JP3355116B2 - 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム - Google Patents

水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

Info

Publication number
JP3355116B2
JP3355116B2 JP30704097A JP30704097A JP3355116B2 JP 3355116 B2 JP3355116 B2 JP 3355116B2 JP 30704097 A JP30704097 A JP 30704097A JP 30704097 A JP30704097 A JP 30704097A JP 3355116 B2 JP3355116 B2 JP 3355116B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
hydrogen
water
container
storage alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30704097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11142013A (ja
Inventor
勤 丸橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Metals and Chemical Co Ltd
Rinnai Corp
Original Assignee
Japan Metals and Chemical Co Ltd
Rinnai Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Metals and Chemical Co Ltd, Rinnai Corp filed Critical Japan Metals and Chemical Co Ltd
Priority to JP30704097A priority Critical patent/JP3355116B2/ja
Publication of JPH11142013A publication Critical patent/JPH11142013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3355116B2 publication Critical patent/JP3355116B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金の水
素の吸蔵と放出とを繰り返して行わせて、水素の放出時
に生じる吸熱作用を利用して冷熱を得る、あるいは水素
の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して温熱を得る水素吸
蔵合金を利用した熱利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水素吸蔵合金を利用した熱利用シ
ステムを、図12を用いて説明する。水素吸蔵合金を用
いたヒートポンプサイクルJ1 は、水素吸蔵合金J2 の
加熱、放熱および冷熱出力を得るためにシェル&チュー
ブタイプの熱交換器を用いていた。この従来技術で示す
ヒートポンプサイクルJ1 は、4つのシェル&チューブ
タイプの熱交換器J3 〜J6 を用いたもので、各熱交換
器J3 〜J6 は水素吸蔵合金J2 と熱媒体とが熱交換可
能に設けられている。第1、第2熱交換器J3 、J4 の
水素吸蔵合金J2 は水素通路を介して連通し、第3、第
4熱交換器J5 、J6 の水素吸蔵合金J2 も水素通路を
介して連通して設けられている。
【0003】作動は、第1熱交換器J3 に加熱用の熱媒
体を供給するとともに、第2熱交換器J4 に放熱用の熱
媒体を供給する。すると、第1熱交換器J3 の水素が放
出されて第2熱交換器J4 に吸蔵される。つまり、水素
駆動が行われる。次に、第1熱交換器J3 に供給してい
た加熱用の熱媒体を、放熱用の熱媒体に切り替えて供給
するとともに、第2熱交換器J4 に供給していた放熱用
の熱媒体を、冷熱出力用の熱媒体に切り替えて供給す
る。すると、第1熱交換器J3 が水素を吸蔵し、第2熱
交換器J4 が水素を放出する。この第2熱交換器J4 が
水素を放出する時、冷熱出力用の熱媒体が冷却される。
つまり、冷熱出力が得られる。そして、上記のサイクル
を繰り返す。
【0004】一方、第2熱交換器J4 から冷熱出力を得
ている時は、第3熱交換器J5 に加熱用の熱媒体を供給
するとともに、第4熱交換器J6 に放熱用の熱媒体を供
給する。すると、第3熱交換器J5 の水素が放出されて
第4熱交換器J6 に吸蔵される。つまり、第1、第2熱
交換器J3 、J4 で冷熱出力を得ている時は、第3、第
4熱交換器J5 、J6 で水素駆動が行われる。次に、第
3熱交換器J5 に供給していた加熱用の熱媒体を、放熱
用の熱媒体に切り替えて供給するとともに、第4熱交換
器J6 に供給していた放熱用の熱媒体を、冷熱出力用の
熱媒体に切り替えて供給する。すると、第3熱交換器J
5 が水素を吸蔵し、第4熱交換器J6 が水素を放出す
る。この第4熱交換器J6 が水素を放出する時、冷熱出
力用の熱媒体が冷却される。つまり、第1、第2熱交換
器J3 、J4 で水素駆動が行われている時は、第3、第
4熱交換器J5 、J6 で冷熱出力が得られる。そして、
上記のサイクルを繰り返す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、水素吸蔵合金
を利用した熱利用システムにおいては、水素吸蔵合金と
熱媒体との熱交換効率向上のため、水素吸蔵合金が封入
される容器(上記の従来技術ではチューブ)の壁厚を薄
くすることが望まれる。しかし、水素吸蔵合金が封入さ
れる容器は、内部の水素吸蔵合金に水素を付与するため
に、一旦真空引きされた後、水素が高圧供給(例えば、
1.5MPa)され、また熱利用システムの作動時に容
器内の水素平衡圧力が約0.1〜1MPaの範囲で変化
するため、低圧と高圧の両方に耐える必要がある。この
ため、上記容器を薄肉に設けると、真空引き時の低圧、
あるいは水素充填時およびシステム作動時の水素平衡圧
力による高圧によって容器が変形する不具合があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、水素吸蔵合金を封入する容器を薄
肉化しても、真空引き時の低圧、あるいは水素充填時お
よびシステム作動時の高圧を受けても容器が変形するこ
とのない水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの提供
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金を
利用した熱利用システムは、上記の目的を達成するため
に、次の技術的手段を採用した。水素吸蔵合金を利用し
た熱利用システムは、水素吸蔵合金の水素の放出時の吸
熱、または水素の吸蔵時の放熱を利用したものであっ
て、水素吸蔵合金を封入する容器は、内部対向面間に亘
って、引張、圧縮応力の高い材質からなる多数の耐圧柱
を配設し、内部対向面と前記耐圧柱とがろう付けによっ
て接合され、前記耐圧柱は、金属製の薄板を蛇行して形
成したコルゲートフィンあるいはフィンピッチがずれて
形成されたオフセットフィンであり、前記コルゲートフ
ィンあるいは前記オフセットフィンは、フィン形状が方
形波形状に設けられ、前記コルゲートフィンあるいは前
記オフセットフィンの平面部が前記容器の内部対向面に
ろう付け接合されるものであり、前記容器における対向
面の外側には、前記容器の両側面に沿って、前記容器内
に封入された水素吸蔵合金と熱交換を行う熱媒体が流れ
る熱媒体通路が形成されることを特徴とする。
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の作用および効果】水素吸蔵合金を封入する容器
の対向面間に亘って多数の耐圧柱を配設し、内部対向面
と耐圧柱とを接合したことにより、容器の対向面の距離
を一定に保つ。このため、容器の内部に封入された水素
吸蔵合金に水素を付与するための真空引きや水素の高圧
充填を行っても、多数の耐圧柱が対向面の距離を一定に
保って容器の変形を抑えることができ、容器の薄肉化が
可能になる。このように、水素吸蔵合金を封入する容器
が薄肉化できるため、水素吸蔵合金と熱媒体との熱交換
効率が向上する。
【0011】耐圧柱にコルゲートフィンあるいはオフセ
ットフィンを用いることにより、耐圧柱が一体化されて
構造が簡単になるとともに、連続した耐圧柱とすること
ができるため、耐圧の効果が均一化される。
【0012】耐圧柱を構成するコルゲートフィンあるい
はオフセットフィンのフィン形状が、方形波形状に設け
られているため、耐圧柱は容器の壁に対して直角方向と
なり、圧縮方向または引張方向と同一方向になる。この
ため、耐圧柱自体の材質の耐力内で使用する限り、耐圧
柱の曲げ変形は生じ難く、容器の変形を一層抑えること
ができる。また、耐圧柱と容器との接触部が平面にな
り、接合強度が大変大きくなる。このため、容器内の高
圧により、容器が膨らもうとしても、耐圧柱が容器から
はがれ難い。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、実
施例および変形例に基づき説明する。 〔第1実施例の構成〕第1実施例は、本発明の水素吸蔵
合金を利用した熱利用システムを室内空調用の冷房装置
に適用したもので、この第1実施例を図1ないし図7を
用いて説明する。
【0014】(冷房装置1の概略説明)本実施例の冷房
装置1の概略構成を、図4を用いて説明する。この実施
例では、水素吸蔵合金を用いたヒートポンプサイクル2
の一例として2段式サイクルを用いた。
【0015】本実施例の適用される冷房装置1は、大別
して、水素吸蔵合金を用いたヒートポンプサイクル2
と、水素吸蔵合金を加熱する加熱水(加熱用の熱媒体に
相当する、本実施例では水)を作り出す燃焼装置3と、
水素吸蔵合金を冷却させる放熱水(放熱用の熱媒体に相
当する、本実施例では水)を放熱によって冷却する放熱
水冷却手段4と、水素吸蔵合金の水素放出作用によって
生じた吸熱によって冷却された冷熱出力水(冷熱出力用
の熱媒体に相当する、本実施例では水)で室内を空調す
る室内空調機5と、搭載された各電気機能部品を制御す
る制御装置6とから構成される。
【0016】なお、ヒートポンプサイクル2、燃焼装置
3、放熱水冷却手段4および制御装置6は、室外機7と
して室外に設置されるもので、室内には室内空調機5が
配置される。また、本実施例に示す冷房装置1は、1つ
の室外機7に対して、複数の室内空調機5が接続可能な
所謂マルチエアコンである。
【0017】(ヒートポンプサイクル2の説明)本実施
例のヒートポンプサイクル2は、上述のように2段式サ
イクルを用いたもので、図5に示すように、水素吸蔵合
金が封入された上段容器S1 、この上段容器S1 内に水
素通路S4 を介して連通し、水素吸蔵合金が封入された
中段容器S2 、中段容器S2 内に水素通路S4 を介して
連通し、水素吸蔵合金が封入された下段容器S3 を備え
たセルSを複数用いる。なお、この実施例では、12〜
18個のセルSを用いた。
【0018】水素吸蔵合金は、水素平衡圧力が異なる3
種を用いたもので、上段容器S1 内には同一平衡水素圧
で水素平衡温度が最も高い高温度水素吸蔵合金(以下、
高温合金HM)の粉末を封入し、中段容器S2 内には中
温度水素吸蔵合金(以下、中温合金MM)の粉末を封入
し、下段容器S3 内には同一平衡水素圧で水素平衡温度
が最も低い低温度水素吸蔵合金(以下、低温合金LM)
の粉末を封入したものである。このことを図7のPT冷
凍サイクル図を用いて説明すると、水素吸蔵合金の特性
が、相対的に高温側(図示左側)にあるのが高温合金H
M、低温側にあるのが低温合金LM、両者の中間にある
のが中温合金MMである。
【0019】1つのセルSは、ステンレスあるいは銅な
ど、水素透過の無い金属を用いて、真空ろう付けや溶接
等の接合方法により上、中、下段容器S1 、S2 、S3
を偏平容器の最中状に成形し、これらを水素通路S4 が
形成された棒状の連結部S5によって結合した後に、
上、中、下段容器S1 、S2 、S3 の内部に粉末状の水
素吸蔵合金を充填し、真空引きを行ったのち、活性化処
理を施し、水素を高圧充填して開口部に金属蓋をして溶
接により密封したものである。
【0020】各上、中、下段容器S1 、S2 、S3 は、
上述のように偏平形状に設けられるとともに、図1の
(a)に示すように、各上、中、下段容器S1 、S2 、
S3 の対向面間に亘って多数の耐圧柱aを配設し、対向
面と耐圧柱aとが接合されている。本実施例に示す耐圧
柱aは、耐引張応力、耐圧縮応力に優れた金属製(例え
ば銅、アルミニウム、ステンレス等)の薄板を蛇行して
形成したコルゲートフィンFを用いたもので、フィン形
状が方形波形状に設けられたものである。各上、中、下
段容器S1 、S2 、S3 の内壁と耐圧柱aとの接合は、
ろう付けによって接合されたもので、本実施例では容器
を形成する際に、一体ろう付けされたものである。
【0021】なお、本実施例では、熱伝導性向上のため
に、耐圧柱aを熱伝導性に優れた金属である銅によって
形成している。また、コルゲートフィンFを用いる場合
では、フィンピッチ方向への水素の移動を可能にするた
めの穴Faや切欠などがコルゲートフィンFに設けられ
る。図1の(a)では1層のコルゲートフィンFを対向
面間に亘って配設し、対向面とコルゲートフィンFとを
接合しているが、積層固着される複数層のコルゲートフ
ィンFによって対向面間に配設し、対向面間を接合して
も良い。上、中、下段容器S1 、S2 、S3 を後述する
ように湾曲させる場合は、湾曲方向にコルゲートフィン
Fの蛇行方向(フィンのピッチ方向)を一致させると加
工が容易である。なお、後述するオフセットフィンF’
は蛇行方向の他に、蛇行方向に直角な方向にも曲がるた
め、組付け方向の考慮は不要である。また、コルゲート
フィンFに代わって、図1の(b)に示すようにフィン
ピッチがずれて形成されたオフセットフィンF’によっ
て耐圧柱aを設けても良い。このオフセットフィンF’
は、コルゲートフィンFに比較して、ずらした肉厚端面
分だけ面積が大きいため、熱交換面積が拡大して熱交換
率が向上するとともに、フィンピッチ方向への水素の移
動が可能であるため、コルゲートフィンFに施した穴F
aや切欠などを設ける必要がない。
【0022】各上、中、下段容器S1 、S2 、S3 の対
向面を多数の耐圧柱aを介して接合したことにより、各
容器の内部に封入された水素吸蔵合金に水素を付与する
ための真空引きや水素の高圧充填を行っても、多数の耐
圧柱aが対向面の距離を一定に保つため、容器の変形が
抑えられる。また、耐圧柱aにコルゲートフィンFを用
いることにより、水素吸蔵合金と耐圧柱aとの接触面積
を大きくでき、熱媒体と水素吸蔵合金との熱交換面積が
拡大化する。このように、耐圧柱aは、上、中、下段容
器S1 、S2 、S3 の変形防止と、熱交換面積の拡大化
の効果を兼用している。
【0023】また、偏平形状を呈する各上、中、下段容
器S1 、S2 、S3 は、回転軸8の周囲に巻き付けられ
た状態に設けられている。このため、各容器の一方の面
が凸状に湾曲するとともに、対向する他方の面が凹状に
湾曲している。このように、各容器の対向面を同方向に
湾曲して設けることにより、真空引き時の低圧下、およ
び水素充填時の高圧下において、各容器の対向面に引っ
張り応力と圧縮応力がかかり、この結果からも各容器の
変形が小さく抑えられる。複数のセルSは、略円柱形状
を呈する回転軸8の周囲に複数のセルSの各連結部S5
が固定されている。この回転軸8は、図示しないセル移
動手段によって回転駆動されるもので、このセル移動手
段は、例えばモータで、ゆっくりと連続的に複数のセル
Sを回転させるものである(例えば、1時間に20周ほ
ど)。
【0024】各上、中、下段容器S1 、S2 、S3 は、
図1および図2に示すようにデバイダー9によって覆わ
れている。このデバイダー9は、熱媒体を各容器に沿っ
て流すことによって熱媒体の放熱ロスを減少させるとと
もに、熱媒体の流れを整流させて流速を速くして熱交換
量を増大させることで熱交換効率をアップさせるもの
で、さらにセルSが後述する水素駆動部α→第1冷熱出
力部β→第2冷熱出力部γに移動する境界において容器
の対向面が異なった熱媒体に触れる不具合を回避して熱
交換効率をアップさせるものである。このデバイダー9
は、各上、中、下段容器S1 、S2 、S3 を覆うもの
で、断熱性に優れた樹脂材料等によって設けられてい
る。このデバイダー9の内面には、熱媒体を容器に沿っ
て流す熱媒体通路9aが形成されている。この熱媒体通
路9aは、略溝状に設けられたもので、熱媒体の流れを
整流させて流速を速くするために、浅く設けられてい
る。また、デバイダー9の外端と中心側上部には、熱媒
体通路9aへ熱媒体の供給を行うとともに、熱媒体通路
9aを通過した熱媒体を排出する給排口9bが設けられ
ている。なお、この実施例では、外端の給排口9bが熱
媒体を熱媒体通路9aへ供給する供給口であり、中心側
の給排口9bが熱媒体通路9aを通過した熱媒体を外部
へ排出する排出口である。
【0025】2段式サイクルのヒートポンプサイクル2
は、図5に示すように、上段容器S1 内の水素を強制的
に下段容器S3 内に移動させる水素駆動部αと、下段容
器S3 内に移動した水素を中段容器S2 に移動させる第
1冷熱出力部βと、中段容器S2 内に移動した水素を上
段容器S1 に移動させる第2冷熱出力部γとを備える。
なお、水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力
部γは、略120°間隔に設けられたもので、後述する
凹部M1 、M2 の配置によって区画されている。
【0026】水素駆動部αは、上段容器S1 と接触する
加熱水(例えば80℃ほど)が供給される加熱域α1 、
中段容器S2 と接触する昇圧水(例えば56℃ほど)が
供給される中段昇圧域α2 、下段容器S3 と接触する放
熱水(例えば28℃ほど)が供給される下段放熱域α3
を備える。第1冷熱出力部βは、上段容器S1 と接触す
る昇圧水(例えば58℃ほど)が供給される上段昇圧域
β1 、中段容器S2 と接触する放熱水(例えば28℃ほ
ど)が供給される中段放熱域β2 、下段容器S3 と接触
した冷熱出力水(例えば13℃ほど)が出力される下段
冷熱出力域β3 を備える。第2冷熱出力部γは、上段容
器S1 と接触する放熱水(例えば28℃ほど)が供給さ
れる上段放熱域γ1 、中段容器S2 と接触する冷熱出力
水(例えば13℃ほど)が出力される中段冷熱出力域γ
2 を備える。なお、第2冷熱出力部γにおいて下段容器
S3 と接触する熱媒体の温度は不問であり、その部分を
不問域γ3とする。
【0027】そして、図示しないセル移動手段により回
転軸8が回転することにより、上段容器S1 の群が加熱
域α1 →上段昇圧域β1 →上段放熱域γ1 を循環するも
のであり、中段容器S2 の群が中段昇圧域α2 →中段放
熱域β2 →中段冷熱出力域γ2 を循環するものであり、
下段容器S3 の群が下段放熱域α3 →下段冷熱出力域β
3 →不問域γ3 を循環するものである。
【0028】上段容器S1 の群は、上段水槽K1 に覆わ
れ、内部に加熱域α1 、上段昇圧域β1 、上段放熱域γ
1 が設けられている。また、中段容器S2 の群は、中段
水槽K2 に覆われ、内部に中段昇圧域α2 、中段放熱域
β2 、中段冷熱出力域γ2 が設けられている。さらに、
下段容器S3 の群は、下段水槽K3 に覆われ、内部に下
段放熱域α3 、下段冷熱出力域β3 、不問域γ3 が設け
られている。
【0029】上段水槽K1 、中段水槽K2 、下段水槽K
3 は、連続的に繋がって設けられた水槽K(例えば、樹
脂製の容器)で、この水槽Kには、図6に示すように、
上、中、下段水槽K1 、K2 、K3 内に熱媒体を給排す
る16本の熱媒体配管10が接続されている。具体的に
は、上段水槽K1 には加熱域α1 、上段昇圧域β1 、上
段放熱域γ1 のための6本の熱媒体配管10が接続さ
れ、中段水槽K2 には中段昇圧域α2 、中段放熱域β2
、中段冷熱出力域γ2 のための6本の熱媒体配管10
が接続され、下段水槽K3 には下段放熱域α3 、下段冷
熱出力域β3 のための4本の熱媒体配管10が接続され
ている。
【0030】上、中、下段水槽K1 、K2 、K3 には、
熱媒体配管10によって供給される熱媒体を、水素駆動
部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γの上、中、
下各域内のデバイダー9の外端の給排口9bに導く凹部
M1 が設けられるとともに、中心側の給排口9bから排
出される熱媒体を収集させる凹部M2 が設けられてお
り、この凹部M1 、M2 の配置および長さにより略12
0°間隔の水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱
出力部γが決定される。各デバイダー9に設けられた給
排口9bは、凹部M1 、M2 が設けられていない水槽K
の内壁に接触、あるいは接近して回転し、凹部M1 、M
2 が設けられていない水槽Kの内壁が水素駆動部α、第
1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γの仕切りとなってい
る。なお、この実施例では、図5に示すように熱媒体
を、外側の給排口9b→熱媒体通路9a→中心側の給排
口9bに流す例を示すが、逆に中心側から外側へ流して
も良い。
【0031】(ヒートポンプサイクル2における上記以
外の構成部品の説明)図4に示す符号11は、上段昇圧
域β1 と中段昇圧域α2 とに昇圧水を循環させる昇圧水
循環路で、途中に設けられた昇圧水循環ポンプP1 ’に
よって昇圧水が循環する。なお、昇圧水は、加熱域α1
で温度上昇した上段容器S1 、上段水槽K1 からの伝熱
により温度上昇した水を用いたもので、ヒートポンプサ
イクル2の作動中、上段昇圧域β1 の昇圧水の温度は例
えば58℃程で、中段昇圧域α2 の昇圧水の温度は例え
ば56℃程になる。
【0032】(燃焼装置3の説明)本実施例の燃焼装置
3は、燃料であるガスを燃焼して熱を発生させ、発生し
た熱によって加熱水を加熱するガス燃焼装置を用いたも
ので、ガスの燃焼を行うガスバーナ12、このガスバー
ナ12へガスの供給を行うガス量調節弁13およびガス
開閉弁14を備えたガス供給回路15、ガスバーナ12
へ燃焼用の空気を供給する燃焼ファン16、ガスの燃焼
熱と加熱水とを熱交換する熱交換器17等から構成され
る。そして、ガスバーナ12のガス燃焼で得られた熱
で、加熱水を例えば80℃程に加熱し、加熱された加熱
水を加熱水循環ポンプP1 を備えた加熱水循環路18を
介して加熱域α1 に供給するものである。なお、本実施
例の加熱水循環ポンプP1 は、昇圧水循環ポンプP1 ’
を駆動する兼用のモータによって駆動されるタンデムポ
ンプである。このため、燃焼装置3から加熱水がヒート
ポンプサイクル2に供給される際は、昇圧水も循環作動
するように設けられている。
【0033】(室内空調機5の説明)室内空調機5は、
上述のように室内に配置されるもので、内部に室内熱交
換器19、この室内熱交換器19に供給される冷熱出力
水と室内空気とを強制的に熱交換し、熱交換後の空気を
室内に吹き出させるための室内ファン20を備える。室
内熱交換器19には、下段冷熱出力域β3 および中段冷
熱出力域γ2 から供給される冷熱出力水を循環させる冷
熱出力水循環路21が接続され、この冷熱出力水循環路
21の途中(室外機7内)には、冷熱出力水を循環させ
る冷熱出力水ポンプP2 が設けられている。
【0034】(放熱水冷却手段4の説明)放熱水冷却手
段4は、水冷開放型の冷却塔であり、この放熱水冷却手
段4によって冷却された放熱水は、放熱水循環ポンプP
3 を備えた放熱水循環路22によって下段放熱域α3 、
中段放熱域β2 、上段放熱域γ1 に供給される。放熱水
冷却手段4は、下段放熱域α3 、中段放熱域β2 、上段
放熱域γ1 を通過した放熱水を、上方から下方へ流し、
流れている間に外気と熱交換して放熱するとともに、流
れている間に一部蒸発させて、蒸発時に流れている放熱
水から気化熱を奪い、流れている放熱水を冷却するもの
である。また、この放熱水冷却手段4は、図示しない放
熱ファンを備え、この放熱ファンの生じる空気流によっ
て放熱水の蒸発および冷却を促進するように設けられて
いる。なお、この実施例では、放熱水冷却手段4として
水冷開放型の冷却塔を示したが、放熱水(放熱用の熱媒
体)が空気に触れずに熱交換する水冷密閉型あるいは空
冷密閉型の冷却手段を用いても良い。
【0035】ここで、上記に示す加熱水循環路18、冷
熱出力水循環路21および放熱水循環路22は、それぞ
れシスターンT1 、T2 、T3 を備えており、シスター
ンT1 、T2 、T3 内の水位が所定水位以下に低下する
と、それぞれに設けられた給水バルブT4 、T5 、T6
が開き、給水管23から供給される水道水をシスターン
T1 、T2 、T3 内に補充するように設けられている。
また、ヒートポンプサイクル2の下部にはドレンパンP
が配置され、ヒートポンプサイクル2に発生したドレン
水を排水管24から排水するように設けられている。な
お、放熱水冷却手段4で溢れた水も排水管24から排水
するように設けられている。
【0036】(制御装置6の説明)制御装置6は、室内
空調機5に設けられたコントローラ(図示しない)から
の操作指示や、複数設けられた各センサの入力信号に応
じて、上述の加熱水循環ポンプP1 (昇圧水循環ポンプ
P1 ’)、冷熱出力水ポンプP2 、放熱水循環ポンプP
3 、給水バルブT4 、T5 、T6 、放熱水冷却手段4の
放熱ファンなどの電気機能部品、および燃焼装置3の電
気機能部品(燃焼ファン16、ガス量調節弁13、ガス
開閉弁14、図示しない点火装置等)を制御するととも
に、室内空調機5に室内ファン20の作動指示を与える
ものである。
【0037】(冷房運転の作動説明)上記の冷房装置1
による冷房運転の作動を、図7のPT冷凍サイクル線図
を参照して説明する。冷房運転が室内空調機5のコント
ローラによって指示されると、制御装置6によって、燃
焼装置3、セル移動手段、放熱ファンおよび加熱水循環
ポンプP1 (昇圧水循環ポンプP1 ’)、冷熱出力水ポ
ンプP2 、放熱水循環ポンプP3 が作動するとともに、
冷房が指示された室内空調機5の室内ファン20をONす
る。
【0038】セル移動手段によって、複数のセルSがゆ
っくりと連続的に回転移動する。これによって、複数の
セルSが、水素駆動部α→第1冷熱出力部β→第2冷熱
出力部γの順で移動する。つまり、各上段容器S1 が加
熱域α1 →上段昇圧域β1 →上段放熱域γ1 の順で移動
し、各中段容器S2 が中段昇圧域α2 →中段放熱域β2
→中段冷熱出力域γ2 の順で移動し、各下段容器S3 が
下段放熱域α3 →下段冷熱出力域β3 →不問域γ3 の順
で移動する。
【0039】水素駆動部αへ進入したセルSは、上段容
器S1 が加熱水に触れ、中段容器S2 が昇圧水に触れ、
下段容器S3 が放熱水に触れる。上段容器S1 が加熱水
(80℃)に触れることにより、上段容器S1 の内圧が
上昇し、高温合金HMが水素を放出する。中段容器S2
が昇圧水(56℃)に触れることにより、中段容器S2
の内圧が中温合金MMが水素を吸蔵しない圧力まで上昇
する。下段容器S3 が放熱水(28℃)に触れることに
より、下段容器S3 の内圧が下がり、低温合金LMが水
素を吸蔵する。
【0040】このように、上段容器S1 が加熱域α1 で
加熱水に触れ、中段容器S2 が中段昇圧域α2 で昇圧水
に触れ、下段容器S3 が下段放熱域α3 の放熱水に触れ
ることにより、上段容器S1 内が80℃:1.0MP
a、中段容器S2 内が56℃:1.0MPa、下段容器
S3 内が28℃:0.9MPaとなり、上段容器S1 の
高温合金HMが水素を放出し(図7の)、下段容器S
3 の低温合金LMが水素を吸蔵する(図7の)。な
お、中段容器S2 は昇圧水によって加熱されて内圧が高
く、中温合金MMは水素の吸蔵は行わない。そして、水
素駆動部αを通過したセルSは、その後第1冷熱出力部
βへ移動する。
【0041】第1冷熱出力部βへ進入したセルSは、上
段容器S1 が昇圧水に触れ、中段容器S2 が放熱水に触
れ、下段容器S3 が冷熱出力水に触れる。上段容器S1
が昇圧水(58℃)に触れることにより、上段容器S1
の内圧が高温合金HMが水素を吸蔵しない圧力まで上昇
する。中段容器S2 が放熱水(28℃)に触れることに
より、中段容器S2 の内圧が下がり、中温合金MMが水
素を吸蔵し、下段容器S3 の低温合金LMが水素を放出
する。低温合金LMが水素を放出するため、下段容器S
3 内で吸熱が生じ、下段容器S3 に触れる冷熱出力水が
例えば13℃に冷やされる。なお、低温合金LMは、冷
熱出力水が13℃くらいでは、下段容器S3 の内圧が中
段容器S2 の内圧より高くなるように設けられている。
【0042】このように、上段容器S1 が上段昇圧域β
1 で昇圧水に触れ、中段容器S2 が中段放熱域β2 で放
熱水に触れ、下段容器S3 が下段冷熱出力域β3 の冷熱
出力水に触れることにより、上段容器S1 内が58℃:
0.5MPa、中段容器S2内が28℃:0.4MP
a、下段容器S3 内が13℃:0.5MPaとなり、下
段容器S3 の低温合金LMが水素を放出し(図7の
)、中段容器S2 の中温合金MMが水素を吸蔵する
(図7の)。下段容器S3 の低温合金LMが水素を放
出する際、吸熱作用により下段容器S3 に触れる冷熱出
力水から熱を奪い冷熱出力水の温度を低下させる。な
お、上段容器S1 は、昇圧水によって加熱されて内圧が
高く、高温合金HMは水素の吸蔵は行わない。そして、
第1冷熱出力部βを通過したセルSは、その後第2冷熱
出力部γへ移動する。
【0043】第2冷熱出力部γへ進入したセルSは、上
段容器S1 が放熱水に触れ、中段容器S2 が冷熱出力水
に触れ、下段容器S3 が不問水に触れる。上段容器S1
が放熱水(28℃)に触れることにより、上段容器S1
の内圧が下がり、高温合金HMが水素を吸蔵し、中段容
器S2 の中温合金MMが水素を放出する。中温合金MM
が水素を放出するため、中段容器S2 内で吸熱が生じ、
中段容器S2 に触れる冷熱出力水が例えば13℃に冷や
される。なお、中温合金MMは、冷熱出力水が13℃く
らいでは、中段容器S2 の内圧が上段容器S1 の内圧よ
り高くなるように設けられている。
【0044】このように、上段容器S1 が上段放熱域γ
1 で放熱水に触れることにより、上段容器S1 内が28
℃:0.1MPa、中段容器S2 内が13℃:0.2M
Pa、下段容器S3 内は不問状態となり、中段容器S2
の中温合金MMが水素を放出し(図7の)、上段容器
S1 の高温合金HMが水素を吸蔵する(図7の)。中
段容器S2 の中温合金MMが水素を放出する際、吸熱作
用により中段容器S2に触れる冷熱出力水から熱を奪い
冷熱出力水の温度を低下させる。なお、下段容器S3 の
温度は無関係で、下段容器S3 の低温合金LMは水素の
吸蔵は行わない。そして、第2冷熱出力部γを通過した
セルSは、その後水素駆動部αへ移動する。
【0045】なお、ヒートポンプサイクル2の下段冷熱
出力域β3 および中段冷熱出力域γ2 で熱を奪われた低
温の冷熱出力水は、冷熱出力水循環路21を介して室内
空調機5の室内熱交換器19に供給されて、室内に吹き
出される空気と熱交換されて室内を冷房する。
【0046】〔実施例の効果〕この実施例では、コルゲ
ートフィンFあるいはオフセットフィンF’によってな
る多数の耐圧柱aを介して各上、中、下段容器S1 、S
2 、S3 の対向面を接合したことにより、真空引きや水
素の高圧充填(例えば、1.5MPa)が行われたり、
ヒートポンプサイクル2の作動中に水素平衡圧力が約1
MPaの高圧になっても、多数の耐圧柱aが対向面の距
離を一定に保って容器の変形を抑えるため、容器の薄肉
化が可能になり、水素吸蔵合金と熱媒体との熱交換効率
が向上する。
【0047】耐圧柱aをコルゲートフィンFあるいはオ
フセットフィンF’を用いて設けたことにより、耐圧柱
aが一体化されて構造が簡単になるとともに、連続した
耐圧柱aとすることができるため、耐圧の効果が均一化
される。
【0048】耐圧柱aを構成するコルゲートフィンFあ
るいはオフセットフィンF’のフィン形状が、方形波形
状に設けられているため、耐圧柱aは容器の壁に対して
直角方向となり、圧縮方向または引張方向と同一方向に
なる。このため、耐圧柱a自体の材質の耐力内で使用す
る限り、耐圧柱aの曲げ変形は生じ難く、容器の変形を
一層抑えることができる。また、耐圧柱aと容器との接
触部が平面になり、接合強度が大変大きくなるため、容
器内の高圧により、容器が膨らもうとしても、耐圧柱a
が容器からはがれ難い。
【0049】各上、中、下段容器S1 、S2 、S3 の対
向面間に多数の耐圧柱aを接合して設けたことにより、
熱媒体と水素吸蔵合金との間で熱伝達を行う熱伝達部材
の面積が、容器の面積に耐圧柱aの面積を加えた面積に
なり、結果的に熱媒体と水素吸蔵合金との熱交換面積が
増大し、熱交換効率が向上する。
【0050】〔第2実施例〕次に、本発明の水素吸蔵合
金を利用した熱利用システムを冷暖房装置に適用した第
2実施例を示す。なお、図8は本発明を適用した冷暖房
装置の概略構成図である。本実施例の冷暖房装置30
は、上記の実施例で示した冷房運転の実施に加え、暖房
運転時に、燃焼装置3で加熱された加熱水を室内空調機
5の室内熱交換器19に導いて室内暖房を行うもので、
第1実施例で示した加熱水循環路18と冷熱出力水循環
路21とを接続し、その接続部分に流路切替用の3つの
切替バルブV1 、V2 、V3 (冷房と暖房の切替バル
ブ)を設けたものである。なお、室内空調機5の他に、
床暖房マット、浴室乾燥機などに接続し、加熱水の供給
によって床暖房、浴室暖房などを行うように設けても良
い。
【0051】〔第3実施例〕図9および図10は第3実
施例を示すもので、図9はセルSが固定されるタイプの
冷房装置の概略構成図である。上記の実施例では、複数
のセルSを水槽K内で回転させることで各容器に触れる
熱媒体の種類を切り替える例を示したが、この第3実施
例では複数(この実施例では3つ)のセルSを固定し、
回転によって複数の熱媒体を切り替えて出力する回転式
の分配器40と、分配された複数の熱媒体を再び収集し
て熱媒体源へ戻す収集器41とによって、デバイダー9
の内側の熱媒体通路9a(図10参照)に熱媒体の種類
を切り替えて供給するものである。なお、図10に示す
ように、この第3実施例の各上、中、下段容器S1 、S
2、S3 は、デバイダー9によって覆われるとともに、
デバイダー9はハウジング42に覆われており、デバイ
ダー9とハウジング42との間には断熱材43が配され
ている。
【0052】〔変形例〕上記の実施例では、各容器の周
囲にデバイダー9を設けた例を示したが、デバイダー9
を用いなくても良い。具体的な一例を示すと、図11に
示すように、各上、中、下段容器S1 、S2、S3 を回
転軸8の周りに巻き付けられた状態で配置するととも
に、上、中、下段容器S1 、S2 、S3 と、隣接する他
の上、中、下段容器S1 、S2 、S3 との間に略同幅の
隙間を設け、その隙間に熱媒体が流されるように設けて
も良い。このようにデバイダー9を廃止しても、水槽K
内の水素吸蔵合金の分布密度が高まる効果を有するとと
もに、隙間が略同幅であるため、その隙間を流れる熱媒
体の流れが整流されて流速が速くなり、水素吸蔵合金と
熱交換する熱媒体の熱交換量が増えて、ヒートポンプサ
イクル2の効率を高めることができる。
【0053】
【0054】上記の第1、第2実施例では、複数のセル
Sをセル移動手段によって連続的に回転させた例を示し
たが、セルSを間欠的に回転移動させても良い。上記の
実施例では、説明を容易化するために、図面の上下に応
じて上段容器S1 、中段容器S2 、下段容器S3 とした
例を示したが、上下の配置を変更したり横に配置するな
どしても良い。このような場合は、勿論、各容器に供給
する各熱媒体もヒートポンプサイクルが成り立つように
入れ替える。
【0055】上記の実施例では、昇圧用の熱媒体とし
て、加熱域α1 で温度上昇した上段容器S1 を冷却して
温度上昇した熱媒体(実施例中では昇圧水)を用いた例
を示したが、加熱手段(例えば、燃焼装置による昇温、
電気ヒータによる昇温、排熱を利用した昇温など)によ
って昇温した熱媒体を用いても良い。上記の実施例で
は、ヒートポンプサイクル2の一例として、2段式サイ
クルを用いた例を示したが、1段式サイクルに用いても
良いし、第2容器を3つ以上分割して3段式以上のサイ
クルとして用いても良い。
【0056】上記の実施例では、1つの室外機7に複数
の室内空調機5が接続可能なマルチエアコンを示した
が、1つの室外機7に1つの室内空調機5が接続される
エアコンに本発明を適用しても良い。上記の実施例で
は、ヒートポンプサイクル2によって得られた冷熱出力
用の熱媒体(実施例中では冷熱水)で室内を冷房する例
を示したが、冷熱出力用の熱媒体で冷蔵運転や冷凍運転
に用いるなど、本発明を他の冷却装置として用いても良
い。上記の実施例では、1つのヒートポンプユニット
(1つの水槽K内に複数のセルSを収納したユニット)
を用いた例を示したが、複数のヒートポンプユニットを
搭載して冷却能力を増大させ、ビル用空調システムなど
大きな冷却能力が要求される冷却装置に用いても良い。
【0057】上記の実施例では、加熱用の熱媒体(実施
例中では加熱水)を加熱する加熱手段として、ガスを燃
焼するガス燃焼装置を用いたが、石油を燃焼する石油燃
焼装置など、他の燃焼装置を用いても良いし、内燃機関
の排熱によって加熱用の熱媒体を加熱する加熱手段、ボ
イラーによる蒸気、電気ヒータを用いた加熱手段など、
他の加熱手段を用いても良い。なお、内燃機関の排熱を
利用する際は、車両用に用いることもできる。
【0058】上記の実施例では、各熱媒体の一例とし
て、水道水を用いたが、不凍液やオイルなど他の液体の
熱媒体を用いても良いし、空気など気体の熱媒体を用い
ても良い。上記の実施例では、水素吸蔵合金が水素を放
出する際の吸熱作用により冷熱出力を得る冷却装置を例
に示したが、水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際の放熱作
用により温熱出力を得る加熱装置(例えば暖房装置な
ど)に本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】容器の断面図とオフセットフィンの斜視図であ
る(第1実施例)。
【図2】デバイダーが設けられたセルの斜視図である
(第1実施例)。
【図3】セルの部分斜視図である(第1実施例)。
【図4】冷房装置の概略構成図である(第1実施例)。
【図5】ヒートポンプサイクルの作動説明図である(第
1実施例)。
【図6】ヒートポンプユニットの斜視図である(第1実
施例)。
【図7】PT冷凍サイクル線図である(第1実施例)。
【図8】冷暖房装置の概略構成図である(第2実施
例)。
【図9】冷房装置の概略構成図である(第3実施例)。
【図10】ハウジングの断面図である(第3実施例)。
【図11】回転軸に組付けられた複数のセルを軸方向か
ら見た図である(変形例)。
【図12】冷房装置の概略構成図である(従来例)。
【符号の説明】
a 耐圧柱 F コルゲートフィン F’ オフセットフィン HM 高温合金(水素吸蔵合金) MM 中温合金(水素吸蔵合金) LM 低温合金(水素吸蔵合金) S セル S1 上段容器 S2 中段容器 S3 下段容器 S4 水素通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−281097(JP,A) 特開 昭58−194702(JP,A) 特開 平5−106792(JP,A) 特開 平9−159301(JP,A) 実開 平1−67484(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 17/12 C01B 3/00 F17C 11/00 F25B 35/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素吸蔵合金の水素の放出時の吸熱、また
    は水素の吸蔵時の放熱を利用した水素吸蔵合金を利用し
    た熱利用システムであって、 水素吸蔵合金を封入する容器は、内部対向面間に亘っ
    て、引張、圧縮応力の高い材質からなる多数の耐圧柱を
    配設し、内部対向面と前記耐圧柱とがろう付けによって
    接合され、 前記耐圧柱は、金属製の薄板を蛇行して形成したコルゲ
    ートフィンあるいはフィンピッチがずれて形成されたオ
    フセットフィンであり、 前記コルゲートフィンあるいは前記オフセットフィン
    は、フィン形状が方形波形状に設けられ、前記コルゲー
    トフィンあるいは前記オフセットフィンの平面部が前記
    容器の内部対向面にろう付け接合されるものであり、 前記容器における対向面の外側には、前記容器の両側面
    に沿って、前記容器内に封入された水素吸蔵合金と熱交
    換を行う熱媒体が流れる熱媒体通路が形成される ことを
    特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システム。
JP30704097A 1997-11-10 1997-11-10 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム Expired - Fee Related JP3355116B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30704097A JP3355116B2 (ja) 1997-11-10 1997-11-10 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30704097A JP3355116B2 (ja) 1997-11-10 1997-11-10 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11142013A JPH11142013A (ja) 1999-05-28
JP3355116B2 true JP3355116B2 (ja) 2002-12-09

Family

ID=17964330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30704097A Expired - Fee Related JP3355116B2 (ja) 1997-11-10 1997-11-10 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3355116B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5360765B2 (ja) * 2009-11-05 2013-12-04 高砂熱学工業株式会社 水素吸蔵合金タンクシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11142013A (ja) 1999-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3355116B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3734950B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3694575B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3926038B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3813340B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3594435B2 (ja) 水素吸蔵式冷却装置
JP3694577B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3644661B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3534560B2 (ja) 水素吸蔵式冷却装置
JPH11142014A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3734949B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの容器、およびその容器への水素充填方法
JP3850558B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3534559B2 (ja) 水素吸蔵式冷却装置
JP3594436B2 (ja) 水素吸蔵式冷却装置
JP2000039225A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JPH11118285A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3734960B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP2000320923A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3872913B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JPH11294888A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP3850587B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP2000320921A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP2000111194A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JP2000320924A (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
JPH10227543A (ja) 水素吸蔵合金を使用した冷却システム

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080927

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100927

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120927

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120927

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120927

Year of fee payment: 10

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120927

Year of fee payment: 10

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120927

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120927

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140927

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees