JPH1128713A - 半pc柱の遠心成形型枠 - Google Patents

半pc柱の遠心成形型枠

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JPH1128713A
JPH1128713A JP18670097A JP18670097A JPH1128713A JP H1128713 A JPH1128713 A JP H1128713A JP 18670097 A JP18670097 A JP 18670097A JP 18670097 A JP18670097 A JP 18670097A JP H1128713 A JPH1128713 A JP H1128713A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柱・梁接合部に型枠施工をする必要がなく、
上方の高い位置での作業を省略して可及的な省力化が図
れる半PC柱を製造し得る半PC柱の遠心成形型枠を提
供する。 【解決手段】 横断面矩形の内部空間を有して軸芯部を
中心に回転駆動される筒体状の外型枠4を備えた半PC
柱の遠心成形用型枠2に対し、この遠心成形型枠2で製
造する半PC柱の柱頭部に接合する梁端部を係合載置す
るための切欠き部形成用の絶縁部材24を、当該外型枠
4の柱頭側端部の内面に設ける。この絶縁部材24は例
えば発砲スチロール等からなり、その大きさは上記梁の
断面形状に一致し、かつ遠心成形される筒状の半PC柱
の肉厚以上の厚みを有して、外型枠4の隅角部に配置さ
れた相隣る内型枠22,22間に配設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半PC(プレキャ
スト・コンクリート)柱の遠心成形型枠に係わり、特に
梁と接合させるにあたって型枠を用いる必要のない半P
C柱を製造し得る半PC柱の遠心成形型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に特許公報第26093
47号(特開平4−83604号公報)に開示されるP
C製筒状部材の遠心成型用型枠を開発した。この型枠を
用いて作られたPC製筒状部材は、コンクリートを遠心
力により型枠内周部に密着させつつ内部中空の断面矩形
状に成型でき、表面に遠心成形による緻密な層を形成で
きることから、これの応用製品として柱の表面材を構成
する半PC柱の製造に適用でき、この半PC柱を永久型
枠としてこれの内部に鉄筋を建て込み、現場打コンクリ
ートを充填することで、その後の型枠撤去作業を不要に
して柱を構築できる。
【0003】そして、従来では図9に示すように、この
半PC柱56の全高寸法Hは、床スラブ50から天井ス
ラブ52までの階高寸法より、当該階高から梁54の下
端までの寸法hと据付け調整寸法dとを差引いた長さで
製造されていた。
【0004】そして、半PC柱56の上端部と梁54の
端部とを接合する仕口部は、図10に示すように半PC
柱56より幅の小さい梁54の端部を柱56上にセット
し、この梁54の端部両側にあいてしまう柱頭部の空間
の角部に、これを覆ってコンクリート止めとなる型枠5
8を柱面に沿わせて設置し、この内部にコンクリートを
打設することで柱・梁仕口部を一体に施工するようにし
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記型
枠58の設置作業は面倒であるとともに、高所作業とな
るため安全性が低く、その上施工完了後は型枠58の撤
去作業を行わなければならないため、作業性が低下し、
半PC柱56を用いることによる施工上の利点を減ずる
欠点があった。
【0006】この発明は、以上の問題を解決するもので
あり、その目的は、コンクリート止めとなる型枠施工
や、上部位置での作業を省略し、更に省力化をはかれる
ようにした半PC柱及びその製造方法を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明では、横断面矩形の内部空間を有して軸芯部
を中心に回転駆動される筒体状の外型枠を備えた半PC
柱の遠心成形用型枠において、該遠心成形型枠で製造す
る半PC柱の柱頭部に接合する梁の端部を係合載置する
ための切欠き部を予め成形すべく、該外型枠の柱頭側端
部の内面に、該梁の断面形状に一致する絶縁部材を設け
た。
【0008】従って、この発明の半PC柱の遠心成形型
枠によれば、遠心成形により製造される横断面が矩形で
筒状の半PC柱には、該半PC柱の梁との取合い部分と
なる仕口位置に、前記梁断面に一致する切欠きを予め開
口形成しておくことができる。よって切欠き部に梁の端
部を嵌合設置するだけで、別途型枠を設けることなく半
PC柱と梁との内部にコンクリートを打設して柱・梁接
合部を構築することができ、建設作業の可及的な省力化
が図れる。また、上記切欠きの形成は、遠心成形用型枠
の柱頭部側における外型枠の端部内面に、梁断面に一致
する切欠形成用の絶縁部材を配置するだけの極めて簡易
な作業でとり行えるから、既存の遠心成形装置にも容易
に適用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0010】図1は本発明に係る遠心成形型枠の要部を
示す横断面図(図2中のI−I線部に相当)であり、図
2は図1中に示すII−II線部の矢視方向からの断面図、
図3は同じく図1中のIII −III 線部の矢視方向からの
断面図、図4はその外観を示す斜視図である。
【0011】図1〜図4に示すように、遠心成形型枠2
は矩形筒体状の外型枠4と、この外型枠4の外周側を囲
繞する円筒体6とを有していて、それらは軸芯が一致さ
れて同軸上に設けられている。
【0012】外型枠4は、合同な2枚の鉄板8,8が相
互に突き合わされて、横断面矩形の内部空間を有する筒
体状に形成されている。上記鉄板8,8にはその両側端
部に接合用フランジ8a,8aが対角線方向に沿って外
方に延長形成されていて、当該接合フランジ8a,8a
が重ね合わされて2枚の鉄板8,8がボルト10で分割
可能に締結結合されるようになっている。
【0013】また、円筒体6も半円状に湾曲形成された
2枚の鉄板12,12が相互に突き合わされて形成され
るようになっている。この円筒体用の半円状の鉄板12
の両側端部にも接合用フランジ12a,12aが径方向
外方に延長形成されており、この接合用フランジ12
a,12aは上記外型枠用の鉄板8,8の接合用フラン
ジ8a,8aに溶接接合されていて、円筒体用の各半円
状の鉄板12,12は外型枠用の各鉄板8,8に一体的
に接合されている。
【0014】そして、外型枠4と円筒体6との間に画成
される空間、つまり相互に一体的に溶接接合された外型
枠用の鉄板8と円筒体用の半円状の鉄板12との間に
は、軽量コンクリートまたはモルタル等の補強材14が
充填されている。なお、この図示例においては、軽量化
のために、上記補強材14の充填層には空洞部15が形
成されている。
【0015】また、外型枠4およびこれを囲繞する円筒
体6の軸方向両端部にはそれぞれ円盤16がその中心を
外型枠4の軸芯に一致されて一体的に取り付けられてい
る。図示例にあっては、円筒体6の軸方向両端部には円
盤16が嵌合のうえボルト18を介して一体的に締結固
定されている。なお、この円盤16は外型枠4の軸方向
両端部の端板を兼ねており、その中心部には生コンクリ
ートの投入口20が矩形状に開口形成されていて、この
投入口20によって製品端面の内周側断面寸法がほぼ決
定されるようになっている。
【0016】また、外型枠4内にはその4つの隅角部に
臨んで当該外型枠4と所定の間隔を隔てて、それぞれ三
角柱状の内型枠22が当該外型枠4の軸方向に沿って挿
通配置されており、この内型枠22はそれぞれ両端が円
盤16に開口された投入口20の各角部に係合されてブ
ラケット21を介して着脱可能にボルトで締結固定され
ている。
【0017】ところで、この遠心成形型枠2では、これ
にて製造する柱の頭部に、後述する梁を係合させるため
の切欠きをその遠心成形時に予め形成しておくための絶
縁部材24が設けられている。この絶縁部材24は、例
えば発砲スチロール等からなり、外型枠4の柱頭部側端
部の内面に貼り付けられる等して設けられ、その大きさ
は梁断面に等しく、かつ遠心成形される筒状の柱の肉厚
以上の厚みを有して、相隣る内型枠22,22間にそれ
らに接触されて配設されている。つまり、この図示例で
は相隣る内型枠22,22の離間寸法は梁の幅寸法に一
致されている。
【0018】このように構成される遠心成形型枠2は、
その遠心成型時には図5に示すように、各円盤16が回
転駆動装置28の駆動側ドラム30上と従動側ドラム3
2上とに跨って載置されて、その軸芯を中心にして回転
駆動される。このとき、外型枠4の内部空間内には投入
口20を通じて図外のコンクリートポンプ等から所定量
の生コンクリートが投入供給される。なお、回転駆動装
置28の駆動側ドラム30はベルト34を介してモータ
36で回転駆動されるようになっている。
【0019】そして、外型枠4内に投入された生コンク
リートは遠心力によって内型枠22と外型枠4との間に
画成される環状の遠心成形空間S内に入り込むととも
に、各絶縁部材24両側部の角部の成形空間S内にも回
り込んで充填されてゆき、外型枠4の内周壁面に押圧さ
れつつ内部に含有される余分な水分が内部空間に排出さ
れて次第に締め固められ、遠心成形の長所であるコンク
リート材の圧密性によって高強度に品質良く筒体状に固
化される。なお、このとき外型枠4には上記遠心力がか
なりの大きさで作用するが、外型枠4はこれの外周側を
囲繞する円筒体6、並びにこの円筒体6と当該外型枠4
との間に充填された補強材14とによってその強度及び
剛性が高められているので、遠心力によって外型枠4が
径方向外方に膨らんでしまうことはない。
【0020】そして、コンクリートの硬化後に、遠心成
形型枠2を解体して脱型することで半PC柱が得られ
る。図6(a),(b)は、上記遠心成形によって製造
された半PC柱40とこの半PC柱40の頭部に接合す
るPC梁42との接合構造を示している。同図(a)に
示すように、半PC柱40は所定肉厚の内部中空の角形
筒状をなし、その柱頭部には半PC梁42が係合されて
載置される矩形状の切欠き44が形成されて、その全高
Hは図7に示すように床50と天井スラブ52間の階高
から据付け寸法dを差引いた寸法に形成されている。
【0021】ここで、半PC柱40には4本のU溝形状
半PC梁42が十字型に交差し、これに相応して半PC
柱40には半PC梁12による梁断面に相当する四つの
切欠き44が半PC柱40の各面に開口形成されてい
て、図6(b)に示すように、各PC梁42はその端部
が各切欠き44に嵌合されることで支持される。
【0022】従って、この状態で半PC柱40の内部に
図示しない多数の梁主筋を鉛直に建て込み、また半PC
梁42の内部に図示しない梁主筋を配筋した後、柱40
の内部及び各梁42の内部にコンクリートを打設するだ
けで、柱−梁の仕口部分を一体に成形できることにな
り、この後の型枠脱型作業は全く不要となる。
【0023】また、各半PC梁42の両端は半PC柱4
0の切欠き44内に支持されるため、その後のPC梁4
2の中間部を支持するための支保工の設置時の位置決め
作業も簡単なものとなる。
【0024】図8(a)〜(c)は図6における接続形
状変更例を示し、(a)では前記切欠き44がそれぞれ
半PC柱40の柱頭部にT字型をなして3つ開口形成さ
れた場合、(b)では180°対向して二つ形成された
場合、(c)では90°の直交角度で二つ形成された場
合をそれぞれ示し、いずれの接合形態にも適合できるこ
とはもちろんである。
【0025】以上の図6,8における切欠き44は、上
述のように遠心成形型枠2内に、その仕口位置に相当す
る部分に当該切欠き44と同一形状の絶縁部材24を外
型枠4の内側に貼り付ける等して設置しておくだけで、
この部分を除いた状態でコンクリートが遠心成形空間S
内部に充填されるから、各図に示す形状の切欠き44を
有する半PC柱40を容易に形成し得、柱に接続される
梁の断面が既知であって、一定の断面である場合に好適
である。また、この方法では既存の遠心成型用型枠4に
絶縁部材24を付加するだけでよいため、簡単に実施で
きる。
【0026】なお、半PC柱40の肉厚が非常に薄く、
コンクリートカッターなどによって容易に切断可能であ
る場合には、成型時においては、まず半PC柱40を階
高から据付け寸法dを差引いた角形筒状に形成してお
き、次いでこれに接合される梁42の断面形状に応じて
切欠44を矩形状に切除することで、前記と同様な接合
形態で柱−梁の接続が可能となる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、この
発明の半PC柱の遠心成形型枠によれば、遠心成形によ
り製造される横断面が矩形で筒状の半PC柱には、該半
PC柱の梁との取合い部分となる仕口位置に、前記梁断
面に一致する切欠きを予め開口形成しておくことができ
る。よって切欠き部に梁の端部を嵌合設置するだけで、
別途型枠を設けることなく半PC柱と梁との内部にコン
クリートを打設して柱・梁接合部を構築することがで
き、施工が簡単になって建設作業の可及的な省力化が図
れる。
【0028】また梁の両端は半PC柱の切欠に位置決め
支持されるため、梁の配置用支保工の配置、位置決めが
簡単となる利点がある。
【0029】さらに、上記切欠きの形成は、遠心成形用
型枠の柱頭部側における外型枠の端部内面に、梁断面に
一致する切欠形成用の絶縁部材を配置するだけの極めて
簡易な作業でとり行えるから、既存の遠心成形型枠にも
容易に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遠心成形型枠の要部断面を示すも
ので、図2中のI−I線部の矢視方向からの横断面図で
ある。
【図2】図1中に示すII−II線部の矢視方向からの断面
図である。
【図3】同じく図1中のIII −III 線部の矢視方向から
の断面図である。
【図4】図1の遠心成形型枠の外観を概略的に示す示す
斜視図である。
【図5】遠心成形型枠を回転駆動装置上に載置した状態
を説明する図である。
【図6】(a),(b)は上記遠心成形型枠で製造され
た半PC柱とこれに接合される梁との仕口構造を示す姿
図である。
【図7】同半PC柱の建付け寸法を示す側面図である。
【図8】(a)〜(c)は図6の接続形状変更例を示す
姿図である。
【図9】従来の半PC柱の建付け寸法を示す側面図であ
る。
【図10】従来の半PC柱と梁との仕口部における接合
構造を示す姿図である。
【符号の説明】
2 遠心成形型枠 4 外型枠 16 円盤 20 投入口 22 内型枠 24 絶縁部材 40 半PC柱 42 PC梁 44 切欠き S 遠心成形空間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横断面矩形の内部空間を有して軸芯部を
    中心に回転駆動される筒体状の外型枠を備えた半PC柱
    の遠心成形用型枠において、該遠心成形型枠で製造する
    半PC柱の柱頭部に接合する梁の端部を係合載置するた
    めの切欠き部を予め成形すべく、該外型枠の柱頭側端部
    の内面に、該梁の断面形状に一致する絶縁部材を設けた
    ことを特徴とする半PC柱の遠心成形型枠。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008302628A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Okumura Corp 外殻PCa部材の製造方法および外殻PCa部材を製造する型枠装置
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