JPH08135090A - 高強力繊維複合緊張材の端末定着部形成方法 - Google Patents

高強力繊維複合緊張材の端末定着部形成方法

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JPH08135090A
JPH08135090A JP30011594A JP30011594A JPH08135090A JP H08135090 A JPH08135090 A JP H08135090A JP 30011594 A JP30011594 A JP 30011594A JP 30011594 A JP30011594 A JP 30011594A JP H08135090 A JPH08135090 A JP H08135090A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】緊張材使用現場において、最適所望位置に良好
な定着効率の定着部を迅速、簡単に形成することができ
る方法を提供する。 【構成】鋼管の内側に円筒状の軟質樹脂層を有する定着
用部材の前記軟質樹脂層の貫通穴に高強力繊維複合緊張
材を挿入し、この状態で鋼管を外周から圧縮変形するこ
とにより前記軟質樹脂層を塑性流動させて高強力繊維複
合緊張材の谷間に圧入充填させる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強力繊維複合緊張材の
端末定着部形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高強力繊維撚合型緊張材は高強度、高弾
性かつ非磁性で耐食性に富むなどのすぐれた特性を有す
るため、構造物や建築物の補強材たとえばプレストレス
トコンクリート用やプレテンション・ポストテンション
式コンクリート用の緊張材などとしての汎用されつつあ
る。この高強力繊維複合緊張材は、長手方向の引張りに
対してはPC鋼撚線並みの高強度を有するが、直径方向
の局部的な剪断力や表面の傷などに対して弱い。このた
め、緊張力を導入する際に、通常のPC鋼撚線の定着法
として採用されているようなくさびを直接かませて定着
させるといった方法では、剪断破壊による切断が生じた
り、緊張材表面組織の破壊に伴うすべりが起って高い定
着効率が得られない。この対策として、定着時に局部的
な応力の集中が発生しないように高強度繊維複合緊張材
の端末部に定着部を加工する方法が種々提案されてい
る。その代表的なものとしては、特開平1−24930
4号公報や実開平3−120598号公報のように、ソ
ケット型金具に緊張材端部を挿入し、緊張材外周とソケ
ット型金具とのあいだに熱硬化性樹脂を注入硬化させて
樹脂封止型端末とするタイプと、特開平4−2893号
公報のように、緊張材端部を金型に挿入して緊張材端部
の回りに低融点合金を射出成形し、低融点合金付き緊張
材端部を金属パイプに挿入して圧着させるタイプが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の先行技
術では封止用樹脂の硬化に時間がかかり、また振動、塵
埃などが発生しやすい環境で封止用樹脂を硬化させるた
めには、ソケット型金具をカバーで覆ったり、高強度繊
維複合緊張材やソケット型金具を動かないように保持し
つつ温度管理をするなど煩雑な手間が必要となる。後者
は400℃を超える金属を使用するため緊張材の繊維に
好ましくない影響を及ぼす可能性があるうえ、射出成形
機という高価で大型の機械を必要とするためコストが高
くなり、かつ上記機械の現場への搬入、移動が容易でな
く、専用の設置スペースも確保しなければならない。こ
のため先行技術は緊張材使用現場での定着部施工法とし
ては問題が多く、現実には工場での加工とならざるを得
ない。しかし、工場での定着部加工法として適用した場
合、緊張材を使用する長さに切り出すために正確な計尺
と加工精度が要求され、時として計尺誤差により高価な
緊張材が無駄になるおそれがあり、また、端末加工を施
した緊張材を現場に輸送するため、梱包や運搬の上でも
複雑かつ大容量のものとなり、コストが増加するという
問題があった。さらに、特開平1−249304号公報
や特開平4−2893号公報の先行技術は、スリーブを
圧着する時点までにすでに緊張材に樹脂や低融点合金が
筒状体として接着されているため、この位置にしか定着
部を形成することができず、現場の仕様やその変更に対
応できるように定着位置を自由に調整できないという問
題があった。
【0004】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その目的とするところは、緊張
材使用現場において、最適所望位置に良好な定着効率の
定着部を迅速、簡単に形成することができる方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、高強力繊維複合緊張材をスリーブや鋳型に挿
入してそれら外殻と緊張材との隙間に材料を充填し硬化
させて定着部を作るという従来の発想を転換し、円筒状
の成形軟質樹脂を内蔵した鋼管に高強力繊維複合緊張材
を挿入し、鋼管の変形による軟質樹脂の流動により高強
力繊維複合緊張材と一体化するようにしたもので、すな
わち、高強力低伸度繊維と熱硬化性樹脂とを複合した撚
合型高強力繊維複合緊張材の端末を定着するにあたり、
鋼管の内側に円筒状の軟質樹脂層を有する定着用部材を
用い、前記軟質樹脂層の貫通穴に高強力繊維複合緊張材
を挿入し、この状態で鋼管外周を圧縮することにより前
記樹脂層を塑性流動させて高強力繊維複合緊張材の谷間
に圧入充填させる構成としたものである。軟質樹脂は好
適には熱硬化性樹脂でかつ、デュロメータ式硬さ試験D
型による硬度Dが60〜75、弾性率が0.8〜1.5k
N/mm2程度のものが用いられる。円筒状の樹脂層は予め
鋼管内側に一体化されていてもよいし、鋼管と別部材と
して作られ、鋼管に内嵌されてもよい。
【0006】
【作用】本発明は鋼管の内側に設けられている円筒状の
軟質樹脂層に高強力繊維複合緊張材を挿入し、この状態
で鋼管を外周から圧縮することで定着部を形成するもの
であるから、円筒状の軟質樹脂層を有する鋼管を予め準
備しておくだけでよく、高強力繊維複合緊張材を現場合
わせで計尺切断し、簡単にまた即座に施工することがで
きる。そして鋼管および樹脂は、鋼管の圧縮工程までは
高強力繊維複合緊張材と独立しており、相対位置を自由
に変えることができるから、定着位置を任意に調整する
ことができ、したがって仕様に最適な位置に定着部を作
ることができる。また、軟質樹脂は鋼管の圧縮に伴う断
面積の減少により塑性流動して高強力繊維複合緊張材の
螺旋状の谷部に圧入充填され、また、軟質樹脂は鋼管の
断面積の減少により圧密化され、外周側が塑性変形した
鋼管に拘束され、内径側が広い表面積の高強力繊維複合
緊張材に圧接し、それぞれ大きな摩擦力が生ずる。さら
に高強力繊維複合緊張材が撚り構造であることにより引
抜き抵抗も大きい。したがって、接着方式でないにもか
かわらず優れた定着性能を得ることができる。
【0007】以下本発明を添付図面に基いて詳細に説明
する。図1において、Aは高強力低伸度繊維と熱硬化性
樹脂とを複合した撚合型の高強力繊維複合緊張材、Bは
定着用部材である。高強力繊維複合緊張材Aは、図2で
示すように、ストランド状の繊維複合素線1を複数本撚
り合わせることによって構成されている。詳しくは、各
繊維複合素線1は複合繊維芯2を複数本撚りあわせたス
トランド構造からなっている。複合繊維芯2は、炭素繊
維、ポリアラミド繊維、炭化珪素繊維などの高強力低伸
度特性の極細長繊維を多数本集合させた繊維ヤーンにエ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂などの熱硬化性マトリックス樹脂を含浸させ、賦形ダ
イスで成形及び余剰樹脂の除去を行った後、樹脂含浸繊
維ヤーンの表面にタルクなどの粉末乾燥剤を塗布して表
面を乾燥させたものである。各繊維複合素線1は複合繊
維芯2を複数本撚り合わせ、その外周にナイロン、ポリ
エステルなどの合成繊維や高強力低伸度繊維からなる外
装繊維3を巻きつけあるいは編組などによって被覆する
ことにより作られている。そして、前記高強力繊維複合
緊張材Aは、含浸マトリックス樹脂が未硬化の段階で繊
維複合素線1を所要本数撚合し、次いで加熱してマトリ
ックス樹脂を硬化させることで作られており、繊維複合
素線1を所要本数撚合した状態でその外周に前記したよ
うな材質の平織あるいはあや織のテープを巻装し、表面
積を増加させてもよい。この例では高強力繊維複合緊張
材Aは繊維複合素線1を7本使用し、1×7構造として
いるが、これに限定されず、1×2、1×3、1×1
9、1×37など任意である。
【0008】一方、定着用部材Bは、鋼管5とこれの内
側の円筒状軟質樹脂層6からなっている。鋼管5は圧縮
時に軟質樹脂6からの圧力に耐えられ、かつある程度や
わらかい材質のものが圧縮したときにすなおに金型の形
状どおりに変形して偏肉などもなく変形して均一な内圧
を発生させることができるため好適である。硬い鋼管で
は変形がいびつになりやすいため、内圧も不均一とな
り、定着性が低下する。材質的には、たとえば配管用炭
素鋼鋼管(SGP),圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)などが用
いられる。前者は引張り強度が290kN程度、後者は
引張り強度が370kNで、後者の方がやわらかい材質
である。また、鋼管5の寸法としては、厚さは2.5〜
5mm程度、長さは定着効率のうえから少なくとも高強
力繊維複合緊張材Aの外径の10倍程度以上が必要であ
る。しかし鋼管は圧縮加工を受けると伸び、緊張材を引
っ張るように作用する。それゆえあまり鋼管長さが大き
いと、極端な場合には内部に発生した引張りによって緊
張材が破断する。それゆえ長さ寸法の上限は高強力繊維
複合緊張材Aの外径の25倍程度である。たとえば、高
強力繊維複合緊張材Aが1×7構造、外径12.5mm
の場合、鋼管は、長さ150〜300mm、外径21〜3
0mmのものが適当である。鋼管5は内面が平滑であっ
てもよいし微細な溝を有していてもよい。
【0009】次に、軟質樹脂層6は鋼管5および高強力
繊維複合緊張材Aと馴染がよく、圧縮力によって割れた
り破砕せずに流動しやすい特性を有する樹脂、ことに次
の性状を有する熱硬化性樹脂が適している。 1)デュロメータ式硬さ試験D型による硬度D(JIS K721
5)が60〜75 2)弾性率が0.8〜1.5kN/mm2程度 硬度Dは緊張材の硬度よりも小さいことが条件である。
75以上では流動性が低下し、緊張材表面の谷間への充
填、密着が不完全となり、また圧縮時に緊張材の損傷を
招くため不適当である。硬度Dが60以下ではクリープ
によって緊張材が滑り抜ける遅れ破壊を生ずるため不適
当である。次に、弾性率が1.5kN/mm2以上では内圧が過
度に上昇するため緊張材の損傷を招く理由により、また
弾性率が0.8kN/mm2以下では内圧が不足し緊張材の定着
荷重を高くできないため不適当である。その他、使用樹
脂の性状としては、圧縮強度が0.05kN以上、圧縮
伸びが5%以上好ましくは10%程度である。こうした樹
脂の具体例としては、エポキシ系樹脂に硬化剤として三
級アミン,変成脂肪族ポリアミン,ポリアミドアミンな
どのアミン系樹脂のいずれか1種以上を混合し、さらに
硬化物の流動性を付与するため多硫化化合物を添加した
ものが挙げられる。また、アルミナ微粉末などの充填材
を配合して硬度を維持することができる
【0010】軟質樹脂層6は中心に貫通穴60を有する
円筒形をなしており、軟質樹脂層6は図3(a)のように
鋼管5の内側に一体化してもよいし、図3(b)のように
鋼管5の内径と同等または若干大きめな外径の成形体と
して構成し、鋼管5に嵌合または圧入させることでアッ
センブリとしてもよい。図3(a)のものを得る方法は任
意である。すなわち、鋼管5の中心にマンドレル状の芯
枠を貫挿し、この状態で芯枠と鋼管5の間の環状空隙に
熱硬化性樹脂(主剤と硬化剤の混合物)を充填ないし流し
込み、芯枠を除去するような方法をとってもよい。芯枠
としては熱硬化性樹脂と接着性の乏しいものや消失でき
るものを使用し、あるいは、熱硬化性樹脂と接着しない
ように回転させるような方法をとればよい。また別の方
法としては、鋼管5に熱硬化性樹脂を充填ないし流し込
み、硬化前に鋼管5を高速回転させて遠心力で鋼管内面
に付着させるような方法としてもよい。さらには、鋼管
5に熱硬化性樹脂を充満するようにが充填し、中実体と
して硬化した後に、断面中心部に機械加工により貫通穴
60を穿設してもよい。後者の軟質樹脂層6は中空状に
押出し成形したパイプ材あるいは任意の方法で棒材を作
り、中心部に穿孔したものを用いることができる。図3
(a)(b)の定着用部材Bはいずれの場合も長尺素体を作
り、工場や現場で必要定着長さに切断すればよいため簡
単である。
【0011】軟質樹脂層6の貫通穴60は円形ストレー
ト状でもよいし、高強力繊維複合緊張材Aの輪郭形状と
相似した形状でもよい。貫通穴60の寸法は高強力繊維
複合緊張材Aの外径と一致するか適度に大きい。軟質樹
脂層6の厚さは、圧縮時の流動を可能にするため少なく
とも0.5mm以上であることが必要である。また、上限
は、鋼管からのグリップ力を伝達するため4mmとするこ
とが好ましい。
【0012】定着部を形成するに当たっては、図1の状
態から高強力繊維複合緊張材Aの端末部aを軟質樹脂層
6の貫通穴60に貫挿する。軟質樹脂層6と端末部aは
何ら接着されていない独立部品であるから、定着用部材
Bは端末部aの任意の長さ位置に配することができ、し
たがって定着部形成位置を自由に調整することができ
る。このように定着部形成位置が決まったならば、あと
は端末部aを貫挿した定着具Bを冷間プレス機の2つ割
り金型7a,7b内に配置して、圧縮力を加えるだけで
よい。キャビティ形状は円形でもよいが、作業性の面す
なわち一度の圧縮で均等に内部を拘束できる点からこの
例では多角形となっている。プレス圧は鋼管を圧縮し円
筒形樹脂の断面を15〜30%減少させるに十分な大き
さが必要である。あまりプレス圧が高過ぎると過度の内
圧によって緊張材が損傷を受け、低荷重で破断し、見掛
け上定着荷重が低下する。逆に圧縮が低すぎると十分な
定着荷重が得られない。プレス圧の最適範囲は使用する
鋼管5の強度、寸法、樹脂の性状などにもよるが、一般
に1〜2.5kN/mm2程度である。これによって樹脂が密
着しかつ内圧が付与され、鋼管-樹脂-緊張材が一体化す
るため定着体を形成することができる。上記プレス圧で
プレス機を作動すれば、2つ割り金型7a,7bで鋼管
5は全周から圧縮され、図7と図8のように断面積が縮
小した多角形状に塑性変形される。鋼管5が圧迫され塑
性変形が開始されるのに伴い、鋼管内の軟質樹脂層5は
全周から強力な圧縮力を受ける。軟質樹脂層5は硬度D
が60〜75、弾性率が0.8〜1.5kN/mm2というような
軟質のものであるため、割れてバラバラになったりせ
ず、貫通穴60を形成している領域の軟質樹脂部分が塑
性流動を起こし、端末部aを構成する各繊維複合素線
1,1間の各螺旋状の谷間10に圧入され、谷間に完全
に充填される。そして、鋼管5が所定の断面積まで塑性
変形される過程で軟質樹脂層6は圧密化され、外径側は
鋼管5の内面50により拘束され、内径側は撚り構造に
よる大きな表面積の端末部aの表面に大きな摩擦力で圧
接する。このため、端末部aと軟質樹脂層6と鋼管5は
緊密に一体化される。また、繊維複合素線1,1が螺旋
状の凹凸を有しその螺旋状の凹部に軟質樹脂が圧入され
ているため大きな引抜き抵抗が得られる。これらによ
り、定着効率の高い定着部Cが形成される。なお図示し
ないが高強力繊維複合緊張材Aの他端部についても同様
な手順で定着部Cが形成されるものである。
【0013】上記のような定着部Cを用いてポストテン
ション方式によるプレストレストコンクリート類を得る
には、図9と図10のようにソケット11に定着部Cを
挿通し、塑性変形した鋼管の断面形状に対応する形状の
接触面を有する複数割りくさび12をソケット11と定
着部Cの間に打ち込み、ソケット11を支圧板14で受
支させる。そして他端側の定着部も同様にくさび止め
し、ソケットを緊張定着用ジャッキでジャッキアップ
し、所定の緊張力に達した後、ソケットの前端と支圧板
の間にシムプレートを介装して固定し、テンションバー
を取り外せばよい。なお、図10において、13はシー
ス管である。本発明によれば、前記のように端末部aと
軟質樹脂層6と鋼管5が緊密に一体化された定着部Cと
なっているため定着効率が高く、また、定着部Cの外殻
が鋼管5により構成され軟質樹脂層5が緩衝材として働
くため、クサビによる圧縮力が作用しても繊維のせん断
破壊が防止され、高い緊張力を付与することができる。
また鋼管径が比較的小さくて済みシース管の径を小さく
することができることから、緊張材の配筋密度を高くす
ることができる。これらにより、耐食性に優れ、軽量で
薄いコンクリートを製造することが可能になる。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。複合撚合型緊張
材Aとして、炭素繊維ヤーンにエポキシ樹脂を35wt
%含浸し、タルク粉末を塗布してプリプレグ化したもの
を複数本撚合しその外周にポリエステル繊維を巻きつけ
て複合素線を作り、この複合素線を樹脂が未硬化の状態
で1×7構造に撚合し、熱処理してエポキシ樹脂を硬化
させることで得た外径12.5mmφを用いた。この複
合撚合型緊張材Aの保証破断荷重は142kN、実際の
破断荷重強力は161kNであり、定着効率の目標値は
90%以上である。 定着具Bは、鋼管としてSGPとSTG
P2種の材質のものを使用し、樹脂層は、主剤に変成脂
肪族アミンを混合した軟質エポキシ樹脂を鋼管の内側に
充填、硬化させて一体成形した種々の厚さのものを使用
した。プレス機は六角形のキャビティを持つ2方向冷間
プレス機を使用し、プレス圧を種々にとってみた。得ら
れた定着部を3つ割りくさびと外径65mmのソケットで
定着し、複合撚合型緊張材Aに緊張力を付与し、定着効
率(定着荷重/緊張材の破断荷重×100)を測定した。その
結果を表1に示す。なお、比較のため、樹脂として硬度
の高いもの、樹脂弾性率の高いものを用いて定着部を作
ったときの諸元と定着試験結果も表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】この表1から明らかなように、実施例1な
いし実施例4は良好な定着効率が得られている。これ
は、鋼管の材質、樹脂硬度Dと弾性率、樹脂厚、および
プレス圧が適正なためである。比較例1,2は鋼管の材
質や長さは適切であるが、樹脂硬度Dが軟らか過ぎ(比較
例1)あるいは硬過ぎる(比較例2)ため定着効率が低くな
っている。
【0017】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、鋼管5の
内側に円筒状の軟質樹脂層6を有する定着用部材Bを用
い、前記軟質樹脂層6の貫通穴60に高強力繊維複合緊
張材Aを挿入し、この状態で鋼管5を外周から圧縮する
ことにより前記樹脂層を塑性流動させて高強力繊維複合
緊張材Aの谷間に充填圧接させるため、樹脂の硬化を待
ったり温度等の管理を行ったりする必要なく、また射出
成形機といった特殊な機械を使用する必要がなく、定着
効率の良好な定着部を使用現場できわめて簡単かつ能率
的に作ることができる。また、高強力繊維複合緊張材は
外周に定着部用の筒状層を形成する必要がなく、ストレ
ートな状態のまま現場合せで計尺、切断して使用するこ
とができるため工場からの出荷、運搬などを簡易、小容
量のものとすることができるとともに、鋼管を圧縮する
までは自由に定着位置を変更できるため、経済的で仕様
に最適な位置に定着部を設けて緊張力を付与することが
できるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高強力繊維複合緊張材の端末定着
部形成の開始前の状態を示す縦断側面図である。
【図2】本発明に用いられる高強力繊維複合緊張材の一
例を示す拡大断面図である。
【図3】本発明に用いる定着用部材の例を示す縦断側面
図である。
【図4】本発明の第1段階を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の第2段階を示す縦断側面図である。
【図6】第2段階のプレス型との取り合いを示す縦断正
面図である。
【図7】本発明で得られた定着部の縦断側面図である。
【図8】図7のX−X線に沿う断面図である。
【図9】本発明による定着部を使用した定着状態を示す
斜視図である。
【図10】本発明による定着部をプレストレストコンク
リートの製作に適用した状態を示す側面断面図である。
【符号の説明】
A 高強力繊維複合緊張材 a 端末部 B 定着用部材 5 鋼管 6 軟質樹脂層 50 貫通穴 C 定着部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高強力低伸度繊維と熱硬化性樹脂とを複合
    した撚合型高強力繊維複合緊張材に定着部を得るにあた
    り、鋼管の内側に円筒状の軟質樹脂層を有する定着用部
    材を用い、前記軟質樹脂層の貫通穴に高強力繊維複合緊
    張材を挿入し、この状態で鋼管を外周から圧縮すること
    により前記軟質樹脂層を塑性流動させて高強力繊維複合
    緊張材の谷間に圧入充填させることを特徴とする高強力
    繊維複合緊張材の端末定着部形成方法。
  2. 【請求項2】円筒状の樹脂層が予め鋼管内周に一体化さ
    れている請求項1に記載の高強力繊維複合緊張材の端末
    定着部形成方法。
  3. 【請求項3】円筒状の樹脂層が鋼管と別部材として作ら
    れ、鋼管に内嵌されるものを含む請求項1に記載の高強
    力繊維複合緊張材の端末定着部形成方法。
  4. 【請求項4】軟質樹脂層が、硬度Dが60〜75、弾性
    率が0.8〜1.5kN/mm2程度の熱硬化性樹脂である請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高強力繊維複
    合緊張材の端末定着部形成方法。
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Cited By (4)

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