JPH11286560A - フィルムの処理方法及び処理装置 - Google Patents
フィルムの処理方法及び処理装置Info
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- JPH11286560A JPH11286560A JP10703698A JP10703698A JPH11286560A JP H11286560 A JPH11286560 A JP H11286560A JP 10703698 A JP10703698 A JP 10703698A JP 10703698 A JP10703698 A JP 10703698A JP H11286560 A JPH11286560 A JP H11286560A
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- film
- gas
- discharge
- atmosphere
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Abstract
(57)【要約】
要約
【課題】ガス雰囲気下で高電圧印加上部電極2とア−ス
された下部電極3との間にグロ−プラズマを発生させ、
下部電極3の表面上を走行するフィルムfの上面を前記
グロ−プラズマにより処理する場合、雰囲気ガスとして
通常のガスを使用しても裏移りを充分に防止し、フィル
ム片面のみを確実に接着性処理し得るようにする。 【解決手段】放電開始電圧が上記雰囲気ガスよりも高い
放電防止用ガスを前記走行フィルムfの下方側から放電
防止用ガス供給管8により供給する。
された下部電極3との間にグロ−プラズマを発生させ、
下部電極3の表面上を走行するフィルムfの上面を前記
グロ−プラズマにより処理する場合、雰囲気ガスとして
通常のガスを使用しても裏移りを充分に防止し、フィル
ム片面のみを確実に接着性処理し得るようにする。 【解決手段】放電開始電圧が上記雰囲気ガスよりも高い
放電防止用ガスを前記走行フィルムfの下方側から放電
防止用ガス供給管8により供給する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチックフィル
ム、特にフッ素樹脂フィルムの片面をグロ−プラズマで
処理する方法及びその処理方法に使用する処理装置に関
するものである。
ム、特にフッ素樹脂フィルムの片面をグロ−プラズマで
処理する方法及びその処理方法に使用する処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂フィルムは、耐蝕ライニング
材料、電線被覆絶縁材料など種々の用途に使用されてい
るが、極性が極めて弱いために接着性に劣り、印刷、接
着の面で不利である。そこでフッ素樹脂フィルムの表面
改質が種々検討され、その一手段としてグロ−プラズマ
処理、すなわち所定のガス雰囲気下で高電圧印加上部電
極とア−スされた下部電極との間にグロ−プラズマを発
生させ、下部電極の表面上を走行するフィルムの上面を
前記グロ−プラズマで処理する方法が知られている。こ
の表面処理方法は、ドライプロセスであるために洗浄工
程が不要である、大気圧下での放電処理であるために真
空装置が不要である等の点で有利である。
材料、電線被覆絶縁材料など種々の用途に使用されてい
るが、極性が極めて弱いために接着性に劣り、印刷、接
着の面で不利である。そこでフッ素樹脂フィルムの表面
改質が種々検討され、その一手段としてグロ−プラズマ
処理、すなわち所定のガス雰囲気下で高電圧印加上部電
極とア−スされた下部電極との間にグロ−プラズマを発
生させ、下部電極の表面上を走行するフィルムの上面を
前記グロ−プラズマで処理する方法が知られている。こ
の表面処理方法は、ドライプロセスであるために洗浄工
程が不要である、大気圧下での放電処理であるために真
空装置が不要である等の点で有利である。
【0003】このグロ−プラズマ処理による表面接着性
の改善は、フィルム表面に電子が衝突し、その電子の運
動エネルギ−によってフィルム表面の分子の結合が部分
的に分裂され、グロ−プラズマにより活性化された雰囲
気ガス分子が前記分裂された分子に結合されて極性基が
生成されること、フィルム表面が電子の衝突エネルギ−
で溶融されて凹凸面とされること、フィルム表面の接着
性阻害物が取り除かれること等によると考えられる。
の改善は、フィルム表面に電子が衝突し、その電子の運
動エネルギ−によってフィルム表面の分子の結合が部分
的に分裂され、グロ−プラズマにより活性化された雰囲
気ガス分子が前記分裂された分子に結合されて極性基が
生成されること、フィルム表面が電子の衝突エネルギ−
で溶融されて凹凸面とされること、フィルム表面の接着
性阻害物が取り除かれること等によると考えられる。
【0004】
【0005】図2において、2’は高電圧印加用電極
を、3’はア−スされた対向電極を、fはフィルムをそ
れぞれ示し、フィルムfの片面(上面)のみを接着性処
理とし、下面は非処理の非粘着・非接着性のままとしよ
うとしても、下部電極3’とフィルム下面との間S
a’、Sb’でも放電が発生し、フィルム下面側も不必
要に処理されることがある。これは、いわゆる”裏移
り”と称されている。尤も、雰囲気ガスの如何によって
は、この裏移りを回避できるが(例えば、特公平4−7
1414号公報、特開平5−43721号公報)、雰囲
気ガスが特定のものに限られてしまう。
を、3’はア−スされた対向電極を、fはフィルムをそ
れぞれ示し、フィルムfの片面(上面)のみを接着性処
理とし、下面は非処理の非粘着・非接着性のままとしよ
うとしても、下部電極3’とフィルム下面との間S
a’、Sb’でも放電が発生し、フィルム下面側も不必
要に処理されることがある。これは、いわゆる”裏移
り”と称されている。尤も、雰囲気ガスの如何によって
は、この裏移りを回避できるが(例えば、特公平4−7
1414号公報、特開平5−43721号公報)、雰囲
気ガスが特定のものに限られてしまう。
【0006】本発明の目的は、ガス雰囲気下で高電圧印
加上部電極とア−スされた下部電極との間にグロ−プラ
ズマを発生させ、下部電極の表面上を走行するフィルム
の上面を前記グロ−プラズマにより処理する場合、雰囲
気ガスとして通常のガスを使用しても裏移りを充分に防
止し、フィルム片面のみを確実に接着性処理し得るフィ
ルムの処理方法及びその方法に使用する装置を提供する
ことにある。
加上部電極とア−スされた下部電極との間にグロ−プラ
ズマを発生させ、下部電極の表面上を走行するフィルム
の上面を前記グロ−プラズマにより処理する場合、雰囲
気ガスとして通常のガスを使用しても裏移りを充分に防
止し、フィルム片面のみを確実に接着性処理し得るフィ
ルムの処理方法及びその方法に使用する装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフィルムの
処理方法は、所定のガス雰囲気下で高電圧印加上部電極
とア−スされた下部電極との間に放電を発生させ、下部
電極の表面上を走行するフィルムの上面を前記放電によ
り処理する方法において、放電開始電圧が上記雰囲気ガ
スよりも高い放電防止用ガスを前記走行フィルムの下方
側から供給することを特徴とする構成である。
処理方法は、所定のガス雰囲気下で高電圧印加上部電極
とア−スされた下部電極との間に放電を発生させ、下部
電極の表面上を走行するフィルムの上面を前記放電によ
り処理する方法において、放電開始電圧が上記雰囲気ガ
スよりも高い放電防止用ガスを前記走行フィルムの下方
側から供給することを特徴とする構成である。
【0008】本発明に係るフィルムの処理装置は、フィ
ルム入口及びフィルム出口を有する処理室内に高電圧印
加上部電極とア−スされた下部電極とを配設し、高電圧
印加上部電極と下部電極との間の空間を所定のガス雰囲
気に保持するための雰囲気ガス供給管を前記処理室に取
付け、前記下部電極表面を走行するフィルムの下側の空
間に放出口を備え、前記雰囲気ガスよりも放電開始電圧
が高い放電防止用ガスを前記放出口から放出する放電防
止用ガス供給管を前記処理室に取付けたことを特徴とす
る構成である。
ルム入口及びフィルム出口を有する処理室内に高電圧印
加上部電極とア−スされた下部電極とを配設し、高電圧
印加上部電極と下部電極との間の空間を所定のガス雰囲
気に保持するための雰囲気ガス供給管を前記処理室に取
付け、前記下部電極表面を走行するフィルムの下側の空
間に放出口を備え、前記雰囲気ガスよりも放電開始電圧
が高い放電防止用ガスを前記放出口から放出する放電防
止用ガス供給管を前記処理室に取付けたことを特徴とす
る構成である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明において使
用するフィルム処理装置の一例を示している。図1にお
いて、1は絶縁体(通常合成樹脂)からなる処理室壁で
あり、フィルム入口11及びフィルム出口12を備えて
いる。2は高電圧印加上部電極、3は上部電極2に対向
する下部電極でありア−スしてある。この下部電極3に
は、金属ロ−ル31の外周に誘電体層32を設けた誘電
体ロ−ルを用いることができる。4は高周波電圧発生機
であり、トランジスタ−方式、サイリスタ−方式等を使
用でき、電極2−3間の負荷とインピ−ダンス整合させ
てある。5はフィルム送出しロ−ル、6はフィルム巻取
りロ−ルであり、送出しロ−ル5から繰り出されたフィ
ルムfが処理室のフィルム入口11から下部ロ−ル電極
3の表面を通過し、フィルム出口12を経て巻取りロ−
ル6に巻取られていく。7は高電圧印加上部電極2と下
部ロ−ル電極3との間の空間部分を所定のガス雰囲気に
保つための雰囲気ガス供給管、71は雰囲気ガス供給源
である。8はフィルムfよりも下側の空間に放出口80
を位置させた放電防止用ガス供給管、81は放電防止用
ガス供給源である。
実施の形態について説明する。図1は本発明において使
用するフィルム処理装置の一例を示している。図1にお
いて、1は絶縁体(通常合成樹脂)からなる処理室壁で
あり、フィルム入口11及びフィルム出口12を備えて
いる。2は高電圧印加上部電極、3は上部電極2に対向
する下部電極でありア−スしてある。この下部電極3に
は、金属ロ−ル31の外周に誘電体層32を設けた誘電
体ロ−ルを用いることができる。4は高周波電圧発生機
であり、トランジスタ−方式、サイリスタ−方式等を使
用でき、電極2−3間の負荷とインピ−ダンス整合させ
てある。5はフィルム送出しロ−ル、6はフィルム巻取
りロ−ルであり、送出しロ−ル5から繰り出されたフィ
ルムfが処理室のフィルム入口11から下部ロ−ル電極
3の表面を通過し、フィルム出口12を経て巻取りロ−
ル6に巻取られていく。7は高電圧印加上部電極2と下
部ロ−ル電極3との間の空間部分を所定のガス雰囲気に
保つための雰囲気ガス供給管、71は雰囲気ガス供給源
である。8はフィルムfよりも下側の空間に放出口80
を位置させた放電防止用ガス供給管、81は放電防止用
ガス供給源である。
【0010】本発明によりフィルムの片面のみを表面処
理するには、フィルムfを下部ロ−ル電極3の表面に接
して走行させ、高電圧印加上部電極2と下部ロ−ル電極
3間に放電を発生させて電極2−3間のガス雰囲気をグ
ロ−プラズマ状態にし、このグロ−プラズマで走行フィ
ルムfの上面を処理していき、この間、上記雰囲気ガス
よりも放電開始電圧の高い放電防止用ガスを放電防止用
ガス供給管8から前記グロ−プラズマを持続させ得るよ
うに流量を調整しつつ供給し続ける。而して、グロ−放
電により発生する電子がフィルムfの表面に衝突し、そ
の電子の運動エネルギ−によってフィルム表面の分子の
結合が部分的に分裂され、グロ−プラズマにより活性化
された雰囲気ガス分子が前記分裂された分子に結合され
て極性基が生成されると共にフィルム表面が電子の衝突
エネルギ−で溶融されて凹凸面とされ、フィルム上面の
接着性が改善されていく。
理するには、フィルムfを下部ロ−ル電極3の表面に接
して走行させ、高電圧印加上部電極2と下部ロ−ル電極
3間に放電を発生させて電極2−3間のガス雰囲気をグ
ロ−プラズマ状態にし、このグロ−プラズマで走行フィ
ルムfの上面を処理していき、この間、上記雰囲気ガス
よりも放電開始電圧の高い放電防止用ガスを放電防止用
ガス供給管8から前記グロ−プラズマを持続させ得るよ
うに流量を調整しつつ供給し続ける。而して、グロ−放
電により発生する電子がフィルムfの表面に衝突し、そ
の電子の運動エネルギ−によってフィルム表面の分子の
結合が部分的に分裂され、グロ−プラズマにより活性化
された雰囲気ガス分子が前記分裂された分子に結合され
て極性基が生成されると共にフィルム表面が電子の衝突
エネルギ−で溶融されて凹凸面とされ、フィルム上面の
接着性が改善されていく。
【0011】上記において、フィルムfが下部ロ−ル電
極3に接触する点aの直前の空間部位Sa及び点bの直
後の空間部位Sbは高電圧印加上部電極2に近い下部ロ
−ル表面位置に近接している気相部分であり、電気スト
レスが強く、部分放電が発生し易い。しかしながら、本
発明においては、放電防止用ガスを前記走行フィルムの
下方側から供給しているから、前記気相部分Sa、Sb
を放電防止用ガス濃度の高い状態にでき、当該気相部分
Sa、Sbに上記雰囲気ガスよりも放電開始電圧が高い
放電防止用ガス乃至はこの放電防止用ガスと雰囲気ガス
との混合ガス(この混合ガスは雰囲気ガス単体よりも放
電開始電圧が高い)を充満させ得る結果、それだけ前記
気相部分Sa、Sbでの放電をよく防止でき(気相部分
に雰囲気ガスのみが充満されている場合に較べ当該気相
部分での放電をよく防止できる)、フィルム下面側の化
学的変質、物理的変質を充分に抑制できる。
極3に接触する点aの直前の空間部位Sa及び点bの直
後の空間部位Sbは高電圧印加上部電極2に近い下部ロ
−ル表面位置に近接している気相部分であり、電気スト
レスが強く、部分放電が発生し易い。しかしながら、本
発明においては、放電防止用ガスを前記走行フィルムの
下方側から供給しているから、前記気相部分Sa、Sb
を放電防止用ガス濃度の高い状態にでき、当該気相部分
Sa、Sbに上記雰囲気ガスよりも放電開始電圧が高い
放電防止用ガス乃至はこの放電防止用ガスと雰囲気ガス
との混合ガス(この混合ガスは雰囲気ガス単体よりも放
電開始電圧が高い)を充満させ得る結果、それだけ前記
気相部分Sa、Sbでの放電をよく防止でき(気相部分
に雰囲気ガスのみが充満されている場合に較べ当該気相
部分での放電をよく防止できる)、フィルム下面側の化
学的変質、物理的変質を充分に抑制できる。
【0012】本発明により処理するフィルムとしては、
フッ素樹脂フィルム、例えば4フッ化エチレン、3フッ
化塩化エチレン、6フッ化プロピレン、パ−フロロアル
コキシルエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等
のフッ素系モノマ−の重合体、あるいはこれらのモノマ
−とフッ素系以外のモノマ−との共重合体、更にはこれ
らの重合体と他の高分子との混合物等を挙げることがで
き、特に、4フッ化エチレン重合体、4フッ化エチレン
−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−パ
−フロロアルコキシルエチレン共重合体が好適である。
フッ素樹脂フィルム、例えば4フッ化エチレン、3フッ
化塩化エチレン、6フッ化プロピレン、パ−フロロアル
コキシルエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等
のフッ素系モノマ−の重合体、あるいはこれらのモノマ
−とフッ素系以外のモノマ−との共重合体、更にはこれ
らの重合体と他の高分子との混合物等を挙げることがで
き、特に、4フッ化エチレン重合体、4フッ化エチレン
−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−パ
−フロロアルコキシルエチレン共重合体が好適である。
【0013】上記雰囲気ガスには、汎用の炭化水素ガス
等の有機化合物ガス単体、有機化合物ガスと希釈用非重
合性ガスとの混合物を使用でき、希釈用非重合性ガスに
は、He、Ne、Ar、N2、H2、CO、CO2、C
F4、H2Oを使用でき、特にHe、Ne、Ar等の不活
性ガスが好適である。
等の有機化合物ガス単体、有機化合物ガスと希釈用非重
合性ガスとの混合物を使用でき、希釈用非重合性ガスに
は、He、Ne、Ar、N2、H2、CO、CO2、C
F4、H2Oを使用でき、特にHe、Ne、Ar等の不活
性ガスが好適である。
【0014】上記高電圧印加電極の課電条件は、雰囲気
ガス圧100〜1000Torrのもとでグロ−プラズマ
を持続させ得るものであればよく、上記電極間の距離
は、通常0.1mm〜10mmに設定され、高周波電圧
の周波数は通常2KHz〜55MHzに設定される。処理電力
はフィルムの走行速度に応じて設定され、処理電力密度
(出力電力W/電極とフィルムとの接触長さ/フィルム
の走行速度)を10〜1000W・min/m2とする
ように設定される。
ガス圧100〜1000Torrのもとでグロ−プラズマ
を持続させ得るものであればよく、上記電極間の距離
は、通常0.1mm〜10mmに設定され、高周波電圧
の周波数は通常2KHz〜55MHzに設定される。処理電力
はフィルムの走行速度に応じて設定され、処理電力密度
(出力電力W/電極とフィルムとの接触長さ/フィルム
の走行速度)を10〜1000W・min/m2とする
ように設定される。
【0015】上記雰囲気ガスよりも放電開始電圧の高い
放電防止用ガスとしては、例えば、CCl2F2、S
F6、CCl4、C7F14、C8F16、C14F26等を挙げる
ことができ、気体絶縁材料として多用されているCCl
2F2、SF6等が好適である。この放電防止用ガスの放
出条件は、上記グロ−プラズマを保持し得るように予め
実験により設定される(供給量が少なすぎると、上記の
放電防止を行い得ず、過剰であると電極間に放電防止用
ガスが混在してグロ−プラズマを持続できなくなる)。
放電防止用ガスとしては、例えば、CCl2F2、S
F6、CCl4、C7F14、C8F16、C14F26等を挙げる
ことができ、気体絶縁材料として多用されているCCl
2F2、SF6等が好適である。この放電防止用ガスの放
出条件は、上記グロ−プラズマを保持し得るように予め
実験により設定される(供給量が少なすぎると、上記の
放電防止を行い得ず、過剰であると電極間に放電防止用
ガスが混在してグロ−プラズマを持続できなくなる)。
【0016】上記高電圧印加上部電極2には、アルミニ
ウム、銅、ステンレス等を使用でき、種類としては、ナ
イフエッジタイプ、バ−タイプ、シュ−タイプ等を使用
できる。また、強制冷却方式とすることもできる。
ウム、銅、ステンレス等を使用でき、種類としては、ナ
イフエッジタイプ、バ−タイプ、シュ−タイプ等を使用
できる。また、強制冷却方式とすることもできる。
【0017】
【実施例】〔実施例〕フィルムには厚さ200μmの4
フッ化エチレン重合体フィルムを使用し、雰囲気ガスに
はN297容量%,C2H23容量%の混合ガスを、放電
防止ガスにはSF6をそれぞれ使用し、処理電力密度3
00W・min/m2で安定なグロ−放電を持続するよ
うに各ガス供給量を調整した。
フッ化エチレン重合体フィルムを使用し、雰囲気ガスに
はN297容量%,C2H23容量%の混合ガスを、放電
防止ガスにはSF6をそれぞれ使用し、処理電力密度3
00W・min/m2で安定なグロ−放電を持続するよ
うに各ガス供給量を調整した。
【0018】〔比較例〕実施例に対し、放電防止ガスの
放出を行わず、他は実施例に同じとした。
放出を行わず、他は実施例に同じとした。
【0019】この実施例及び比較例で得た処理フィルム
の処理結果を赤マジックの筆記状態で確認したところ、
実施例品の筆記可面はフィルム上面のみであり、下面は
インキが撥いて筆記不可能であったが、比較例品の下面
は部分的に筆記可能であった(上面については実質上実
施例と同じであった)。
の処理結果を赤マジックの筆記状態で確認したところ、
実施例品の筆記可面はフィルム上面のみであり、下面は
インキが撥いて筆記不可能であったが、比較例品の下面
は部分的に筆記可能であった(上面については実質上実
施例と同じであった)。
【0020】
【発明の効果】本発明に係るフィルムの処理方法によれ
ば、従来のグロ−プラズマ処理に対し、雰囲気ガスより
も放電開始電圧が高い放電防止用ガスを走行フィルムの
下方に、フィルム上のグロ−プラズマを持続できる条件
にて放出するだけで、裏移りを防止できる。従って、フ
ィルムの片面のみを確実に、かつ容易に接着性改善でき
る。
ば、従来のグロ−プラズマ処理に対し、雰囲気ガスより
も放電開始電圧が高い放電防止用ガスを走行フィルムの
下方に、フィルム上のグロ−プラズマを持続できる条件
にて放出するだけで、裏移りを防止できる。従って、フ
ィルムの片面のみを確実に、かつ容易に接着性改善でき
る。
【図1】本発明に係るフィルムの処理装置を示す図面で
ある。
ある。
【図2】フィルムの放電処理に使用する電極構造を示す
図面である。
図面である。
1 処理室壁 2 高電圧印加上部電極 3 下部電極 4 高周波電圧発生機 5 フィルム送出しロ−ル 6 フィルム巻取りロ−ル 7 雰囲気ガス供給管 8 放電防止用ガス供給管 80 放電防止用ガス放出口 f フィルム
Claims (2)
- 【請求項1】所定のガス雰囲気下で高電圧印加上部電極
とア−スされた下部電極との間に放電を発生させ、下部
電極の表面上を走行するフィルムの上面を前記放電によ
り処理する方法において、放電開始電圧が上記雰囲気ガ
スよりも高い放電防止用ガスを前記走行フィルムの下方
側から供給することを特徴とするフィルムの処理方法。 - 【請求項2】フィルム入口及びフィルム出口を有する処
理室内に高電圧印加上部電極とア−スされた下部電極と
を配設し、高電圧印加上部電極と下部電極との間の空間
を所定のガス雰囲気に保持するための雰囲気ガス供給管
を前記処理室に取付け、前記下部電極表面を走行するフ
ィルムの下側の空間に放出口を配して前記雰囲気ガスよ
りも放電開始電圧が高い放電防止用ガスを前記放出口か
ら放出する放電防止用ガス供給管を前記処理室に取付け
たことを特徴とするフィルムの処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10703698A JPH11286560A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | フィルムの処理方法及び処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10703698A JPH11286560A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | フィルムの処理方法及び処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11286560A true JPH11286560A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=14448903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10703698A Pending JPH11286560A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | フィルムの処理方法及び処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11286560A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014001408A (ja) * | 2012-06-15 | 2014-01-09 | Hitachi Ltd | プラズマ処理装置 |
JP2015005780A (ja) * | 2014-09-25 | 2015-01-08 | 株式会社日立製作所 | プラズマ処理装置 |
JP2018513237A (ja) * | 2015-03-17 | 2018-05-24 | テーザ・ソシエタス・ヨーロピア | 低温プラズマ処理 |
-
1998
- 1998-04-02 JP JP10703698A patent/JPH11286560A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014001408A (ja) * | 2012-06-15 | 2014-01-09 | Hitachi Ltd | プラズマ処理装置 |
JP2015005780A (ja) * | 2014-09-25 | 2015-01-08 | 株式会社日立製作所 | プラズマ処理装置 |
JP2018513237A (ja) * | 2015-03-17 | 2018-05-24 | テーザ・ソシエタス・ヨーロピア | 低温プラズマ処理 |
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