JPH11286424A - 加齢臭抑制用組成物 - Google Patents

加齢臭抑制用組成物

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JPH11286424A
JPH11286424A JP10103400A JP10340098A JPH11286424A JP H11286424 A JPH11286424 A JP H11286424A JP 10103400 A JP10103400 A JP 10103400A JP 10340098 A JP10340098 A JP 10340098A JP H11286424 A JPH11286424 A JP H11286424A
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odor
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aging
suppressing
acid
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JP10103400A
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English (en)
Inventor
Yoko Aitsu
陽子 合津
Shinichiro Haji
信一郎 土師
Shoji Nakamura
祥二 中村
Tsutomu Saito
力 齋藤
Kiyohito Sawano
清仁 沢野
Kazuo Yamazaki
一雄 山崎
Masataka Miyasaka
政孝 宮坂
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Takasago International Corp
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Takasago International Corp
Shiseido Co Ltd
Takasago Perfumery Industry Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中高年に特有の体臭である「加齢臭」を抑制す
ることが可能な手段を提供すること。 【解決手段】加齢臭の主な発生要因である不飽和アルデ
ヒドの発生を、リポキシゲナーゼ阻害剤を用いることに
より抑制して、加齢臭の発生をも抑制し得ること、すな
わち、リポキシゲナーゼ阻害剤を含む加齢臭抑制用組成
物を提供することにより、上記の課題を解決し得ること
を見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体臭抑制用組成物
関する技術分野の発明である。より詳細には、加齢と共
に認められる「加齢臭」を抑制することが可能な加齢臭
抑制用組成物に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】体臭は、口臭,足臭,腋臭,頭皮臭等の
「体の各部分の匂い」と、「体幹より発せられる匂いを
総合した匂い」に大別することができる。現在までに、
前者の「体の各部分の匂い」については、すでに多くの
研究が見られ、その匂いの主要成分についても解明さ
れ、優れた対処方法も数多く提示されている。例えば、
汗臭,腋臭,足臭等は、これらは臭いのもととなる
「汗」と臭いを生み出す「皮膚常在菌」によって作り出
されていることが既に知られている。汗は汗腺より分泌
され,主にエクリン腺とアポクリン腺に類別される。人
体の全体にわたって分布するエクリン腺より分泌される
汗はエクリン汗とよばれ、そのほとんどが水分により構
成され、その他に若干の塩化ナトリウム,乳酸,尿素等
を含んでいる。一方、アポクリン腺は毛に付随して存在
する汗腺で、腋窩や乳輪,陰部等の特定の部位のみに存
在する。ここより分泌されるアポクリン腺はタンパク質
や脂質,脂肪酸,コレステロール,グルコース,アンモ
ニア,鉄等が含まれるミルク様の汗である。
【0003】これらの分泌された汗はそれ自体では強く
臭気を発することはないが、皮膚表面に存在する皮膚常
在菌によって臭気物質に変化することが知られている。
腋臭や足臭を分析した結果、腋臭からはペラルゴン酸や
カプリン酸等の低級脂肪酸が特異的に検出され、足臭か
らはイソ吉草酸が特異的に検出されており、これが体臭
の原因として捉えられている。現在、これらの体臭の予
防手段として、これらの臭いの基となる発汗を抑制する
制汗剤、皮膚常在菌の増殖を抑制する抗菌剤、発生した
体臭の基となる上記の低級脂肪酸等の物質を抑制する消
臭剤、体臭を他の香りでマスキングするマスキング剤
(例えば、特開平6−179610号公報に記載された
マスキング用香料組成物等)等が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、前者の
「体の各部分の匂い」については多くの知見がある反
面、後者の「体幹より発せられる匂いを総合した匂い」
については、ほとんど何も解明されていない。すなわ
ち、「赤ちゃんの匂い」「青春の匂い」「おじいちゃん
の匂い」等というように、人の匂いは年齢と共に移り変
わっていくことは、多くの人が感覚的には感じている
が、その匂いがどのような物質からなり、なぜ発せられ
るのかは不明なところが多く、研究も全く見られない。
【0005】その一方で、最近は「無臭であること」が
好まれて、かつ「臭う」ことが嫌われる傾向が非常に強
くなっている。例えば、中高年以降に認められるいわゆ
る「加齢臭」は、特に現在嫌われる匂いの一つである
(最も顕著なものが「おじさんの臭い」である)。しか
しながら、この「加齢臭」が存在することは、明らかで
あるものの、その臭いの原因が未だ解明されていない。
また、この臭いを除去するためには、これまでの「体の
各部分の匂い」に対する対処方法では防御しきれないも
のであることも明らかである。
【0006】そこで、本発明が解決すべき課題は、上記
の「加齢臭」を除去する手段を提供することにある。す
なわち、「加齢臭」が如何なる性質の臭いであるのか、
その本質を突き止め、この「加齢臭」を除去することが
可能な加齢臭抑制剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、この加齢臭
は、従来から「体の各部分の匂い」の代表的な原因物質
として認知されている上記低級脂肪酸を原因物質とする
臭いではなく、驚くべきことに従来体臭の原因物質とし
ては全く認知されていなかった、オクテナールやノネナ
ール等の不飽和アルデヒドが深く関わっている全く新た
な性質の体臭であることを見出した。
【0008】すなわち、本発明者らは20代〜70代の
健康な男性又は女性に、入浴後予め洗浄したシャツを着
用してもらい、そのシャツに付着した体臭を「ヘッドス
ペース捕集方法」により、TENAX TA樹脂に吸脱
着し、得られた体臭成分をGC/MS(G1800A GCDシス
テム,INNOWAX 60m×0.25mmカラム, ヒューレット・パッ
カード社製) を用いて分析した。また、各パネルの体臭
について、専門パネラーによる官能評価も併せて行っ
た。
【0009】その結果を第1表に表す。
【表1】
【0010】<GS/MS分析> +++:+の3倍以上のピークとして検出した。 ++ :+の1.5〜3倍のピークとして検出した。 + :ピークとして検出した。 − :検出しなかった。
【0011】<官能評価> +++:その臭いを非常に強く感じる。 ++ :その臭いを強く感じる。 + :その臭いを感じる。 ± :その臭いを僅かに弱く感じる。 − :その臭いを感じない。
【0012】官能評価によって、加齢臭は汗臭,腋臭と
は明らかに異なり、中高年以降のパネルに特徴的に認め
られるものであった。しかも、GS/MS分析により検
出されたアルデヒド類のうち、年齢によって増加してい
る成分として、オクテナールやノネナールのような不飽
和アルデヒドが認められた。
【0013】これらの結果により、本発明者は加齢臭の
原因物質はオクテナール及びノネナールに代表される不
飽和アルデヒド(具体的には、2−オクテナールや2−
ノネナール等、特にこれらのトランス体)であることを
確信するに至った。そして、本発明者らはこれらの不飽
和アルデヒドは、加齢により以下のようにして生成され
るものと推察した。
【0014】前提として、紫外線やリポキシゲナーゼ等
の酵素の働きにより生体中の過酸化脂質が生成すること
は既に知られており〔例えば,皮脂中に存在するスクア
レン(squalene:C3050) が紫外線等による過酸化反応
を受けて、スクアレンヒドロペルオキシド(以下,SQ
HPOともいう)が生成することが知られている(例え
ばOhsawa K.et al.,J.Toxicol.Sci.9,151(1984))〕、こ
れらの生成された過酸化脂質は通常はペルオキシダーゼ
等による生体防御機構により分解されるが、加齢と共に
これらの生体防御機構の働きが衰える傾向が強いことが
知られている。そしてその一方で、加齢と共に皮脂中の
脂肪酸の比率が変化し、若年時には豊富であった皮脂中
のcis6-ヘキサデセン酸の比率が相対的に減り、パルミ
トレイン酸(9−ヘキサデセン酸)の比率が高まること
も知られている(The journal ofinvestigative dermato
logy 73:112-117,1979)。
【0015】すなわち本発明者らは、このパルミトレイ
ン酸から、生成して生体防御機構により分解されない過
酸化脂質(例えば,上記SQHPO等)による酸化伝播
により、パルミトオレイン酸ヒドロペルオキシド(パル
ミトレイン酸HPOともいう)が生成し、次いでこのパ
ルミトレイン酸HPOがβ開裂して、加齢臭の原因とな
るオクテナールやノネナールを生成するものと推察し
た。これらの本発明者らの仮説が妥当なものであること
については、実施例の欄において後述する。
【0016】そして、この仮説を基に、本発明者はこの
不飽和アルデヒドの発生を、リポキシゲナーゼ阻害剤を
用いることにより抑制して、加齢臭の発生を抑制し得る
ことが可能であることを見出して本発明を完成した。
【0017】すなわち本発明は、リポキシゲナーゼ阻害
剤を含む加齢臭抑制用組成物を提供する発明である。な
お、これらの本発明に関わる加齢臭抑制用組成物は、ノ
ネナール及び/又はオクテナール等の不飽和アルデヒド
の発生抑制用組成物としての態様も採り得る組成物であ
る。さらに、これらの本発明に関わる加齢臭抑制用組成
物を、皮膚外用剤として用いることは、特に好ましい実
施態様の一つである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明に関わる加齢臭抑制用組成物(以
下、本発明加齢臭抑制用組成物ともいう)は、上述の通
りリポキシゲナーゼ阻害剤を含む加齢臭抑制用組成物で
ある。
【0019】本発明加齢臭抑制用組成物において、配合
され得るリポキシゲナーゼ阻害剤の種類は、上記の不飽
和アルデヒドを生成する酸化伝播を惹起するリノール酸
HPO等の過酸化不飽和脂肪酸の生成を媒介する生体内
酵素であるリポキシゲナーゼの活性を阻害することがで
きる限り、特に限定されるものではない。かかるリポキ
シゲナーゼ阻害剤として、具体的には、例えばトラネキ
サム酸,β−カロチン等を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
【0020】本発明加齢臭抑制用組成物における、これ
らのリポキシゲナーゼ阻害剤の配合量は、選択するリポ
キシゲナーゼ阻害剤の種類や他の配合成分との関係等に
より適宜選択されるべきものであり、特に限定されるも
のではないが概ね組成物の0.0001重量%以上,1
0.0重量%以下、好ましくは同0.005重量%以
上,5.0重量%以下の範囲で配合し得る。
【0021】この配合量が組成物の0.0001重量%
未満であると、所望する加齢臭除去効果を十分に発揮す
ることが困難であるため好ましくなく、逆に同10.0
重量%を超えて配合しても、配合量の増加に見合った加
齢臭に対する抑制効果が認められなくなる傾向が強く、
さらに選択するリポキシゲナーゼ阻害剤の種類によって
は製剤上の問題が生じることもあり好ましくない。ま
た、上記のリポキシゲナーゼ阻害剤は、これらのうち1
種を本発明加齢臭抑制用組成物に配合することもできる
が、2種以上を組み合わせて配合することもできる。
【0022】このようにして、加齢臭発生の原因となる
皮脂における上記の不飽和アルデヒドの発生を抑え、加
齢臭を抑制し得る本発明加齢臭抑制用組成物が提供され
る。この「加齢臭抑制」という用途は、単なる「体臭抑
制」という用途とは明確に区別されるべき新たな用途で
ある。
【0023】すなわち、「加齢臭」が現在まで知られ
ている汗臭や腋臭等の体臭の原因物質と明らかに異なる
原因物質に由来する体臭である点(前述した)、また
この加齢臭が腋臭や足臭とは別個独立に発生し得る点
や,加齢臭が発生する年齢層は文字通り中高年以降が通
常である点、従来用いられてきた体臭抑制手段では加
齢臭を除去することが困難であった点(後述する)等を
勘案すると、明らかに通常の「体臭抑制」から独立した
用途である。
【0024】よって、「加齢臭抑制」という用途は、技
術的にも,社会通念においても、通常の体臭抑制手段と
は明確に区別されて然るべき用途である。本発明加齢臭
抑制用組成物は、例えば化粧料,医薬品,医薬部外品等
の皮膚外用剤として用いることができる。
【0025】また、本発明加齢臭抑制用組成物は、例え
ば着衣に付着した皮脂が空気により自然酸化されて、不
飽和アルデヒドに変換されて、加齢臭がその着衣におい
て発生するのを防ぐための、着衣における加齢臭発生防
止手段として用いることや、身体において発生した加齢
臭が着衣に付着するのを防ぐための、着衣における加齢
臭付着防止手段として用いることができる。
【0026】また、本発明加齢臭抑制用組成物は、加齢
臭の主要な原因物質である、ノネナール及び/又はオク
テナール等の不飽和アルデヒドの発生抑制用組成物とし
ての態様も採り得る。
【0027】なお、本発明加齢臭抑制用組成物中には、
上記のリポキシゲナーゼ阻害剤の他に、加齢臭の原因物
質である前記不飽和アルデヒドの生成をリポキシゲナー
ゼ阻害剤とは異なる経路において断ち得る成分を配合す
ることもできる。
【0028】まず、パルミトレイン酸からパルミトレイ
ン酸HPOを誘導する酸化伝播を直接抑制する抗酸化剤
を上記リポキシゲナーゼ阻害剤と組み合わせて本発明加
齢臭抑制用組成物中に配合して、加齢臭の発生を一層抑
制することができる。
【0029】この抗酸化剤としては、例えばα−カロチ
ン,β−カロチン,γ−カロチン,リコピン,クリプト
キサンチン,ゼアキサンチン,イソゼアキサンチン,ロ
ドキサンチン,カプサンチン,クロセチン等のカロチノ
イド;2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、
2,5−ジフェニルフラン、1,3−ジフェニルイソベ
ンゾフラン等のフラン類;α−トコフェロール,β−ト
コフェロール,γ−トコフェロール,δ−トコフェロー
ル等のビタミンE類;ヒスチジン,トリプトファン,メ
チオニン,アラニン,アラニンのアルキルエステル等の
アミノ酸類;1,4−ジアジシクロオクタン、ジブチル
ヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸エステル類、
アスコルビン酸、タンニン類、フラボノイド等を挙げる
ことができるがこれらに限定されるものではない。
【0030】なお、ここに例示した抗酸化剤のうち、β
−カロチンは「抗酸化」という面から、好ましくはβ−
カロチン以外のリポキシゲナーゼ阻害剤と組み合わせて
用いることができる。
【0031】これらの抗酸化剤は、それぞれ通常公知の
方法で製造することが可能であり、市販品を本発明加齢
臭抑制用組成物中に配合することも勿論可能である。
【0032】また、抗酸化効果を有する生薬の抽出物を
上記抗酸化剤として用いることができる。具体的には、
例えばオウゴン抽出物,カワラヨモギ抽出物,アセンヤ
ク抽出物,セージ抽出物,チャ抽出物,ローズマリー抽
出物,ウイキョウ抽出物,タイム抽出物,ナツメグ抽出
物,コショウ抽出物,ターメリック抽出物,バニラ抽出
物,パプリカ抽出物,ヨクイニン抽出物,サイコ抽出
物,木瓜抽出物,スホウ抽出物,キュレン抽出物,ジョ
ンラブ抽出物等の生薬抽出物を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。
【0033】この抗酸化剤を、本発明加齢臭抑制用組成
物に配合する場合は、概ね組成物の0.0001重量%
以上,10.0重量%以下、好ましくは同0.01重量
%以上,1.0重量%以下である。
【0034】また、皮脂中の諸成分を、加齢臭を発生す
る不飽和アルデヒドを生成する原物質であるパルミトレ
イン酸等の高級不飽和脂肪酸に変換する皮膚常在菌の活
動を抑制し得る抗菌剤を上記の抗酸化剤と組み合わせて
本発明加齢臭抑制用組成物中に配合して、加齢臭の発生
を一層抑制することができる。
【0035】この抗菌剤としては、例えばトリクロロカ
ルバニリド,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウ
ム,ハロカルバン,塩酸クロルヘキシジン,ジヒドロフ
ァルネソール(特開平8−245979号公報)等を挙
げることができる。
【0036】この抗菌剤を、本発明加齢臭抑制用組成物
に配合する場合は、概ね組成物の0.0001重量%以
上,10.0重量%以下、好ましくは同0.005重量
%以上,5.0重量%以下の範囲で配合し得る。
【0037】なお、上記ジヒドロファルネソールは、抗
菌剤と香料の機能を兼ね備えた「抗菌性香料」として知
られているが、このジヒドロファルネソール以外の香料
も、万一漏れ出る加齢臭をマスキング又はハーモナージ
ュするために本発明加齢臭抑制用組成物中に配合するこ
とができる。
【0038】これらの加齢臭の抑制に直接的に関わる成
分の他に、本発明加齢臭抑制用組成物が採り得る具体的
な態様に応じて、通常その態様の組成物に配合され得る
一般的な成分を本発明の効果を損なわない限り配合する
ことができる。
【0039】例えば、本発明加齢臭抑制用組成物を皮膚
外用剤として用いる場合には、パラアミノ安息香酸等の
パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メ
チル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸オ
クチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル
等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸
イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメ
トキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、ジパラメトキシ
ケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、〔4
−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチ
ルブチル〕−3,4,5−トリメトキシケイ皮酸エステ
ル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン酸エ
チル、2−フェニル−5−メチルベンゾオキサゾール、
2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベ
ンゾイルメタン等の紫外線吸収剤を皮膚外用剤としての
本発明加齢臭抑制用組成物中に配合することができる。
【0040】また、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、
ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトー
ス、D−マンニット、水アメ、ブドウ糖、果糖、乳糖、
コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウ
ム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、胆
汁酸塩、ピロリドンカルボン酸、グルコサミン、シクロ
デキストリン等の保湿剤を、皮膚外用剤としての本発明
加齢臭抑制用組成物中に配合することができる。
【0041】さらに薬剤成分として、上記抗酸化剤以外
の薬効を有する薬剤、例えばイノシット、塩酸ピリドキ
シン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ビタミ
ンD2 (エルゴカルシフェロール)、ビオチン等のビタ
ミン類;エストラジオール、エチニルエストラジオール
等のホルモン類;アラントイン、アズレン、グリチルレ
チン酸等の抗炎症剤;アルブチン等の美白剤;酸化亜
鉛、タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル
等の清涼剤、イオウ、塩化リゾチーム等を皮膚外用剤と
しての本発明加齢臭抑制用組成物中に配合することがで
きる。また、上記の抗酸化剤として用い得る生薬抽出物
以外の抽出物を皮膚外用剤としての本発明加齢臭抑制用
組成物中に配合することができる。
【0042】なお、上に挙げた他の成分に、本発明加齢
臭抑制用組成物に配合可能な他の成分が限定されるもの
ではない。また、上に挙げた薬効成分は単独で皮膚外用
剤としての本発明加齢臭抑制用組成物に配合することの
他に、2種類以上の上記成分を、目的に応じ、適宜組み
合わせて配合することも可能である。
【0043】本発明加齢臭抑制用組成物は、皮膚外用剤
として医薬品,医薬部外品(軟膏剤,歯磨剤等)及び化
粧品〔洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス
(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧品;ファンデ
ーション、口紅等のメーキャップ化粧品;口腔化粧品,
芳香化粧品,毛髪化粧品,ボディ化粧品等〕の形態に広
く適用可能である。そして、これらの形態に、皮膚外用
剤としての本発明加齢臭抑制用組成物の採り得る形態が
限定されるものではない。
【0044】また、剤型も水溶液系、可溶化系、乳化
系、粉末系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、
水−油2層系、水−油−粉末3層系等、幅広い剤型を採
り得る。
【0045】本発明加齢臭抑制用組成物を皮膚外用剤と
して用いるにおいては、これらの所望する形態や剤型に
応じて通常公知の基剤成分等を、その配合により本発明
の所期の効果を損なわない範囲で広く配合して用いるこ
とができる。
【0046】すなわち、液体油脂、液体若しくは固体の
油脂、固体油脂、ロウ類等の油分を皮膚外用剤としての
本発明加齢臭抑制用組成物中に配合することが可能であ
る。また、エステル油や炭化水素油やシリコーンを皮膚
外用剤としての本発明加齢臭抑制用組成物中に配合する
ことが可能である。
【0047】また、アニオン系界面活性剤、カチオン系
界面活性剤、両性界面活性剤;親油性非イオン界面活性
剤、親水性非イオン界面活性剤等の界面活性剤を皮膚外
用剤としての本発明加齢臭抑制用組成物中に配合するこ
とができる。
【0048】そして、低級アルコール、ステロール類、
植物系高分子、微生物系高分子、デンプン系高分子、動
物系高分子、セルロース系高分子、アルギン酸系高分
子、ビニル系高分子、アクリル系高分子、水溶性高分子
を皮膚外用剤としての本発明加齢臭抑制用組成物中に配
合することができる。さらに、金属イオン封鎖剤、中和
剤、pH調整剤等を皮膚外用剤としての本発明加齢臭抑
制用組成物中に配合することができる。
【0049】ここで、上記の基剤成分等は例示であり、
これらの基剤成分等に皮膚外用剤としての本発明加齢臭
抑制用組成物に配合可能な基剤成分が限定されるもので
はない。 これらの基剤成分は所望する形態に応じた処
方に従い、適宜組み合わせて皮膚外用剤としての本発明
加齢臭抑制用組成物に配合することができる。皮膚外用
剤としての本発明加齢臭抑制用組成物の具体的処方につ
いては、後述する実施例において記載する。
【0050】また、上述のように本発明加齢臭抑制用組
成物は、衣服等に付着しがちな加齢臭が、その衣服等に
おいて発生することを防ぐ手段や、身体で発生した加齢
臭が衣服に付着することを防ぐ手段として用いることも
できる。具体的には、例えば衣服の洗濯仕上げ剤や衣服
のコーティング剤等の形態で用いることが可能である。
【0051】このような態様で用いる場合には、例えば
本発明加齢臭抑制用組成物を衣服等の対象物に定着させ
るための定着剤等を目的に応じて組成物中に配合するこ
とができる。そして、この態様で用いる本発明加齢臭抑
制用組成物は、例えば液剤やスプレー剤としての態様で
好ましく用いられる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてさらに具体的
に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定す
るべきものではない。また、配合量は特に断らない限
り、その成分を配合する系全体に対する重量%で表示す
る。
【0053】〔試験例1〕リポキシゲナーゼによる加齢
臭の発生試験 リポキシゲナーゼ(リポキシダーゼと称されることもあ
る)は1−シス,又は4−シス−ペンタジエン構造を有
する不飽和脂肪酸に酸素分子を導入してヒドロペルオキ
シドを生成する酵素である。近年ヒトの皮膚上にも存在
し、過酸化脂質の生成に関与していることが報告されて
いる〔例えばTkahashi,Y.et al. J.Biol.Chem.268,
16443(1993)〕が、体臭の発生、特に加齢臭
の発生との関連は報告されていない。
【0054】そこで、前述の仮説を立証すべく、皮膚中
の脂肪酸とリポキシゲナーゼとの反応に注目して、in v
itroでの加齢臭発生実験を試みた。具体的には、皮脂中
の主要不飽和脂肪酸である基質としてリノール酸(シグ
マ社)と、シス−9−ヘキサデセン酸(パルミトレイン
酸,C16:1)とを基質として用いて、加齢臭発生の
原因についての検討を行った。
【0055】試験方法 基質としてリノール酸(シグマ社)とシス−9−ヘキサ
デセン酸(東京化成)とをそれぞれ0.2mg/mLとなる
ように単独に、あるいは同時に添加した0.2Mホウ酸
緩衝液(pH9.0)に、大豆由来リポキシゲナーゼ
(SERVA社126000 U/mg)を500 U/mgと
なるように添加して、23℃で一晩反応させた。
【0056】このリポキシゲナーゼ反応終了後、ジエチ
ルエーテルで各サンプル内の脂質を抽出した後、乾固し
て、これを37℃で保温した。4日間、この保温を継続
した後、各サンプルの臭いを官能評価して加齢臭の発生
の有無を判定し、さらにGC−MS(G1800A G
CDシステム、Innowax 60×0.25mmカラム:ヒュ
ーレット・パッカード社)で、加齢臭の原因として考え
られるアルデヒドの有無等についての分析を行った。そ
の結果を第2表に示す。
【0057】 第 2 表 ─────────────────────────────────── 基 質 加齢臭 検出されたアルデヒド ─────────────────────────────────── リノール酸のみ なし ヘキサナール ヘキサデセン酸のみ なし なし リノール酸+ヘキサデセン酸 あり ヘキサナール,ヘプタナール, オクテナール,ノネナール ───────────────────────────────────
【0058】第2表により、リノール酸及びヘキサデセ
ン酸を基質とした場合、官能評価的に加齢臭に非常に近
い臭いが発生したことが明らかになった。また、リノー
ル酸又はヘキサデセン酸のいずれかを基質とした場合に
は、加齢臭は認められなかった。
【0059】これらの現象は、リポキシゲナーゼが1−
シス及び4−シス−ペンタジエン構造を有するリノール
酸を基質として、リノール酸ヒドロペルオキシドを生成
し、このリノール酸ヒドロペルオキシドからヘキサデセ
ン酸への酸化伝播により、かかるヘキサデセン酸が分解
して、加齢臭に特有の臭い成分であるオクテナール、ノ
ネナール等の不飽和アルデヒドが生成することにより認
められたものと考えられる。これらの結果により、明ら
かなかたちで、前述の加齢臭発生についての仮説が実験
的に裏付けられた。
【0060】〔試験例2〕 リポキシゲナーゼ阻害剤に
よる加齢臭の抑制試験 1.リポキシゲナーゼ阻害剤のリポキシゲナーゼ阻害効
果の評価試験 上記試験例1により、実際に皮脂においてもリポキシゲ
ネーゼの作用により生成したヒドロペルオキシドから酸
化伝播が起こり、皮脂中の脂肪酸が分解して不飽和アル
デヒドが生成し、加齢臭が発生する可能性が示唆され
た。そこで、加齢臭の発生を防止する手段としてリポキ
シゲナーゼによる上記反応を阻害することに関して、リ
ポキシゲナーゼ阻害剤が有効か否かに関する、リポキシ
ゲナーゼ阻害剤のリポキシゲナーゼ阻害効果の評価試験
を行った。
【0061】試験方法 基質としてリノール酸(シグマ社)が0.2mg/mLとな
るように添加した0.2Mホウ酸緩衝液(pH9.0)
に、大豆由来リポキシゲナーゼ(SERVA社1260
00 U/mg)を500 U/mLとなるように添加し、これ
を溶存酸素測定チャンバー(エイブル株式会社)に入れ
て23℃で保温した。そして、溶存酸素電極(エイブル
株式会社)でリポキゲナーゼ反応による溶存酸素の消費
をモニターし、一定速度で溶存酸素が減少している間に
供試薬剤(β−カロチン及びトラネキサム酸の濃度をそ
れぞれ様々に設定した)を反応液中に添加し、リポキシ
ゲナーゼ反応の阻害による溶存酸素消費の抑制を調べ
た。
【0062】試験結果 上記試験の結果、リポキゲナーゼ阻害効果があると言わ
れている各種薬剤のうち、β−カロチンは0.1〜10
μg /mL、トラネキサム酸は0.1〜10mg/mLの濃度
範囲においてリポキシゲナーゼ阻害効果を示した。
【0063】2.リポキシゲナーゼ阻害剤による加齢臭
発生の抑制試験 上記リポキシゲナーゼ阻害試験の結果に則り、リポキシ
ゲナーゼ阻害剤として、β−カロチン及びトラネキサム
酸を用いて、これらのリポキシゲナーゼによる加齢臭発
生の抑制効果を調べた。
【0064】試験方法 基質としてリノール酸(シグマ社)、シス−9−ヘキサ
デセン酸(東京化成)をそれぞれ0.2mg/mL、大豆由
来リポキシダーゼ(SERVA社 126000 U/m
g)を500 U/mLとなるように添加した0.2Mホウ
酸緩衝液(pH9.0)に、リポキシゲナーゼ阻害剤と
してβーカロチン(最終濃度1μg /mL)又はトラネキ
サム酸(最終濃度1mg/mL)を加えて23℃で1晩反応
させた。
【0065】リポキシゲナーゼ反応終了後、ジエチルエ
ーテルで脂質を抽出し、乾固して37℃で保温した。4
日間保温後、各サンプルの臭いを官能評価して加齢臭の
発生の有無を判定し、さらに各乾固サンプルをジエチル
エーテルに溶解してGC/MS(G1800A GCD
システム、Innowax 60m×0.25mmカラム、ヒュー
レット・パッカード社)で分析した。
【0066】この試験の結果を、第3表に示した。 第 3 表 ─────────────────────────────────── リポキシゲナーゼ阻害剤 加齢臭 検出されたアルデヒド ─────────────────────────────────── 未添加 あり ヘキサナール,ヘプタナール オクテナール,ノネナール β−カロチン なし なし トラネキサム酸 なし なし ───────────────────────────────────
【0067】この第3表により、リポキシゲナーゼ阻害
剤を添加することによって、不飽和アルデヒドの生成が
抑えられ、加齢臭の発生を抑制することが可能であるこ
とが判明した。すなわち、リポキシゲナーゼ阻害剤を配
合することにより、通常は上記酸化伝播等によって発生
するオクテナールやノネナール等の不飽和アルデヒドの
発生が抑制され、加齢臭の発生を防止し得る本発明加齢
臭抑制用組成物が提供され得ることが明らかになった。
【0068】次に、本発明加齢臭抑制用組成物が、その
代表的な態様である皮膚外用剤の形態をとる場合につい
て検討する。すなわち、下記に皮膚外用剤としての本発
明加齢臭抑制用組成物の処方を実施例として比較例と共
に記載し、これらの皮膚外用剤についての官能評価を、
下記の方法で行った。
【0069】皮膚外用剤の官能評価方法 健康な中高年(50〜70代)であり、かつ専門パネル
が官能評価により、中高年に特有の体臭(加齢臭)が強
いと判断した人を選び、これらの人を実施例の処方の体
臭予防剤を使用する群と,比較例に示したものを使用す
る群とに分けた。そして、それぞれの群において、毎日
入浴後又は入浴時に、処方例に示した体臭予防剤を使用
した(スプレーとして、体全体に吹き付けた)。この使
用を3日間継続した後、専門パネルによる官能評価を行
った。
【0070】判定 ◎:全く臭わない ○:ほとんど臭わない △:やや臭う ×:強く臭う
【0071】 〔実施例1〕 化粧水 配合成分 配合量(重量%) (1)グリセリン 4.0 (2)1,3−ブチレングリコール 4.0 (3)エタノール 7.0 (4)ポリオキシエチレン(18)オレイルアルコールエーテル 0.5 (5)クエン酸 0.05 (6)クエン酸ナトリウム 0.1 (7)エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム 0.02 (8)トラネキサム酸 0.5 (9)精製水 残 余
【0072】<製造方法>精製水にクエン酸、クエン酸
ナトリウム、グリセリン、1,3−ブチレングリコー
ル、トラネキサム酸及びエチレンジアミン四酢酸三ナト
リウムを溶解して水相を調製した。そして、別個にエタ
ノールにポリオキシエチレン(18)オレイルアルコー
ルエーテルを溶解した。次いで、これを水相に加えて可
溶化し、さらに濾過して、所望する化粧水を得た。
【0073】この実施例1の処方の化粧水から、配合成
分(8)を抜去して、同様に調製した化粧水を比較例1
とした。
【0074】<試験結果>実施例1と比較例1の化粧水
を用い、前記官能評価を行ったところ、実施例1の化粧
水をスプレーした群は、比較例の化粧水をスプレーした
群に比べて、体臭が有意に減少していることが判明し
た。結果を、第4表に示す。
【0075】 第 4 表 ───────────────────────────── パネルNo. 用いた組成物 3日後の体臭 ───────────────────────────── 1 実施例1 ○ 2 実施例1 ○ 3 実施例1 ◎ 4 実施例1 ◎ 5 実施例1 ○ 6 比較例1 × 7 比較例1 △ 8 比較例1 △ 9 比較例1 × 10 比較例1 △ ─────────────────────────────
【0076】 〔実施例2〕 乳液 配合成分 配合量(重量%) (1)ステアリン酸 1.5 (2)セチルアルコール 0.5 (3)ミツロウ 2.0 (4)ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 1.0 (5)メトキシケイ皮酸オクチル 2.0 (6)β−カロチン 0.2 (7)ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 (8)トリエタノールアミン 0.75 (9)グリセリン 7.0 (10)イノシット 0.5 (11)エチレンジアミンヒドロキシ三酢酸ナトリウム 0.01 (12)精製水 残 余
【0077】<製造方法>ヒアルロン酸ナトリウム、グ
リセリン、イノシット及びエチレンジアミンヒドロキシ
三酢酸ナトリウムを加え、70℃に保って水相を調製し
た。その一方で、他の成分を混合し、加熱溶解して、7
0℃に保って油相を調製した。次いで、水相にこの油相
を加えて予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化
後、攪拌しながら急冷して、所望する乳液を得た。
【0078】この実施例2の処方の乳液から、配合成分
(6)を抜去して、同様に調製した乳液を比較例2とし
た。
【0079】実施例2と比較例2の乳液を用い、これを
上半身に入念に塗布したところ、明らかに被験者の体臭
が緩和されていた。
【0080】 〔実施例3〕 化粧水型スプレー 配合成分 配合量(重量%) (原液処方) (1)パラフェノールスルホン酸亜鉛 2.0 (2)エタノール 92.6 (3)1,3−ブチレングリコール 3.0 (4)ミリスチン酸イソプロピル 2.0 (5)トラネキサム酸 0.2 (6)β−カロチン 0.2 (充填処方) (7)原液 50.0 (8)LPG 50.0
【0081】<製造方法>まず、原液成分をエタノール
に溶解し、ろ過を行い、得られた原液をエアゾール容器
に注入し、バルブを装着後、LPGを充填して、所望す
る化粧水型スプレーを調製した。
【0082】この実施例3の処方の化粧水型スプレーの
原液成分から、配合成分(5)及び(6)を抜去して、
同様に調製した化粧水型スプレーを比較例3とした。
【0083】<試験結果>実施例3と比較例3の化粧水
型スプレーを用い、前記官能評価を行ったところ、実施
例3の化粧水型スプレーを用いた群は、比較例3の化粧
水型スプレーを用いた群に比べて、体臭が有意に減少し
ていることが判明した。
【0084】 〔実施例4〕 化粧水 配合成分 配合量(重量%) (1)グリセリン 4.0 (2)1,3−ブチレングリコール 4.0 (3)エタノール 7.0 (4)ポリオキシエチレン(18)オレイルアルコールエーテル 0.5 (5)クエン酸 0.05 (6)クエン酸ナトリウム 0.1 (7)エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム 0.02 (8)β−カロチン 0.5 (9)ジヒドロファルネソール 0.1 (10)精製水 残 余
【0085】<製造方法>精製水にクエン酸、クエン酸
ナトリウム、グリセリン、1,3−ブチレングリコール
及びエチレンジアミン四酢酸三ナトリウムを溶解して水
相を調製した。これとは別に、エタノールにポリオキシ
エチレン(18)オレイルアルコールエーテル、β−カ
ロチン及びジヒドロファルネソールを溶解し、これを前
記水相に加えて可溶化し、ろ過して、所望する化粧水を
得た。
【0086】この実施例4の処方の化粧水の処方から、
配合成分(8)及び(9)を抜去して、同様に調製した
化粧水を比較例4(比較例1と同一)とした。
【0087】<試験結果>実施例4と比較例4の化粧水
を用い、前記官能評価を行ったところ、実施例4の化粧
水をスプレーした群は、比較例の化粧水をスプレーした
群に比べて、体臭が有意に減少していることが判明し
た。結果を、第5表に示す。
【0088】 第 5 表 ───────────────────────────── パネルNo. 用いた組成物 3日後の体臭 ───────────────────────────── 1 実施例4 ○ 2 実施例4 ○ 3 実施例4 ◎ 4 実施例4 ◎ 5 実施例4 ◎ 6 比較例4 × 7 比較例4 △ 8 比較例4 △ 9 比較例4 × 10 比較例4 △ ─────────────────────────────
【0089】 〔実施例5〕 乳液 配合成分 配合量(重量%) (1)ステアリン酸 1.5 (2)セチルアルコール 0.5 (3)ミツロウ 2.0 (4)ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 1.0 (5)メトキシケイ皮酸オクチル 2.0 (6)アラニン(抗酸化剤) 0.2 (7)トラネキサム酸 0.5 (8)ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 (9)トリエタノールアミン 0.75 (10)グリセリン 7.0 (11)イノシット 0.5 (12)エチレンジアミンヒドロキシ三酢酸ナトリウム 0.01 (13)精製水 残 余
【0090】<製造方法>精製水にアラニン、トラネキ
サム酸、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリン、イノシ
ット、エチレンジアミンヒドロキシ三酢酸ナトリウムを
加え、70℃に保って水相を調製した。その一方で、他
の成分を混合し、加熱溶解して、70℃に保って油相を
調製した。次いで、水相にこの油相を加えて予備乳化を
行い、ホモミキサーで均一に乳化後、攪拌しながら急冷
して、所望する乳液を得た。
【0091】この実施例5の処方の乳液から、配合成分
(6)及び(7)を抜去して、同様に調製した乳液を比
較例5(比較例2と同一)とした。
【0092】実施例5と比較例5の乳液を用い、これを
上半身に入念に塗布したところ、明らかに被験者の体臭
が緩和されていた。
【0093】 〔実施例6〕 化粧水型スプレー 配合成分 配合量(重量%) (原液処方) (1)パラフェノールスルホン酸亜鉛 2.0 (2)エタノール 92.6 (3)1,3−ブチレングリコール 3.0 (4)ミリスチン酸イソプロピル 2.0 (5)サイコ抽出物 0.2 (6)トラネキサム酸 0.2 (充填処方) (7)原液 50.0 (8)LPG 50.0
【0094】<製造方法>サイコ抽出物は,ミシマサイ
コの根の細切500g に、精製水500mLを加え、50
℃で60分間抽出し、冷却後、濾紙で自然濾過し、精製
水を加えて全量を500mLとして調製した。そして、原
液成分をエタノールに溶解し、ろ過を行い、得られた原
液をエアゾール容器に注入し、バルブを装着後、LPG
を充填して、所望する化粧水型スプレーを調製した。
【0095】この実施例6の処方の化粧水型スプレーの
原液成分から、配合成分(5)及び(6)を抜去して、
同様に調製した化粧水型スプレーを比較例6(比較例3
と同一)とした。
【0096】<試験結果>実施例6と比較例6の化粧水
型スプレーを用い、前記官能評価を行ったところ、実施
例6の化粧水型スプレーを用いた群は、比較例6の化粧
水型スプレーを用いた群に比べて、体臭が有意に減少し
ていることが判明した。
【0097】 〔実施例7〕 化粧水 配合成分 配合量(重量%) (1)グリセリン 4.0 (2)1,3−ブチレングリコール 4.0 (3)エタノール 7.0 (4)ポリオキシエチレン(18)オレイルアルコールエーテル 0.5 (5)クエン酸 0.05 (6)クエン酸ナトリウム 0.1 (7)エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム 0.02 (8)キュレン抽出物 0.5 (9)β−カロチン 0.5 (10)ジヒドロファルネソール 0.1 (11)精製水 残 余
【0098】<製造方法>キュレン抽出物は、キュレン
の細切500g に水500mLを加え、50℃で60分間
抽出し、冷却後、濾紙で自然濾過を行い、濾過物にさら
に精製水を添加して、全量500mLとして調製した。そ
して、精製水にクエン酸、クエン酸ナトリウム、グリセ
リン、1,3−ブチレングリコール、キュレン抽出物、
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウムを溶解して水相を
調製した。これとは別に、エタノールにポリオキシエチ
レン(18)オレイルアルコールエーテル、β−カロチ
ン及びジヒドロファルネソールを溶解し、これを前記の
水相に加えて可溶化し、ろ過して、所望する化粧水を得
た。
【0099】この実施例6の処方の化粧水の処方から、
配合成分(8),(9)及び(10)を抜去して、同様
に調製した化粧水を比較例7(比較例1と同一)とし
た。
【0100】<試験結果>実施例7と比較例7の化粧水
を用い、前記官能評価を行ったところ、実施例7の化粧
水をスプレーした群は、比較例の化粧水をスプレーした
群に比べて、体臭が有意に減少していることが判明し
た。結果を、第6表に示す。
【0101】 第 6 表 ───────────────────────────── パネルNo. 用いた組成物 3日後の体臭 ───────────────────────────── 1 実施例7 ◎ 2 実施例7 ◎ 3 実施例7 ◎ 4 実施例7 ◎ 5 実施例7 ○ 6 比較例7 × 7 比較例7 × 8 比較例7 △ 9 比較例7 × 10 比較例7 △ ─────────────────────────────
【0102】 〔実施例8〕 乳液 配合成分 配合量(重量%) (1)ステアリン酸 1.5 (2)セチルアルコール 0.5 (3)ミツロウ 2.0 (4)ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 1.0 (5)メトキシケイ皮酸オクチル 2.0 (6)オウゴン抽出物 0.2 (7)トラネキサム酸 0.5 (8)ジヒドロファルネソール 0.2 (9)ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 (10)トリエタノールアミン 0.75 (11)グリセリン 7.0 (12)イノシット 0.5 (13)エチレンジアミンヒドロキシ三酢酸ナトリウム 0.01 (14)精製水 残 余
【0103】<製造方法>オウゴン抽出物は、オウゴン
コガネバナの周皮を除いた根の細切り500gに精製
水500mLを加え、50℃で60分間抽出し、冷却後、
濾紙で自然濾過し、精製水を加えて全量を500mLとし
て調製した。そして、精製水にオウゴン抽出物、トラネ
キサム酸、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリン、イノ
シット及びエチレンジアミンヒドロキシ三酢酸ナトリウ
ムを加え、70℃に保って水相を調製した。その一方
で、他の成分を混合し、加熱溶解して70℃に保って油
相を調製した。次いで、水相にこの油相を加えて予備乳
化を行い、ホモミキサーで均一に乳化後、攪拌しながら
急冷して、所望する乳液を得た。
【0104】この実施例8の処方の乳液から、配合成分
(6),(7)及び(8)を抜去して、同様に調製した
乳液を比較例8(比較例2と同一)とした。
【0105】実施例8と比較例8の乳液を用い、これを
上半身に入念に塗布したところ、明らかに被験者の体臭
が緩和されていた。
【0106】 〔実施例9〕 化粧水型スプレー 配合成分 配合量(重量%) (原液処方) (1)パラフェノールスルホン酸亜鉛 2.0 (2)エタノール 92.4 (3)1,3−ブチレングリコール 3.0 (4)ミリスチン酸イソプロピル 2.0 (5)サイコ抽出物 0.2 (6)トラネキサム酸 0.2 (7)ジヒドロファルネソール 0.2 (充填処方) (8)原液 50.0 (9)LPG 50.0
【0107】<製造方法>まず、原液成分をエタノール
に溶解し、ろ過を行い、得られた原液をエアゾール容器
に注入し、バルブを装着後、LPGを充填して、所望す
る化粧水型スプレーを調製した。
【0108】この実施例9の処方の化粧水型スプレーの
原液成分から、配合成分(5),(6)及び(7)を抜
去して、同様に調製した化粧水型スプレーを比較例9
(比較例3と同一)とした。
【0109】<試験結果>実施例9と比較例9の化粧水
型スプレーを用い、前記官能評価を行ったところ、実施
例9の化粧水型スプレーを用いた群は、比較例9の化粧
水型スプレーを用いた群に比べて、体臭が有意に減少し
ていることが判明した。
【0110】これらの結果より、リポキシゲナーゼ阻害
剤を配合した本発明加齢臭抑制用組成物は、皮膚外用剤
として、加齢臭を効果的に除去することが明らかになっ
た。また、リポキシゲナーゼ阻害剤と共に、例えば抗酸
化剤や抗菌剤を組み合わせて配合することにより、より
優れた加齢臭除去効果を発揮し得ることが判明した。
【0111】
【発明の効果】本発明により、加齢臭を効果的に除去し
得る加齢臭抑制用組成物が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 中村 祥二 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内 (72)発明者 齋藤 力 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内 (72)発明者 沢野 清仁 神奈川県平塚市西八幡1−4−11 (72)発明者 山崎 一雄 神奈川県平塚市西八幡1−4−11 (72)発明者 宮坂 政孝 神奈川県平塚市西八幡1−4−11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リポキシゲナーゼ阻害剤を含む加齢臭抑制
    用組成物。
  2. 【請求項2】加齢臭抑制用組成物が不飽和アルデヒド発
    生抑制用組成物である、請求項1記載の加齢臭抑制用組
    成物。
  3. 【請求項3】不飽和アルデヒドがオクテナール及び/又
    はノネナールである、請求項2記載の加齢臭抑制用組成
    物。
  4. 【請求項4】加齢臭抑制用組成物が皮膚外用剤である、
    請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項記載の加齢臭
    抑制用組成物。
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KR101248056B1 (ko) 2011-04-18 2013-03-26 상황미인(주) 노인 냄새 제거용 천연 한방 화장료 조성물

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