JPH11293101A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH11293101A
JPH11293101A JP10093407A JP9340798A JPH11293101A JP H11293101 A JPH11293101 A JP H11293101A JP 10093407 A JP10093407 A JP 10093407A JP 9340798 A JP9340798 A JP 9340798A JP H11293101 A JPH11293101 A JP H11293101A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は透明性に優れたフェニル基含有ポリ
シロキサンを含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物に関する。 【解決手段】 (a)芳香族ポリカーボネート樹脂(A
成分)100重量部、(b)フェニル基含有ポリシロキ
サン(B成分)0.01〜3重量部からなる芳香族ポリ
カーボネート樹脂組成物において、該B成分が少なくと
もフェニルシロキサン単位及びトリアルキルシロキサン
単位を含有してなり、かつ芳香族水素に対する脂肪族水
素の割合が2.4〜5.0であり、更に該B成分の25
℃における粘度が1〜2000cStである芳香族ポリ
カーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明性に優れたフェ
ニル基含有ポリシロキサンを含有する芳香族ポリカーボ
ネート樹脂組成物に関する。更に詳しくは、芳香族ポリ
カーボネート樹脂本来の高度な透明性を維持すると共に
熱安定性を低下させることなく、優れた離型性を有する
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来技術】芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に使用
する添加型離型剤として、従来から高級アルコールの高
級脂肪酸エステル化合物や多価アルコールの高級脂肪酸
エステル化合物が用いられている。それらは、芳香族ポ
リカーボネート樹脂の透明性を維持しながら優れた離型
性を付与でき有用な化合物であることが知られている。
ところが、これら高級脂肪酸エステル化合物は、エステ
ル結合を有する化合物であるため化合物自体が高度な熱
安定性を有しておらず、その分解物はポリカーボネート
樹脂の分解や着色を促進しやすい傾向にある。したがっ
て、これら高級脂肪酸エステルを配合したポリカーボネ
ート樹脂は、成形滞留時のような厳しい条件下において
色相安定性の低下をはじめとする熱安定性の低下の問題
が生じやすい。また、その他の添加剤と併用した場合、
添加剤の種類によってはその問題が著しくなることもあ
る。
【0003】それに対して、オルガノポリシロキサン系
の添加型離型剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂
は、かかる離型剤自体が熱安定性の高い化合物であるた
め、離型剤化合物中の不純物(芳香族ポリカーボネート
樹脂に作用して熱安定性を低下させる不純物)さえ少な
ければ、成形滞留時の色相安定性をはじめとする熱安定
性は低下しにくい傾向にある。しかも、その他の添加剤
と併用した場合も、色相安定性低下をはじめとする熱安
定性低下の問題が少ない。
【0004】更に、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
に難燃性を付与する場合には、かかる組成物の添加型離
型剤としては、可燃性の高級脂肪酸エステル化合物を用
いるよりも、それ自体が不燃性であって構造によっては
樹脂に難燃性を付与できることが知られているオルガノ
ポリシロキサンを用いる方が、難燃性レベルを高める面
でも有利である。
【0005】ところが、オルガノポリシロキサンは芳香
族ポリカーボネート樹脂の透明性を損なうことが多く、
透明性の必要な用途に対しては十分でなかった。
【0006】オルガノポリシロキサンがポリカーボネー
トの透明性を損ねるという問題を解決するために、オル
ガノポリシロキサンの構造にフェニル基を特定量導入し
てポリカーボネートの透明性を維持させようという提案
がなされている。
【0007】例えば、特開昭57−94020号公報に
は、フェニル基の含有量を規定したフェニル基含有ポリ
シロキサンの製造法が提案されており、該ポリシロキサ
ンの用途としてポリカーボネート用の内部離型剤があげ
られている。該ポリシロキサンは、ジフェニルシロキサ
ン単位とジメチルシロキサン単位を有するものである
が、芳香族ポリカーボネート樹脂の透明性を十分に高め
られず、かかるポリシロキサンの構造では問題を十分解
決できない。また、特表昭57−500736号公報で
は、特定のオルガノポリシロキサンを少量含有すること
を特徴とする透明プラスチック組成物が提案されてい
る。しかしながらかかる公報に芳香族ポリカーボネート
樹脂に対して具体的に開示されたオルガノポリシロキサ
ンは必ずしも高温加工時における透明性及び離型性につ
いて十分なものではなかった。
【0008】「樹脂用離型剤」とは異なるが、同じく
「樹脂用添加剤」であるところの「特定の芳香族スルホ
ン酸塩型難燃剤」を添加すると芳香族ポリカーボネート
樹脂の透明性が損なわれるという問題がある。これを解
決する方法として、例えば特開昭52−54746号公
報には、難燃剤の屈折率を1.54〜1.65とし、芳
香族ポリカーボネート樹脂の屈折率と合わせる手法が示
されている。添加剤と芳香族ポリカーボネート樹脂の屈
折率が近いほど透明性が高くなることが予想される。し
かしながら、かかる手法は、フェニル基含有ポリシロキ
サンを芳香族ポリカーボネート樹脂に添加する場合には
十分でないことが我々の検討でわかった。つまり、単に
芳香族ポリカーボネート樹脂に近い屈折率を有するオル
ガノポリシロキサンを用いただけでは、一定レベルの透
明性は保持できるものの芳香族ポリカーボネート樹脂本
来の高度な透明性を得ることはできない。
【0009】本出願人は、特願平9−45281号にお
いて、透明性がありかつ摺動性を有するポリカーボネー
ト樹脂の達成を目的として、ポリカーボネート樹脂に、
オルガノポリシロキサンとして特定のフェニル基含有シ
リコーンオイル及び精製安定化ロジンエステルを配合す
ることを提案している。
【0010】しかしながら近年の成形品の薄肉化、及び
ミクロンオーダーの微細な形状を転写する必要性などか
ら、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における成形温
度は極めて高くなっており、従来にも増して熱安定性の
高い化合物の配合が求められる場合がある。かかる要求
に対しては、精製安定化ロジンエステルは熱安定性の面
で十分とはいえず、これを配合することなく高度の透明
性及び離型性が達成できる芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物が求められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
構造のフェニル基含有ポリシロキサン単位を含む離型剤
を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物におい
て、透明性及び離型性に優れる芳香族ポリカーボネート
樹脂組成物を提供することである。更に詳しくは、厳し
い加工条件においても芳香族ポリカーボネート樹脂本来
の物性の低下が少なく、離型性に優れ、かつ透明性に優
れた、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0012】我々は鋭意検討の結果、特定構造のフェニ
ル基含有シロキサン単位を含むフェニル基含有ポリシロ
キサン離型剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物において、より透明性に優れた該組成物を得るため
には、該フェニル基含有ポリシロキサンとして、芳香族
水素に対する脂肪族水素の割合が特定範囲内にあり、更
に特定粘度を有すればよいということを発見し、本発明
を完成するに至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)芳香族
ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部、(b)
フェニル基含有ポリシロキサン(B成分)0.01〜3
重量部からなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物にお
いて、該B成分が少なくとも下記一般式(1)で表わさ
れるフェニルシロキサン単位及び下記一般式(2)で表
わされるトリアルキルシロキサン単位を含有してなり、
かつ芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が2.4〜
5.0であり、更に該B成分の25℃における粘度が1
〜2000cStである芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物に関するものである。
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】(ここで、式中R1 及びR2 は炭素数1〜
4のアルキル基を表わし、xは0、1、又は2であ
る。)
【0017】本発明でA成分として使用される芳香族ポ
リカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート
前駆体とを溶液法また溶融法で反応させて得られるもの
である。ここで使用される二価フェノールの代表的な例
としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、4,4−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン等が挙げられる。好ましい二価フェノ
ールは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであ
り、なかでもビスフェノールAが特に好ましい。
【0018】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステル又はハロホルメート等が
使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネー
ト又は二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられ
る。
【0019】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を溶液法又は溶融法によって反応させて芳香族ポリカー
ボネート樹脂を製造するに当っては、二価フェノールは
単独又は2種以上を使用することができ、必要に応じて
触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使
用してもよい。また芳香族ポリカーボネート樹脂は三官
能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカ
ーボネート樹脂であってもよく、芳香族又は脂肪族、好
ましくは炭素数8以上の芳香族又は脂肪族の二官能性カ
ルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂で
あってもよく、更に2種以上の芳香族ポリカーボネート
樹脂の混合物であってもよい。
【0020】溶液法による反応は、通常二価フェノール
とホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の
存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
又はピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒
としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のため
に例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒
を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜4
0℃であり、反応時間は数分〜5時間程度である。
【0021】溶融法による反応は、通常二価フェノール
とジフェニルカーボネートとのエステル交換反応であ
り、不活性ガスの存在下に二価フェノールとジフェニル
カーボネートを混合し、減圧下通常120〜350℃で
反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1
mmHg以下にして生成したフェノール類を系外に除去
させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0022】また、重合反応において、末端停止剤とし
て単官能フェノール類を使用することができる。カーボ
ネート前駆物質としてホスゲンを使用する反応の場合、
単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のた
めに一般的に使用され、また得られたポリカーボネート
樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって
封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性
に優れている。カーボネート前駆物質としてジフェニル
カーボネートを使用するエステル交換反応の場合も同様
に熱安定性の向上のため好ましく使用できる。かかる単
官能フェノール類としては、ポリカーボネートの末端停
止剤として使用されるものであればよく、一般にはフェ
ノール又は低級アルキル置換フェノールであって、下記
一般式(4)で表される単官能フェノール類を示すこと
ができる。
【0023】
【化6】
【0024】(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜9、
好ましくは1〜8のアルキル基又はアルアルキル基を示
し、mは1〜5、好ましくは1〜3の整数を示す。)
【0025】前記単官能フェノール類の具体例として
は、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノー
ルが挙げられる。
【0026】芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、
粘度平均分子量(M)で10,000〜100,000
が好ましく、12,000〜40,000がより好まし
く、13,000〜30,000が特に好ましい。ま
た、粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香
族ポリカーボネート樹脂と粘度平均分子量50,000
以上好ましくは50,000〜250,000の芳香族
ポリカーボネート樹脂の混合物であって、上記粘度平均
分子量の範囲を満足するものも好ましく用いられる。か
かる粘度平均分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹
脂は、機械的強度に優れ、成形時の流動性も良好であり
好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン
100mLに芳香族ポリカーボネート樹脂0.7gを2
0℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηSP)を次式に
挿入して求める。 ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0027】本発明でB成分として使用されるフェニル
基含有ポリシロキサンとは、下記一般式(1)で表わさ
れるフェニルシロキサン単位及び(2)で表わされるト
リアルキルシロキサン単位を含有し、かつ芳香族水素に
対する脂肪族水素の割合が2.4〜5.0であり、更に
該B成分の25℃における粘度が1〜2000cStで
あるものをいう。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】(ここで、式中R1 及びR2 は炭素数1〜
4のアルキル基を表わし、xは0、1、又は2であ
る。)
【0031】更に本発明のB成分は、上記一般式(1)
及び一般式(2)に加えて、下記一般式(3)で示され
るアルキルフェニルシロキサン単位を含有してもよい。
【0032】
【化9】
【0033】(ここで、R3 は炭素数1〜6のアルキル
基、又はシクロアルキル基を表わす。)
【0034】また本発明のB成分は、上記一般式
(1)、及び一般式(2)に加えて、下記一般式(5)
で示されるジアルキルシロキサン単位を含有してもよ
い。
【0035】
【化10】
【0036】(ここで、R4 及びR5 は炭素数1〜6の
アルキル基、又はシクロアルキル基を表わし、同時にメ
チル基ではない基を表わす。)
【0037】本発明でB成分として用いるフェニル基含
有ポリシロキサンにおいて、「芳香族水素に対する脂肪
族水素の割合」は2.4〜5.0の範囲である。好まし
くは、2.4〜4.0であり、最も好ましくは2.5〜
3.4の範囲である。該フェニル基含有ポリシロキサン
における芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が2.4
未満あるいは5.0を越える場合には、該化合物を配合
した芳香族ポリカーボネート樹脂の高度な透明性が損な
われ本発明の目的を達成することができない。
【0038】尚、本発明のB成分において限定している
ところの「芳香族水素に対する脂肪族水素の割合」は、
1H核磁気共鳴測定装置によって容易に測定することが
できる。「芳香族水素に対する脂肪族水素の割合」と
は、本発明のB成分全体あるいはB成分の混合化合物全
体において、「芳香族炭化水素基における水素原子の
数」に対する「脂肪族炭化水素基における水素原子の
数」の比率であり、例えば、メチル基一つとフェニル基
一つを持つ単位、すなわちメチルフェニルシロキサン単
位であれば3/5、すなわち0.6ということになる。
該割合は、該割合が異なる特定単位の混合により調節が
可能である。
【0039】又、本発明のB成分であるフェニル基含有
ポリシロキサンの25℃における粘度は、1〜2000
cStであり、好ましくは5〜500cStであり、特
に好ましくは10〜100cStである。粘度が1cS
t未満あるは2000cStを越える場合には、芳香族
ポリカーボネート樹脂との相溶性が低下し、高度な透明
性を達成できない。
【0040】更に、本発明のB成分はジメチルシロキサ
ン単位を含有しないものが好ましく使用できる。ジメチ
ルシロキサン単位を含有すると、より高温の加工時にお
いて十分な透明性を達成できない。かかる理由は不明で
あるが、かかる単位の芳香族ポリカーネート樹脂との相
溶性及びそれ自身の耐熱性等が関与しているものと考え
られる。
【0041】本発明でB成分として使用されるフェニル
基含有ポリシロキサンの構造として好ましいものとして
は、一般式(1)で表わされるフェニルシロキサン単位
において式中R1 がメチル基又はエチル基のものであ
り、また一般式(2)で表わされるトリアルキルシロキ
サン単位において式中R2 がメチル基又はエチル基のも
のであり、特に好ましくはメチル基のものである。好ま
しくは更に一般式(3)を含有するものであり、特に一
般式(3)においてメチル基であるものが好ましい。メ
チルフェニルシロキサン単位は、芳香族水素に対する脂
肪族水素の割合の観点では、その値が0.6でなり、か
かる単位を含有することは好ましい方向とは異なるもの
であるが、屈折率の効果の点から透明性の調整に好まし
く使用できるものである。
【0042】本発明が目的とする高度な透明性とは、芳
香族ポリカーボネート樹脂本来の透明性により近いこと
であり、具体的には、2mm厚みの成形板において全光
線透過率が87.0%以上であり、かつヘーズが4.0
%以下のことをいう。より好ましくは、該全光線透過率
が89.0%以上であり、かつ、ヘーズが3.0以下で
ある。更により好ましくは、全光線透過率が90.0%
以上であり、かつ、ヘーズが1.0以下である。 該全
光線透過率が87.0%を下回ったり、ヘーズが4.0
%を越えると、透明性の障害となる「わずかのくもり」
が肉眼で感知できる領域となるため「高度な透明性」と
いう表現は適さない。
【0043】本発明におけるB成分であるフェニル基含
有ポリシロキサンの配合量は、芳香族ポリカーボネート
樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部であり、
好ましくは、0.05〜2重量である。配合量が3重量
部より多くとなると、組成物の成形品に関して機械的物
性が低下する問題が生じると共に、透明性が低下してく
る。また、かかる配合量が0.01重量部より少なくな
ると、組成物に十分な離型性が付与されず、本発明の目
的が達成されない。
【0044】本発明のB成分であるフェニル基含有ポリ
シロキサンに関しては、25℃における屈折率が、1.
44〜1.48であるものがより好ましい。当然屈折率
が芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率である1.58
6に近いほど有利であるのは確かだが、屈折率を高める
為には必然的に芳香族基の割合が多くなり逆に芳香族ポ
リカーボネート樹脂との親和性が低下するため好ましく
ない。本発明は芳香族ポリカーボネート樹脂とポリシロ
キサンからなる組成物において、近接した屈折率のポリ
シロキサンを使用するという従来の手法とは異なる手法
により、高度な透明性を達成したものである。
【0045】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、成形時における分子量の低下や色相の悪化を防
止するために熱安定剤を配合することができる。かかる
熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、
ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体
的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフ
ェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファ
イト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホ
スファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオ
クチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノ
フェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファ
イト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチ
ルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−ter
t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ
−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、
ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリ
ルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホ
スフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホス
フェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノ
オルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、
ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェー
ト、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラ
キス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベン
ゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチ
ル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。な
かでも、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチ
ルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ホスファイトおよびベンゼンホスホン酸ジ
メチルが好ましく使用される。これらの熱安定剤は、単
独でもしくは2種以上混合して用いてもよい。かかる熱
安定剤の配合量は、A成分である芳香族ポリカーボネー
ト樹脂100重量部に対して0.0001〜1重量部が
好ましく、0.0005〜0.5重量部がより好まし
く、0.001〜0.1重量部が更に好ましい。
【0046】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を配
合することもできる。かかる酸化防止剤としては、例え
ばペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプ
ロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3
−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−
ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコー
ル−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−
ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシン
ナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、ト
リス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレン
ジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル
−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウ
ンデカン等が挙げられる。これら酸化防止剤の配合量
は、A成分である芳香族ポリカーボネート樹脂100重
量部に対して0.0001〜0.05重量部が好まし
い。
【0047】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、溶融成形時の金型からの離型性をより向上させ
るために、本発明の目的を損なわない範囲でオルガノポ
リシロキサン以外の離型剤を配合することも可能であ
る。かかる離型剤としては、一価又は多価アルコールの
高級脂肪酸エステル、パラフィンワックス、蜜蝋等が挙
げられる。かかる高級脂肪酸エステルとしては、炭素原
子数1〜20の一価又は多価アルコールと炭素原子数1
0〜30の飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステル
であるのが好ましい。かかる一価又は多価アルコールと
飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルとしては、
ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリ
ド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソ
ルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリス
リトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテト
ラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴ
ネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステ
アリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチル
ステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミ
テート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステ
アレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げら
れ、なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリ
ン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステ
アレートが好ましく用いられる。尚、かかるオルガノポ
リシロキサン以外の離型剤の配合量は、芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物100重量部に対して0.5重量部
までにとどめるべきであり、また本発明のB成分の重量
を1とした場合に、かかるオルガノポリシロキサン以外
の離型剤の重量は0.6以下、好ましくは0.3以下と
することが必要である。
【0048】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、本発明の目的を損なわない範囲で、光安定剤を
配合することができる。かかる光安定剤としては、例え
ば2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒ
ドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)
フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メ
チレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェ
ニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベン
ゾオキサジン−4−オン)等が挙げられる。かかる光安
定剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物1
00重量部に対して0.01〜2重量部が好ましい。
【0049】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、本発明の目的を損なわない範囲で、帯電防止剤
を配合することができる。かかる帯電防止剤としては、
例えばポリエーテルエステルアミド、グリセリンモノス
テアレート、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩、無水
マレイン酸モノグリセライド、無水マレイン酸ジグリセ
ライド等が挙げられる。
【0050】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、本発明の目的が損なわれない量の難燃剤を配合
することができる。難燃剤としては、ハロゲン化ビスフ
ェノールAのポリカーボネート型難燃剤、有機塩系難燃
剤、芳香族リン酸エステル系難燃剤、あるいは、ハロゲ
ン化芳香族リン酸エステル型難燃剤等があげられ、それ
らを一種以上配合することができる。具体的にハロゲン
化ビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤は、テ
トラブロモビスフェノールAのポリカーボネート型難燃
剤、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールA
との共重合ポリカーボネート型難燃剤等である。具体的
に有機塩系難燃剤は、ジフェニルスルホン−3,3’−
ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3−ス
ルホン酸カリウム、2,4,5−トリクロロベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、2,4,5−トリクロロベンゼン
スルホン酸カリウム、ビス(2,6−ジブロモ−4−ク
ミルフェニル)リン酸カリウム、ビス(4−クミルフェ
ニル)リン酸ナトリウム、ビス(p−トルエンスルホ
ン)イミドカリウム、ビス(ジフェニルリン酸)イミド
カリウム、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)リ
ン酸カリウム、ビス(2,4−ジブロモフェニル)リン
酸カリウム、ビス(4−ブロモフェニル)リン酸カリウ
ム、ジフェニルリン酸カリウム、ジフェニルリン酸ナト
リウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、ラウ
リル硫酸ナトリウムあるいはカリウム、ヘキサデシル硫
酸ナトリウムあるいはカリウム等である。具体的にハロ
ゲン化芳香族リン酸エステル型難燃剤は、トリス(2,
4,6−トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス
(2,4−ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス
(4−ブロモフェニル)ホスフェート等である。具体的
に芳香族リン酸エステル系難燃剤は、トリフェニルホス
フェート、トリス(2,6−キシリル)ホスフェート、
テトラキス(2,6−キシリル)レゾルシンジホスフェ
ート、テトラキス(2,6−キシリル)ヒドロキノンジ
ホスフェート、テトラキス(2,6−キシリル)−4,
4’−ビフェノールジホスフェート、テトラフェニルレ
ゾルシンジホスフェート、テトラフェニルヒドロキノン
ジホスフェート、テトラフェニル−4,4’−ビフェノ
ールジホスフェート、芳香環ソースがレゾルシンとフェ
ノールでありフェノール性OH基を含まない芳香族ポリ
ホスフェート、芳香環ソースがレゾルシンとフェノール
でありフェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェー
ト、芳香環ソースがヒドロキノンとフェノールでありフ
ェノール性OH基を含まない芳香族ポリホスフェート、
同様のフェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェー
ト、(以下に示す「芳香族ポリホスフェート」は、フェ
ノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェートと含まな
い芳香族ポリホスフェートの両方を意味するものとす
る)芳香環ソースがビスフェノールAとフェノールであ
る芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがテトラブロ
モビスフェノールAとフェノールである芳香族ポリホス
フェート、芳香環ソースがレゾルシンと2,6−キシレ
ノールである芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースが
ヒドロキノンと2,6−キシレノールである芳香族ポリ
ホスフェート、芳香環ソースがビスフェノールAと2,
6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート、芳香
環ソースがテトラブロモビスフェノールAと2,6−キ
シレノールである芳香族ポリホスフェート等である。
【0051】これらの中で、本発明の目的から、ハロゲ
ン化ビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤及び
芳香族リン酸エステル系難燃剤が好ましく、特に芳香族
リン酸エステル系難燃剤が透明性の点では好ましい。又
かかる芳香族リン酸エステル系難燃剤の中でもトリフェ
ニルホスフェート及びテトラキス(2,6−キシリル)
レゾルシンジホスフェートが好ましい。尚、有機塩系難
燃剤の場合であっても芳香族ポリカーボネート樹脂10
0重量部あたり、かかる有機塩系難燃剤が0.2〜0.
5重量部であれば十分な透明性及び難燃性を達成するこ
とが可能である。
【0052】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、他の樹脂やエラストマーを本発明の目的が損な
われない範囲で、すなわち極めて少割合であれば配合す
ることもできる。
【0053】かかる他の樹脂としては、例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、
ポリスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニト
リル/スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリ
ル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポ
リメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
等の樹脂が挙げられる。
【0054】また、エラストマーとしては、例えばイソ
ブチレン/イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴ
ム、エチレン/プロピレンゴム、アクリル系エラストマ
ー、シリコーンゴム、ポリエステル系エラストマー、ポ
リアミド系エラストマー、コアシェル型のエラストマー
であるMBS(メタクリル酸メチル/スチレン/ブタジ
エン)ゴム、MAS(メタクリル酸メチル/アクリロニ
トリル/スチレン)ゴム等が挙げられる。
【0055】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物を製造するには、任意の方法が採用される。例えばタ
ンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウタ
ーミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機
等で混合する方法が適宜用いられる。こうして得られる
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、そのまま又は溶
融押出機で一旦ペレット状にしてから、射出成形法、押
出成形法、圧縮成形法等の通常知られている方法で成形
品にすることができる。なお、芳香族ポリカーボネート
樹脂への配合成分の分散を高めて安定した離型性や各物
性を得るためには、溶融押出において二軸押出機を使用
するのが好ましい。更に本発明のB成分は芳香族ポリカ
ーボネート樹脂と予め混合する方法、一部の芳香族ポリ
カーボネート樹脂と予め混合してマスターを作成し投入
する方法、かかるマスターを押出機途中から投入する方
法、及びB成分のフェニル基含有ポリシロキサンを液体
状態のまま注入する方法のいずれの方法も取ることがで
きる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて更に説明す
る。実施例中の「部」は重量部である。 [参考例1]芳香族ポリカーボネートの製造(1) 温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器にイオン交換
水219.4部、48%水酸化ナトリウム水溶液40.
2部を仕込み、これに2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン57.5部(0.252モル)および
ハイドロサルファイト0.12部を溶解した後、塩化メ
チレン181部を加え、撹拌下15〜25℃でホスゲン
28.3部を40分要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込
み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液7.2部およ
びp−tert−ブチルフェノール2.42部を加え、
攪拌を始め、乳化後トリエチルアミン0.06部を加
え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了し
た。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗し
た後塩酸酸性にして水洗し、水層の導電率がイオン交換
水と殆ど同じになったところで、軸受け部に異物取出口
を有する隔離室を設けたニーダーにて塩化メチレンを蒸
発して、粘度平均分子量15,000(以下PL−PC
と略称する)のパウダーを得た。
【0057】[参考例2]芳香族ポリカーボネートの製
造(2) 温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器に、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン100部を、
窒素気流下でイオン交換水により作成した10%水酸化
ナトリウム水溶液550部を溶解した中に、塩化メチレ
ン320部を加えて攪拌下25℃でホスゲン50部を1
00分間要して吹き込んだ。この間15%水酸化ナトリ
ウム水溶液を加えて水層のPH値を12〜14に調整し
た。反応終了後における塩化メチレン層中の反応生成物
の濃度は25%であった。次いで強く攪拌しながら塩化
メチレン550部を加えて均一なエマルジョンにした。
この時、塩化メチレン層中の反応生成物の濃度は11%
であった。続いて15%水酸化ナトリウム水溶液を加え
て水層のPHを13に調整しながら末端停止剤としてp
−tert−ブチルフェノール0.2部、触媒としてト
リエチルアミン0.2部及び塩化メチレン550部を添
加した。この時、塩化メチレン層中の反応生成物の濃度
は7%であった。10分後更に塩化メチレン550部を
追加し、塩化メチレン層中の反応生成物の濃度を5%と
し、更に10分後塩化メチレン550部を追加し、30
℃で3時間重縮合反応させた。反応終了時、塩化メチレ
ン層中の反応生成物の濃度は4%であった。反応終了後
水層を分離し、有機層を十分に水洗し、濃縮した後、メ
タノール中に滴下し、沈殿物として高分子量芳香族ポリ
カーボネート樹脂を得、これを乾燥した。得られた高分
子量芳香族ポリカーボネート樹脂は粘度平均分子量14
0,000(以下、UHM−PCと略称する)であっ
た。
【0058】[参考例3]芳香族ポリカーボネート樹脂
の製造(3) 撹拌機及び蒸留塔を備えた反応器に2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン50.2部(0.22モ
ル)、ジフェニルカーボネート(バイエル社製)49.
2部(0.23モル)及び触媒として水酸化ナトリウム
0.000005部とテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド0.0016部を仕込み、窒素置換した。この混
合物を200℃まで加熱して撹拌しながら溶解させた。
次いで、減圧度を30Torrとして加熱しながら1時
間で大半のフェノールを留去し、更に270℃まで温度
を上げ、減圧度を1Torrとして2時間重合反応を行
なったところで、メチル(2−フェニルオキシカルボニ
ルオキシ)ベンゼンカルボキシレートを末端停止剤とし
て2.3部を添加した。その後270℃、1torr以
下で5分間末端封鎖反応を行った。次に溶融状態のまま
で、触媒中和剤としてドデシルベンゼンスルホン酸テト
ラブチルホスホニウム塩を0.0023部(4×10-5
モル/ビスフェノール1モル)添加して270℃、10
torr以下で10分間反応を継続し、粘度平均分子量
15,000のポリマーを得た。このポリマーをギアポ
ンプでルーダーに送った。ルーダー途中でトリスノニル
フェニルホスファイトを0.003重量%、トリメチル
ホスフェートを0.005重量%、ステアリン酸モノグ
リセリドを0.045重量%加え、ポリカーボネートペ
レット(以下ML−PCと略称する)を得た。
【0059】[参考例4]芳香族水素に対する脂肪族水
素の割合が2.3であるポリシロキサンの製造 攪拌機、還流器、温度計を備えた1L丸底フラスコに、
フェニルトリメトキシシラン482部とジメチルシクロ
ヘキサン268部の混合物、及び活性白土3.0gを仕
込み、マントルヒーターにて60℃で8時間加熱、攪拌
した。その後生成物を1mmHgで150℃の温度にて
処理し、揮発物を除去した。冷却後ろ過し、油状物を得
た。このポリシロキサンにおける芳香族水素に対する脂
肪族水素の比は2.3、25℃での粘度は175cSt
であった(以下S−5と略称する)。
【0060】[実施例1〜6、比較例1〜5]上記で得
られた芳香族ポリカーボネート樹脂及びポリシロキサ
ン、その他下記に示す成分を使用して、表1に示すサン
プルについて評価を行った。尚、評価は以下の項目
(1)及び(2)について行った。又、表中の部は重量
部を表わす。
【0061】(1)全光線透過率及びヘーズ(曇価) 下記に示す方法で得られた長さ90mm、幅50mm、
厚み2mmの成形板を使用し、日本電色(株)NDH−
300A型を使用して2mmにおける全光線透過率及び
ヘーズを測定した。
【0062】(2)離型荷重 長さ50mm、幅5mm、厚み4mmの試験片作成金型
を使用して、長軸方向の一端から射出成形し、突き出し
プレートにストレインゲージを貼り付けることにより、
離型荷重値を測定した。射出成形機は住友重機械工業
(株)製SG150U型射出成形機を用い、シリンダー
温度330℃、金型温度80℃において実施した。離型
荷重の値は連続で30ショットを成形した後、引き続き
30ショットを成形し、その平均値により算出した。
【0063】表1に示す記載量(重量部)の各成分を、
タンブラーを使用して均一に混合した後、30mmφベ
ント付き二軸押出機(神戸製鋼(株)製KTX−30)
により、シリンダー温度260℃、10mmHgの真空
度で脱気しながらペレット化し、得られたペレットを1
20℃で5時間乾燥後、射出成形機(住友重機械工業
(株)製SG150U型)を使用して、シリンダー温度
330℃、金型温度80℃の条件で全光線透過率測定用
の成形板を作成した。20ショット成形の後、続いて2
0ショットを成形し、その中から3枚をランダムに選択
して、全光線透過率及びヘーズの測定に供した。尚、実
施例3においてはフェニル基含有ポリシロキサンである
S−1及び安定剤であるST−1をPL−PCのパウダ
ーに均一に混合しマスターとした後、かかるマスターと
ML−PC成分をタンブラーで均一に混合した。また実
施例6は難燃性樹脂組成物であり、その難燃性はUL−
94規格、厚み1.5mmにおいてV−0を満足するも
のであった。
【0064】なお表1に記載の各成分を示す記号は以下
の通りである。 (A成分) C−PC;芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成
(株)製 パンライトL−1225WP、粘度平均分子
量22,500) PL−PC;上記参考例1で得られた芳香族ポリカーボ
ネート樹脂 UHM−PC;上記参考例2で得られた芳香族ポリカー
ボネート樹脂 ML−PC;上記参考例3で得られた芳香族ポリカーボ
ネート樹脂
【0065】(B成分) S−1;芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が2.8
であり、ジメチルシロキサン単位を含有せず、25℃に
おける粘度が22.5cStであり、屈折率1.460
であるフェニル基含有ポリシロキサン(東レ・ダウコー
ニング・シリコーン(株)製 SH−556) S−2;芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が1.6
であり、25℃における粘度が30cStであり、屈折
率が1.497であるメチルフェニルポリシロキサン
(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 SH−
550) S−3;芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が10で
あり、ジメチルシロキサン単位を含有し、25℃におけ
る粘度が50〜1000cStであり、屈折率が1.4
25であるメチルフェニルポリシロキサン(東レ・ダウ
コーニング・シリコーン(株)製 SH−510) S−4;芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が0.6
であり、ジメチルシロキサン単位を含有せず、25℃に
おける粘度が500cStであり屈折率1.534であ
るメチルフェニルポリシロキサン(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製 SH−710) S−5;上記参考例4で合成したポリシロキサン
【0066】(難燃剤) FR−1;ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン
酸ジカリウム塩とジフェニルスルホン−3−モノスルホ
ン酸カリウム塩との8:2(重量比)混合物 FR−2;2,4,6−トリブロモフェニルホスフェー
ト (安定剤) ST−1;トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ホスフェート
【0067】
【表1】
【0068】この表から、例えば比較例2〜4において
明らかなように本発明以外のメチルフェニルシロキサン
成分を主体とするメチルフェニルポリシロキサンの場合
には、フェニル基含有量が高くなり、屈折率が芳香族ポ
リカーボネート樹脂に近づくにしたがって透明性が良好
となるが、十分でないことが分かる。一方本発明のフェ
ニルトリアルコキシシラン化合物とトリアルキルアルコ
キシシラン化合物を主成分とした反応生成物であり、特
定の芳香族水素に対する脂肪族水素の割合を有し、かつ
特定粘度であるフェニル基含有ポリシロキサンを使用し
た場合には、高度な透明性が達成されることが分かる。
また本発明のフェニル基含有ポリシロキサンでは、屈折
率が芳香族ポリカーボネートとは大きく異なるにも拘わ
らず透明性が良好となるという、上記のメチルフェニル
ポリシロキサンの場合とは異なる傾向であることが分か
る。一方比較例5において見られるようにフェニルトリ
アルコキシシラン化合物を主成分とした反応生成物であ
っても、芳香族水素に対する脂肪族水素の割合を満足し
ない場合には、十分な透明性及び離型性が得られないこ
とが分かる。本発明のフェニル基含有ポリシロキサンを
使用した場合には、極めて高い成形温度においても高度
な透明性を達成することが可能である。
【0069】
【発明の効果】本発明のフェニル基含有ポリシロキサン
を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、特定
条件を満たすフェニル基含有ポリシロキサンを用いるこ
とにより、透明性および離型性、耐熱性に優れた芳香族
ポリカーボネート樹脂成形品を提供することが可能であ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)芳香族ポリカーボネート樹脂(A
    成分)100重量部、(b)フェニル基含有ポリシロキ
    サン(B成分)0.01〜3重量部からなる芳香族ポリ
    カーボネート樹脂組成物において、該B成分が少なくと
    も下記一般式(1)で表わされるフェニルシロキサン単
    位及び下記一般式(2)で表わされるトリアルキルシロ
    キサン単位を含有してなり、かつ芳香族水素に対する脂
    肪族水素の割合が2.4〜5.0であり、該B成分の2
    5℃における粘度が1〜2000cStであることを特
    徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (ここで、式中R1 及びR2 は炭素数1〜4のアルキル
    基を表わし、xは0、1、又は2である。)
  2. 【請求項2】 B成分のフェニル基含有ポリシロキサン
    が更に下記一般式(3)で示されるアルキルフェニルシ
    ロキサン単位を含有するフェニル基含有ポリシロキサン
    である請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組
    成物。 【化3】 (ここで、R3 は炭素数1〜6のアルキル基、又はシク
    ロアルキル基を表わす。)
  3. 【請求項3】 一般式(2)において、式中R2 がメチ
    ル基又はエチル基である請求項1又は2のいずれか1項
    に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、式中R1 がメチ
    ル基又はエチル基であり、一般式(2)において、式中
    2 がメチル基であり、更に一般式(3)において、式
    中R3 がメチル基である請求項2に記載の芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 B成分のフェニル基含有ポリシロキサン
    において芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が2.4
    〜4.0である請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳
    香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 B成分のフェニル基含有ポリシロキサン
    において芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が2.5
    〜3.4である請求項5に記載の芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 B成分のフェニル基含有ポリシロキサン
    の25℃における粘度が5〜500cStの粘度を有す
    るものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の芳香
    族ポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 B成分のフェニル基含有ポリシロキサン
    の25℃における粘度が10〜100cStの粘度を有
    するものである請求項7に記載の芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂組成物。
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