JP2023509400A - 微粒子を含有する医薬組成物の製造方法 - Google Patents

微粒子を含有する医薬組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

一貫して望ましい放出率を有する医薬組成物が、中間生成物中で測定された分子量を基準として最終混合時間を制御することにより調製される。医薬組成物は、多価アルコール、塩、水溶性ポリマー、および薬学的活性成分を含有する微粒子を含む。微粒子は、疎水性成分および両親媒性成分のマトリックス中に分散されている。

Description

本発明は医薬組成物の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、水に対して不安定な活性成分を安定的に含有することができ、投与部位に留まることができ、それによりそのような活性成分を長時間徐放する微粒子を含有する医薬組成物の製造方法に関する。
(関連技術)
抗生物質および抗炎症剤などの医薬組成物の活性成分の中には、有効性は高いが不安定であり、したがって医薬組成物への配合が制限されている活性成分もある。たとえば、テトラサイクリン系およびマクロライド系抗生物質は、広い抗菌スペクトルを有する活性成分であるが、水、熱、または添加剤の影響を受ける物質であり、組成物に配合されると容易に変性する。したがって、これらの抗生物質を医薬組成物に安定的に配合するための様々な技術が、これまで研究されてきた。
たとえば、JP52-90616Aは、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリンまたはそれらの塩などのテトラサイクリン系抗生物質を、それを2-ピロリドンの水溶液中でマグネシウム化合物などのアルカリ土類金属化合物とキレート化することにより安定化することを目的とした、注射用の水溶液を開示している。さらに、JP53-94028Aは、アルカリ土類金属イオン、ポリビニルピロリドンおよび脂肪族アミドを組成物に組み入れ、組成物のpHを5.0~7.5に調整することによりオキシテトラサイクリンを安定化することを目的とした、医薬組成物を開示している。さらには、米国特許第3,335,055号は、マグネシウムイオンおよびイソニコチン酸アミドなどのピリジン誘導体を用いたテトラサイクリンの安定化方法を開示している。
さらに、JPH02-34325BおよびJPH07-29930Bは、テトラサイクリン系抗生物質の1つであるミノサイクリンを安定的に含有することができ、ミノサイクリンをマグネシウム化合物、水溶性ポリマー、多価アルコール、メタクリレートコポリマーおよび可溶化剤とともに配合することにより、ミノサイクリンの持続効果を長時間発揮することができる医薬組成物を開示している。
このような医薬組成物を従来の一手順に従って単純に製造するとき、医薬組成物中に水が混入し、この水が組成物中の高水和性成分と結合するため、高温で長時間組成物を単純に加熱するだけでは十分に除去することができない。また、時には組成物中のポリマーの分子鎖が切断され、組成物中の成分が、成分間の化学反応などにより変性することがある。
歯周用医薬組成物の場合、投与部位に留まれない医薬組成物を歯周病部位、たとえば歯周ポケットに投与すると、一時的に高濃度の活性成分が歯周ポケットに留まりある程度の治療効果が得られ得るとしても、口腔内の唾液、飲食物などの流動により歯周ポケット内の活性成分の濃度を長時間維持することができない。
U.S.20080248124は、水に対して不安定な活性成分を含有し、長時間の徐放をもたらす医薬組成物の製造方法を開示している。その方法は、(i)減圧下で成分(A)1種または複数の多価アルコールと(B)1種または複数の塩とを混合することにより調製された第1相と、成分(C)1種または複数の水溶性ポリマーを含有する第2相とを、減圧下で第1相と第2相の混合物を混合および加熱することにより第1相の実質的にすべての水を蒸発させる前に、または減圧下で第1相を混合および加熱することにより第1相の実質的にすべての水を蒸発させた後で、混合および加熱するステップ;ならびに(ii)成分(D)1種または複数の活性成分を含有する第3相を混合物に添加して医薬組成物を得るステップを含む。この方法により製造された医薬組成物は、水に対して不安定な活性成分を安定的に取り込み、投与部位に留まることができ、それにより活性成分を長時間徐放することができる。
望ましい放出率を一貫して発揮するこのような医薬組成物の製造には、依然として関心が寄せられている。
マトリックス中に分散された微粒子を含む医薬組成物は、
i)成分(A)、成分(B)、およびゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された分子量Mを有する成分(C)を含む混合物を得ること;ならびに
ii)混合物を薬学的活性成分(D)、疎水性成分(E)、および両親媒性成分(F)と約30℃~70℃の範囲の温度でT分間混合し、それにより医薬組成物を製造することにより調製され、
0.00136M-230<T<0.00136M-169 式I を満たし;
成分(A)は多価アルコールであり;
成分(B)は無機マグネシウム、カルシウム、もしくはバリウム塩、またはそれらの水和物であり;
成分(C)は水溶性ポリマーである。
実施例22の粒径の測定結果を示すグラフである。 実施形態における蛍光性微粒子を含む医薬組成物を示す走査型電子顕微鏡写真である。 実施形態で使用される容器を例証する概略図である。 実施形態における溶出実験の結果を示すグラフである。 実施例1~25の最終混合時間T対第1の混合物中のHECの分子量Mのプロットである。 実施例111~139で得られた医薬組成物の7時間での放出率対粘弾性のプロットである。
一実施形態では、医薬組成物の製造方法は、(i)成分(A)、成分(B)、およびゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された分子量Mを有する成分(C)を含む第1の混合物を得ること;ならびに(ii)第1の混合物を薬学的活性成分(D)、疎水性成分(E)、および両親媒性成分(F)と混合することを含む。
成分(A)は多価アルコールであり、好ましくは水溶性ポリマーである。多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。一実施形態では、成分(A)はグリセリン、エチレングリコール、またはジエチレングリコールである。グリセリンは特に水分量が多く、人体への刺激が少ないため、特に好ましい。さらに、グリセリンを用いて製造された医薬組成物は、優れた特性を発揮する。
一実施形態では、成分(A)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約50質量%~約85質量%である。好ましくは、成分(A)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約65質量%または約70質量%以上であり、約80質量%以下である。数値に関連して用語「約」が本明細書で使用されるとき、関連する数値は記載された数値の周りの±10%の公差を含むことが意図される。
成分(B)は塩であり、好ましくは無機塩である。有用な塩としては、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのマグネシウム塩を含むアルカリ土類金属塩;塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、乳酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムなどのカルシウム塩;塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウムなどのバリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。また、上記の塩の水和物も使用することができる。塩およびその水和物は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、塩化マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、および硝酸マグネシウムなどのマグネシウム塩またはそれらの水和物が、水中で不安定な活性成分(D)を好適に安定化するため、好ましい。一実施形態では、成分(B)は塩化マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、またはそれらの水和物である。医薬分野で広く使用されている塩化マグネシウムまたはその六水和物が、特に好ましい。
成分(B)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約0.5質量%~約10質量%である。好ましくは、成分(B)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約2質量%または約3質量%以上であり、約7質量%または約6質量%以下である。一実施形態では、成分(B)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約5質量%である。
成分(C)は水溶性ポリマーである。有用な水溶性ポリマーとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース(HECと称する)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカントガム、デンプン、サクシノグルカンなどが挙げられるが、これらに限定されない。水溶性ポリマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。一実施形態では、ヒドロキシル基を有する水溶性ポリマーが好ましい。セルロース誘導体がより好ましく、ヒドロキシエチルセルロースが特に好ましい。一実施形態では、成分(C)はヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはポリビニルピロリドンである。他の実施形態では、成分(C)はヒドロキシエチルセルロースまたはポリビニルピロリドンである。
ある実施形態では、HECの2%水溶液の粘度は、25℃でブルックフィールド粘度計で測定したとき、好ましくは200~500、より好ましくは250~400である。
成分(C)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約0.1質量%~約20質量%である。好ましくは、成分(C)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約2質量%または約3質量%以上であり、約7質量%または約5質量%以下である。一実施形態では、成分(C)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約4質量%である。
他の実施形態では、成分(C)の量は、成分(A)100質量部を基準として約0.2質量部~約50質量部、好ましくは約1質量部~約10質量部である。
活性成分(D)は、水の存在下で不安定になる水に対して不安定な活性成分を含む。本明細書で使用される語句「水に対して不安定な活性成分」は、室温で、精製水に溶解または精製水と混合し、25℃で7日間保存したとき、未変性成分の割合が95%以下、好ましくは90%以下に低下する化合物を意味する。水に対して不安定な活性成分の例としては、テトラサイクリン系、ペニシリン系、カルバペネム系、セフェム系、モノバクタム系、アミノグリコシド系、およびマクロライド系抗生物質などの抗菌剤;ポリエン系、アゾール系、エキノカンジン系、およびピリミジン系抗生物質などの抗真菌剤;ならびにステロイドおよび非ステロイドなどの抗炎症剤などが挙げられる。また、上記化合物の薬学的に許容される塩も使用することができる。活性成分またはその薬学的に許容される塩は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。好ましい実施形態では、二価の金属イオンの塩により著しく安定化される1種または複数のテトラサイクリン系抗生物質、たとえば、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリンおよびそれらの薬学的に許容される塩を使用することができる。他の好ましい実施形態では、ミノサイクリンまたはその薬学的に許容される塩、たとえば、ミノサイクリン塩酸塩を使用することができる。ミノサイクリンは歯の表面への親和性が高いため、放出後もその位置に留まる。したがって、ミノサイクリンを含有する医薬組成物は、中等度から重度の慢性歯周病を効果的に治療するための局所治療用抗生物質剤として使用することができる。
活性成分(D)の量は、所望の効果に応じて変化する場合があり、医薬組成物の総質量を基準として通常約0.1質量%~約10質量%である。好ましくは、活性成分(D)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約0.5質量%、約0.7質量%、または約1質量%以上であり、約5質量%、約3質量%、または約2.5質量%以下である。
成分(E)は、好ましくはメタクリレートコポリマーである。メタクリレートコポリマーの例としては、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(メチルメタクリレートとブチルメタクリレートおよびジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー(たとえば、Eudragit(登録商標)E、Pharma Polymers))、およびアミノアルキルメタクリレートコポリマー(エチルアクリレートとメチルメタクリレートおよびメタクリレートエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー(たとえば、Eudragit(登録商標)RS、Pharma Polymers))などが挙げられるが、これらに限定されない。メタクリレートコポリマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
成分(E)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約0.5質量%~約10質量%である。成分(E)の量が約0.5質量%より少ないとき、活性成分(D)の徐放化は困難になる。一方、成分(E)の量が約10質量%よりも多いとき、組成物の粘弾性が高くなり、医薬組成物の製造が困難になる。好ましくは、成分(E)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約0.5質量%または約1質量%以上であり、約5質量%または約3質量%以下である。一実施形態では、成分(E)の量は医薬組成物の総質量を基準として約2質量%である。
両親媒性成分(F)は、好ましくは有機溶媒である。有機溶媒の例としては、低級多価アルコールと低級脂肪酸とのエステル、たとえば、トリアセチン、トリブチリン、エチレングリコールジアセテートなど、低級アルコールとジカルボン酸とのエステル、たとえば、セバシン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。有機溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本明細書で使用される「低級多価アルコール」は、2~6個の炭素原子を含有する多価アルコールを意味する。低級脂肪酸および低級アルコールは、それぞれ1~6個の炭素原子を含有する。
成分(F)の量は、医薬組成物の総質量を基準として好ましくは約5質量%~約25質量%である。成分(F)の量がこの範囲内であるとき、好適な医薬組成物を形成し、活性成分(D)の所望の徐放性をもたらすことができる。好ましくは、成分(F)の量は、医薬組成物の総質量を基準として約7質量%または約10質量%以上であり、約15質量%または約14質量%以下である。一実施形態では、成分(F)の量は医薬組成物の総質量を基準として約12質量%である。
本明細書において上述の成分の量的範囲が定義されている場合において、それぞれの成分の総量が100質量%を超えるとき、当然ながら、成分の総量が100質量%より多くならないように、それぞれの成分が規定範囲内の量で添加されていることを意味すると理解されるべきである。
本明細書に記載の医薬組成物では、成分(A)(たとえば、多価アルコール)が成分(B)(たとえば、塩)を溶解し、活性成分(D)(たとえば、ミノサイクリン)および成分(B)を成分(C)(たとえば、水溶性ポリマー)とともに含有する微粒子を形成すると考えられる。成分(B)は、医薬組成物中で水に対して不安定な活性成分(D)を安定化するために使用される。成分(E)(たとえば、Eudragit)および成分(F)(たとえば、トリアセチン)は、成分(A)と実質的に非混和性であり、微粒子のためのマトリックスを形成し、微粒子に安定的に含有される活性成分に徐放特性を付与するために添加される。特に、組成物が水または唾液と接触するとき、マトリックス中の成分(F)が徐々に水と置換される。水がマトリックスに浸透し、活性成分(D)を含有する微粒子に最終的に到達すると、活性成分(D)は水に溶解し、微粒子から放出される。
次に、医薬組成物の調製方法について説明する。
本方法の第1のステップでは、成分(A)と成分(B)とを混合して、第1の混合物を得る。一実施形態では、成分(A)および成分(B)を含有する第1の混合物は、成分(B)が成分(A)に完全に溶解するように加熱される。他の実施形態では、第1の混合物に含有される実質的にすべての水を、たとえば、混合物を好ましくは減圧下で加熱することにより除去する。任意の好適な混合手段を使用することができる。一実施形態では、「混合」は撹拌によって達成される。通常、第1のステップは、約80℃以上、好ましくは約90℃~約100℃の温度で、約100mmHg以下、好ましくは約80mmHg以下の減圧下で実施される。温度が約80℃より低いとき、成分(B)のすべてが成分(A)に溶解することはできない。一方で、圧力が約100mmHg以下に低減しないとき、第1の混合物から実質的にすべての水を除去することが困難になる。
本明細書で使用される語句「実質的にすべての水を除去する」は、混合物に含有される水の量が、混合物の総質量を基準として約5質量%以下、好ましくは約3質量%以下、およびより好ましくは約1質量%以下になることを意味する。
好ましくは、第1の混合物に含有される水の量は、たとえば吸引によって除去された捕捉水の量を測定し、吸引前の第1の混合物に含有される水の量から測定量を減算することによって算出してもよい。これにより、第1の混合物に含有される水の量を正確に算出することができる。
一実施形態では、成分(B)の配合比は、成分(A)100質量部あたり約2質量部~約11質量部、好ましくは約4質量部~約9質量部、およびより好ましくは約6~8質量部である。
次に、成分(C)を第1の混合物と混合し、第2の混合物を得る。第1の混合物に含有される成分(A)の種類によっては、成分(C)を単独で添加した場合、高温(たとえば、140℃以上)であっても第1の混合物と均一に混合することが困難な場合がある。そのような場合、成分(C)は、周囲温度で多価アルコール中に分散させた後、第1の混合物に添加してもよい。この多価アルコールは、第1の混合物に含有される成分(A)と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一実施形態では、成分(C)の配合比は、成分(A)100質量部あたり約2質量部~約11質量部、好ましくは約4質量部~約8質量部、およびより好ましくは約5質量部~約6質量部である。
他の実施形態では、成分(B)の配合比は、成分(C)1質量部あたり約0.3質量部~約3.5質量部、好ましくは約0.5質量部~約2.5質量部、およびより好ましくは約0.7~1.5質量部である。
次いで、成分(A)、(B)および(C)を含有する第2の混合物を、約95℃~約180℃、好ましくは約100℃~約140℃に加熱する。第2の混合物の温度が約95℃より低いとき、成分(C)を完全に溶解させるのが困難になる。一方で、第2の混合物の温度が約180℃より高いとき、成分(C)の分解が起こり、それにより活性成分(D)を医薬組成物に安定的に配合することができなくなる場合がある。一実施形態では、このステップは、大気圧下または減圧下で実施される。混合が大気圧下で実施されるとき、減圧下よりも穏やかな条件となるため、成分(C)の分解などの、成分の変性を抑制することができる。一方で、混合が減圧下で実施されるとき、混合中に混合物からさらに水を除去することができる。好ましくは、このステップは大気圧下で実施され、次いで減圧下で実施される。これにより、成分(C)を大気圧下で第1の混合物と穏やかに混合できるだけでなく、減圧下で水の除去と同時に第2の混合物中の気泡を除去することができ、それにより医薬組成物の安定性をさらに向上させることができる。
ある実施形態では、第2の混合物は、成分(C)の溶解が確認された後に減圧に供される。減圧の程度は適宜設定してもよく、好ましくは約100mmHg以下、より好ましくは約80mmHg以下である。さらに、約65℃以上、好ましくは約80℃以上の初期温度で減圧を開始し、その後、減圧しながら約75℃以下、好ましくは65℃以下に温度を下げてもよい。
一実施形態では、活性成分(D)と混合する前に、第2の混合物中の実質的にすべての水を除去する。さらに、成分(C)の安定性の観点から、第1の混合物と成分(C)とを混合する前に、第1の混合物に対して減圧下での水の除去を実施することが好ましい。
成分(C)が第2の混合物に均一に溶解したことを確認した後、第2の混合物中の成分(C)の質量平均分子量Mwを、たとえば、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定する。一実施形態では、第2の混合物中の水溶性ポリマーの分子量は約150,000~約300,000、より好ましくは約170,000~約285,000である。典型的には、第2の混合物中の成分(C)のMwは、昇温により引き起こされる成分(C)の開裂により、第1の混合物と混合される前の成分(C)のMwよりも20~30%小さくなる。
次に、第2の混合物の温度を、約75℃以下、好ましくは約70℃以下、およびより好ましくは約65℃以下、ならびに、約30℃以上、およびより好ましくは約35℃以上に維持する。次いで第2の混合物を、活性成分(D)、疎水性成分(E)、および両親媒性成分(F)とT分間混合する。温度が約75℃より高いとき、活性成分(D)の分解が起こり、医薬組成物の効能が低下する場合がある。一実施形態では、混合物は好ましくは減圧下で、好ましくは約100mmHg以下で、より好ましくは約80mmHg以下で脱気される。さらに、混合物が脱気されないとき、医薬組成物の安定性が低下する。
Tは、成分(A)~(F)がすべて存在するときの混合時間を指す。一実施形態では、Tは、式:0.00136M-287<T<0.00136M-161を満たす。他の実施形態では、Tは以下の式I:
0.00136M-230<T<0.00136M-169 式I
を満たす。
一実施形態では、Tは約30分~約180分の範囲にある。他の実施形態では、Tは約30分~約90分の範囲にある。
混合は、任意の適切な装置で行うことができる。一実施形態では、混合は、撹拌装置を備えた円形ポットで行われる。ポットは、約350mmの直径および約300mmの深さを有し得る。撹拌装置は、一端に1つまたは複数の撹拌翼を有する撹拌棒であり得る。回転速度は約5~60rpmとすることができる。
一実施形態では、活性成分(D)は、単独で、または第1の混合物で使用される成分(A)と同一であっても異なっていてもよい多価アルコールに溶解させた後に、約60℃~約70℃の温度で第2の混合物と混合される。その後、得られた混合物を約30℃~約35℃に冷却し、これに成分(E)および(F)を添加する。好ましくは、成分(E)は、添加の前にまず成分(F)に溶解される。
一実施形態では、成分(B)の量は、活性成分(D)の質量を基準として質量約0.5倍~約10倍である。成分(B)の量がこの範囲内であるとき、活性成分(D)を医薬組成物に安定的に配合することができる。好ましくは、成分(B)の量は、活性成分(D)の質量を基準として質量約1倍または約2倍以上であり、約8倍または約5倍以下である。一実施形態では、成分(B)の量は、活性成分(D)の質量を基準として質量約2.5倍である。
ある実施形態では、成分(E)および(F)の配合比は、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計100質量部あたり、約1質量部~約100質量部である。この配合比内において、微粒子の粒径を望ましい範囲に制御することができる。好ましくは、成分(E)および(F)の配合比は、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計100質量部あたり、約8質量部または約12質量部以上であり、約25質量部または約20質量部以下である。
他の実施形態では、成分(F)の配合比は、成分(E)と比較して好ましくは1.5~10倍、より好ましくは3.5~7倍、および最も好ましくは6倍である。この配合比が大きくなるとき、微粒子の粒径が大きくなる。さらに、微粒子からの活性成分の放出率は、粒径が大きくなるにつれて大きくなる。微粒子の粒径が大きくなるとき、医薬組成物の粘弾性が低くなり、投与部位での医薬組成物の滞留が減少すると考えられる。配合比が上記の範囲内でないとき、マトリックスの安定性が悪化し、活性成分の徐放が困難となる。
一実施形態では、得られた医薬組成物は成分(A)、(B)、(C)および(D)により形成された微粒子を含み、これらは成分(E)および(F)から形成されたマトリックス中に分散されている。一実施形態では、微粒子は約0.5μm~約1.2μmの平均粒径を有する。好ましくは、粒径は約0.7μmまたは約0.8μm以上であり、約1.0μmまたは約0.9μm以下である。
他の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は実質的に水を含まない。医薬組成物に含有される水の量は、医薬組成物の総質量を基準として好ましくは約5質量%以下、より好ましくは約3質量%以下、およびより好ましくは約1質量%以下である。水の量が約5質量%より多いとき、活性成分(D)の効能を長時間維持することができない。
さらには、本明細書に記載の医薬組成物は、上述した成分(A)~(F)に加えて、医薬組成物の効果を損なわない限り、着色剤、香味剤、界面活性剤、賦形剤など、医薬組成物に従来用いられている他の成分を含有してもよい。
一実施形態では、医薬組成物は、2Hzで測定した約0.35~約0.60の粘弾性(tanδ)を有する。好ましくは、粘弾性は約0.44または約0.45以上であり、約0.55または約0.53以下である。
他の実施形態では、医薬組成物は、7時間で約40%~約90%の放出率を有する。より好ましくは、7時間での放出率は約50%または約55%以上であり、約80%または約70%以下である。
本明細書に記載の医薬組成物は、外部、特に、粘膜に投与することができる。たとえば、ミノサイクリンまたはその薬学的に許容される塩を活性成分として使用する場合、歯科用医薬組成物に製造され得る。歯科用医薬組成物は、局所的に投与されるペースト状の軟膏医薬組成物として製造され得る。この場合、歯周病への応用に使用するため、注射器を用いて歯周ポケットなどの罹患部位に便利に投与することができる。さらに、従来経口投与で認められていた全身性の副作用、たとえば食欲不振、悪心、および下痢などの消化器系の副作用、血小板減少および好酸球増加などの生化学的副作用、または重感染の発生を抑制することができ、薬効を効率的に発揮させることができる。さらに、ミノサイクリンを長時間徐放することにより、短期間内に患者に医薬組成物を再投与することが不要となり、患者への負担が軽減される。
次に、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明するが、これらは例証を意図したものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本明細書および後述の実施例で引用したすべての文献は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
実施例22(微粒子の製剤化)
真空ポンプを備えた20Lのプラネタリーミキサーに11.2kgのグリセリンを入れ、その中に1kgの塩化マグネシウム六水和物を分散させた。ミキサーは350mmの直径、および300mmの深さを有する。回転速度は55rpmであった。この混合物を100mmHgで90~100℃に加熱し、60分間撹拌して、塩化マグネシウム六水和物をグリセリンに溶解させるとともに、グリセリンおよび塩化マグネシウム六水和物に含有される実質的にすべての水を除去した。除去した水をトラップで捕捉し、その量を測定した。この混合物を大気圧に戻した後、この混合物に、0.8kgのヒドロキシエチルセルロース(HEC)を2.8kgのグリセリン中に分散させた別の混合物を添加した。この混合物を135℃に加熱し、ヒドロキシエチルセルロースの均一な溶解が目視で確認されるまで30分間撹拌した。この中間生成物に含有されるヒドロキシエチルセルロースの分子量Mwを測定するために、混合物を冷却し、アリコートを取り出した。測定分子量は212251であった。
次いで、混合物を100mmHgの減圧下で脱気した。混合物の温度が65℃になった後、0.4kgのミノサイクリン塩酸塩をグリセリン中に分散させた混合物(質量の合計が捕捉した水の質量の合計である1kgに等しい(最終生成物の総量が20kgになるように質量の合計を調整した))を添加し、その後撹拌した。目視観察によりミノサイクリン塩酸塩の均一な溶解を確認した後、0.4kgのEudragit(登録商標)RSを2.4kgのトリアセチンに溶解させた溶液を添加した。その後、混合物を脱気し、60分間均一に撹拌し、ミノサイクリン塩酸塩を活性成分として微粒子中に含有するペースト様の医薬組成物(組成物1)を得た。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量の測定
測定装置:Agilent 1260 Infinity II HPLCシステム
移動相の調製:
0.1MのNaNO3を調製し、30分の超音波処理により脱気した。
試料の調製:
1.プルラン(標準品)を0.1~0.2%(w/v)の間の濃度で調製した。
2.0.08gの試料を1mlの移動相で希釈し、ボルテックスミキサーおよび超音波処理により、よく混合した。
3.ステップ2の溶液をMillex-HP 13mm PESO 0.45μmでろ過する。
4.0.02gのヒドロキシエチルセルロース(原料)を5mlの移動相に溶解し、ステップ2および3と同様にして混合し、ろ過した。
5.検量線にはShodex STANDARD P-82を標準物質として使用した。
分子量の測定:
分子量は以下の条件で測定した:
カラム:Shodex OHpakSB-806M HQ
UV検出器:210nm
流速:0.5ml/分
温度:50℃
注入:40μl
粒径分布の測定
組成物1の粒度を、レーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、Shimadzu SALD-2200)により測定した。具体的には、まずブランク測定を行った。次に、スライドガラス上に少量の組成物を置き、カバーガラスで覆い、組成物が薄く伸びるように軽く押さえた。測定部にスライドガラスをセットし、吸光度が1.0以下であり、最大光強度が約30~60%となるように減光(ND)フィルターを取り付けた。測定は以下の条件で実施した。
屈曲率:1.60-0.10i、ただし、iは入射角を意味する。
測定数:1
評価対象粒度範囲:0.03~280.00μm
結果を図1に示す。
図1から明らかなように、組成物1の平均粒径(D50%)は1.0969μmである。
顕微鏡観察
トリアセチンで希釈した組成物1を蛍光顕微鏡で観察した。蛍光光下でミノサイクリン塩酸塩による微粒子の発光が観察された。これにより、微粒子中にミノサイクリン塩酸塩が存在することが確認される(図2)。
溶出試験による放出率の測定
日本薬局方の試験法、溶出法、第二法に準じて、一部変更を加えて溶出試験を行った。すなわち、30mmの内径および0.5mmの深さを有するセル(2)に、シンカーに代えて約500mgの試料(1)を充填し、セルを容器内に浸漬した(図3)。次に、500mlの水を添加し、100rpm、37℃で回転させながら混合した。分光光度計(株式会社島津製作所、UV-260)を用いて348nmにおける吸光度を測定することにより、ミノサイクリン塩酸塩の溶出濃度を算出した。
図4に示した結果から明らかなように、組成物1は好適な放出挙動を示し、活性成分が3時間で20~40%、および7時間で50~60%徐放され得ることが実証される。
実施例1~21および23~25
表1に示すように、異なる分子量を有するHEC原料を用い、それに見合った固定時間を適用した以外は、実施例22の方法と同様にして、実施例1~21、および23~25を調製した。最終混合時間対中間生成物中のHECの分子量のプロットを図5に示す。
Figure 2023509400000002
図5に示すように、混合時間Tが式I:0.00136M-230<T<0.00136M-169を満たすとき、7時間で55%~70%の放出率を有する組成物を得ることができる。
さらに、線形近似により生成されたT=0.00136M-207は、0.923の相関係数Rを有し、MとTの間に強い正の相関を示した。
実施例111~139
表2に示すように、異なる分子量を有するHEC原料を用い、それに見合った固定時間を適用した以外は、実施例22の方法と同様にして、実施例111~139を調製した。
粘弾性測定
粘弾性(tanδ)は、レオメーター(Anton Paar MCR102)を用いて、周波数2Hzおよび25℃の条件下で周波数依存性測定により測定した。
測定器具:レオメーターMCR-102(Anton Paar)
測定セル:Φ25mmパラレルプレート
測定ギャップ:1mm
測定点:16点
温度:25℃
周波数0.02Hz~20Hz
ひずみレベル1%
実施例111~139の粘弾性および放出率を測定し、その結果を表2にまとめる。実施例111~139の放出率対粘弾性のプロットを図6に示す。
Figure 2023509400000003
図6に示すように、組成物の粘弾性が0.44~0.55の範囲内にあるとき、7時間で50%~80%の放出率を有する組成物を得ることができる。さらに、組成物の粘弾性が0.45~0.53の範囲内にあるとき、7時間で55%~70%の放出率を有する組成物を通常得ることができる。

Claims (17)

  1. 医薬組成物の調製方法であって、
    i)成分(A)、成分(B)、およびゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された分子量Mを有する成分(C)を含む混合物を得ること;ならびに
    ii)前記混合物を薬学的活性成分(D)、疎水性成分(E)、および両親媒性成分(F)と約30℃~70℃の範囲の温度でT分間混合し、それによりマトリックス中に分散された微粒子を含む医薬組成物を製造することを含み、
    Tは、0.00136M-230<T<0.00136M-169を満たし;
    成分(A)は多価アルコールであり;
    成分(B)はマグネシウム、カルシウム、もしくはバリウムの無機塩、またはそれらの水和物であり;
    成分(C)は水溶性ポリマーである、方法。
  2. (i)成分(A)が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,3-ブチレングリコール、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
    (ii)成分(B)が、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、乳酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、およびそれらの水和物からなる群から選択され;
    (iii)成分(C)が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカントガム、デンプン、およびサクシノグルカンからなる群から選択され;
    (iv)成分(D)が、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択され;
    (v)成分(E)が、メタクリレートコポリマーであり;または
    (vi)成分(F)が、低級多価アルコールと低級脂肪酸とのエステル、または低級アルコールとジカルボン酸とのエステルである、請求項1に記載の方法。
  3. (i)成分(A)が、グリセリン、エチレングリコール、またはジエチレングリコールであり;
    (ii)成分(B)が、マグネシウム塩またはその水和物であり;
    (iii)成分(C)が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはポリビニルピロリドンであり;
    (iv)成分(D)が、テトラサイクリン系、ペニシリン系、カルバペネム系、セフェム系、モノバクタム系、アミノグリコシド系、またはマクロライド系抗生物質;ポリエン系、アゾール系、エキノカンジン系、またはピリミジン系抗生物質;ステロイドまたは非ステロイド抗炎症薬、またはそれらの薬学的に許容される塩であり;
    (v)成分(E)が、メチルメタクリレートとブチルメタクリレートおよびジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー、またはエチルアクリレートとメチルメタクリレートおよびメタクリレートエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマーであり;または
    (vi)成分(F)が、トリアセチン、トリブチリン、エチレングリコールジアセテート、セバシン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、またはコハク酸ジブチルである、請求項1に記載の方法。
  4. (i)成分(A)が、グリセリンであり;
    (ii)成分(B)が、塩化マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、またはそれらの水和物であり;
    (iii)成分(C)が、ヒドロキシエチルセルロースまたはポリビニルピロリドンであり;
    (iv)成分(D)が、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリンまたはそれらの薬学的に許容される塩であり;
    (v)成分(E)が、エチルアクリレートとメチルメタクリレートおよびメタクリレートエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマーであり;または
    (vi)成分(F)が、トリアセチンである、請求項1に記載の方法。
  5. (i)成分Aが、前記医薬組成物の総質量を基準として約50質量%~約85質量%であり;
    (ii)成分Bが、前記医薬組成物の総質量を基準として約0.5質量%~約10質量%であり;
    (iii)成分Cが、前記医薬組成物の総質量を基準として約0.1質量%~約20質量%であり;
    (iv)成分Dが、前記医薬組成物の総質量を基準として約0.1質量%~約10質量%であり;
    (v)成分Eが、前記医薬組成物の総質量を基準として約0.5質量%~約10質量%であり;
    (vi)成分Fが、前記医薬組成物の総質量を基準として約5質量%~約25質量%である、請求項1に記載の方法。
  6. (i)成分(A)に対する成分(B)の配合比が、成分(A)100質量部あたり約2質量部~約11質量部であり;
    (ii)成分(A)に対する成分(C)の配合比が、成分(A)100質量部あたり約2質量部~約11質量部であり;
    (iii)成分(C)に対する成分(B)の配合比が、成分(C)1質量部あたり約0.3質量部~約3.5質量部であり;
    (iv)成分(B)の量が、成分(D)の質量を基準として質量約0.5倍~約10倍であり;
    (v)成分(F)の量が、成分(E)の質量を基準として質量約1.5倍~約10倍であり;または
    (vi)成分(E)および(F)の配合比が、成分(A)、(B)、(C)、および(D)100質量部あたり約1質量部~約100質量部である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記混合物が、成分(A)に溶解した成分(B)および(C)の溶液である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記混合物に含有される水の量が、該混合物の総質量を基準として約5質量%以下である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記混合ii)が、約30℃~約70℃で行われる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記混合ii)が、
    ii-1)前記混合物を成分(D)と混合し、中間混合物を得ること;および
    ii-2)ii-1)で得られた前記中間混合物を成分EおよびFと混合すること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  11. Mが約150000~約300000の範囲内である、請求項1に記載の方法。
  12. Tが約30分~約90分の範囲内である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記微粒子が、成分(A)、(B)、(C)、および(D)を含み、前記マトリックスが、成分(E)および(F)を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記微粒子が、約0.5μm~約1.2μmの平均直径を有する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記医薬組成物に含有される水の量が、該医薬組成物の総質量を基準として約5質量%以下である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記医薬組成物が、溶出試験において7時間後に約55%~約70%の平均放出率を有する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記医薬組成物が、周波数依存性測定により約0.44~約0.55の粘弾性を有する、請求項1に記載の方法。
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