JPH0742310A - コンクリ−ト補強用繊維複合型補強材およびその端末定着方法 - Google Patents

コンクリ−ト補強用繊維複合型補強材およびその端末定着方法

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JPH0742310A
JPH0742310A JP20998293A JP20998293A JPH0742310A JP H0742310 A JPH0742310 A JP H0742310A JP 20998293 A JP20998293 A JP 20998293A JP 20998293 A JP20998293 A JP 20998293A JP H0742310 A JPH0742310 A JP H0742310A
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JP
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sleeve
fiber
composite
reinforcing material
fiber composite
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JP20998293A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kimura
浩 木村
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Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Tokyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Tokyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い耐力を有しながら定着用端末の外径が小さ
く、コンクリート断面積内に密に配筋することができ、
耐食性にすぐれた軽量でかつ薄いプレストレストコンク
リート製品を製造可能な補強材と端末定着方法を提供す
ることにある。 【構成】高強力低伸度繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた
複合素線2を複数本撚合して樹脂を加熱硬化させた繊維
複合ストランド状補強材1の複数本を束にした補強材で
あって、それら繊維複合ストランド状補強材束の端末を
解撚することなく内ネジ80を有するスリーブ8内に挿
入して硬化収縮の少ない封止用樹脂9により封止した。
またこの繊維複合型補強材を用い、該繊維複合マルチス
トランド型補強材をコンクリート中のシース管11に挿
通した後、スリーブ8にクサビスリーブ13を外装し、
スリーブ8とクサビスリーブ13の間にクサビ12を打
ち込み定着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンクリート補強用繊維
複合型補強材およびその端末定着方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】コンクリートはひび
割れを起しやすい性状を有しており、これを防止するた
めコンクリート中に鉄筋や鋼材を埋設して補強を図って
いるが、さらにその補強効果を高めるため、補強材を緊
張させてコンクリートを圧縮した状態にするプレストレ
ストコンクリート法が採用されている。このプレストレ
ストコンクリート法には、予め補強材に引張り力を与え
ておいてコンクリートを打設し、コンクリートが所定の
強度に達した後に補強材の引張り力を開放するプレテン
ション法と、シース管を予めコンクリート型枠中に配し
てコンクリートを打設し、コンクリート固化後にシース
管に補強材を通し、補強材を緊張させその補強材の端末
部をコンクリートに固定することでコンクリートにプレ
ストレスを導入するポストテンション法があり、後者は
前者で必要なベンチ、アバットなどの大規模な設備を要
しないことから、大きな寸法のコンクリート部材の製造
に利用されている。
【0003】ところで、コンクリート製品においては、
近年、軽量で耐久性がありかつ非磁性であることが要望
されており、この対策として、補強材としてFRP補強
材すなわち高強力繊維と樹脂との複合補強材が使用され
つつある。このような繊維複合補強材を用いるときに
は、補強材が良好な耐食性を有するため、鋼材の場合に
必要とされていた「かぶり」が不要となる。したがっ
て、繊維複合補強材を使用しコンクリート断面積あたり
の配筋数を増せば、軽量、高強度で耐食性にすぐれたコ
ンクリート部材を好適に製造することが可能となる。し
かし、かかる繊維複合補強材を使用してポストテンショ
ン方式によりプレストレストコンクリートを得る場合、
コンクリート構造中に予め埋設されているシース管に繊
維複合補強材の全長を挿通する。したがって、補強材の
配筋密度を高めるにはシース管の直径が小さいことが必
要であり、そのためには繊維複合補強材の端末外径がコ
ンパクトでなければならない。
【0004】かかる繊維複合補強材の端末構造や定着方
法について従来種々のものが提案されており、代表的な
ものとして、実開平3-120598号公報のように繊維複合補
強材の端末を1ピッチ分程度解撚して金属製のソケット
に内挿しエポキシ樹脂等で埋め固めた樹脂封止式端末が
知られている。また、この場合の端末定着法として、ソ
ケットの外面に雄ねじを設けこれにナットを螺合しソケ
ットを引っ張る方法が採用されている。
【0005】しかし、先行技術においては、樹脂との接
着面積を増すために端末の撚りを解き、かご状に開いた
ものをソケットに挿入しており、そのかご状膨出部の径
は繊維複合補強材の直径の2.3倍程度にもなる。この
ため、ソケットはかご状膨出部を容入できる大きな寸法
の内径としなければならない。さらに、ソケットはナッ
トを介して牽引されるため、強度上必要な一定の断面積
に加えて十分なねじの加工しろをとる必要があり、その
分ソケットの外径を増径しなければならない。これらの
ため、先行技術では端末の外径が大きくならざるを得
ず、そのため、この端末を挿通するシース管の径も必然
的に大きくなり、コンクリート断面積あたりの配筋数を
増やすことができなかった。ことにポストストランド方
式では一カ所あたり数10トンの大容量荷重で緊張される
ケースが多く、しかも高い耐力が必要な場合には配筋密
度を増すため繊維複合補強材はマルチストランドとする
ことが望まれるが、この場合にはますます端末外径した
がってシース管外径が太くなり、薄いコンクリート製品
を得ることができないという問題があった。また、端末
をかご状に開くにはスパイキなどによって樹脂との接着
を剥がすことが必要であり、この作業にきわめて時間と
手間がかかる。このため、作業性と作業能率が悪くな
り、コストアップを招き、軽量、高強度で耐食性にすぐ
れた薄いコンクリートを容易に製造することができなか
った。
【0006】この対策としては、繊維複合補強材の端末
域に円筒状の熱硬化性樹脂層を形成して端末部とし、こ
の熱硬化性樹脂層にクサビスリーブを外挿し、熱硬化性
樹脂層とクサビスリーブの間にクサビを打ち込む定着方
法が考えられる。しかし、この端末構造はシングルスト
ランド(繊維複合ストランド状補強材が1本)には適用で
きるが、マルチストランドには適用が困難である。それ
は熱硬化性樹脂層からなるため機械的強度が弱く、クサ
ビを打ち込んだ際にマルチストランドの場合にストラン
ド間の樹脂部分が強い圧縮力の作用により亀裂が生じた
り、破壊したりする危険があるからである。
【0007】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その第1の目的は、高い耐力を
有しながら定着用端末の外径が小さく、コンクリート断
面積内に密に配筋することができるコンクリート補強用
繊維複合型補強材を提供することにある。また、本発明
の第2の目的は、耐食性にすぐれた軽量でかつ薄いプレ
ストレストコンクリート製品を製造可能な端末定着方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため本発明は、高強力低伸度繊維に熱硬化性樹脂を含
浸させた複合素線を複数本撚合して樹脂を加熱硬化させ
た繊維複合ストランド状補強材の複数本を束にした補強
材であって、それら繊維複合ストランド状補強材束の端
末を解撚することなく内ネジを有するスリーブ内に挿入
して硬化収縮の少ない封止用樹脂により封止したもので
ある。また第2の目的を達成するため本発明は、高強力
低伸度繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた複合素線を複数
本撚合して樹脂を加熱硬化させた繊維複合ストランド状
補強材を複数本束にし、それら繊維複合ストランド状補
強材束の端末を解撚することなく内ネジを有するスリー
ブ内に挿入して硬化収縮の少ない封入用樹脂により封止
した繊維複合マルチストランド型補強材を用い、該繊維
複合マルチストランド型補強材をコンクリート中のシー
ス管に挿通した後、スリーブにクサビスリーブを外装
し、スリーブとクサビスリーブの間にクサビを打ち込み
定着するようにしたものである。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。図1ないし図4は本発明によるコンクリート補強
用繊維複合型補強材の一実施例を示している。Aは繊維
複合マルチストランド型補強材であり、端末部が鋼など
の強度の高い材質からなる薄肉のスリーブ8に挿入さ
れ、熱硬化性樹脂9によってスリーブ8に封入一体化さ
れている。
【0010】繊維複合マルチストランド型補強材Aは繊
維複合ストランド状補強材1を複数本(この例では3本)
抱合せ束にすることで構成されており、各繊維複合スト
ランド状補強材1は、繊維複合素線2を複数本(この例
では7本)撚り合わせることによって構成されている。
繊維複合素線2は、炭素繊維、ポリアラミド繊維、炭化
珪素繊維などの高強力低伸度特性を備えた極細長繊維を
多数本集合させた繊維ヤーンに、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化型のマ
トリックス樹脂を含侵させ、賦形ダイスで成形および余
剰樹脂の除去を行つた後、表面にタルクなどの粉末乾燥
剤を塗布して表面を乾燥させて複合繊維芯3を作り、そ
うした複合繊維芯3を数本撚り合せ、その外周にナイロ
ン、ポリエステル等の合成繊維や繊維芯と同じ材質から
なる外装用の繊維4を巻きつけたり編組するなどして得
たものである。場合によっては、さらに外装用の繊維4
の外表面にこれと同様な材質からなる平織ないし綾織の
テープなどからなる表面積増加材を巻着してもよい。
【0011】繊維複合ストランド状補強材1は、含浸マ
トリックス樹脂が未硬化の状態で前記繊維複合素線2を
複数本配して撚合し、次いでマトリックス樹脂を加熱硬
化させることで作られている。繊維複合撚合マルチスト
ランド型補強材Aは、このようにマトリックス樹脂4を
加熱硬化させた繊維複合ストランド状補強材1の複数本
を抱き合わせたものであり、実施例では3本であるが、
6本、7本、12本、14本などとすることができる。
各繊維複合ストランド状補強材1は分離しているのが基
本であるが、場合によっては樹脂によって軽く接着され
ていてもよいし、ばらけないようにバンドや紐類で結束
されていてもよい。
【0012】前記スリーブ8は内面にはめねじ80が刻
設されており、繊維複合撚合マルチストランド型補強材
Aを構成する各繊維複合ストランド状補強材1は、解撚
されることなく直線状のままスリーブ8に挿入され、硬
化収縮の少ない封止用樹脂9によって封止される。スリ
ーブ8は封止用樹脂9に対する剪断力を低く押えると同
時に接着力の低下を防止して一体化されるように内容積
ができるだけ小さいことが望ましく、したがって、内径
は繊維複合撚合マルチストランド型補強材Aの直径(束
外接円径)D1の1.1倍以下が好ましく、外径はD1
1.3倍以下が好ましい。また、十分な接着強度を得る
ため、スリーブ8の長さは繊維複合撚合マルチストラン
ド型補強材Aの直径の10倍以上とすることが好まし
い。
【0013】硬化収縮の少ない封止用樹脂9は、具体的
には硬化体積収縮率が0.6%未満が好ましい。その理
由は、硬化後の収縮率が0.6%以上ではスリーブ8の
内ねじ80との間に隙間が発生し、樹脂とねじとのひっ
かかりが減少するため、緊張力を付与したときに繊維複
合撚合マルチストランド型補強材Aが抜ける危険があ
り、このためにはスリーブの内ねじの高さを大きくしな
ければならなくなり、スリーブ肉厚を余分にとらなけれ
ばならなくなるためスリーブ外径が増すことになるから
である。この硬化収縮率0.6%未満の封止用樹脂とし
ては、例えば、主剤にビスフェノールA型エポキシ樹脂
を用い、硬化剤にアミン系硬化剤を用い、それら主剤と
硬化剤とを重量比で100:(20〜28)で混合させた
2液混合型の接着剤に、タルク粉末で代表される充填剤
を5〜15wt%添加混合し、真空脱泡処理したものが
挙げられる。
【0014】前記封止用樹脂9による繊維複合撚合マル
チストランド型補強材Aのスリーブ8への封入方法は、
図5に示すように、前記スリーブ8の下端面を仮蓋10
に縦置きし、上側から前記硬化収縮の少ない封止用樹脂
9を所定量流し込んだ後、スリーブ8内に繊維複合撚合
マルチストランド型補強材Aの端部を直線状のままゆっ
くり挿入し樹脂の液面がスリーブ上端に達した状態に
し、この状態でたとえば50〜70℃の温度に所定時間
保持して封止用樹脂9を硬化させればよい。勿論この方
法に代えて、前記スリーブ8内に繊維複合撚合マルチス
トランド型補強材Aの端末を挿入した後、硬化後の収縮
の少ない封止用樹脂9を注入してもよいし、スリーブ8
内に硬化後の収縮の少ない封止用樹脂9をある程度の量
注入した状態で、繊維複合撚合マルチストランド型補強
材Aの端部をスリーブ8内に挿入し、さらに封止用樹脂
9を注入する方法としてもよい。
【0015】図6ないし図10は本発明によるコンクリ
ート補強用繊維複合型補強材の端末定着方法の一実施例
を示している。7は床版などのコンクリート部材であ
り、コンクリート部材7には予め所定の間隔で多数本の
シース管11が配設されている。コンクリート部材の表
面にはシース管11に連通する穴を持つ支圧板14が固
定されている。本発明によりプレストレストを得るに
は、前記のように図1ないし図4で示す構造の端末Bを
両端に持つ繊維複合撚合マルチストランド型補強材Aを
作り、これをシース管11に挿通する。そして、シース
管11および支圧板14から突出した固定側の端末Bの
スリーブ外周にクサビスリーブ13を外装し、クサビス
リーブ13とスリーブ8との間にクサビ12を打ち込
み、定着させる。この状態が図9であり、緊張側の端末
Bのスリーブ外周には、テーパ孔後方に雌ねじ付き延長
部130を有するクサリスリーブ13’を外装し、クサ
ビスリーブ13とスリーブ8との間にクサビ12を打ち
込んで定着させた後、延長部130に雄ねじ付きのテン
ションバー15を螺合連結し、テンションバー15を図
示しない緊張定着用ジャッキでジャッキアップし、所定
の緊張力に達した後、図10のようにクサリスリーブ1
3’の前端と支圧板14の間にシムプレート16を介装
して固定し、テンションバー15を取り外すものであ
る。なお、クサビ12は一体型,分割型のコーンのいず
れでもよい。
【0016】
【実施例の作用】繊維複合撚合マルチストランド型補強
材Aは複数本の繊維複合ストランド状補強材1を束ねた
ものであるため凹凸を有し、かつ各繊維複合ストランド
状補強材1それ自体も複数の繊維複合素線2の撚合によ
る螺旋状の凹凸を有しているため表面積が大きく、それ
ぞれの繊維複合ストランド状補強材1の隙間に封止用樹
脂9が進入充填されるため、強固に一体化する。繊維複
合撚合マルチストランド型補強材Aは複数本の繊維複合
ストランド状補強材1を束ねかつそれらの端末を解撚せ
ずに直線状のままスリーブ8に挿入して封止用樹脂9で
封入した端末構造となっている。このため、スリーブ8
の内径は繊維複合撚合マルチストランド型補強材Aの直
径とほとんど同じで足りる。しかも、硬化収縮が0.6
%未満の封止用樹脂9であるためスリーブ8の内ねじ8
0との間に隙間ができず、良好なひっかかり状態を形成
できるため、内ねじ寸法を小さくすることができ、スリ
ーブの増径が不要となる。したがって、内ねじ加工によ
るスリーブ断面減少が少なく、スリーブ断面を定着に有
効に使うことができる。さらに、スリーブ8をナット定
着でなく、クサビ12で定着するため、ナット定着の場
合のような外面ねじ加工が不要であり、その加工しろ分
の増径が節減できる。したがってまた、ねじ加工による
断面減少がなく、スリーブ外径で規定されるスリーブ断
面を有効に使用することができる。
【0017】このようなことから、本発明によれば、同
じ定着荷重を実現する場合に、端末外径(スリーブ外径
2)をきわめてコンパクトにすることができる。すなわ
ち、スリーブ外径D2と繊維複合撚合マルチストランド
型補強材Aの外径D1の比D2/D1を1.3とすること
ができ、繊維複合撚合マルチストランド型補強材Aを構
成する繊維複合ストランド状補強材1の抱合せ本数を増
せば、D2/D1を1.3以下と小さくすることができ
る。このため、繊維複合撚合マルチストランド型補強材
Aを挿通するシース管11の径も小さくすることがで
き、コンクリート断面内にシース管を密に配筋できる。
そして、端末Bは外殻がスリーブであるため、クサビ1
2による強力な圧縮力が作用しても、繊維に側圧やせん
断が作用せず圧偏も生じないため、高い緊張力を付与す
ることができる。よって、耐食性に優れ、軽量で薄いコ
ンクリート床板を製造することが可能になる。
【0018】次に本発明の具体例を示す。炭素繊維ヤー
ンにエポキシ樹脂を35wt%含浸し、タルク粉末を塗布
してプリプレグ化したものを複数本撚合し、外周にポリ
エステル繊維を巻き付けて複合素線を形成し、さらにこ
の複合素線をエポキシ樹脂未硬化状態で心に1本、側に
6本配して構成で撚合し、最後に熱処理してエポキシ樹
脂を硬化して、外径12.5mmで1×7構造を有する繊
維複合ストランド状補強材を得た。スリーブとしては、
外径35mm、内径28mm、長さ300mmの鋼製スリーブ
の内側にネジピッチ1mmでJIS細目形状のねじ切り加工
をしたものを使用した。封入樹脂としては、低粘度エポ
キシ樹脂にタルク粉末を約10重量%添加混合し、さら
に真空脱泡した硬化体積収縮が0.6%のものを使用し
た。スリーブを縦置きにし、下側を封じて、上側からエ
ポキシ樹脂を所定量流し込んだ。この状態で前記繊維複
合ストランド状補強材を3本束にし、その端部をそのま
まスリーブにゆっくり挿入し、樹脂の液面がスリーブ上
端に達するようにして、完全にスリーブと繊維複合スト
ランド状補強材を3本束の空隙に樹脂を充填した。これ
を60℃雰囲気中に6時間保持してエポキシ樹脂を硬化
させ、端末を得た。上記工程で得た補強材の性能を検討
するため、長さ100mmのクサビスリーブと長さ120
mmの3つ割りくさびを用いて定着し、引張り試験機で引
張試験した。比較のため、図11のように前記繊維複合ス
トランド状補強材を3本抱合せ、それぞれの端末を1ピ
ッチ分程度解撚してかご状に開き、長さが200mmの
ナット定着用スリーブに挿入して樹脂封止した端末を作
り、それをナット定着した。定着荷重は本発明と比較例
とも45000kgfとした。
【0019】その結果、本発明と比較例で補強材外径D
1がともに26.9mmφであるにもかかわらず、スリーブ外
径D2が本発明では35mm、比較例では82mm、外
径比D2/D1が本発明では1.3であるのに対し、比較
例では3.0であった。
【0020】この結果から、同等の定着性能を得る場合
に、本発明によればスリーブ外径と繊維複合撚合マルチ
ストランド型補強材の外径の比D2/D1を解撚式端末の
約1/2にすることができることがわかる。比較例では
かご状の解撚部が大きな外径D3となるためスリーブの
内径と外径が大きくなる。なお、3本の繊維複合ストラ
ンド状補強材を抱合せ、全体が円形断面になるようにエ
ポキシ樹脂を塗布して外径28〜35mm、長さ300mm
の円筒状樹脂層からなる端末を形成し、その端末をクサ
ビ定着してみたが、その結果いずれも15,000kgf
前後で樹脂部が破壊してしまった。
【0021】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によると
きには、高い耐力を有しながら定着用端末の外径が小さ
く、コンクリート断面積内に密に配筋することができる
というすぐれた効果が得られる。また、本発明の請求項
4によれば、耐食性にすぐれた軽量でかつ薄いプレスト
レストコンクリート製品を容易に製造できるというすぐ
れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコンクリート補強用繊維複合型補
強材の一実施例を示す縦断側面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う拡大断面図であ
る。
【図4】図2における繊維複合ストランド状補強材の1
本の複合素線の拡大断面図である。
【図5】本発明の端末を得る方法を示す断面図である。
【図6】本発明による端末定着法を示す縦断側面図であ
る。
【図7】本発明により得られた定着部の一例を示す断面
図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図であ
る。
【図9】本発明を適用した緊張方法の第1段階を示す断
面図である。
【図10】本発明を適用した緊張方法の完了状態を示す
断面図である。
【図11】定着法の比較例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 繊維複合ストランド状補強材 2 複合素線 8 スリーブ 9 封止用樹脂 11 シース管 12 クサビ 13 クサビスリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04C 5/12 9130−2E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高強力低伸度繊維に熱硬化性樹脂を含浸さ
    せた複合素線2を複数本撚合して樹脂を加熱硬化させた
    繊維複合ストランド状補強材1の複数本を束にした補強
    材であって、それら繊維複合ストランド状補強材束の端
    末を解撚することなく内ネジを有するスリーブ8内に挿
    入して硬化収縮の少ない封止用樹脂9により封止したこ
    とを特徴とするコンクリート補強用繊維複合型補強材。
  2. 【請求項2】封止用樹脂9をスリーブ8に注入した状態
    で繊維複合ストランド状補強材束の端末を挿入すること
    を含む請求項1に記載のコンクリート補強用繊維複合型
    補強材。
  3. 【請求項3】スリーブ8の外径と繊維複合ストランド状
    補強材束の外径の比が1.3以下である請求項1または
    請求項2のいずれかに記載のコンクリート補強用繊維複
    合型補強材。
  4. 【請求項4】高強力低伸度繊維に熱硬化性樹脂を含浸さ
    せた複合素線を複数本撚合して樹脂を加熱硬化させた繊
    維複合ストランド状補強材1を複数本束にし、それら繊
    維複合ストランド状補強材束の端末を解撚することなく
    内ネジを有するスリーブ8内に挿入して硬化収縮の少な
    い封入用樹脂9により封止した繊維複合マルチストラン
    ド型補強材を用い、該繊維複合マルチストランド型補強
    材をコンクリート中のシース管11に挿通した後、スリ
    ーブ8にクサビスリーブ13を外装し、スリーブ8とク
    サビスリーブ13の間にクサビ12を打ち込み定着する
    ことを特徴とするコンクリート補強用繊維複合型補強材
    の端末定着方法。
JP20998293A 1993-08-03 1993-08-03 コンクリ−ト補強用繊維複合型補強材およびその端末定着方法 Pending JPH0742310A (ja)

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