JPH11293861A - 縦葺き屋根構造 - Google Patents

縦葺き屋根構造

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JPH11293861A
JPH11293861A JP31765898A JP31765898A JPH11293861A JP H11293861 A JPH11293861 A JP H11293861A JP 31765898 A JP31765898 A JP 31765898A JP 31765898 A JP31765898 A JP 31765898A JP H11293861 A JPH11293861 A JP H11293861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工時には屋根板を挟着作業するだけの接続
作業で済み、施工後には風圧によって屋根板が飛散せ
ず、そして、隣り合う屋根板間が化粧されて意匠性が高
められている縦葺き屋根構造を提供すること。 【解決手段】 下地7に固定された下部材8に上部材17
を取り付けて、この上下両部材の左右挟着部11,12,1
8,19に左右の縦葺き屋根板1における面板部1aを含め
て平板状の左右側縁部1b,1cを挟着するだけで、同側縁
部における前記挟着部内側に当接することで係止されて
抜け外れない程度の高さに形成してある係止部2が挟着
部内側に位置する態様にしてあると共に、前記上部材17
が、前記左右挾着部18,19を有する上部吊子とカバー部
材28からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は縦葺き屋根構造に関し、
施工が容易で、施工後には風圧によって飛散するような
ことがなく、しかも、隣り合う屋根板間が化粧されて意
匠性が高められている優れたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の屋根構造における縦葺き屋根板
は、瓦棒屋根に代表されるように、側縁部に立ち上げ部
(ハゼ部)を形成したものがほとんどであり、その加工
・施工は次の二点に大別されている。中小規模の屋根
(流れ方向の長さがさほどない場合)にあっては、工場
で屋根板をあらかじめ加工した後、現場に運搬して施工
する方法。大規模の屋根にあっては、屋根板を加工する
機械(成型機)とロール状の屋根材を現場に持ち込み、
現場で屋根板を加工して施工する方法。
【0003】しかし、前者にあっては、積み重ねによる
立ち上げ部の変形を防ぐための梱包、梱包された荷の
「嵩さ張り」、取扱いの手間、ストックする場所の確保
等の問題があった。また、後者にあっては、屋根材(ロ
ール状)はもとより、成型機を現場に持ち込むため、コ
スト(成型機輸送、人手等)が非常にかかるという経済
的な問題があった。
【0004】そこで、左右側縁部に加工を施さない平板
状の屋根板を用いた屋根構造として、実開平2-143419号
等が提案されているが、同提案のものは、屋根板の側縁
部を挟着しているだけなので、屋根面に風圧による負圧
等が作用した場合には、面板部が引き上げられて中央部
が膨らんで、側縁部が挟着部から抜ける方向に引っ張ら
れるため、屋根板が捲れたり、強いては飛散してしまう
恐れもあった。また、挟着と接着剤(屋根板と下地材)
を併用する方法も提案されているが、施工性が著しく低
下するし、さらに接着剤の経年による劣化が問題となっ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、施工時には屋根板を挟着作業するだけの接続作業で
済み、施工後には風圧によって屋根板が飛散せず、そし
て、隣り合う屋根板間が化粧されて意匠性が高められて
いる縦葺き屋根構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を
解決するため、下地に固定された下部材に上部材を取り
付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋
根板における面板部を含めて平板状の左右側縁部を挟着
するだけで、同側縁部における前記挟着部内側に当接す
ることで係止されて抜け外れない程度の高さに形成して
ある係止部が挟着部内側に位置する態様にしてあると共
に、前記上部材が、前記左右挾着部を有する上部吊子と
カバー部材からなることを特徴とする。また本発明で
は、下地に固定された下部材に上部材を取り付けて、こ
の上下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋根板におけ
る面板部が上部材上面高さとほぼ同一になる段部を経た
左右側縁部を挟着するだけで、同側縁部における前記挟
着部内側に当接することで係止されて抜け外れない程度
の高さに形成してある係止部が挟着部内側に位置する態
様にしてあると共に、前記上部材にカバー部材が同一体
に形成されていることを特徴とする。また本発明では、
下地に固定された下部材に上部材を取り付けて、この上
下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋根板における面
板部が上部材上面高さとほぼ同一になる段部を経た左右
側縁部を挟着するだけで、同側縁部における前記挟着部
内側に当接することで係止されて抜け外れない程度の高
さに形成してある係止部が挟着部内側に位置する態様に
してあると共に、前記上部材が、前記左右挾着部を有す
る上部吊子とカバー部材からなることを特徴とする。ま
た本発明では、前記カバー部材が長尺状で、ピース状の
上部吊子に一体的に覆設されて取付けられていることを
特徴とする。また本発明では、前記カバー部材が上部吊
子に、カバー部材の係合突部を上部吊子における係合凹
部に係合して取付けられていることを特徴とする。また
本発明では、前記上部材又はカバー部材が前記左右挾着
部に跨る態様に形成されていることを特徴とする。
【0007】本発明における下部材は、樋部材と下部吊
子が別体でも、一体に形成された態様のものでも良い。
上部材は、カバー部材と同一体である態様であっても良
いし、上部吊子とカバー部材が別体の態様でも、一体に
形成された態様のものでも良い。上部材と下部材の接続
方法は公知の適宜手段から選択すれば良く、例えば、弾
性係合であっても、ボルト、ナットによる締着であって
も良く特に問わない。上部材と屋根板、下部材と屋根板
のように、相互に接する箇所にパッキングを介在させて
も良い。縦葺き屋根板における係止部の高さは、挟着部
内側に当接可能で且つ挟着部から抜け外れない程度の高
さであることが望ましい。この係止部は上向き、下向き
を問わず、流れ方向すなわち側縁部に沿い連続状に形成
され、側縁を折り返して成型される。また、屋根板の面
板部は波板状に加工しても良く、この場合、風圧に対す
る面板部の強度が強化される。屋根板の形状は、定形状
の矩形状であっても、曲面屋根等に対応可能な台形状の
いずれであっても良く、積み重ね時に係止部の変形等を
危惧せずに梱包そして運搬できる。
【0008】挟着部の内側における係止部の位置関係
は、面板部に風圧等が作用した時に、挟着部側に向けて
移動して、同挟着部を形成している上下両部材の少なく
とも一方に当接して抜け外れなくなるような態様にする
のが望ましい。この場合、施工時には係止関係にならな
いことで、施工時の誤差等を吸収することができる。
【0009】
【作用】請求項1発明では、下地に固定された下部材に
上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着部に左
右の縦葺き屋根板における面板部を含めて平板状の左右
側縁部を挟着するだけで、同側縁部における前記挟着部
内側に当接することで係止されて抜け外れない程度の高
さに形成してある係止部が挟着部内側に位置する態様に
してあるため、屋根板に風圧が作用すると、係止部が挟
着部内側に当接することにより、屋根板が挟着部から抜
け外れず飛散する恐れがない。従来のハゼ組みの屋根お
よび挟着による屋根と比較して、屋根板が挟着部から抜
け外れない挟着状態で接続が行われるため、屋根板の幅
方向の成型誤差、下部材の取付誤差等を上部材と下部材
の挟着部分で吸収しながら、風圧によって飛散しない構
造に迅速に施工することができて施工性が優れている。
上部材が、左右挾着部を有する上部吊子とカバー部材か
らなっているため、隣り合う屋根板間がカバー部材で化
粧されていて意匠性が高い。
【0010】請求項2発明では、下地に固定された下部
材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着部
に左右の縦葺き屋根板における面板部が上部材上面高さ
とほぼ同一になる段部を経た左右側縁部を挟着するだけ
で、同側縁部における前記挟着部内側に当接することで
係止されて抜け外れない程度の高さに形成してある係止
部が挟着部内側に位置する態様にしてあるため、屋根板
に風圧が作用すると、係止部が挟着部内側に当接するこ
とにより、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散する恐れ
がない。従来のハゼ組みの屋根および挟着による屋根と
比較して、屋根板が挟着部から抜け外れない挟着状態で
接続が行われるため、屋根板の幅方向の成型誤差、下部
材の取付誤差等を上部材と下部材の挟着部分で吸収しな
がら、風圧によって飛散しない構造に迅速に施工するこ
とができて施工性が優れている。上下両部材の左右挟着
部に挟着された左右の金属製縦葺き屋根板における左右
側縁部の内側に段部を、面板部が上部材上面高さとほぼ
同一になるように形成してあるため、屋根板の面板部と
上部材上面の高さを同一に整えることができる。上部材
にカバー部材が同一体に形成されているため、隣り合う
屋根板間がカバー部材で化粧されていて意匠性が高く、
且つ、部材管理が容易であると共に、作業が省力化され
て施工容易である。
【0011】請求項3発明では、下地に固定された下部
材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着部
に左右の縦葺き屋根板における面板部が上部材上面高さ
とほぼ同一になる段部を経た左右側縁部を挟着するだけ
で、同側縁部における前記挟着部内側に当接することで
係止されて抜け外れない程度の高さに形成してある係止
部が挟着部内側に位置する態様にしてあるため、屋根板
に風圧が作用すると、係止部が挟着部内側に当接するこ
とにより、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散する恐れ
がない。従来のハゼ組みの屋根および挟着による屋根と
比較して、屋根板が挟着部から抜け外れない挟着状態で
接続が行われるため、屋根板の幅方向の成型誤差、下部
材の取付誤差等を上部材と下部材の挟着部分で吸収しな
がら、風圧によって飛散しない構造に迅速に施工するこ
とができて施工性が優れている。上下両部材の左右挟着
部に挟着された左右の金属製縦葺き屋根板における左右
側縁部の内側に段部を、面板部が上部材上面高さとほぼ
同一になるように形成してあるため、屋根板の面板部と
上部材上面の高さを同一に整えることができる。上部材
が、前記左右挾着部を有する上部吊子とカバー部材から
なるため、隣り合う屋根板間がカバー部材で化粧されて
いて意匠性が高い。
【0012】請求項4発明では、さらに、カバー部材が
長尺状で、ピース状の上部吊子に一体的に覆設されて取
付けられているため、雨仕舞そして意匠性を確保した上
で、上部吊子の材料費を軽減し得る。
【0013】請求項5発明では、さらに、カバー部材が
上部吊子に、カバー部材の係合突部を上部吊子における
係合凹部に係合して取付けられているため、上部吊子に
対してカバー部材を押し込む作業で迅速に組み付けられ
ると共に、雨仕舞そして意匠性を確保し得る。
【0014】請求項6発明では、さらに、上部材又はカ
バー部材が左右挾着部に跨る態様に形成されているた
め、左右挾着部への浸水を阻止して働く浸水阻止機能が
得られる。
【0015】
【実施例】図1および図2には本発明の縦葺き屋根構造
の第1実施例を例示しており、下地7上に、ロール成型
した長尺状の金属製樋部材26を軒棟方向に敷設すると共
に、この樋部材26を跨ぐようにして下地7上に短尺状の
下部吊子8を軒棟方向に沿い等間隔状に固定し、左右の
下部吊子8間に断熱材等のバックアップ材24を敷設し、
バックアップ材24上に屋根板1を覆設して、左右の屋根
板1の左右側縁部1b,1cをともに短尺状の下部吊子8と
上部吊子17とで挟着して接続してある。
【0016】下部吊子8は短尺状の金属製若しくは合成
樹脂製のもので、樋部材26の左右立ち上げ部27をそれぞ
れ跨いでいる水平状の下挾着部11,12下端をビス等の固
定具25で固定してある。この下挟着部11,12は左右対称
に形成してあり、左側の下挟着部11には屋根板1の右側
縁部1cにおける係止部2内側の板部下面を、右側の下挟
着部12には屋根板1の左側縁部1bにおける係止部2内側
の板部下面を、それぞれ下側から受け止めて上部吊子17
との間に挟持している。そして、左右の下挾着部11,12
間の中央には断面略鏃形状の被係合部13を立設してあ
り、この被係合部13には上部吊子17の係合部20を係合
してある。
【0017】上部吊子17は短尺状の金属製若しくは合成
樹脂製のもので、左右側縁に上挟着部18,19を左右対称
状に垂設しており、この左側の上挟着部18は左側の屋根
板1の右側縁部1cにおける係止部2内側の板部上面に接
して同右側縁部1cを下挟着部11との間に挟持し、右側の
上挟着部19は右側の屋根板1の左側縁部1bにおける係止
部2内側の板部上面に接して同左側縁部1bを下挟着部12
との間に挟持している。また、上部吊子17における中央
には係合凹部21を形成すると共に、この係合凹部21の下
側には下端が内側上向きに断面略鉤形状を呈している左
右一対の突条からなる係合部20を垂設していて、係合部
20は被係合部13に下端の鉤部が鏃部を越えて抜け外れな
いように係合して、係合凹部21にはカバー部材28の係合
突部29が係合している。
【0018】屋根板1は所要の幅からなる長尺状の金属
製のもので、面板部1a左右の左右側縁部1b,1cに沿い係
止部2をそれぞれ形成してある。この左右の係止部1b,
1cは側縁を上面側に折返して形成してあり、係止部1b,
1cの高さは上下両吊子8,17の挾着部内側に係止可能で
且つ同挾着部から抜け外れない程度の必要最小限の高さ
にしてある。この屋根板1の左側縁部1bは、同側縁の係
止部2が顎部19a に当接可能で且つ上下両挟着部12,19
から抜け外れない挟着状態に保持され、右側縁部1cは、
同側縁の係止部2が顎部18a に当接可能で且つ上下両挟
着部11,18から抜け外れない挟着状態に保持されてい
る。
【0019】カバー部材28はロール成型した長尺状の金
属製のもので、左右側縁における外側斜め下向き状の折
り下げ部30は上部吊子17外側脇の屋根板1の左右側縁部
1b,1cまで達していて、同側縁部1b,1cとの間にパッキ
ング31を挟持し、同側縁部1b,1cと上挟着部18,19との
間への浸水を未然に阻止し得るようにしてある。そし
て、カバー部材28は、下面側中央に折り返された両端部
を下側に折り下げた後に外側斜め上向きに折り返して係
合突部29を形成してあり、この係合突部29は上部吊子17
の係合凹部21に係合していて、前記パッキング31による
浸水阻止機能が保たれるようにしている。
【0020】これにより、屋根板1に風圧が作用する
と、左右側縁部1b,1cの係止部2が左右の上挟着部18,
19内側の顎部18a,19aにそれぞれ突き当たって当接する
ので、屋根板1が上下挟着部11,18および12,19間から
抜け外れず飛散する恐れがない。そして、従来のハゼ組
みの屋根および挟着による屋根と比較して、屋根板1が
上部吊子17と下部吊子8の左右の上下両挟着部11,18お
よび12,19から抜け外れない挟着状態で接続が行われる
ため、屋根板1の幅方向の成型誤差そして下部吊子8の
取付誤差等を上部吊子17と下部吊子8の上下両挟着部1
1,18および12,19箇所で吸収しながら、風圧によって
飛散しない構造に迅速に施工することができて施工性が
優れている。さらに、カバー部材28で上部吊子17を覆設
して化粧できると共に、折り下げ部30と左右側縁部1b,
1cとの間にパッキング31を挟持していることによって、
同側縁部1b,1cと上挟着部18,19との間への浸水を未然
に阻止することができる。
【0021】図3および図4には本発明の縦葺き屋根構
造の第2実施例を例示しており、構成は前記第1実施例
の縦葺き屋根構造のものと基本的に同一であるため、共
通している構成の説明は省略して、相違する構成につい
て説明する。下部吊子8は左右の下挟着部11,12の内側
に顎部11a,12aをそれぞれ形成していて、この顎部11
a,12aに屋根板1の左右側縁部1b,1cにおける係止部2
がそれぞれ当接可能にしてある。また、顎部11a,12aと
樋部9の間には同樋部9上端に向けて若干下り傾斜状の
段違い部14を形成してあり、この段違い部14は係止部2
の下側に位置して、同係止部2が折り戻される動きを上
部吊子17の下面部17b とで規制し得るようにしてある。
【0022】上部吊子17は下面部17b における左右側縁
を上挟着部18,19にしており、この左側の上挟着部18と
下挟着部11との間に左側の屋根板1の右側縁部1cを、右
側の上挟着部19と下挟着部12との間に右側の屋根板1の
左側縁部1bを、それぞれ挟着・保持している。屋根板1
における係止部2は、左右側縁を下面側へ折返して形成
してあり、この屋根板1の左側縁部1bは、同側縁の係止
部2が顎部12a に当接可能で且つ上下両挟着部12,19か
ら抜け外れない挟着状態に保持され、右側縁部1cは、同
側縁の係止部2が顎部11a に当接可能で且つ上下両挟着
部11,18から抜け外れない挟着状態に保持されている。
【0023】これにより、前記第1実施例の縦葺き屋根
構造と同様の効果があり、さらに、下部吊子8の段違い
部14と上部吊子17の下面部17b とで係止部2が折り戻さ
れる動きを規制しているため、係止部2の態様が下面側
に折り返し形成してあるものであっても、折り戻されに
よる挟着状態からの抜け外れがない。
【0024】図5および図6には本発明の縦葺き屋根構
造の第3実施例を例示しており、構成は前記第1実施例
の縦葺き屋根構造のものと基本的に同一であるため、共
通している構成の説明は省略して、相違する構成につい
て説明する。下部吊子8は樋部9中央に台部15を立設し
てあり、この台部15の孔16と同台部上の上部吊子17にお
ける係合凹部21の孔22とにボルト32を下側から通してナ
ット33で接続固定してある。そして、上部吊子17および
カバー部材28は左右の屋根板1の段部4内に納まってい
て、屋根板1の面板部1aとカバー部材28上面は同一高さ
に一致している。屋根板1は係止部2よりも内側に段部
4を面板部1aよりも低く形成してあり、この段部4の上
下差は面板部1aとカバー部材28上面の高さが同一になる
比率関係にしてある。
【0025】これにより、前記第1実施例の縦葺き屋根
構造と同様の効果があり、さらに、屋根板1の面板部1a
とカバー部材28上面が同一高さに整えられた屋根面に仕
上げられる。
【0026】図7および図8には本発明の縦葺き屋根構
造の第4実施例を例示しており、構成は前記第2実施例
の縦葺き屋根構造のものと基本的に同一であるため、共
通している構成の説明は省略して、相違する構成につい
て説明する。下部吊子8は樋部9中央に台部15を立設し
てあり、この台部15の孔16と同台部上の上部吊子17にお
ける係合凹部21の孔22とにボルト32を下側から通してナ
ット33で接続固定してある。そして、上部吊子17および
カバー部材28は左右の屋根板1の段部4内に納まってい
て、屋根板1の面板部1aとカバー部材28上面は同一高さ
に一致している。
【0027】これにより、前記第2実施例の縦葺き屋根
構造と同様の効果があり、さらに、屋根板1の面板部1a
とカバー部材28上面が同一高さに整えられた屋根面に仕
上げられる。
【0028】前記した縦葺き屋根構造は一例を示してい
るに過ぎず、他の態様例を次に説明する。図9の(A)
〜(D)には前記第1実施例の縦葺き屋根構造の他の態
様を例示しており、(A)では、上部吊子17の左右側縁
に折り下げ部23を外側斜め下向き状に形成して、この折
り下げ部23下面に沿いパッキング31をあらかじめ沿着す
ると共に、パッキング31内側の下面部17b から上挟着部
18,19を垂設して形成してあり、パッキング31によって
上部吊子17と屋根板1の挟着部分における浸水阻止機能
が向上するようにしてある。この上部吊子17は、長尺状
のもので、カバー部材を兼用している。(B)では、短
尺状の上部吊子17にあらかじめ長尺状のカバー部材28を
上面部17a から下面部17b 側の左右側縁まで一体的に覆
設すると共に、下面部17b におけるカバー部材28両端の
内側に上挟着部18,19を垂設してあり、カバー部材28に
よる化粧接続構造を屋根板1の挟着作業によって同時に
施工し得るようにしてある。これらの図9の(A)及び
(B)の態様の上部吊子17における下部吊子との係合関
係としては、図9の(C)に例示した態様の下部吊子8
になる。また、図9の(D)に例示しているように、下
部吊子8の下挾着部11,12と屋根板裏面との間にパッキ
ング34を介在させることで、同挾着部分における浸水阻
止機能が向上するようにしてある。
【0029】図10の(A)〜(E)には前記第2実施例
の縦葺き屋根構造の他の態様を例示しており、(A)で
は、上部吊子17の下面部17b 左右側縁に沿いパッキング
31をあらかじめ沿着して形成してあり、パッキング31に
よって上部吊子17と屋根板1の挟着部分における浸水阻
止機能が向上するようにしてある。(B)では、短尺状
の上部吊子17にあらかじめカバー部材28を上面部17a か
ら下面部17b 側の左右側縁まで一体的に覆設すると共
に、下面部17b 側におけるカバー部材28両端下面に沿い
パッキング31を沿着してあり、パッキング31によって上
部吊子17と屋根板1の挟着部分における浸水阻止機能が
向上するようにすると共に、カバー部材28による化粧接
続構造を屋根板1の挟着作業によって同時に施工し得る
ようにしてある。(C)では、上部吊子17をロール成型
して形成しており、下面部17b 左右側縁に沿いパッキン
グ31を沿着してある。これらの図10の(A)〜(C)の
態様の上部吊子17における下部吊子との係合関係として
は、図10の(D)に例示した態様の下部吊子8になる。
また、図10の(E)に例示しているように、下部吊子8
の下挾着部11,12と屋根板1裏面との間にパッキング34
を介在させることで、同挾着部分における浸水阻止機能
が向上するようにしてある。
【0030】図11には前記第3実施例の縦葺き屋根構造
の他の態様を例示しており、下部吊子8における下挟着
部11,12の左右幅を外側、具体的には屋根板1の段部4
よりも内側まで延長して形成すると共に、樋部材26を左
右立ち上げ部27が屋根板1の段部4の内側下に位置する
ように形成してある。
【0031】図12には前記第4実施例の縦葺き屋根構造
の他の態様を例示しており、下部吊子8における下挟着
部11,12の左右幅を外側、具体的には屋根板1の段部4
よりも内側まで延長して形成すると共に、樋部材26を左
右立ち上げ部27が屋根板1の段部4の外側下に位置する
ように形成してある。
【0032】
【発明の効果】A.請求項1により、下地に固定された
下部材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟
着部に左右の縦葺き屋根板における面板部を含めて平板
状の左右側縁部を挟着するだけで、同側縁部における前
記挟着部内側に当接することで係止されて抜け外れない
程度の高さに形成してある係止部が挟着部内側に位置す
る態様にしてあるため、屋根板に風圧が作用すると、係
止部が挟着部内側に当接することにより、屋根板が挟着
部から抜け外れず飛散する恐れがない。従来のハゼ組み
の屋根および挟着による屋根と比較して、屋根板が挟着
部から抜け外れない挟着状態で接続が行われるため、屋
根板の幅方向の成型誤差、下部材の取付誤差等を上部材
と下部材の挟着部分で吸収しながら、風圧によって飛散
しない構造に迅速に施工することができて施工性が優れ
ている。上部材が、左右挾着部を有する上部吊子とカバ
ー部材からなっているため、隣り合う屋根板間がカバー
部材で化粧されていて意匠性が高い。
【0033】B.請求項2により、下地に固定された下
部材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着
部に左右の縦葺き屋根板における面板部が上部材上面高
さとほぼ同一になる段部を経た左右側縁部を挟着するだ
けで、同側縁部における前記挟着部内側に当接すること
で係止されて抜け外れない程度の高さに形成してある係
止部が挟着部内側に位置する態様にしてあるため、屋根
板に風圧が作用すると、係止部が挟着部内側に当接する
ことにより、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散する恐
れがない。従来のハゼ組みの屋根および挟着による屋根
と比較して、屋根板が挟着部から抜け外れない挟着状態
で接続が行われるため、屋根板の幅方向の成型誤差、下
部材の取付誤差等を上部材と下部材の挟着部分で吸収し
ながら、風圧によって飛散しない構造に迅速に施工する
ことができて施工性が優れている。上下両部材の左右挟
着部に挟着された左右の金属製縦葺き屋根板における左
右側縁部の内側に段部を、面板部が上部材上面高さとほ
ぼ同一になるように形成してあるため、屋根板の面板部
と上部材上面の高さを同一に整えることができる。上部
材にカバー部材が同一体に形成されているため、隣り合
う屋根板間がカバー部材で化粧されていて意匠性が高
く、且つ、部材管理が容易であると共に、作業が省力化
されて施工容易である。
【0034】C.請求項3により、下地に固定された下
部材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着
部に左右の縦葺き屋根板における面板部が上部材上面高
さとほぼ同一になる段部を経た左右側縁部を挟着するだ
けで、同側縁部における前記挟着部内側に当接すること
で係止されて抜け外れない程度の高さに形成してある係
止部が挟着部内側に位置する態様にしてあるため、屋根
板に風圧が作用すると、係止部が挟着部内側に当接する
ことにより、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散する恐
れがない。従来のハゼ組みの屋根および挟着による屋根
と比較して、屋根板が挟着部から抜け外れない挟着状態
で接続が行われるため、屋根板の幅方向の成型誤差、下
部材の取付誤差等を上部材と下部材の挟着部分で吸収し
ながら、風圧によって飛散しない構造に迅速に施工する
ことができて施工性が優れている。上下両部材の左右挟
着部に挟着された左右の金属製縦葺き屋根板における左
右側縁部の内側に段部を、面板部が上部材上面高さとほ
ぼ同一になるように形成してあるため、屋根板の面板部
と上部材上面の高さを同一に整えることができる。上部
材が、前記左右挾着部を有する上部吊子とカバー部材か
らなるため、隣り合う屋根板間がカバー部材で化粧され
ていて意匠性が高い。
【0035】D.請求項4により、さらに、カバー部材
が長尺状で、ピース状の上部吊子に一体的に覆設されて
取付けられているため、雨仕舞そして意匠性を確保した
上で、上部吊子の材料費を軽減し得る。
【0036】E.請求項5により、さらに、カバー部材
が上部吊子に、カバー部材の係合突部を上部吊子におけ
る係合凹部に係合して取付けられているため、上部吊子
に対してカバー部材を押し込む作業で迅速に組み付けら
れると共に、雨仕舞そして意匠性を確保し得る。
【0037】F.請求項6により、さらに、上部材又は
カバー部材が左右挾着部に跨る態様に形成されているた
め、左右挾着部への浸水を阻止して働く浸水阻止機能が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の縦葺き屋根構造の第1実施例を例示
している縦断面図。
【図2】 同分解斜視図。
【図3】 本発明の縦葺き屋根構造の第2実施例を例示
している縦断面図。
【図4】 同分解斜視図。
【図5】 本発明の縦葺き屋根構造の第3実施例を例示
している縦断面図。
【図6】 同分解斜視図。
【図7】 本発明の縦葺き屋根構造の第4実施例を例示
している縦断面図。
【図8】 同分解斜視図。
【図9】 (A)〜(D)は第1実施例の縦葺き屋根構
造の他の態様を例示している各部分縦断面図。
【図10】 (A)〜(E)は第2実施例の縦葺き屋根構
造の他の態様を例示している各部分縦断面図。
【図11】 第3実施例の縦葺き屋根構造の他の態様を例
示している各部分縦断面図。
【図12】 第4実施例の縦葺き屋根構造の他の態様を例
示している各部分縦断面図。
【符号の説明】
1 縦葺き屋根板 1a 縦葺き
屋根板の面板部 1b 縦葺き屋根板の左側縁部 1c 縦葺き
屋根板の右側縁部 2 縦葺き屋根板の係止部 4 縦葺き
屋根板の段部 7 下地 8 下部吊
子(下部材) 9 下部吊子の樋部 11,12 下部吊子の下挟着部 11a,12a
下挟着部の顎部 13 下部吊子の被係合部 14 下部吊
子の段違い部 15 下部吊子の台部 16 台部の
孔 17 上部吊子(上部材) 17a 上部
吊子の上面部 17b 上部吊子の下面部 18,19 上
部吊子の上挟着部 18a,19a 上挟着部の顎部 20 上部吊
子の係合部 21 上部吊子の係合凹部 22 係合凹
部の孔 23 上部吊子の折り下げ部 24 バック
アップ材 25 固定具 26 樋部材 27 樋部材の立ち上げ部 28 カバー
部材 29 カバー部材の係合突部 30 カバー
部材の折り下げ部 31,34 パッキング 32 ボルト 33 ナット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地に固定された下部材に上部材を取り
    付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋
    根板における面板部を含めて平板状の左右側縁部を挟着
    するだけで、同側縁部における前記挟着部内側に当接す
    ることで係止されて抜け外れない程度の高さに形成して
    ある係止部が挟着部内側に位置する態様にしてあると共
    に、前記上部材が、前記左右挾着部を有する上部吊子と
    カバー部材からなることを特徴とする縦葺き屋根構造。
  2. 【請求項2】 下地に固定された下部材に上部材を取り
    付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋
    根板における面板部が上部材上面高さとほぼ同一になる
    段部を経た左右側縁部を挟着するだけで、同側縁部にお
    ける前記挟着部内側に当接することで係止されて抜け外
    れない程度の高さに形成してある係止部が挟着部内側に
    位置する態様にしてあると共に、前記上部材にカバー部
    材が同一体に形成されていることを特徴とする縦葺き屋
    根構造。
  3. 【請求項3】 下地に固定された下部材に上部材を取り
    付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋
    根板における面板部が上部材上面高さとほぼ同一になる
    段部を経た左右側縁部を挟着するだけで、同側縁部にお
    ける前記挟着部内側に当接することで係止されて抜け外
    れない程度の高さに形成してある係止部が挟着部内側に
    位置する態様にしてあると共に、前記上部材が、前記左
    右挾着部を有する上部吊子とカバー部材からなることを
    特徴とする縦葺き屋根構造。
  4. 【請求項4】 前記カバー部材が長尺状で、ピース状の
    上部吊子に一体的に覆設されて取付けられていることを
    特徴とする請求項1又は3記載の縦葺き屋根構造。
  5. 【請求項5】 前記カバー部材が上部吊子に、カバー部
    材の係合突部を上部吊子における係合凹部に係合して取
    付けられていることを特徴とする請求項1又は3記載の
    縦葺き屋根構造。
  6. 【請求項6】 前記上部材又はカバー部材が前記左右挾
    着部に跨る態様に形成されていることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項記載の縦葺き屋根構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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