JPH11289980A - 油脂組成物 - Google Patents
油脂組成物Info
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- JPH11289980A JPH11289980A JP10101184A JP10118498A JPH11289980A JP H11289980 A JPH11289980 A JP H11289980A JP 10101184 A JP10101184 A JP 10101184A JP 10118498 A JP10118498 A JP 10118498A JP H11289980 A JPH11289980 A JP H11289980A
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Abstract
感をクリスピーにし、また粉っぽさのない製菓類を製造
することのできる油脂組成物を提供すること。 【解決手段】 本発明の油脂組成物は、アミロペクチン
を80重量%以上含有するアルファ化澱粉が水で膨潤し
た状態で油脂中に分散しており、乳化物でないものであ
る。
Description
良する油脂組成物に関するものである。
次のようなものが挙げられる。特公昭63―57018
号公報には、水和澱粉を含有し、また自由水も含有する
油中水型エマルジョンスプレッドが開示されている。し
かし、これは油中水型の乳化状態であるので、水分離し
やすいという欠点があった。特開平4―207143号
公報には、乳化剤とデンプン類及び/又は酵素を含有す
る油脂組成物が開示されている。しかし、水で膨潤させ
た澱粉を使用することを開示するものではない。水で膨
潤させた澱粉を用いないと、配合物を混入させる配合槽
内や、それを移液する配管内での粉体の沈降、冷却可塑
化工程での製造機内部の摩耗等、製造上の問題が生じ易
いという欠点があった。特開平8―224057号公報
には、水で膨潤した化工デンプンのデンプン粒子が油脂
中に分散している油脂組成物が開示されている。しか
し、これはアミロペクチンを80重量%以上含有する澱
粉をアルファ化した澱粉を使用することを開示するもの
ではない。
は、特に、ビスケットやクッキー等の製菓類の食感をク
リスピーにし、また粉っぽさのない製菓類を製造するこ
とのできる油脂組成物を提供することにある。
ンを80重量%以上含有するアルファ化澱粉が水で膨潤
した状態で油脂中に分散しており、乳化物でない油脂組
成物を提供することにより、上記目的を達成したもので
ある。
て詳細に説明する。本発明の油脂組成物に使用される油
脂としては特に限定されないが、例えば、パーム油、パ
ーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ
油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚
脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、動物油
脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から
選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂等があ
げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、
又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。上記
油脂の配合量は、本発明の油脂組成物中、好ましくは2
0〜95重量%、更に好ましくは40〜90重量%であ
る。
を80重量%以上含有するアルファ化澱粉が用いられ
る。アルファ化澱粉中のアミロペクチン含有量が80重
量%未満のものを用いると、ビスケットやクッキーなど
の製菓類としたときの食感をクリスピーにすることがで
きない。アミロペクチンを80重量%以上含有する上記
アルファ化澱粉中のアミロペクチン含有量は、好ましく
は90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上であ
る。
やワキシーコーンスターチ等の、アミロペクチンを80
重量%以上含有する澱粉をアルファ化したものが挙げら
れる。これらのアルファ化澱粉は、単独で用いることも
でき、又は二種以上を組み合わせて用いることもでき
る。特に、アミロペクチンを80重量%以上含有するア
ルファ化もち米澱粉が好ましい。
油脂組成物中、好ましくは1〜30重量%、更に好まし
くは3〜15重量%、一層好ましくは5〜10重量%で
ある。1重量%よりも少ないとビスケットやクッキーな
どの製菓類としたときの食感をクリスピーにできないこ
とがあるので好ましくなく、30重量%よりも多いとビ
スケットやクッキーなどの製菓類としたときにかたくな
ってしまうことがあるので好ましくない。
ミロペクチンを80重量%以上含有する上記アルファ化
澱粉を水で膨潤させたものが用いられる。この水による
上記アルファ化澱粉の膨潤方法としては、例えば、粉体
混合機中に上記アルファ化澱粉の粉末を投入し、攪拌し
ながら水を噴霧する方法、及び油脂組成物を製造する
際、油脂中に上記アルファ化澱粉を粉末のまま添加し、
分散させ、上記アルファ化澱粉が分散した油脂に水を添
加することにより、該油脂中の上記アルファ化澱粉を水
で膨潤させる方法等がある。
られる水としては特に限定されず、通常の水道水、ミネ
ラルウォーター、イオン交換処理水、蒸留水等の何れで
あってもよい。これらの水は、単独で用いることもで
き、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、水は、そのpHや塩濃度、糖濃度等の水分活性を
調整したり、各種保存料を添加することによって細菌や
カビに対する安定性を向上させることも可能である。
重量部に対して、好ましくは20〜500重量部、更に
好ましくは22〜300重量部、一層好ましくは25〜
200重量部である。水の配合量が20重量部未満で
は、アミロペクチンを80重量%以上含有するアルファ
化澱粉が油脂組成物中で吸水膨潤せず、該澱粉の粉体成
分が配合槽内や配管内に沈降しやすくなり、不都合が生
じたり、油脂中に硬い粉体成分が含まれるため、冷却可
塑化工程での製造機内部の摩耗を早めてしまうなどの問
題を生じることがある。一方、水の配合量が500重量
部より多いと、油脂組成物中の水分含量が高くなりす
ぎ、上記アルファ化澱粉に保持できる水分量の限界を超
えるため、いわゆる乳化物になってしまい、油中水型の
乳化状態となってしまったり、また外相を油相とした油
脂組成物の安定性が低下したり、水分離等の弊害が生じ
やすいので、上記範囲内とするのが好ましい。ここで、
水の最大配合量は、上記アルファ化澱粉が有する最大保
水力(吸水力)である。通常の澱粉粉体には5〜15重
量%程度の既存の水分が含まれるが、本発明を実施する
ためにはそれだけの水分では不十分である。また、水の
配合量にその既存の水分を加味してよい。
ファ化澱粉が吸水膨潤した状態で外相となる油脂中に分
散していることが必要である。これは、適度に膨潤した
上記アルファ化澱粉の澱粉粒子が外相となる油脂にコー
ティングされるため、製菓類を製造する場合の製菓生地
に添加し、混捏したときも、該アルファ化澱粉の急激な
吸水が起こらず、通常の混捏条件によって、グルテンが
十分に吸水することができ、良好な製菓生地が形成され
るためである。
化剤を添加してもよい。該乳化剤としては、モノグリセ
リン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、レシチン、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エ
ステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳
酸ナトリウム等が挙げられる。これらの乳化剤は、単独
で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用い
ることもできる。これらの乳化剤の中でも、モノグリセ
リン脂肪酸エステル及びレシチンが好ましい。上記乳化
剤の添加量は、本発明の油脂組成物中、好ましくは1〜
5重量%、更に好ましくは1〜3重量%である。
製品、着香料、調味料等の呈味成分、βカロチン、着色
料、酸化防止剤、pH調整剤等を添加してもよい。
次の2つの方法等が挙げられる。1つめの方法として、
油脂を加熱し、必要により乳化剤をこれに添加し、溶解
し、油相とする。一方、アミロペクチンを80重量%以
上含有するアルファ化澱粉に水をスプレーし、膨潤澱粉
を調製しておく。この調製した膨潤澱粉を油相に添加分
散させる。そして、これを加熱殺菌し、冷却可塑化す
る。2つめの方法として、油脂を加熱し、必要により乳
化剤をこれに添加し、溶解し、油相とする。これに、ア
ミロペクチンを80重量%以上含有するアルファ化澱粉
を粉末のまま添加、分散させる。そして、この油相を攪
拌しながら、水を徐々に添加する。添加した水により、
油相に分散した上記アルファ化澱粉が吸水膨潤した状態
となる。そして、これを加熱殺菌し、冷却可塑化する。
中のすべての水が上記アルファ化澱粉に吸収されている
ため、乳化物ではなく、また油中水型乳化の状態でもな
い。
して、特に、製菓類の製造に好ましく用いられる。上記
製菓類としては、例えば、クッキーやビスケット(特に
ハードビスケット)等が挙げられる。上記製菓類は、本
発明の油脂組成物を他の材料と共に混捏又は練り合わせ
等を行うことにより製菓生地とし、次いで、圧延、型抜
き及び焼成等の通常の工程を経て製造することができ
る。
ト等の製造の製菓生地に使用する場合の製菓生地への添
加量としては、該製菓生地に使用される小麦粉100重
量部に対して、好ましくは20〜100重量部、更に好
ましくは30〜60重量部、一層好ましくは40〜50
重量部である。20重量部よりも少ないと食感がクリス
ピーにならないことがあるので好ましくなく、100重
量部よりも多いと製菓生地を形成できないことがあるの
で好ましくない
更に具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施
例により何等限定されるものではない。
て、次の製造方法により油脂組成物を製造した。約60
℃に加熱した各原料油脂を混合し、これにアルファ化し
たもち米澱粉(アミロペクチン含有量99重量%)を粉
末のまま添加、分散させた。乳化剤とβカロチンをこの
加熱した配合油中に添加し、攪拌、溶解させた。そし
て、配合油を攪拌しながら、水を徐々に添加した。アル
ファ化したもち米澱粉は徐々に吸水、膨潤し、膨潤もち
米澱粉が油脂に分散した油脂組成物となった。そして、
上記の膨潤もち米澱粉が油相中に分散した油脂組成物を
掻き取り式殺菌機にて加熱殺菌し、チューブ式冷却可塑
化機等を用いて急冷可塑化し、油脂組成物を得た。得ら
れた油脂組成物は乳化物ではなかった。
の製造方法により油脂組成物を製造した。約60℃に加
熱した各原料油脂を混合槽にて混合した。乳化剤とβカ
ロチンをこの加熱混合した配合油に添加し、攪拌した。
一方、粉体混合機中にアルファ化したもち米澱粉(アミ
ロペクチン含有量99重量%)を投入し、攪拌をしなが
ら、水をもち米澱粉にスプレーし、膨潤させた。得られ
た膨潤アルファ化もち米澱粉を、先に調製した油相中に
添加、分散させた。そして、上記の膨潤もち米澱粉が油
相中に分散した油脂組成物を掻き取り式殺菌機にて加熱
殺菌し、チューブ式冷却可塑化機等を用いて急冷可塑化
し、油脂組成物を得た。得られた油脂組成物は乳化物で
はなかった。
の製造方法により油脂組成物を製造した。約60℃に加
熱した各原料油脂を混合した。これに乳化剤とβカロチ
ンをこの加熱した配合油中に添加し、攪拌、溶解させ
た。そして、配合油を攪拌しながら、水を徐々に添加し
た。そして、この油脂組成物をを掻き取り式殺菌機にて
加熱殺菌し、チューブ式冷却可塑化機等を用いて急冷可
塑化し、油脂組成物を得た。得られた油脂組成物は、自
由水が存在し、油中水型の乳化状態であった。
したもち米澱粉のかわりに、アルファ化したコーンスタ
ーチ(アミロペクチン含有量75重量%)を使用した以
外は、実施例2と同様の方法にて油脂組成物を得た。得
られた油脂組成物は乳化物ではなかった。
1、2の油脂組成物を用い、以下の配合及び製法でハー
ドビスケットとクッキーを製造した。 (ハードビスケット) 「配合」 重量部 薄力粉 98.2 コーンスターチ 1.8 砂糖 24.3 食塩 0.6 全脂粉乳 1.8 全卵 3.6 水 21.8 炭安 0.5 重曹 0.4 バニリン 0.02 油脂組成物 20.0
入し、30分間混捏した。混捏により得られた生地を3
つ折り3回行い、圧延し、厚さ1mmとした。これを横
40mm、縦65mmのサイズの型で型抜きし、230
℃のオーブンで10分間焼成した。
なめらかになるまでホイップし、砂糖を加え、よく攪拌
し、全卵、重曹、炭安、食塩、水を加え、クリーム状に
練り合わせ、小麦粉を加えて混合した。得られた生地を
3mmに圧延し、横40mm、縦65mmのサイズの型
で型抜きし、180℃のオーブンで15分間焼成した。
について、それぞれ10名のパネラーにより食感〔クリ
スピー(サクさ)〕を評価した。その結果を下記表2に
示す。 ◎10名中、8名以上がクリスピーであると評価した。 ○10名中、6〜7名がクリスピーであると評価した。 △10名中、4〜5名がクリスピーであると評価した。 ×10名中、2〜3名がクリスピーであると評価した。
ーで、粉っぽさのない製菓類を製造することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 アミロペクチンを80重量%以上含有す
るアルファ化澱粉が水で膨潤した状態で油脂中に分散し
ており、乳化物でないことを特徴とする油脂組成物。 - 【請求項2】 上記アルファ化澱粉が、もち米澱粉及び
/又はワキシーコーンスターチをアルファ化した澱粉で
あることを特徴とする請求項1記載の油脂組成物。 - 【請求項3】 上記アルファ化澱粉の配合量が、1〜3
0重量%であることを特徴とする請求項1または2記載
の油脂組成物。 - 【請求項4】 練り込み用油脂であることを特徴とする
請求項1〜3の何れかに記載の油脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の油脂組成
物を用いたことを特徴とする製菓類。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10118498A JP3963565B2 (ja) | 1998-04-13 | 1998-04-13 | 油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10118498A JP3963565B2 (ja) | 1998-04-13 | 1998-04-13 | 油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11289980A true JPH11289980A (ja) | 1999-10-26 |
JP3963565B2 JP3963565B2 (ja) | 2007-08-22 |
Family
ID=14293907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10118498A Expired - Lifetime JP3963565B2 (ja) | 1998-04-13 | 1998-04-13 | 油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3963565B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015512271A (ja) * | 2012-04-02 | 2015-04-27 | カーギル インコーポレイテッド | ベーカリー用油脂系 |
WO2020067390A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 株式会社J-オイルミルズ | パン類用生地の製造方法 |
-
1998
- 1998-04-13 JP JP10118498A patent/JP3963565B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015512271A (ja) * | 2012-04-02 | 2015-04-27 | カーギル インコーポレイテッド | ベーカリー用油脂系 |
WO2020067390A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 株式会社J-オイルミルズ | パン類用生地の製造方法 |
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---|---|
JP3963565B2 (ja) | 2007-08-22 |
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