JPH11292021A - 長物農産物の仕分装置 - Google Patents

長物農産物の仕分装置

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JPH11292021A
JPH11292021A JP9302198A JP9302198A JPH11292021A JP H11292021 A JPH11292021 A JP H11292021A JP 9302198 A JP9302198 A JP 9302198A JP 9302198 A JP9302198 A JP 9302198A JP H11292021 A JPH11292021 A JP H11292021A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナス等の長物農産物を向きを揃えて包装する
のに適した仕分装置を提供する。 【解決手段】 長さ方向の形状が対称でないナスPを選
別コンベア1により向きがランダムな状態で搬送し、そ
の搬送方向に沿って多数配置した固定ホッパー2に仕分
区分別向き別に農産物を排出し、次いで複数の固定ホッ
パー2からその下方に沿って無端循環する移動ホッパー
3に同じ仕分区分で同じ向きのナスPを所定個数集積す
るように排出し、更にこの移動ホッパーの下方で交叉す
るように配置した搬出コンベア4に移動ホッパー3から
一まとめのナスPを排出して、包装装置に送給するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長物農産物の仕分
装置に関し、例えば、ナス,胡瓜,人参,アスパラガ
ス,長ねぎなど(以下「ナス等」という)の長物農産物
を選別し仕分けて袋ラめ又は箱詰めする際に、これらを
所定数づつグループ化する作業を効率よく行うのに適し
た仕分装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、生産者により持ち込まれた農産
物を大きさや品質などの等級・階級等によって選り分け
て包装(箱詰,袋詰)し、これによって、流通市場では
品質の揃った農産物の購買ができるようにすると共に、
生産者には適正な対価の支払ができるようにする選別仕
分け作業が各地の農産物選別場において行われている。
【0003】ところで、農産物の選別仕分けの作業は対
象農産物の種類によって大きく異なる場合が多く、例え
ば前記の長物農産物において求められる包装形態は、リ
ンゴ,桃,梨など(以下「リンゴ等」という)の青果物
などとは大きく違っていることが知られている。
【0004】例えば、リンゴ等では、仕分区分別に選別
した所定個数を平面的に複数列に整列して箱詰めするの
が普通であり、多くの場合、選別装置の終端側に設けた
箱詰作業位置の箱詰待機位置で所定個数のリンゴを整列
させ、これを吊り上げ装置で一括にあるいは一列づつ吊
り上げて箱詰めすることが行われる。これに対しナス等
の長物農産物は、整列を行わなずに所定個数の農産物を
一まとめに袋詰めあるいは箱詰めするか、あるいは端部
揃えなどの作業を行って同様に袋詰め又は箱詰めあるい
は一把に束ねるのが普通である。
【0005】このため、ナス等の農産物において行われ
ている従来の選別仕分、包装(袋詰め、箱詰め、束ね)
の作業は、一般的には、選別コンベア下方に設けた仕分
区分別の引出しコンベアに該選別コンベアから該当する
仕分区分の農産物を落下排出させ、これを該選別コンベ
アの横方向に搬出して手作業で包装する場合が多い。こ
の作業が手作業で行われるのは、前記の排出がバラバラ
(ランダム)に行われるので、一まとめの個数を数える
ことが必要になるからである。
【0006】前記の半自動化した装置に替え、省力化を
目的として、数揃え作業を機械化した装置の提案も例え
ば特開平2−4488号公報,特公平6−30743号
公報によりされている。
【0007】この提案の装置は、選別コンベアに対し、
各仕分区分毎に引出しコンベアをそれぞれ2組配置し、
片側の引出しコンベアに所定数の農産物が貯まるまでは
該当仕分区分の農産物をこれに落とし、所定数が貯った
時点で落下を停止して隣の引出しコンベアに切り替え、
同時に片側の引出しコンベアに所定数貯った農産物は選
別コンベアの横方向に搬出するようにしたものである。
また特開平2−4488号公報では、選別コンベアの下
方に各引出しコンベア用の集積ホッパをそれぞれ配置し
て、選別コンベアから引出しコンベアへの移し替えをよ
り確実にすることも提案している。
【0008】しかし、これらの提案装置では、一つの仕
分区分の一カ所の排出位置に引出しコンベアを複数(前
記従来例では二個)配置する必要があって、仕分区分毎
の多数の引出しコンベアが選別コンベア搬送方向に沿っ
て配置されるため、選別コンベアが長くなることが避け
られない。このために設置面積が大きくなるという問題
を招くと共に、間欠的に駆動する引出しコンベアのため
のモータ,チェ−ンコンベア等の装置類の個数が多くな
り、更にこれらを駆動制御するために必要な多数のセン
サ類や制御装置も必要になるという問題がある。そして
この問題は、一つの仕分区分の排出位置を複数カ所とし
た場合には、その分だけ引出しコンベアの数が増えるた
め設置面積を一層増大させる欠点にもつながる。
【0009】前記装置と似た提案として特開平5−31
0220号公報のものがある。これは、選別コンベアか
ら横方向にずれた位置において、この選別コンベアの搬
送方向に沿って多数の固定ホッパを仕分区分別に配置
し、仕分区分別に設けられている引出しコンベアに選別
コンベアから農産物を落下させ、引出しコンベアによる
移動でその終端に連係させた前記固定ホッパに農産物を
順次に集積し、集積数が所定の一まとめの個数になった
時点で、これらの固定ホッパから下方の移送コンベアの
バケットに落として包装装置に移送するようにしたもの
である。
【0010】この装置は、選別コンベアから農産物を仕
分区分別に取り出してから、包装に至るまでの一連の工
程を機械化して行うことができる点で優れているが、固
定ホッパー毎に引出しコンベアが必要であり、したがっ
て多数の引出しコンベアのためのモータ,チェ−ンコン
ベア等の装置類の個数が多くなり、設備コストが嵩むと
いう問題は避けられない。また一つの仕分区分について
の農産物排出位置を複数にすると、その分だけ引出しコ
ンベアの数が増えるという問題も解消できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、農産
物を所定個数まとめて包装するために提案されている従
来のいくつかの農産物選別仕分けのための装置は、いず
れも、選別評価の結果で選別コンベアから仕分区分別に
排出(一般的には落下排出)し、所定の仕分区分用引出
しコンベアで横方向に引出すものであるから、仕分区分
別の排出位置毎に農産物を選別コンベアの下方から横方
向に引出すコンベアが必要であるため上述した問題が解
消できない。また、選別コンベアから農産物を排出する
位置を複数とし、ホッパーを仲介させることで横方向に
引出す引出しコンベアを共用することも考えられている
が(例えば特開平7−313943号公報等)、このよ
うにしても一つの引出しコンベアで共用できる選別コン
ベアからの排出位置はせいぜい二つか三つが限界である
ため、少数の農産物を選別仕分けする設備は別にして、
大量の農産物を迅速に選別仕分処理するためには設備が
大きくなってしまうことが避けられない。しかもこれが
各仕分区分毎に必要となるため、引出しコンベアのため
のモータ,チェ−ンコンベア等の装置類の個数は極めて
多数になってしまう。
【0012】また、このように引出しコンベアが数多く
必要になるという問題は、包装装置等の作業能力とは直
接関係がなく、仕分排出時の数揃えを機械化するという
目的に由来するものであるから、処理能力の高い包装装
置が使用できる場合には、多数設置した引出しコンベア
から搬出される農産物を合流させて一つの包装装置に送
るようにしないとその包装装置の効率的運用ができな
い。しかし、このためには合流機構が必要となり設備の
複雑化、大型化が避けられない。
【0013】以上のように、従来装置は、引出しコンベ
アが多数必要で、ひいては駆動機構が多数必要となり、
また駆動制御用のセンサ等も必要になって設備コストが
嵩むという問題があるが、これを解消できる適当な提案
は未だない。
【0014】また、本発明が対象とするナス等の長物農
産物については、更に別の問題がある。なお本明細書に
おいて「長物農産物」というのは、形状が一方向に長い
例えばナス,胡瓜,人参,アスパラガス,長ねぎなどを
いい、これらは通常、長さ方向に関しての形状が対称で
ない。
【0015】このような、長物農産物の包装(袋詰め、
箱詰め、束ね)の態様は、各農産物に特有の形状や、流
通過程での取扱性、取り引き市場,販売市場における要
望などによって、特定の態様が求められる場合がある。
他方、選別仕分場では作業性などの点からできるだけ簡
単で効率的な作業が望まれる。
【0016】例えばナスを複数個一まとめにして包装す
る場合、ナスは長さ方向の一端側にヘタをもち、形状的
にはヘタ側よりも反対側が太径をなしているのが一般的
であるが、複数個をまとめて包装したナスは、販売市場
ではヘタの向きを揃えた包装形態が望まれる場合が多
い。一方、選別仕分場では、上述の機械化した仕分装
置、包装装置を設備した場合であっても、長物農産物の
選別コンベアへの載せ作業を長物農産物の向きを考慮せ
ずに作業できれば作業の簡易化の上で好ましい。また、
長物農産物の載せ作業を機械化する場合にはその向きを
考慮しないでよければ載せ作業装置の構成を簡易なもの
とできるので有利となる。しかし向きが一定に揃ってい
ない状態で搬送される長物農産物を、市場で要望される
向きを揃えた包装形態とするように対処した装置の提案
は従来ない。
【0017】この問題は人参等の長物農産物等でも同様
にある他、茎頂等の一端部側を揃えて一把に束ねる包装
形態が通常となっているアスパラガスや長ねぎ等の長物
農産物では、向き揃えは極めて重要であり、選別コンベ
アに向きを考慮せずに載せ作業できればその利益は多大
である。
【0018】更にまた、複数個の農産物を一把に束ねて
包装するアスパラガスや長ねぎ等の長物農産物では、向
き揃えだけでなく、端部を揃えて包装することが販売市
場において必須とも言えるほど強く要望される包装形態
であり、こに対応するためには、仕分工程において端部
揃えの作業を行う必要があるが、この際に農産物を傷め
ないことが大きな課題とされる。
【0019】本発明者は、以上のように説明した従来技
術の問題点を解消しながら、長物農産物において特有に
求められる上述の課題を有効に解決できるように工夫し
た長物農産物の仕分装置を提供するために鋭意研究を重
ね、本発明をなすに至ったものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願発明の解決しようと
する課題は、前記特許請求の範囲の各請求項に記載した
長物農産物の仕分装置により解決される。
【0021】本願請求項1の農産物の仕分装置の発明
は、一端部から他端部に渡る長さ方向の形状が対称でな
い長物農産物(以下「農産物」と略する)を搬送横方向
に長い横向き姿勢で搬送する選別コンベアと、この選別
コンベアで搬送される長物農産物の仕分区分、及び前記
一端部が搬送横方向の一方側に向いている第一の姿勢で
あるかあるいは他方側に向いている第二の姿勢であるか
の向きを判定する仕分区分及び向きの計測・判定手段
と、前記選別コンベアの下方において搬送方向に沿って
仕分区分別向き別に多数配置され、かつ選別コンベアか
ら前記横向き姿勢のまま下方に排出される長物農産物の
一個あるいは複数個を受け入れ、その後下方に排出する
固定ホッパーと、前記選別コンベアに沿って各固定ホッ
パーに対応する位置に配置されて長物農産物の仕分区分
及び向きに対応した前記固定ホッパーに排出させるため
に選別コンベアに排出動作を行わせる多数の排出装置
と、前記多数の固定ホッパーの下方に沿った軌道を含ん
で無端循環しながら固定ホッパーから前記横向き姿勢の
まま下方に排出される同じ仕分区分でかつ同じ向きの長
物農産物が所定個数集積するまで受け入れ、その後集積
した一まとめの長物農産物を下方に排出するように設け
た多数一連の移動ホッパーと、この移動ホッパーの無端
循環軌道の下方においてこれと交叉するように少なくと
も一条配置され、かつ該移動ホッパーから下方に排出さ
れる一まとめの長物農産物を受け入れて前記選別コンベ
アの搬送横方向に搬出する搬出コンベアと、前記排出装
置による選別コンベアから固定ホッパーへの長物農産物
の排出、固定ホッパーから移動ホッパーへの長物農産物
の排出、及び移動ホッパーから搬出コンベアへの一まと
めの長物農産物の排出をそれぞれ制御する各排出制御手
段とを備えたことを特徴とする。
【0022】前記の構成において、選別コンベアは、限
定されるものではないが、バケット(受皿)式、鍵盤式
などのコンベアに連結されて回動する形式のものが好ま
しく用いられる。この選別コンベア上を搬送される農産
物は、その搬送上流側において、例えば大きさ,重量,
形状等の階級要素、あるいは色,傷等の等級要素を計測
して仕分区分が既に判定されたものである。なお選別仕
分けのための階級,等級の要素は農産物に応じて適当な
要素が採用される。
【0023】選別コンベアに沿って多数配置される排出
装置は、例えば、バケット式の選別コンベアに対して、
バケットを傾動させることで農産物を下方に落下させる
ようにしたものを例示することができる。各排出装置に
おいて所定の仕分区分の農産物を排出する作動は、従来
既知の方法を用いて行うことができ、例えば、所定の搬
送位置から該当する排出装置に至る距離と搬送速度とで
管理する方法によって行うことができる。
【0024】また前記構成における長物農産物の仕分区
分と長さ方向の向きを計測し、仕分区分及び向きを判定
する計測・判定手段は、例えば撮像カメラ等の適宜の計
測機器と、画像処理システム(マイクロ プロセッサ
ユニット(MPU)を含むシステム)等の既知のコンピ
ュータ技術を用いて構成することができる。
【0025】固定ホッパーは、選別コンベアの搬送方向
に沿ってその下方に、排出装置の作動に対応して農産物
を受け入れる関係位置に順次に配置される。この固定ホ
ッパーが選別コンベアから受け入れる農産物の数は一個
又は同じ仕分区分及び同じ向きの複数個である。固定ホ
ッパーが農産物の一個を受け入れ保持する場合は、前記
排出装置による農産物の排出をこの固定ホッパー内が空
であることを条件に行えばよく、受け入れた農産物を下
方の移動ホッパーに排出することによって次の一個を受
け入れ可能な状態となる。このように固定ホッパーの受
入れが一個づつである場合には、請求項2の発明による
端部揃え操作が好適に行え、この際、農産物を傷つける
虞れが少ないので好ましい。また、固定ホッパーに包装
単位の複数個の農産物を集積することもできる。これは
例えば複数個の端部揃えを必要としない場合や、複数集
積した状態で端部揃えをしても傷める虞れが実質的にな
い農産物である場合に適し、請求項3の発明のように、
農産物が所定個数(二個あるいはそれ以上)集積するま
で一個づつ順次に受け入れてから端部揃えを行って、こ
れを移動ホッパーに排出してその倍数(二個の場合に
は、一まとめの数が四個,六個,・・・、三個の場合に
は六個,九個,・・・等)とすることもできる。固定ホ
ッパーの構成としては、一般的には、上方に開放し、通
常は閉塞した底部が排出時に下方に開く形式のものが採
用されるがこれに限定されるものではない。また固定ホ
ッパーの設置個数は、設備の処理能力等に応じて適宜決
めることができ、仕分区分別向き別にそれぞれ複数準備
され、以下の実施形態でも例示的に説明するように、で
きるだけ多数(例えば10個以上)とすることが、処理
の効率化の上で好ましい。
【0026】多数一連の移動ホッパーは、無端循環する
リンクチェーンに吊持されて移動ホッパーコンベアを形
成するように構成でき、また個々の移動ホッパーは、上
方に開放し、かつ排出時に底部が下方に開く形式のもの
を好ましい構成として例示できるが、これに限定される
ものではない。移動ホッパーの無端循環の動作は、連続
的に移動するものとすることもできるし、農産物の受け
入れと排出を精度良く位置決めした状態で行うために
は、単位移動距離(例えば固定ホッパーの隣接間距離な
ど)ごとに一時的に停止させる間欠移動型のものとする
こともできる。なお一般的には、移動ホッパーに一まと
めに集積される農産物の数は包装単位の数とされる。
【0027】前記構成における搬出コンベアは、移動ホ
ッパーが無端循環する軌道の途中において、一まとめの
農産物として排出されるものを受け入れ、選別コンベア
の搬送横方向(選別コンベアの搬送方向から直交又は斜
め横にずれる方向)に搬出できるものであればよく、単
純な平ベルト式コンベアでもよいし、例えばバケット,
ホッパー等の受け入れ部を備えていてもよい。この搬出
コンベアは選別コンベアの側方に設けられる包装作業部
(手作業部又は包装機械作業部)に、移動ホッパーから
排出された一まとめの農産物を搬送するものであり、包
装作業の能力に応じて、無端循環する移動ホッパーコン
ベアに対して一台の搬出コンベアを設けることもできる
し、複数台の搬出コンベアを設けることもできる。
【0028】排出装置、各ホッパー、各コンベアの動作
制御は、前記構成における排出制御手段により行われ
る。排出装置は、所定の仕分区分,向き用として準備さ
れ、該当する仕分区分,向きの農産物が選別コンベア上
を搬送されてきたときに排出動作をすように制御され
る。この場合に、固定ホッパーに二個以上の農産物を集
積しない方式である場合には、固定ホッパーが空である
ことが条件とされ、これを確認するために固定ホッパー
に農産物有無の検出センサ等を設けることもできる。
【0029】排出制御手段により行われる制御の他の一
つは、固定ホッパーから移動ホッパーに農産物を排出す
る制御であり、選別コンベアから受け入れた農産物につ
いて必要に応じて端部揃え等の作業を行った後、受け入
れた仕分区分に対応する移動ホッパーが下方に移動して
きた時に、当該農産物の排出を行うように制御される。
なおこの場合、移動ホッパー内の農産物が所定個数に達
していないことが条件とされる。例えば、各移動ホッパ
ーの農産物受け入れ個数をカウンター等で計数し、搬出
コンベアへの排出後にこのカウンターの集積個数の情報
をクリアするような適宜の制御が併せて行われる。固定
ホッパーから移動ホッパーへの農産物の排出制御は、前
記方式に限られず他の方式で行うことも勿論できる。例
えば、ある特定の仕分区分,向きの農産物が複数の固定
ホッパーに受入れらた時点で、そのうちの最も上流側に
位置する固定ホッパーから移動ホッパーへの排出を開始
するように制御することもできる。この場合の複数が移
動ホッパーが受け入れる所定個数(つまり一まとめの包
装個数)とすれば、同じ移動ホッパーに農産物を排出す
る固定ホッパーを、前記の排出開始時点で決めることが
できて、制御を簡易なものとできる。
【0030】前記排出制御手段により行われる更にもう
一つの制御は、移動ホッパーから搬出コンベアに一まと
めの農産物を排出する制御であり、所定個数の農産物が
集積された状態の移動ホッパーが搬出コンベアへの排出
位置に移入した時に、該一まとめの農産物を搬出コンベ
ア上に排出するように制御される。移動ホッパーの集積
個数が所定個数に達していないときには、排出動作を行
わずにその移動ホッパーは循環される。
【0031】以上のような排出制御手段は、各段階(選
別コンベアから固定ホッパー、固定ホッパーから移動ホ
ッパー、移動ホッパーから搬出コンベア)の排出制御に
分けて構成することができるが、一般的にはシーケンス
プログラムによるコンピュータ技術と、種々のスイッ
チ、センサ等を利用して構成できる。
【0032】本発明の装置は、予め定めた所定の複数個
を一まとめ(テープ等で束ねる一把分、又は一袋分,一
箱分の1ロット)とする荷造り形態を採る農産物を対象
として適用され、このようなものとしては、ナス,胡
瓜,人参等の一袋,一箱に包装する形態が一般的な農産
物、あるいはアスパラガス,長ねぎ等のテープ等で一把
に束ねる農産物などを例示することができ、また後者の
一把に束ねる農産物については、請求項2,3の発明に
おける端部(通常は片側の端部)を揃える装置構成が好
ましく採用される。
【0033】またこの発明の前記構成において、固定ホ
ッパー内の農産物の一端部が搬送方向の一方側に向いて
いる第一の姿勢であるかあるいは他方側に向いている第
二の姿勢であるかの情報は、上述のように、選別コンベ
ア上の長物農産物の向きを検出する手段(例えば仕分区
分判定要素を検出するCCDカメラ等の撮像手段等)で
得られる情報を利用して、当該固定ホッパーが受け入れ
た長物農産物の向き(第一の姿勢か第二の姿勢)をコン
ピュータで一時記憶する装置として構成することもでき
る。ここで記憶する「第一の姿勢」,「第二の姿勢」
は、例えば長物農産物がナスである場合で言えば、選別
コンベアの搬送方向に対してナスのヘタが一方側(右
側)に位置しているかあるいは他方側(左側)に位置し
ているかを示す情報である。
【0034】前記により各固定ホッパーには第一の姿勢
あるいは第二の姿勢の農産物が受け入れられ、例えば、
第一の姿勢の農産物を受け入る移動ホッパーに対しては
同じ第一の姿勢の農産物を受け入れている固定ホッパー
のみから農産物の排出が行われ、第二の姿勢の農産物も
同様にして同じ第二の姿勢の農産物のみを受け入れてい
る固定ホッパーから所定の移動ホッパーに同じ向きの農
産物が排出される。つまり、排出制御手段により、第一
の姿勢の農産物を受け入れている固定ホッパーは、その
第一の姿勢の長物農産物を集積する移動ホッパーに対し
てのみ排出動作を行う(但し一まとめの集積数に達して
いないことを条件とする)ように排出制御される。
【0035】なお、各移動ホッパーが第一の姿勢,第二
の姿勢のいずれの農産物を受け入れるのかの決定は、一
般的には各固定ホッパーが受け入れている農産物の姿勢
の状態を管理することにより適切に行うことができる
が、この点については後述する。
【0036】本発明の装置によれば、選別コンベアに対
して長物農産物の向きを特に考慮せずに載せても、固定
ホッパーから移動ホッパーに排出する長物農産物の向き
の排出管理をするだけで一まとめに包装(袋詰め、箱詰
め、束ね)される農産物を常に確実に同じ向きに整える
(揃える)ことができ、選別仕分場における作業の簡易
化の要望と、販売市場におけるヘタの向きを揃えるなど
の要望とを同時に満足させることができる。
【0037】またこの発明によれば、選別コンベア以外
のコンベア装置としては、選別コンベア下方の固定ホッ
パーに沿って無端循環される移動ホッパーのためのコン
ベア装置(移動ホッパーコンベア)と、各移動ホッパー
から排出される一まとめの農産物を前記搬送横方向に搬
出するための少なくとも一条(生産性に応じて複数条)
の搬出用のコンベア装置で足り、従来のような各仕分区
分について一カ所の排出位置毎に設けられていた引出し
コンベアは不要になる。したがって、引出しコンベアを
設けていた従来装置に比べて設備の設置面積を小さくす
ることができ、またコンベア装置が少ないので、モータ
やチェーンリンク機構なども削減でき、装置コストも安
価とできる。
【0038】更にまた本発明によれば、選別コンベアの
搬送方向に沿って一つの仕分区分について排出装置を多
数配置した設備とし、選別コンベアの搬送横方向に所定
個数の一まとめの農産物を搬出する搬出コンベアはこれ
らの多数の排出装置及びこれに連係する固定ホッパーの
設置数とは実質的に無関係にその数を設けることができ
るので、搬出コンベアの終端側が接続される包装作業部
の処理能力に応じて包装装置の設置台数を決めることが
できるので、従来方式では実現できなかった包装装置の
稼働を高効率とできる効果が得られる。これにより、コ
ンベアで駆動される機構は、選別コンベアを除けば、一
条の移動ホッパー及び少なくとも一条の搬出コンベアで
足りるため、従来の引出しコンベアを多数必要とするた
めに同じ駆動機構が重複して設備コストが嵩んでいた仕
分装置の問題を大幅に軽減することができる。
【0039】更に、前記のように包装作業部の能力に応
じて搬出コンベアの設置台数を決めることができるの
で、装置の利用率、効率のよい仕分装置を提供でき、同
規模の処理能力を有する仕分装置に比べて設備コストを
削減できる。
【0040】各固定ホッパーが、受け入れた農産物の一
端部を所定位置に位置決めする端部揃え手段を有する請
求項2,3の発明によれば、農産物は、所定個数を集積
するだけでなく、その端部を揃えて包装作業部に搬出す
ることができる。なお、端部揃えは、固定ホッパーに受
け入れて保持する農産物が常に一個であるようにして装
置を作動させる場合に、農産物同士の擦れ合いがないた
め例えばナス等では特に好ましく実施され、このような
一個づつの端部揃えは、従来の装置では実施できない、
本願発明に特有の極めて優れた効果である。
【0041】請求項4の発明は、前記の各発明におい
て、移動ホッパーの無端循環軌道を、固定ホッパーの下
方に沿った直線軌道及びこれに水平面内で並行する直線
軌道と、これらの直線軌道両端で垂直軸回りに移動ホッ
パーを180°転向させる半円転向軌道とによって構成
したことを特徴とし、請求項5の発明は、この請求項4
の発明において、無端循環する移動ホッパーに対し、そ
の並行する前記直線軌道それぞれに渡って搬出コンベア
が交叉するように設けると共に、移動ホッパーの一方の
直線軌道に搬出コンベアが交叉する点を前記第一の姿勢
の長物農産物の農産物排出位置とし、かつ移動ホッパー
の他方の直線軌道に搬出コンベアが交叉する点を前記第
二の姿勢の長物農産物の農産物排出位置としたことを特
徴とする。移動ホッパーの無端循環は垂直面内で行わせ
ることもできるので前記水平循環方式の構成に限定され
るものではないが、水平面内で無端回動させるようにし
た前記請求項4又は5の発明によれば、設備の高さを低
くできるという利点が得られる。また、これに加えて、
請求項5の発明によれば、農産物が選別コンベア上をラ
ンダムな姿勢(向き)で搬送されているにも拘らず、一
つの移動ホッパーの無端循環軌道のうちの並行な直線軌
道部分それぞれに設けた排出位置から排出する一まとめ
の農産物の向きを搬出コンベア上では同じ向きとでき、
包装作業部(手作業部あるいは機械包装作業部)には常
に一定の向きで農産物を供給することができて、包装作
業の単純化、簡易化を実現できる。
【0042】請求項6の発明は、前記の各発明におい
て、無端循環する一連の移動ホッパーと、この一連の移
動ホッパーに連係する一群の排出装置、固定ホッパー及
び搬出コンベアで構成される単位仕分ブロックを、選別
コンベアの搬送方向に沿って複数組配置したことを特徴
とする。
【0043】この発明によれば、移動ホッパーを所定の
長さに区切ることで単位仕分ブロック毎に排出制御を行
うことができて、制御の簡易化することができる。
【0044】請求項7の発明は、前記単位仕分ブロック
の少なくとも一つが、単一の仕分区分の農産物を向き別
(第一の姿勢と第二の姿勢の向き別)に仕分けるもので
あることを特徴とする。
【0045】この発明の単位仕分ブロックによれば、必
要な仕分区分用の仕分装置が一条の選別コンベアに沿っ
て配置された単位仕分ブロックが一つの仕分区分の農産
物を向き別に仕分るために用いられるので、この仕分ブ
ロックにおける排出制御を簡易とできる。
【0046】請求項8の発明は、前記単位仕分ブロック
の少なくとも一つが、異なる仕分区分用に割り当てられ
た固定ホッパーを含み、各仕分区分毎に農産物を向き別
に仕分けるものであることを特徴とする。
【0047】前記構成における単位仕分ブロックの一連
の移動ホッパーは、異なる仕分区分用でかつ異なる向き
用に割り当てて用いられる。例えば、大きさLで右向き
(第一の姿勢)用の農産物を受け入れる移動ホッパー、
及び大きさLで左向き(第二の姿勢)用の農産物を受け
入れる移動ホッパーと、同様に大きさMの農産物につい
て右向き用及び左向き用の移動ホッパーとが一連に連結
されて移動ホッパーコンベアを構成する場合などを例示
することができる。
【0048】この発明によれば、一つの単位仕分ブロッ
クの組内で、二つ(又はそれ以上)の仕分区分の農産物
を仕分区分別向き別に仕分けることができ、例えば比較
的仕分処理量の少ない仕分設備用、あるいは他に比べて
分布量が少ない仕分区分用のものとして好ましく採用す
ることができる。
【0049】請求項9の仕分装置の発明は、前記の請求
項7の単位仕分ブロックと請求項8の単位仕分ブロック
の双方を、一条の選別コンベアの搬送方向に沿って有す
ることを特徴とする。
【0050】この発明によれば、一般に仕分区分によっ
て必ずしも分布比率が一定していないことに好適に対応
できる利点がある。すなわち、分布の多い仕分区分と分
布の少ない仕分区分とに、それぞれ単一の仕分区分用の
単位仕分ブロックを対応させると、分布の多い仕分区分
では処理の停滞を招く虞れがあり、他方分布の少ない仕
分区分では装置の利用効率が低くなるという問題を招く
虞れがあるが、この発明の構成を採用すれば、分布の多
い仕分区分に対しては請求項7の構成の単位仕分ブロッ
クを一つ(又は複数)対応させ、分布の少ない仕分区分
に対しては請求項8の構成の単位仕分ブロックを対応さ
せることができて、それぞの分布量に応じた効率的な仕
分作業を行うことができる。
【0051】請求項10の発明は、前記の各発明におい
て、空の状態の移動ホッパーのうちから一つを選択して
受け入れる長物農産物の受け入れを開始した後、一まと
めに集積した長物農産物を搬出コンベアに排出するまで
の工程を一サイクルとして、移動ホッパーが受け入れる
長物農産物の向きの割り当てを前記一サイクル毎に更新
することを特徴とする。
【0052】固定ホッパーから排出される農産物を受け
入れる各移動ホッパーは、その受け入れる農産物の姿勢
(第一の姿勢又は第二の姿勢)を予め各移動ホッパー毎
に固定しておくこともできるが、選別コンベア上を搬送
されてくる多数の農産物の姿勢の割合は不定であるか
ら、これに対処するためには前記発明が好ましく採用さ
れる。更新制御のためには、例えば空の状態の移動ホッ
パーに対して受け入れる農産物の姿勢(第一の姿勢又は
第二の姿勢)を選択する姿勢選択制御と、搬出コンベア
への排出時以降にその姿勢選択を解除する姿勢選択解除
制御とにより行わせることができ、これらは一般的には
コンピュータ技術を用いてプログラム制御することがで
きる。更にこれらは、例えば一連の移動ホッパーを番号
付けし、各移動ホッパーの一サイクル移動毎に姿勢選択
と解除を行う方式などによって比較的簡易に実現でき
る。なお、前記更新制御は多数の固定ホッパーが受け入
れている農産物の姿勢の割合の状態を逐次的に管理する
ことで合理的に行える。
【0053】この発明によれば、選別コンベア上で多数
の農産物の姿勢がランダムで、また二つの姿勢の割合が
不定であっても、移動ホッパーに同じ向きの農産物を受
入れる作業を効率よく行うことができる。
【0054】また、単位仕分ブロックが複数の仕分区分
用として用いられる場合には、前記発明の移動ホッパー
の受入れ農産物を決める更新制御を、農産物の向きにつ
いてでだけでなく、仕分区分及び向きについて行うこと
ができる。すなわち、移動ホッパーが空の状態では、各
移動ホッパーは受け入れる農産物の仕分区分及び向きが
予め割り当てられておらず、装置の稼働状況に応じて適
時に割り当てて用いることができる。例えば、Lの仕分
区分で右向きの農産物が複数の固定ホッパーに包装個数
に当たる一まとめ分が受け入れられた時点で、これらに
対して最上流に位置する固定ホッパーから、空の移動ホ
ッパーを選択して該農産物を排出させ、以後、所定の一
まとめの個数となるまでL・右向きの農産物を受け入れ
るようにすればよい。前記の場合、移動ホッパーに対す
る仕分区分及び向きの割当は最初のLの農産物の受け入
れによって行われるようにしてもよいし、最初の受け入
れの前に割り当てを行ってもよい。一まとめの農産物を
搬出コンベアに排出して空となった移動ホッパーについ
ては、その割り当てを解除し、次にはその状況に応じて
同じ仕分区分及び向き、あるいは他の仕分区分及び向き
を割り当てる更新制御が行われる。
【0055】前記構成において、移動ホッパーに対する
向き(あるいはこれと共に仕分区分)の割当制御と、割
当解除の制御は、移動ホッパーの搬送手段と連係して、
例えば搬送移動の位置に対応して、割り当てた仕分区分
の情報を順送りする方式のものとして構成することもで
きるし、移動ホッパーにバーコード等の識別標識を付す
と共に、バーコードセンサ等の検出手段を移動ホッパー
の搬送軌道に沿って設置し、識別標識にリンクして割り
当てた仕分区分をコンピュータの記憶手段に一時記憶
し、一まとめの農産物を排出した時点でこの記憶を消去
する方式によって構成することもできる。
【0056】この発明によれば、選別コンベア上で搬送
される農産物の向きの割合が一定でなく一方に偏ってい
るような場合であっても、移動ホッパーが受入れる農産
物の向きの割り当てを適時にかつ効率よく行うことがで
きる。
【0057】請求項11の発明は、前記請求項1ないし
9の発明において、移動ホッパーが、各単位仕分ブロッ
クの固定ホッパーから排出される長物農産物の少なくと
も向きが、予め定められていることを特徴とする。
【0058】この発明によれば、固定ホッパーから移動
ホッパーへの排出制御が簡易とできる。
【0059】請求項12の発明は、前記請求項11の発
明において、各単位仕分ブロックの一連の各移動ホッパ
ーが受け入れる長物農産物の向きが、該移動ホッパーの
無端循環方向に関し均等に分布するように定められてい
ることを特徴とする。
【0060】前記の「均等に分布」は、例えば右向き−
左向きを一連の移動ホッパーについて交互に設定する場
合等を例示することができる。
【0061】この発明によれば、例えば、選別コンベア
の搬送方向に沿って多数配置されている固定ホッパーが
受け入れる農産物の向きの設定についての設計自由度が
高くなるという利点が得られる。具体的には、例えば、
一つの仕分区分仕分用として設けられた単位仕分ブロッ
クにおいて、上流側に右向き用固定ホッパー、下流側に
左向き用固定ホッパーを群を分けて配置するような場合
に、上述した更新制御方式を採用すると、選別コンベア
の搬送方向上流側において移動ホッパーが優先的に受入
れ決定が行われるが、この発明によればこの問題がな
く、上流側,下流側の位置による優先性は考慮しなくて
よいことになる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に基づいて詳細
に説明する。なお、図1〜図15はナスを仕分対象とし
た本発明の仕分装置の実施形態1を示し、図16は本発
明の他の実施形態を示している。
【0063】実施形態1 図1は、一連に無端循環するように連係された移動ホッ
パー3の一群と、これに対応する多数の固定ホッパー2
の群等の組とで構成される単位構成の単位仕分ブロック
の一つの概要を正面図により示したものであり、該単位
仕分ブロックの全体は符号10で示した。なお本例で
は、図3に示すようにこの単位仕分ブロック10の三つ
で仕分装置の全体を構成するようにしている。
【0064】図2は一連の移動ホッパー3が無端循環す
る状態を平面で示した図、図3は前記図1,図2で示さ
れる単位構成の仕分装置10が選別コンベアの搬送方向
に沿って複数配置された農産物選別設備の全体概要を示
した平面図である。図4は、前記選別コンベア1と、固
定ホッパー2,移動ホッパー3及び搬出コンベア4を含
めて縦断側面で示した図、図5は同図4の選別コンベア
1から移動ホッパー3に渡る範囲を拡大して示した縦断
側面図である。
【0065】なお、前記一連一群の移動ホッパー3及び
これを無端循環させる機構の全体をいう場合は、以下
「移動ホッパーコンベア」と称するものとする。
【0066】これらの図において、1は選別コンベアで
あり、左右一対のリンクチェーン101に連結されて無
端回動する農産物(ナス)支持台102が搬送方向に沿
って多数連続に設けられている。このナス支持台(以下
単に「支持台」という)102のそれぞれは、長尺農産
物であるナスPを選別コンベア1の搬送横方向(以下単
に「搬送横方向」という)に長い姿勢(向きはランダ
ム)で支持していて、本例では、図1,図2及び図4に
示しているように、選別コンベア1の搬送前方側の端部
において、左右のリンクチェーン101に前記搬送横方
向の軸1011を中心とした回転が可能に枢支されてい
ると共に、通常状態時には、図示しないロック手段で支
持面が略水平になる姿勢で保持され、選別コンベア1に
沿って設けた排出装置103の動作によりこのロック手
段によるロックが外されると、水平姿勢から搬送後方側
が下向きに回転して、この上に支持しているナスPを下
方に排出するようになっている。本例のこの支持台10
2は、屈曲させた鋼線等の棒材1021の複数を並列さ
せることで形成されており、通常状態にある水平姿勢で
言えば、軸1011による枢支部から垂直上方に立上っ
てから搬送後方側に屈曲延設されていて、その延設の中
間部がナスPの載置が安定するように浅い凹部をなすよ
うに設けられている。104はチェーンコンベアの走行
を案内するガイドレール、105はガイドレール104
や排出装置103等を組み付けるための装置フレームと
しての縦枠、106は種々の横枠である。なお、前記ロ
ック手段及び排出装置103は既知の適宜のものを採用
できる。
【0067】この選別コンベア1の支持台102上で搬
送されるナスPは、前記仕分装置10の位置に搬入され
る前の段階で、例えば図3に示した計測装置9により仕
分に必要な等階級と向きの要素を計測し、図示しない判
定手段(マイクロ プロセッサ ユニット(MPU)
等)を用いて仕分区分と向きが判定されると共に、所定
の送り管理制御により、搬送途中の所定の支持台102
(例えば最初の排出装置に至った支持台102)の上に
載っているナスPの仕分区分と、右向き(第一の姿勢)
か左向き(第二の姿勢)であるかが計測・判定できるよ
うになっていて、所定の仕分区分別向き別用として配置
されている排出装置103の作動と対応できるように設
けられている。このような搬送途中の各支持台102上
のナスPの仕分区分の情報管理は、既知の送り制御シス
テムを用いて行うことができる。なお本例は、ナスPを
L,M,Sの大きさ(階級)で仕分ける場合の例を示し
ている。
【0068】そして前記選別コンベア1には、その搬送
軌道に沿って図1に示すように多数の排出装置103が
間隔をあまり空けずに連続して多数配置されており、図
1に示した無端循環する一連の移動ホッパー3とこれに
対応する固定ホッパー2等との対応で構成される一組
(単位構成)の単位仕分ブロック(以下「仕分ブロッ
ク」と略す)10における排出装置103は、例えばそ
の全てを大きさLの仕分区分用として設定することがで
きる。なお、例えば一組みの仕分ブロック10内の排出
装置の一部を大きさLの農産物用とし、残りを大きさM
の農産物用とすることもでき、この設定によれば一つの
仕分ブロック10を複数の仕分区分の農産物の仕分に用
いることができるが、これについては後述する。
【0069】上述した各構成単位の仕分ブロック10
を、各々単一の仕分区分用に設定した場合としては、例
えば本例は、図3で示したように選別仕分設備の全体に
設けられた三つの仕分ブロック10のうち、選別コンベ
ア1の最上流側の仕分ブロック10Lを大きさL用のナ
スPを向きを揃えて仕分けるものとし、次段の仕分ブロ
ック10Mを大きさM用、更にその次段の仕分ブロック
10Sを大きさS用のものとする例を挙げることができ
る。なお、本例においては図2,図3から分かるよう
に、二条の選別コンベア1を並設してそれぞれに、後述
する固定ホッパー2、移動ホッパー3を対応して配置す
る構成としているが、これらの並列した選別コンベア1
は、同じく後述する搬出コンベア4を並列二条の選別コ
ンベアに共用する他は、それぞれ独立して仕分け作業を
行う同じ構成の仕分装置である。
【0070】上述した構成の選別コンベア1に対し、そ
の下方には、図1に示すように、搬送方向に沿って、前
記排出装置103と一対一に対応する上・下位置関係で
固定ホッパー2が配置され、その詳細構造は図4〜図7
に示される。
【0071】本例のこの固定ホッパー2は、通常は底部
を閉じていて、選別コンベア1上の支持台102から下
方に排出されたナスPを一個づつ受け入れて保持し、こ
のナスPを下方に排出する際には、底部を下方からみて
観音開き様に選別コンベアの搬送方向の前後に開く一対
の底部片201と、この底部片201を前記の閉じ状態
と開き状態の間で切替え作動させる底部開閉駆動機構2
02と、該固定ホッパー2内で保持するナスPの一端部
を前記搬送横方向の所定位置に位置決めさせるために設
けられた端部揃え機構203とから構成されている。
【0072】すなわち、前記した選別コンベア1の搬送
方向に沿って設けられた固定ホッパー2の一対の底部片
201,201は、これらの同方向中間位置の垂直面を
対称面とした面対称に配置され、かつ動作するように設
けられた一対であり、本体は前記搬送横方向に長い板体
からなっていて、これらの上端は、横枠106の一つで
ある搬送横方向の固定ホッパー用横枠1062の下端に
回転自在に枢支され(2011は、底部片201の上端
の枢支軸を示す)、通常時は、下端の揺動先端が互いに
接近する方向に揺動されて底部を閉じ、排出時には前記
枢支軸2011回りに下端が離間するように揺動してナ
スPを垂直下方に落下させるようになっている。なお前
記固定ホッパー用横枠1062は、並列する二条の選別
コンベア1の両外側において該選別コンベアの搬送方向
に延設させた主横枠106に渡って、その下部に、各固
定ホッパー2の位置において、フレーム1061を介し
て組み付け固定されている。
【0073】また、前記底部開閉駆動機構202は、前
記固定フレーム1061の水平面部10611に固設し
たブラケット1063に組み付けられて、ピストンロッ
ド20212が下方向に伸出・縮入する排出制御用シリ
ンダ装置2021と、このピストンロッド20212の
先端に一端が回転自在に連結されると共に、他端が、前
記一対の底部片201,201の前記搬送横方向の端部
に設けたフランジ2012,2012に回転自在に連結
された一対のリンク2022とにより構成される。な
お、これら一対の両端回転自在のリンク2022は、前
記面対称の関係をなすように構成されているものであ
り、シリンダ装置2021のピストンロッド20212
がシリンダボディ20211内に縮入した通常の状態
(図6の右側及び中央の固定ホッパー2の状態を参照)
では、一対の底部片201,201で底部を閉じた状態
とし、シリンダ装置2021がピストンロッド2021
2を下方に伸出させた状態(図6の左側の固定ホッパー
2の状態を参照)では、一対の底部片201,201が
離間して底部を開いた状態とするように構成されてい
る。なお、20213は各リンク2022と前記ピスト
ンロッド20212の下端を回転自在に連結するピン、
2013は各リンク2022と前記の各フランジ201
2を回転自在に連結するピンである。
【0074】また、本例の固定ホッパー2は、上述のよ
うに端部揃え機構203を有しており、これは次のよう
に構成されている。すなわち、本例装置で仕分け処理す
る対象のナスは一般にその長さで仕分区分を決める場合
が多く、したがってその包装は、端部を揃えた包装形態
とすることが作業上も、また流通取り引き上においても
望まれる場合が多い。しかし、選別コンベア1の始端側
で支持台102にナスPを載せる際の位置を搬送横方向
に関して端部を揃えて行われるようすることは技術的に
必ずしも簡単ではないし、また仮に支持台102へのナ
スの載せ時に端部揃えが可能であってもその後の比較的
長い搬送途中での振動等の影響で位置ズレが起こること
もあり、支持台102から固定ホッパー3に排出された
ナスPの位置が揃うという保障はない。そこで本例にお
いては、前記の端部揃え機構203を設けているのであ
り、具体的には、前記した横枠106に固定のフレーム
1061の垂直面部10612に、ピストンロッド20
312が水平方向に伸出・縮入する端部揃え用シリンダ
装置2031のシリンダボディ20311が固定され、
該ピストンロッド20312の先端に、固定ホッパー2
内に保持したナスPを移動させるための鉛直姿勢の押圧
板2032が組み付けられている。これにより、選別コ
ンベア1からナスPを一つづつ受け入れた後速やかに、
図示しない制御装置からの指令によって該端部揃え用シ
リンダ装置2031を作動させて、保持しているナスP
の一端側の端部を所定位置に位置決めさせることができ
る。なお、本例においては、前記押圧板2032の水平
方向の移動姿勢を安定させるために、フレーム1061
の垂直面部10612及びこれに固定した案内板106
13の貫通孔を挿通することで水平方向の進出・後退を
案内するガイドバー2033が前記押圧板2032に設
けられている。
【0075】以上のような固定ホッパー2については、
前記した構成に加えて、選別コンベア1から排出される
ナスP(農産物)を受け入れる際の衝撃による傷みをで
きるだけ低減させるための構成、例えば底部片201自
体あるいはその内面に反発係数の小さい衝撃緩衝部材を
積層することができ、また、端部揃えの際に移動する農
産物の表面の傷発生を防ぐための構成として、前記底部
片201自体あるいは積層した衝撃緩衝部材の内面の摩
擦係数をできるだけ小さくする低摩擦係数コーティング
を施すなどの構成を採用することができる。
【0076】次に、本例の移動ホッパー3の構成と、こ
れの多数を一連に連係して無端循環させる移動ホッパー
コンベア301について説明する。
【0077】本例の移動ホッパーコンベア301は、図
1,図2に示されるように、一群の多数の移動ホッパー
3が、選別コンベア1の搬送軌道の下方に沿った直線部
分と選別コンベア1の搬送軌道の側方にズレた直線部分
との間で転向して無端循環する水平面内の軌道が設定さ
れている。すなわち、垂直軸回りに回転する駆動スプロ
ケット3011と従動スプロケット3012の一対によ
り水平面内で循環するリンクチェーン3013に、移動
ホッパー3はその片側(循環軌道の内側)に突出した吊
杆303が連結されて連行回動されるようになっている
と共に、この移動ホッパー3の他側(循環軌道の外側)
には、リンクチェーン3013と同じ高さに設定配置さ
れた長円形のガイドレール3014の上を走行する前後
一対のローラ304が設けられている。なお、3015
は駆動スプロケット3011を回転駆動させるためのモ
ータである。これにより、移動ホッパー3は水平面内で
無端循環される。
【0078】そしてこの移動ホッパーコンベア301で
無端循環されながら予め定めた所定個数のナスPを受け
入れた移動ホッパー3は、選別コンベア1の搬送軌道の
下方の直線軌道から、側方にズレた直線部分に渡り、こ
れら直線軌道の両端部で垂直軸回りに180°転向され
て循環回動される。そして、図2の移動ホッパーをハッ
チングで示した位置S(以下「ナス排出位置」という)
に至った時に、底部を開いて、下方に配置されている搬
出コンベア4に排出するようになっている。
【0079】この排出のための移動ホッパー3の構成は
図8〜図11に詳細に示される。すなわち、移動ホッパ
ー3は、剛性の高い矩形四辺枠をなす上部のホッパー本
体302を有していて、その側方に前記吊杆303及び
ローラ304が組み付けられていると共に、該ホッパー
本体302のホッパー循環移動方向の前後それぞれの下
部に軸3021が設けられ、これらの軸3021それぞ
れに、移動横方向の中央部の所定長さ部分の上端部に形
成した筒状部30221が円形に巻き付くことで揺動可
能とした略「くの字形」のホッパー片3022の一対が
組み付けられて構成される。このホッパー片3022
は、ホッパー循環移動方向の横方向に長い板状体を折曲
形成することで前後ホッパーの側壁から底部を形成して
いると共に、このホッパー片3022には、上述した上
端部の筒状部30221の他、該ホッパー片3022の
横方向の一端部を略90°折曲させたフランジ部302
22、このフランジ部30222の上部外面に固定され
て後述するナス排出機構の押下力を受ける排出作動従動
片30223、及びこのフランジ部30222から切り
起こされたリターンバネ組付け用の切り起こしフランジ
30224が設けられている。この切り起こしフランジ
30224は、一対のホッパー片3022を、底部を閉
じた通常状態に保持し復帰させるためにこれら一対の間
にリターンバネ3023を張設するためのものであり、
フランジ部30222の外面側に切り起こされている。
【0080】前記ナス排出位置Sに設けられていて、移
動ホッパー3に排出動作を行わせるナス排出機構305
は次のように構成されている。すなわち、前記縦枠10
5,横枠106等と一体の装置固定部107に組み付け
られた排出作動用シリンダ装置(305)として形成さ
れ、シリンダボディ3051により下方に伸出・縮入さ
れるピストンロッド3052の下端に二股状の作動片3
053を組み付け、その二股状の各先端に固定したロー
ラ3054が、前記移動ホッパー3のホッパー片302
2に設けた排出作動従動片30223と係合するように
構成されている。これにより、排出作動用シリンダ装置
305の作動により前記作動片3053が下動すると、
その先端の各ローラ3054が、前記一対の軸3021
の内側でホッパー片3022の排出作動従動片3022
3をリターンバネ3023に抗して押下することにな
り、図9に二点鎖線で示した状態に該ホッパー片302
2の下端側を離間させて移動ホッパー3の底部を開き、
保持しているナスPを下方に排出することになる。
【0081】また本例においては、前記ナス排出位置S
に前記ナス排出機構と共に、もう一つの機構が設けられ
ている。これは図4,図8及び図11に示されており、
具体的には、選別コンベア1の側方にずれた位置で移動
ホッパー3から搬出コンベア4に一まとめのナスPを落
下排出した際に、該ナスPが搬出コンベア4上で跳ね上
がって整列状態を乱すことを防ぐための跳ね上がり防止
機構306である。なお、本例の跳ね上がり防止機構3
06は、ナス排出のための機構を、移動ホッパーコンベ
アの選別コンベア1の軌道からは側方にずれた直線軌道
上であるナス排出位置(図示例では位置S2 )では設置
可能であるが、選別コンベア1の直下にナス排出位置
(図示例では位置S1 )では装置が重複するためナス排
出機構を設置することはできない。
【0082】そして、この跳ね上がり防止機構306
は、前記装置固定部107に跳ね上がり防止用シリンダ
装置のシリンダボディ3061を固定的に組み付けると
共に、これから下方に伸出・縮入されるピストンロッド
3062の下端ブラケット3063に、例えば衝撃吸収
体としてスポンジローラ3064を組み付けて、ナスP
の落下排出時に、このスポンジローラ3064を物体の
自然落下と見合う程度の速度で所定位置まで下動させる
ことで、搬出コンベア4に排出されたナスPが跳ね上が
ることを柔らかく抑えるように構成するものを例示でき
る。この例においては前記スポンジローラ3064を複
数設けてナスPの全長に渡るようにしているが、スポン
ジローラに限定されるものではないし、設置個数も特に
本例図示のものに限定されるものでもない。要は、端部
を揃えた状態で移動ホッパー3内に保持されているナス
Pを搬出コンベア4に落下排出する際に、その整列状態
を乱すような跳ね上がりを解消できるものであればよ
い。なお図11に示した3065は前記下端ブラケット
3063の上下動を案内するガイドバー、3066はこ
のガイドバー3065の上下動姿勢を正確に維持するた
めのガイドスリーブである。
【0083】次に上述のように構成された移動ホッパー
3の移動ホッパーコンベア301に対して、図1,図2
で示された前記ナス排出位置Sの下方に配置された搬出
コンベア4について説明すると、この搬出コンベア4
は、そのレイアウトは図1〜図3に示され、具体的な構
造は図8,図9に示されている。
【0084】すなわち、この搬出コンベア4は、上述し
た移動ホッパーコンベア301のナス排出位置Sの下方
(なお本例では並列された二条の選別コンベア1に共
用)から、選別コンベア1の搬送方向に直交する方向に
搬送軌道が設定されていて、図示しない駆動機構により
適宜必要な移動,停止を間欠しながら無端回動されるコ
ンベアベルト401と、このコンベアベルトの上面を、
移動ホッパー3から一まとめのナスPを受け入れる領域
に区画する搬出方向の仕切り402と、取り扱われる仕
分対象のナスPの整列状態を維持するための両側方のガ
イドレール403とからなっている。そしてこの搬出コ
ンベア4の終端は、本例では図3に示した小袋詰作業部
(手作業または機械作業)5に対応連係されていて、こ
こで所定の包装作業を行った後、更に移送コンベア6を
介して大きなダンボール箱等に詰める作業部7に送られ
る。なお、図3の選別コンベア1の終端近傍において、
選別コンベア1の下方でその搬送横方向をなすように設
けた搬出コンベア8は、比較的分布率の低い区分のナス
や格外のナスをバラで搬出するためのものである。
【0085】次に、以上のように構成された本例の農産
物仕分装置の作業を説明する。
【0086】本例においては、選別コンベア1の支持台
102に載せられて搬送されるナスPは、搬送横方向に
ついての向き(姿勢)が揃っておらずにランダムである
ことと、三つの仕分ブロック10L,10M,10Sに
おいて各仕分区分(大きさL,M,S)のナスPが単一
の仕分ブロックに分けられて、仕分区分別向き別の仕分
が行われる特徴がある。
【0087】(1)ナスPの仕分区分,向きの計測・判
定 本例においてはまず、選別コンベア1により搬送される
ナスPは、計測装置9でその大きさ(長さ)と向きにつ
いて例えば撮像装置により計測され、図示しない判定手
段で仕分区分が判定される。そして、仕分区分が例えば
大きさLである場合には、図3の仕分ブロック10Lで
向き別に仕分られ、大きさMである場合には仕分ブロッ
ク10M、大きさSである場合には仕分ブロック10S
でそれぞれ向き別に仕分けされることになる。
【0088】前記計測・判定の処理の一例は、例えば図
12のフローチャートにより示される。すなわち、支持
台102上のナスPはステップ101で撮像され、ステ
ップ102において図示しない画像処理装置により画像
処理され、ステップ103で右か向きか左向きかが判定
される。右向きのときはステップ110に移行して、ス
テップ110〜114でそのナスPの仕分区分(大き
さ)L,M,Sが順次に判定され、右向きナスP一つ一
つの仕分区分が得られる。またステップ103で左向き
と判定されたときはステップ120に移行し、前記と同
様にしてステップ120〜124で左向きナスP一つ一
つの仕分区分が得られる。これにより、選別コンベア1
で搬送される全ナスPの仕分区分及び向きの情報が得ら
れる。本例では、右向きを図2の上方に向いた姿勢、左
向きを図2の下方に向いた姿勢として示した。なお、大
きさが異なる場合には集積個数を変える場合が多い。
【0089】(2)選別コンベアから固定ホッパーへの
排出 図1に示した本例の大きさM仕分用の仕分ブロック10
Mにおいては、選別コンベア1の搬送軌道の下方に沿っ
て多数配置されている各固定ホッパー2のナスP有無の
状態を、例えば物有無検出センサを用いて固定ホッパー
2が空であるか受入れ状態にあるかを検出し、あるいは
この物有無検出センサを用いずに、各排出装置103の
作動及び固定ホッパー2の底部開閉駆動機構202によ
る底部開の作動による排出の作動記録により空か受入れ
状態かを検出して、該当するナスPを排出する空の固定
ホッパー2の一つを決める。そして該当する支持台10
2がその固定ホッパー2に対応する排出装置103の位
置に至った時点で、該排出装置103が作動して支持台
102を下方に揺動させ、載せているナスPを当該固定
ホッパー2に落下排出するように制御することができ
る。
【0090】なお本例の各固定ホッパー2は、受け入れ
たナスPの端部揃えを適切に行うために一個のみを受け
入れて保持し、この保持したナスPを排出するまでは次
の受け入れは行われないようになっている。ただし、端
部揃えを行わない場合や、複数個の端部揃えを同時に行
ってもよい農産物の場合には、複数の農産物を固定ホッ
パー2で受け入れてもよいことは上述した通りである。
【0091】ナスPを受け入れた固定ホッパー2におい
て行われる端部揃えは、図5,図7により説明される。
すなわち、ナスPを受け入れた固定ホッパー2のシリン
ダ装置2031を作動させ、ピストンロッド20312
の先端に組み付けた押圧板2032を固定ホッパー2の
横方向の予め定めた所定位置まで伸出させる。これによ
って押圧板2032がナスPを押してその一端部を常に
一定位置に位置決めさせることができる。
【0092】前記の選別コンベア1から各固定ホッパー
2へのナスPの排出制御の一例は、仕分区分がM,向き
が右向きのナスPを仕分排出する図13のフローチャー
トにより示される。この図13は仕分区分がM,向きが
右向きのナスPを向き別に仕分排出する場合を代表的に
示したものであるが、他の仕分区分についても同様であ
る。
【0093】この図13のフローチャートの手順で制御
される本例の仕分ブロック10は次のように構成されて
いる。すなわち、図1に示すように固定ホッパー2が1
6個配置されていて、その上流側の8個が右向きナスP
の受け入れ用、下流側の8個が左向きナスPの受入れ用
として設定され、更にナスPの一まとめの包装が4個づ
つで行われることに対応して、図1の仕分ブロック10
の上流側の4個の固定ホッパー2をM,右向きグループ
(CA :No1〜4の固定ホッパー)用、次の4個の固
定ホッパー2をM,右向きグループ(CB :No5〜8
の固定ホッパー)用として二つのグループに分けて設定
されている(同様に下流側の8個の固定ホッパー2も
M,左向きグループ(CC )用、L,左向きグループ
(CD )用の二つのグループに分けられている)。な
お、各固定ホッパー2には物有無検出センサは設けられ
ていない。
【0094】上述の(1)で説明したナスPの仕分区
分,向きの計測・判定で、M,右向きの仕分区分及び向
きが判定されたナスPが、所定の位置(例えば図3の仕
分ブロック10の入口)に至った時に、図13のステッ
プ201でまずグループCA ,CB が満杯状態か否かを
調べ、満杯である場合には受入れ可能な固定ホッパーが
ないので、該仕分ブロック10を通過させるオーバーフ
ロー処理を行い、必要に応じて選別コンベア1の上流側
に戻す。
【0095】前記ステップ201で満杯でない時には、
本例ではステップ202でグループCB の状態を調べ、
このグループCB の固定ホッパー2の保持数CBxが0<
Bx<4であればステップ207にジャンプして、CBx
=1であればステップ208でNo6の固定ホッパーに
排出し、CBx=2であればNo7(ステップ209)
に、CBx=3であればNo8(ステップ210)にナス
Pを排出する。
【0096】一方、グループCB の保持数が0<CBx
4でない(つまりCBx=1又は4)の時は、ステップ2
03に移行し、グループCA の保持数CAxを調べて、C
Ax=0ならばNo1(ステップ203)、CAx=1なら
ばNo2(ステップ204)、CAx=2ならばNo3
(ステップ205)、CAx=3ならばNo4(ステップ
206)、CAx=4ならばグループCB であるNo5
(ステップ207)にそれぞれ排出する。これにより、
M,右向きのナスPの仕分区分別向き別にあらかじめ設
定されている固定ホッパー2に対する排出先が決定され
る。
【0097】また、M,右向きのNo4,8の固定ホッ
パー2に該当するナスPが排出された時点で、各グルー
プの一まとめの集積数に達することになるので、次の移
動ホッパー3への排出動作が順次に行われることに応じ
て、各固定ホッパー2の受入れ状態はリセットされる。
このリセットは、各グループ4個の移動ホッパー3への
排出が終了した時点とすることもできるし、各固定ホッ
パー2毎にリセットを行うようにしてもよい。
【0098】(3)固定ホッパーから移動ホッパーへの
排出 次に、固定ホッパー2から移動ホッパー3へのナスPの
排出制御について説明する。
【0099】固定ホッパー2から移動ホッパーへの農産
物の排出制御は基本的に次のようにして行われる。すな
わち、多数連続して配置されている固定ホッパー2の下
方に沿った直線軌道を含めて無端回動されている移動ホ
ッパー3のうち、受入れが所定個数に達していない移動
ホッパー3が、端部揃えの終わった固定ホッパー2の下
にくると、その上の固定ホッパー2の底部開閉駆動機構
のシリンダ装置2021がピストンロッド20212を
下動させて、一対のリンク2022を介して底部片20
1の下端を互いに離間する方向に揺動させることで保持
していたナスPを下方に落下排出させ、移動ホッパー3
がこれを受け入れる。そして、受け入れ個数が所定数
(図3の大きさMの仕分ブロック10Mの例では4個、
図8〜図11の大きさLの仕分ブロック10Lでは3個
など、同じ数でない場合もある)に達した移動ホッパー
3については、それ以上の受け入れを行うことなく循環
移動が行われる。なお、移動ホッパー3の無端循環の移
動は、比較的低速で連続移動するものとすることもでき
るし、各固定ホッパー2の下方位置毎に停止する間欠停
止方式の移動とすることもできる。
【0100】本例(3)において上述している仕分区分
Mで向き別にそれぞれ二つのグループCA ,CB の受け
入れ固定ホッパー2を区画した例では、例えば図14の
フローチャートに示した制御例を挙げることができる。
なおこの図14は、仕分ブロック10Mの仕分区分M,
右向きのうちのグループCA の4個の固定ホッパー2か
ら一つの移動ホッパー3にナスPを順次に排出する場合
の手順の例を示しているが、他のグループ、他の仕分区
分についても同様に行うことができる。
【0101】前記した仕分区分M,右向きのナスPを一
つづつ収容保持した状態のグループCA の4個の固定ホ
ッパー2から、所定の移動ホッパー3にナスPを順次に
排出・集積させる手順を示した図14を説明すると、ま
ずステップ301でCA グループの固定ホッパー2に集
積された個数が4個であるか否かを調べ、これが満足さ
れた場合にはステップ302において、無端循環するう
ちの空の移動ホッパー3を検索する。この場合、排出対
象として検出する移動ホッパー3としては、前記CA
ループのナスPを移動ホッパー3の移動に従って速やか
に排出・集積できるものを選ぶのが適しているから、一
般的には、前記グループCA に対して移動する移動ホッ
パー3の前記No1(又は前記No5)の固定ホッパー
2よりも上流に位置している空の状態の移動ホッパー3
のうちの最も近接したものを選択するプログラムを組む
ことが好ましい。
【0102】次に、該当する移動ホッパー3が前記No
1の固定ホッパー2からの排出位置にあるかを調べ(ス
テップ303)、該No1からナスPを排出する(ステ
ップ304)。これ以降、ステップ305〜310によ
りNo2〜4の固定ホッパー2から順次にナスPの排出
を行い、当該移動ホッパー3に対するナスP4個の集積
を終了する。
【0103】(4)移動ホッパーから搬出コンベアへの
排出 次に、本例における移動ホッパーから搬出コンベアにナ
スPを排出する制御について説明する。
【0104】上述した手順でM,右向きのナスPが4個
集積された前記移動ホッパー3は、水平面内で長円形の
無端軌道に沿って循環するが、固定ホッパー2下方の直
線軌道に沿って移動されながら、搬出コンベア4へのナ
ス排出位置S1 に至ると、ナス排出機構のシリンダ装置
305が作動してピストンロッド3052を介し二股状
の作動片3053を下動させて、移動ホッパー3の側壁
から底部を形成している一対のホッパー片3022の下
端を開き、集積保持している4個のナスPを下方の搬出
コンベア401上に落下排出させる。
【0105】一方、グループCC ,CD の固定ホッパー
2によってM,左向きのナスPが4個集積された移動ホ
ッパー3のナスPの排出は、該移動ホッパー3を180
°転向回動させて固定ホッパー2下方の軌道から横方向
にズレた直線軌道に移し、前記搬出コンベア4と交叉す
るナス排出位置S2 において、前記と同様にして集積保
持している4個のナスPを下方の搬出コンベア401上
に落下排出させるようにしている。なおこの移動ホッパ
ー3から搬出コンベア4へのナス落下排出時には、跳ね
上がり防止機構306を動作させることで、搬出コンベ
ア4上でナスを整列状態に安定して排出させることがで
きる。本例ではこのようにすることで、右向きに集積さ
れたナスPと左向きに集積されたナスPは、搬出コンベ
ア401上に落下排出された時点では向きが同じとな
り、図3の小袋詰S作業部5に送られる各一まとめ4個
のナスPは常に一定の方向に向いた姿勢とできる。
【0106】図15は以上の移動ホッパー3から搬出コ
ンベア4への排出制御の手順の一例を示したフローチャ
ートである。
【0107】すなわち、所定個数(この例では4個)の
ナスPが集積された移動ホッパー3につき、ステップ4
01においてこれに集積されているナスPが右向きか左
向きかが調べられ(確認され)、右向きである場合には
ステップ410に移行して右向きナス排出位置S1 に至
っているか否かが調べられる。次にナス排出位置S1
至っている場合には、搬出コンベア4がナスPの受け入
れが可能か否かを調べて(ステップ411)、可の場合
には排出を行う(ステップ412)。不可の場合には図
示していないが当該搬出コンベア4の移動を行うか、あ
るいは移動ホッパーコンベア301の移動を一時停止さ
せるようにすることもできる。
【0108】一方、移動ホッパー3に集積されているナ
スPが左向きの場合には、ステップ420に移行し、移
動ホッパー3が180°転向してナス排出位置S2 に至
っているか否かが調べられ、その後はステップ420〜
422で前記と同じように排出制御が行われる。
【0109】(5)その他の処理 前記により搬出コンベア4のコンベアベルト401に仕
切り402で区画されている受け入れ位置に落下された
ナスPは、搬出コンベア4の回動により選別コンベア1
の搬送横方向に搬出され、図3に示した小袋詰作業部5
で手作業あるいは機械包装装置で袋詰めの作業が行われ
る。
【0110】袋詰めされたナスPは、更に移送コンベア
6で箱詰作業部7に送られ、箱詰包装される。
【0111】以上のようにしてナスPについて行われる
本例の農産物の仕分けによれば、選別コンベア1で搬送
される多数の農産物を、同じ仕分区分のものについて多
数設けた排出装置103で、多数固定配置した固定ホッ
パー2に排出することができるので仕分を迅速に行うこ
とができると共に、この固定ホッパー2において端部揃
えを一つづつの農産物について確実に行えるという利点
がある。また、固定ホッパー2の下方に沿って無端循環
する移動ホッパー3により、所定個数になるまで各固定
ホッパー2から農産物を受け入れ、かつこの移動ホッパ
ー3の無端循環する軌道の途中で搬送横方向への搬出コ
ンベア4に農産物を排出するようにしているので、固定
ホッパー毎(あるいは二又は三個程度のグループ毎)に
必要としていた従来の引出しコンベアを設ける必要がな
く、稼働部分の構成が少ないので設備を安価に構成する
ことができる。
【0112】更に、本例においては、無端循環する移動
ホッパーコンベア301の固定ホッパー2,選別コンベ
ア1の下方に位置する直線軌道、あるいは該軌道と並行
する側方にずれた直線軌道の途中の位置で搬出コンベア
4への排出を行うようにしているので、右向き及び左向
きの農産物を同じ方向の向きに揃えて搬出することがで
き、包装作業が簡易とできる。また、選別コンベア1の
側方にずれた位置で搬出コンベアに排出する場合には、
上部空間の余裕があり、排出機構305や落下した農産
物(ナス)の跳ね上がり防止機構の設置が容易に行える
という利点も得られる。
【0113】また更に、並設した二条(あるいはそれ以
上)の選別コンベアに対して、本例のように搬出コンベ
アを共用することもできるので、装置の稼働部分の削減
という利点は一層有利に実現できる。
【0114】更に、本例において、図示しないが搬出コ
ンベアを一つの仕分装置に対して複数台設けることもで
きる。この搬出コンベアの台数は、例えば包装作業部の
能力に応じて決められるもので、仕分け量に対して包装
能力が劣る場合、仕分け量を処理可能な複数台の包装作
業部を設置することに関連してその台数が決められる。
こうすることにより、設備全体の稼働効率を適切にコン
トロールすることができる利点が得られる。
【0115】実施形態2 前記実施形態1は、単位仕分ブロック10がそれぞれ単
一の仕分区分の農産物を向き別に仕分けるように設けら
れているが、本例においては、一つの仕分ブロック10
が、二以上の複数の仕分区分を仕分けるように構成され
ている点で異なる。ただし、装置の構成は実施形態1と
全く同じものを用いることができ、一つの仕分ブロック
内の多数の排出装置103を、農産物の仕分区分別に所
定の農産物を排出するように設定すると共に、移動ホッ
パー3が同じ仕分区分の農産物のみを受け入れるように
設定し、制御することで、本例の仕分けを実施すること
ができる。
【0116】例えば、図1の装置において、前記実施形
態1では右向きナスの仕分のために二グループの固定ホ
ッパー2(8個)を用い、左向きナス仕分のために下流
側の8個の固定ホッパーを用いるものとしているが、本
例においては、このうちの上流側の8個を、例えば仕分
区分Sの農産物の向き別(右向き及び左向き)仕分に用
い、下流側の8個を仕分区分Lの向き別(右向き及び左
向き)仕分に用いるようにする。
【0117】本例のこのような構成によれば、分布量が
少ない仕分区分の農産物の仕分区分別向き別の仕分を、
一条の選別コンベアに沿って配置した一つの単位仕分ブ
ロックで行うことができ、設備全体の効率的な運用が図
れる。
【0118】実施形態3 前記の実施形態1は、上流側の8個の排出装置103を
大きさMで右向きの農産物仕分け用、下流側の8個の排
出装置103を大きさMで左向きの農産物仕分け用とし
た例を示し、また、各移動ホッパー3については予め仕
分区分(この場合は全部仕分区分はM)及び向き別に予
め割り当てを固定した場合のものであるが、本例は、各
移動ホッパー3が受け入れる農産物の向きについては予
めの割当を行わず、固定ホッパー2の受入れ状態に応じ
て、適当する位置の移動ホッパー3の受け入れる農産物
の向きを割り当てる方式を採用したものである。
【0119】例えば、仕分区分Mの農産物を仕分ける仕
分ブロックにおいて、上流側の右向き農産物を受け入れ
る固定ホッパー2に偏って農産物が選別コンベア1によ
り搬送されてくる場合には、4個の固定ホッパー2が四
つ一まとめとなる受け入れ状態となった時点で、速やか
に移動ホッパー3への排出を行うことが望ましい。
【0120】これは次のように説明される。すなわち、
農産物が右向き姿勢のものに偏って搬送されてくるた
め、実施形態1のように、移動ホッパー3を右向き受入
れ用と左向き受入れ用とを交互一連にした形式では、左
向き受入れ用の移動ホッパー3が排出位置にきてもパス
しなければならず、固定ホッパー2からの排出がその分
遅れることになる。そのために図13で説明したオーバ
ーフローする右向き農産物の量が多くなってしまうとい
う問題を招くからである。
【0121】そこで本例では、例えば仕分区分Mの仕分
ブロック10Mでは、4個の固定ホッパー2が四つ一ま
とめとなる受け入れ状態となった時点で、これらを迅速
に排出するのに最も適した位置にある移動ホッパー3に
対し、右向き農産物の受入れを割り当てるようにしたの
である。
【0122】このような受入れ農産物の向きの割り当て
は、図示しない受入れ農産物の向き割当手段(通常はコ
ンピュータを用いた制御手段)により行うことができ
る。割り当て、移動に伴って順次Lの農産物を三個受け
入れるようにすることができる。前記のようにして四個
一まとめとした仕分区分Mの農産物を受け入れたこの移
動ホッパー3は、搬出コンベア4への排出位置(S1
はS2 )まで移動して搬出コンベアに該一まとめの農産
物を排出し、その時点で図示しない割当解除手段(上述
のコンピュータを用いた制御手段)で割当を解除する更
新制御が行われる。仕分区分Mの左向きの農産物につい
ても同様にして移動ホッパー3に対する向きの割り当て
とその解除が行われる。また、他の仕分区分について
も、一まとめの個数が異なる場合は、それに対応して集
積数を変更して同じ更新制御を行うことができる。
【0123】また、一つの単位仕分ブロックで複数の仕
分区分についての向き別の仕分を行う場合に、本例の移
動ホッパーに対する割当の更新制御を行うには、向きと
仕分区分の双方を割り当てればよい。
【0124】本例によれば、同じ仕分区分の農産物の向
きが一方に偏って搬送されてくる場合にも、迅速に仕分
処理できるという利点がある。また例えば、比較的に分
布の少ない仕分区分についての向き別仕分けを行う場合
に、単位構成の仕分ブロックを効率よく運用できる点で
有利である。したがって、分布の多い仕分区分について
は各単位構成の仕分ブロックが単一の仕分区分について
の向き別の仕分を行い、分布の少ない仕分区分について
は本例の単位構成の仕分ブロックを複数の仕分区分の向
き別仕分け用とすることで、設備全体の効率的な運用を
実現できる。
【0125】実施形態4 図16に示した本例は、一つの仕分ブロックにおいて二
以上の複数の仕分区分の農産物を向き別に仕分ける場合
の前記実施形態2の更に改良した実施形態の例を示した
ものである。
【0126】すなわちこの例では、一つの仕分ブロック
において、搬出コンベア4を二つの仕分区分別(図示例
ではLとM)の専用に設けて、仕分区分(LとM)別に
設けられた専用の包装装置等に送給するようにしている
という特徴がある。また二条並設した選別コンベア1に
対応する単位仕分ブロックを配置し、搬出コンベア4の
軌道を、これらの二条並設する各単位仕分ブロックに渡
って配設することで共用し、一方の搬出コンベア(L
用)は並設二条の選別コンベアから右向き、左向きの仕
分区分Lのナスが常に一定の方向に向くように排出位置
を変えて揃えて搬出させ、もう一方の搬出コンベア(M
用)は並設二条の選別コンベアから右向き、左向きの仕
分区分Mのナスが常に一定の方向に向くように排出位置
を変えて揃えて搬出するように構成したという特徴的な
構成を有している。
【0127】このような並設する二条(あるいは三条以
上であってもよい)の搬出コンベア4に対して搬出コン
ベアを共用すれば、従来の仕分装置に比べて、コンベア
等の駆動機構をより一層削減できるという利点がある。
【0128】
【発明の効果】選別コンベアから仕分区分別に排出した
農産物を各位置で横方向に引出す従来の仕分装置では、
各仕分区分毎に引出しコンベアが必要で、排出位置が増
えればその分引出しコンベアの数が増え、多数の引出し
コンベアが選別コンベアの搬送方向に沿って配置される
ために選別コンベアが長くなり、間欠駆動する引出しコ
ンベアのためのモータ,チェ−ンコンベア等の装置類や
駆動制御のためのセンサ類の個数が多くなり、また、選
別コンベアから複数の位置で農産物を排出する場合に、
ホッパーを仲介させて横方向への引出しコンベアを共用
するようにしても、一つの引出しコンベアで共用できる
排出位置はせいぜい二つか三つが限界であるという問題
があるのに対し、本願請求項1の発明においては、選別
コンベア下方に多数固定配置した固定ホッパーと、無端
循環して同じ仕分区分の農産物を所定個数集積するまで
受け入れて一まとめにする一連の移動ホッパーを利用し
て、一まとめの農産物を横方向に搬出する搬出コンベア
を少なくとも一つとすることができるものであるから、
従来のような仕分区分別の引出しコンベアは不要とな
り、選別コンベアからの排出位置を多数としても、設備
の設置面積を小さくすることができ、またコンベア数が
少ないのでモータやリンクチェーン機構、制御のための
センサ等を削減でき、安価な装置を提供することができ
る。
【0129】特に、選別コンベアに沿って同じ仕分区分
の農産物に対する排出装置、固定ホッパーを多数配置す
ることができるので、仕分区分の発生頻度に応じて一つ
づつ受け入れることに支障はなく、また、移動ホッパー
の無端循環の軌道を選別コンベアの搬送方向に沿って設
定するので、多数の固定ホッパーに対して一つの無端循
環機構で対応でき、しかもこの移動ホッパーから選別コ
ンベアの横方向に一まとめの農産物を順次取出す搬出コ
ンベアも一台(必要により複数台)で対応できるとい
う、設備の低コスト化に極めて有益な効果が得られる。
【0130】そしてこの発明の装置によれば、選別コン
ベアに対して長物農産物の向きを特に考慮せずに載せて
も、固定ホッパーから移動ホッパーに排出する長物農産
物の向きの排出管理をするだけで一まとめに包装(袋詰
め、箱詰め、束ね)される農産物を常に確実に同じ向き
に整える(揃える)ことができ、選別仕分場における作
業の簡易化の要望と、販売市場におけるヘタの向きを揃
えるなどの要望とを同時に満足させることができる。
【0131】また、引出しコンベアは包装装置の能力と
は直接関係なく数多く必要とされていた従来の装置に比
べて、本願請求項1の発明では、包装装置の能力に応じ
て搬出コンベアの設置台数を決めることができるので、
包装装置を高効率で利用でき、また複数の引出しコンベ
アから引出した一まとめの農産物を合流させる構成も必
要がなく、同じ駆動機構を重複して使用するという問題
がなく、設備コストが嵩んでいた仕分装置の問題を大幅
に軽減することができる。
【0132】各固定ホッパーが、受け入れた農産物の一
端部を所定位置に位置決めする端部揃え手段を有する請
求項2,3の発明によれば、農産物は、所定個数を集積
するだけでなく、その端部を揃えて包装作業部に搬出す
ることができる。なお、端部揃えは、固定ホッパーに受
け入れて保持する農産物が常に一個であるようにして装
置を作動させる場合に、農産物同士の擦れ合いがないた
め例えばナス等では特に好ましく実施され、このような
一個づつの端部揃えは、従来の装置では実施できない本
願発明に特有の極めて優れた効果である。
【0133】請求項4の発明によれば、設備の高さを低
くできるという利点が得られ、また請求項5の発明によ
れば、設備の高さを低くできることに加えて、農産物が
選別コンベア上をランダムな姿勢(向き)で搬送されて
いるにも拘らず、一つの移動ホッパーの無端循環軌道の
うちの並行な直線軌道部分それぞれに設けた排出位置か
ら排出する一まとめの農産物の向きを搬出コンベア上で
は同じ向きとでき、包装作業部(手作業部あるいは機械
包装作業部)には常に一定の向きで農産物を供給するこ
とができて、包装作業の単純化、簡易化を実現できる。
【0134】請求項6の発明によれば、移動ホッパーを
所定の長さに区切ることで単位仕分ブロック毎に排出制
御を行うことができて、制御を簡易化ができる。
【0135】請求項7の発明によれば、一条の選別コン
ベアに沿って配置されて一つの仕分区分の農産物を向き
別に仕分るために用いられる単位仕分ブロックを含むの
で、この仕分ブロックにおける排出制御を簡易とでき
る。
【0136】請求項8の発明によれば、一つの単位仕分
ブロックの組内で、二つ(又はそれ以上)の仕分区分の
農産物を仕分区分別向き別に仕分けることができ、例え
ば比較的仕分処理量の少ない仕分設備用、あるいは他に
比べて分布量が少ない仕分区分用として好ましく採用す
ることができる。
【0137】請求項9の発明によれば、分布の多い仕分
区分に対しては請求項7の構成の単位仕分ブロックを一
つ(又は複数)対応させ、分布の少ない仕分区分に対し
ては請求項8の構成の単位仕分ブロックを対応させるこ
とができて、仕分区分によって必ずしも分布比率が一定
していなくとも、それぞれの分布量に応じた効率的な運
用を行える効果がある。
【0138】請求項10の発明によれば、選別コンベア
上で多数の農産物の姿勢がランダムで、また二つの姿勢
の割合が不定であっても、移動ホッパーに同じ向きの農
産物を受入れる作業を効率よく行うことができる。な
お、一つの単位仕分ブロックで複数の仕分区分の農産物
を仕分ける場合には、発明の移動ホッパーの受入れ農産
物を決める更新制御を農産物の向きについてでだけでな
く仕分区分及び向きについても行うことができる。また
更にこの発明によれば、選別コンベア上で搬送される農
産物の向きの割合が一定でなく一方に偏っているような
場合であっても、移動ホッパーが受入れる農産物の向き
の割り当てを迅速にかつ効率よく行うことができる。
【0139】請求項11の発明によれば、固定ホッパー
から移動ホッパーへの排出制御が簡易とできる。
【0140】請求項12の発明によれば、選別コンベア
の搬送方向に沿って多数配置されている固定ホッパーが
受け入れる農産物の向きの設定についての設計の自由度
が高く、例えば、一つの仕分区分仕分用として設けられ
た単位仕分ブロックにおいて、上流側に右向き用固定ホ
ッパー、下流側に左向き用固定ホッパーを群を分けて配
置するような場合に、上述した更新制御方式を採用する
と、選別コンベアの搬送方向上流側において移動ホッパ
ーが優先的に受入れ決定が行われるが、この発明によれ
ばこの問題がなく、上流側,下流側の位置による優先性
は考慮しなくてよいという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における単位構成の仕分装
置の構成概要を示す正面図。
【図2】一連の移動ホッパーが無端循環する状態を説明
するための平面図。
【図3】選別コンベアに対して複数の仕分装置を設置し
た仕分設備の全体を示した平面図。
【図4】選別コンベアと、固定ホッパー,移動ホッパー
及び搬出コンベアを含めて縦断側面で示した図。
【図5】図4の選別コンベアから移動ホッパーに至る範
囲を拡大して示した図。
【図6】図5の側面図。
【図7】固定ホッパーの平面図。
【図8】移動ホッパーのナス排出機構を説明するための
側面図。
【図9】図8の正面図。
【図10】移動ホッパーの平面図。
【図11】移動ホッパーから搬出コンベアにナスを排出
した時の跳ね上がり防止機構を示した正面図。
【図12】選別コンベア上の農産物の仕分区分及び向き
を計測・判定する制御の一例を示したフローチャート。
【図13】選別コンベアから固定ホッパーに農産物を排
出する制御の一例を示したフローチャート。
【図14】固定ホッパーから移動ホッパーに農産物を排
出する制御の一例を示したフローチャート。
【図15】移動ホッパーから搬出コンベアに農産物を排
出する制御の一例を示したフローチャート。
【図16】実施形態4における単位構成の仕分装置の構
成概要を示す正面図。
【符号の説明】
1・・・選別コンベア 101・・・リンクチェーン 1011・・・軸 102・・・支持台(農産物(ナス)支持台) 1021・・・棒材 103・・・排出装置 104・・・ガイドレール 105・・・縦枠 106・・・横枠 1061・・・フレーム 10611・・・水平面部 10612・・・垂直面部 10613・・・案内板 1062・・・(固定ホッパー用)横枠 1063・・・ブラケット 107・・・装置固定部 2・・・固定ホッパー 201・・・底部片 2011・・・枢支軸 2012・・・フランジ 2013・・・連結ピン 202・・・底部開閉駆動機構 2021・・・(排出制御用)シリンダ装置 20211・・・シリンダボディ 20212・・・ピストンロッド 20213・・・連結ピン 2022・・・リンク 203・・・端部揃え機構 2031・・・(端部揃え用)シリンダ装置 20311・・・シリンダボディ 20312・・・ピストンロッド 2032・・・押圧板 2033・・・ガイドバー 3・・・移動ホッパー 301・・・移動ホッパーコンベア 3011・・・駆動スプロケット 3012・・・従動スプロケット 3013・・・リンクチェーン 3014・・・ガイドレール 3015・・・モータ 302・・・ホッパー本体 3021・・・軸 3022・・・ホッパー片 30221・・・筒状部 30222・・・フランジ部 30223・・・排出作動従動片 30224・・・切り起こしフランジ 3023・・・リターンバネ 303・・・吊杆 304・・・ローラ 305・・・ナス排出機構(排出作動用シリンダ装置) 3051・・・シリンダボディ 3052・・・ピストンロッド 3053・・・作動片 3054・・・ローラ 306・・・跳ね上がり防止機構 3061・・・シリンダボディ 3062・・・ピストンロッド 3063・・・ブラケット 3064・・・スポンジローラ 3065・・・ガイドバー 3066・・・ガイドスリーブ 4・・・搬出コンベア 401・・・コンベアベルト 402・・・仕切り 403・・・ガイドレール 5・・・小袋詰作業部 6・・・移送コンベア 7・・・箱詰作業部 8・・・(バラ出荷用)搬出コンベア 9・・・計測装置 10・・・単位仕分ブロック(仕分ブロック) 10L・・・大きさL用の仕分ブロック 10M・・・大きさM用の仕分ブロック 10S・・・大きさS用の仕分ブロック。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部から他端部に渡る長さ方向の形状
    が対称でない長物農産物を搬送横方向に長い横向き姿勢
    で搬送する選別コンベアと、この選別コンベアで搬送さ
    れる長物農産物の仕分区分、及び前記一端部が搬送横方
    向の一方側に向いている第一の姿勢であるかあるいは他
    方側に向いている第二の姿勢であるかの向きを判定する
    仕分区分及び向きの計測・判定手段と、前記選別コンベ
    アの下方において搬送方向に沿って仕分区分別向き別に
    多数配置され、かつ選別コンベアから前記横向き姿勢の
    まま下方に排出される長物農産物の一個あるいは複数個
    を受け入れ、その後下方に排出する固定ホッパーと、前
    記選別コンベアに沿って各固定ホッパーに対応する位置
    に配置されて長物農産物の仕分区分及び向きに対応した
    前記固定ホッパーに排出させるために選別コンベアに排
    出動作を行わせる多数の排出装置と、前記多数の固定ホ
    ッパーの下方に沿った軌道を含んで無端循環しながら固
    定ホッパーから前記横向き姿勢のまま下方に排出される
    同じ仕分区分でかつ同じ向きの長物農産物が所定個数集
    積するまで受け入れ、その後集積した一まとめの長物農
    産物を下方に排出するように設けた多数一連の移動ホッ
    パーと、この移動ホッパーの無端循環軌道の下方におい
    てこれと交叉するように少なくとも一条配置され、かつ
    該移動ホッパーから下方に排出される一まとめの長物農
    産物を受け入れて前記選別コンベアの搬送横方向に搬出
    する搬出コンベアと、前記排出装置による選別コンベア
    から固定ホッパーへの長物農産物の排出、固定ホッパー
    から移動ホッパーへの長物農産物の排出、及び移動ホッ
    パーから搬出コンベアへの一まとめの長物農産物の排出
    をそれぞれ制御する各排出制御手段とを備えたことを特
    徴とする長物農産物の仕分装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、固定ホッパーは長物
    農産物を一個だけ受け入れるものであり、かつ各固定ホ
    ッパーは受け入れた農産物の片側端部を所定位置に位置
    決めする端部揃え手段を有することを特徴とする長物農
    産物の仕分装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、固定ホッパーは長物
    農産物を複数個受け入れるものであり、かつ各固定ホッ
    パーは、必要に応じて受け入れた複数個の農産物の片側
    端部を所定位置に位置決めする端部揃え手段を有するこ
    とを特徴とする長物農産物の仕分装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    移動ホッパーの無端循環軌道を、固定ホッパーの下方に
    沿った直線軌道及びこれに水平面内で並行する直線軌道
    と、これらの直線軌道両端で垂直軸回りに移動ホッパー
    を180°転向させる半円転向軌道とによって構成した
    ことを特徴とする長物農産物の仕分装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、無端循環する移動ホ
    ッパーに対し、その並行する前記直線軌道それぞれに渡
    って搬出コンベアが交叉するように設けると共に、移動
    ホッパーの一方の直線軌道に搬出コンベアが交叉する点
    を前記第一の姿勢の長物農産物の農産物排出位置とし、
    かつ移動ホッパーの他方の直線軌道に搬出コンベアが交
    叉する点を前記第二の姿勢の長物農産物の農産物排出位
    置としたことを特徴とする長物農産物の仕分装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    無端循環する一連の移動ホッパー、及びこれに対応する
    一群の固定ホッパーと搬出コンベアを含む組からなる単
    位仕分ブロックを、選別コンベアの搬送方向に沿って複
    数組有することを特徴とする長物農産物の仕分装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記単位仕分ブロッ
    クの少なくとも一つが、単一の仕分区分の農産物を向き
    別(第一の姿勢と第二の姿勢の別)に仕分けるものであ
    ることを特徴とする農産物の仕分装置。
  8. 【請求項8】 請求項6において、前記単位仕分ブロッ
    クの少なくとも一つが、異なる仕分区分用に割り当てら
    れた固定ホッパーを含み、各仕分区分毎に農産物を向き
    別(第一の姿勢と第二の姿勢の別)に仕分けるものであ
    ることを特徴とする農産物の仕分装置。
  9. 【請求項9】 請求項7の単位仕分ブロックと請求項8
    の単位仕分ブロックの双方を、一条の選別コンベアの搬
    送方向に沿って有することを特徴とする農産物の仕分装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかにおい
    て、固定ホッパーから移動ホッパーへの長物農産物の排
    出制御は、空の状態の移動ホッパーのうちから一つを選
    択して受け入れる長物農産物の向きを割り当てて長物農
    産物の受け入れを開始した後、一まとめに集積した長物
    農産物を搬出コンベアに排出するまでの工程を一サイク
    ルとして、移動ホッパーが受け入れる長物農産物の向き
    の割り当てを該一サイクル毎に更新するものであること
    を特徴とする長物農産物の仕分装置。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし9のいずれかにおい
    て、各単位仕分ブロックの固定ホッパーから排出される
    長物農産物を受け入れる各移動ホッパーは、受け入れる
    長物農産物の向きが予め定められていることを特徴とす
    る農産物の仕分装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、各単位仕分ブロ
    ックの一連の各移動ホッパーに定められている長物農産
    物の向きの設定は、該移動ホッパーの無端循環方向に関
    し均等に分布するように行われていることを特徴とする
    農産物の仕分装置。
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