JPH11292821A - 新規セコステロール - Google Patents

新規セコステロール

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Publication number
JPH11292821A
JPH11292821A JP9155498A JP9155498A JPH11292821A JP H11292821 A JPH11292821 A JP H11292821A JP 9155498 A JP9155498 A JP 9155498A JP 9155498 A JP9155498 A JP 9155498A JP H11292821 A JPH11292821 A JP H11292821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antifouling
compound
secosterol
solution
agent
Prior art date
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Pending
Application number
JP9155498A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Sera
豊 世良
Kyoko Adachi
恭子 足立
Yoshiichi Shizuri
芳一 志津里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marine Biotechnology Institute Co Ltd
Original Assignee
Marine Biotechnology Institute Co Ltd
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Publication date
Application filed by Marine Biotechnology Institute Co Ltd filed Critical Marine Biotechnology Institute Co Ltd
Priority to JP9155498A priority Critical patent/JPH11292821A/ja
Publication of JPH11292821A publication Critical patent/JPH11292821A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記の式(I)で表されるセコステロー
ル。 【化1】 及び当該物質の製造方法並びに当該物質を利用した防汚
剤。 【効果】 安全性の高い防汚剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なセコステロ
ール、及び当該物質の製造方法並びに当該物質を利用し
た防汚剤に関するものである。本発明のセコステロール
は、海洋汚損生物として知られるムラサキイガイ等に対
する防汚塗料などとして利用することができる。
【0002】
【従来の技術】ムラサキイガイ、フジツボ、あるいは大
型藻類、付着性微細藻類、付着性細菌などの汚損生物
は、船舶の船底部分に付着し、燃料効率を低下させた
り、発電所等の冷却水取水口、取水パイプ内に付着し、
取水、冷却効率を低下等させるなどして多大な被害を及
ぼす。これらの汚損に対する対策として、従来有機スズ
系をはじめとした重金属系の防汚塗料が使用されてきた
が、現在では環境汚染等の問題から亜酸化銅系の塗料等
を除き、このような重金属系の塗料等の使用は原則とし
て禁止されている。また、使用が許可されている亜酸化
銅系の塗料等の効果は1〜2年程度しか持続しないた
め、汚損に対する最終的な対策は、定期的に物理的な方
法で汚損生物を除去する方法が主流となっており、汚損
生物の処理に多大なコストが発生しているのが現状であ
る。重金属等に依存せず、付着機構自体を阻害する塗料
およびシステムが確立できれば各種産業分野への波及効
果は多大なものとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、本発
明は、防汚性物質を天然界から検索し、新規な汚損防止
手段を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは、林ら(Jurnal of Marine Biotechno
logy., 1996年, 4巻, 127-130ページ)の方法に従って
ムラサキイガイに対する忌避活性を指標に天然界より防
汚効果を有する物質を検索した結果、新規なセコステロ
ールを見いだし、本発明を完成した。即ち、本発明は、
下記の式(I)で表されるセコステロールである。
【0005】
【化2】
【0006】(I)
【0007】また、本発明は、ディシディア属に属する
海綿から上記のセコステロールを採取することを特徴と
する上記のセコステロールの製造法である。さらに、本
発明は、上記のセコステロールを有効成分として含有す
ることを特徴とする防汚剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 (1)本発明のセコステロール[式(I)の化合物]の
理化学的性質 1. 分子量:468 2. 分子式:C27H48O6 3. 1H-NMR (重メタノール中で測定,500MHz) *( )内は水素数、多重度、結合定数 δppm 0.76(3H,s),0.88(3H,d,J=6.8 Hz), 0.88(3H,
d,J=6.8 Hz),1.00(3H,d,J=6.8 Hz),2.06(1H,bd,J=13.1
Hz),2.51(1H,m),3.52(1H,d,J=11.9 Hz),3.57(2H,t,J=7.
1 Hz),3.68(1H, m),3.73(1H,q,J=2.8 Hz),3.83(1H,bq),
4.73(1H,d,J=11.9 Hz),
【0009】4. 13C-NMR(重メタノール中で測定,500
MHz) *( )内は多重度 δppm 17.99(q),20.00(q),23.09(q),23.28(q),23.6
7(t),25.77(t),27.12(t),29.27(d),33.18(t),35.26(t),
35.85(d),36.85(t×2),40.83(t),41.59(t),42.70(d),4
2.72(d),46.78(s),51.05(d),57.74(s),59.27(t),69.40
(d),69.87(d),71.79(d),72.02(t),216.46(s), 5. 溶解性:メタノール、エタノールに易溶。クロロホ
ルムに難溶。
【0010】(2)本発明のセコステロールの製造法 セコステロールの単離源として、ディシディア・グラヌ
ローサ(Dysidea granulosa )を使用することができ
る。海綿からのセコステロールの単離精製は、天然物か
ら単離精製するために常用される方法に従って行なわれ
る。例えば、海綿をアセトン、メタノール、エタノール
などで抽出し、イオン交換樹脂、活性炭、ゲル濾過剤、
シリカゲル等によるカラムクロマトグラフィー、高速液
体クロマトグラフィー等により、セコステロールを得る
ことができる。
【0011】(3)本発明のセコステロールの用途 本発明のセコステロールは、防汚剤、より具体的には、
防汚塗料、防汚溶液、防汚乳剤等として利用することが
できる。防汚塗料、防汚溶液、防汚乳剤等の調製は、通
常行われる一般的処方を採用して問題なく実施できる。
例えば、塗料として使用する場合は、本発明のセコステ
ロールを塗料調製剤に配合して防汚塗料を調製し、これ
を船底、水中構造物、冷却水用水路等に塗布することが
できる。この際使用される塗膜形成剤としては、たとえ
ば、油ワニス、合成樹脂、人造ゴム等が挙げられる。防
汚塗料は所望に応じて更に溶剤、顔料等を加えることが
できる。この場合、セコステロールは、塗料の重量に基
づき10〜40%、好ましくは25〜40%の割合で配合され
る。
【0012】本発明のセコステロールを溶液として使用
する場合は、例えば、セコステロールを塗膜形成剤に配
合し、溶媒に溶解した溶液とし、これを水中生物の付着
繁殖を防止する目的で養殖魚網、定置魚網等に塗布する
ことができる。塗膜形成剤としてはトルエン、キシレ
ン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、メタノール
等が使用される。この溶液には必要に応じて、可塑剤等
の添加剤を加えることができる。この場合、セコステロ
ールは、溶液の重量に基づき10〜40%、好ましくは25〜
40%の割合で配合される。
【0013】乳剤として使用する場合は、溶剤中に本発
明のセコステロールを溶解し、更に界面活性剤を添加し
て常法により乳剤を調製する。界面活性剤としては、普
通一般のものを使用できる。この場合、セコステロール
は、溶液の重量に基づき10〜40%、好ましくは25〜40%
の割合で配合される。また、セコステロールは養殖魚
網、定置網等水中使用物素材の高分子樹脂に練り込んで
使用することもできる。以下に本発明の実施例を示す。
【0014】
【実施例】〔実施例1〕海綿ディシディア・グラヌロー
サ 0.6 kg にアセトン1 L を加えて一晩抽出し、これを
3回繰り返した。得られた抽出液を減圧濃縮してアセト
ンを除去した後、蒸留水500mlと酢酸エチル500mlを加え
て分配した。防汚活性は酢酸エチル層のクロロホルム不
溶画分に認められたので、この画分を、逆相高速液体ク
ロマトグラフィーカラム(資生堂社製 PAK C18、10×2
50mm、メタノール)により精製し、本発明のセコステロ
ール100mgを得た。
【0015】〔実施例2〕ムラサキイガイ忌避活性試験
は、Hayashi らの方法(Hayashi Y. et al., Jurnal of
Marine Biotechnology., 1996年, 4巻, 127-130ペー
ジ)に従って行った。ムラサキイガイの閉殻筋を切断し
て殻を開き、これを15分間人工海水中に静置した後、10
個体をホルダー等を用いて台に固定した。各個体の足の
先端に本発明のセコステロールを種々の濃度で溶解させ
た人工海水をそれぞれ5μL滴下して、足の収縮を示した
個体の割合で物質の忌避活性を評価した。結果を下表に
示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明により、海綿由来の新規なセコス
テロールが提供される。このセコステロールは、天然界
より得られたものであり、また、汚損生物を殺すのでは
なく、付着機構自体を阻害することから、安全性の高い
防汚剤として利用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(I)で表されるセコステロー
    ル。 【化1】 (I)
  2. 【請求項2】 ディシディア属に属する海綿から請求項
    1記載のセコステロールを採取することを特徴とする請
    求項1記載のセコステロールの製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のセコステロールを有効成
    分として含有することを特徴とする防汚剤。
JP9155498A 1998-04-03 1998-04-03 新規セコステロール Pending JPH11292821A (ja)

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JP9155498A JPH11292821A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 新規セコステロール

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JPH11292821A true JPH11292821A (ja) 1999-10-26

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