JPH1128769A - Frp補強材およびその製造方法 - Google Patents

Frp補強材およびその製造方法

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JPH1128769A
JPH1128769A JP9185010A JP18501097A JPH1128769A JP H1128769 A JPH1128769 A JP H1128769A JP 9185010 A JP9185010 A JP 9185010A JP 18501097 A JP18501097 A JP 18501097A JP H1128769 A JPH1128769 A JP H1128769A
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resin
coating layer
core
heat
reinforcing material
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JP9185010A
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English (en)
Inventor
Shigehiro Matsuno
繁宏 松野
Masahiko Ueda
雅彦 上田
Akio Onodera
章夫 小野寺
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ABE KOGYOSHO KK
Nishimatsu Construction Co Ltd
Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
ABE KOGYOSHO KK
Nishimatsu Construction Co Ltd
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温条件下でも滑りが生ずることがないコン
クリート補強材等のFRP補強材を提供する。 【解決手段】 略一方向に配列された補強繊維とこれを
結着する熱硬化性樹脂とを有する芯部が、特定応力下に
おける110℃以上の熱変形温度と特定の結合とを有す
る耐熱性熱可塑性樹脂などからなる被覆層によって被
覆、接着されているFRP補強材及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば鉄筋に代
えてコンクリートの補強等に用いることのできる繊維強
化プラスチック(以下「FRP」という。)補強材及び
その製造方法に関し、より詳細には、プレストレストコ
ンクリート用補強緊張材(以下「PC緊張材」とい
う。)、ロックボルト、及びアースアンカー等として有
用なFRP補強材及びその製造方法に関する。本発明
は、特に、PC緊張材、ロックボルト、又はアースアン
カー等として用いたときに、真夏の炎天下などの高温条
件下でも、金属楔定着具等の定着具との間の滑りが起こ
らないFRP補強材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメントモルタルやコンクリート
などの無機構造材料の補強には、鉄筋および金網などが
一般的に使用されてきた。
【0003】しかし、前記鉄筋や金網などの鉄製材料は
重くて施工性に難があり、また、錆びやすい。よって、
コンクリートのかぶりが薄い場合、即ち埋設深さが浅い
場合、および海岸などの腐食性の高い場所において使用
する場合には、これらの鉄製材料においては腐食の問題
が避けられなかった。また、鉄製材料は、電気伝導性が
高く、且つ透磁性である故、電気および磁気の絶縁性が
要求される分野には不向きであった。
【0004】近年、軽くて扱いやすく、且つ錆びること
の無いアラミド繊維やカーボン繊維などの長繊維を補強
繊維とし、この補強繊維をエポキシ樹脂などの熱硬化性
樹脂で結着したFRPが、コンクリートの補強材として
検討され、一部実用化されている。これらのFRPは、
特に、PC緊張材、トンネル工事用のロックボルト、お
よび法面や地盤を補強するアースアンカーなどに好まし
く使用されている。これらのFRPは、ロッド状、帯板
状、撚り線状、および組み紐状などの種々の形状に形成
されて用いられる。例えば、帯板状のFRPは、主にP
C緊張材などとして用いられ、ロッド状のFRPは、主
に、PC緊張材およびロックボルトなどとして使用され
ている。
【0005】ここで、コンクリートの補強方法として、
PC緊張材を、長手方向に引張応力を加えた状態で型枠
に張設し、この型枠にコンクリートを打設するプレテン
ション法と、コンクリートを打設し、このコンクリート
が硬化した後に、引張応力を加えたPC緊張材をこのコ
ンクリートに定着し、これによってコンクリートに圧縮
応力を加えるポストテンション法がある。
【0006】プレテンション法においては、スリーブ
と、このスリーブ中に挿入される金属楔とを備える金属
楔定着具により、PC緊張材を、その末端の部分におい
て型枠に定着し、張設することが一般的である。また、
ポストテンション法においても、金属楔定着具を用いて
PC緊張材を定着することが一般的である。
【0007】前記金属楔定着具においては、金属楔は、
2つまたはそれ以上の断片に分割することができ、PC
緊張材は、前記断片の間に嵌挿される。そして、前記断
片の間にPC緊張材が嵌挿された状態で、金属楔がスリ
ーブに挿入されると、PC緊張材は、前記断片の間に強
く挟まれ、強固に定着される。
【0008】しかし、PC緊張材を前記金属楔定着具で
定着すると、PC緊張材における金属楔定着具により定
着された部分には、引張応力の他に厚さ方向の圧縮応力
も働き、この圧縮応力によって、金属楔定着具の内部ま
たはその近傍でPC緊張材が切断することがあった。
【0009】また、コンクリートやセメントモルタルは
一般的にpHが12以上の強アルカリ性であるので、P
C緊張材にFRPを用いた場合には、FRPを構成する
補強繊維や熱硬化性樹脂が変質し、その結果、PC緊張
材そのものの強度が低下して切断に至る場合もあった。
【0010】それまでのPC緊張材が有する上記の問題
点を解決することを目的として、アラミド繊維、カーボ
ン繊維などの長繊維をビニルエステル樹脂で結着したF
RPを、アクリロニトリル・スチレン共重合体(A
S)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体(ABS)、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチ
レン共重合体(AAS)、およびアクリロニトリル・E
PDM・スチレン共重合体(AES)などの耐アルカリ
性熱可塑性樹脂で被覆した構造の矩形のPC緊張材が提
案された(実開平7−26432号公報)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のPC緊
張材を、40℃を超える様な温度条件下、例えば夏場の
直射日光の下におけるプレストレストコンクリートの打
設に用いる場合には、金属楔定着具とPC緊張材との間
に作用する引張方向の保持力が低下し、その結果、PC
緊張材が金属楔定着具の中に引き込まれて行く滑り現象
が発生することがあった。この滑り現象は、PC緊張材
の緊張力の大幅な低下に繋がり、その結果、プレストレ
ストコンクリート構造物に圧縮方向のプレストレスが有
効に導入されないという問題が生じた。
【0012】前記のすべり現象を解決すべく、金属楔定
着具の遊びを無くし完全な拘束状態でPC緊張材を定着
することが検討された。しかし、この方法は、前記の問
題に対しては有効な解決策とはならなかった。
【0013】また、別の解決策として、被覆とFRPと
の間の接着強度を2倍以上に強化することが提案され
た。しかし、この方法によっても、40℃以上の温度で
は滑り現象が発生する場合があった。
【0014】これらのことから、金属楔定着具における
拘束状態の改良、および接着強度の改良のいずれによっ
ても、前記の問題を解決できないことが分かった。
【0015】本発明は、夏場の直射日光の下などの高温
条件下において、金属楔定着具を用いてプレストレスト
コンクリートの打設を行った場合においても、金属楔定
着具との間の滑り現象、および被覆層と内部の芯部との
間における滑りが生ずることがなく、長時間に亙って緊
張力を安定して維持できるFRP補強材を提供すること
を目的とする。
【0016】また、本発明は、ロックボルト、又はアー
スアンカーとして用いた時においても、真夏の炎天下な
どの高温条件下で定着具との間の滑りが起こらないFR
P補強材を与えることも目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するこ
とを目的するFRP補強材は、(1) 略一方向に配列
され、且つ熱硬化性樹脂によって結着された補強繊維の
束を有する芯部と、(a)分子中に、芳香族環と、−S
2 −結合および/または−O−結合とを有し、且つ応
力18.6kg/cm2 における熱変形温度が110℃以上
である耐熱性熱可塑性樹脂、又は(b)前記耐熱性熱可
塑性樹脂を含有し、且つ応力18.6kg/cm2 における
熱変形温度が110℃以上である耐熱性ポリマーアロイ
を含有する被覆層形成樹脂によって形成された、前記芯
部を被覆するようにこの芯部に接着された被覆層とを備
えることを特徴とするFRP補強材、(2) 前記
(1)における耐熱性熱可塑性樹脂はポリサルホン樹脂
である(1)に記載のFRP補強材、(3) 前記
(1)における耐熱性ポリマーアロイは、前記(1)に
おける耐熱性熱可塑性樹脂と、スチレンの単独重合体ま
たは共重合体であるスチレン系樹脂とを含有する耐熱性
ポリマーアロイである(1)または(2)に記載のFR
P補強材、(4) 前記(1)における被覆層の厚さは
0.3〜2mmである(1)〜(3)のいずれかに記載の
FRP補強材、(5) 前記(1)における被覆層の表
面には凹凸が形成されている(1)〜4のいずれかに記
載のFRP補強材である。
【0018】そして、前記(1)〜(5)のいずれかに
記載のFRP補強材は、たとえば、熱硬化性樹脂を含浸
した補強繊維の束を所定の断面形状に成形する工程と、
前記所定の断面形状に成形された補強繊維の束を、被覆
層形成樹脂で被覆する工程と、前記被覆層形成樹脂で被
覆された補強繊維の束を、前記被覆層形成樹脂の軟化点
より低い温度に冷却し、引き続いて、芯部に含浸された
熱硬化性樹脂を硬化させる工程とを有する製造方法によ
り、製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明のFRP補
強材は、(A) 略一方向に配列され、且つ熱硬化性樹脂
によって結着された補強繊維の束を有する芯部と、(B)
(a)分子中に、芳香族環と、−SO2 −結合および
/または−O−結合とを有し、且つ応力18.6kg/cm
2 における熱変形温度が110℃以上である耐熱性熱可
塑性樹脂、又は(b)前記耐熱性熱可塑性樹脂を含有
し、且つ応力18.6k g/cm2 における熱変形温度が
110℃以上である耐熱性ポリマーアロイを含有する被
覆層形成樹脂によって形成された、前記芯部を被覆する
ようにこの芯部に接着された被覆層とを備えるFRP補
強材である。
【0020】以下、本発明のFRP補強材の各構成要素
について詳細に説明する。
【0021】1.芯部 本発明においては、上述のように、芯部は、略一方向に
配列された補強繊維の束と、この補強繊維の束における
各補強繊維を結着する熱硬化性樹脂たとえばスチレンモ
ノマーを含有する熱硬化性樹脂とを有する。
【0022】1.1 補強繊維 本発明において、補強繊維は、長繊維状であること、具
体的には、FRP補強材の長さと実質的に等しい長さを
有することが好ましい。特に、本発明のFRP補強材を
PC緊張材として用いる場合に、FRP補強材に強大な
引張応力が加えられるので、前記補強繊維は、長繊維状
であることが好ましい。
【0023】補強繊維としては、通常のFRPに用いる
ことができる強化繊維であれば、どのような繊維でも用
いることができる。このような強化繊維としては、Eガ
ラス繊維およびSガラス繊維などのガラス繊維、ポリ
(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維およびポリ
(m−フェニレンテレフタルアミド)繊維などのアラミ
ド繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、PA
N系炭素繊維、およびメソフェース系炭素繊維などの炭
素繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、Si−Ti−C
−O系無機繊維、およびアルミナ−シリカ繊維などのセ
ラミック繊維、ボロン繊維、並びにポリパラフェニレン
ベンツビスオキサゾール(PBO)繊維などが挙げられ
る。これらの強化繊維の中では、耐アルカリ性、引張強
度、および弾性率に優れている点から、カーボン繊維お
よびアラミド繊維が特に好ましい。これらの補強繊維
は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0024】前記補強繊維は、互いに平行に配列された
状態に配置されていることが好ましい。
【0025】芯部における補強繊維の体積占有率は、3
0〜70容積%程度が好ましい。
【0026】1.2 熱硬化性樹脂 本発明においては、前記補強繊維は、熱硬化性樹脂によ
って結着されて、一定の形状に形成されている。
【0027】前記熱硬化性樹脂としては、FRPの製造
において樹脂相として用いることのできる熱硬化性樹脂
を挙げることができる。
【0028】このような熱硬化性樹脂としては、フェノ
ール樹脂およびフェノールアラルキル樹脂等のフェノー
ル系樹脂、エピビス型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、臭素化エピビス型エポキシ樹脂、
N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタン型エポキシ樹脂、N,N,O−トリグリシジ
ルメタアミノフェノール型エポキシ樹脂、および脂環式
エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル
およびビニルエステル樹脂などの不飽和ポリエステル系
樹脂、並びに縮合型ポリイミド、付加型ポリイミド、お
よびビスマレイミド樹脂等のポリイミド系樹脂などを挙
げることができる。これらの熱硬化性樹脂の内では、速
やかに硬化し、且つ耐アルカリ性に優れた硬化物が得ら
れる点、後述する被覆層を形成する被覆層形成樹脂とし
て特にポリサルホン樹脂または変性ポリサルホン樹脂な
どを用いた場合に、被覆層と一体化して極めて強固に接
着する点、および安価な点で、ビニルエステル樹脂が好
ましく、特にビスフェノールAタイプのビニルエステル
樹脂が好ましく、架橋成分としてスチレンモノマーを含
有するビスフェノールAタイプのビニルエステル樹脂が
最も好ましい。
【0029】1.3 芯部の形状 芯部の形状には、特に制限はない。よって、芯部の断面
形状としては、円形、長円形、楕円形、多角形、矩形な
ど、各種の形状を挙げることができる。なお、本発明の
FRP補強材をPC緊張材に用いる場合には、コンクリ
ートやモルタルとの接着面積を大きくできる点、および
厚さ方向の曲げ剛性が小さくできる点から、芯部の形状
としては、帯板状の形状が望ましい。そして芯部の形状
を帯板状とする場合には、FRP補強材の曲げ易さの点
から、厚さは8mm以下が望ましく、厚さと幅との比は、
1:1〜1:40が望ましい。芯部の幅と厚さとの比が
40以下であれば、前記FRP補強材をPC緊張材とし
て用いた場合に、コンクリート打設時などに、FRP補
強材が邪魔になって作業能率が低下するという問題がな
い。但し、前記FRP補強材をPC緊張材として用いる
場合であっても、芯部の形状は、帯板状に限定されるこ
とはなく、ロッド状の形状も可能である。この場合にお
いては、FRP補強材の曲げ易さの点から、芯部の直径
は、8mm以下が望ましい。
【0030】2.被覆層 本発明のFRP補強材において、被覆層は、前記芯部を
被覆し、この芯部に接着する機能を有する。
【0031】被覆層の厚さは、0.3〜2mmが好まし
い。被覆層の厚さが0.3mm以上あれば、金属楔定着具
の内部または近傍でFRP補強材が切断することを十分
に防止できる。一方、前記被覆層の厚さが2mm以下であ
れば、定着時にFRP補強材とその周囲のコンクリート
との間に作用する応力によって、被覆層が層内で破壊す
るという問題は殆ど生じない。
【0032】前記被覆層を形成する被覆層形成樹脂とし
ては、例えば、(a)分子中に、芳香族環と、−SO2
−結合と、−O−結合とを有するか、または芳香族環
と、−O−結合とを有し、且つ応力18.6kg/cm2
おける熱変形温度が110℃以上である耐熱性熱可塑性
樹脂、および(b)前記耐熱性熱可塑性樹脂を含有し、
且つ応力18.6kg/cm2 における熱変形温度が110
℃以上(低くとも110℃)である耐熱性ポリマーアロ
イを挙げることができる。
【0033】前記耐熱性熱可塑性樹脂としては、ポリサ
ルホン樹脂、およびポリフェニレンオキシド樹脂等の耐
熱性熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらは耐熱
性及び接着性に優れている。また、これらの耐熱性熱可
塑性樹脂においては、応力18.6kg/cm2 における熱
変形温度が、110℃以上であることが好ましい。
【0034】前記耐熱性ポリマーアロイとしては、例え
ば、前記耐熱性樹脂と、スチレンの単独重合体または共
重合体であるスチレン系樹脂とをブレンドして得られる
ポリマーアロイを挙げることができる。ここで、スチレ
ン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリα−メ
チルスチレン、スチレン・α−メチルスチレン共重合
体、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレ
ン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン
共重合体、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン
共重合体、およびアクリロニトリル・EPDM・スチレ
ン共重合体などを挙げることができる。
【0035】ここで、被覆層と前記芯部との剪断接着強
度は、50kg/cm2 以上であることが好ましく、特に、
100kg/cm2 以上であることが好ましい。 また、被覆
層の引張弾性率は170〜280kg/mm2 の範囲が好ま
しい。したがって、前記芯部を構成する補強繊維を結着
する熱硬化性樹と強固に接着する点、引張弾性率が高い
点、および良好な成形性を有している点から、前記耐熱
性熱可塑性樹脂の内では、ポリサルホン樹脂およびポリ
フェニレンオキシド樹脂が好ましく、前記耐熱性ポリマ
ーアロイとしては、ポリサルホン樹脂と前記スチレン系
樹脂とをブレンドして得られる変性ポリサルホン樹脂、
およびポリフェニレンオキシド樹脂と前記スチレン系樹
脂とをブレンドして得られる変性ポリフェニレンオキシ
ド樹脂が特に好ましい。
【0036】なお、前記被覆層の表面には、各種の形状
の凹凸を付することができる。よって、例えば、図1に
示すFRP補強材のように、長手方向と直角の方向に鋸
刃状の形状を有する溝を被覆層の表面の全面に亙って設
けてもよく、図2に示すFRP補強材のように、碁盤目
状の溝を設けてもよい。また、図3に示すように、円形
の窪みを被覆層の表面の全面に設けてもよく、図4に示
すように、半球状の突起を設けてもよい。ここで図1〜
図4において、(A)はFRP補強材の上面図であり、
(B)は、前記FRP補強材を平面A−Aに沿って切断
した断面図である。
【0037】なお、前記突起または溝の長手方向および
これに直角な方向におけるピッチは、コンクリートまた
はモルタルとFRP補強材との間の接着強度の要求値に
応じて決めることができる。
【0038】前記凹凸の高さは、0.3〜1mmの範囲が
好ましい。ここで、凹凸の高さは、凹凸の谷の部分から
山の部分までの高さである。前記凹凸の高さが0.3mm
以上であれば、凹凸のアンカー効果により、FRP補強
材とコンクリートと間の接着が向上するという効果が得
られる。一方、前記の効果を発揮させるには、前記凹凸
の高さは1mmもあれば十分である。
【0039】3.本願発明のFRP補強材の製造方法 本願発明のFRP補強材は、下記の製造方法、すなわ
ち、(a)熱硬化性樹脂を含浸した補強繊維の束を、所定
の断面形状に成形する工程と、 (b)所定の断面形状に成
形された前記補強繊維の束を、被覆層形成樹脂で被覆す
る工程と、(c)被覆層形成樹脂で被覆された補強繊維の
束を、前記被覆層形成樹脂の軟化点より低い温度に冷却
し、引き続いて、芯部に含浸された熱硬化性樹脂を加熱
・硬化させる工程とを有する製造方法によって製造する
ことができる。
【0040】以下、前記製造方法の各工程について説明
する。
【0041】上述のように、前記製造方法においては、
先ず最初に、熱硬化性樹脂を含浸した補強繊維の束を、
所定の断面形状に形成する。
【0042】マトリックス樹脂としての熱硬化性樹脂を
含浸した補強繊維の束を所定の断面形状に成形する方法
としては、例えば、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した補
強繊維の束を、所定の口金形状を有する賦形ノズルに通
す方法を挙げることができる。補強繊維に未硬化の熱硬
化性樹脂を含浸させる方法としては、未硬化の熱硬化性
樹脂の入っている槽に補強繊維の束を通す方法、および
未硬化の熱硬化性樹脂を塗布ロールによって補強繊維の
束に塗布する方法などがある。
【0043】補強繊維の束を所定の断面形状に形成した
ら、この補強繊維の束を、被覆層形成樹脂で被覆する。
【0044】前記補強繊維の束を被覆層形成樹脂で被覆
するには、クロスヘッドダイスによる溶融押出などの方
法を用いることができる。具体的には、前記賦形ノズル
の直後に、押出機に接続されたクロスヘッドダイスを設
け、前記補強繊維の束が前記クロスヘッドダイスを通過
する際に、前記クロスヘッドダイスから前記補強繊維の
束の表面上に被覆層形成樹脂を溶融押出することができ
る。
【0045】また、帯板状のFRP補強材を製造する場
合には、帯板状に成形された補強繊維の束の両面に、同
種または異種の補強繊維からなるテープ状の織物をを貼
附する方法も好ましい。
【0046】次いで、被覆層形成樹脂で被覆された補強
繊維の束を、前記被覆層形成樹脂の軟化点より低い温度
に冷却し、引き続いて、芯部に含浸された熱硬化性樹脂
を加熱・硬化させる。
【0047】具体的な方法としては、被覆層形成樹脂で
被覆された補強繊維の束を、所定の口部形状を有するサ
イジング装置に導入してサイジングしつつ水冷した後、
引き続いて芯部に含浸された熱硬化性樹脂を加熱・硬化
させる方法を挙げることができる。これにより、芯部が
形成されると同時に、形成された芯部と被覆層とが強固
に接着する。
【0048】この場合には、被覆層形成樹脂で被覆され
た補強繊維の束を、被覆層形成樹脂の軟化点以下であっ
て熱硬化性樹脂が硬化する温度に加熱して熱硬化性樹脂
を硬化させることができる。被覆層形成樹脂として、た
とえばポリサルホン樹脂または変性ポリサルホン樹脂を
用いた場合には、95〜160℃の範囲の温度に加熱す
ることによって前記熱硬化性樹脂を硬化させることがで
きる。
【0049】本発明のFRP補強材においては、補強繊
維の束の表面に被覆層形成樹脂を溶融押出して被覆層を
形成した後、前記被覆層が未だ柔らかいうちに、被覆層
で被覆された前記補強繊維の束を、加熱したエンボスロ
ールに通すことにより、被覆層の表面に凹凸を形成して
もよい。
【0050】この方法によれば、芯部が形成されたFR
P補強材を再度加熱する必要がないため、エネルギーコ
ストを大幅に削減できる。
【0051】なお、被覆層の厚みが均一の場合は、形成
しようとする凹凸に対応する表面を有するエンボスロー
ルにより凹凸を転写することにより、被覆層の表面に凹
凸を形成することができる。
【0052】また、別法としては、所定の断面形状に形
成された補強繊維の束を耐熱性熱可塑性樹脂等で被覆す
る際に、中心から外周方向に向かって延在する凹部を設
けた口金から前記耐熱性熱可塑性樹脂等を押出被覆して
被覆層の表面にリブを形成し、次いで、リブを形成した
前記被覆層の表面に歯車状のロールを当接して、被覆層
の表面に凹凸を賦形しても良い。
【0053】また、FRP補強材の表面に凹凸を形成す
る別の方法としては、補強繊維の束を被覆層形成樹脂で
被覆し、熱硬化性樹脂を硬化させた後、再度、前記被覆
層形成樹脂の熱変形温度以上の温度に予備加熱し被覆層
を軟化させ、前記被覆層形成樹脂の融点以上に加熱され
たエンボスロールを被覆層の表面に転圧して、被覆層の
表面に凹凸を賦形する方法を挙げることができる。この
方法によれば、芯部が既に硬化した状態で、エンボスロ
ールを転圧する故に、被覆層の厚みに応じて、かなり高
い圧力でエンボスロールにより転圧ができるので、被覆
層表面に形成される凹部の深さを調整し易い。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、被覆層形成樹脂が、応
力18.6kg/cm2 における熱変形温度が110℃以上
であり、かつ、分子中に、芳香族環と、−SO2 −結合
および/または−O−結合などの特定の結合とを有する
FRP補強材が提供される。このFRP補強材を、PC
緊張材として用いた場合においては、夏期における炎天
下など、温度が40℃を越える条件下においても、被覆
層形成樹脂が軟化することがないため、金属楔の歯形に
よって被覆層の表面が削られて、金属楔定着具との間で
滑り現象が発生することが防止される。
【0055】また、本発明によれば、ロックボルト、又
はアースアンカーとして用いたときにおいても、真夏の
炎天下などの高温条件下で定着具との間の滑りが起こら
ないFRP補強材が提供される。さらに言うと、この発
明のFRP補強材は、芯部とこの芯部に接着した被覆層
形成樹脂とからなるので、金属楔定着具上を滑ってしま
ってプレストレスの導入をすることができないという問
題、ポストテンション材として使用する場合において金
属楔定着具上で滑って緊張力を保持することができない
という問題、あるいはロックボルトあるいはアースアン
カーとしてしようする場合において金属楔定着具上で滑
るために地山等を有効に定着することができないという
問題等、従来の被覆FRP筋が有していたところの、低
耐熱性に由来する様々の問題を一挙に解消することがで
きる。
【0056】また、熱硬化性樹脂として、スチレンモノ
マーを含むビニルエステル樹脂を用い、被覆層形成樹脂
にポリサルホン樹脂または変性ポリサルホン樹脂を用い
たFRP補強材においては、熱硬化性樹脂中のスチレン
モノマーと、被覆層形成樹脂であるポリサルホン樹脂ま
たは変性ポリサルホン樹脂との間に相溶化が起こる。こ
れにより芯部と被覆層とは、例えば、剪断接着強度が1
00kg/cm2 以上と、極めて強固に接着する。
【0057】更に、本発明によって提供されるFRP補
強材の製造方法によれば、芯部に含浸された熱硬化性樹
脂が硬化しない状態で、芯部の表面に耐熱性熱可塑性樹
脂または耐熱性ポリマーアロイの被覆層が施こされ、こ
の状態で前記熱硬化性樹脂が熱硬化する。よって、前記
被覆は、エンドレス状の金型の役割をも果たすので、従
来の金型引抜法によるFRPの製造方法と比較して、引
取力が低減でき、かつ、金型の摩耗もないのでエネルギ
ーコストおよび設備コストが低減できる。また、芯部と
被覆層とは、未硬化状態での接触により相溶化し、強固
に接着するので、被覆層と芯部とが一体化したFRP補
強材が得られる。
【0058】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。
【0059】(実施例1) (1)コンクリート補強材の製造 アラミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、ケブラー49
(商標名)、2840de)を40本、一方向に引き揃え、こ
れを補強繊維の束とした。これにマトリックス樹脂とし
て、所定の過酸化物硬化剤を配合したビスフェノール系
ビニルエステル樹脂(三井東圧化学製、エスターH67
00)を含浸し、絞りノズルを通過させて直径4.5mm
のロッド状に成形した。
【0060】ロッド状に成形された補強繊維の束を、溶
融押出機のクロスヘッド部に導いて、前記補強繊維の束
の表面に、ポリサルホン樹脂(帝人アモコ株式会社製、
ユーデル・ポリサルホン P1700 、熱変形温度174
℃)を330℃にて0.75mmの厚みで円環状に押し出
して、前記補強繊維の束を被覆した。前記補強繊維の束
をポリサルホン樹脂で被覆後、直ちに水冷し、98℃の
熱湯中で10分間加熱し、補強繊維に含浸されたビスフ
ェノール系ビニルエステル樹脂を硬化させ、この発明に
かかるFRP補強材の一例であるコンクリート補強材を
得た。得られたコンクリート補強材の寸法は、直径が
6.0mm(芯部の外径は4.5mm)であった。このコン
クリート補強材を、長さ1mに切断し、80℃のオーブ
ン中で48時間、後硬化させた。
【0061】(2)コンクリート補強材の物性測定 前記コンクリート補強材について引張強力および被覆層
−芯部間の接着強度を測定した。引張強力は2,750
kg(引張強度173kg/mm2 )、被覆層−芯部間の接着
強度は220kg/cm2 であった。
【0062】引張強力および被覆層−芯部間の接着強度
の測定方法を以下に示す。
【0063】(a)引張強力 図5に示す円錐台状の空間を有するスリーブ3と、前記
スリーブ3に嵌合される、円錐台状の形状を有する金属
製の楔2とを備える金属楔定着具を用いて、金属楔定着
具を使用して端末を固定した。この状態で、室温にて、
インストロン型万能試験機を使用し、5mm/min の引張
速度で引っ張り、引張強力を測定した。ここで、前記楔
2は、円錐台を中心軸に沿って3分割した形状を有する
断片2a、2b、2cから構成されている。なお、図5
において、(A)は、前記金属楔定着具でコンクリート
補強材1を定着したところを上方からみた概略図であ
り、(B)は、前記金属楔定着具を、平面B−Bに沿っ
て切断した縦断面図である。 (b)被覆層−芯部間の接着強度 端末部の被覆層の20mmの部分にネジ加工をし、エポキ
シ樹脂にて固着し、引き抜き力をインストロン型万能試
験機にて測定した。引き抜き速度は5mm/minとした。
引抜力を接着部の面積で除した値を接着強度とした。
【0064】接着強度(kg/cm2 )=引抜力(kg)/
(0.45π×2) (3)楔定着耐熱安定性試験 長さ600mmのコンクリート補強材を使用した。
【0065】図5に示される金属楔定着具を用いて、前
記コンクリート補強材1を定着し、インストロン型万能
試験機により以下の方法で引張試験を行うことにより、
端末定着の熱安定性試験を行った。
【0066】前記スリーブにリボンヒータを巻つけて前
記スリーブを加熱し、前記スリーブの中央部に開けた穴
に熱電対を差し込んで加熱温度をコントロールした。加
熱温度は、40℃、50℃、および70℃とした。所定
温度に達した後、クロスヘッド移動速度5mm/min でコ
ンクリート補強材を引っ張り、1500kgまで載荷(緊
張)し、クロスヘッドを停止した。停止後、24時間ま
で、荷重(残留緊張力)の時間変化を記録した。23
℃、40℃、50℃、および70℃における残留緊張力
の時間変化を表1に示す。定着部において楔歯形が被覆
層に食い込むため、初期には荷重が若干低下するが、そ
の後は荷重低下は無かった。70℃においても同様の傾
向が見られた。
【0067】このことから、実施例1のコンクリート補
強材は、十分な耐熱安定性を有していることが判った。
【0068】(比較例1)実施例1のポリサルホン樹脂
に代えて、AAS樹脂(ウェザーフィル MD-110、宇部
サイコン(株)製、熱変形温度85℃)を被覆層形成樹
脂として使用し、AAS樹脂の押出温度を230℃とし
た他は、実施例1と同様にして、外径6mm、芯部の外径
4.5mmのロッド状のコンクリート補強材を作製した。
【0069】得られたコンクリート補強材について、実
施例1と同様にして、引張強力および被覆層−芯部間の
接着強度を測定した。引張強力は2730kg(強度17
2kg/mm2 )であった。また、被覆層−芯部間の接着強
度は110kg/cm2 であった。
【0070】楔定着耐熱安定性試験についても、実施例
1と同様にして実施した。結果を表1に示す。40℃以
上では被覆層形成樹脂として用いられたAAS樹脂が、
楔により削り取られながら、コンクリート補強材が楔内
に引き込まれる滑り現象が発生し、その結果、コンクリ
ート補強材の緊張力が低下した。
【0071】(比較例2)実施例1のポリサルホン樹脂
に代えて、AAS樹脂(宇部サイコン(株)製、ウェザ
ーフィルHH−120 熱変形温度105℃)を被覆層
形成樹脂として使用し、AASの押出温度を240℃と
した他は、実施例1と同様にして、外径6mm、芯部外径
4.5mmのロッド状のコンクリート補強材を作製した。
【0072】得られた実施例1と同様にして、引張強力
および被覆層−芯部間の接着強度を測定した。引張強力
は2,710kg(強度170kg/mm2 )であり、被覆層
−芯部間の接着強度は155kg/cm2 であった。
【0073】楔定着耐熱安定性試験についても実施例1
と同様にして実施した。楔定着耐熱安定性試験の結果を
表1に示す。40℃以上では被覆層形成樹脂に用いられ
たAAS樹脂が楔により削り取られながら、コンクリー
ト補強材が楔内に引き込まれる滑り現象が発生し、コン
クリート補強材の緊張力が低下した。
【0074】(比較例3)ガラス繊維(日東紡績株式会
社製RS-220RL-510SC 2200TEX )を11本、一方向に引
き揃え、このガラス繊維の束に、実施例1と同一のビス
フェノール系ビニルエステル樹脂を含浸し、絞りノズル
を通過させて、直径4.5mmのロッド状に絞り成形し
た。
【0075】絞り成形した前記ガラス繊維の束の表面
に、AAS樹脂(宇部サイコン(株)製、ウェザーフィ
ルMD-110、熱変形温度85℃)を、230℃にてクロス
ヘッドダイにより0.75mmの厚みで円環状に押し出し
被覆した。AAS樹脂を被覆したガラス繊維の束を水冷
した後、98℃の熱湯中で、ガラス繊維の束に含浸され
たビスフェノール系ビニルエステル樹脂を10分間硬化
させ、コンクリート補強材を得た。
【0076】得られたコンクリート補強材の硬化後の寸
法は、直径6.0mm(芯部外径は4.5mm)であった。
その後、コンクリート補強材を長さ1mに切断し、80
℃のオーブン中で48時間、後硬化を行った。
【0077】実施例1と同様にして測定した引張強力
は、2,320kg(強度は146kg/mm2 )であった。
また、被覆層と芯部との間の接着強度は235kg/cm2
であった。実施例1と同様にして測定した、楔定着耐熱
安定性試験結果を表1に示す。AAS樹脂で形成された
被覆層と芯部との間の接着強度は比較例1の約2倍と高
いにもかかわらず、40℃以上では、前記被覆層が楔に
より削り取られながらコンクリート補強材が楔内に引き
込まれる滑り現象が発生し、その結果、コンクリート補
強材の緊張力が低下した。
【0078】(実施例2)ポリサルホン樹脂に代えて、
ポリサルホン樹脂をABS樹脂で変性した変性ポリサル
ホン樹脂(帝人アモコ株式会社製、ミンデルA−67
0、熱変形温度149℃)を被覆層形成樹脂として使用
した他は、実施例1と同様にして、外径6mm、芯部外径
4.5mmのコンクリート補強材を作製した。
【0079】得られたコンクリート補強材について、実
施例1と同様にして、引張強力および被覆層−芯部間の
接着強度を測定した。引張強力は2,750kg(強度は
180kg/mm2 )であり、被覆層と芯部との間の接着強
度は185kg/cm2 であった。
【0080】楔定着耐熱安定性試験についても、実施例
1と同様にして実施した。結果を表1に示す。定着部で
楔歯形が被覆層形成樹脂に食い込むため初期には荷重が
若干低下するが、その後は荷重低下は無く、70℃にお
いても安定した定着ができることが分かった。
【0081】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、鋸刃状の形状を有する溝を、被覆層の
表面の全面に亙って、長手方向と直角の方向に設けたコ
ンクリート補強材の例を示し、(A)はその上面を示
し、(B)は断面を示す概略図である。
【図2】図2は、碁盤目状の溝を被覆層の全面に設けた
コンクリート補強材の例を示し、(A)はその上面を示
し、(B)は断面を示す概略図である。
【図3】図3は、円形の窪みを被覆層の表面の全面に設
けたコンクリート補強材の例を示し、(A)はその上面
を示し、(B)は断面を示す概略図である。
【図4】図4は、半球状の突起を被覆層の表面の全面に
設けたコンクリート補強材の例を示し、(A)はその上
面を示し、(B)は断面を示す概略図である。
【図5】図5は、実施例および比較例において、楔定着
耐熱安定性試験に使用した金属楔定着具を示し、(A)
はその上面を示し、(B)は断面を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・コンクリート補強材、1a・・・被覆層、1b
・・・芯部、2・・・金属楔、3・・・スリーブ、4・
・・金型、5・・・コンクリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 雅彦 岐阜県岐阜市薮田西1−2 宇部日東化成 株式会社岐阜研究所内 (72)発明者 小野寺 章夫 東京都中央区東日本橋1−1−7 宇部日 東化成株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略一方向に配列され、且つ熱硬化性樹脂
    によって結着された補強繊維の束を有する芯部と、 (a)分子中に、芳香族環と、−SO2 −結合および/
    または−O−結合とを有し、且つ応力18.6kg/cm2
    における熱変形温度が110℃以上である耐熱性熱可塑
    性樹脂、又は(b)前記耐熱性熱可塑性樹脂を含有し、
    且つ応力18.6kg/cm2 における熱変形温度が110
    ℃以上である耐熱性ポリマーアロイを含有する被覆層形
    成樹脂によって形成された、前記芯部を被覆するように
    この芯部に接着された被覆層とを備えることを特徴とす
    るFRP補強材。
  2. 【請求項2】 前記請求項1における耐熱性熱可塑性樹
    脂はポリサルホン樹脂である請求項1に記載のFRP補
    強材。
  3. 【請求項3】 前記請求項1における耐熱性ポリマーア
    ロイは、前記請求項1における耐熱性熱可塑性樹脂と、
    スチレンの単独重合体または共重合体であるスチレン系
    樹脂とを含有する耐熱性ポリマーアロイである請求項1
    または2に記載のFRP補強材。
  4. 【請求項4】 前記請求項1における被覆層の厚さは
    0.3〜2mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のFRP補強材。
  5. 【請求項5】 前記請求項1における被覆層の表面には
    凹凸が形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記
    載のFRP補強材。
  6. 【請求項6】 熱硬化性樹脂を含浸した補強繊維の束
    を、所定の断面形状に成形する工程と、 前記所定の断面形状に成形された補強繊維の束を、前記
    請求項1における被覆層形成樹脂によって被覆する工程
    と、 前記被覆層形成樹脂で被覆された補強繊維の束を、前記
    被覆層形成樹脂の軟化点より低い温度に冷却し、引き続
    いて、芯部に含浸された熱硬化性樹脂を加熱・硬化させ
    る工程とを有することを特徴とする、請求項1〜5のい
    ずれか1項におけるFRP補強材の製造方法。
JP9185010A 1997-07-10 1997-07-10 Frp補強材およびその製造方法 Abandoned JPH1128769A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001355313A (ja) * 2000-06-13 2001-12-26 Ube Nitto Kasei Co Ltd 熱可塑性樹脂被覆cfrp補強筋の接続方法
JP2002070323A (ja) * 2000-08-31 2002-03-08 Chishin Go コンクリート構造物の補強方法及び補強コンクリート構造物
JP2002326285A (ja) * 2001-05-01 2002-11-12 Du Pont Toray Co Ltd 耐熱性に優れた連続繊維強化プラスチック棒材
JP2016186132A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 東レ・デュポン株式会社 ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維複合体

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