JPH11290092A - 光学活性アルコールの製造方法および使用される微生物 - Google Patents
光学活性アルコールの製造方法および使用される微生物Info
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- JPH11290092A JPH11290092A JP9614298A JP9614298A JPH11290092A JP H11290092 A JPH11290092 A JP H11290092A JP 9614298 A JP9614298 A JP 9614298A JP 9614298 A JP9614298 A JP 9614298A JP H11290092 A JPH11290092 A JP H11290092A
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Abstract
ルの製造方法を提供する。 【解決手段】一般式 化1 【化1】 [式中、A1は、ハロゲン原子、−NR1R2基(ここで、
R1およびR2は同一または相異なり、水素原子、置換さ
れていてもよいアルキル基等を表す)等を表し、A
2は、水酸基、C1−C4アルコキシ基等を表し、A
3は、酸素原子または硫黄原子を表し、A4は、水素原子
またはC1−C4アルキル基を表し、A5は、水素原
子、アルキル基等を表す。]で示される化合物に、該化
合物に作用しこれを光学活性な一般式 化2 【化2】 (式中、A1〜A5は、前記と同じ意味を有し、*は不斉
炭素を表す。)で示されるアルコール化合物に不斉還元
する能力を有する還元酵素を作用させ、光学活性な一般
式 化2で示されるアルコール化合物を選択的に生成さ
せることを特徴とする光学活性アルコール化合物の製造
方法。
Description
ルの製造方法に関するものである。
性な一般式 化3
基、−NHCOR3基または−NHSO2R4基(ここ
で、R1およびR2は同一または相異なり、水素原子、置
換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよい
アリール基、置換されていてもよいアラルキル基もしく
は置換されていてもよいシクロアルキル基を表すか、ま
たは、R1とR2とが末端で結合し、酸素原子または窒素
原子を含んでいてもよいC2−C6の置換されていても
よい複素環を形成することもできる。R3およびR4は、
水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換され
ていてもよいアリール基または置換されていてもよいシ
クロアルキル基を表す。)を表し、A2は、水酸基、C
1−C4アルコキシ基、フェニルオキシ基またはベンジ
ルオキシ基を表し、A3は、酸素原子または硫黄原子を
表し、A4は、水素原子またはC1−C4アルキル基を
表し、A5は、水素原子、アルキル基、アルケニル基ま
たはアルキルカルボニル基を表し、*は不斉炭素を表
す。]で示されるアルコール化合物は、抗喘息剤、抗気
管支炎剤、気管支拡張剤、抗高脂血症剤、抗動脈硬化
剤、抗肥満剤などの種々の医薬品及び医薬中間体として
有用である(EP−147719、WO952510
4)。該化合物の製造法としては、一般式 化4
5は、前記と同じ意味を有す。)で示される化合物を、
水素化ホウ素ナトリウム等による還元(特開昭52−8
3379)、パラジウム等の金属触媒の存在下での接触
還元(特開昭53−9777)等により上記一般式 化
3で示されるアルコール化合物に導いた後、該化合物を
光学分割剤を用い分割して一方の光学活性体を得る方法
が知られている(EP−147719)。また、一般式
化4で示される化合物を、例えば、ボラン−テトラヒ
ドロフラン錯体と(R)−テトラヒドロ−1−メチル−
3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2-C][1,3,
2]オキサアザボロールとを用いて不斉還元して一般式
化3で示される構造を有する光学活性なアルコール化合
物の一方を直接得る方法も開示されている(WO952
5104)。しかし、これらの有機合成的手法による製
法は、必要工程数および得られるアルコール化合物の光
学純度等の点で、工業的製法としては必ずしも充分なも
のとは言い難い。
な状況下、より簡便な、光学活性な前記一般式 化3で
示されるアルコール化合物の製造方法につき鋭意検討を
行った結果、特定の能力を有する還元酵素を用いる生化
学的手法を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、
前記一般式 化4で示される化合物に、該化合物に作用
しこれを光学活性な前記一般式 化3で示されるアルコ
ール化合物に不斉還元する能力を有する還元酵素を作用
させ、光学活性な前記一般式 化3で示されるアルコー
ル化合物を選択的に生成させることによる光学活性アル
コール化合物の製造方法(以下、本発明製造方法と記
す。)および該方法に有用な新規微生物を提供するもの
である。
て用いられる、上記一般式 化4で示される化合物は、
例えば特開昭52−83379号公報に記載の方法に準
じて、下記の一般式 化5で表される化合物と一般式
化6で表されるα−ハロアルカン酸ハライドとを、塩化
アルミニウム等のフリーデル−クラフト触媒の存在下、
二硫化炭素、ニトロベンゼン等の溶媒中で−10℃〜溶
媒の沸点の温度範囲で反応させるか、このようにして得
られるハライドにさらに一般式 化7で表される化合物
を反応させるか、または、ここで得られるアミン(R1
およびR2が共に水素原子である化合物)に、一般式
化8で示される酸ハライドもしくは化9で示されるスル
ホニルハライドを反応させることにより得ることができ
る。これらの反応は、無溶媒中またはエーテル、ジオキ
サン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の適当
な不活性反応溶媒中で通常、室温〜溶媒の沸点の範囲で
行われる。
る。)
子を表し、A4は、前記と同じ意味を有する。)
活性な上記一般式 化3で示されるアルコール化合物に
おいて、A1で示されるハロゲン原子とはフッ素原子、
塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味し、R1、
R2、R3およびR4で示される置換されていてもよいア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、イソブチル基、ブチル基、tert−ブ
チル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、
ブロモジフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、1
−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、パーフルオロ
エチル基、2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオ
ロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル
基、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル基、
2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロエチル基、2,
2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロ
ロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2−フ
ルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチ
ル基、2−ヨードエチル基、2,2−ジフルオロエチル
基、2,2−ジクロロエチル基、2,2−ジブロモエチ
ル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル
基、3−ブロモプロピル基、3−ヨードプロピル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、2−フルオ
ロプロピル基、2−クロロプロピル基、2−ブロモプロ
ピル基、2−ヨードプロピル基、2,3−ジブロモプロ
ピル基等があげられ、置換されていてもよいシクロアル
キル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等があげられ、置
換されていてもよいアリール基としては、フェニル基、
2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−ク
ロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ヒドロ
キシフェニル基、4−メチルフェニル基等があげられ、
R1およびR2で示される置換されていてもよいアラルキ
ル基としては、1−メチル−2−(4−メトキシフェニ
ル)エチル基、2−メチル−2−(4−メトキシフェニ
ル)エチル基、2−メチル−3−(4−メトキシフェニ
ル)ブチル基等があげられ、また、R1とR2とが末端で
結合して形成される酸素原子または窒素原子を含んでい
てもよいC2−C6の置換されていてもよい複素環とし
ては、ピペラジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モ
ルホリノ基、4−メチル−ピペラジノ基、4−フェニル
ピペリジノ基等があげられる。
しては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ
基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソ
ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−
ブチルオキシ基等があげられ、
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基等があげられ、
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオ
ペンチル基、tert−ペンチル基、1−エチルプロピ
ル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブ
チル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、
3−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基等が
あげられ、アルケニル基としては、アリル基、1−メチ
ル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル
基、3−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブ
テニル基等があげられる。
合物を化合物番号とともに表1に例示する。
ては、一般式 化4で示される化合物を光学活性な一般
式 化3で示されるアルコール化合物に不斉還元する能
力を有する還元酵素であればよく、例えば、微生物由来
の還元酵素をあげることができる。具体的には、アース
リニウム(Arthrinium)属、クロエッケラ(Kloeckera)
属、レンジテス(Lenzites)属、ペニシリウム(Penicilli
um)属、ピキア(Pichia)属、ロドスポリジューム(Rhodos
poridium)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、スキゾサッ
カロマイセス(Schizosaccharomyces)、スポロボロマイ
セス(Sporobolomyces)属等に属する微生物に由来する還
元酵素をあげることができる。より具体的には、アース
リニウム・ファエオパーマム(Arthrinium phaeopermum)
ATCC6732株、クロエッケラ・アフリカーナ(Kloeckera
africana) IFO 0868株、クロエッケラ・アフリカーナ I
FO 0869株、レンジテス・ベツリナ(Lenzites betulina)
IFO 4963株、ペニシリウム・シトリナム(Penicillium
citrinum) IFO4631株、ピキア・アノマラ(Pichia anoma
la) SC-1204株、ピキア・アノマラ SC-1423株、ロドス
ポリジューム・ジオボバタム(Rhodosporidium diobovat
um) IFO 0688株、ロドトルラ・グルチニス・バー・ダイ
レネンシス(Rhodotorula glutinis var.dairenensis) I
FO 0415株、ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra) I
FO 0901株、ロドトルラ・ルブラ SC-87株、ロドトルラ
・ルブラ SC-137株、スキゾサッカロマイセス・ポンベ
(Schizosaccharomyces pombe) IFO 0346株、スポロボロ
マイセス・サルモニコロー(Sporobolomyces salmonicol
or) IFO 0374株等に由来する還元酵素を挙げることがで
きる。還元酵素としては、上記のような菌株が産生する
還元酵素であっても、これらの菌株から誘導された突然
変異株が産生する還元酵素であっても、これらの菌株か
らクローニンク゛された遺伝子が導入された遺伝子組換え株が
産生する還元酵素であってもよい。
ア・アノマラ SC-1423株、ロドトルラ・ルブラ SC-87
株、ロドトルラ・ルブラ SC-137株は、本発明者らが自
然界より分離した微生物であり、その菌学的性質は以下
のとおりである。
r-van Rij: "The Yeasts" (1984) Elsevier Science Pu
blishers B. V. 及び J.A.Barnett, R.W.Payne and D.
Yarrow: "Yeasts: Characteristics and identificatio
n" 2nd edition (1990) Cambridge University Press
により検索した結果から、SC-1204株、及びSC-1423株は
ピキア・アノマラ(Pichia anomala)であり、SC-87株、
及びSC-137株はロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubr
a)であると同定された。なお、これらの菌株は、工業技
術院生命工学工業技術研究所に寄託されており、その寄
託番号は、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)SC-1204
株がFERM−P16740、ピキア・アノマラ(Pichi
a anomala)SC-1423株がFERM−P16741、ロド
トルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)SC-87株がFERM
−P16738、ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rub
ra)SC-137株がFERM−P16739である。
る微生物を、通常使用される炭素源、窒素源、有機塩、
無機塩等を適宜含む各種培地を用いて培養することによ
って得ることができる。炭素源としては、グルコース、
シュークロース、グリセロール、澱粉、有機酸、廃糖蜜
等があげられる。窒素源としては、酵母エキス、肉エキ
ス、ペプトン、カザミノ酸、麦芽エキス、大豆粉、コー
ンスティープリカー(corn steep liquor)、綿実粉、
乾燥酵母、硫安、硝酸ナトリウム等があげられる。有機
塩や無機塩としては、カリウム、ナトリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛、ア
ンモニウム等の塩化物、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩類、炭
酸塩類等、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、燐酸水素一カリウム、燐酸水素二
カリウム、炭酸カルシウム、酢酸アンモニウム、硫酸マ
グネシウム、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄、塩化コバ
ルト等をあげることができる。微生物の培養は、一般微
生物における通常の方法に準じて行うことができ、固体
培養、液体培養(試験管振盪培養、フラスコ培養、ジャ
ーファーメンター培養等)いずれも可能である。培養温
度や培養pHは、微生物が生育する範囲であればよく、
約15℃〜約45℃の範囲、pH約4.0〜約8.0の
範囲が通常である。培養時間は、種々の培養条件によっ
て異なるが、通常、約1日間〜約7日間である。還元酵
素を含む培養物はそのまま反応に供することができ、該
培養物から遠心分離等の方法で菌体を集め、緩衝液もし
くは水にて洗浄した湿菌体を反応に供することもでき
る。また、前記のような湿菌体から公知の方法にて還元
活性画分を取り出した酵素、または湿菌体もしくは酵素
を公知の方法にて固定化した固定化物を反応に供するこ
ともできる。
の一般式 化4で示される化合物に作用させるときに
は、該化合物は、反応系における濃度が、例えば、約1
×10 -3%(w/v)〜約20%(w/v)となるよう
添加すればよく、還元酵素は、反応系における濃度が、
約0.1%(w/v)〜約30%(w/v)の範囲とな
るよう添加すると一般的に良い。反応温度、反応pH、
反応時間は、例えば、約0℃〜約60℃の範囲、pH約
3〜pH約10の範囲、約0.5時間〜約10日間の範
囲で行うとよい。反応溶媒としては、水、緩衝液、微生
物培養液等があげられ、必要に応じて水溶性有機溶媒、
脂溶性有機溶媒を適当量添加することもできる。また、
グルコース、シュークロース、フルクトース、エタノー
ル等の炭素源を反応開始時、又は反応途中に加えること
により収率を向上させることが可能な場合がある。さら
に、カチオン性、アニオン性もしくはノニオン性の界面
活性剤を、1種もしくは複数添加してもよい。
ール化合物は、酢酸エチル、ジエチルエーテル、クロロ
ホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等の有機溶媒にて抽出することにより反応系から回収す
ることができ、さらに必要に応じて、蒸留、カラムクロ
マトグラフィー等の通常の方法により精製、単離するこ
とができる。
説明するが、本発明製造方法はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
g/Lグルコース、10g/Lペプトン、5g/L酵母
エキス、5g/Lりん酸水素二カリウム、3g/L硫酸
マグネシウム、ならびにそれぞれ0.01g/Lの硫酸
第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛および
硫酸銅を含む。pH6.0)100mLに、あらかじめ
同培地で培養したピキア・アノマラ SC-1204 株の培養
液1mLを植菌した。2日間27℃で振盪培養した後、
該培養液90mlを冷却下に遠心分離して菌体を集め、
これを90mlの100mMりん酸バッファー(pH
6.0)に懸濁した。この菌懸濁液10mlに、0.9
mgの8−ベンジルオキシ−5−クロロアセチルカルボ
スチリルを溶解させたジメチルスルホキシド0.9m
l、40%グルコース水溶液0.9ml、1%ドデシル
硫酸ナトリウム(SDS)水溶液0.3mlを添加して、
35℃にて2日間振盪した。該反応液を遠心分離し、そ
の上清を分析カラムSUMIPAX ODS−A212
(住化分析センター製)を用いたHPLC法で分析して
8−ベンジルオキシ−5−[(2−クロロ−1−ヒドロ
キシ)エチル]カルボスチリルの生成量を求め、8−ベ
ンジルオキシ−5−クロロアセチルカルボスチリルから
の変換率を算出したところ、変換率は100%であっ
た。さらに、CHIRALPAK AD(ダイセル製)
を用いて、生成した8−ベンジルオキシ−5−[(2−
クロロ−1−ヒドロキシ)エチル]カルボスチリルの光
学異性体比を分析したところ、R体が100%e.e.
であった。
Lグルコース、10g/Lペプトン、5g/L酵母エキ
ス、5g/Lりん酸水素二カリウム、3g/L硫酸マグ
ネシウム、ならびにそれぞれ0.01g/Lの硫酸第一
鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛および硫酸
銅を含む。pH6.0)10mLに、30%グリセロー
ル水溶液中に懸濁され−80℃にて凍結保存されていた
ピキア・アノマラ SC-1204株を1白金耳添加した。27
℃にて2日間振盪培養した後、該培養液に、8−ベンジ
ルオキシ−5−クロロアセチルカルボスチリル10mg
を溶解させたジメチルスルホキシド1ml、40%グル
コース水溶液1ml、1%ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)水溶液0.3mlを添加して、さらに27℃にて
振盪し、5日目及び6日目に40%グルコース水溶液1
mlを追加した。8日目に、該反応液を実施例1に記載
の方法にて分析し、8−ベンジルオキシ−5−[(2−
クロロ−1−ヒドロキシ)エチル]カルボスチリルの生
成量を求め、8−ベンジルオキシ−5−クロロアセチル
カルボスチリルからの変換率を算出した。変換率66%
で8−ベンジルオキシ−5−[(2−クロロ−1−ヒド
ロキシ)エチル]カルボスチリルが生成していた。生成
した8−ベンジルオキシ−5−[(2−クロロ−1−ヒ
ドロキシ)エチル]カルボスチリルの光学純度を実施例
1に記載の方法にて分析したところ、R体が100%
e.e.であった。
Lグルコース、10g/Lペプトン、5g/L酵母エキ
ス、5g/Lりん酸水素二カリウム、3g/L硫酸マグ
ネシウム、ならびにそれぞれ0.01g/Lの硫酸第一
鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛および硫酸
銅を含む。pH6.0)3mLの各々に、夫々30%グ
リセロール水溶液中に懸濁され−80℃にて凍結保存さ
れていたピキア・アノマラ SC-1423株、ロドトルラ・ル
ブラ SC-87株およびロドトルラ・ルブラ SC-137株を1
白金耳添加した。各々、27℃にて2日間振盪培養した
後、該培養液に、8−ベンジルオキシ−5−クロロアセ
チルカルボスチリル3mgを溶解させたジメチルスルホ
キシド0.3ml、40%グルコース水溶液0.3m
l、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液0.1
mlを添加して、さらに27℃にて5日間振盪した。夫
々の該反応液を実施例1に記載の方法にて分析し、8−
ベンジルオキシ−5−[(2−クロロ−1−ヒドロキ
シ)エチル]カルボスチリルの生成量を求め、8−ベン
ジルオキシ−5−クロロアセチルカルボスチリルからの
変換率を算出した。結果を表2に示す。生成した8−ベ
ンジルオキシ−5−[(2−クロロ−1−ヒドロキシ)
エチル]カルボスチリルの光学純度を実施例1に記載の
方法にて分析したところ、R体が100%e.e.であ
った。
高い光学活性アルコールの製造方法が提供可能になっ
た。
Claims (11)
- 【請求項1】一般式 化1 【化1】 [式中、A1は、ハロゲン原子、−NR1R2基、−NHC
OR3基または−NHSO2R4基(ここで、R1およびR
2は同一または相異なり、水素原子、置換されていても
よいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置
換されていてもよいアラルキル基もしくは置換されてい
てもよいシクロアルキル基を表すか、または、R1とR2
とが末端で結合し、酸素原子または窒素原子を含んでい
てもよいC2−C6の置換されていてもよい複素環を形
成することもできる。R3およびR4は、水素原子、置換
されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいア
リール基または置換されていてもよいシクロアルキル基
を表す。)を表し、A2は、水酸基、C1−C4アルコ
キシ基、フェニルオキシ基またはベンジルオキシ基を表
し、A3は、酸素原子または硫黄原子を表し、A4は、水
素原子またはC1−C4アルキル基を表し、A5は、水
素原子、アルキル基、アルケニル基またはアルキルカル
ボニル基を表す。]で示される化合物に、該化合物に作
用しこれを光学活性な一般式 化2 【化2】 (式中、A1、A2、A3、A4およびA5は、前記と同じ
意味を有し、*は不斉炭素を表す。)で示されるアルコ
ール化合物に不斉還元する能力を有する還元酵素を作用
させ、光学活性な一般式 化2で示されるアルコール化
合物を選択的に生成させることを特徴とする光学活性ア
ルコール化合物の製造方法。 - 【請求項2】微生物由来の還元酵素を用いる請求項1記
載の光学活性アルコール化合物の製造方法。 - 【請求項3】アースリニウム(Arthrinium)属、クロエッ
ケラ(Kloeckera)属、レンジテス(Lenzites)属、ペニシ
リウム(Penicillium)属、ピキア(Pichia)属、ロドスポ
リジューム(Rhodosporidium)属、ロドトルラ(Rhodotoru
la)属、スキゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)
属またはスポロボロマイセス(Sporobolomyces)属に属す
る微生物由来の還元酵素を用いる請求項1または2記載
の光学活性アルコール化合物の製造方法。 - 【請求項4】アースリニウム・ファエオパーマム(Arthr
inium phaeopermum)、クロエッケラ・アフリカーナ(Klo
eckera africana)、レンジテス・ベツリナ(Lenzites be
tulina)、ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citr
inum)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、ロドスポ
リジューム・ジオボバタム(Rhodosporidium diobovatu
m)、ロドトルラ・グルチニス(Rhodotorula glutinis)、
ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)、スキゾサッ
カロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)ま
たはスポロボロマイセス・サルモニコロー(Sporobolomy
ces salmonicolor)に属する微生物由来の還元酵素を用
いる請求項1〜3記載の光学活性アルコール化合物の製
造方法。 - 【請求項5】アースリニウム・ファエオパーマム(Arthr
inium phaeopermum) ATCC6732株、クロエッケラ・アフ
リカーナ(Kloeckera africana) IFO 0868株、クロエッ
ケラ・アフリカーナ IFO 0869株、レンジテス・ベツリ
ナ(Lenzites betulina) IFO 4963株、ペニシリウム・シ
トリナム(Penicillium citrinum) IFO4631株、ピキア・
アノマラ(Pichia anomala) SC-1204株(FERM-P16740)、
ピキア・アノマラ SC-1423株(FERM-P16741)、ロドスポ
リジューム・ジオボバタム(Rhodosporidium diobovatu
m) IFO 0688株、ロドトルラ・グルチニス・バー・ダイ
レネンシス(Rhodotorula glutinis var.dairenensis) I
FO 0415株、ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra) I
FO 0901株、ロドトルラ・ルブラ SC-87株(FERM-P1673
8)、ロドトルラ・ルブラ SC-137株(FERM-P16739)、スキ
ゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pom
be) IFO 0346株またはスポロボロマイセス・サルモニコ
ロー(Sporobolomyces salmonicolor) IFO 0374株由来の
還元酵素を用いる請求項1〜4記載の光学活性アルコー
ル化合物の製造方法。 - 【請求項6】基質化合物が、一般式 化1において、A
3が酸素原子であり、A4およびA5が水素原子である化
合物である請求項1〜5記載の光学活性アルコール化合
物の製造方法。 - 【請求項7】基質化合物が、一般式 化1において、A
1がハロゲン原子であり、A3が酸素原子であり、A4お
よびA5が水素原子である化合物である請求項1〜5記
載の光学活性アルコール化合物の製造方法。 - 【請求項8】ピキア・アノマラ(Pichia anomala) SC-12
04 (FERM-P16740)株。 - 【請求項9】ピキア・アノマラ(Pichia anomala) SC-14
23 (FERM-P16741)株。 - 【請求項10】ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubr
a) SC-87株(FERM-P16738)株。 - 【請求項11】ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubr
a) SC-137株(FERM-P16739)株。
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