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム - Google Patents

水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

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JPH11294888A
JPH11294888A JP10099152A JP9915298A JPH11294888A JP H11294888 A JPH11294888 A JP H11294888A JP 10099152 A JP10099152 A JP 10099152A JP 9915298 A JP9915298 A JP 9915298A JP H11294888 A JPH11294888 A JP H11294888A
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heat
water
cooling
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JP10099152A
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Tsutomu Maruhashi
勤 丸橋
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Rinnai Corp
Original Assignee
Rinnai Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セル回転式および弁回転式のものは出力が一
定であるため、負荷が下がるとヒートポンプ作動が行え
なくなる不具合があった。 【解決手段】 冷房装置のヒートポンプサイクルを制御
する制御装置6に設けられた回転制御手段6aは、室内
冷房に使用された冷熱出力水の戻り温度を温度センサO
Sで検出し、冷房負荷の低下により戻り温度が低下した
場合は、セル回転速度を遅くして出力を低下させる。す
ると、室内温度が上昇して冷熱出力水の戻り温度が上昇
し、安定したヒートポンプサイクルを得ることができ
る。また、冷熱出力水の戻り温度が低下した場合は、制
御装置6に設けられた放熱ファン速度制御手段6bおよ
び燃焼量制御手段6cが加熱水および放熱水の温度を下
げるため、これによっても安定したヒートポンプサイク
ルを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金の水
素の吸蔵と放出とを繰り返して行わせ、水素の放出時に
生じる吸熱作用を利用して冷熱出力を得る、あるいは水
素の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して温熱出力を得る
水素吸蔵合金を利用した熱利用システムに関する。
【0002】
【発明の背景】水素吸蔵合金を用いた従来の水素吸蔵合
金を利用した熱利用システムとして、次の2つのシステ
ムを考案した。1つ目のシステムは、水素通路で連通さ
れた複数の容器(例えば、3つの容器)内に水素平衡圧
力が異なる水素吸蔵合金を封入したセルを複数回転さ
せ、各容器を温度の異なる熱媒体に触れさせることで水
素の移動を行い、冷熱出力(あるいは温熱出力)を得る
セル回転式のものである。2つ目のシステムは、水素通
路で連通された複数の容器内に水素平衡圧力が異なる水
素吸蔵合金を封入したセルを複数固定配置し、回転式分
配器によって温度の異なる熱媒体を切り替えて各容器に
触れさせることで水素の移動を行い、冷熱出力(あるい
は温熱出力)を得る弁回転式のものである。
【0003】上記のセル回転式および弁回転式のシステ
ムでは、温度の異なる熱媒体(例えば、加熱水、放熱
水、昇圧水)を、セルの存在する熱交換部に進入する際
の温度を所定温度(例えば、80℃、28℃、56℃)
に保持し、セル内の容器間に所定の圧力差を生じさせて
水素の移動を行い、水素の吸蔵および水素の放出を行わ
せるものである。このため、温度の異なる熱媒体が常に
一定温度となるように制御される。つまり、例えば、加
熱水は、熱交換部への入水温を80℃に保持するため
に、加熱水の入水温度センサの検出温度に基づいて加熱
源の加熱量がフィードバック制御されており、放熱水
は、熱交換部への入水温を28℃に保持するために、放
熱水の入水温度センサの検出温度に基づいて冷却塔の冷
却ファンの回転数がフィードバック制御されている。ま
た、温度の異なる熱媒体の循環を行うポンプは、制御の
簡便さから一定回転に制御されている。つまり、例え
ば、加熱水、放熱水、昇圧水の循環ポンプの回転数は一
定に設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のセル回転式およ
び弁回転式のシステムでは、得られる冷熱出力(あるい
は温熱出力)は一定である。従って、システムにかかる
負荷(冷却負荷や加熱負荷)が大きく変動すると、その
負荷に対応できない不具合が生じる。例えば、上記シス
テムで冷房を行う場合を例に説明する。冷房運転によっ
て室温が低下して冷房負荷が小さくなると、システムの
冷房能力が過多となり、室内空気と熱交換して戻る冷熱
出力水の戻り温度(セルの存在する熱交換部へ戻る温
度)が所定温度(例えば、13℃)より下がって、平衡
水素圧力が下がり、水素吸蔵合金の水素の放出および吸
蔵が行われず、結果的にサイクルが成立できなくなり、
冷熱出力が得られなくなってしまう。
【0005】このことを、図7のPT冷凍サイクル線図
を参照に説明すると、冷房負荷の低下によって、冷熱出
力水の戻り温度が13℃より下がると、図中において
の位置が低圧側に下がることとなり、→への水素移
動が行えない。同様に、図中においての位置が低圧側
に下がることとなり、→への水素移動が行えない。
この結果サイクルが成立できずに冷熱出力が得られなく
なってしまう。なお、冷房負荷が再び大きくなるまで冷
房を中断する所謂ON-OFF制御を採用して上記の不具合を
解決することも考えられるが、ON時とOFF 時とでは室温
が大きく変動することとなり、使用者に不快感を与えて
しまう不具合が残る。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、セル回転式および弁回転式の水素
吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、負荷変動
に応じて出力能力を可変できるシステムの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金を
利用した熱利用システムは、上記の目的を達成するため
に、次の技術的手段を採用した。 (請求項1の手段)水素吸蔵合金を利用した熱利用シス
テムは、水素吸蔵合金の水素の放出時の吸熱、または水
素の吸蔵時の放熱を利用したものであって、水素通路で
連通された複数の容器内に水素平衡圧力が異なる水素吸
蔵合金を封入した複数のセルと、この複数のセルを回転
移動し、前記複数の容器に触れる熱媒体を変更させるセ
ル回転手段と、前記水素吸蔵合金を利用した熱利用シス
テムによる冷却負荷あるいは加熱負荷を検出する負荷検
出手段と、この負荷検出手段の検出値に応じた前記セル
の回転速度が得られるように前記セル回転手段を制御す
る回転制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】(請求項2の手段)水素吸蔵合金を利用し
た熱利用システムは、水素吸蔵合金の水素の放出時の吸
熱、または水素の吸蔵時の放熱を利用したものであっ
て、水素通路で連通された複数の容器内に水素平衡圧力
が異なる水素吸蔵合金を封入した複数のセルと、ハウジ
ング内で回転駆動される回転弁、およびこの回転弁を回
転移動させる弁回転手段を備え、前記回転弁の回転によ
って温度の異なる熱媒体を前記複数の容器に切り替えて
供給する回転式分配器と、前記水素吸蔵合金を利用した
熱利用システムによる冷却負荷あるいは加熱負荷を検出
する負荷検出手段と、この負荷検出手段の検出値に応じ
た前記回転弁の回転速度が得られるように前記弁回転手
段を制御する回転制御手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0009】(請求項3の手段)請求項1または請求項
2の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、
前記回転制御手段は、負荷検出手段の検出する冷却負荷
あるいは加熱負荷の最大時に最大冷熱出力あるいは最大
温熱出力が得られる速度にセルあるいは回転弁の回転速
度を設定し、負荷検出手段の検出する冷却負荷あるいは
加熱負荷が最大時よりも小さくなるに従ってセルあるい
は回転弁の回転速度を遅く設定することを特徴とする。
【0010】(請求項4の手段)請求項1ないし請求項
3のいずれかの水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
において、前記負荷検出手段は、水素吸蔵合金の水素放
出時に生じた冷熱エネルギーを伝達する冷熱出力用の熱
媒体の戻り温度、あるいは水素吸蔵合金の水素吸蔵時に
生じた温熱エネルギーを伝達する温熱出力用の熱媒体の
戻り温度を検出する温度センサであることを特徴とす
る。
【0011】
【発明の作用および効果】(請求項1の作用および効
果)セル回転手段によって、複数のセルを回転駆動する
ことで、各セルにおける複数の容器にそれぞれ別の熱媒
体を触れさせ、各セルにおける複数の容器間に圧力差を
生じさせて容器内の水素吸蔵合金の水素の吸蔵および放
出を行わせる。そして、水素吸蔵合金が水素を放出する
際に生じる吸熱作用で冷熱出力用の熱媒体が冷却されて
冷熱出力が得られる(あるいは、水素吸蔵合金が水素を
吸蔵する際に生じる放熱作用で温熱出力用の熱媒体が加
熱されて温熱出力が得られる)。
【0012】セルの回転速度は、負荷検出手段の検出値
に基づいて制御される。つまり、例えば負荷の小さい時
は、複数のセルの回転速度を水素吸蔵合金の水素化率が
最大となる適性速度よりずらして冷却出力(あるいは温
熱出力)を低下させ、負荷が大きくなる程、複数のセル
の回転速度を適性速度に近付けて冷却出力(あるいは温
熱出力)を上昇させる。このように、セルの回転速度を
可変することで、安定したヒートポンプサイクル作動を
得ることができるとともに、冷却出力(あるいは温熱出
力)が調節でき、負荷変動に応じた出力能力を得ること
ができる。
【0013】(請求項2の作用および効果)弁回転手段
によって、回転弁を回転駆動することで、各セルの複数
の容器にそれぞれ別の熱媒体を供給して触れさせ、各セ
ルにおける複数の容器間に圧力差を生じさせて容器内の
水素吸蔵合金の水素の吸蔵および放出を行わせる。そし
て、水素吸蔵合金が水素を放出する際に生じる吸熱作用
で冷熱出力用の熱媒体が冷却されて冷熱出力が得られる
(あるいは、水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際に生じる
放熱作用で温熱出力用の熱媒体が加熱されて温熱出力が
得られる)。
【0014】回転弁の回転速度は、負荷検出手段の検出
値に基づいて制御される。つまり、例えば負荷の小さい
時は、複数の回転弁の回転速度を適性速度よりずらして
冷却出力(あるいは温熱出力)を低下させ、負荷が大き
くなる程、複数のセルの回転速度を適性速度に近付けて
冷却出力(あるいは温熱出力)を上昇させる。このよう
に、セルの回転速度を可変することで、安定したヒート
ポンプサイクル作動を得ることができるとともに、冷却
出力(あるいは温熱出力)が調節でき、負荷変動に応じ
た出力能力を得ることができる。
【0015】(請求項3の作用および効果)最大負荷時
に水素吸蔵合金の水素化率が水素を吸蔵する水素吸蔵合
金ではちょうど上限値となり、水素を放出する水素吸蔵
合金ではちょうど下限値となって、水素化率の変化幅が
最大となり、単位時間当りの出力が最大となる回転速度
に設定され、負荷が小さくなるに従ってセル(あるいは
回転弁)の回転速度を遅くすることで、水素吸蔵合金の
水素化率が水素を吸蔵する水素吸蔵合金では略上限値ま
で上昇して、水素化率の上昇に寄与しないロスタイムが
生じ、水素を放出する水素吸蔵合金では略下限値まで下
降して、水素化率の下降に寄与しないロスタイムを生じ
させて、水素化率の変化幅は最大範囲であるが、単位時
間当りの出力が低下する。ここで、負荷が小さくなるに
従ってセル(あるいは回転弁)の回転速度を速くするこ
とでも、水素吸蔵合金の水素化率が上限値又は下限値ま
で変化し終わらないようにして、水素化率の変化幅を小
さくすることにより出力が低下するが、セル回転のため
の駆動力(あるいは回転弁の回転のための駆動力)が増
加してエネルギー消費が増えるとともに、多回転化によ
り消耗が大きく耐久性の劣化に繋がってしまう。しかる
に、請求項3の発明では、負荷が小さくなるに従ってセ
ル(あるいは回転弁)の回転速度を遅くするため、セル
回転のための駆動力(あるいは回転弁の回転のための駆
動力)が減少してエネルギー消費を抑えることができる
とともに、少回転化により消耗が少なく耐久性を向上で
きる。
【0016】(請求項4の作用および効果)温度センサ
の検出する冷熱出力用の熱媒体(あるいは温熱出力用の
熱媒体)の戻り温度は、負荷に対応して変化するため、
セルの回転速度制御(あるいは回転弁の回転速度制御)
を正確に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、実
施例および変形例に基づき説明する。 〔第1実施例の構成〕第1実施例は、本発明の水素吸蔵
合金を利用した熱利用システムを室内空調用の冷房装置
に適用したもので、この第1実施例を図1ないし図11
を用いて説明する。
【0018】(冷房装置1の概略説明)本実施例の冷房
装置1の概略構成を、図2を用いて説明する。この実施
例では、水素吸蔵合金を用いたヒートポンプサイクル2
の一例として2段式サイクルを用いた。
【0019】本実施例の適用される冷房装置1は、大別
して、水素吸蔵合金を用いたヒートポンプサイクル2
と、水素吸蔵合金を加熱する加熱水(加熱用の熱媒体に
相当する、本実施例では水)を作り出す燃焼装置3と、
水素吸蔵合金を冷却させる放熱水(放熱用の熱媒体に相
当する、本実施例では水)を放熱によって冷却する放熱
水冷却手段4と、水素吸蔵合金の水素放出作用によって
生じた吸熱によって冷却された冷熱出力水(冷熱出力用
の熱媒体に相当する、本実施例では水)で室内を空調す
る室内空調機5と、搭載された各電気機能部品を制御す
る制御装置6とから構成される。
【0020】なお、ヒートポンプサイクル2、燃焼装置
3、放熱水冷却手段4および制御装置6は、室外機7と
して室外に設置されるもので、室内には室内空調機5が
配置される。また、本実施例に示す冷房装置1は、1つ
の室外機7に対して、複数の室内空調機5が接続可能な
所謂マルチエアコンである。
【0021】(ヒートポンプサイクル2の説明)本実施
例のヒートポンプサイクル2は、上述のように2段式サ
イクルを用いたもので、図3に示すように、水素吸蔵合
金が封入された上段容器S1 、この上段容器S1 内に水
素通路S4 を介して連通し、水素吸蔵合金が封入された
中段容器S2 、中段容器S2 内に水素通路S4 を介して
連通し、水素吸蔵合金が封入された下段容器S3 を備え
たセルSを複数用いる。なお、この実施例では、12〜
18個のセルSを用いた。
【0022】水素吸蔵合金は、水素平衡圧力が異なる3
種を用いたもので、上段容器S1 内には同一平衡水素圧
で水素平衡温度が最も高い高温度水素吸蔵合金(以下、
高温合金HM)の粉末を封入し、中段容器S2 内には中
温度水素吸蔵合金(以下、中温合金MM)の粉末を封入
し、下段容器S3 内には同一平衡水素圧で水素平衡温度
が最も低い低温度水素吸蔵合金(以下、低温合金LM)
の粉末を封入したものである。このことを図7のPT冷
凍サイクル図を用いて説明すると、水素吸蔵合金の特性
が、相対的に高温側(図示左側)にあるのが高温合金H
M、低温側にあるのが低温合金LM、両者の中間にある
のが中温合金MMである。
【0023】1つのセルSは、ステンレスあるいは銅な
ど、水素透過の無い金属を用いて、真空ろう付けや溶接
等の接合方法により上、中、下段容器S1 、S2 、S3
を偏平容器の最中状に成形し、これらを水素通路S4 が
形成された棒状の連結部S5によって結合した後に、
上、中、下段容器S1 、S2 、S3 の内部に粉末状の水
素吸蔵合金を充填し、真空引きを行ったのち、活性化処
理を施し、水素を高圧充填して開口部に金属蓋をして溶
接により密封したものである。
【0024】各上、中、下段容器S1 、S2 、S3 の内
部は、コルゲートフィンやオフセットフィンなどの薄板
フィン(図示しない)が挿入され、対向面と薄板フィン
とがろう付けにより接合されている。この薄板フィン
は、熱伝導性に優れた金属製(例えば、銅、アルミニウ
ム、ステンレス等)の薄板をプレス加工して形成したも
ので、最中状のセル容器を接合する際に、容器内に一体
ろう付けされたもので、水素吸蔵合金から容器へ伝える
伝熱量を増大させるとともに、容器の変形を防ぐもので
ある。
【0025】また、偏平形状を呈する各上、中、下段容
器S1 、S2 、S3 は、回転軸8の周囲に巻き付けられ
た状態に設けられている。このため、各容器の一方の面
が凸状に湾曲するとともに、対向する他方の面が凹状に
湾曲している。このように、各容器の対向面を同方向に
湾曲して設けることにより、真空引き時の低圧下、およ
び水素充填時、サイクル作動時の高圧の水素平衡圧力の
高圧下において、各容器の対向面に引っ張り応力と圧縮
応力がかかり、この結果からも各容器の変形が小さく抑
えられる。
【0026】複数のセルSは、略円柱形状を呈する回転
軸8の周囲に複数のセルSの各連結部S5 が固定されて
いる。この回転軸8は、セル回転手段A(例えば、電動
モータによって複数のセルSを直接的あるいはギヤやベ
ルト等を介して間接的に回転駆動する手段)によって連
続的に回転駆動されるもので、このセル回転手段Aは制
御装置6によって回転速度が制御される。なお、制御装
置6によるセルSの回転速度制御については後述する。
【0027】各上、中、下段容器S1 、S2 、S3 は、
図3および図4に示すようにデバイダー9によって覆わ
れている。このデバイダー9は、熱媒体を各容器に沿っ
て流すことによって熱媒体の放熱ロスを減少させるとと
もに、熱媒体の流れを整流させて流速を速くして熱交換
量を増大させることで熱交換効率をアップさせるもの
で、さらにセルSが後述する水素駆動部α→第1冷熱出
力部β→第2冷熱出力部γに移動する境界において容器
の対向面が異なった熱媒体に触れる不具合を回避して熱
交換効率をアップさせるものである。
【0028】デバイダー9は、各上、中、下段容器S1
、S2 、S3 を覆うもので、断熱性に優れた樹脂材料
等によって設けられている。このデバイダー9の内面と
容器S1 〜S3 の外面の間には、熱媒体を容器S1 〜S
3 の外面に沿って流す熱媒体通路9aが形成されてい
る。デバイダー9の外端と中心側上部には、熱媒体通路
9aへ熱媒体の供給を行うとともに、熱媒体通路9aを
通過した熱媒体を排出する給排口9bが設けられてい
る。なお、この実施例では、外端の給排口9bが熱媒体
を熱媒体通路9aへ供給する供給口であり、中心側の給
排口9bが熱媒体通路9aを通過した熱媒体を外部へ排
出する排出口で、図3に示すように熱媒体を、外側の給
排口9b→熱媒体通路9a→中心側の給排口9bに流す
例を示すが、逆に中心側から外側へ流しても良い。
【0029】2段式サイクルのヒートポンプサイクル2
は、図3に示すように、上段容器S1 内の水素を強制的
に下段容器S3 内に移動させる水素駆動部αと、下段容
器S3 内に移動した水素を中段容器S2 に移動させる第
1冷熱出力部βと、中段容器S2 内に移動した水素を上
段容器S1 に移動させる第2冷熱出力部γとを備える。
なお、水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力
部γは、略120°間隔に設けられたもので、後述する
凹部M1 、M2 の配置によって区画されている。
【0030】水素駆動部αは、上段容器S1 と接触する
加熱水(例えば80℃ほど)が供給される加熱域α1 、
中段容器S2 と接触する昇圧水(例えば56℃ほど)が
供給される中段昇圧域α2 、下段容器S3 と接触する放
熱水(例えば28℃ほど)が供給される下段放熱域α3
を備える。第1冷熱出力部βは、上段容器S1 と接触す
る昇圧水(例えば58℃ほど)が供給される上段昇圧域
β1 、中段容器S2 と接触する放熱水(例えば28℃ほ
ど)が供給される中段放熱域β2 、下段容器S3 と接触
した冷熱出力水(例えば13℃ほど)が出力される下段
冷熱出力域β3 を備える。第2冷熱出力部γは、上段容
器S1 と接触する放熱水(例えば28℃ほど)が供給さ
れる上段放熱域γ1 、中段容器S2 と接触する冷熱出力
水(例えば13℃ほど)が出力される中段冷熱出力域γ
2 を備える。なお、第2冷熱出力部γにおいて下段容器
S3 と接触する熱媒体の温度は不問であり、その部分を
不問域γ3とする。
【0031】そして、図示しないセル回転手段Aにより
回転軸8が回転することにより、上段容器S1 の群が加
熱域α1 →上段昇圧域β1 →上段放熱域γ1 を循環する
ものであり、中段容器S2 の群が中段昇圧域α2 →中段
放熱域β2 →中段冷熱出力域γ2 を循環するものであ
り、下段容器S3 の群が下段放熱域α3 →下段冷熱出力
域β3 →不問域γ3 を循環するものである。
【0032】上段容器S1 の群は、上段水槽K1 に覆わ
れ、内部に加熱域α1 、上段昇圧域β1 、上段放熱域γ
1 が設けられている。また、中段容器S2 の群は、中段
水槽K2 に覆われ、内部に中段昇圧域α2 、中段放熱域
β2 、中段冷熱出力域γ2 が設けられている。さらに、
下段容器S3 の群は、下段水槽K3 に覆われ、内部に下
段放熱域α3 、下段冷熱出力域β3 、不問域γ3 が設け
られている。
【0033】上段水槽K1 、中段水槽K2 、下段水槽K
3 は、一体的に繋がって設けられた水槽K(例えば、樹
脂製の容器)で、この水槽Kには、図6に示すように、
上、中、下段水槽K1 、K2 、K3 内に熱媒体を給排す
る16本の熱媒体配管10が接続されている。具体的に
は、上段水槽K1 には加熱域α1 、上段昇圧域β1 、上
段放熱域γ1 のための6本の熱媒体配管10が接続さ
れ、中段水槽K2 には中段昇圧域α2 、中段放熱域β2
、中段冷熱出力域γ2 のための6本の熱媒体配管10
が接続され、下段水槽K3 には下段放熱域α3 、下段冷
熱出力域β3 のための4本の熱媒体配管10が接続され
ている。
【0034】上、中、下段水槽K1 、K2 、K3 には、
熱媒体配管10によって供給される熱媒体を、水素駆動
部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γの上、中、
下各域内のデバイダー9の外端の給排口9bに導く凹部
M1 が設けられるとともに、中心側の給排口9bから排
出される熱媒体を収集させる凹部M2 が設けられてお
り、この凹部M1 、M2 の配置および長さにより略12
0°間隔の水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱
出力部γが決定される。各デバイダー9に設けられた給
排口9bは、凹部M1 、M2 が設けられていない水槽K
の内壁に接触、あるいは接近して回転し、凹部M1 、M
2 が設けられていない水槽Kの内壁が水素駆動部α、第
1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γの仕切りとなってい
る。
【0035】(ヒートポンプサイクル2における上記以
外の構成部品の説明)図2に示す符号11は、上段昇圧
域β1 と中段昇圧域α2 とに昇圧水を循環させる昇圧水
循環路で、途中に設けられた昇圧水循環ポンプP1 ’に
よって昇圧水が循環する。なお、昇圧水は、加熱域α1
で温度上昇した上段容器S1 、上段水槽K1 からの伝熱
により温度上昇した水を用いたもので、ヒートポンプサ
イクル2の作動中、上段昇圧域β1 の昇圧水の温度は例
えば58℃程で、中段昇圧域α2 の昇圧水の温度は例え
ば56℃程になる。
【0036】(燃焼装置3の説明)本実施例の燃焼装置
3は、燃料であるガスを燃焼して熱を発生させ、発生し
た熱によって加熱水を加熱するガス燃焼装置を用いたも
ので、ガスの燃焼を行うガスバーナ12、このガスバー
ナ12へガスの供給を行うガス量調節弁13およびガス
開閉弁14を備えたガス供給回路15、ガスバーナ12
へ燃焼用の空気を供給する燃焼ファン16、ガスの燃焼
熱と加熱水とを熱交換する熱交換器17等から構成され
る。そして、ガスバーナ12のガス燃焼で得られた熱
で、加熱水を例えば80℃程に加熱し、加熱された加熱
水を加熱水循環ポンプP1 を備えた加熱水循環路18を
介して加熱域α1 に供給するものである。なお、本実施
例の加熱水循環ポンプP1 は、昇圧水循環ポンプP1 ’
を駆動する兼用のモータによって駆動されるタンデムポ
ンプである。このため、燃焼装置3から加熱水がヒート
ポンプサイクル2に供給される際は、昇圧水も循環作動
するように設けられている。
【0037】(室内空調機5の説明)室内空調機5は、
上述のように室内に配置されるもので、内部に室内熱交
換器19、この室内熱交換器19に供給される冷熱出力
水と室内空気とを強制的に熱交換し、熱交換後の空気を
室内に吹き出させるための室内ファン20を備える。室
内熱交換器19には、下段冷熱出力域β3 および中段冷
熱出力域γ2 から供給される冷熱出力水を循環させる冷
熱出力水循環路21が接続され、この冷熱出力水循環路
21の途中(室外機7内)には、冷熱出力水を循環させ
る冷熱出力水ポンプP2 が設けられている。
【0038】(放熱水冷却手段4の説明)放熱水冷却手
段4は、水冷開放型の冷却塔であり、この放熱水冷却手
段4によって冷却された放熱水は、放熱水循環ポンプP
3 を備えた放熱水循環路22によって下段放熱域α3 、
中段放熱域β2 、上段放熱域γ1 に供給される。放熱水
冷却手段4は、下段放熱域α3 、中段放熱域β2 、上段
放熱域γ1 を通過した放熱水を、上方から下方へ流し、
流れている間に外気と熱交換して放熱するとともに、流
れている間に一部蒸発させて、蒸発時に流れている放熱
水から気化熱を奪い、流れている放熱水を冷却するもの
である。また、この放熱水冷却手段4は、図示しない放
熱ファンを備え、この放熱ファンの生じる空気流によっ
て放熱水の蒸発および冷却を促進するように設けられて
いる。なお、この実施例では、放熱水冷却手段4として
水冷開放型の冷却塔を示したが、放熱水(放熱用の熱媒
体)が空気に触れずに熱交換する水冷密閉型あるいは空
冷密閉型の冷却手段を用いても良い。
【0039】ここで、上記に示す加熱水循環路18、冷
熱出力水循環路21および放熱水循環路22は、それぞ
れシスターンT1 、T2 、T3 を備えており、シスター
ンT1 、T2 、T3 内の水位が所定水位以下に低下する
と、それぞれに設けられた給水バルブT4 、T5 、T6
が開き、給水管23から供給される水道水をシスターン
T1 、T2 、T3 内に補充するように設けられている。
また、ヒートポンプサイクル2の下部にはドレンパンP
が配置され、ヒートポンプサイクル2に発生したドレン
水を排水管24から排水するように設けられている。な
お、放熱水冷却手段4で溢れた水も排水管24から排水
するように設けられている。
【0040】(制御装置6の説明)制御装置6は、図1
に示すように、室内空調機5に設けられたコントローラ
CRからの操作指示や、複数設けられた各センサSSの
入力信号に応じて、上述の加熱水循環ポンプP1 (昇圧
水循環ポンプP1 ’)、冷熱出力水ポンプP2 、放熱水
循環ポンプP3 、給水バルブT4 、T5 、T6 、放熱水
冷却手段4の放熱ファンなどの電気機能部品、および燃
焼装置3の電気機能部品(燃焼ファン16、ガス量調節
弁13、ガス開閉弁14、点火装置12a等)を制御す
るとともに、室内空調機5に室内ファン20の作動指示
を与えるものである。
【0041】また、制御装置6は、冷房負荷に基づい
て、セル回転手段Aを制御して水槽K内におけるセルS
の回転速度を決定する回転制御手段6aの機能を有す
る。この回転制御手段6aは、冷房負荷に応じたセルS
の回転速度が得られるようにセル回転手段Aを制御する
もので、冷房負荷を検出する負荷検出手段としてこの実
施例では、室内空調機5からヒートポンプサイクル2に
戻される冷熱出力水の戻り温度を検出する温度センサO
Sを用いたものである。
【0042】回転制御手段6aは、温度センサOSによ
って検出される冷熱出力水の戻り温度が13℃以上の場
合(負荷検出手段の検出する冷却負荷の最大時)は最大
冷熱出力が得られる速度(例えば、1周3分)にセルS
の回転速度を設定し、温度センサOSによって検出され
る冷熱出力水の戻り温度が13℃より低い場合は、検出
温度が低いほど(冷却負荷が最大時よりも小さくなるに
従って)セルSの回転速度を遅く設定するものである。
なお、この実施例では、負荷の低下に従ってセルSの回
転速度を遅くする例を示すが、逆に負荷の低下に従って
セルSの回転速度を速くしても良い。
【0043】上記のように、最大負荷時は最大冷熱出力
が得られる速度にセルSの回転速度が設定されて、水素
吸蔵合金の水素化率が運転時の圧力範囲内における可変
範囲(水素吸蔵合金における水素化率は図8に示すよう
にヒステリシスを有する特性のもので、可変範囲は例え
ば0.3〜0.7)の中で、水素を吸蔵する合金では上
限値(水素化率0.7)、水素を放出する合金では下限
値(水素化率0.3)に、α、β、γの各部を通過する
時間でちょうど達することとなって最大出力が得られ
る。なお、図8中の縦軸Pは容器内の圧力、横軸H/M
は水素吸蔵合金の水素化率を示す。負荷の低下が発生
し、冷熱出力水の戻り温度が13℃より低下した場合
は、回転制御手段6aが冷熱出力水の戻り温度の低下に
応じてセルSの回転速度を遅くすることで、水素吸蔵合
金の水素化率が水素を吸蔵する合金では、上限値(水素
化率0.7)、放出する合金では下限値(水素化率0.
3)に達した後に、水素化率の上昇又は下降に寄与しな
いロスタイムを生じさせて、単位時間当りの出力が低下
し、結果的に冷熱出力水の冷却能力が低下する。これに
より、冷熱出力水の戻り温度が13℃に近づくように作
用し、第1、第2冷熱出力部β、γにおいて、放熱水の
温度に対して所定の温度差を確保でき、結果的に合金間
の水素移動が確保できるようになり、安定したヒートポ
ンプ作動を確保できる。
【0044】セルSの回転速度の変化によって出力が変
化することを、図9および図10を参照して説明する。
なお、図中の縦軸t℃は水素吸蔵合金の温度、縦軸Pは
容器内の圧力、縦軸H/Mは水素吸蔵合金の水素化率を
示し、横軸はセルSの回転角度と時間(’は分、”は
秒)を示す。上述したように、水素吸蔵合金は、運転時
の圧力範囲内において水素化率の可変範囲(例えば0.
3〜0.7)を有し、回転制御手段6aは、最大負荷時
に最大冷熱出力が得られる速度にセルSの回転速度(例
えば、1周3分)を設定する。この最大冷熱出力を得る
状態のヒートポンプサイクル2のエネルギー量(加熱水
の加熱エネルギー、放熱水による冷却エネルギー、冷熱
水の冷熱出力エネルギー)の変化を図9に示す。この最
大冷熱出力状態では、セルSがα、β、γの各部を通過
する時間(120°分を1分)経過時に、水素の吸蔵時
にはちょうど水素化率の上限値(0.7)となり、水素
の放出時にはちょうど下限値(0.3)となり、水素化
率の変化幅は、可変範囲と等しく最大となって、エネル
ギー量の変化が最も効率的に行なわれるため、単位時間
当りの冷熱出力は最大となる。
【0045】負荷状態を一定としたまま、セルSの回転
速度を速くした場合と、遅くした場合を、低温合金LM
におけるエネルギー変化を用いて説明する。セルSの回
転速度を速くすると(例えば、1周1分30秒)、図1
0の(a)に示すように、セルSがα、β、γの各部を
通過する時間(120°分を30秒)内では熱媒体と水
素吸蔵合金との熱交換が充分に行えず、水素の吸蔵時に
は前記上限値より低い水素化率(例えば0.6)までし
か上昇せず、また水素の放出時には前記下限値より高い
水素化率(例えば0.4)までしか下降せず水素化率の
変化幅は、最大出力時の0.4より小さい0.2となっ
て、その結果エネルギー量が低下し、結果的に冷熱出力
が低下する。逆に、セルSの回転速度を遅くすると(例
えば、1周6分)、図10の(b)に示すように、α、
β、γの各部を通過する時間(120°分を2分)にお
いて、水素の吸蔵時には前記水素化率の上限値(0.
7)まで上昇し、水素の放出時には下限値(0.3)ま
で下降して熱媒体と水素吸蔵合金との熱交換量が限界に
達しても次の作動に移行しないため、エネルギーの増加
又は減少に寄与しない時間的なロスが生じ、単位時間当
りのエネルギー増減量が低下して結果的に冷熱出力が低
下する。
【0046】つまり、図11に示すように、最大冷熱出
力を得るためのセルSの回転速度が存在し、その最適回
転速度よりも回転速度が速くても、逆に遅くても出力が
低下する。そして、セルSの回転速度を速くして出力低
下させる場合は、セルSの回転駆動力が増加してエネル
ギー消費が増えるとともに、多回転化により電動モータ
等のセル回転手段Aの消耗が大きく耐久性の劣化に繋が
ってしまう。そこで、この実施例では、セルSの回転速
度を遅くして出力低下させるため、セルSの回転駆動力
が減少してエネルギー消費を抑えることができるととも
に、少回転化によりセル回転手段Aの消耗が少なく耐久
性を向上できる。
【0047】一方、この実施例の制御装置6は、冷房負
荷に応じて放熱水冷却手段4の図示しない放熱ファンの
回転速度を設定する放熱ファン速度制御手段6bの機能
を具備する。具体的には、温度センサOSによって検出
される冷熱出力水の戻り温度が13℃以上の場合は所定
温度(例えば28℃)の放熱水が得られるように放熱フ
ァンを制御し、冷却負荷が小さくなって温度センサOS
によって検出される冷熱出力水の戻り温度が13℃より
低い場合は、検出温度が低いほど低い温度の放熱水が得
られるように放熱ファンの回転速度を増加して制御す
る。これにより、第1、第2冷熱出力部β、γにおい
て、冷却負荷の低下による冷熱出力水の温度低下に対し
て所定の温度差に基づく圧力差を確保でき、結果的に合
金間の水素移動が確保できるようになり、安定したヒー
トポンプ作動を確保できる。
【0048】さらに、この実施例の制御装置6は、冷房
負荷に応じて燃焼装置3の燃焼量を設定する燃焼量制御
手段6cの機能を具備する。具体的には、温度センサO
Sによって検出される冷熱出力水の戻り温度が13℃以
上の場合は所定温度(例えば80℃)の加熱水が得られ
るように燃焼装置3を制御し、冷却負荷が小さくなって
温度センサOSによって検出される冷熱出力水の戻り温
度が13℃より低い場合は、検出温度が低いほど低い温
度の加熱水が得られるように燃焼装置3の燃焼量を低下
して制御する。これにより、水素駆動部αにおいて、冷
却負荷が低下した場合には、前記冷熱出力水の温度低下
に対応させた放熱水の温度低下によって所定の温度差に
基づく圧力差を確保するに足りる燃焼量まで低下させる
ため過剰な加熱を防止し、省エネルギー化できる。
【0049】(冷房運転の作動説明)上記の冷房装置1
による冷房運転の作動を、図7のPT冷凍サイクル線図
を参照して説明する。冷房運転が室内空調機5のコント
ローラによって指示されると、制御装置6によって、燃
焼装置3、セル回転手段A、放熱ファンおよび加熱水循
環ポンプP1(昇圧水循環ポンプP1 ’)、冷熱出力水
ポンプP2 、放熱水循環ポンプP3 が作動するととも
に、冷房が指示された室内空調機5の室内ファン20を
ONする。
【0050】セル回転手段Aによって、複数のセルSが
連続的に回転移動する。これによって、複数のセルS
が、水素駆動部α→第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部
γの順で移動する。つまり、各上段容器S1 が加熱域α
1 →上段昇圧域β1 →上段放熱域γ1 の順で移動し、各
中段容器S2 が中段昇圧域α2 →中段放熱域β2 →中段
冷熱出力域γ2 の順で移動し、各下段容器S3 が下段放
熱域α3 →下段冷熱出力域β3 →不問域γ3 の順で移動
する。
【0051】水素駆動部αへ進入したセルSは、上段容
器S1 が加熱水に触れ、中段容器S2 が昇圧水に触れ、
下段容器S3 が放熱水に触れる。上段容器S1 が加熱水
(80℃)に触れることにより、上段容器S1 の内圧が
上昇し、高温合金HMが水素を放出する。中段容器S2
が昇圧水(56℃)に触れることにより、中段容器S2
の内圧が中温合金MMが水素を吸蔵しない圧力まで上昇
する。下段容器S3 が放熱水(28℃)に触れることに
より、下段容器S3 の内圧が下がり、低温合金LMが水
素を吸蔵する。
【0052】このように、上段容器S1 が加熱域α1 で
加熱水に触れ、中段容器S2 が中段昇圧域α2 で昇圧水
に触れ、下段容器S3 が下段放熱域α3 の放熱水に触れ
ることにより、上段容器S1 内が80℃:1.0MP
a、中段容器S2 内が56℃:1.0MPa、下段容器
S3 内が28℃:0.9MPaとなり、上段容器S1 の
高温合金HMが水素を放出し(図7の)、下段容器S
3 の低温合金LMが水素を吸蔵する(図7の)。な
お、中段容器S2 は昇圧水によって加熱されて内圧が高
く、中温合金MMは水素の吸蔵は行わない。そして、水
素駆動部αを通過したセルSは、その後第1冷熱出力部
βへ移動する。
【0053】第1冷熱出力部βへ進入したセルSは、上
段容器S1 が昇圧水に触れ、中段容器S2 が放熱水に触
れ、下段容器S3 が冷熱出力水に触れる。上段容器S1
が昇圧水(58℃)に触れることにより、上段容器S1
の内圧が高温合金HMが水素を吸蔵しない圧力まで上昇
する。中段容器S2 が放熱水(28℃)に触れることに
より、中段容器S2 の内圧が下がり、中温合金MMが水
素を吸蔵し、下段容器S3 の低温合金LMが水素を放出
する。低温合金LMが水素を放出するため、下段容器S
3 内で吸熱が生じ、下段容器S3 に触れる冷熱出力水が
例えば7℃に冷やされる。なお、低温合金LMは、冷熱
出力水が13℃くらいでは、下段容器S3 の内圧が中段
容器S2 の内圧より高くなるように設けられている。
【0054】このように、上段容器S1 が上段昇圧域β
1 で昇圧水に触れ、中段容器S2 が中段放熱域β2 で放
熱水に触れ、下段容器S3 が下段冷熱出力域β3 の冷熱
出力水に触れることにより、上段容器S1 内が58℃:
0.5MPa、中段容器S2内が28℃:0.4MP
a、下段容器S3 内が13℃:0.5MPaとなり、下
段容器S3 の低温合金LMが水素を放出し(図7の
)、中段容器S2 の中温合金MMが水素を吸蔵する
(図7の)。下段容器S3 の低温合金LMが水素を放
出する際、吸熱作用により下段容器S3 に触れる冷熱出
力水から熱を奪い冷熱出力水の温度を低下させる。な
お、上段容器S1 は、昇圧水によって加熱されて内圧が
高く、高温合金HMは水素の吸蔵は行わない。そして、
第1冷熱出力部βを通過したセルSは、その後第2冷熱
出力部γへ移動する。
【0055】第2冷熱出力部γへ進入したセルSは、上
段容器S1 が放熱水に触れ、中段容器S2 が冷熱出力水
に触れ、下段容器S3 が不問水に触れる。上段容器S1
が放熱水(28℃)に触れることにより、上段容器S1
の内圧が下がり、高温合金HMが水素を吸蔵し、中段容
器S2 の中温合金MMが水素を放出する。中温合金MM
が水素を放出するため、中段容器S2 内で吸熱が生じ、
中段容器S2 に触れる冷熱出力水が例えば13℃に冷や
される。なお、中温合金MMは、冷熱出力水が13℃く
らいでは、中段容器S2 の内圧が上段容器S1 の内圧よ
り高くなるように設けられている。
【0056】このように、上段容器S1 が上段放熱域γ
1 で放熱水に触れることにより、上段容器S1 内が28
℃:0.1MPa、中段容器S2 内が13℃:0.2M
Pa、下段容器S3 内は不問状態となり、中段容器S2
の中温合金MMが水素を放出し(図7の)、上段容器
S1 の高温合金HMが水素を吸蔵する(図7の)。中
段容器S2 の中温合金MMが水素を放出する際、吸熱作
用により中段容器S2に触れる冷熱出力水から熱を奪い
冷熱出力水の温度を低下させる。なお、下段容器S3 の
温度は無関係で、下段容器S3 の低温合金LMは水素の
吸蔵は行わない。そして、第2冷熱出力部γを通過した
セルSは、その後水素駆動部αへ移動する。
【0057】なお、ヒートポンプサイクル2の下段冷熱
出力域β3 および中段冷熱出力域γ2 で熱を奪われた低
温の冷熱出力水は、冷熱出力水循環路21を介して室内
空調機5の室内熱交換器19に供給されて、室内に吹き
出される空気と熱交換されて室内を冷房する。
【0058】〔実施例の効果〕冷房運転によって室内の
温度が低下して冷房負荷が低下した場合は、冷熱出力水
の戻り温度が13℃より下がる。この温度低下を温度セ
ンサOSが検出すると、制御装置6の回転制御手段6a
が冷熱出力水の戻り温度の低下に従ってセルSの回転速
度を遅くする。すると、上述したように冷熱出力が低下
し、冷房能力の低下により冷熱出力水の戻り温度が上昇
するように作用し、結果的にヒートポンプ作動が安定し
て行われる。
【0059】一方、冷房負荷の低下により冷熱出力水の
戻り温度が13℃より下がると、制御装置6の放熱ファ
ン速度制御手段6bが冷熱出力水の戻り温度の低下に従
って回転数を増加させて放熱水の温度を低下させるとと
もに、制御装置6の燃焼量制御手段6cが冷熱出力水の
戻り温度の低下に従って燃焼量を低下させて加熱水の温
度を低下させる。つまり、冷房負荷の低下により図7の
、が右下側へ移行した場合は、加熱水および放熱水
の温度を低下させて図7の、、、を右下側へ移
行し、この結果からもヒートポンプ作動が安定して行わ
れるとともに、燃焼量の低下によって省エネを図ること
ができる。
【0060】このように、冷房負荷が低い場合は、セル
Sの回転速度を遅くすることと、加熱水および放熱水の
温度を低下させることで、安定したヒートポンプサイク
ル作動を確保しながら、冷却出力が調節でき、負荷変動
に応じた出力能力を得ることができる。
【0061】〔第1実施例の変形例〕次に、上記第1実
施例を冷暖房装置に適用した変形例を示す。なお、図1
2は本変形例を適用した冷暖房装置の概略構成図であ
る。本変形例の冷暖房装置30は、上記の第1実施例で
示した冷房運転の実施に加え、暖房運転時に、燃焼装置
3で加熱された加熱水を室内空調機5の室内熱交換器1
9に導いて室内暖房を行うもので、第1実施例で示した
加熱水循環路18と冷熱出力水循環路21とを接続し、
その接続部分に流路切替用の3つの切替バルブV1 、V
2 、V3 (冷房と暖房の切替バルブ)を設けたものであ
る。なお、室内空調機5の他に、床暖房マット、浴室乾
燥機などに接続し、加熱水の供給によって床暖房、浴室
暖房などを行うように設けても良い。
【0062】〔第2実施例〕図13ないし図15は第2
実施例を示すもので、図13は複数のセルSが固定配置
されるタイプの冷房装置の概略構成図である。上記の実
施例では、複数のセルSを水槽K内で回転させることで
各容器に触れる熱媒体の種類を切り替える例を示した
が、この第2実施例では複数(この実施例では3つ)の
セルSを固定し、回転によって複数の熱媒体を切り替え
て出力する回転式の回転式分配器40と、分配された複
数の熱媒体を再び収集して熱媒体源へ戻す回転式収集器
41とによって、セルSとデバイダー9の間に形成され
る熱媒体通路9aに熱媒体の種類を切り替えて供給する
ものである。
【0063】上記回転式分配器40と回転式収集器41
は、入力方向と出力方向が逆になるだけで、他は同一構
成のものであり、回転式分配器40を図14を参照して
説明する。回転式分配器40は、筒形状を呈したハウジ
ング42と、このハウジング42の内部を回転する回転
弁43と、この回転弁43を回転駆動する弁回転手段
(図示しない、例えば第1実施例同様にモータを利用し
たもの)とからなる。なお、この弁回転手段は、回転弁
43を120°づつ段階的に回転させるものである(例
えば、1分間毎に120°づつの回転)。
【0064】ハウジング42の上半部には、加熱水、昇
圧水、放熱水、冷熱出力水、不問水の供給を受ける5つ
の入力ポート42aが設けられている。この5つの入力
ポート42aは水平方向に一致しないように上下方向
(軸方向)にずらして設けられている。また、ハウジン
グ42の下半部には、120°間隔で、且つ縦方向に3
つづつの合計9つの出力ポート42bが設けられてい
る。各縦列の内の上段の出力ポート42bはそれぞれ同
じ高さに設けられ、中段の出力ポート42bもそれぞれ
同じ高さに設けられ、下段の出力ポート42bもそれぞ
れ同じ高さに設けられている。そして縦方向に3つづつ
並ぶ3列の出力ポート42bは、回転弁43の回転によ
って分配される加熱水−昇圧水−放熱水、昇圧水−放熱
水−冷熱出力水、放熱水−冷熱出力水−不問水の3組の
熱媒体を、3つのセルSに向けて出力するものである。
【0065】回転弁43は、5つの入力ポート42aに
合致して、5つの入力ポート42aから入力される5種
類の熱媒体を受ける5つの環状の外周溝43aを備え
る。また、回転弁43は、120°間隔で縦方向に3組
の熱媒体(加熱水−昇圧水−放熱水、昇圧水−放熱水−
冷熱出力水、放熱水−冷熱出力水−不問水)を同時に出
力するための5つの傾斜溝43bを備える。なお、各入
力ポート42aの上下および各傾斜溝43bの周囲には
図示しないシール用のパッキングが設けられている。外
周溝43aと傾斜溝43bとは回転弁43の内部で連通
している。具体的には、回転弁43の内部には上下方向
に伸びる5本の内部連通路が設けられており、5つの外
周溝43a内には対応する内部連通路に熱媒体を導く連
通穴がそれぞれ設けられている。また、傾斜溝43b内
にも対応する内部連通路から熱媒体を導く連通穴がそれ
ぞれ設けられており、各入力ポート42aから各外周溝
43aに供給された熱媒体が、各外周溝43a内の連通
穴→各内部連通路→各傾斜溝43b内の連通穴を通って
各傾斜溝43bに導かれ、合致する出力ポート42bを
介して熱交換器に供給されるように設けられている。
【0066】このように、ハウジング42内で回転弁4
3が120°づつ回転することにより、回転式分配器4
0と回転式収集器41が、複数のセルSの各室と熱交換
する熱媒体の供給状態を、複数のセル毎においてそれぞ
れが異なった室に水素移動するように切り替える。つま
り、ハウジング42に対して回転弁43が0°の位置の
時、図15の上段に示すように、3つのセルSの内、1
列目(図示左側)のセルSが水素駆動部αになり、2列
目(図示中央)のセルSが第1冷熱出力部βになり、3
列目(図示右側)のセルSが第2冷熱出力部γになる。
ハウジング42に対して回転弁43が120°の位置の
時は、図15の中段に示すように、3つのセルSの内、
1列目のセルSが第1冷熱出力部βになり、2列目のセ
ルSが第2冷熱出力部γになり、3列目のセルSが水素
駆動部αになる。ハウジング42に対して回転弁43が
240°の位置の時は、図15の下段に示すように、3
つのセルSの内、1列目のセルSが第2冷熱出力部γに
なり、2列目のセルSが水素駆動部αになり、3列目の
セルSが第1冷熱出力部βになる。さらに、回転弁43
が120°づつ回転することにより、上記が繰り返され
る。
【0067】回転式分配器40および回転式収集器41
の回転速度、つまり熱媒体の切替速度は、制御装置6に
よって制御される。制御装置6は、第1実施例と同様、
回転制御手段6a、放熱ファン速度制御手段6bおよび
燃焼量制御手段6cの機能を有するもので、回転制御手
段6aは第1実施例のセルSの回転速度制御に代えて回
転式分配器40および回転式収集器41の回転速度を制
御するものである。そして、これら回転制御手段6a、
放熱ファン速度制御手段6bおよび燃焼量制御手段6c
の機能によって、第1実施例と同様の効果を得ることが
できる。
【0068】〔変形例〕上記の実施例では、各容器の周
囲にデバイダー9を設けた例を示したが、デバイダー9
を用いなくても良い。具体的な一例を示すと、図16に
示すように、各上、中、下段容器S1 、S2、S3 を回
転軸8の周りに巻き付けられた状態で配置するととも
に、上、中、下段容器S1 、S2 、S3 と、隣接する他
の上、中、下段容器S1 、S2 、S3 との間に略同幅の
隙間を設け、その隙間に熱媒体が流されるように設けて
も良い。このようにデバイダー9を廃止しても、隙間が
略同幅であるため、その隙間を流れる熱媒体の流速が一
定になり、熱媒体の熱交換ロスが減り、ヒートポンプサ
イクル2の冷却効率を高めることができる。
【0069】上記の第1実施例では、複数のセルSをセ
ル回転手段Aによって連続的に回転させた例を示した
が、セルSを間欠的に回転移動させても良い。上記の実
施例では、説明を容易化するために、上下方向に上段容
器S1 、中段容器S2 、下段容器S3 とした例を示した
が、上下の配置を変更したり横に配置するなどしても良
い。このような場合は、勿論、各容器に供給する各熱媒
体もヒートポンプサイクルが成り立つように入れ替え
る。
【0070】上記の実施例では、昇圧用の熱媒体とし
て、加熱域α1 で温度上昇した上段容器S1 を冷却して
温度上昇した熱媒体(実施例中では昇圧水)を用いた例
を示したが、加熱手段(例えば、燃焼装置による昇温、
電気ヒータによる昇温、排熱を利用した昇温など)によ
って昇温した熱媒体を用いても良い。上記の実施例で
は、ヒートポンプサイクル2の一例として、2段式サイ
クルを用いた例を示したが、1段式サイクルに用いても
良いし、第2容器を3つ以上分割して3段式以上のサイ
クルとして用いても良い。
【0071】上記の実施例では、1つの室外機7に複数
の室内空調機5が接続可能なマルチエアコンを示した
が、1つの室外機7に1つの室内空調機5が接続される
エアコンに本発明を適用しても良い。上記の実施例で
は、ヒートポンプサイクル2によって得られた冷熱出力
用の熱媒体(実施例中では冷熱水)で室内を冷房する例
を示したが、冷熱出力用の熱媒体で冷蔵運転や冷凍運転
に用いるなど、本発明を他の冷却装置として用いても良
い。上記の実施例では、1つのヒートポンプユニット
(1つの水槽K内に複数のセルSを収納したユニット)
を用いた例を示したが、複数のヒートポンプユニットを
搭載して冷却能力を増大させ、ビル用空調システムなど
大きな冷却能力が要求される冷却装置に用いても良い。
【0072】上記の実施例では、加熱用の熱媒体(実施
例中では加熱水)を加熱する加熱手段として、ガスを燃
焼するガス燃焼装置を用いたが、石油を燃焼する石油燃
焼装置など、他の燃焼装置を用いても良いし、内燃機関
の排熱によって加熱用の熱媒体を加熱する加熱手段、ボ
イラーによる蒸気、電気ヒータを用いた加熱手段など、
他の加熱手段を用いても良い。なお、内燃機関の排熱を
利用する際は、車両用に用いることもできる。上記の実
施例では、各熱媒体の一例として、水道水を用いたが、
不凍液やオイルなど他の液体の熱媒体を用いても良い
し、空気など気体の熱媒体を用いても良い。上記の実施
例では、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱作用に
より冷熱出力を得る冷却装置を例に示したが、水素吸蔵
合金が水素を吸蔵する際の放熱作用により温熱出力を得
る加熱装置(例えば暖房装置など)に本発明を適用して
も良い。
【0073】上記の実施例では、冷却負荷(温度センサ
OSの検出温度)に応じて放熱水冷却手段4の放熱ファ
ン回転速度を変化させて放熱水の温度を変化させるとと
もに、燃焼装置3の燃焼量を増減させて加熱水の温度を
変化させたが、冷却負荷の大きさに関わらず、入水温セ
ンサの検出温度に基づくフィードバック制御を行なって
熱交換部への放熱水の入水温を一定(28℃)に制御
し、加熱水の入水温を一定(80℃)に制御するもので
あっても良い。この場合も、冷却負荷に応じてセル回転
手段A又は弁回転手段の回転速度を変化させることによ
り、冷熱出力水の入水温は略一定(13℃)に保たれる
ため安定したヒートポンプサイクル作動を確保しながら
出力の調節ができ、負荷変動に応じた出力能力を得ると
いう同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御装置の概略図である(第1実施例)。
【図2】冷房装置の概略構成図である(第1実施例)。
【図3】ヒートポンプサイクルの作動説明図である(第
1実施例)。
【図4】デバイダーが設けられたセルの斜視図である
(第1実施例)。
【図5】セルの部分斜視図である(第1実施例)。
【図6】ヒートポンプユニットの斜視図である(第1実
施例)。
【図7】PT冷凍サイクル線図である(第1実施例)。
【図8】水素吸蔵合金の水素化率を示すグラフである
(第1実施例)。
【図9】セルの回転速度が最適の場合のエネルギー量の
変化を示すグラフである(第1実施例)。
【図10】セルの回転速度を速くあるいは遅くした場合
のエネルギー量の変化を示すグラフである(第1実施
例)。
【図11】セルの回転速度に対する出力変化を示すグラ
フである(第1実施例)。
【図12】冷暖房装置の概略構成図である(第1実施例
の変形例)。
【図13】冷房装置の概略構成図である(第2実施
例)。
【図14】回転式分配器の説明図である(第2実施
例)。
【図15】作動の移り変わりを示す説明図である(第2
実施例)。
【図16】回転軸に組付けられた複数のセルを軸方向か
ら見た図である(変形例)。
【符号の説明】
HM 高温合金(水素吸蔵合金) MM 中温合金(水素吸蔵合金) LM 低温合金(水素吸蔵合金) S セル S1 上段容器(第1容器) S2 中段容器(第2容器) S3 下段容器(第2容器) S4 水素通路 A セル回転手段 OS 温度センサ(負荷検出手段) 6 制御装置(制御手段) 6a 回転制御手段 6b 放熱ファン速度制御手段 6c 燃焼量制御手段 40 回転式分配器 41 回転式収集器 42 ハウジング 43 回転弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素吸蔵合金の水素の放出時の吸熱、ある
    いは水素の吸蔵時の放熱を利用した水素吸蔵合金を利用
    した熱利用システムであって、 水素通路で連通された複数の容器内に水素平衡圧力が異
    なる水素吸蔵合金を封入した複数のセルと、 この複数のセルを回転移動し、前記複数の容器に触れる
    熱媒体を変更させるセル回転手段と、 前記水素吸蔵合金を利用した熱利用システムによる冷却
    負荷あるいは加熱負荷を検出する負荷検出手段と、 この負荷検出手段の検出値に応じた前記セルの回転速度
    が得られるように前記セル回転手段を制御する回転制御
    手段と、を備えることを特徴とする水素吸蔵合金を利用
    した熱利用システム。
  2. 【請求項2】水素吸蔵合金の水素の放出時の吸熱、ある
    いは水素の吸蔵時の放熱を利用した水素吸蔵合金を利用
    した熱利用システムであって、 水素通路で連通された複数の容器内に水素平衡圧力が異
    なる水素吸蔵合金を封入した複数のセルと、 ハウジング内で回転駆動される回転弁、およびこの回転
    弁を回転移動させる弁回転手段を備え、前記回転弁の回
    転によって温度の異なる熱媒体を前記複数の容器に切り
    替えて供給する回転式分配器と、 前記水素吸蔵合金を利用した熱利用システムによる冷却
    負荷あるいは加熱負荷を検出する負荷検出手段と、 この負荷検出手段の検出値に応じた前記回転弁の回転速
    度が得られるように前記弁回転手段を制御する回転制御
    手段と、を備えることを特徴とする水素吸蔵合金を利用
    した熱利用システム。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の水素吸蔵合金を
    利用した熱利用システムにおいて、 前記回転制御手段は、負荷検出手段の検出する冷却負荷
    あるいは加熱負荷の最大時に最大冷熱出力あるいは最大
    温熱出力が得られる速度にセルあるいは回転弁の回転速
    度を設定し、 負荷検出手段の検出する冷却負荷あるいは加熱負荷が最
    大時よりも小さくなるに従ってセルあるいは回転弁の回
    転速度を遅く設定することを特徴とする水素吸蔵合金を
    利用した熱利用システム。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかの水素
    吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、 前記負荷検出手段は、水素吸蔵合金の水素放出時に生じ
    た冷熱エネルギーを伝達する冷熱出力用の熱媒体の戻り
    温度、あるいは水素吸蔵合金の水素吸蔵時に生じた温熱
    エネルギーを伝達する温熱出力用の熱媒体の戻り温度を
    検出する温度センサであることを特徴とする水素吸蔵合
    金を利用した熱利用システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007068481A1 (de) * 2005-12-14 2007-06-21 Behr Gmbh & Co. Kg Wärmepumpe
JP2020000019A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 株式会社ノーリツ Co2供給装置

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