JP2569266B2 - 縦葺き屋根板およびこの屋根板を用いた屋根構造 - Google Patents

縦葺き屋根板およびこの屋根板を用いた屋根構造

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JP2569266B2 JP5261181A JP26118193A JP2569266B2 JP 2569266 B2 JP2569266 B2 JP 2569266B2 JP 5261181 A JP5261181 A JP 5261181A JP 26118193 A JP26118193 A JP 26118193A JP 2569266 B2 JP2569266 B2 JP 2569266B2
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信行 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は縦葺き屋根板およびこの
屋根板を用いた屋根構造に関し、工場からの出荷に際し
て、平板乃至コイルとして取り扱えて梱包、運搬が容易
であると共に、施工後には風圧によって飛散するような
ことがない優れたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の縦葺き屋根板は、瓦棒屋根に代表
されるように、側縁部に立ち上げ部(ハゼ部)を形成し
たものがほとんどであり、その加工・施工は次の二点に
大別されている。 中小規模の屋根(流れ方向の長さがさほどない場合)
にあっては、工場で屋根板をあらかじめ加工した後、現
場に運搬して施工する方法。 大規模の屋根にあっては、屋根板を加工する機械(成
型機)とロール状の屋根材を現場に持ち込み、現場で屋
根板を加工して施工する方法。
【0003】しかし、前者にあっては、積み重ねによる
立ち上げ部の変形を防ぐための梱包、梱包された荷の
「嵩さ張り」、取扱いの手間、ストックする場所の確保
等の問題があった。また、後者にあっては、屋根材(ロ
ール状)はもとより、成型機を現場に持ち込むため、コ
スト(成型機輸送、人手等)が非常にかかるという経済
的な問題があった。
【0004】そこで、左右側縁部に加工を施さない平板
状の屋根板を用いた屋根構造として、実開平2-143419号
等が提案されているが、同提案のものは、屋根板の側縁
部を挟着しているだけなので、屋根面に風圧による負圧
等が作用した場合には、面板部が引き上げられて中央部
が膨らんで、側縁部が挟着部から抜ける方向に引っ張ら
れるため、屋根板が捲れたり、強いては飛散してしまう
恐れもあった。また、挟着と接着剤(屋根板と下地材)
を併用する方法も提案されているが、施工性が著しく低
下するし、さらに接着剤の経年による劣化が問題となっ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、成型後における屋根板の梱包、運搬に際して、平板
として適宜取り扱えるようにすると共に、施工時に屋根
板を挟着作業するだけの接続作業で、施工後には風圧に
よって飛散しない縦葺き屋根板および屋根構造を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、縦葺き屋根板では、左右に隣接する屋根板の側縁部
を上部材と下部材によって挟着すると共に該上部材と下
部材との間で係止して接続する縦葺き屋根に用いる縦葺
き屋根板において、前記縦葺き屋根板は略平板状で、屋
根面と同一平面状の左右側縁部に沿って該屋根板の長手
方向に長孔状の貫通孔を、前記上部材と下部材との間で
不特定の任意の貫通孔において係止可能となるように適
宜間隔をおいて多数設けてなることを特徴とする。
【0007】また、縦葺き屋根板における貫通孔は丸
孔、角孔、長孔を問わず、流れ方向すなわち左右側縁部
に沿い所定間隔状に打ち抜き成型する。貫通孔の裏面側
には水切り部を設けても良い。また、屋根板の面板部は
波板状に加工しても良く、この場合、風圧に対する面板
部の強度が強化される。屋根板の形状は、工場出荷状態
がロール状でない場合は、定形状の矩形状であっても、
曲面屋根等に対応可能な台形状であっても良い。
【0008】そして、本発明の屋根構造では、下地に固
定された下部材に上部材を取り付けて、この上下両部材
の左右挟着部に左右の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同
側縁部の貫通孔が挟着部内側に位置する態様にそれぞれ
挟着するだけで、この挟着により前記貫通孔には上部材
に一体形成した係止部が挿入して抜け止めしていること
を特徴とする。
【0009】また、本発明の屋根構造では、下地に固定
された下部材に上部材を取り付けて、この上下両部材の
左右挟着部に左右の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同側
縁部の貫通孔が挟着部内側に位置する態様にそれぞれ挟
着するとだけで、この挟着により前記貫通孔には下部材
に一体形成した係止部が挿入して抜け止めしていること
を特徴とする。また、本発明の屋根構造では、下地に固
定された下部材に上部材を取り付けて、この上下両部材
の左右挟着部に左右の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同
側縁部の貫通孔が挟着部内側に位置する態様にそれぞれ
挟着すると共に、前記貫通孔には別体の係止部材を上方
から下部材の開口部まで挿入して抜け止めしていること
を特徴とする。また、本発明の屋根構造では、下地に固
定された下部材に上部材を取り付けて、この上下両部材
の左右挟着部に左右の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同
側縁部の貫通孔が挟着部内側に位置する態様にそれぞれ
挟着すると共に、前記貫通孔には別体の係止部材下面の
ピン部を上方から下部材の開口部まで挿入して該ピン部
の弾性変形により下部材に係止して抜け止めしているこ
とを特徴とする。
【0010】本発明の屋根構造における下部材は、樋部
材と下部吊子が別体でも、一体に形成された態様のもの
でも良い。上部材は、上部吊子とカバー部材が別体で
も、一体に形成された態様のものでも良い。上部材と下
部材の接続方法は公知の適宜手段から選択すれば良く、
例えば弾性係合であっても、ボルト、ナットによる締着
であっても良く特に問わない。係止部および係止部材
貫通孔に対して少なくとも挿入可能で且つ抜け止め可能
な態様のものであれば良く、また、貫通孔形と係止部お
よび係止部材の挿入部分の横断面形は相似形状でも非相
似形状でも良く、その形状は特に問わない。貫通孔と
止部および係止部材の係止関係は、適度なクリアランス
を設けても良く、この場合、施工時の下部材の取付誤差
や屋根板の成形誤差さらに伸縮等に対応することができ
る。例えば、貫通孔を大径状にしたり幅方向あるいは長
手方向に長い長孔状にすること等が挙げられる。上部材
と屋根板、下部材と屋根板のように、相互に接する箇所
にパッキングを介在させても良い。
【0011】
【作用】屋根板は屋根面と同一平面状の左右側縁部に貫
通孔を開けただけの構成であるため、ハゼ等の立ち上げ
高さがない完全な平板として扱うことができ、工場で一
定の長さに裁断して出荷する場合であっても、平板とし
て嵩張りが全くできない荷姿に出荷でき、梱包等の作業
に手間が掛からない。
【0012】屋根板は貫通孔を開けただけの構成である
ため、ハゼ等の立ち上げ高さがない完全な平板として扱
うことができ、成型後であっても成型前と全く同じ嵩張
りがないロール状に再度巻き直すことができ、運搬等の
作業が容易になり、また、現場での置き場所が少なくて
済む。
【0013】屋根板は左右側縁部に貫通孔を開けてある
ため、施工時に貫通孔に挿入される係止部または係止部
材によって幅方向の動きを規制されて、面板部に風圧が
作用した場合であっても飛散する恐れがない。また、屋
根板の貫通孔は屋根板の長手方向に長孔状であるため、
その貫通孔の内周縁と施工時にその貫通孔に挿入される
上記係止部または係止部材との間に適度なクリアランス
を介在させることが容易に可能となり、施工時の下部材
の取付誤差や屋根板の成形誤差、更には熱による屋根板
の膨脹・伸縮等に対応することができる。 しかも、屋根
板の貫通孔は、上部材と下部材との間で不特定の任意の
貫通孔において係止可能となるように適宜間隔をおいて
多数設けてあるため、施工時の係止部若しくは係止部材
の位置を想定して、予め各屋根板毎に該係止部若しくは
係止部材の位置にそれぞれ対応する貫通孔を開穿してお
いたり、或いは施工現場においてその都度開穿作業を行
う必要がなく、工場において製造された貫通孔付きの屋
根板を、施工時の状況に応じてその任意の貫通孔を選択
して抜け止め接続することが可能となり、施工作業の省
力化を図ることができる
【0014】そして、屋根構造を、下地に固定された下
部材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着
部に左右の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同側縁部の貫
通孔が挟着部内側に位置する態様にそれぞれ挟着する
けで、この挟着により前記貫通孔には上部材に一体形成
した係止部が挿入して抜け止めしてあるため、屋根板に
風圧が作用すると、係止が屋根板の抜け外れ動作を規
制するので、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散する恐
れがない。さらに、係止部を上部材に一体的に形成して
あるため、部材管理が容易であると共に、従来のハゼ組
みの屋根および挟着による屋根と比較して、上下両部材
による屋根板の左右側縁部の挟着作業をするだけで、貫
通孔に対して係止部が挿入されて、屋根板が挟着部から
抜け外れない挟着状態で接続できるので、風圧によって
飛散しない構造に迅速に作業することができて施工性が
優れている。 また、屋根構造が、下地に固定された下部
材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着部
に左右の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同側縁部の貫通
孔が挟着部内側に位置する態様にそれぞれ挟着するだけ
で、この挟着により前記貫通孔には下部材に一体形成し
た係止部が挿入して抜け止めしてあるものでは、屋根板
に風圧が作用すると、係止部が屋根板の抜け外れ動作を
規制するので、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散する
恐れがない。 さらに、係止部を下部材に一体的に形成し
てあるため、部材管理が容易であると共に、従来のハゼ
組みの屋根および挟着による屋根と比較して、上下両部
材による屋根板の左右側縁部の挟着作業をするだけで、
貫通孔に対して係止部が挿入されて、屋根板が挟着部か
ら抜け外れない挟着状態で接続できるので、風圧によっ
て飛散しない構造に迅速に作業することができて施工性
が優れている。
【0015】また、屋根構造が、下地に固定された下部
材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着部
に左右の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同側縁部の貫通
孔が挟着部内側に位置する態様にそれぞれ挟着すると共
に、前記貫通孔には別体の係止部材を上方から下部材の
開口部まで挿入して抜け止めしてあるものでは、屋根板
に風圧が作用すると、係止部材が屋根板の抜け外れ動作
を規制するので、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散す
る恐れがない。さらに、屋根板の左右側縁部の抜け止め
を別体の係止部材により行っているため、上部材および
下部材ともに成型が容易である。そして、この上部材で
別体の係止部材を押えて、係止部材による左右側縁部の
抜け止め機能が保たれるようにしてあるため、係止部材
は貫通孔から下部材の開口部まで挿入するだけの組み付
け作業で済み、組み立て作業が省力化されて施工容易で
ある。また、屋根構造が、下地に固定された下部材に上
部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右
の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同側縁部の貫通孔が挟
着部内側に位置する態様にそれぞれ挟着すると共に、前
記貫通孔には別体の係止部材下面のピン部を上方から下
部材の開口部まで挿入して該ピン部の弾性変形により下
部材に係止して抜け止めしてあるものでは、屋根板に風
圧が作用すると、係止部材が屋根板の抜け外れ動作を規
制するので、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散する恐
れがない。 さらに、屋根板の左右側縁部の抜け止めを別
体の係止部材により行っているため、上部材および下部
材ともに成型が容易である。そして、この別体の係止部
材が弾性変形することによりその係止部材自体で左右側
縁部の抜け止め機能が保たれるようにしてあるため、係
止部材は貫通孔から下部材の開口部まで挿入するだけの
組み付け作業で確実に抜け止めでき、組み立て作業が省
力化されて施工容易である上に風の強い施工条件下での
作業も容易である。
【0016】
【実施例】図1および図2には本発明の縦葺き屋根板の
第1実施例を例示しており、屋根板1は適宜幅の長尺状
の金属製のもので、面板部1aの左右側縁部1b,1c に沿い
貫通孔2を形成し、ロール状の荷姿に巻回してある。こ
の貫通孔2は後の屋根構造で説明する係止部32,33 また
は係止ピン53が挿入して係止可能にするためのもので、
長手方向に沿う長孔状に開けてあり、また、不特定の任
意の貫通孔2において係止部32,33 または係止ピン53を
挿入して係止可能となるように適宜間隔をおいて多数形
成してある
【0017】これにより、屋根面と同一平面状の左右側
縁部1b,1c に貫通孔2を開けただけの構成であるため、
ハゼ等の立ち上げ高さがない完全な平板として扱うこと
ができ、工場で一定の長さに裁断して出荷する場合であ
っても、平板として嵩張りが全くできない荷姿に出荷で
き、梱包等の作業に手間が掛からない。
【0018】貫通孔2を開けただけの構成であるため、
ハゼ等の立ち上げ高さがない完全な平板として扱うこと
ができ、成型後であっても成型前と全く同じ嵩張りがな
いロール状に再度巻き直すことができ、運搬等の作業が
容易になり、また、現場での置き場所が少なくて済む。
【0019】左右側縁部1b,1c に貫通孔2を開けてある
ため、施工時に貫通孔2に挿入される係止部32,33 また
は係止ピン53によって幅方向の動きを規制されて、面板
部1aに風圧が作用した場合であっても飛散する恐れがな
い。そして、貫通孔が長手方向に沿う長孔状であること
により、屋根板の伸縮等に対応することができる。
【0020】図3には本発明の縦葺き屋根板の第2実施
例を例示しており、構成は前記第1実施例のものと基本
的に同一であるため、共通している構成の説明を省略し
て、相違する構成について説明する。
【0021】屋根板1の貫通孔2は孔縁に水切り部3を
下面側に打ち出して形成してあり、この水切り部3は貫
通孔2から下面側に流れ落ちる雨水等が下面部1dにまわ
らないように積極的に水切りする。
【0022】これにより前記第1実施例のものと同様の
効果があり、さらに、貫通孔2の孔縁に水切り部3を形
成してあるため、貫通孔2から下面側に流れ落ちる雨水
等を積極的に水切りすることができる。
【0023】図4乃至図6には前記第1実施例の屋根板
1を用いて施工した屋根構造の第1実施例を例示してお
り、下地4上に長尺状の下部吊子5を軒棟方向に敷設す
ると共に、左右の下部吊子5間に断熱材等のバックアッ
プ材35を敷設し、バックアップ材35上に屋根板1を覆設
して、左右の屋根板1の左右側縁部1b,1c を長尺状の下
部吊子5と短尺状の上部吊子25とで適宜間隔毎に挟着
し、且つ軒棟方向の各上部吊子25に渡りカバー部材36を
覆設してある。
【0024】下部吊子5は押出成型した長尺状の金属製
若しくは合成樹脂製のもので、樋部6下縁左右のフラン
ジ7を下地4にビス等の固定具34で固定してある。この
樋部6における左右の外側立ち上げ部8,9上端には同
端をそれぞれ内側に水平状に延ばして外側下挟着部12,1
3 を、外側立ち上げ部8,9よりも若干高い左右の内側
立ち上げ部10,11 上端には同端をそれぞれ外側に水平状
に延ばして内側下挟着部14,15 を、それぞれ左右対称状
に形成すると共に、対向状の左右の内外下挟着部12,14
および13,15 間にそれぞれ開口部16,17 を下側の樋部6
と連通させて形成してある。
【0025】そして、左側の外側下挟着部12にはパッキ
ング40を介して屋根板1の右側縁部1cにおける貫通孔2
の内側の板部下面を、左側の内側下挟着部14には直に右
側縁部1cにおける貫通孔2の外側の板部下面を、それぞ
れ下側から受け止め、同様に、右側の外側下挟着部13に
はパッキング41を介して屋根板1の左側縁部1bにおける
貫通孔2の内側の板部下面を、右側の内側下挟着部15に
は直に左側縁部1bにおける貫通孔2の外側の板部下面
を、それぞれ下側から受け止めて、貫通孔2の外側の板
部を上部吊子25との間に、貫通孔2の内側の板部をカバ
ー部材36との間に、それぞれ挟着している。
【0026】樋部6中央には左右の内側立ち上げ部10,1
1 内面途中から延びて断面略下向き鉤形状を呈している
左右一対の被係合部18を形成してあり、この下部吊子5
の被係合部18には上部吊子25の係合部29が係合してい
る。
【0027】上部吊子25は短尺状の金属製あるいは合成
樹脂製のもので、左右の水平状上挟着部26,27 には外側
端から係止部32,33 をそれぞれ垂設にしており、この左
側の上挟着部26は左側の屋根板1の右側縁部1cにおける
貫通孔2外側の板部上面に接して同右側縁部1cを内側下
挟着部14との間に挟着し、右側の上挟着部27は右側の屋
根板1の左側縁部1bにおける貫通孔2外側の板部上面に
接して同左側縁部1bを内側下挟着部15との間に挟着して
いる。
【0028】そして、左側の係止部32は左側の屋根板1
の右側縁部1cにおける貫通孔2さらに開口部16を経て樋
部6内まで達していて、同右側縁部1cを抜け止めしてい
る。同様に、右側の係合部33は右側の屋根板1の左側縁
部1bにおける貫通孔2さらに開口部17を経て樋部6内ま
で達していて、同左側縁部1bを抜け止めしている。
【0029】また、上部吊子25は中央に係合凹部28を形
成すると共に、この係合凹部28の下側に左右一対の断面
略外側上向き鉤形状を呈している係合部29を垂設してお
り、この係合部29は被係合部18に係合していて、左側の
屋根板1の右側縁部1cを上下両挟着部14,26 間に、右側
の屋根板1の左側縁部1bを上下両挟着部15,27 間に、そ
れぞれ挟着した状態に保持すると共に、同左右側縁部1
b,1c を左右の係止部32,33 で抜け止めした状態に保持
している。そして、係合凹部28にはカバー部材36の係合
突部39が係合している。
【0030】屋根板1の左側縁部1bは内側下挟着部15と
上挟着部27に挟着されていて、且つ、同側縁の貫通孔2
に挿入している係止部33によって抜け止めされている。
そして、右側縁部1cは内側下挟着部14と上挟着部26に挟
着されていて、且つ、同側縁の貫通孔2に挿入している
係止部32によって抜け止めされている。
【0031】カバー部材36はロール成型した長尺状の金
属製のもので、左右側縁における外側斜め下向き状の折
り下げ部37,38 は屋根板1の左右側縁部1b,1c における
貫通孔2外側の板部まで達しており、この左右折り下げ
部37,38 と同側縁部1b,1c 部分との間にパッキング42,4
3 をそれぞれ挟着して、カバー部材36と同側縁部1b,1c
との間への浸水を未然に阻止し得るようにしてある。そ
して、カバー部材36は、下面側中央に折り返された両端
部を下側に折り下げた後に外側斜め上向きに折り返して
係合突部39を形成しており、この係合突部39は上部吊子
25の係合凹部28に係合していて、前記パッキング42,43
による浸水阻止機能が保たれるようにしている。
【0032】これにより、屋根板1に風圧が作用する
と、係止部32,33 が屋根板1の抜け外れ動作を規制する
ので、屋根板1が上下両吊子5,25から抜け外れず飛散
する恐れがない。
【0033】さらに、係止部32,33 を上部吊子25と一体
的に形成してあるため、部材管理が容易であると共に、
従来のハゼ組みの屋根および挟着による屋根と比較し
て、上下両吊子5,25による屋根板1の左右側縁部1b,1
c の挟着作業をするだけで、貫通孔2に対して係止部3
2,33 が挿入されて、屋根板1が上下両吊子5,25から
抜け外れない挟着状態に接続できるので、風圧によって
飛散しない構造に迅速に作業することができて施工性が
優れている。また、屋根板1における左右側縁部1b,1c
を各貫通孔2部分ごとに係止部32,33 で確実に係止して
抜け止めでき、例えば屋根板1が吹き上げられるような
風の強い施工条件下でもロール状の屋根板1を展開しつ
つ係止して迅速且つ確実に抜け止め作業を行える。
【0034】カバー部材36で上部吊子25を覆設して化粧
できると共に、左右折り下げ部37,38 と屋根板1の左右
側縁部1b,1c における貫通孔2内側の板部との間にパッ
キング42,43 をそれぞれ挟着しているため、カバー部材
36と同側縁部1b,1c との間への浸水を未然に阻止するこ
とができる。また、下部吊子5の外側下挟着部12,13と
屋根板1の左右側縁部1b,1c における貫通孔2内側の板
部との間にパッキング40,41 をそれぞれ挟着しているた
め、浸水が貫通孔2から面板部1a下面側にまわりこむの
を阻止できる。下部吊子5は樋部材を兼ねているため、
部材管理が容易であると共に、作業が省力化されて施工
容易である。
【0035】図7および図8には前記第1実施例の屋根
板1を用いて施工した屋根構造の第2実施例を例示して
おり、構成は前記第1実施例の屋根構造のものと基本的
に同一であるため、共通している構成の説明は省略し
て、相違する構成について説明する。
【0036】下地4上に、ロール成型した長尺状の金属
製樋部材44を軒棟方向に敷設すると共に、この樋部材44
を跨ぐようにして下地4に短尺状の下部吊子5を軒棟方
向に沿い適宜間隔状に固定して、ともに短尺状の上下の
吊子5,25間に屋根板1の左右側縁部1b,1c を適宜間隔
毎に挟着してある。
【0037】下部吊子5は樋部材44の左右立ち上げ部4
5,46 をそれぞれ跨いでいる水平部を外側下挟着部12,13
にしてある。そして、左右の内側下挟着部14,15 には
外側端を起立させて係止部32,33 をそれぞれ形成してお
り、この左側の係止部32は屋根板1の右側縁部1cにおけ
る貫通孔2に挿入して、右側の係止部33は屋根板1の左
側縁部1bにおける貫通孔2に挿入して、それぞれ抜け止
めしている。
【0038】上部吊子25は上挟着部26,27 の外側端に略
逆U形状の係止凹部30,31 を左右対称状に形成してお
り、この左側の係止凹部30は屋根板1の右側縁部1cの貫
通孔2に挿入されて貫通している係止部32上端を、右側
の係止凹部31は屋根板1の左側縁部1bの貫通孔2に挿入
されて貫通している係止部33上端を、それぞれ上側から
喰え込んでいる。
【0039】これにより、前記第1実施例のものと同様
の効果があり、さらに、屋根板1の左右側縁部1b,1c の
貫通孔2に挿入されて貫通している下部吊子5の係止部
32,33 上端を上部吊子25の係止凹部30,31 でそれぞれ喰
え込んでいるため、仮に屋根板1を通じて係止部32,33
が折れ曲がるような負荷が作用した場合でも、係止部3
2,33 の折れ曲がりを係止凹部30,31 で牽制して、貫通
孔2に対する係止部32,33 の挿入状態を保持することが
でき、強固な接続構造である。
【0040】図9および図10には前記第1実施例の屋根
板1の一使用例を示しており、この屋根板1の使用例に
説明されている屋根構造において前記第1実施例の屋根
構造のものと共通している構成の説明は省略して、相違
する構成について説明する。
【0041】下部吊子5はロール成型した長尺状の金属
製のもので、樋部6中央には台部21を立設していて、こ
の台部21上の短尺状取付部47ともども同取付部47の孔48
および台部21の孔22に通したビス等の固定具50で下地4
に固定してある。そして、樋部6の左右上端には同端か
ら内側に水平状に折り返された左右の下挟着部19,20を
形成すると共に、左右の下挟着部19,20 には同部の一部
をそれぞれ軒棟方向に貫通孔2と同ピッチに打ち出して
係止部32,33 を起立形成してある。この左側の係止部32
は屋根板1の右側縁部1cにおける貫通孔2に挿入してい
て且つ上端は内側に折り返されており、同右側縁部1cを
抜け止めしている。同様に、右側の係止部33は屋根板1
の左側縁部1bにおける貫通孔2に挿入していて且つ上端
は内側に折り返されていて、同左側縁部1bを抜け止めし
ている。係止部32,33 の打ち出し跡は開口部23,24 にし
てある。また、左右の下挟着部19,20 内側端には同端を
下側に折り曲げて下がり部19a,20a を形成していて、こ
の下がり部19a,20a によって左右の下挟着部19,20 の平
面状態が保たれるように補強してある。
【0042】取付部47はロール成型した断面略U形状の
短尺状の金属製のもので、左右上端には同端を内側斜め
下向きに折り返して被係合部49を形成している。この取
付部47は台部21上に軒棟方向に沿い適宜間隔状に配設し
てあり、被係合部49には上部吊子25の係合部29が係合し
ている。
【0043】上部吊子25はロール成型した長尺状の金属
製のもので、左右側縁における外側斜め下向き状の上挟
着部26,27 は屋根板1の左右側縁部1b,1c における貫通
孔2内側の板部まで達しており、この左右の上挟着部2
6,27 は同側縁部1b,1c 部分との間にパッキング42,43
をそれぞれ介在させた状態で、同側縁部1b,1c 部分を下
挟着部19,20 とで挟着している。そして、上部吊子25
は、下面側中央に折り返された両端部を下側に折り下げ
た後に外側斜め下向き、さらに内側斜め下向きに折り返
して係合突部29を形成しており、この係合突部29は取付
部47の被係合部49に係合していて、前記パッキング42,4
3 による浸水阻止機能が保たれるようにしている。
【0044】尚、この屋根板1の使用例において説明し
た屋根構造は、上部吊子25がカバー部材を兼ねているた
め、部材管理が容易であると共に、組み立て作業が省力
化されて施工容易である。上部吊子25の上挟着部26,27
と屋根板1の左右側縁部1b,1c における貫通孔2内側の
板部との間にパッキング42,43 をそれぞれ挟着している
ため、上部吊子25と同側縁部1b,1c との間への浸水を未
然に阻止することができる。
【0045】図11および図12には前記第1実施例の屋根
板1を用いて施工した屋根構造の第4実施例を例示して
おり、構成は前記第1実施例の屋根構造のものと基本的
に同一であるため、共通している構成の説明は省略し
て、相違する構成について説明する。
【0046】下部吊子5は左右の内外両下挟着部12,14
および13,15 をそれぞれ同一高さに整えてあり、左側の
内外両下挟着部12,14 にはパッキング40,51 を介して屋
根板1の右側縁部1cにおける貫通孔2の内外の板部を、
右側の内外両下挟着部13,15にはパッキング41,52 を介
して屋根板1の左側縁部1bにおける貫通孔2の内外の板
部を、それぞれ下側から受け止めて、貫通孔2の外側の
板部を上部吊子25との間に挟着している。
【0047】そして、左側の内外両下挟着部12,14 上に
おける屋根板1の右側縁部1cの貫通孔2には係止ピン53
を下側の開口部16まで挿入し、同様に、右側の内外両下
挟着部13,15 上における屋根板1の左側縁部1bの貫通孔
2には係止ピン53を下側の開口部17まで挿入してある。
この係止ピン53は、貫通孔2よりも大きい拡大頭部53a
と、貫通孔2および開口部16,17 よりも小さいピン部53
b からなり、ピン部53b は左右側縁部1b,1c を挟着状態
から抜け外れないように抜け止めしている。
【0048】上部吊子25はロール成型した長尺状の金属
製のもので、左右側縁における外側斜め下向き状の上挟
着部26,27 は屋根板1の左右側縁部1b,1c における貫通
孔2内側の板部まで達しており、この左右の上挟着部2
6,27 は同側縁部1b,1c 部分との間にパッキング42,43
をそれぞれ介在させた状態で、同側縁部1b,1c 部分を下
挟着部12,13 とで挟着している。また、上部吊子25は係
止ピン53の拡大頭部53aをそれぞれ押えていて、係止ピ
ン53が貫通孔2と開口部16および17に対する挿入状態か
ら抜け出ないように抜け止めしている。
【0049】そして、上部吊子25は、下面側中央に折り
返された両端部を下側に折り下げた後に外側斜め上向き
に折り返して係合部29を形成しており、この係合部29は
下部吊子5の被係合部18に係合していて、前記パッキン
グ42,43 による浸水阻止機能そして係止ピン53による左
右側縁部1b,1c の抜け止め機能が保たれるようにしてあ
る。
【0050】これにより、前記第1実施例のものと係止
ピン53が上部吊子25と一体的に形成されていない点を除
いて同様の効果があり、さらに、屋根板1の左右側縁部
1b,1c の抜け止めを係止ピン53により行っているため、
下部吊子5および上部吊子25ともに成型が容易である。
そして、上部吊子25の上挟着部26,27 と屋根板1の左右
側縁部1b,1c における貫通孔2内側の板部との間にパッ
キング42,43 をそれぞれ挟着してあると共に、この上部
吊子25で係止ピン53の拡大頭部53a を押えて、ピン部53
b による左右側縁部1b,1c の抜け止め機能が保たれるよ
うにしてあるため、係止ピン53は貫通孔2から開口部1
6,17 まで挿入するだけの組み付け作業で済み、且つ上
部吊子25と同側縁部1b,1c との間への浸水を未然に阻止
することができる。また、上部吊子25がカバー部材を兼
ねているため、部材管理が容易であると共に、組み立て
作業が省力化されて施工容易である。
【0051】図13の(A)〜(E)には前記係止ピン53
の他の実施例を例示しており、(A)に例示した係止ピ
ン53は、円板状の拡大頭部53a 下面に丸棒状のピン部53
b を垂設して形成してある。
【0052】図13の(B)に例示した係止ピン53は、長
孔状の貫通孔2よりも若干短い長板状の拡大頭部53a 下
面に同じ長さのピン部53b を垂設して形成してある。
【0053】図13の(C)に例示した係止ピン53は、円
板状の拡大頭部53a 下面に二股状のピン部53b を垂設す
ると共に、下端に外側上向き鉤形状の鍔部53c を形成し
ており、二股状のピン部53b が弾性変形して貫通孔2お
よび開口部16,17 を貫通した状態で、鍔部53c が開口部
16,17 の下面側口縁に係止して抜けないようにしてあ
る。この態様のものでは、係止ピン53を貫通孔2および
開口部16,17 に挿入するだけで、屋根板1における左右
側縁部1b,1c を各貫通孔2部分ごとに確実に係止して抜
け止めでき、例えば屋根板1が吹き上げられるような風
の強い施工条件下での作業に有効である。
【0054】図13の(D)に例示した係止ピン53は、長
孔状の貫通孔2よりも若干短い長板状の拡大頭部53a 下
面に同じ長さの二股状のピン部53b を垂設すると共に、
先端に外側上向き鉤形状の鍔部53c を形成しており、こ
の態様のものも前記(C)のものと同様の利点がある。
【0055】図13の(E)に例示した係止ピン53は、角
棒状の拡大頭部53a 下面に角棒状のピン部53b を垂設す
ると共に、ピン部53b 下端に角棒状の鍔部53c を拡大頭
部53a と平行状に設けた略倒H形状に形成していて、鍔
部53c およびピン部53b を貫通孔2および開口部16,17
に挿入させた後、拡大頭部53a を挿入軸線回りに90度回
転させることにより、鍔部53c が開口部16,17 下面側口
縁に係止して抜けないようにしてある。この態様のもの
も前記(C)のものと同様の利点がある。
【0056】前記した屋根構造は一例を示しているに過
ぎず、例えば前記各実施例では屋根板1における左右側
縁部1b,1c の挟着・抜け止め構成を左右同構成にしてあ
るが、左側縁部1bについては第1実施例の挟着・抜け止
め構成を採用して、右側縁部1cについては第2実施例の
挟着・抜け止め構成を採用して組み合わせる等、適宜組
み合わせ自由である。
【0057】
【発明の効果】A.請求項1により、屋根板は屋根面と
同一平面状の左右側縁部に貫通孔を開けただけの構成で
あるため、ハゼ等の立ち上げ高さがない完全な平板とし
て扱うことができ、工場で一定の長さに裁断して出荷す
る場合であっても、平板として嵩張りが全くできない荷
姿に出荷でき、梱包等の作業に手間が掛からない。
【0058】B.同項により、屋根板は貫通孔を開けた
だけの構成であるため、ハゼ等の立ち上げ高さがない完
全な平板として扱うことができ、成型後であっても成型
前と全く同じ嵩張りがないロール状に再度巻き直すこと
ができ、運搬等の作業が容易になり、また、現場での置
き場所が少なくて済む。
【0059】C.同項により、屋根板は左右側縁部に貫
通孔を開けてあるため、施工時に貫通孔に挿入される係
止部または係止部材によって幅方向の動きを規制され
て、面板部に風圧が作用した場合であっても飛散する恐
れがない。また、屋根板の貫通孔は屋根板の長手方向に
長孔状であるため、その貫通孔の内周縁と施工時にその
貫通孔に挿入される上記係止部または係止部材との間に
適度なクリアランスを介在させることが容易に可能とな
り、施工時の下部材の取付誤差や屋根板の成形誤差、更
には熱による屋根板の膨脹・伸縮等に対応することがで
きる。 しかも、屋根板の貫通孔は、上部材と下部材との
間で不特定の任意の貫通孔において係止可能となるよう
に適宜間隔をおいて多数設けてあるため、施工時の係止
部若しくは係止部材の位置を想定して、予め各屋根板毎
に該係止部若しくは係止部材の位置にそれぞれ対応する
貫通孔を開穿しておいたり、或いは施工現場においてそ
の都度開穿作業を行う必要がなく、工場において製造さ
れた貫通孔付きの屋根板を、施工時の状況に応じてその
任意の貫通孔を選択して抜け止め接続することが可能と
なり、施工作業の省力化を図ることができる。
【0060】D.請求項2により、下地に固定された下
部材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着
部に左右の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同側縁部の貫
通孔が挟着部内側に位置する態様にそれぞれ挟着する
けで、この挟着により前記貫通孔には上部材に一体形成
した係止部が挿入して抜け止めしてあるため、屋根板に
風圧が作用すると、係止が屋根板の抜け外れ動作を規
制するので、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散する恐
れがない。さらに、係止部を上部材に一体的に形成して
あるため、部材管理が容易であると共に、従来のハゼ組
みの屋根および挟着による屋根と比較して、上下両部材
による屋根板の左右側縁部の挟着作業をするだけで、貫
通孔に対して係止部が挿入されて、屋根板が挟着部から
抜け外れない挟着状態で接続できるので、風圧によって
飛散しない構造に迅速に作業することができて施工性が
優れている。
【0061】E.請求項3により、下地に固定された下
部材に上部材を取り付けて、この上下両部材の左右挟着
部に左右の縦葺き屋根板の左右側縁部を、同側縁部の貫
通孔が挟着部内側に位置する態様にそれぞれ挟着するだ
けで、この挟着により前記貫通孔には下部材に一体形成
した係止部が挿入して抜け止めしてあるものでは、屋根
板に風圧が作用すると、係止部が屋根板の抜け外れ動作
を規制するので、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散す
る恐れがない。さらに、係止部を下部材に一体的に形成
してあるため、部材管理が容易であると共に、従来のハ
ゼ組みの屋根および挟着による屋根と比較して、上下両
部材による屋根板の左右側縁部の挟着作業をするだけ
で、貫通孔に対して係止部が挿入されて、屋根板が挟着
部から抜け外れない挟着状態で接続できるので、風圧に
よって飛散しない構造に迅速に作業することができて施
工性が優れている。 F.請求項4により、下地に固定された下部材に上部材
を取り付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦
葺き屋根板の左右側縁部を、同側縁部の貫通孔が挟着部
内側に位置する態様にそれぞれ挟着すると共に、前記貫
通孔には別体の係止部材を上方からした部材の開口部ま
で挿入して抜け止めしてあるものでは、屋根板に風圧が
作用すると、係止部材が屋根板の抜け外れ動作を規制す
るので、屋根板が挟着部から抜け外れず飛散する恐れが
ない。さらに、屋根板の左右側縁部の抜け止めを別体の
係止部材により行っているため、上部材および下部材と
もに成型が容易である。そして、この上部材で別体の係
止部材を押えて、係止部材による左右側縁部の抜け止め
機能が保たれるようにしてあるため、係止部材は貫通孔
から下部材の開口部まで挿入するだけの組み付け作業で
済み、組み立て作業が省力化されて施工容易である。G.請求項5により、下地に固定された下部材に上部材
を取り付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦
葺き屋根板の左右側縁部を、同側縁部の貫通孔が挟着部
内側に位置する態様にそれぞれ挟着すると共に、前記貫
通孔には別体の係止部材下面のピン部を上方から下部材
の開口部まで挿入して該ピン部の弾性変形により下部材
に係止して抜け止めしてあるものでは、屋根板に風圧が
作用すると、係止部材が屋根板の抜け外れ動作を規制す
るので、屋根板が挟着部から抜け 外れず飛散する恐れが
ない。 さらに、屋根板の左右側縁部の抜け止めを別体の
係止部材により行っているため、上部材および下部材と
もに成型が容易である。そして、この別体の係止部材が
弾性変形することによりその係止部材自体で左右側縁部
の抜け止め機能が保たれるようにしてあるため、係止部
材は貫通孔から下部材の開口部まで挿入するだけの組み
付け作業で確実に抜け止めでき、組み立て作業が省力化
されて施工容易である上に風の強い施工条件下での作業
も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の縦葺き屋根板の第1実施例を例示し
ている斜視図。
【図2】 図1のイ−イ拡大断面図。
【図3】 本発明の縦葺き屋根板の第2実施例を例示し
ている部分拡大断面図。
【図4】 本発明の屋根構造の第1実施例を例示してい
る縦断面図。
【図5】 同平面図で一部切欠している。。
【図6】 同分解斜視図。
【図7】 本発明の屋根構造の第2実施例を例示してい
る縦断面図。
【図8】 同分解斜視図。
【図9】 本発明の縦葺き屋根板の第1実施例の使用例
を例示している縦断面図。
【図10】 同分解斜視図。
【図11】 本発明の屋根構造の第4実施例を例示して
いる縦断面図。
【図12】 同分解斜視図。
【図13】 (A)〜(E)は係止ピンの他の各実施例
を例示している拡大斜視図。
【符号の説明】
1 縦葺き屋根板 1a 縦葺き屋
根板の面板部 1b 縦葺き屋根板の左側縁部 1c 縦葺き屋
根板の右側縁部 1d 縦葺き屋根板の下面部 2 縦葺き屋
根板の貫通孔 3 縦葺き屋根板の水切り部 4 下地 5 下部吊子(下部材) 6 下部吊子
の樋部 7 下部吊子のフランジ 8,9 下部吊子の外側立ち上げ部 10,11 下部吊子の内側立ち上げ部 12,13 下部吊子
の外側下挟着部(挟着部) 14,15 下部吊子の内側下挟着部(挟着部) 16,17,23,24 下部吊子の開口部 18 下部吊子
の被係合部 19,20 下部吊子の下挟着部(挟着部) 19a,20a 下部吊子の下がり部 21 下部吊子
の台部 22 台部の孔 25 上部吊子
(上部材) 26,27 上部吊子の上挟着部(挟着部) 28 上部吊子の係合凹部 29 上部吊子
の係合部 30,31 上部吊子の係止凹部 32,33 係止
34、50 固定具 35 バックア
ップ材 36 カバー部材 37,38 カバ
ー部材の折り下げ部 39 カバー部材の係合突部 40,41,42,43,
51,52 パッキング 44 樋部材 45,46 樋部
材の立ち上げ部 47 取付部 48 取付部の
孔 49 取付部の被係合部 53 係止ピン
(係止材) 53a 係止ピンの拡大頭部 53b 係止ピ
ンのピン部 53c 係止ピンの係合鍔部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右に隣接する屋根板の側縁部を上部材
    と下部材によって挟着すると共に該上部材と下部材との
    間で係止して接続する縦葺き屋根に用いる縦葺き屋根板
    において、前記縦葺き屋根板は略平板状で、屋根面と同
    一平面状の左右側縁部に沿って該屋根板の長手方向に長
    孔状の貫通孔を、前記上部材と下部材との間で不特定の
    任意の貫通孔において係止可能となるように適宜間隔を
    おいて多数設けてなることを特徴とする縦葺き屋根板。
  2. 【請求項2】 下地に固定された下部材に上部材を取り
    付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋
    根板の左右側縁部を、同側縁部の貫通孔が挟着部内側に
    位置する態様にそれぞれ挟着するだけで、この挟着によ
    り前記貫通孔には上部材に一体形成した係止部が挿入し
    て抜け止めしていることを特徴とする屋根構造。
  3. 【請求項3】 下地に固定された下部材に上部材を取り
    付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋
    根板の左右側縁部を、同側縁部の貫通孔が挟着部内側に
    位置する態様にそれぞれ挟着するだけで、この挟着によ
    り前記貫通孔には下部材に一体形成した係止部が挿入し
    て抜け止めしていることを特徴とする屋根構造。
  4. 【請求項4】 下地に固定された下部材に上部材を取り
    付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋
    根板の左右側縁部を、同側縁部の貫通孔が挟着部内側に
    位置する態様にそれぞれ挟着すると共に、前記貫通孔に
    は別体の係止部材を上方から下部材の開口部まで挿入し
    て抜け止めしていることを特徴とする屋根構造。
  5. 【請求項5】 下地に固定された下部材に上部材を取り
    付けて、この上下両部材の左右挟着部に左右の縦葺き屋
    根板の左右側縁部を、同側縁部の貫通孔が挟着部内側に
    位置する態様にそれぞれ挟着すると共に、前記貫通孔に
    は別体の係止部材下面のピン部を上方から下部材の開口
    部まで挿入して該ピン部の弾性変形により下部材に係止
    して抜け止めしていることを特徴とする屋根構造。
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