JP4797763B2 - 蓄熱装置 - Google Patents

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Description

この発明は、過冷却状態で外部からの刺激によって固相の核を生じて凝固を開始する蓄熱材を備えた蓄熱装置に関し、特に冷媒などの媒体の有する熱(もしくは冷熱)を一時的に蓄えることのできる蓄熱装置に関するものである。
従来、車両の走行などに伴って生じる余剰の熱やエネルギーを回収して蓄熱し、その熱エネルギーを暖機や冷房などに使用するように構成した蓄熱器が知られている。その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された装置は、酢酸ナトリウム3水塩や硫酸ナトリウム10水塩などの過冷却度の大きい潜熱蓄熱材が熱媒体と熱交換可能に設けられるとともに、その潜熱蓄熱材の内部に熱電素子が配置されている。その潜熱蓄熱材が過冷却状態になっている場合に、熱電素子に電圧を印加することにより、潜熱蓄熱材が局部的に冷却され、その結果、発核が生じて凝固が開始され、それに伴う潜熱が放出されることにより、熱媒体を加熱するようになっている。
また、特許文献2には予期しない外的刺激により固相の核が生じた場合に、固相変化が蓄熱材の全体に及ばないように構成した発明が記載されている。具体的には、特許文献2に記載された装置は、固相変化に伴う体積膨張によって閉じられる逆止弁が、発核室と蓄熱材室とを連通する連通路に配置されている。さらに、特許文献3には、過冷却状態にある潜熱蓄熱材の凝固を誘発させることに伴って生じる熱を、潜熱蓄熱材の内部と接続している熱媒体流路に形成された熱回収手段で回収するように構成した装置が記載されている。
特開平6−281372号公報 特開平5−133690号公報 特開2001−153405号公報
上述した特許文献1に記載されている発明では、潜熱蓄熱材の発核を、確実かつ簡単な構成で生じさせるために、熱電素子によって発核装置を構成している。具体的には、潜熱蓄熱材のうち熱媒体の流入側に近い箇所に熱電素子を配置している。このような構成であれば、過冷却状態にある潜熱蓄熱材を発核させることができるが、発核ポイントを選択することができず、蓄熱もしくは蓄冷を効率良く行うためには改良の余地がある。また、特許文献2に記載された発明は、予期しない発核に伴って固相が全体に拡大することを防止するように構成した発明であるから、発核の実行・不実行を制御できるようには構成されていない。
この発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、状況に応じた蓄熱を効率良く行うことのできる蓄熱装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため請求項1の発明は、相変化に伴う潜熱を蓄える蓄熱材を備えた蓄熱装置において、前記蓄熱材の内部の複数箇所の温度を温度センサーによって検出して前記蓄熱材の内部における温度分布を検出する温度検出手段と、その温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記蓄熱材に過冷却が生じていることを判定する過冷却判定手段と、前記蓄熱材に固相の核を生じさせる発核を前記蓄熱材内の複数箇所で個別に生じさせるように動作する発核手段と、前記過冷却手段が過冷却状態が判定された場合に前記発核手段によって発核を生じさせる箇所を選択する選択手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記選択手段は、前記発核手段によって発核させる箇所を、前記温度検出手段によって検出された温度の分布に基づいて選択する手段を含むことを特徴とする蓄熱装置である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記選択手段は、前記温度の分布における過冷却状態の温度を示す部分もしくは該部分に近い箇所を、前記発核手段によって発核させる箇所として選択する手段を含むことを特徴とする蓄熱装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、熱搬入媒体を流動させて前記蓄熱材との間で熱交換させる入熱部と、熱搬出媒体を流動させて前記蓄熱材との間で熱交換させる出熱部とを更に備え、前記選択手段は、前記出熱部に近い箇所と遠い箇所とに過冷却が生じていることが前記過冷却判定手段で判定された場合に、前記出熱部に近い箇所で前記遠い箇所よりも先に発核させるように前記発核手段によって発核させる箇所を選択する手段を含むことを特徴とする蓄熱装置である。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記出熱部は、前記熱搬出媒体が流入する入口部と、前記蓄熱材と熱交換した前記熱搬出媒体が流出する出口部とを備え、前記選択手段は、前記入口部に近い箇所で前記出口部に遠い箇所よりも先に発核させるように前記発核手段によって発核させる箇所を選択する手段を含むことを特徴とする蓄熱装置である。
なお、この発明において蓄熱とは、エネルギーを増大させる正の熱量を増大させて蓄える状態と、エネルギーを低下させる負の熱量を増大(換言すれば、冷熱量の増大)させて蓄える状態とのいずれをも含む。
請求項1の発明によれば、蓄熱材に過冷却の部分が生じていることが過冷却判定手段で判定されると、過冷却部分のうち発核手段を動作させて発核させる箇所が選択手段によって選択される。したがって、蓄熱材の内部で熱伝達を迅速に行うべき状況や熱伝達量を多くする必要がある状況などのそれぞれに応じた箇所で固相を生じさせることができるので、蓄熱材の内部で効率良く熱移動を生じさせて蓄熱を行うことができる。
請求項2または3の発明によれば、蓄熱材の内部の温度分布に基づいて、発核させる箇所を選択できるので、蓄熱効率を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、熱搬出媒体を流動させる出熱部に近い箇所を遠い箇所よりも先に固相に相変化させることになるので、熱搬出媒体を蓄熱材で冷却する場合、冷却の必要性の高い出熱部側に相対的に多くの冷熱を蓄えることができる。
請求項5の発明によれば、熱搬出媒体は蓄熱材との間で熱交換を行った後に出口部側から流出するので、蓄熱材と熱搬出媒体との間の温度差は入口部側で大きく、この部分に近い箇所で遠い箇所よりも先に発核させるから、熱搬出媒体が蓄熱材から冷熱を搬出することに備えた蓄熱状態を設定することができる。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。この発明の蓄熱装置は、エネルギーを増大させる正の熱の蓄熱と、エネルギーを低下させる負の熱の蓄熱とのいずれも可能であるが、以下の説明では、後者のいわゆる冷熱の蓄熱を行うように構成した具体例を示す。
図1に示す例は、蓄熱材1に対して、熱搬入媒体としての冷媒2が冷熱を搬入し、かつ蓄熱材1の有する冷熱を、熱搬出媒体としてのブライン3が搬出するように構成した例である。その蓄熱材1は、水やエチルグリコール水溶液、塩化アンモニウム水溶液など融点が低く、融解熱が比較的大きい潜熱蓄熱材であって、所定の容器の内部に封入されている。その蓄熱材1の周囲には、蓄熱材1を取り囲んだ状態に複数の熱電素子(熱電モジュール)4A,4B,…4Pが、隙間なく、もしくは間隔をあけて並んで配置されている。これらの熱電素子4A,4B,…4Pは、蓄熱材1を局部的に冷却して発核させるためのものであり、蓄熱材1に接する面とこれとは反対側の外気に接する面とに接点を有し、これらの接点の間に電圧を印加することにより、蓄熱材1に接する接点で吸熱が生じるように構成されている。
また、冷媒2を流通させる入熱用配管5と、ブライン3を流通させる出熱用配管6が、蓄熱材1の内部を貫通した状態で配置されている。これらの配管5,6は蓄熱材1の内部で所定の間隔をあけて配置され、かつこれらの配管5,6の間を蓄熱材1が満たしており、したがって各配管5,6の間、すなわち冷媒2とブライン3との間では蓄熱材1を介した熱伝達が生じるように構成されている。
そして、各配管5,6の蓄熱材1に埋まっている部分では、冷媒2と蓄熱材1、ブライン3と蓄熱材1との熱交換が生じるので、これらの部分が熱交換部となっており、特に入熱用配管5はこの発明の熱搬入部となっており、また出熱用配管6はこの発明の熱搬出部となっている。さらに、図1に示す例では、ブライン3が下から上に向けて流れるように構成されており、したがって出熱用配管6の図1での下側の部分が入口部7となり、上側の部分が出口部8となっている。そして、蓄熱材1の内部の複数箇所には、温度センサー9A,9B,…9Eが配置され、それぞれの部分の温度を検出するようになっている。なお、配置位置は、例えば入熱用配管5の入口部の近傍およびその出口部の近傍、出熱用配管6の入口部7の近傍およびその出口部8の近傍、ならびに蓄熱材1の中央部である。
なおここで、上記の冷媒2を循環させる冷凍サイクル10について簡単に説明すると、車両のエンジンなどの動力源(図示せず)によって駆動されるコンプレッサ11を備えており、その吐出側にコンデンサー12およびレシーバータンク13ならびに膨張弁14が順に接続されている。そして、その膨張弁14の吐出側に前述した入熱用配管5が接続され、さらにその入熱用配管5がコンプレッサ11の吸入側に接続されている。したがってこの発明の熱搬入部を構成している入熱用配管5が冷凍サイクル10のエバポレータとなっている。他方、前記出熱用配管6は、車室側熱交換器などの熱交換器15との間で循環路を形成するように構成され、その循環路の途中にポンプ16が介装されている。
上記の熱電素子4A,4B,…4Pの制御を行うためのコントローラ17が設けられている。このコントローラ17は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成されており、入力されたデータおよび予め記憶しているデータとプログラムとを利用して、動作させるべき熱電素子4A,4B,…4Pの選択およびその熱電素子4A,4B,…4Pのオン・オフの制御を行うように構成されている。その制御のために入力されているデータは、各温度センサー9A,9B,…9Eで検出された温度、外気温度、冷媒2の流量、ブライン3の流量などである。
蓄熱材1は、融点以上の温度の状態および過冷却の状態では液相をなしており、その状態では、凝固した後の固相に比較して比熱が大きく、したがって伝導可能な熱量が多い半面、その伝導速度が遅い。固相の状態では、これとは反対の特性を示す。この発明の制御装置は、蓄熱材1のこのような特性を利用して蓄熱を効率良く行うために、蓄熱材1の発核あるいは凝固を選択的に生じさせるように構成されている。
図2はその制御の一例を説明するためのフローチャートであって、ここに示す例は、ブライン3による熱の搬出を積極的には行っていない場合の例である。先ず、前記各温度センサー9A,9B,…9Eの検出値が読み込まれる(ステップS1)。その温度センサ9A,9B,…9Eの検出値に基づいて蓄熱材1の内部における温度分布が推定される(ステップS2)。前述したように温度センサ9A,9B,…9Eは、限られた箇所に配置されているだけであるため、蓄熱材1の全ての箇所の温度を知ることができないが、前記各配管5,6の位置やこれらの配管5,6を含む全体としての構造が判っているので、温度センサ9A,9B,…9Eが配置されていない箇所の温度を実験データやシミュレーションなどに基づいて推定することができる。
ついで、推定された温度分布に基づいて過冷却部があるか否かが判断される(ステップS3)。蓄冷している過程で凝固点以上の箇所と凝固し始めた箇所とが併存すると、凝固し始めた箇所は、潜熱を放出するために凝固点の温度を維持する。これに対して凝固せずに過冷却の部分が併存すると、凝固点以上の部分と過冷却部との間では、温度が連続的に変化する状態になる。このように、凝固が始まっていて過冷却部が存在しない場合もしくは部分と、過冷却部が併存する部分とでは、温度が異なっているので、温度分布から過冷却部の有無を検出することができる。
過冷却部が存在しないことによりステップS3で否定的に判断された場合には、発核のための前提条件が成立していないので、特に制御を行うことなくこのルーチンを一旦終了する。これに対して過冷却部が存在することが推定されてステップS3で肯定的な判断が成立した場合には、発核させるべき位置すなわち発核させるべく動作させる熱電素子4A,4B,…4Pが選択される(ステップS4)。動作させる熱電素子4A,4B,…4Pの選択は、蓄熱装置の動作状態などの状況に応じて行うことができ、例えば前記ブライン3による熱の搬出が生じておらず、かつ冷媒2による冷熱の搬入が継続的に生じている場合には、熱搬入部である入熱用配管5から遠い箇所の過冷却部で発核させる。
図1に示す構成では、入熱用配管5に対して蓄熱材1を挟んで反対側に出熱用配管6が配置されているので、出熱用配管5の周囲の蓄熱材1が熱搬入部から遠い箇所の蓄熱材1に相当し、したがってここに示す例では、出熱用配管6側から発核させる。図1に示すように構成されている場合には、符号4D,〜4Iで示す熱電素子に電圧を掛けてそのペルティエ効果によって蓄熱材1を局部的に冷却する。
なお、ブライン3を流動させた場合、入口部7から流入したブライン3は、蓄熱材1との間の熱交換によって次第に冷やされ、温度が低下した状態で出口部8から流出するので、蓄熱材1とブライン3との温度差それに伴う熱交換率は入口部7側で大きくなる。したがって、蓄熱(蓄冷)を上記のようにして行っている過程でブライン3による熱の搬出が開始されることを考慮した場合には、入口部7側の蓄熱材1を優先的に発核させる。そのためには、図1に符号4H,4Iで示す熱電素子を動作させて局部的に冷却する。ついで、出口部8側の蓄熱材1を発核させるように、熱電素子を順に動作させる。その後、中央部の蓄熱材1、入熱用配管5側の蓄熱材1の順に発核させるように各熱電素子を動作させる。このような動作させる熱電素子の変更は、前述した温度センサ9A,9B,…9Eで検出された温度に基づいて蓄熱材1が凝固したことを判断して行えばよい。
このように発核位置を選択することにより、入熱のある箇所から遠い箇所で最初に発核させ、以降、近い箇所に向けて順に凝固させることになる。したがって熱搬入部である入熱用配管5の周囲の蓄熱材1は、液相に維持され易くなり、液相の蓄熱材1の比熱が大きいことにより冷媒2から受け取る熱量および凝固が進行している箇所への熱の移動量を多くすることができる。言い換えれば、冷媒2が蓄熱材1に伝達せずに持ち帰ってしまう冷熱量を少なくすることができる。そのため、冷媒2の有する冷熱を可及的に多量にかつ効率良く蓄熱することができる。
潜熱を蓄えている蓄熱材1から前記ブライン3によって冷熱を搬出し、潜熱が蓄熱材1に残っている状態で冷熱の搬出を停止した場合、蓄熱材1の内部には、溶解せずに固相として潜熱を保有している部分が残存することがある。その態様を図3および図4に模式的に示してあり、符号18は固相の蓄熱材1すなわち蓄熱材1の塊を示す。図3に示す例は、塊18が入熱用配管5側に散在している例であり、図4に示す例は、塊18が入熱用配管5と出熱用配管6との間に散在している例である。これら図3あるいは図4に示す状態で冷媒2による冷熱の搬入があり、それに伴って過冷却部が生じていることが判定された場合、前述した図1および図2を参照して説明したのと同様に、出熱用配管6側から順に発核させ、特に出熱用配管6の入口部7側から順に発核させる。すなわち、出熱用配管6の入口部7に近い蓄熱材1、その出口部8側の蓄熱材1、中央部寄りの蓄熱材1、入熱用配管5側の蓄熱材1の順に発核させて次第に凝固させる。その発核の操作は、それぞれの近傍に位置する熱電素子4A,4B,…4Pを順に動作させることにより行う。
したがって図3あるいは図4に示すように入熱用配管5側あるいは中央部に、潜熱を保有している蓄熱材1の塊18が存在していることが推定されても、その塊18を積極的には増大もしくは成長させずに、入熱用配管5に対していわゆる奥に存在している未凝固の蓄熱材1を優先的に発核させ、その凝固を促進させる。その結果、入熱用配管5から遠い箇所(図示の例では冷熱の搬出側)の蓄熱材1に対する冷熱の移動が促進され、冷媒2の有する冷熱を可及的に多量にかつ効率良く蓄熱材1に与えて蓄えることができる。
上述したように入熱用配管5と出熱用配管6とが、蓄熱材1の内部で互いに対局側に離れて配置され、その入熱用配管5を流れる冷媒によって冷却を行う場合、出熱用配管6の入口部7の近傍の蓄熱材1で発核させることが好ましい。したがって、温度センサおよび発核手段である熱電素子は、出熱用配管6の入口部7の近傍すなわち出熱部側にのみ設けてもよい。
上述した具体例は、ブライン3の流動を止めるなどブライン3による熱の搬出が生じていない状態で蓄熱(蓄冷)を行う場合の例であるが、この発明は冷媒2およびブライン3を共に流動させている場合にも適用することができる。すなわち、冷凍サイクル10を動作させて冷房もしくは冷却を行う場合、入熱用配管5に冷媒2を循環させるとともに、ブライン3を出熱用配管6に循環流動させるが、冷媒2とブライン3との間の熱交換は、蓄熱材1を介して行われるので、冷媒2からの入熱量やブライン3による出熱量との関係に応じて、蓄熱材1の状態を変化させることが好ましい。
その制御例を図5にフローチャートで示してある。先ず、前述した各温度センサ9A,9B,…9Eの検出値が読み込まれる(ステップS11)。その読み込んだ検出値に基づいて、蓄熱材1の内部における温度分布が推定される。また、コンプレッサー11の動作状態に基づいて冷媒2の吐出流量V1が算出される(ステップS12)。これは、具体的には、コンプレッサー11におけるシリンダの体積と体積効率と回転数(もしくはモータを制御するデューティ比)とから算出することができる。なお、吐出流量に替えてコンプレッサー11の吸入容積を算出することとしてもよい。
そして、冷媒2の吐出流量V1と温度センサ9A,9B,…9Eによって検出された蓄熱材1の温度などに基づいて冷媒2による蓄熱材1に対する熱搬入量Q1が推定される(ステップS13)。冷媒2の温度は冷凍サイクル10の容量などの設計上の仕様に基づいて定まり、またその比熱も既知であるから、吐出流量V1と検出された蓄熱材1の温度などに基づいて搬入熱量Q1を求めることができる。
一方、前述したポンプ16の動作状態すなわち回転数やモータを制御するデューティ比に基づいてブライン3の流量V2が算出される(ステップS14)。さらに、その算出されたブライン3の流量V2と検出された蓄熱材1の温度などに基づいてブライン3による熱搬出量Q2が推定される(ステップS15)。なお、ブライン3の蓄熱材1に対する流入側の温度と流出側の温度との差と流量V2とに基づいて搬出熱量を求めることもできる。
こうして算出された搬入熱量Q1と搬出熱量Q2とが比較される(ステップS16)。これは、一例としてマップに基づいて行うことができ、その例を図6に示してある。ここに示すマップは、横軸に搬入熱量Q1を採り、縦軸に搬出熱量Q2を採り、これらの熱量Q1,Q2で定まる領域を境界線Lによって二分したマップである。図6に示す例では、その境界線Lは、各熱量Q1,Q2が等しい点を結んだ線(図6の破線)よりも図6で下側を通る曲線とされており、その境界線Lの下側の領域すなわち搬入熱量Q1が相対的に多い領域(A領域)と、上側の領域すなわち搬出熱量Q2が相対的に多い領域(B領域)とに区分されている。ステップS16では、その時点の蓄熱装置の状態が上記のA領域に入っているか否かが、各熱量Q1,Q2および図6のマップに基づいて判断される。
このステップS16で肯定的に判断された場合、すなわち搬入熱量(冷熱量)Q1が搬出熱量(冷熱量)Q2より所定値以上多い場合、過冷却状態となっていることが推定された箇所に近い熱電素子が選択されて動作させられる(ステップS17)。すなわち、蓄熱材1が発核させられる。その結果、冷媒2によって搬入された冷熱のうちブライン3によって搬出される冷熱を除いた残余の冷熱が蓄熱材1に潜熱として蓄えられる。言い換えれば、冷媒2が搬入した冷熱を蓄熱材1が受け取ることにより、冷媒2が持ち帰ってしまう冷熱量を少なくすることができ、そのため蓄熱効率を向上させることができる。
これとは反対にステップS16で否定的に判断された場合には、熱電素子を動作させるなどの特別な制御を行うことなく、このルーチンを一旦終了する。すなわち、搬入熱量Q1が搬出熱量Q2より多い場合であっても、その熱量Q1,Q2の差が所定値より小さいなどの場合には、たとえ過冷却状態であっても蓄熱材1を固相に変化させずに液相に維持する。その結果、蓄熱材1を介した冷媒2とブライン3との間の熱伝達量が、凝固した場合より多くなり、換言すれば冷媒2とブライン3との間の熱抵抗が小さくなり、効率良く冷房もしくは冷却を行うことができる。
なお、蓄熱材1から外気に対する不可避的な放熱があるから、図6に示すマップにおける境界線Lを外気温度に応じて変化もしくは設定するようにしても良い。また、この発明における発核手段は、熱電素子からなるものに限定されないのであって、発核を生じさせる刺激を与えることのできる構成のものであればよい。
ここで上述した各具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、前述した温度センサ9A,9B,…9EあるいはステップS1,S2を実行する機能的手段が、この発明の温度検出手段に相当し、ステップS3を実行する機能的手段が、この発明の過冷却判定手段に相当し、各熱電素子4A,4B,…4Pが、この発明の発核手段に相当し、さらにステップS4を実行する機能的手段が、この発明の選択手段に相当する。また、入熱用配管5がこの発明の入熱部に相当し、出熱用配管6がこの発明の出熱部に相当する。
この発明の一例を模式的に示す図である。 その蓄熱材を選択的に発核させる制御例を説明するためのフローチャートである。 蓄熱材に部分的に固相が生じている状態を模式的に示す図である。 蓄熱材に部分的に固相が生じている他の状態を模式的に示す図である。 入熱量と出熱量との比較に基づいて発核を制御する制御例を説明するためのフローチャートである。 図5に示す制御例で使用するマップの一例を概略的に示す図である。
符号の説明
1…蓄熱材、 2…冷媒、 3…ブライン、 4A,4B,〜4P…熱電素子、 5…入熱用配管、 6…出熱用配管、 7…入口部、 8…出口部、 9A,9B,〜9E…温度センサ、 10…冷凍サイクル、 15…熱交換器、 16…ポンプ、 17…コントローラ。

Claims (5)

  1. 相変化に伴う潜熱を蓄える蓄熱材を備えた蓄熱装置において、
    前記蓄熱材の内部の複数箇所の温度を温度センサーによって検出して前記蓄熱材の内部における温度分布を検出する温度検出手段と、
    その温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記蓄熱材に過冷却が生じていることを判定する過冷却判定手段と、
    前記蓄熱材に固相の核を生じさせる発核を前記蓄熱材内の複数箇所で個別に生じさせるように動作する発核手段と、
    前記過冷却手段が過冷却状態が判定された場合に前記発核手段によって発核を生じさせる箇所を選択する選択手段と
    を備えていることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 前記選択手段は、前記発核手段によって発核させる箇所を、前記温度検出手段によって検出された温度の分布に基づいて選択する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置。
  3. 前記選択手段は、前記温度の分布における過冷却状態の温度を示す部分もしくは該部分に近い箇所を、前記発核手段によって発核させる箇所として選択する手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の蓄熱装置。
  4. 熱搬入媒体を流動させて前記蓄熱材との間で熱交換させる入熱部と、熱搬出媒体を流動させて前記蓄熱材との間で熱交換させる出熱部とを更に備え、
    前記選択手段は、前記出熱部に近い箇所と遠い箇所とに過冷却が生じていることが前記過冷却判定手段で判定された場合に、前記出熱部に近い箇所で前記遠い箇所よりも先に発核させるように前記発核手段によって発核させる箇所を選択する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の蓄熱装置。
  5. 前記出熱部は、前記熱搬出媒体が流入する入口部と、前記蓄熱材と熱交換した前記熱搬出媒体が流出する出口部とを備え、
    前記選択手段は、前記入口部に近い箇所で前記出口部に遠い箇所よりも先に発核させるように前記発核手段によって発核させる箇所を選択する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の蓄熱装置。
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