JPH11292550A - リチウム複合酸化物の製造方法 - Google Patents

リチウム複合酸化物の製造方法

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JPH11292550A
JPH11292550A JP10108420A JP10842098A JPH11292550A JP H11292550 A JPH11292550 A JP H11292550A JP 10108420 A JP10108420 A JP 10108420A JP 10842098 A JP10842098 A JP 10842098A JP H11292550 A JPH11292550 A JP H11292550A
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JP
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cobalt
composite oxide
lithium composite
compound
lithium
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JP10108420A
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English (en)
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Ryoji Yamada
亮治 山田
Kenji Hashimoto
建次 橋本
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Ise Chemicals Corp
Original Assignee
Ise Chemicals Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高容量で充放電サイクル特性に優れたリチウ
ム二次電池用高性能電極活物質として好適なリチウム複
合酸化物。 【構成】 コバルト含有量が68.5±6重量%で、実
質的にHY CoOZ [0≦Y≦1.4、1.3≦Z≦
2.2]の組成式で示され、CuKαを線源とするX線
回折における2θ=36〜40度付近で最大強度を有す
る回折ピークの半値幅が0.31度より大きく、コバル
ト含有量と半値幅の関係が、半値幅(度)≧7.5−
0.1×コバルト含有量(重量%)で示される特定のコ
バルト化合物とニッケル化合物およびリチウム化合物の
混合体を焼成して組成式LiCoX Ni(1-X)2
[0.05≦x<1]をもつリチウム複合酸化物を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム複合酸化
物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リチウム二次電池の正極活物質と
しては、多くの場合、LiCoO2 が用いられてきた。
これは、LiCoO2 が比較的安定な結晶構造を有し、
しかも可逆性の良い電池特性を発現する理由によるもの
と判断される。しかしながらコバルトは高価な希少金属
であることから、コバルトを他の安価な金属に代替しよ
うとする試みも種々なされてきた。
【0003】例えば、LiNiO2 が提案されている
[Solid State Ionics 44,87
(1990)]。しかしながら、LiNiO2 は結晶構
造に欠陥を生じやすいため、合成が困難であるうえ放電
容量も低いと考えられていた。このLiNiO2 のニッ
ケルの一部をコバルト等の他元素で置換する方法も提案
されており[Solid State Ionics
53−56,370(1992)]、置き換えられたコ
バルトはLiNiO2 の結晶構造を安定化させることが
確認されている[J.Power Sources 5
4,268(1995)]。これらはLiNi(1-L)
L2 等と表現され、通常はリチウム化合物、ニッケ
ル化合物及びコバルト化合物のそれぞれ所定量を混合
し、焼成して製造される。
【0004】一方、ニッケルとコバルトはミクロに固溶
し合った状態にあるのが望ましいとする考えから、Ni
イオンとCoイオンを含有する水溶液よりニッケルとコ
バルトの混合化合物を共沈させ、その後リチウム複合酸
化物を製造する手法も提案されている[特開平8−31
9120号]。こうして得られたLiNi(1-L) CoL
2 は、初期に高い放電容量を発現する点で改善はみら
れたが、その後急速に容量低下を起こしてしまう欠点を
残したままで、実用的ではなかった。
【0005】かかる従来技術の欠点を解決しようとする
試みも種々なされてきた。例えばオゾン存在雰囲気下で
焼成して合成する方法が提案されている[特開平8−1
80863号]。また、ニッケル・コバルト混合シュウ
酸塩を原料とし、所定時間の焼成後、生成物を速やかに
冷却して合成する方法も提案されている[特開平8−3
19120号]。さらに活物質粒子の表層に、同様活物
質からなる極微細粒子の層を設けたコア・シェル型構造
が良好であるとする提案もある[特開平9−35715
号]。しかしながら、かかる方法によっても放電容量の
急速な低下はほとんど改善されず、LiNiO2 あるい
はLiNi(1-L) CoL2 の実使用を阻む大きな欠点
となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、堅固な結晶
構造を有するLiCoO2 のCo成分を部分的にNiに
置き換えた後にも安定な結晶構造を保持し得る新規なリ
チウム複合酸化物の製造方法と、かかる方法により製造
された高い放電容量及び優れた充放電特性を有するリチ
ウム二次電池の正極活物質用リチウム複合酸化物の提供
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、LiCox
Ni(1-X)2 [0.05≦x<1]の組成式(1)で
表現され、式(1)におけるコバルト成分の少なくとも
50モル%が、乾燥重量当たりのコバルト含有量が6
8.5±6重量%であって、実質的にHY CoOz [0
≦Y≦1.4、1.3≦Z≦2.2]の組成式(2)で
示され、CuKαを線源とするX線回折における2θ=
36〜40度付近で最大強度を有する回折ピークの半値
幅が0.31度より大きく、コバルト含有量と半値幅の
関係が、半値幅(度)≧7.5−0.1×コバルト含有
量(重量%)で示される特定のコバルト化合物から導入
されたものであることを特徴とするリチウム複合酸化物
の製造方法を提供する。また本発明は、かかる方法によ
り製造されたリチウム複合酸化物及び電極活物質を提供
する。
【0008】本発明は、コバルト源としてその少なくと
も50モル%を、結晶性が低く、もしくは結晶を有する
ものの結晶径の極めて小さいコバルト化合物より導入し
てリチウム複合酸化物を製造している点に特徴がある。
結晶性の低いコバルト化合物であれば、本発明における
コバルト化合物として使用可能であるが、特に無定形も
しくは多形の3価コバルト化合物の一方または両方を原
料としたコバルト化合物であるのが、調製容易で固相反
応性に優れることから好ましい。
【0009】特に好ましくは、実質的にHCoO2 の組
成式で示される3価コバルト化合物であるのが、そのま
までもあるいは熱処理することによっても安定して本発
明のコバルト化合物が構成できる点で望ましい。熱処理
は、通常100℃前後あるいはそれ以下でなされる乾燥
工程であることも可能である。また、化合物の変化を伴
う120〜910℃の温度範囲で行われても良い。しか
し910℃を越える温度では分解温度に近く、反応の制
御が困難となるため好ましくない。熱処理を行う場合の
処理時間は、処理温度にも依存するが、通常長くとも1
00時間であるのが好ましい。100時間処理を続けれ
ば反応はほぼ終了してしまうからである。
【0010】かかる本発明におけるコバルト化合物は、
従来知られていたコバルト酸化物やコバルト水酸化物等
にはない特異な物性を有するものであることを本発明者
等は見い出した。すなわち、本発明におけるコバルト化
合物は、コバルトを68.5±6重量%含有しており、
実質的にHY CoOz [0≦Y≦1.4、1.3≦Z≦
2.2]の組成式(2)で示される。Zが1.3以上
で、Yが0≦Y≦1.4、コバルト含有量が68.5±
6重量%の範囲にある場合、本発明のリチウム複合酸化
物は、酸素あるいは空気中の酸素の供給なしでも製造可
能となるうえ、安定な結晶構造を形成し得る点で好まし
い。一方、Zが2.2以下の範囲で本発明のコバルト化
合物は安定であり、取り扱い容易な点で好ましい。
【0011】本発明におけるコバルト化合物はまた、C
uKαを線源とするX線回折において、Co34
(311)面に相当する回折と見られる2θ=36〜3
7.5℃付近の回折ピークあるいは、その近傍の2θ=
36〜40度付近で最大強度を有する回折ピークの半値
幅が、0.31度より大きいことを特徴としている。さ
らに、この半値幅(度)は、コバルト含有量(重量%)
に対して、半値幅≧7.5−0.1×コバルト含有量
(重量%)の関係にある。半値幅が0.31度より小さ
いと、固相での反応性を低下させるので好ましくない。
また、半値幅が7.5−0.1×コバルト含有量(重量
%)の値より小さいと、発達した結晶が均質な反応を妨
げることから好ましくない。
【0012】特に好ましくは、前記回折ピークの半値幅
が0.35度より大きく、コバルト含有量が74重量%
以下であるのが、広い温度範囲にわたって酸素あるいは
空気中の酸素を供給することなく、より均質で堅固な結
晶構造を有するリチウム複合酸化物が安定して製造でき
る点から望ましい。本発明におけるコバルト化合物は、
CoOOHもしくはCo23 ・H2 Oの一方または両
方を含有することができる。また、本発明のコバルト化
合物は、Co34 を含有することができる。さらに、
本発明におけるコバルト化合物は、CoOOHもしくは
Co23 ・H2 Oの一方または両方とCo34 を同
時に含有することも可能である。
【0013】本発明に用いられるニッケル化合物として
は、ニッケル元素を含有するものであればいずれも使用
可能である。しかしながら、取り扱いの容易な点及び、
安定な結晶構造を形成し得る点から、ニッケルの酸化
物、過酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物及び塩類のう
ちから選ばれた少なくとも1種であるのが好ましい。本
発明に用いられるニッケル化合物はまた、コバルトを含
有するニッケル化合物であっても良い。この場合、ニッ
ケル化合物中に含まれるコバルト成分は、ミクロに固溶
しあったものであるのが、単一相のリチウム複合酸化物
を製造可能となる点で好ましい。このようなニッケル化
合物は、ニッケル塩とコバルト塩の混合溶液からニッケ
ルとコバルトの水酸化物等として共沈させることによ
り、調製可能である。
【0014】かかる本発明におけるコバルト化合物及び
上記ニッケル化合物は、適当なリチウム化合物と混合さ
れ、焼成されて本発明のリチウム複合酸化物が製造され
る。リチウム化合物としては、リチウム元素を含有する
ものであればいずれも使用可能である。しかしながら、
取り扱いの容易な点からリチウムの酸化物、水酸化物、
塩類、あるいはこれら化合物の2種以上の混合体等であ
るのが好ましい。本発明では、前記のコバルト化合物、
ニッケル化合物、リチウム化合物の混合体を焼成してリ
チウム複合酸化物を製造する。製造されるリチウム複合
酸化物は、粒子の形態で加工され、電池材料として利用
される。従って、前駆体混合体も粒子の形態であるのが
好ましい。同様な理由から、コバルト化合物やニッケル
化合物、リチウム化合物も、少なくともいずれか1つは
粒子形態であるのが好ましい。本発明におけるコバルト
化合物は、微細な粒子の軽い凝集体であることから、本
発明のリチウム複合酸化物用コバルト源として特に望ま
しい。
【0015】本発明のリチウム複合酸化物となる前駆体
混合体の調製は、従来の乾式法の手法をそのまま用いる
ことができる。すなわち、所定量の前記リチウム化合物
の粒子と前記コバルト化合物の粒子、前記ニッケル化合
物の粒子を混合、破砕することにより、均質に分散され
た前駆体混合体を得ることができる。本手法により均質
な前駆体混合体が得られるのは本発明の前記コバルト化
合物の効果による。また、リチウム化合物の粒子とコバ
ルト化合物粒子、ニッケル化合物粒子の混合体に溶媒及
び/又は分散媒を加えて混合し、調製したスラリーをそ
のまま、あるいは乾燥して前駆体混合体とすることもで
きる。この場合、溶媒及び/又は分散媒としては水を用
いることが取扱容易な点から好ましい。通常、本発明に
おけるコバルト化合物は、しっかりとした結晶構造を持
たない極めて微細な粒子の軽い混合体とみれる。かかる
コバルト化合物粒子とニッケル化合物粒子、リチウム化
合物粒子の混合体に粉砕を加えながら混合する操作を加
えると、コバルト化合物は容易に粉砕され、均質に分散
混合された前駆体混合体が調製できる。
【0016】一方、溶媒及び/又は分散媒とのスラリー
を経て調製した前駆体混合体は、コバルト化合物粒子や
ニッケル化合物粒子の隙間にまでリチウム化合物が浸透
し得るため、さらに低温の焼成においても均質なリチウ
ム複合酸化物が製造できるものと期待される。本発明の
リチウム複合酸化物には、多くの金属類等のその他の物
質を配合することもできる。特にアルミニウム、インジ
ウム、カルシウム、クロム、ストロンチウム、チタン、
鉄、銅、パナジウム、バリウム、ホウ素、マグネシウ
ム、マンガン、モリブデン等が有効と判断され、本発明
に好適に用いられる。これらの物質の配合は、単体、あ
るいはその酸化物、水酸化物、過酸化物、塩類等の粒子
あるいは溶液、分散液等の形状でなされ、本発明のリチ
ウム複合酸化物の前駆体混合体に形成される。
【0017】また、これら他の物質を前記ニッケル化合
物に添加して用いることも可能である。添加は共沈法等
により容易に行うことができる。
【0018】上述の如くして調製された前駆体混合体の
粒子は、加熱焼成されて、本発明のリチウム複合酸化物
となる。焼成温度は250〜1000℃の範囲であるの
が好ましい。250℃未満の温度では反応が完結せず、
残留未反応物が電池性能を低下させてしまう。一方、1
000℃を越える温度では結晶構造に乱れが生じ易くな
り、これが電池性能を低下させたり安全性を損ねたりし
てしまうからである。焼成時間は焼成温度にも依存する
が、例えば500℃の場合、少なくとも30分以上処理
されるのが反応を終結できる点で好ましい。一方、反応
終結後、長時間にわたって加熱処理を続けても得られる
メリットは少ないことから、長くとも100時間である
のが好ましい。
【0019】焼成方法は、密閉された加熱炉中に静置す
ることでも可能である。ロータリーキルン等で流動させ
ながら処理することもできる。また、トンネル炉を用
い、コンベアー等に載せて連続して処理することも可能
である。本発明のリチウム複合酸化物の製造方法によれ
ば、酸素あるいは空気中の酸素を供給しなくとも、しっ
かりした単一相の層状結晶構造を持つリチウム層間化合
物を製造でき、製造コストの削減も可能となる。また、
均質な組成が得られ、粒径や密度の制御が容易であり、
得られたリチウム複合酸化物は電極活物質として特に有
効に機能する。かかる活物質を電極としたリチウムイオ
ン電池は高い放電容量と優れたサイクル特性を発現す
る。
【0020】
【作用】本発明のリチウム複合酸化物の製造方法は、コ
バルト源として、無定形及び/又は多形の3価コバルト
化合物を基にした、低い結晶性及び/又は結晶を有する
ものの結晶径の極めて小さいコバルト化合物を用いるこ
とに特徴付けられる。本発明の製造方法において、広い
温度範囲にわたって本発明のリチウム複合酸化物を形成
する固相反応を終結できるのは、微細な粒子の軽い凝集
体であるかかる化合物の特性が分散、混合性を高め、低
い結晶性と大きく成長した結晶を持たない3価コバルト
化合物の特性が固相での反応性を高めているからと判断
される。かかる効果が作用して本発明の製造方法は、均
質に成長した良好な結晶のリチウム複合酸化物を低温焼
成においても高温焼成においても安定して製造できる。
本質的に固相における反応であるにもかかわらず、本発
明の方法によれば、コバルトとニッケルに基づく単一相
のリチウム複合酸化物が製造できる。これは、無定形も
しくは結晶性の低い本発明におけるコバルト化合物の持
つ、高い反応性によっているものと判断される。しか
も、微細な粒子からなるかかる化合物がニッケル化合物
を包み込むように作用し、コバルト化合物、ニッケル化
合物及びリチウム化合物がミクロに混合し合った、本発
明のリチウム複合酸化物の前駆体混合体を形成している
ことにもよっている。本発明の製造方法によれば、製造
されるリチウム複合酸化物の諸特性は、焼成条件を管理
することにより制御できる。例えば、焼成温度と時間を
制御することにより、強靭な層状結晶構造を保持したま
ま、複合酸化物の粒径、比表面積、密度等を広範囲に変
化させることができる。本発明の方法により実現される
リチウム複合酸化物の強靭な結晶からなる電極活物質
は、リチウムイオンの挿入及び脱離時の歪みの発生を抑
制し、電極の破壊を防止する。かかる作用の結果、本発
明の活物質を用いた二次電池は、大電流を流すことがで
き、急速充電が可能で、しかも高容量と長寿命を達成し
た。
【0021】[実施例1]特願平9−225526号公
報に記載の方法と同様にしてアモルファスCoOOHを
製造した。このCoOOHのコバルト含有量実測値は6
3.7重量%であり、H1.06CoO2.03の組成式で表わ
された。また、CuKαを線源とするX線回折における
2θ=36〜40度付近の回折ピークで最大強度を有す
るものは36〜37.5度に観察され、その半値幅は
1.9度であった。このCoOOHの18.5gと、ニ
ッケル含有量の実測値が62.6重量%である水酸化ニ
ッケルの75.0g及び、水酸化リチウムの24.7g
を混合し、680℃にて10時間焼成したところ97.
8gのリチウム複合酸化物(1)が得られた。
【0022】元素分析の結果リチウム複合酸化物(1)
は、ほぼLiCo0.2 Ni0.82であることが確認さ
れ、その平均粒径は3.2μであった。また、図1には
そのX線回折図を、図2にはSEM写真をそれぞれ示し
た。このリチウム複合酸化物(1)の90部、カーボン
5部、及びポリフッ化ビニリデン5部にN−メチルピロ
リドンを加えて混練し、ペーストとした。このペースト
をアルミ箔に塗布して乾燥後、圧延して所定の大きさに
打ち抜き、正極板とした。
【0023】次に、95部のカーボンと5部のポリフッ
化ビニリデンに20部のN−メチルピロリドンを加えて
混練してペーストとした。このペーストを銅箔に塗布し
て乾燥後、圧延して所定の大きさに打ち抜き、負極板と
した。こうして得られた正極板、負極板にそれぞれリー
ド線を取り付け、ポリオレフィン系セパレータを介して
ステンレス製セルケースに収納した。続いてエチレンカ
ーボネートとジエチレンカーボネートの混合液に六フッ
化リン酸リチウムを1モル/リットル溶かした電解質溶
液を注入し、モデルセルとした。
【0024】電池特性は、充放電測定装置を用い、25
℃において最大充電電流0.20mAで電池電圧4.2
Vになるまで充電した後、同一電流で2.7Vになるま
で放電する充放電の繰返しを行い、初期放電容量と10
0サイクル後の放電容量とを求めて評価した。なお、初
期放電容量には、充放電サイクル開始3サイクル目の値
を用いた。その結果は表1に示す通り、優れた寿命、容
量保持率が得られた。この結果から本実施例1の上記H
1.06CoO2.03を用いたリチウム複合酸化物は新規であ
り、それを正極活物質として用いた二次電池は優れた物
性を示すと判断された。
【式1】
【0025】[実施例2]実施例1と同様にして、コバ
ルト含有量の実測値が64.5重量%であるCoOOH
を製造した。この100gを180℃にて5時間熱処理
し、92.3gのコバルト化合物(A)を得た。この化
合物(A)のコバルト含有量は69.4重量%であり、
0.4 CoO1 .6の組成式で表された。またCuKαを
線源とするX線回折における2θ=36〜40度付近の
回折ピークで最大強度を有するものは36〜37.5度
に観察され、その半値幅は1.22度であった。
【0026】この化合物(A)の17.0gと、ニッケ
ル含有量の実測値が62.6重量%である水酸化ニッケ
ルの75.0g及び、水酸化リチウムの24.7gを混
合し、730℃にて10時間焼成したところ96.9g
のリチウム複合酸化物(2)が得られた。元素分析の結
果リチウム複合酸化物(2)は、ほぼLiCo0.2 Ni
0.82であることが確認され、その平均粒径は4.3
μであった。このリチウム複合酸化物(2)を用いたこ
とを除いて実施例1と同様にして調製したモデルセルの
電池特性は、表1の如くであり、優れた寿命、容量保持
率が得られた。この結果から本実施例2の上記H0.4
oO1.6 を用いたリチウム複合酸化物は新規であり、そ
れを正極活物質として用いた二次電池は優れた物性を示
すと判断された。
【0027】[実施例3]熱処理が350℃の3時間で
あったことを除き、実施例2と同様にして90.1gの
コバルト化合物(B)を得た。この化合物(B)のコバ
ルト含有量は71.6重量%であり、H0.17CoO1. 46
の組成式で表された。またCuKαを線源とするX線回
折における2θ=36〜40度付近の回折ピークで最大
強度を有するものは36〜37.5度に観察され、その
半値幅は0.65度であった。次に、市販の炭酸ニッケ
ルを850℃にて5時間熱処理し、ニッケル含有量7
5.5重量%のニッケル酸化物を得た。
【0028】このニッケル酸化物66.1gと、コバル
ト化合物(B)の12.3g及び、水酸化リチウムの2
4.7gを混合し、750℃にて10時間焼成したとこ
ろ95.1gのリチウム複合酸化物(3)が得られた。
元素分析の結果リチウム複合酸化物(3)は、ほぼLi
CoO0.15Ni0.852 であることが確認され、その平
均粒径は3.8μであった。このリチウム複合酸化物
(3)を用いたことを除いて実施例1と同様にして調製
したモデルセルの電池特性は、表1の如くであり、優れ
た寿命、容量保持率が得られた。この結果から本実施例
の上記H0.17CoO1.46を用いたリチウム複合酸化物は
新規であり、それを正極活物質として用いた二次電池は
優れた物性を示すと判断された。
【0029】[実施例4]実施例1と同様のCoOOH
を37.0g、水酸化ニッケル56.3g、水酸化リチ
ウム24.7gを混合し、750℃にて15時間焼成し
て、96.7gのリチウム複合酸化物(4)を得た。元
素分析の結果リチウム複合酸化物(4)は、ほぼLiC
0.4 Ni0.62であることが確認され、その平均粒
径は8.1μであった。このリチウム複合酸化物(4)
を用いたことを除いて実施例1と同様にして調製したモ
デルセルの電池性能は、表1の如くであり、優れた寿
命、容量保持率が得られた。
【0030】[実施例5]CoOOHが64.8g、水
酸化ニッケルが28.1gであったことを除き、実施例
4と同様にして95.2gのリチウム複合酸化物(5)
を得た。元素分析の結果リチウム複合酸化物(5)は、
ほぼLiCo0.7 Ni0.32であることが確認され、
その平均粒径は6.1μであった。このリチウム複合酸
化物(5)を用いたことを除いて実施例1と同様にして
調製したモデルセルの電池性能は、表1の如くであり、
優れた寿命、容量保持率が得られた。
【0031】[実施例6]硫酸ニッケルと硫酸コバルト
からなる水溶液であって、含有されるニッケルとコバル
トのモル比がNi/Co=95/5であり、かかる金属
成分濃度が0.8モル/リットルに調製された混合溶液
及び水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水を、pH=
11、温度40℃に保った水槽に滴下し、撹拌した。こ
うして得られた析出物を取り出し、洗浄して乾燥させた
ところ、ニッケルとコバルトからなる水酸化物(C)が
100g得られた。元素分析の結果水酸化物(C)は、
ほぼNi0.95Co0.05(OH)2 であることが確認さ
れ、その平均粒径は9.9μであった。
【0032】この水酸化物(C)を78.2g、実施例
1で用いたと同様のCoOOH14.5g、水酸化リチ
ウム24.7gを混合し、630℃にて10時間焼成し
て、95.2gのリチウム複合酸化物(6)を得た。元
素分析の結果リチウム複合酸化物(6)は、ほぼLiC
0.2 Ni0.82であることが確認され、その平均粒
径は11.4μであった。このリチウム複合酸化物
(6)を用いたことを除いて実施例1と同様にして調製
したモデルセルの電池性能は、表1の如くであり、優れ
た寿命、容量保持率が得られた。
【0033】[比較例1]CoOOHの18.5gの代
わりに、コバルト含有量の実測値が62.9重量%であ
り、H2.08CoO2 .04 の組成式で表される水酸化コバ
ルトの18.7gを用いたことを除き、実施例1と同様
にして94.8gのリチウム複合酸化物(7)を得た。
元素分析の結果リチウム複合酸化物(7)は、ほぼLi
Co0.2 Ni0.82であることが確認され、その平均
粒径は13.1μであった。このリチウム複合酸化物
(7)を用いたことを除いて実施例1と同様にして調製
したモデルセルの電池性能は、表1の如くであり、寿
命、容量保持率が実施例1〜6に比較して著しく劣る。
この結果から上記H2.08CoO2.04の組成式で表される
水酸化コバルトは、リチウム二次電池正極活物質用のリ
チウム複合酸化物のコバルト源として適していないと判
断された。
【0034】[比較例2]比較例1と同様の水酸化コバ
ルト100gを860℃にて5時間熱処理し、86.1
gのコバルト化合物(D)を得た。このコバルト化合物
(D)のコバルト含有量は72.8g重量であり、H
0.06CoO1.37の組成式で表された。またX線回折にお
ける2θ=36〜40度付近の回折ピークで最大強度を
有するものは37〜37.6度に観察され、その半値幅
は0.25度であった。本発明のリチウム複合酸化物用
コバルト源としては、適していないと判断された。Co
OOHの14.5gの代わりにコバルト化合物(D)の
12.7gを用いたことを除き、実施例6と同様にして
95.5gのリチウム複合酸化物(8)を得た。元素分
析の結果リチウム複合酸化物(8)は、ほぼLiCo
0.2 Ni0.82であることが確認され、その平均粒径
は12.6μであった。このリチウム複合酸化物(8)
を用いたことを除いて実施例1と同様にして調製したモ
デルセルの電池性能は、表1の如くであり、寿命、容量
保持率が実施例1〜6に比較して著しく劣る。この結果
から上記H0.06CoO1.37の組成式で表される水酸化コ
バルト熱処理物は、リチウム二次電池正極活物質用のリ
チウム複合酸化物のコバルト源として適していないと判
断された。
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、強靭に発達
した層状の結晶構造を有するリチウム複合酸化物が安定
して製造できる。かかる層状結晶の発達した本発明の複
合酸化物からは放電容量の大きい電極活物質が製造でき
る。また、本発明の製造方法により得られたリチウム複
合酸化物は、均質に成長した結晶構造を有することか
ら、リチウムイオンの挿入及び脱離時に歪みの集中が起
こらず、電極の破壊を防ぐ効果がある。かかる効果は、
充放電サイクル特性に優れ、大電流を流すことができ、
急速充電が可能な電極活物質を形成し、長寿命で高性能
な二次電池の製造を実現した。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した本発明のリチウム複合酸化
物のX線回折図。
【図2】実施例1で製造した本発明のリチウム複合酸化
物の走査電子顕微鏡写真。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にLiCoxNi(1-X)2
    [0.05≦x<1]の組成式(1)で表現され、式
    (1)におけるコバルト成分の少なくとも50モル%
    は、乾燥重量当たりのコバルト含有量が68.5±6重
    量%で、実質的にHYCoOz [0≦Y≦1.4、1.
    3≦Z≦2.2]の組成式(2)で示され、CuKαを
    線源とするX線回折における2θ=36〜40度付近で
    最大強度を有する回折ピークの半値幅が0.31度より
    大きく、コバルト含有量と半値幅の関係が、半値幅
    (度)≧7.5−0.1×コバルト含有量(重量%)で
    示される特定のコバルト化合物より導入され形成された
    ものであることを特徴とするリチウム複合酸化物の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記のコバルト化合物とニッケル化合
    物、およびリチウム化合物の混合体を加熱焼成して製造
    することを特徴とする請求項1に記載のリチウム複合酸
    化物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記コバルト化合物が、無定形もしく
    は多形の3価コバルト化合物の一方または両方であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム複合
    酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記コバルト化合物が、無定形もしく
    は多形の3価コバルト化合物の一方または両方を熱処理
    して製造されたものであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のリチウム複合酸化物の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記3価コバルト化合物が、実質的に
    HCoO2 の組成式で示されることを特徴とする請求項
    1〜4のうちいずれか1項に記載のリチウム複合酸化物
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱処理が910℃以下の温度範囲
    で行われることを特徴とする請求項4に記載のリチウム
    複合酸化物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記コバルト化合物が、CoOOHも
    しくはCo23 ・H2 Oの一方または両方を含有する
    ものであることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれ
    か1項に記載のリチウム複合酸化物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記コバルト化合物が、Co34
    含有するものであることを特徴とする請求項1〜7のう
    ちいずれか1項に記載のリチウム複合酸化物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記コバルト化合物が、CoOOHも
    しくはCo23 ・H2 Oの一方または両方とCo3
    4 を同時に含有するものであることを特徴とする請求項
    1〜8のうちいずれか1項に記載のリチウム複合酸化物
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ニッケル化合物が、ニッケルの酸
    化物、過酸化物、水酸化物及び塩類のうちから選ばれた
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載
    のリチウム複合酸化物の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ニッケル化合物が、コバルトを含
    有するものであることを特徴とする請求項2もしくは1
    0に記載のリチウム複合酸化物の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記リチウム化合物が、リチウムの酸
    化物、水酸化物及び塩類のうちから選ばれた少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項2に記載のリチウム
    複合酸化物の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のうちいずれか1項の
    製造方法で製造されたことを特徴とするリチウム複合酸
    化物の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13のリチウム複合酸化物を含
    有したことを特徴とする電極活物質。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002033133A (ja) * 2000-07-18 2002-01-31 Toshiba Corp 非水電解質二次電池及びその製造方法並びに正極活物質及びその製造方法

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