JP2000111194A - 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム - Google Patents

水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

Info

Publication number
JP2000111194A
JP2000111194A JP10282754A JP28275498A JP2000111194A JP 2000111194 A JP2000111194 A JP 2000111194A JP 10282754 A JP10282754 A JP 10282754A JP 28275498 A JP28275498 A JP 28275498A JP 2000111194 A JP2000111194 A JP 2000111194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
output
heat
heating
hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10282754A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Maruhashi
勤 丸橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rinnai Corp
Original Assignee
Rinnai Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rinnai Corp filed Critical Rinnai Corp
Priority to JP10282754A priority Critical patent/JP2000111194A/ja
Publication of JP2000111194A publication Critical patent/JP2000111194A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過渡期から定常運転に移行した後に、冷却負
荷が変動した場合、温度センサによる戻り冷熱出力水の
温度でセルや冷熱出力水ポンプの回転速度を制御して、
負荷変動に対応させようとしても、過剰反応したり、反
応不足が発生して室温を設定温度に維持できない。 【解決手段】 冷房装置のヒートポンプサイクル2を制
御する制御装置6の自己制御手段6bは、温度センサO
Sによる戻り冷熱出力水の温度から、過渡期から定常運
転への移行を判断すると、セルと冷熱出力水ポンプP2
の回転速度を、その時点の回転速度に固定する。この定
常運転時に、冷却負荷の低下により戻り冷熱出力水の温
度が低下すると、水素移動が損なわれ、冷却能力が低下
して室温が上昇するように作用する。室温が上昇する
と、戻り冷熱出力水の温度が上昇して水素移動が回復し
て冷却能力が向上し、室温が低下するように作用する。
このように水素移動の自己制御が成され、室温が設定温
度に維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金の水
素の吸蔵と放出とを繰り返して行わせ、水素の放出時に
生じる吸熱作用を利用して冷熱出力を得る、あるいは水
素の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して温熱出力を得る
水素吸蔵合金を利用した熱利用システムに関する。
【0002】
【発明の背景】本出願人は、小型化可能な水素吸蔵合金
を利用した熱利用システムを出願した(特願平10−9
9152号)。このシステムは、冷房運転する場合に、
室内空調機から戻ってくる冷熱出力水の温度が所定の温
度となるように、複数のセルの回転速度を制御するもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱利用システムでは、
起動後に安定化して定常運転になるが、冷却出力部とし
ての室内の温度が低下した場合や、逆に室内の温度が上
昇して冷却負荷が変動する場合がある。このような冷却
負荷の変動に対して、セルの回転速度や冷熱出力水の出
力ポンプの回転速度を変化させて対応させようとして
も、冷熱出力が過剰になったり、不足して対応ができ
ず、室温を設定温度に維持することが困難になってしま
う。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、セル回転式(あるいは弁回転式)
の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、冷
却出力部の負荷(あるいは加熱出力部の負荷)が変動し
ても、冷却出力部(あるいは加熱出力部)を設定温度に
維持できるシステムの提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金を
利用した熱利用システムは、上記の目的を達成するため
に、次の技術的手段を採用した。 (請求項1の手段)水素吸蔵合金を利用した熱利用シス
テムは、水素吸蔵合金の水素の放出時の吸熱、または水
素の吸蔵時の放熱を利用したものであって、水素通路で
連通された複数の容器内に水素平衡圧力が異なる水素吸
蔵合金を封入した複数のセルと、この複数のセルを回転
移動し、前記複数の容器に触れて熱交換される熱媒体を
変更させるセル回転手段と、前記容器に触れて冷却され
た熱媒体あるいは加熱された熱媒体を冷却出力部あるい
は加熱出力部に運搬するとともに、前記冷却出力部ある
いは前記加熱出力部で冷熱出力あるいは加熱出力された
熱媒体を再び前記容器に運搬する出力ポンプと、前記冷
却出力部あるいは前記加熱出力部で冷却出力あるいは加
熱出力された熱媒体の温度から冷却負荷あるいは加熱負
荷を検出する負荷検出手段と、この負荷検出手段の検出
値に応じた前記セルの回転速度と前記出力ポンプの回転
速度とが得られるように、前記セル回転手段および前記
出力ポンプを制御する回転制御手段と、前記負荷検出手
段によって所定の冷却負荷あるいは所定の加熱負荷が検
出された際、前記検出に対応して前記セルの回転速度と
前記出力ポンプの回転速度を固定する自己制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】(請求項2の手段)水素吸蔵合金を利用し
た熱利用システムは、水素吸蔵合金の水素の放出時の吸
熱、または水素の吸蔵時の放熱を利用したものであっ
て、水素通路で連通された複数の容器内に水素平衡圧力
が異なる水素吸蔵合金を封入した複数のセルと、ハウジ
ング内で回転駆動される回転弁、およびこの回転弁を回
転移動させる弁回転手段を備え、前記回転弁の回転によ
って温度の異なる熱媒体を前記複数の容器に切り替えて
供給する回転式分配器と、前記容器に触れて冷却された
熱媒体あるいは加熱された熱媒体を冷却出力部あるいは
加熱出力部に運搬するとともに、前記冷却出力部あるい
は前記加熱出力部で冷熱出力あるいは加熱出力された熱
媒体を再び前記容器に運搬する出力ポンプと、前記冷却
出力部あるいは前記加熱出力部で冷熱出力あるいは加熱
出力された熱媒体の温度から冷却負荷あるいは加熱負荷
を検出する負荷検出手段と、この負荷検出手段の検出値
に応じた前記回転弁の回転速度と前記出力ポンプの回転
速度とが得られるように、前記弁回転手段および前記出
力ポンプを制御する回転制御手段と、前記負荷検出手段
によって所定の冷却負荷あるいは所定の加熱負荷が検出
された際、前記検出に対応して前記回転弁の回転速度と
前記出力ポンプの回転速度を固定する自己制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
【発明の作用および効果】(請求項1の作用および効
果)起動された場合や、設定温度が変更された場合、つ
まり過渡期においては、負荷検出手段によって、所定の
冷却負荷あるいは所定の加熱負荷が検出されるように、
回転制御手段による複数のセルと出力ポンプの回転速度
制御が成される。そして、負荷検出手段によって所定の
冷却負荷あるいは所定の加熱負荷が検出された定常運転
に移行すると、自己制御手段によって、複数のセルおよ
び出力ポンプの回転速度が固定される。
【0008】このように、定常運転時には、複数のセル
および出力ポンプの回転速度が固定されるため、冷却出
力部の温度が低下するなど、冷却出力部の冷却負荷が低
下すると(あるいは、加熱出力部の加熱負荷が低下する
と)、セル内における水素移動が損なわれて冷却出力
(あるいは加熱出力)が低下して、結果的に冷却出力部
の温度を上昇させる。冷却出力部の温度が上昇するな
ど、冷却出力部の冷却負荷が増加すると(あるいは、加
熱出力部の加熱負荷が増加すると)、セル内における水
素移動が回復して冷却出力(あるいは加熱出力)が増加
して、結果的に冷却出力部の温度を下降させる。
【0009】つまり、定常運転時には、出力が複数のセ
ルの有する能力範囲内であることを判断して複数のセル
および出力ポンプの回転速度を固定することで、セル内
における水素移動の自己制御が成され、結果的に冷却出
力部の負荷(あるいは加熱出力部の負荷)が変動して
も、冷却出力部(あるいは加熱出力部)を設定温度に維
持することができる。
【0010】(請求項2の作用および効果)起動された
場合や、設定温度が変更された場合、つまり過渡期にお
いては、負荷検出手段によって、所定の冷却負荷あるい
は所定の加熱負荷が検出されるように、回転制御手段に
よる回転弁と出力ポンプの回転速度制御が成される。そ
して、負荷検出手段によって所定の冷却負荷あるいは所
定の加熱負荷が検出された定常運転に移行すると、自己
制御手段によって、回転弁および出力ポンプの回転速度
が固定される。
【0011】このように、定常運転時には、回転弁およ
び出力ポンプの回転速度が固定されるため、冷却出力部
の温度が低下するなど、冷却出力部の冷却負荷が低下す
ると(あるいは、加熱出力部の加熱負荷が低下する
と)、セル内における水素移動が損なわれて冷却出力
(あるいは加熱出力)が低下して、結果的に冷却出力部
の温度を上昇させる。冷却出力部の温度が上昇するな
ど、冷却出力部の冷却負荷が増加すると(あるいは、加
熱出力部の加熱負荷が増加すると)、セル内における水
素移動が回復して冷却出力(あるいは加熱出力)が増加
して、結果的に冷却出力部の温度を下降させる。
【0012】つまり、定常運転時には、出力が能力範囲
であることを判断して回転弁および出力ポンプの回転速
度を固定することで、セル内における水素移動の自己制
御が成され、結果的に冷却出力部の負荷(あるいは加熱
出力部の負荷)が変動しても、冷却出力部(あるいは加
熱出力部)を設定温度に維持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、実
施例および変形例に基づき説明する。 〔第1実施例の構成〕第1実施例は、本発明の水素吸蔵
合金を利用した熱利用システムを室内空調用の冷房装置
に適用したもので、この第1実施例を図1ないし図7を
用いて説明する。
【0014】(冷房装置1の概略説明)本実施例の冷房
装置1の概略構成を、図2を用いて説明する。この実施
例では、水素吸蔵合金を用いたヒートポンプサイクル2
の一例として2段式サイクルを用いた。本実施例の適用
される冷房装置1は、大別して、水素吸蔵合金を用いた
ヒートポンプサイクル2と、水素吸蔵合金を加熱する加
熱水(加熱用の熱媒体に相当する、本実施例では水)を
作り出す燃焼装置3と、水素吸蔵合金を冷却させる放熱
水(放熱用の熱媒体に相当する、本実施例では水)を放
熱によって冷却する放熱水冷却手段4と、水素吸蔵合金
の水素放出作用によって生じた吸熱によって冷却された
冷熱出力水(冷熱出力用の熱媒体に相当する、本実施例
では水)で室内を空調する室内空調機5と、搭載された
各電気機能部品を制御する制御装置6とから構成され
る。
【0015】なお、ヒートポンプサイクル2、燃焼装置
3、放熱水冷却手段4および制御装置6は、室外機7と
して室外に設置されるもので、室内には室内空調機5が
配置される。また、本実施例に示す冷房装置1は、1つ
の室外機7に対して、複数の室内空調機5が接続可能な
所謂マルチエアコンである。
【0016】(ヒートポンプサイクル2の説明)本実施
例のヒートポンプサイクル2は、上述のように2段式サ
イクルを用いたもので、図3に示すように、水素吸蔵合
金が封入された上段容器S1 、この上段容器S1 内に水
素通路S4 を介して連通し、水素吸蔵合金が封入された
中段容器S2 、中段容器S2 内に水素通路S4 を介して
連通し、水素吸蔵合金が封入された下段容器S3 を備え
たセルSを複数用いる。なお、この実施例では、12〜
18個のセルSを用いた。
【0017】水素吸蔵合金は、水素平衡圧力が異なる3
種を用いたもので、上段容器S1 内には同一平衡水素圧
で水素平衡温度が最も高い高温度水素吸蔵合金(以下、
高温合金HM)の粉末を封入し、中段容器S2 内には中
温度水素吸蔵合金(以下、中温合金MM)の粉末を封入
し、下段容器S3 内には同一平衡水素圧で水素平衡温度
が最も低い低温度水素吸蔵合金(以下、低温合金LM)
の粉末を封入したものである。このことを図7のPT冷
凍サイクル図を用いて説明すると、水素吸蔵合金の特性
が、相対的に高温側(図示左側)にあるのが高温合金H
M、低温側にあるのが低温合金LM、両者の中間にある
のが中温合金MMである。
【0018】1つのセルSは、ステンレスあるいは銅な
ど、水素透過の無い金属を用いて、真空ろう付けや溶接
等の接合方法により上、中、下段容器S1 、S2 、S3
を偏平容器の最中状に成形し、これらを水素通路S4 が
形成された棒状の連結部S5によって結合した後に、
上、中、下段容器S1 、S2 、S3 の内部に粉末状の水
素吸蔵合金を充填し、真空引きを行ったのち、活性化処
理を施し、水素を高圧充填して開口部に金属蓋をして溶
接により密封したものである。
【0019】各上、中、下段容器S1 、S2 、S3 は、
回転軸8の周囲に巻き付けられた状態に設けられてい
る。この回転軸8は、セル回転手段A(例えば、電動モ
ータによって複数のセルSを直接的あるいはギヤやベル
ト等を介して間接的に回転駆動する手段)によって連続
的に回転駆動されるもので、このセル回転手段Aは制御
装置6によって回転速度が制御される。なお、制御装置
6によるセルSの回転速度制御については後述する。
【0020】各上、中、下段容器S1 、S2 、S3 は、
図3および図4に示すようにデバイダー9によって覆わ
れている。このデバイダー9は、熱媒体を各容器に沿っ
て流すことによって熱媒体の放熱ロスを減少させるとと
もに、熱媒体の流れを整流させて流速を速くして熱交換
量を増大させることで熱交換効率をアップさせるもの
で、さらにセルSが後述する水素駆動部α→第1冷熱出
力部β→第2冷熱出力部γに移動する境界において容器
の対向面が異なった熱媒体に触れる不具合を回避して熱
交換効率をアップさせるものである。
【0021】デバイダー9は、各上、中、下段容器S1
、S2 、S3 を覆うもので、断熱性に優れた樹脂材料
等によって設けられている。このデバイダー9の内面と
容器S1 〜S3 の外面の間には、熱媒体を容器S1 〜S
3 の外面に沿って流す熱媒体通路9aが形成されてい
る。デバイダー9の外端と中心側上部には、熱媒体通路
9aへ熱媒体の供給を行うとともに、熱媒体通路9aを
通過した熱媒体を排出する給排口9bが設けられてい
る。なお、この実施例では、外端の給排口9bが熱媒体
を熱媒体通路9aへ供給する供給口であり、中心側の給
排口9bが熱媒体通路9aを通過した熱媒体を外部へ排
出する排出口で、図3に示すように熱媒体を、外側の給
排口9b→熱媒体通路9a→中心側の給排口9bに流す
例を示すが、逆に中心側から外側へ流しても良い。
【0022】2段式サイクルのヒートポンプサイクル2
は、図3に示すように、上段容器S1 内の水素を強制的
に下段容器S3 内に移動させる水素駆動部αと、下段容
器S3 内に移動した水素を中段容器S2 に移動させる第
1冷熱出力部βと、中段容器S2 内に移動した水素を上
段容器S1 に移動させる第2冷熱出力部γとを備える。
なお、水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力
部γは、略120°間隔に設けられたもので、後述する
凹部M1 、M2 の配置によって区画されている。
【0023】水素駆動部αは、上段容器S1 と接触する
加熱水(例えば80℃ほど)が供給される加熱域α1 、
中段容器S2 と接触する昇圧水(例えば56℃ほど)が
供給される中段昇圧域α2 、下段容器S3 と接触する放
熱水(例えば28℃ほど)が供給される下段放熱域α3
を備える。第1冷熱出力部βは、上段容器S1 と接触す
る昇圧水(例えば58℃ほど)が供給される上段昇圧域
β1 、中段容器S2 と接触する放熱水(例えば28℃ほ
ど)が供給される中段放熱域β2 、下段容器S3 と接触
する冷熱出力水(例えば13℃ほど)が供給される下段
冷熱出力域β3 を備える。第2冷熱出力部γは、上段容
器S1 と接触する放熱水(例えば28℃ほど)が供給さ
れる上段放熱域γ1 、中段容器S2 と接触する冷熱出力
水(例えば13℃ほど)が供給される中段冷熱出力域γ
2 を備える。なお、第2冷熱出力部γにおいて下段容器
S3 と接触する熱媒体の温度は不問であり、その部分を
不問域γ3とする。
【0024】そして、セル回転手段Aにより回転軸8が
回転することにより、上段容器S1の群が加熱域α1 →
上段昇圧域β1 →上段放熱域γ1 を循環するものであ
り、中段容器S2 の群が中段昇圧域α2 →中段放熱域β
2 →中段冷熱出力域γ2 を循環するものであり、下段容
器S3 の群が下段放熱域α3 →下段冷熱出力域β3 →不
問域γ3 を循環するものである。
【0025】上段容器S1 の群は、上段水槽K1 に覆わ
れ、内部に加熱域α1 、上段昇圧域β1 、上段放熱域γ
1 が設けられている。また、中段容器S2 の群は、中段
水槽K2 に覆われ、内部に中段昇圧域α2 、中段放熱域
β2 、中段冷熱出力域γ2 が設けられている。さらに、
下段容器S3 の群は、下段水槽K3 に覆われ、内部に下
段放熱域α3 、下段冷熱出力域β3 、不問域γ3 が設け
られている。
【0026】上段水槽K1 、中段水槽K2 、下段水槽K
3 は、一体的に繋がって設けられた水槽K(例えば、樹
脂製の容器)で、この水槽Kには、図6に示すように、
上、中、下段水槽K1 、K2 、K3 内に熱媒体を給排す
る16本の熱媒体配管10が接続されている。具体的に
は、上段水槽K1 には加熱域α1 、上段昇圧域β1 、上
段放熱域γ1 のための6本の熱媒体配管10が接続さ
れ、中段水槽K2 には中段昇圧域α2 、中段放熱域β2
、中段冷熱出力域γ2 のための6本の熱媒体配管10
が接続され、下段水槽K3 には下段放熱域α3 、下段冷
熱出力域β3 のための4本の熱媒体配管10が接続され
ている。
【0027】上、中、下段水槽K1 、K2 、K3 には、
熱媒体配管10によって供給される熱媒体を、水素駆動
部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γの上、中、
下各域内のデバイダー9の外端の給排口9bに導く凹部
M1 が設けられるとともに、中心側の給排口9bから排
出される熱媒体を収集させる凹部M2 が設けられてお
り、この凹部M1 、M2 の配置および長さにより略12
0°間隔の水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱
出力部γが決定される。各デバイダー9に設けられた給
排口9bは、凹部M1 、M2 が設けられていない水槽K
の内壁に接触、あるいは接近して回転し、凹部M1 、M
2 が設けられていない水槽Kの内壁が水素駆動部α、第
1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γの仕切りとなってい
る。
【0028】(ヒートポンプサイクル2における上記以
外の構成部品の説明)図2に示す符号11は、上段昇圧
域β1 と中段昇圧域α2 とに昇圧水を循環させる昇圧水
循環路で、途中に設けられた昇圧水循環ポンプP1 ’に
よって昇圧水が循環する。なお、昇圧水は、加熱域α1
で温度上昇した上段容器S1 、上段水槽K1 からの伝熱
により温度上昇した水を用いたもので、ヒートポンプサ
イクル2の作動中、上段昇圧域β1 の昇圧水の温度は例
えば58℃程で、中段昇圧域α2 の昇圧水の温度は例え
ば56℃程になる。
【0029】(燃焼装置3の説明)本実施例の燃焼装置
3は、燃料であるガスを燃焼して熱を発生させ、発生し
た熱によって加熱水を加熱するガス燃焼装置を用いたも
ので、ガスの燃焼を行うガスバーナ12、このガスバー
ナ12へガスの供給を行うガス量調節弁13およびガス
開閉弁14を備えたガス供給回路15、ガスバーナ12
へ燃焼用の空気を供給する燃焼ファン16、ガスの燃焼
熱と加熱水とを熱交換する熱交換器17等から構成され
る。そして、ガスバーナ12のガス燃焼で得られた熱
で、加熱水を例えば80℃程に加熱し、加熱された加熱
水を加熱水循環ポンプP1 を備えた加熱水循環路18を
介して加熱域α1 に供給するものである。なお、本実施
例の加熱水循環ポンプP1 は、昇圧水循環ポンプP1 ’
を駆動する兼用のモータによって駆動されるタンデムポ
ンプである。このため、燃焼装置3から加熱水がヒート
ポンプサイクル2に供給される際は、昇圧水も循環作動
するように設けられている。
【0030】(室内空調機5の説明)室内空調機5は、
上述のように室内に配置されるもので、内部に室内熱交
換器19、この室内熱交換器19に供給される冷熱出力
水と室内空気とを強制的に熱交換し、熱交換後の空気を
室内に吹き出させるための室内ファン20を備える。室
内熱交換器19には、下段冷熱出力域β3 および中段冷
熱出力域γ2 から供給される冷熱出力水を循環させる冷
熱出力水循環路21が接続され、この冷熱出力水循環路
21の途中(室外機7内)には、冷熱出力水を循環させ
る冷熱出力水ポンプP2 (出力ポンプに相当する)が設
けられている。
【0031】(放熱水冷却手段4の説明)放熱水冷却手
段4は、水冷開放型の冷却塔であり、この放熱水冷却手
段4によって冷却された放熱水は、放熱水循環ポンプP
3 を備えた放熱水循環路22によって下段放熱域α3 、
中段放熱域β2 、上段放熱域γ1 に供給される。放熱水
冷却手段4は、下段放熱域α3 、中段放熱域β2 、上段
放熱域γ1 を通過した放熱水を、上方から下方へ流し、
流れている間に外気と熱交換して放熱するとともに、流
れている間に一部蒸発させて、蒸発時に流れている放熱
水から気化熱を奪い、流れている放熱水を冷却するもの
である。また、この放熱水冷却手段4は、図示しない放
熱ファンを備え、この放熱ファンの生じる空気流によっ
て放熱水の蒸発および冷却を促進するように設けられて
いる。なお、この実施例では、放熱水冷却手段4として
水冷開放型の冷却塔を示したが、放熱水(放熱用の熱媒
体)が空気に触れずに熱交換する水冷密閉型あるいは空
冷密閉型の冷却手段を用いても良い。
【0032】ここで、上記に示す加熱水循環路18、冷
熱出力水循環路21および放熱水循環路22は、それぞ
れシスターンT1 、T2 、T3 を備えており、シスター
ンT1 、T2 、T3 内の水位が所定水位以下に低下する
と、それぞれに設けられた給水バルブT4 、T5 、T6
が開き、給水管23から供給される水道水をシスターン
T1 、T2 、T3 内に補充するように設けられている。
また、ヒートポンプサイクル2の下部にはドレンパンP
が配置され、ヒートポンプサイクル2に発生したドレン
水を排水管24から排水するように設けられている。な
お、放熱水冷却手段4で溢れた水も排水管24から排水
するように設けられている。
【0033】(制御装置6の説明)制御装置6は、図1
に示すように、室内空調機5に設けられたコントローラ
CRからの操作指示や、複数設けられた各センサSSの
入力信号に応じて、上述の加熱水循環ポンプP1 (昇圧
水循環ポンプP1 ’)、冷熱出力水ポンプP2 、放熱水
循環ポンプP3 、給水バルブT4 、T5 、T6 、放熱水
冷却手段4の放熱ファンなどの電気機能部品、および燃
焼装置3の電気機能部品(点火装置12a、ガス量調節
弁13、ガス開閉弁14、燃焼ファン16等)を制御す
るとともに、室内空調機5に室内ファン20の作動指示
を与えるものである。なお、各センサSSの中には、室
内空調機5から水槽Kに戻される冷熱出力水の戻り温度
を検出する温度センサOSが含まれており、この温度セ
ンサOSは、室内(冷却出力部に相当する)で冷熱出力
された熱媒体の温度から冷却負荷を検出する負荷検出手
段に相当するものである。
【0034】制御装置6は、起動された場合や、設定温
度が変更された場合、つまり過渡期において、コントロ
ーラCRで設定された室温となるように、セル回転手段
AによるセルSの回転速度と冷熱出力水ポンプP2 の回
転速度とを決定する回転制御手段6aを備える。
【0035】また、制御装置6は、室温が設定温度に達
した後の定常運転時において、水素移動の自己制御によ
って、冷房負荷が変動しても、室内温度を設定温度に保
つための自己制御手段6bを備える。この自己制御手段
6bは、過渡期から定常運転に移行したことを検出する
手段として、温度センサOSの検出する冷熱出力水の戻
り温度が所定温度(例えば13℃)に安定した際に、定
常運転に移行したと判断するものである。そして、この
自己制御手段6bは、過渡期から定常運転に移行する
と、セル回転手段AによるセルSの回転速度と冷熱出力
水ポンプP2 の回転速度とを、その時点の回転速度に固
定するものである。
【0036】室温が設定温度に達して、自己制御手段6
bにより、セルSの回転速度と冷熱出力水ポンプP2 の
回転速度とが固定された状態で、室内の温度が低下する
と(つまり、冷却負荷が小さくなると)、戻り冷却出力
水の温度が低下してセルS内における水素移動が損なわ
れ、場合によっては水素移動が成されなくなり、結果的
に冷熱出力水の冷却能力が損なわれ、室温を上昇させる
ように作用する。これに対し、室内の温度が上昇すると
(つまり、冷却負荷が大きくなると)、戻り冷却出力水
の温度が上昇してセルS内における水素移動が回復し、
結果的に冷熱出力水の冷却能力が上昇して、室温を下げ
るように作用する。つまり、定常運転時には、自己制御
手段6bがセルSと冷熱出力水ポンプP2の回転速度を
固定することで、セルS内における水素移動の自己制御
が成され、結果的に冷却負荷が変動しても、室内温度を
設定温度に維持できる。
【0037】一方、この実施例の制御装置6は、放熱水
冷却手段4の図示しない放熱ファンの回転速度および放
熱水循環ポンプP3 の回転速度を制御する放熱温度制御
手段6cの機能を備える。この放熱温度制御手段6c
は、水槽Kに供給される放熱水の温度が、所定温度(例
えば28℃)となるように、放熱ファンおよび放熱水循
環ポンプP3 の回転速度をフィードバック制御するもの
である。
【0038】また、この実施例の制御装置6は、燃焼装
置3の燃焼量を制御する燃焼量制御手段6dの機能を備
える。この燃焼量制御手段6dは、水槽Kに供給される
加熱水の温度が、所定温度(例えば80℃)となるよう
に、ガス量調節弁13の開度をフィードバック制御して
ガス量を制御するものである。
【0039】(冷房運転の作動説明)上記の冷房装置1
による冷房運転の作動を、図7のPT冷凍サイクル線図
を参照して説明する。冷房運転が室内空調機5のコント
ローラによって指示されると、制御装置6によって、燃
焼装置3、セル回転手段A、放熱ファンおよび加熱水循
環ポンプP1(昇圧水循環ポンプP1 ’)、冷熱出力水
ポンプP2 、放熱水循環ポンプP3 が作動するととも
に、冷房が指示された室内空調機5の室内ファン20を
ONする。
【0040】セル回転手段Aによって、複数のセルSが
連続的に回転移動する。これによって、複数のセルS
が、水素駆動部α→第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部
γの順で移動する。つまり、各上段容器S1 が加熱域α
1 →上段昇圧域β1 →上段放熱域γ1 の順で移動し、各
中段容器S2 が中段昇圧域α2 →中段放熱域β2 →中段
冷熱出力域γ2 の順で移動し、各下段容器S3 が下段放
熱域α3 →下段冷熱出力域β3 →不問域γ3 の順で移動
する。
【0041】水素駆動部αへ進入したセルSは、上段容
器S1 が加熱水に触れ、中段容器S2 が昇圧水に触れ、
下段容器S3 が放熱水に触れる。上段容器S1 が加熱水
(80℃)に触れることにより、上段容器S1 の内圧が
上昇し、高温合金HMが水素を放出する。中段容器S2
が昇圧水(56℃)に触れることにより、中段容器S2
の内圧が中温合金MMが水素を吸蔵しない圧力まで上昇
する。下段容器S3 が放熱水(28℃)に触れることに
より、下段容器S3 の内圧が下がり、低温合金LMが水
素を吸蔵する。
【0042】このように、上段容器S1 が加熱域α1 で
加熱水に触れ、中段容器S2 が中段昇圧域α2 で昇圧水
に触れ、下段容器S3 が下段放熱域α3 の放熱水に触れ
ることにより、上段容器S1 内が80℃:1.0MP
a、中段容器S2 内が56℃:1.0MPa、下段容器
S3 内が28℃:0.9MPaとなり、上段容器S1 の
高温合金HMが水素を放出し(図7の)、下段容器S
3 の低温合金LMが水素を吸蔵する(図7の)。な
お、中段容器S2 は昇圧水によって加熱されて内圧が高
く、中温合金MMは水素の吸蔵は行わない。そして、水
素駆動部αを通過したセルSは、その後第1冷熱出力部
βへ移動する。
【0043】第1冷熱出力部βへ進入したセルSは、上
段容器S1 が昇圧水に触れ、中段容器S2 が放熱水に触
れ、下段容器S3 が冷熱出力水に触れる。上段容器S1
が昇圧水(58℃)に触れることにより、上段容器S1
の内圧が高温合金HMが水素を吸蔵しない圧力まで上昇
する。中段容器S2 が放熱水(28℃)に触れることに
より、中段容器S2 の内圧が下がり、中温合金MMが水
素を吸蔵し、下段容器S3 の低温合金LMが水素を放出
する。低温合金LMが水素を放出するため、下段容器S
3 内で吸熱が生じ、下段容器S3 に触れる冷熱出力水が
例えば7℃に冷やされる。なお、低温合金LMは、冷熱
出力水が13℃くらいでは、下段容器S3 の内圧が中段
容器S2 の内圧より高くなるように設けられている。
【0044】このように、上段容器S1 が上段昇圧域β
1 で昇圧水に触れ、中段容器S2 が中段放熱域β2 で放
熱水に触れ、下段容器S3 が下段冷熱出力域β3 の冷熱
出力水に触れることにより、上段容器S1 内が58℃:
0.5MPa、中段容器S2内が28℃:0.4MP
a、下段容器S3 内が13℃:0.5MPaとなり、下
段容器S3 の低温合金LMが水素を放出し(図7の
)、中段容器S2 の中温合金MMが水素を吸蔵する
(図7の)。下段容器S3 の低温合金LMが水素を放
出する際、吸熱作用により下段容器S3 に触れる冷熱出
力水から熱を奪い冷熱出力水の温度を低下させる。な
お、上段容器S1 は、昇圧水によって加熱されて内圧が
高く、高温合金HMは水素の吸蔵は行わない。そして、
第1冷熱出力部βを通過したセルSは、その後第2冷熱
出力部γへ移動する。
【0045】第2冷熱出力部γへ進入したセルSは、上
段容器S1 が放熱水に触れ、中段容器S2 が冷熱出力水
に触れ、下段容器S3 が不問水に触れる。上段容器S1
が放熱水(28℃)に触れることにより、上段容器S1
の内圧が下がり、高温合金HMが水素を吸蔵し、中段容
器S2 の中温合金MMが水素を放出する。中温合金MM
が水素を放出するため、中段容器S2 内で吸熱が生じ、
中段容器S2 に触れる冷熱出力水が例えば7℃に冷やさ
れる。なお、中温合金MMは、冷熱出力水が13℃くら
いでは、中段容器S2 の内圧が上段容器S1 の内圧より
高くなるように設けられている。
【0046】このように、上段容器S1 が上段放熱域γ
1 で放熱水に触れることにより、上段容器S1 内が28
℃:0.1MPa、中段容器S2 内が13℃:0.2M
Pa、下段容器S3 内は不問状態となり、中段容器S2
の中温合金MMが水素を放出し(図7の)、上段容器
S1 の高温合金HMが水素を吸蔵する(図7の)。中
段容器S2 の中温合金MMが水素を放出する際、吸熱作
用により中段容器S2に触れる冷熱出力水から熱を奪い
冷熱出力水の温度を低下させる。なお、下段容器S3 の
温度は無関係で、下段容器S3 の低温合金LMは水素の
吸蔵は行わない。そして、第2冷熱出力部γを通過した
セルSは、その後水素駆動部αへ移動する。
【0047】なお、ヒートポンプサイクル2の下段冷熱
出力域β3 および中段冷熱出力域γ2 で熱を奪われた低
温の冷熱出力水は、冷熱出力水循環路21を介して室内
空調機5の室内熱交換器19に供給されて、室内に吹き
出される空気と熱交換されて室内を冷房する。
【0048】〔実施例の効果〕起動後、あるいは設定温
度変更後に、定常運転に移行すると、制御装置6の自己
制御手段6bがセルSの回転速度と冷熱出力水ポンプP
2 の回転速度とを固定する。このため、冷却負荷が低下
して室内の温度が低下すると、図7の、の温度低下
により、セルS内における水素移動が損なわれて、結果
的に冷熱出力水の冷却能力が損なわれ、室温を上昇させ
るように作用する。そして、室内の温度が上昇すると、
図7の、の温度が上昇し、セルS内における水素移
動が回復し、結果的に冷熱出力水の冷却能力が上昇し
て、室温を下げるように作用する。
【0049】つまり、定常運転時には、自己制御手段6
bがセルSと冷熱出力水ポンプP2の回転速度を固定す
ることで、セルS内における水素移動の自己制御が成さ
れ、結果的に冷却負荷が変動しても、室内温度を設定温
度に維持できる。特に、冷却負荷が極めて小さい時で
も、冷熱出力ゼロが得られるため、確実に室温を設定温
度に維持できる。
【0050】〔第1実施例の変形例〕次に、上記第1実
施例を冷暖房装置に適用した変形例を示す。なお、図8
は本変形例を適用した冷暖房装置の概略構成図である。
本変形例の冷暖房装置30は、上記の第1実施例で示し
た冷房運転の実施に加え、暖房運転時に、燃焼装置3で
加熱された加熱水を室内空調機5の室内熱交換器19に
導いて室内暖房を行うもので、第1実施例で示した加熱
水循環路18と冷熱出力水循環路21とを接続し、その
接続部分に流路切替用の3つの切替バルブV1 、V2 、
V3 (冷房と暖房の切替バルブ)を設けたものである。
なお、室内空調機5の他に、床暖房マット、浴室乾燥機
などに接続し、加熱水の供給によって床暖房、浴室暖房
などを行うように設けても良い。
【0051】〔第2実施例〕図9ないし図11は第2実
施例を示すもので、図9は複数のセルSが固定配置され
るタイプの冷房装置の概略構成図である。上記の実施例
では、複数のセルSを水槽K内で回転させることで各容
器に触れる熱媒体の種類を切り替える例を示したが、こ
の第2実施例では複数(この実施例では3つ)のセルS
を固定し、回転によって複数の熱媒体を切り替えて出力
する回転式の回転式分配器40と、分配された複数の熱
媒体を再び収集して熱媒体源へ戻す回転式収集器41と
によって、セルSとデバイダー9の間に形成される熱媒
体通路9aに熱媒体の種類を切り替えて供給するもので
ある。
【0052】上記回転式分配器40と回転式収集器41
は、入力方向と出力方向が逆になるだけで、他は同一構
成のものであり、回転式分配器40を図10を参照して
説明する。回転式分配器40は、筒形状を呈したハウジ
ング42と、このハウジング42の内部を回転する回転
弁43と、この回転弁43を回転駆動する弁回転手段
(図示しない、例えば第1実施例同様にモータを利用し
たもの)とからなる。なお、この弁回転手段は、回転弁
43を120°ずつ段階的に回転させるものである(例
えば、1分間毎に120°ずつの回転)。
【0053】ハウジング42の上半部には、加熱水、昇
圧水、放熱水、冷熱出力水、不問水の供給を受ける5つ
の入力ポート42aが設けられている。この5つの入力
ポート42aは水平方向に一致しないように上下方向
(軸方向)にずらして設けられている。また、ハウジン
グ42の下半部には、120°間隔で、且つ縦方向に3
つずつの合計9つの出力ポート42bが設けられてい
る。各縦列の内の上段の出力ポート42bはそれぞれ同
じ高さに設けられ、中段の出力ポート42bもそれぞれ
同じ高さに設けられ、下段の出力ポート42bもそれぞ
れ同じ高さに設けられている。そして縦方向に3つずつ
並ぶ3列の出力ポート42bは、回転弁43の回転によ
って分配される加熱水−昇圧水−放熱水、昇圧水−放熱
水−冷熱出力水、放熱水−冷熱出力水−不問水の3組の
熱媒体を、3つのセルSに向けて出力するものである。
【0054】回転弁43は、5つの入力ポート42aに
合致して、5つの入力ポート42aから入力される5種
類の熱媒体を受ける5つの環状の外周溝43aを備え
る。また、回転弁43は、120°間隔で縦方向に3組
の熱媒体(加熱水−昇圧水−放熱水、昇圧水−放熱水−
冷熱出力水、放熱水−冷熱出力水−不問水)を同時に出
力するための5つの傾斜溝43bを備える。なお、各入
力ポート42aの上下および各傾斜溝43bの周囲には
図示しないシール用のパッキングが設けられている。外
周溝43aと傾斜溝43bとは回転弁43の内部で連通
している。具体的には、回転弁43の内部には上下方向
に伸びる5本の内部連通路が設けられており、5つの外
周溝43a内には対応する内部連通路に熱媒体を導く連
通穴がそれぞれ設けられている。また、傾斜溝43b内
にも対応する内部連通路から熱媒体を導く連通穴がそれ
ぞれ設けられており、各入力ポート42aから各外周溝
43aに供給された熱媒体が、各外周溝43a内の連通
穴→各内部連通路→各傾斜溝43b内の連通穴を通って
各傾斜溝43bに導かれ、合致する出力ポート42bを
介して熱交換器に供給されるように設けられている。
【0055】このように、ハウジング42内で回転弁4
3が120°ずつ回転することにより、回転式分配器4
0と回転式収集器41が、複数のセルSの各室と熱交換
する熱媒体の供給状態を、複数のセルS毎においてそれ
ぞれが異なった室に水素移動するように切り替える。つ
まり、ハウジング42に対して回転弁43が0°の位置
の時、図11の上段に示すように、3つのセルSの内、
1列目(図示左側)のセルSが水素駆動部αになり、2
列目(図示中央)のセルSが第1冷熱出力部βになり、
3列目(図示右側)のセルSが第2冷熱出力部γにな
る。ハウジング42に対して回転弁43が120°の位
置の時は、図11の中段に示すように、3つのセルSの
内、1列目のセルSが第1冷熱出力部βになり、2列目
のセルSが第2冷熱出力部γになり、3列目のセルSが
水素駆動部αになる。ハウジング42に対して回転弁4
3が240°の位置の時は、図11の下段に示すよう
に、3つのセルSの内、1列目のセルSが第2冷熱出力
部γになり、2列目のセルSが水素駆動部αになり、3
列目のセルSが第1冷熱出力部βになる。さらに、回転
弁43が120°ずつ回転することにより、上記が繰り
返される。
【0056】回転式分配器40および回転式収集器41
の回転速度、つまり熱媒体の切替速度は、制御装置6に
よって制御される。制御装置6は、第1実施例と同様、
回転制御手段6a、自己制御手段6b、放熱温度制御手
段6cおよび燃焼量制御手段6dの機能を有するもの
で、回転制御手段6aおよび自己制御手段6bは、第1
実施例のセルSの回転速度の回転制御および固定制御に
代えて回転式分配器40および回転式収集器41を制御
するものである。そして、この回転制御手段6aおよび
自己制御手段6bの機能によって、第1実施例と同様の
効果を得ることができる。
【0057】〔変形例〕上記の実施例では、各容器の周
囲にデバイダー9を設けた例を示したが、デバイダー9
を用いなくても良い。具体的な一例を示すと、図12に
示すように、各上、中、下段容器S1 、S2、S3 を回
転軸8の周りに巻き付けられた状態で配置するととも
に、上、中、下段容器S1 、S2 、S3 と、隣接する他
の上、中、下段容器S1 、S2 、S3 との間に略同幅の
隙間を設け、その隙間に熱媒体が流されるように設けて
も良い。このようにデバイダー9を廃止しても、隙間が
略同幅であるため、その隙間を流れる熱媒体の流速が一
定になり、熱媒体の熱交換ロスが減り、ヒートポンプサ
イクル2の冷却効率を高めることができる。
【0058】上記の第1実施例では、複数のセルSをセ
ル回転手段Aによって連続的に回転させた例を示した
が、セルSを間欠的に回転移動させても良い。上記の実
施例では、説明を容易化するために、上下方向に上段容
器S1 、中段容器S2 、下段容器S3 とした例を示した
が、上下の配置を入れ替えたり各容器S1、S2、S3
を横に配置して水平な回転軸の周りを回転させるなどし
ても良い。このような場合は、勿論、各容器に供給する
各熱媒体もヒートポンプサイクルが成り立つように入れ
替える。
【0059】上記の実施例では、昇圧用の熱媒体とし
て、加熱域α1 で温度上昇した上段容器S1 を冷却して
温度上昇した熱媒体(実施例中では昇圧水)を用いた例
を示したが、加熱手段(例えば、燃焼装置による昇温、
電気ヒータによる昇温、排熱を利用した昇温など)によ
って昇温した熱媒体を用いても良い。上記の実施例で
は、ヒートポンプサイクル2の一例として、2段式サイ
クルを用いた例を示したが、1段式サイクルに用いても
良いし、第2容器を3つ以上分割して3段式以上のサイ
クルとして用いても良い。
【0060】上記の実施例では、1つの室外機7に複数
の室内空調機5が接続可能なマルチエアコンを示した
が、1つの室外機7に1つの室内空調機5が接続される
エアコンに本発明を適用しても良い。上記の実施例で
は、ヒートポンプサイクル2によって得られた冷熱出力
用の熱媒体(実施例中では冷熱水)で室内を冷房する例
を示したが、冷熱出力用の熱媒体で冷蔵運転や冷凍運転
に用いるなど、本発明を他の冷却装置として用いても良
い。上記の実施例では、1つのヒートポンプユニット
(1つの水槽K内に複数のセルSを収納したユニット)
を用いた例を示したが、複数のヒートポンプユニットを
搭載して冷却能力を増大させ、ビル用空調システムなど
大きな冷却能力が要求される冷却装置に用いても良い。
【0061】上記の実施例では、加熱用の熱媒体(実施
例中では加熱水)を加熱する加熱手段として、ガスを燃
焼するガス燃焼装置を用いたが、石油を燃焼する石油燃
焼装置など、他の燃焼装置を用いても良いし、内燃機関
の排熱によって加熱用の熱媒体を加熱する加熱手段、ボ
イラーによる蒸気、電気ヒータを用いた加熱手段など、
他の加熱手段を用いても良い。なお、内燃機関の排熱を
利用する際は、車両用に用いることもできる。上記の実
施例では、各熱媒体の一例として、水道水を用いたが、
不凍液やオイルなど他の液体の熱媒体を用いても良い
し、空気など気体の熱媒体を用いても良い。上記の実施
例では、水素吸蔵合金が水素を放出する際の吸熱作用に
より冷熱出力を得る冷却装置を例に示したが、水素吸蔵
合金が水素を吸蔵する際の放熱作用により温熱出力を得
る加熱装置(例えば暖房装置など)に本発明を適用して
も良い。
【0062】上記の実施例では、放熱水冷却手段4によ
る放熱水の供給温度を一定温度に制御した例を示した
が、冷房負荷等に応じて放熱水の供給温度を変化させて
も良い。上記の実施例では、燃焼装置3による加熱水の
供給温度を一定温度に制御した例を示したが、冷房負荷
等に応じて加熱水の温度を変化させても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御装置の概略図である(第1実施例)。
【図2】冷房装置の概略構成図である(第1実施例)。
【図3】ヒートポンプサイクルの作動説明図である(第
1実施例)。
【図4】デバイダーが設けられたセルの斜視図である
(第1実施例)。
【図5】セルの部分斜視図である(第1実施例)。
【図6】ヒートポンプユニットの斜視図である(第1実
施例)。
【図7】PT冷凍サイクル線図である(第1実施例)。
【図8】冷暖房装置の概略構成図である(第1実施例の
変形例)。
【図9】冷房装置の概略構成図である(第2実施例)。
【図10】回転式分配器の説明図である(第2実施
例)。
【図11】作動の移り変わりを示す説明図である(第2
実施例)。
【図12】回転軸に組付けられた複数のセルを軸方向か
ら見た図である(変形例)。
【符号の説明】
A セル回転手段 HM 高温合金(水素吸蔵合金) MM 中温合金(水素吸蔵合金) LM 低温合金(水素吸蔵合金) OS 温度センサ(負荷検出手段) P2 冷熱出力水ポンプ(出力ポンプ) S セル S1 上段容器 S2 中段容器 S3 下段容器 S4 水素通路 6 制御装置 6a 回転制御手段 6b 自己制御手段 40 回転式分配器 41 回転式収集器 42 ハウジング 43 回転弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素吸蔵合金の水素の放出時の吸熱、ある
    いは水素の吸蔵時の放熱を利用した水素吸蔵合金を利用
    した熱利用システムであって、 水素通路で連通された複数の容器内に水素平衡圧力が異
    なる水素吸蔵合金を封入した複数のセルと、 この複数のセルを回転移動し、前記複数の容器に触れて
    熱交換される熱媒体を変更させるセル回転手段と、 前記容器に触れて冷却された熱媒体あるいは加熱された
    熱媒体を冷却出力部あるいは加熱出力部に運搬するとと
    もに、前記冷却出力部あるいは前記加熱出力部で冷熱出
    力あるいは加熱出力された熱媒体を再び前記容器に運搬
    する出力ポンプと、 前記冷却出力部あるいは前記加熱出力部で冷却出力ある
    いは加熱出力された熱媒体の温度から冷却負荷あるいは
    加熱負荷を検出する負荷検出手段と、 この負荷検出手段の検出値に応じた前記セルの回転速度
    と前記出力ポンプの回転速度とが得られるように、前記
    セル回転手段および前記出力ポンプを制御する回転制御
    手段と、 前記負荷検出手段によって所定の冷却負荷あるいは所定
    の加熱負荷が検出された際、前記検出に対応して前記セ
    ルの回転速度と前記出力ポンプの回転速度を固定する自
    己制御手段と、を備えることを特徴とする水素吸蔵合金
    を利用した熱利用システム。
  2. 【請求項2】水素吸蔵合金の水素の放出時の吸熱、ある
    いは水素の吸蔵時の放熱を利用した水素吸蔵合金を利用
    した熱利用システムであって、 水素通路で連通された複数の容器内に水素平衡圧力が異
    なる水素吸蔵合金を封入した複数のセルと、 ハウジング内で回転駆動される回転弁、およびこの回転
    弁を回転移動させる弁回転手段を備え、前記回転弁の回
    転によって温度の異なる熱媒体を前記複数の容器に切り
    替えて供給する回転式分配器と、 前記容器に触れて冷却された熱媒体あるいは加熱された
    熱媒体を冷却出力部あるいは加熱出力部に運搬するとと
    もに、前記冷却出力部あるいは前記加熱出力部で冷熱出
    力あるいは加熱出力された熱媒体を再び前記容器に運搬
    する出力ポンプと、 前記冷却出力部あるいは前記加熱出力部で冷熱出力ある
    いは加熱出力された熱媒体の温度から冷却負荷あるいは
    加熱負荷を検出する負荷検出手段と、 この負荷検出手段の検出値に応じた前記回転弁の回転速
    度と前記出力ポンプの回転速度とが得られるように、前
    記弁回転手段および前記出力ポンプを制御する回転制御
    手段と、 前記負荷検出手段によって所定の冷却負荷あるいは所定
    の加熱負荷が検出された際、前記検出に対応して前記回
    転弁の回転速度と前記出力ポンプの回転速度を固定する
    自己制御手段と、を備えることを特徴とする水素吸蔵合
    金を利用した熱利用システム。
JP10282754A 1998-10-05 1998-10-05 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム Pending JP2000111194A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10282754A JP2000111194A (ja) 1998-10-05 1998-10-05 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10282754A JP2000111194A (ja) 1998-10-05 1998-10-05 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000111194A true JP2000111194A (ja) 2000-04-18

Family

ID=17656636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10282754A Pending JP2000111194A (ja) 1998-10-05 1998-10-05 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000111194A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6066143B1 (ja) * 2015-12-15 2017-01-25 株式会社クリーンプラネット 発熱システム
JP2017110899A (ja) * 2016-09-30 2017-06-22 株式会社クリーンプラネット 発熱システム
CN110425747A (zh) * 2019-08-01 2019-11-08 广东志高暖通设备股份有限公司 一种适用于变频热泵热水器的变频水泵控制方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6066143B1 (ja) * 2015-12-15 2017-01-25 株式会社クリーンプラネット 発熱システム
WO2017104602A1 (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 株式会社クリーンプラネット 発熱システム
US10641525B2 (en) 2015-12-15 2020-05-05 Clean Planet Inc. Heat generating system
JP2017110899A (ja) * 2016-09-30 2017-06-22 株式会社クリーンプラネット 発熱システム
CN110425747A (zh) * 2019-08-01 2019-11-08 广东志高暖通设备股份有限公司 一种适用于变频热泵热水器的变频水泵控制方法
CN110425747B (zh) * 2019-08-01 2021-04-09 广东志高暖通设备股份有限公司 一种适用于变频热泵热水器的变频水泵控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000111194A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3644661B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JPH11294888A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3694577B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP2000111195A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3694571B2 (ja) 水素吸蔵合金を使用した冷却システム
JP3911364B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3594436B2 (ja) 水素吸蔵式冷却装置
JP3850558B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3872913B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3694575B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3534560B2 (ja) 水素吸蔵式冷却装置
JP3734950B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3734983B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3911357B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3813340B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3734984B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3734949B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの容器、およびその容器への水素充填方法
JP3534559B2 (ja) 水素吸蔵式冷却装置
JP3838801B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3859379B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3734960B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JPH11118285A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3850587B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP2000039225A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム