JPH11286448A - ミノサイクリン含有組成物 - Google Patents

ミノサイクリン含有組成物

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JPH11286448A
JPH11286448A JP8890898A JP8890898A JPH11286448A JP H11286448 A JPH11286448 A JP H11286448A JP 8890898 A JP8890898 A JP 8890898A JP 8890898 A JP8890898 A JP 8890898A JP H11286448 A JPH11286448 A JP H11286448A
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JP
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pharmaceutical composition
minocycline
cellulose
polyhydric alcohol
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JP8890898A
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English (en)
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Yoshiaki Shirai
善朗 白井
Mitsuhiro Haraguchi
充宏 原口
Kazuhiro Ono
一弘 小野
Mutsumi Shibuya
睦 澁谷
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Showa Yakuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
Showa Yakuhin Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミノサイクリンを有効成分として含有し、歯
周炎の治療や予防に有用な安定な医薬組成物を提供す
る。 【解決手段】 ポリエチレングリコール又はグリセリン
などの多価アルコール基剤中にミノサイクリン又は生理
学的に許容されるその塩と乳酸アルミニウムなどのアル
ミニウム化合物とを含む、歯科治療に有用な局所投与用
の医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はミノサイクリンを有
効成分として含有し、歯周炎の治療や予防に有用な医薬
組成物に関するものである。
【従来の技術】歯周炎(辺縁性歯周炎)は歯肉のみなら
ず他の歯周組織にも起こる慢性非特異性の炎症であり、
その多くは単純性歯周炎から移行する。この疾患では、
歯周ポケットの形成、歯の動揺、歯槽骨の吸収、及びポ
ケットからの排膿が認められ、そのほとんどが無痛性に
進行する。歯周炎には、特定の歯周溝内グラム陰性桿菌
が関与していることが知られている。例えば、成人性歯
周炎は Bacteroides gingivalis 、若年性歯周炎には A
ctinobacillus actinomycetemcomitans、急性壊死潰瘍
性歯周炎には Bacteriodes intermediusが関与している
(日本歯周病学会会誌、第29巻2号、第463-471 頁)。
【0002】歯周炎の治療にミノサイクリンが有効であ
ることが知られている。ミノサイクリンはテトラサイク
リン系抗生物質の一種であり、上記の歯周病原性菌に対
して強い抗菌作用を示し、歯周炎に対して優れた臨床効
果を発揮する(日本歯周病学会会誌、第29巻2号、第47
2-483 頁)。例えば、塩酸ミノサイクリン3.0%、ヒドロ
キシエチルセルロース及びグリセリンを含む軟膏を歯周
ポケットに直接投与する方法が提案されている。また、
歯周炎治療薬として「ベリオクリン歯科用軟膏」(サン
スター株式会社販売)が臨床で用いられている。
【0003】しかしながら、ミノサイクリンは不安定な
物質であることから、ミノサイクリンを有効成分として
含む安定な組成物を提供するための技術が検討されてい
る。例えば、特公平1-12728 号公報には、マグネシウム
化合物を含有する多価アルコールからなる基剤にミノサ
イクリンまたはその医薬上許容される塩を配合したこと
を特徴とする非水系の局所投与用組成物が開示されてい
る。また、特公平2-34325 号公報には、ミノサイクリン
又はその医薬上許容される塩とマグネシウム化合物、水
溶性高分子物質、多価アルコール、メタアクリル酸エチ
ル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル
コポリマーおよび可溶化剤とを配合した歯周疾患治療用
組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ミノ
サイクリンを有効成分として含有する安定な局所投与用
の医薬組成物を提供することにある。また、本発明の別
な課題は、局所投与用の医薬組成物に配合されたミノサ
イクリンを安定化するための物質を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意努力した結果、従来より用いられてい
たマグネシウム化合物にかえて乳酸アルミニウムなどの
アルミニウム化合物を用いると、多価アルコール基剤中
のミノサイクリンが顕著に安定化されることを見出し
た。また、この組成物中にセルロース誘導体やアラビア
ゴムなどの物質を配合することによって、さらに安定な
医薬組成物を提供できることを見出した。本発明はこれ
らの知見を基にして完成されたものである。
【0006】すなわち本発明は、多価アルコール基剤中
にミノサイクリン又は生理学的に許容されるその塩とア
ルミニウム化合物とを含む局所投与用の医薬組成物を提
供するものである。本発明の好ましい態様によれば、多
価アルコール基剤がポリエチレングリコール及びグリセ
リンからなる群から選ばれる上記医薬組成物;さらに結
晶セルロースなどのセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロースなどのセルロース誘導体、及びアラビアゴムなど
の水溶性高分子化合物からなる群から選ばれる1又は2
以上の物質を含む上記医薬組成物;さらにメタアクリル
酸系コポリマーを含む上記医薬組成物;歯科の治療及び
/又は予防に用いる上記医薬組成物;歯周疾患の治療及
び/又は予防に用いる上記医薬組成物が提供される。別
の観点からは、本発明により、多価アルコール基剤中に
配合されたミノサイクリン又は生理学的に許容されるそ
の塩の安定化剤として用いるアルミニウム化合物が提供
される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の医薬組成物は、多価アル
コール基剤中にミノサイクリン又は生理学的に許容され
るその塩とアルミニウム化合物とを含むことを特徴とし
ている。本発明の医薬組成物は、一般的には口腔内また
は歯周組織に対して局所投与するための医薬組成物とし
て調製することができ、好ましくは歯科用の医薬組成物
として提供される。本発明の医薬組成物は、好ましくは
口腔内または歯周組織に対する局所投与に適するよう
に、例えば、粘稠な液状またはペースト状の組成物とし
て提供されることが望ましい。本発明の医薬組成物は、
口腔内疾患または歯科領域の疾患、例えば、歯周炎など
の歯周疾患の治療及び/又は予防に有用である。もっと
も、本発明の医薬組成物の用途は上記の態様に限定され
ることはなく、例えば、皮膚や粘膜に対して外用の医薬
組成物として用いることも可能である。
【0008】ミノサイクリンの生理学的に許容される塩
の種類は特に限定されないが、例えば、塩酸塩、硫酸
塩、酢酸塩などの鉱酸塩、メタンスルホン酸塩などの有
機酸塩を用いることができる。ミノサイクリンまたは生
理学的に許容されるその塩は水和物又は溶媒和物であっ
てもよい。溶媒和物を形成する溶媒は生理学的に許容さ
れるものであれば特に限定されないが、例えばエタノー
ルなどの溶媒和物を用いることができる。ミノサイクリ
ンの塩として塩酸塩を用いることが好ましい。本発明の
医薬組成物に含まれるミノサイクリン又は生理学的に許
容されるその塩の含有量は、一般的には、組成物重量に
対して0.01〜15重量%程度(遊離体換算量)であり、好
ましくは 0.1〜5重量%程度である。
【0009】アルミニウム化合物の種類は生理学的に許
容されるものであれば特に限定されないが、例えば、塩
化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、乳酸アルミニウムなど水溶性のアルミニウム塩を好
適に用いることができる。また、アルミニウム化合物と
して、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫化ア
ルミニウム、またはミョウバンなどの複塩を用いてもよ
い。アルミニウム化合物として水和物を用いてもよい。
これらのうち、乳酸アルミニウムが特に好適である。
【0010】多価アルコール基剤を構成する多価アルコ
ールの種類は水溶性基剤を構成できるものであれば特に
限定されないが、例えば、グリセリン、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,5-
ペンタンジオール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチ
レングリコール(マクロゴール)などを用いることがで
きる。これらのうち、日本薬局方に収載されたポリエチ
レングリコール(400, 1500, 4000, 6000, 20000)また
はそれらの混合物を好適に用いることができ、マクロゴ
ール軟膏(マクロゴール4000とマクロゴール400 の等量
混合物)などの水溶性軟膏基剤を用いてもよい。
【0011】本発明の医薬組成物には、セルロース、セ
ルロース誘導体、及び水溶性高分子化合物からなる群か
ら選ばれる1又は2以上の物質を配合してもよい。セル
ロースとしては結晶セルロースなどを用いることがで
き、セルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、セルロースアセテートフタ
レート、ヒドロキシエチルセルロースなどを用いること
ができる。これらのうち、ヒドロキシエチルセルロース
が好ましい。水溶性高分子化合物としては、例えば、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラギー
ナン、ローカストビーンガム、アラビアゴム、キサンタ
ンガム、トラガントガム、でんぷんなどを挙げることが
できる。これらのうち、アラビアゴムが好ましい。
【0012】本発明の医薬組成物は常法に従って製造す
ることができ、製造方法は特に限定されないが、例え
ば、実施例に具体例を示したように、適宜の溶媒中にミ
ノサイクリンまたは生理学的に許容されるその塩及びア
ルミニウム化合物を添加・混合し、さらに多価アルコー
ル基剤を混合することによって容易に製造することがで
きる。上記の溶媒としては、例えば、グリセリルトリア
セタート(トリアセチン)、トリブチリン、ジアセチル
エチレングリコール、セバシン酸ジエチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピ
ル、コハク酸ジブチル、又はこれらの混合物などを用い
ることができる。溶媒の量は、例えば組成物重量に対し
て5〜25重量%程度である。必要に応じて、エタノール
やイソプロパノールなどの水溶性有機溶媒を用いてもよ
い。
【0013】メタアクリル酸系コポリマー(例えば、
「オイドラギットRS」:メタアクリル酸エチル・メタア
クリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルコポリマー
など)を配合すると、有効成分の安定性と徐放性に優れ
た医薬組成物が得られる場合がある。上記コポリマーは
組成物重量に対して 0.5〜10重量%程度配合することが
できる。上記コポリマーを用いる場合には、コポリマー
1重量部に対して2〜25重量部の割合で上記溶媒を用い
ることが好ましい。
【0014】また、本発明の医薬組成物の製造にあた
り、当業者に利用可能な製剤用添加物を適宜使用しても
よい。例えば、緩衝剤;pH調節剤;界面活性剤;可塑
剤;結合剤;分散剤;防腐剤;及び/又は着色剤などを
本発明の医薬組成物に配合してもよい。これらの製剤用
添加物の配合量は、口腔内用、歯科用、または皮膚若し
くは粘膜などに適用する外用の医薬組成物に適するよう
に、当業者に適宜選択可能である。本発明の医薬組成物
は必要に応じて適宜の加温下に調製してもよいが、ミノ
サイクリンの安定性を高めるために、非水系で組成物を
調製することが望ましい。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 例1 マクロゴール 4000 (1243.8 mg) 及びマクロゴール 400
(1243.8 mg)を水浴上で65 ℃に加温して溶解し、室温
にて固まるまでよく混合してマクロゴール軟膏を作成し
た。この軟膏にリン酸 30 μL を加え均一に混合して混
合物を得た。一方、オイドラギット RS (60 mg) をトリ
アセチン 360 mg に溶解し、この溶液にミノサイクリン
塩酸塩 68.4 mg (60 mg 力価)及び乳酸アルミニウム 2
4 mgを添加して混合し、さらに上記混合物を加えて均一
に混合し、本発明の医薬組成物 3 gを得た。
【0016】例2 マクロゴール 4000 (868.8 mg)及びマクロゴール 400
(868.8 mg) を水浴上で 65 ℃に加温して溶解し、室温
にて固まるまでよく混合してマクロゴール軟膏を作成し
た。この軟膏にリン酸 30 μL を加え均一に混合して混
合物を得た。一方、オイドラギット RS (60 mg) をトリ
アセチン 360 mg に溶解し、この溶液にミノサイクリン
塩酸塩 68.4 mg (60 mg 力価)及び乳酸アルミニウム 2
4 mgを添加して混合した後、結晶セルロース 750 mg を
加えて均一に混合し、さらに前記混合物を加えて均一に
混合し、本発明の医薬組成物 3 gを得た。
【0017】例3 マクロゴール 4000 (1105.8 mg) 及びマクロゴール 400
(1105.8 mg)を水浴上で65 ℃に加温して溶解し、室温
にて固まるまでよく混合してマクロゴール軟膏を作成し
た。この軟膏にリン酸 55 μL を加え均一に混合して混
合物を得た。一方、オイドラギット RS (60 mg) をトリ
アセチン 360 mg に溶解し、この溶液にミノサイクリン
塩酸塩 68.4 mg (60 mg 力価)及び乳酸アルミニウム 2
4 mgを添加して混合した後、アラビアゴム 276 mg を加
えて均一に混合し、さらに前記混合物を加えて均一に混
合し、本発明の医薬組成物 3 gを得た。
【0018】例4 マクロゴール 4000 (1243 mg) 及びマクロゴール 400
(1243 mg)を水浴上で 65℃に加温して溶解し、室温にて
固まるまでよく混合してマクロゴール軟膏を作成した。
この軟膏にリン酸 100μL を加え均一に混合して混合物
1を得た。一方、トリアセチン 375 mg にミノサイクリ
ン塩酸塩 114 mg (100 mg 力価)及び乳酸アルミニウム
40 mgを添加し、均一に混合して混合物2を得た。ま
た、軽質流動パラフィン 375 mg にアラビアゴム 230 m
g を添加し、均一に混合して混合物3を得た。混合物2
と混合物3とを混合し、結晶セルロース 630 mg を加え
て均一に混合して混合物4を得、次にヒマシ油 750 mg
を加えて均一に混合し、 さらに混合物1を加えて均一に
混合し、本発明の医薬組成物 5 gを得た。
【0019】比較例1 オイドラギット RS (60 mg) をトリアセチン 360 mg に
溶解し、ここにミノサイクリン塩酸塩 68.4 mg (60 mg
力価)を添加して混合物を得た。この混合物にグリセリ
ン 2512 mgを加えて均一に混合し、比較組成物 3 gを得
た。
【0020】比較例2 マクロゴール 4000 (1263 mg) 及びマクロゴール 400
(1263 mg)を水浴上で 65℃に加温して溶解し、室温にて
固まるまでよく混合してマクロゴール軟膏を作成した。
この軟膏にリン酸 100μL を加え均一に混合して混合物
1を得た。一方、トリアセチン 375 mg にミノサイクリ
ン塩酸塩 114 mg (100 mg 力価)を添加、均一に混合し
て混合物2を得た。また、軽質流動パラフィン 375 mg
にアラビアゴム 230 mg を添加し、均一に混合して混合
物3を得た。混合物2と混合物3とを混合して結晶セル
ロース 630 mg を添加し、均一に混合して混合物4を得
た。次にヒマシ油 750 mg を加えて均一に混合し、 さら
に混合物1を加えて均一に混合し、比較組成物 5 gを得
た。
【0021】試験例1 本発明の医薬組成物と比較組成物を50℃に保存し、9日
後のミノサイクリンの力価を日本抗生物質基準解説 (19
93年版) の液体クロマトグラフ法に準じて測定し、配合
当初の力価に対する力価残存率 (%)を算出した。その
際、目視にて外観観察も行った。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の医薬組成物は安定であり、特に
歯周炎など歯科疾患の治療及び/又は予防に有用であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 澁谷 睦 東京都中央区京橋2丁目17番11号 昭和薬 品化工株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価アルコール基剤中にミノサイクリン
    又は生理学的に許容されるその塩とアルミニウム化合物
    とを含む局所投与用の医薬組成物。
  2. 【請求項2】 多価アルコール基剤がポリエチレングリ
    コール及びグリセリンからなる群から選ばれる請求項1
    に記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 さらにセルロース、セルロース誘導体、
    及び水溶性高分子化合物からなる群から選ばれる1又は
    2以上の物質を含む請求項1又は2に記載の医薬組成
    物。
  4. 【請求項4】 さらにメタアクリル酸系コポリマーを含
    む請求項1から3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 歯科の治療及び/又は予防に用いる請求
    項1から4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 歯周疾患の治療及び/又は予防に用いる
    請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 多価アルコール基剤中に配合されたミノ
    サイクリン又は生理学的に許容されるその塩の安定化剤
    として用いるアルミニウム化合物。
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