JPH11294803A - ヒートポンプを用いた冷暖房方法及び装置 - Google Patents

ヒートポンプを用いた冷暖房方法及び装置

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JPH11294803A
JPH11294803A JP10116012A JP11601298A JPH11294803A JP H11294803 A JPH11294803 A JP H11294803A JP 10116012 A JP10116012 A JP 10116012A JP 11601298 A JP11601298 A JP 11601298A JP H11294803 A JPH11294803 A JP H11294803A
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JP
Japan
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heat
cooling
storage tank
heat storage
pump
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JP10116012A
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English (en)
Inventor
Seiichi Kubokawa
窪川清一
Kenji Kiba
木庭賢二
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Kyushu Electric Power Co Inc
Mitsubishi Chemical Engineering Corp
Original Assignee
Kyushu Electric Power Co Inc
Mitsubishi Chemical Engineering Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然環境への影響が小さく、冷房及び暖房が
可能であり、しかも、ヒートポンプと蓄熱槽を一体化し
なくても良くできるヒートポンプを用いた冷暖房方法と
装置を提供すること。 【解決手段】 ヒートポンプ1の蒸発器6で得られる冷
熱又は凝縮器5で得られる温熱を蓄熱する為の蓄熱槽2
を備え、蓄熱槽2に蓄熱された冷熱又は温熱を利用して
室内を冷暖房できる構成としたヒートポンプを用いた冷
暖房装置である。融点が20℃付近の潜熱蓄熱材が充填
された蓄熱槽2に対し、伝熱流体として水が流通可能と
してあり、この伝熱流体の配管8が切替弁9、10、1
1を介してヒートポンプ1の蒸発器6と凝縮器5の両方
と接続してあり、切替弁9、10、11の切替によって
蓄熱槽2内の伝熱流体が前記蒸発器6と凝縮器5の何れ
か一方へ流通して熱交換ができるようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヒートポンプの
蒸発器で得られる冷熱又は凝縮器で得られる温熱を蓄熱
し、この蓄熱された冷熱又は温熱を利用して室内を冷暖
房するようにしたヒートポンプを用いた冷暖房方法と装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空調用のヒートポンプを用いた冷
暖房装置としては、大気を直接熱源とする空冷式や、冷
却塔を介する水冷式が一般的であるが、中には、海水、
河川水、井水等を熱源とする高効率の大規模冷暖房装置
も普及してきている。また、近年、蓄熱槽と組み合わせ
た蓄熱式の冷暖房装置も普及しつつあるが、これは蓄熱
槽に蓄えた冷熱或は温熱をヒートポンプを介することな
く直接空調負荷に対応させるものであった。これに対
し、蓄熱槽に蓄えた冷熱又は温熱をヒートポンプの熱源
として利用する冷暖房装置として、冷媒(フロン)を伝
熱媒体として20℃付近に融点を持つ潜熱蓄熱材を凝固
融解させるようにしたヒートポンプ・蓄熱槽一体型の冷
暖房装置が特開平4−371760号公報などで提案さ
れるに至っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】大気等の自然界にある
熱を熱源とした前記の冷暖房装置では、気候変動によっ
てその冷却又は加熱性能が左右される問題があり、ま
た、大気等の自然界に排熱が行われるので、都市温暖化
(ヒートアイランド現象)等、自然環境に悪影響を及ぼ
す問題点があった。また、蓄熱槽と組み合わせた従来の
冷暖房装置では、水顕熱蓄熱方式に代わってより蓄熱密
度の高い潜熱蓄熱方式が普及しつつあるが、夏期(或は
冬期)のみの潜熱利用は可能であったが、一種類の潜熱
蓄熱材を年間を通して、即ち、冷房及び暖房に利用でき
ない問題点があった。更に、一部において提案されてい
る20℃付近に融点を持つ潜熱蓄熱材の熱をヒートポン
プの熱源に利用する冷暖房装置は、潜熱蓄熱材を凝固融
解させる伝熱媒体が、ヒートポンプの冷媒であるフロン
である為に、ヒートポンプと蓄熱槽とを一体とする必要
があり、既存の冷暖房装置への適用が困難である問題点
があった。
【0004】この発明は斯かる問題点に鑑みてなされた
もので、自然環境への影響が小さく、冷房及び暖房が可
能であり、しかも、ヒートポンプと蓄熱槽を一体化しな
くても良くできるヒートポンプを用いた冷暖房方法と装
置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的のもとになさ
れたこの発明は、ヒートポンプの蒸発器及び凝縮器と蓄
熱槽との間で、伝熱流体としての水を介して熱移送する
ようにしたものであり、蓄熱槽には融点及び凝固点が2
0℃付近の潜熱蓄熱材が充填してあり、潜熱蓄熱ができ
るようにすると共に、ヒートポンプに対して冷熱源又は
温熱源を構成できるようにしたものである。
【0006】即ちこの発明のヒートポンプを用いた冷暖
房方法は、ヒートポンプの蒸発器で得られる冷熱又は凝
縮器で得られる温熱を蓄熱し、この蓄熱された冷熱又は
温熱を利用して室内を冷暖房するようにしたヒートポン
プを用いた冷暖房方法において、融点及び凝固点が20
℃付近の潜熱蓄熱材が充填された蓄熱槽に対し、伝熱流
体を水とし、冷房期には、ヒートポンプの蒸発器で得ら
れる冷熱を前記伝熱流体で移送して、潜熱蓄熱材に凝固
潜熱の形で蓄熱し、この蓄熱した冷熱をヒートポンプの
凝縮器を冷却する為に利用し、暖房期には、ヒートポン
プの凝縮器で得られる温熱を前記伝熱流体で移送して潜
熱蓄熱材に融解潜熱の形で蓄熱し、この蓄熱した温熱を
ヒートポンプの蒸発器を加熱する為に利用することを特
徴とするヒートポンプを用いた冷暖房方法である。
【0007】また、この発明のヒートポンプを用いた冷
暖房装置は、ヒートポンプの蒸発器で得られる冷熱又は
凝縮器で得られる温熱を蓄熱する為の蓄熱槽を備え、蓄
熱槽に蓄熱された冷熱又は温熱を利用して室内を冷暖房
できる構成としたヒートポンプを用いた冷暖房装置にお
いて、融点及び凝固点が20℃付近の潜熱蓄熱材が充填
された蓄熱槽に対し、伝熱流体として水が流通可能とし
てあり、この伝熱流体の配管が切替弁を介してヒートポ
ンプの蒸発器と凝縮器の両方と接続してあり、前記切替
弁の切替によって蓄熱槽内の伝熱流体が前記蒸発器と凝
縮器の何れか一方へ流通して熱交換ができるようにして
あることを特徴とするヒートポンプを用いた冷暖房装置
である。
【0008】この発明の冷暖房方法及び装置では、ヒー
トポンプの熱源として、大気等の自然界の熱ソースでは
なく、蓄熱槽に蓄熱した熱を利用する為に、ヒートポン
プ性能の効率化、安定化が可能である。また、熱の授受
がほとんど蓄熱槽内で行われるので、大気等への排熱が
小さく、従って、自然環境への影響を小さくすることが
できる。更に、20℃付近に融点及び凝固点を持つ潜熱
蓄熱材を使用したことにより、顕熱蓄熱材の蓄熱槽に比
べてコンパクト(約1/4〜1/5)にできるばかりで
なく、冷房期及び暖房期のそれぞれの時期において潜熱
蓄熱材の融解潜熱、凝固潜熱が利用でき、年間を通して
潜熱を有効に利用することができる。また、伝熱媒体を
水としたので、冷暖房装置のフレキシビリティが大き
く、汎用機器の組み合わせで装置の構築が可能であり、
また、既存の冷暖房装置への適用も可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付
の図を参照して説明する。
【0010】図1は実施形態のヒートポンプを用いた冷
暖房装置の概略を示した系統図である。この冷暖房装置
は、ヒートポンプ1と蓄熱槽2とを備えている。ヒート
ポンプ1は周知のもので、コンプレッサー3、膨張弁
4、凝縮器5及び蒸発器6で構成されており、冷媒配管
7を通してフロンなどの冷媒が循環できるように構成さ
れているものである。蓄熱槽2には伝熱流体として清水
を流通させる為の配管8が連結され、この配管8が三つ
の切替弁9、10、11を介してヒートポンプ1の凝縮
器5と蒸発器6の両方に接続してある。即ち、三つの切
替弁9、10、11の切替によって、伝熱流体は、蓄熱
槽2と凝縮器5の間で循環したり、或は、蓄熱槽2と蒸
発器6の間で循環することができるようにしてある。図
中、12はこの冷暖房装置側から見た冷熱源であり、1
3はこの冷暖房装置側から見た温熱源である。冷熱源1
2では外部に熱が放出され、温熱源13では外部から熱
が吸収されることになる。
【0011】図2は、従来のヒートポンプを用いた冷房
装置の系統図である。この冷房装置も、コンプレッサー
3、膨張弁4、凝縮器5及び蒸発器6で構成されるヒー
トポンプ1と、蓄熱槽2とで構成されている。このよう
に、実施形態の冷暖房装置と図2の従来の冷房装置の構
成機器要素は同じものである。然しながら、従来の冷房
装置では、蓄熱槽2が蒸発器6のみに(凝縮器5のみと
して暖房装置とする場合もある。)接続されているのに
対し、実施形態の冷暖房装置では、蓄熱槽2が蒸発器6
と凝縮器5の双方に切替弁9、10、11を介して接続
されている点に大きな違いがあるものである。
【0012】前記蓄熱槽2には、無機塩を適切に配合・
調合して融点を20℃付近とした潜熱蓄熱材が充填して
ある。充填の形態としては、カプセル式、アイスオンコ
イル式、シェルアンドチューブ式、プレート式等が可能
である。図3乃至図8はこれらの充填構造を表したもの
である。
【0013】図3はカプセル式の一つであり、蓄熱槽2
内に対向して設置した仕切り板14間に潜熱蓄熱材15
を封入した樹脂性(金属製とすることも可能)で球状の
カプセル16が多数個、充填されている。伝熱流体であ
る清水は、一方の仕切り板14に形成されている多数の
開口17を通して内部に流入し、カプセル16の周囲の
隙間を流通し、その際に清水と潜熱蓄熱材15との間で
熱交換した後、他方の仕切り板14の開口17を通して
流出するようになっている。
【0014】図4は、断面を楕円形に成形された筒状の
カプセル18を仕切り板14間に充填した構造である。
また、図5は、断面を方形とし、全体として板状に成形
されたカプセル19を仕切り板14間に充填した構造で
ある。
【0015】図6、7は、アイスオンコイル式の構造を
表したもので、図6は、潜熱蓄熱材15を充填した蓄熱
槽2の内部に、伝熱流体の配管8が蛇行するように貫通
して配置され、配管8の壁面を通して清水と潜熱蓄熱材
15との間で熱交換ができるようにしたものである。図
7は、蓄熱槽2内に対向して設置した仕切り板20間に
潜熱蓄熱材15を充填すると共に、仕切り板20間に配
管8を分岐させる為の分岐配管21を複数本設置した構
造である。清水と潜熱蓄熱材15との熱交換は分岐配管
21の壁面を通して行われる。
【0016】更に、図8はプレート式の構造を表したも
ので、蓄熱槽2内に対向して設置した仕切り板22間
に、波板などの表面に凹凸のあるプレート23を複数、
間隔を保って積み重ねるように設置し、プレート23間
の間隙の一つおきに潜熱蓄熱材15を充填すると共に、
潜熱蓄熱材15の充填されていない間隙と対応して、仕
切り板22に開口24を形成してある。清水と潜熱蓄熱
材15との間の熱交換は、プレート23を通して行われ
るようにしたものである。
【0017】次ぎに、上記の実施形態のヒートポンプを
用いた冷暖房装置の運転方法、即ち冷暖房方法について
説明する。運転のパターンは大きく分類して、凝固潜熱
の形で蓄熱(蓄冷)する冷房期(主として夏期)の夜間
運転、凝固潜熱を放出する冷房期の昼間運転、融解潜熱
の形で蓄熱する暖房期(主として冬期)の夜間運転、融
解潜熱を放出する暖房期の昼間運転の四つのパターンが
ある。
【0018】先ず、図9の冷房期の夜間運転について説
明する。この場合は割安な夜間電力を使ってヒートポン
プ1を稼働し、蒸発器6で出力される冷熱を蓄熱槽2へ
蓄熱する運転を行う。その為、蓄熱槽2の配管8に介設
した三つの切替弁9、10、11は図示のように切り替
えて、循環ポンプ25によって伝熱流体である清水が蒸
発器6と蓄熱槽2の間を循環するようにして、図中の太
実線の循環ラインを構成する。このようにすることによ
って、凝縮器5側の配管8は、破線のように、循環ポン
プ26によって清水が冷熱源12を循環するラインが構
成される。ここで、冷熱源12は実際上、冷却塔や海
水、河川水、井水等の利用、また、夜間冷房冷熱の一部
利用などが可能である。ヒートポンプ1の蒸発器6で発
生した冷熱が蓄熱槽2に主に凝固潜熱の形で蓄熱される
一方、凝縮器5で発生した温熱は冷熱源12で冷却或は
排熱されることにより、一つの熱サイクルが形成され
る。蓄熱槽2に充填した潜熱蓄熱材15は液相から固相
へと変化する。この時、凝固点が20℃付近の潜熱蓄熱
材15を凝固させる為のヒートポンプ1の清水出口温度
は10〜15℃で良い為、通常のヒートポンプの空調時
の運転(冷水出口温度=7℃)よりもヒートポンプ1の
成績係数COPが高い(高効率)状態での運転が可能で
ある。
【0019】次ぎに、図10の冷房期の昼間運転につい
て説明する。この場合は夜間に蓄熱槽2に蓄熱した冷熱
を、潜熱蓄熱材15を融解させることで主にその融解潜
熱として取り出すことにより、ヒートポンプ1の冷熱源
として用いる運転である。この為、三つの切替弁9、1
0、11は図示のように切り替えて、ヒートポンプ1の
蒸発器6側に太実線のように温熱源13と循環ポンプ2
5で構成される循環ラインを形成し、また、ヒートポン
プ1の凝縮器5側に破線のように蓄熱槽2と冷熱源12
と循環ポンプ26で構成される循環ラインを形成する。
このようにすることで、ヒートポンプ1の凝縮器5を冷
却する為に蓄熱槽2に蓄熱された冷熱を利用することが
できる。蓄熱槽2内の冷熱が無くなった時には、冷熱源
12をバックアップとして使用することができる。冷熱
源12の冷却には、夜間運転時と同様に、冷却塔や海
水、河川水、井水等の利用、水蓄熱槽(図示していな
い)内の冷熱等の昼間の冷房用冷熱の一部利用等が可能
である。蒸発器6側のラインの温熱源13は、これを空
調機として冷房負荷に対応することができる。冷房空調
温度制御の為に、空調機としての温熱源13側に流れる
清水の流量を制御弁27の開度で手動或は自動で制御す
ることができる。このような運転によって、ヒートポン
プ1の凝縮器5で発生した温熱は蓄熱槽2を介して冷却
され、蓄熱槽2内の冷熱が無くなった時にはバックアッ
プとして冷熱源12を介して冷却される熱サイクルが形
成される。蓄熱槽2内の潜熱蓄熱材15は、固相から液
相へと変化する。この時、融点が20℃付近の潜熱蓄熱
材15の融解潜熱によって、蓄熱槽2の清水出口温度は
20〜25℃付近で安定する為、冷却塔や海水、河川
水、井水等を冷熱源とするヒートポンプの運転よりも、
ヒートポンプ1の成績係数COPが高い(高効率)状態
での運転が可能である。
【0020】図11は、暖房期の夜間運転の状態であ
る。この場合も、割安な夜間電力を使用してヒートポン
プ1を稼働し、そこで出力される温熱を潜熱蓄熱材15
に蓄熱するようにする。この為、三つの切替弁9、1
0、11を図示のように切り替える。ヒートポンプ1の
凝縮器5側は、太実線で示す、蓄熱槽2と循環ポンプ2
6とで構成される清水の循環ラインが形成される。ヒー
トポンプ1の蒸発器6側には、破線で示す、温熱源13
と循環ポンプ25とで構成される循環ラインが形成され
る。温熱源13としては、ヒーティングタワーや海水、
河川水、井水等の利用、又は、夜間暖房温熱の一部利
用、コンピュータ室等の夜間排熱や太陽熱温水器の利用
などが可能である。凝縮器5で発生した温熱が蓄熱槽2
に主に融解潜熱の形で蓄熱され、蒸発器6で発生した冷
熱が温熱源13で加熱或は排熱されることで一つの熱サ
イクルが形成される。蓄熱槽2内の潜熱蓄熱材15は固
相から液相へと変化する。この時、融点が20℃付近の
潜熱蓄熱材15を融解させる為の蓄熱槽2の清水入口温
度は30〜35℃で良い為、通常のヒートポンプの空調
時の運転(温水出口温度=45〜48℃)よりもヒート
ポンプ1の成績係数COPが高い(高効率)状態での運
転が可能である。
【0021】最後に、図12に示した暖房期の昼間運転
について説明する。三つの切替弁9、10、11は図示
のように切り替える。この場合は、夜間に蓄熱槽2に蓄
熱した温熱を潜熱蓄熱材15を凝固させることにより主
にその凝固潜熱として取り出し、ヒートポンプ1の加熱
源として用いる運転である。ヒートポンプ1の凝縮器5
側は、太実線で示したように、冷熱源12と循環ポンプ
26とで構成される循環ラインを形成する。また、蒸発
器6側は、破線で示したように、蓄熱槽2と温熱源13
と循環ポンプ25で構成される循環ラインを形成する。
ヒートポンプ1の加熱源として蓄熱槽2に蓄熱された温
熱が使用されるが、蓄熱槽2内の温熱が無くなった時に
は、温熱源13でバックアップする。バックアップの際
の温熱源13としては、夜間運転の時と同じように、ヒ
ーティングタワーや海水、河川水、井水等の利用、水蓄
熱槽内の温熱等の昼間の暖房用温熱の一部利用等やコン
ピュータ室等の夜間排熱や太陽熱温水器の利用等が考え
られる。ヒートポンプ1で発生した温熱は冷熱源12へ
送られるので、この冷熱源12を空調機として暖房の負
荷に対応することができる。暖房空調温度制御の為、空
調機を構成する冷熱源12に流れる清水の流量を制御弁
28の開度で手動又は自動で制御することもできる。ヒ
ートポンプ1の蒸発器6で発生した冷熱が蓄熱槽2の温
熱で加熱され、蓄熱槽2の温熱が無くなった時にはバッ
クアップの温熱源13が稼働して、そこで加熱或は排熱
されることで一つの熱サイクルが形成される。蓄熱槽2
内の潜熱蓄熱材15は液相から固相へと相変化する。こ
の時、凝固点が20℃付近の潜熱蓄熱材15の凝固潜熱
によって、蓄熱槽2の清水出口温度が15〜20℃付近
で安定する為、ヒーティングタワーや海水、河川水、井
水等を熱源とするヒートポンプの運転よりもヒートポン
プ1の成績係数COPが高い(高効率)状態での運転が
可能である。
【0022】このように実施形態の冷暖房装置と冷暖房
方法によると、ヒートポンプ1で発生する冷熱又は温熱
を蓄熱槽2へ蓄熱して、昼間の冷暖房運転に有効に利用
することができるので、外部への排熱を少なくして自然
環境への影響を可及的に小さくすることができる。ま
た、従来の蓄熱式のヒートポンプを用いた冷房(暖房)
装置では、蓄熱槽の冷温熱を直接空調負荷に対応させる
ものなので、例えば氷蓄熱の装置では冷房期には潜熱を
利用することができるが暖房期には顕熱でしか熱を蓄熱
することができない。冷房期、暖房期ともに潜熱を利用
する為には2種類の潜熱蓄熱材を使わざるを得なかった
のに対し、実施形態の方法と装置では1種類の潜熱蓄熱
材15で済む為に、設置スペースが小さくできる等、イ
ニシャルコスト的にも有利である。
【0023】従来の蓄熱式のヒートポンプを用いた冷房
(暖房)装置では、夜間の蓄熱温度が冷房期、暖房期に
おいて、それぞれ、−5℃、55℃程度であったのに対
し、実施形態の方法と装置では10℃、30℃程度であ
ること、また、昼間の空調時の熱源温度が冷房期、暖房
期においてそれぞれ、35℃、5℃(空冷時)であった
のに対し、実施形態では25℃、15℃程度であること
の為、年間の昼夜を通じてヒートポンプ1の成績係数C
OPの向上を図り、ランニングコストの点でも有利であ
る。
【0024】また、伝熱流体の配管8に切替弁9、1
0、11を介設して伝熱流体が循環するラインを蓄熱槽
2と蒸発器6又は蓄熱槽2と凝縮器5の間で任意に形成
することができるようにしたので、冷房負荷にも暖房負
荷にも対応することができる。更に、蓄熱槽2とヒート
ポンプ1間を伝熱流体の配管8で接続したので、配管8
の構成に自由度があり、ヒートポンプ1と蓄熱槽2を一
体化させる必要をなくすると共に、汎用機器の組み合わ
せで装置の構築が可能であり、また、既存の冷暖房装置
に対しても改造が容易に可能である。
【0025】更に、従来のヒートポンプを用いた冷房
(暖房)装置ではヒートポンプの熱源として、大気等の
自然の熱ソースを利用していた為に、ヒートアイランド
現象や地球温暖化の一因になっていたが、実施形態では
蓄熱槽2に高密度に蓄熱された冷熱又は温熱(主に潜
熱)を利用するので環境に対して悪影響の少ない装置と
することができる。
【0026】
【発明の効果】以上に説明の通り、この発明によれば、
自然環境への影響が小さく、冷房及び暖房が可能であ
り、しかも、ヒートポンプと蓄熱槽を一体化しなくても
良くできるヒートポンプを用いた冷暖房方法と装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の系統図である。
【図2】従来のヒートポンプを用いた冷房装置の系統図
である。
【図3】この発明の実施形態の、カプセル式とした蓄熱
槽の断面図である。
【図4】同じく実施形態の、別のカプセル式の蓄熱槽の
断面図である。
【図5】同じく実施形態の、更に別のカプセル式の蓄熱
槽の断面図である。
【図6】同じく実施形態の、アイスオンコイル式とした
蓄熱槽の断面図である。
【図7】同じく実施形態の、別のアイスオンコイル式の
蓄熱槽の断面図である。
【図8】同じく実施形態の、プレート式とした蓄熱槽の
断面図である。
【図9】同じく実施形態の、冷房期の夜間の運転パター
ン図である。
【図10】同じく実施形態の、冷房期の昼間の運転パタ
ーン図である。
【図11】同じく実施形態の、暖房期の夜間の運転パタ
ーン図である。
【図12】同じく実施形態の、暖房期の昼間の運転パタ
ーン図である。
【符号の説明】
1 ヒートポンプ 2 蓄熱槽 3 コンプレッサー 4 膨張弁 5 凝縮器 6 蒸発器 7 冷媒配管 8 配管 9、10、11 切替弁 12 冷熱源 13 温熱源 14、20、22 仕切り板 15 潜熱蓄熱材 16、18、19 カプセル 17、24 開口 21 分岐配管 23 プレート 24 開口 25、26 循環ポンプ 27、28 制御弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートポンプの蒸発器で得られる冷熱
    又は凝縮器で得られる温熱を蓄熱し、この蓄熱された冷
    熱又は温熱を利用して室内を冷暖房するようにしたヒー
    トポンプを用いた冷暖房方法において、 融点及び凝固点が20℃付近の潜熱蓄熱材15が充填さ
    れた蓄熱槽2に対し、伝熱流体を水とし、 冷房期には、ヒートポンプ1の蒸発器6で得られる冷熱
    を前記伝熱流体で移送して、潜熱蓄熱材15に凝固潜熱
    の形で蓄熱し、この蓄熱した冷熱をヒートポンプ1の凝
    縮器5を冷却する為に利用し、 暖房期には、ヒートポンプ1の凝縮器5で得られる温熱
    を前記伝熱流体で移送して潜熱蓄熱材15に融解潜熱の
    形で蓄熱し、この蓄熱した温熱をヒートポンプ1の蒸発
    器6を加熱する為に利用することを特徴とするヒートポ
    ンプを用いた冷暖房方法。
  2. 【請求項2】 ヒートポンプの蒸発器で得られる冷熱
    又は凝縮器で得られる温熱を蓄熱する為の蓄熱槽を備
    え、蓄熱槽に蓄熱された冷熱又は温熱を利用して室内を
    冷暖房できる構成としたヒートポンプを用いた冷暖房装
    置において、 融点及び凝固点が20℃付近の潜熱蓄熱材15が充填さ
    れた蓄熱槽2に対し、伝熱流体として水が流通可能とし
    てあり、 この伝熱流体の配管8が切替弁9、10、11を介して
    ヒートポンプ1の蒸発器6と凝縮器5の両方と接続して
    あり、前記切替弁9、10、11の切替によって蓄熱槽
    2内の伝熱流体が前記蒸発器6と凝縮器5の何れか一方
    へ流通して熱交換ができるようにしてあることを特徴と
    するヒートポンプを用いた冷暖房装置。
  3. 【請求項3】 潜熱蓄熱材15は、多数個のカプセル
    16、18、19に封入されて蓄熱槽2に充填されてい
    る請求項2に記載のヒートポンプを用いた冷暖房装置。
  4. 【請求項4】 カプセル16、18、19は、球状、
    円筒状、又は、板状とされている請求項3に記載のヒー
    トポンプを用いた冷暖房装置。
  5. 【請求項5】 潜熱蓄熱材15は、蓄熱槽2内に設け
    た伝熱流体の配管8、21の周囲に充填されている請求
    項2に記載のヒートポンプを用いた冷暖房装置。
  6. 【請求項6】 潜熱蓄熱材15は、蓄熱槽2内に間隔
    を保って積み重ねられた複数のプレート23の間に充填
    されている請求項2に記載のヒートポンプを用いた冷暖
    房装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016138722A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 三浦工業株式会社 蓄熱タンク及び蓄熱タンクを備えた熱交換システム
CN111895833A (zh) * 2020-07-01 2020-11-06 山东东工新能源科技有限公司 一种储能式换热器

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