JPH112862A - 光学装置およびカメラ - Google Patents

光学装置およびカメラ

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JPH112862A
JPH112862A JP9153649A JP15364997A JPH112862A JP H112862 A JPH112862 A JP H112862A JP 9153649 A JP9153649 A JP 9153649A JP 15364997 A JP15364997 A JP 15364997A JP H112862 A JPH112862 A JP H112862A
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subject
mark
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camera
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JP9153649A
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Hitoshi Nishimura
仁 西村
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファインダ表示画面上に焦点検出領域等を示
すマークを表示した状態で正確な測光ができ、また、マ
ークの視認が容易な光学装置およびカメラの提供。 【解決手段】 ファインダ表示画面上にマークを表示す
る表示装置7と、ファインダ表示画面上において前記マ
ークと被写体像とが重なるように表示装置7からの表示
光に撮影レンズ11からの被写体光を重ね合わせて出射
するハーフミラー15aと、被写体光をハーフミラー1
5aより撮影レンズ11側で検出して被写体に関する輝
度および色温度を計測する測光・測色装置8とを備え
る。また、測光・測色装置8の測定結果に基づいて、マ
ークが視認しやすいようにマークの色や輝度を表示制御
装置6で制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝度等の光学的量
を計測する計測装置を備える光学装置およびカメラに関
する。
【0002】
【従来の技術】図31は従来のカメラの断面図であり、
ファインダ画面上に焦点検出領域等を表示することがで
きるカメラの一例を示している。527は表示装置を構
成する発光ダイオードであり、その照明光は光学部材5
28を通過した後にクイックリターンミラー502によ
ってファインダーマット503方向に反射される。ファ
インダーマット503に入射した発光ダイオード527
の光はファインダーマット503に形成されたパターン
503aによって曲げられ、撮影レンズ501からの被
写体光と重ねられペンタダハプリズム504および接眼
レンズ505を通過して撮影者の眼球506に達する。
例えば、発光ダイオード507による表示が焦点検出領
域を示すとすれば、被写体像に焦点検出領域を示す表示
が重ねられて視認される。一方、クイックリターンミラ
ー502の中央部に設けられたハーフミラーを透過して
きた被写体光はサブミラー515によって焦点検出装置
516へ導かれ、撮影レンズ501の焦点調節状態が検
出される。なお、526はフィルム面、525はシャッ
ター幕である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したカ
メラでは、ファインダーマット503を通過した被写体
光の一部がペンタダハプリズム504,結像レンズ52
4を通って測光装置523に入射することにより被写体
の輝度が測定される。しかしながら、表示装置である発
光ダイオード507の方が光路上において測光装置52
3より被写体側に配置されているため、すなわち、被写
体光と表示光とが重ね合わせられた後にその光束の一部
を測光装置523に導いて測光を行っているため、表示
光の影響により正確な測光ができないという問題点があ
った。そこで、通常は測光をしている最中には焦点検出
領域の表示を行わず、レリーズスイッチを押した直後に
どの焦点検出領域で焦点検出したかを瞬間的に表示する
等している。そのため、撮影者は、現在どの領域が焦点
検出可能であり、また、どの領域の測光を行っているの
か知ることができないという欠点があった。
【0004】また、上述したように瞬間的に表示するよ
うな場合は視認し難く、特に表示の色と表示の背景とな
っている被写体の色とが同色系の場合にはそれが著し
い。
【0005】本発明の目的は、ファインダ表示画面上に
焦点検出領域等を示すマークを表示した状態で正確な測
光を行うことができる光学装置およびカメラを提供する
ことであり、他の目的としては、マークの視認が容易な
光学装置およびカメラを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明の実施の形態を示す
図1,2,9,14〜18,24,27および28に対
応付けて説明する。 (1)図1,2に対応付けて説明すると、請求項1の発
明による光学装置は、表示光を出射する表示装置7と、
前記表示光と被写体光とを重ね合わせて出射する光学部
材15aと、光学部材15aからの光束を用いて被写体
像と表示光の像とが重なった像を形成する光学系15
と、光学部材15aより被写体側で被写体光を検出して
被写体に関する輝度等の光学的量を計測する計測装置8
とを備えて上述の目的を達成する。 (2)請求項2の発明によるカメラは、ファインダ表示
画面上にマークを表示する表示装置7と、ファインダ表
示画面上において前記マークと被写体像とが重なるよう
に表示装置7からの表示光に撮影レンズ11からの被写
体光を重ね合わせて出射する光学部材15aと、被写体
光を光学部材15aより撮影レンズ11側で検出して被
写体に関する輝度等の光学的量を計測する計測装置8と
を備えて上述の目的を達成する。 (3)請求項3の発明は、ファインダ表示画面上にマー
クを表示する表示装置と7、ファインダ表示画面上にお
いて前記マークと被写体像とが重なるように表示装置7
からの表示光に撮影レンズ11からの被写体光を重ね合
わせて出射する光学部材15aと、被写体光を検出して
被写体に関する輝度等の光学的量を計測する計測装置8
と、計測装置8の計測結果に基づいて表示装置7を制御
し、マークを認識しやすい輝度,色に設定する表示形態
制御装置6とを備えて上述の目的を達成する。 (4)請求項4の発明は、請求項2に記載のカメラにお
いて、計測装置8の計測結果に基づいて表示装置7を制
御し、マークを認識しやすい輝度,色に設定する表示形
態制御装置6を設けた。 (5)請求項5の発明は、請求項3または4に記載のカ
メラにおいて、表示装置7を制御してファインダ表示画
面上でマークの表示位置を移動させる表示位置制御装置
6を設けた。 (6)請求項6の発明は、請求項5に記載のカメラにお
いて、撮影レンズ11の予定焦点面上において焦点調節
状態を検出する焦点検出装置4と、予定焦点面上におけ
る焦点検出装置4の焦点検出位置に関する位置情報が入
力される入力装置2と、入力装置2からの位置情報に基
づいて焦点検出位置を算出する演算手段10とを設け、
演算手段10の算出結果に基づいて前記マークの表示位
置を移動させる。 (7)図15,16に対応付けて説明すると、請求項7
の発明は、請求項5に記載のカメラにおいて、撮影レン
ズ11の予定焦点面上において焦点調節状態を検出する
焦点検出装置4と、予定焦点面上を焦点検出装置4の焦
点検出領域が移動するように焦点検出装置4を移動させ
る焦点検出位置制御装置3と、焦点検出装置4の位置を
測定する焦点検出位置測定装置100とを設け、焦点検
出位置測定装置100の測定結果に基づいて前記マーク
の表示位置を移動させる。 (8)図17,18に対応付けて説明すると、請求項8
の発明は、請求項5に記載のカメラにおいて、ファイン
ダ表示画面上における撮影者の注視位置を検出する注視
位置検出手段102を設け、注視位置検出手段102の
検出結果に基づいて前記マークの表示位置を移動させ
る。 (9)図27,28に対応付けて説明すると、請求項9
の発明は、請求項5に記載のカメラにおいて、計測装置
8の計測結果に基づいて被写界内において被写体を追尾
する被写体追尾装置203を設け、被写体追尾装置20
3からの被写体情報に基づいて前記マークの表示位置を
移動させる。 (10)図9に対応付けて説明すると、請求項10の発
明は、請求項2〜9のいずれかに記載のカメラにおい
て、表示装置7は複数の表示素子Dm,nを2次元的に配
列して成り、複数の表示素子Dm,nの内の所定の表示素
子の表示光により前記マークを形成する。 (11)図14に対応付けて説明すると、請求項11の
発明は、請求項5〜9のいずれかに記載のカメラにおい
て、表示装置70は少なくとも1つの表示素子701を
備え、表示装置70によるマークがファインダ表示画面
上で移動するように表示位置制御装置6により表示装置
70を移動させるようにした。 (12)図24に対応付けて説明すると、請求項12の
発明は、請求項2〜11のいずれかに記載のカメラにお
いて、観察者に応じて視度を調節できる視度調節装置1
50を設けた。
【0007】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図30を参照して本
発明の実施の形態を説明する。 −第1の実施の形態− (a)機能ブロック図の説明 図1は、本発明によるカメラの第1の実施の形態を示す
図であって、その機能をブロック化した機能ブロック図
である。図1において、1はカメラ全体の制御を行う演
算部である。撮影者が入力装置2により焦点検出すべき
位置を指定すると、入力された位置情報は指定位置演算
部10に送られる。指定位置演算部10は位置情報に基
づいて指定位置を算出し、算出した指定位置情報を演算
部1,焦点検出位置制御装置3,表示制御装置6および
測光・測色装置8へ送信する。
【0009】焦点検出位置制御装置3は、指定位置演算
部10で算出された指定位置で焦点検出するように焦点
検出装置4を移動させる。焦点検出装置4は、焦点検出
位置制御装置3によって移動された位置において焦点検
出領域内に含まれる被写体に対する撮影レンズの焦点調
節状態を検出する。検出結果は演算部1に入力される。
5はレンズ駆動装置であり、焦点検出装置4の検出結果
に基づいて演算部1が算出した駆動位置へ撮影レンズを
駆動する。
【0010】6は表示制御装置であり、表示装置7を制
御してファインダ表示画面上の指定位置を示すマークを
所定の表示形態で表示する。8は被写体の輝度と色温度
とを測定し、適切な露出を決定する測光・測色装置であ
る。9はフィルムなど記録媒体に被写体情報を記録する
露光装置であり、フィルムを使用する場合にはシャッタ
や絞りで構成され、フィルムを露光する。
【0011】(b)カメラ各部の説明 b−1:全体構成 図2は本実施の形態のカメラの全体構成を示す図であっ
て、光学系も含めた概略構成図である。図2において1
1は撮影レンズであり、便宜上一枚のレンズで示してあ
るが実際は複数のレンズからなる。12はクイックリタ
ーンミラーで、その中央部はハーフミラーになってい
る。13は被写体像が結像される焦点板であり、撮影者
が観察するファインダ表示画面に相当する。焦点板13
には、フレネルレンズを用いてコンデンサーレンズを兼
ねているものもある。14はペンタプリズム、15は接
眼レンズであり、接眼レンズ15は便宜上一枚のレンズ
で示してあるが実際は複数のレンズからなることもあ
る。接眼レンズ15はハーフミラー15aを備えてい
る。16は撮影者の眼球である。
【0012】17はサブミラーであり、クイックリター
ンミラー12の中央部に設けられたハーフミラーを透過
してきた被写体光を焦点検出装置4へ導く。焦点検出装
置4は、焦点検出領域内に含まれる被写体に対する撮影
レンズ11の焦点調節状態を検出して検出結果をカメラ
全体の制御を行う中央演算装置18へ送信する。中央演
算装置18は図1の演算部1に対応する装置であり、例
えばマイクロコンピュータから構成され、CPU、RO
M、RAMなどを備えている。また、焦点検出位置制御
装置3は指定位置演算部10からの指定位置に基づい
て、焦点検出装置4を後述する予定焦点面近傍において
移動させる。なお、この算出された指定位置は指定位置
演算部10に備えられたメモリに蓄えられ、入力装置2
への入力がある度に指定位置が計算されてメモリ内の値
が書き換えられる。
【0013】表示制御装置6は、指定位置演算部10か
らの信号に基づいて表示装置7による表示位置を制御す
る。本実施の形態のカメラでは、接眼レンズ15のハー
フミラー15aで反射された表示装置7の表示光はハー
フミラー15aを透過した被写体光と重ね合わされて撮
影者の眼球16の視野内に導かれる。測光・測色装置8
は、撮影レンズ11を通過した光の一部を検出して撮影
視野の輝度情報および色情報を中央演算装置18へ送
る。なお、図2ではハーフミラー15aが接眼レンズ1
5に設けられているが、図3に示すように接眼レンズ1
5とハーフミラー15aとを別々に設けても良い。図4
は測光・測色装置8の一例を示す図であり、CCDエリ
アセンサ等の2次元エリアセンサ80を備えている。エ
リアセンサ80はn×m個の画素A1,1〜An,mを有して
おり、各画素はR(赤),G(緑),B(青)の3色の
フィルターを具備する検出部を備え各色毎の輝度を測定
することができる。
【0014】21はレリーズスイッチであり、本スイッ
チが操作されることによってカメラの諸機能の駆動開始
が指示される。レリーズスイッチ21がオンされること
により中央演算装置18から各装置へ指令が送出され、
カメラの制御手順にしたがって各種動作が実行される。
22はシャッター幕であり、これが駆動されることによ
って不図示のフィルム面に露光動作がなされる。
【0015】図5は入力装置2の一例を示す図であり、
カメラを背面側(ファインダ側)から見たものである。
31はカメラボデー、32はファインダ接眼窓であり、
2a〜2dは入力装置2を構成する押し釦である。この
押し釦2a〜2dを押すことによってピントを合わせた
い位置を指定する。例えば、ピントを合わせる位置を左
方向に変更したい場合には押し釦2aを押し、下方向に
変更したい場合には押し釦2bを押す。
【0016】b−2:焦点検出装置およびその周辺の説
明 次いで、焦点検出装置4と焦点検出位置制御装置3の詳
細を説明する。図6は、焦点検出装置4を構成するAF
モジュール40と、焦点検出位置制御装置3を構成する
ステージ30,31を示す斜視図である。ステージ30
には、一方向に延在する基台30aと、この基台30a
上に載置された移動台30bとが設けられている。基台
30aにはその延在方向に沿ってねじ棒30cが回転可
能に配置され、その両脇にはねじ棒30cに平行に一対
のガイド棒30dが配置されている。ねじ棒30cおよ
びガイド棒30dは移動台30bを貫通して延在し、ね
じ棒30cの貫通部分には不図示の雌ねじ孔が形成され
てねじ棒30cに螺合している。ガイド棒30dの貫通
部分にはガイド棒30dよりわずかに大径な貫通孔(不
図示)が形成されており、移動台30bはガイド棒30
dに対して摺動可能に構成されている。ねじ棒30cは
モータ(不図示)の駆動軸に連結されており、モータに
よりねじ棒30cが回転駆動されると移動台30bが螺
進方向に移動し、ガイド棒30dの延在方向(すなわ
ち、基台30aの延在方向)にガイドされて基台30a
内を移動する。ステージ31についても同様である。
【0017】本実施の形態では、ステージ30の基台3
0aはカメラ本体に固定され、ステージ31の基台31
aはステージ30の移動台30b上に載置されている。
そのため、ステージ31全体は移動台30bの移動によ
り図のy方向に駆動される。また、ステージ31の移動
台31bにはAFモジュール40が載置されており、移
動台31bの移動によりAFモジュール40は図のx方
向に駆動される。移動台30bの移動方向はフィルムの
短辺方向に設定され、移動台31bの移動方向はフィル
ムの長辺方向に設定されている。これにより、AFモジ
ュール40はフィルムの短辺方向および長辺方向に関し
て独立に移動可能となるため、焦点検出領域はステージ
30,31のストロークで定められる2次元的範囲内に
おいて予定焦点面内の任意な位置に移動可能となる。
【0018】なお、AFモジュール40の具体的構成に
ついては、様々な方式のものが知られており、既に実用
化されている技術であるので、本明細書では概略説明を
するに止める。図7はAFモジュール40の詳細を示す
図であり、AFモジュール40はフィルム面と共役な予
定焦点面の近傍に配置され、開口部41aを有する視野
マスク41と、フィールドレンズ42と、一対の開口部
43a,43bが設けられた絞りマスク43と、一対の
再結像レンズ44a,44bと、一対の光電変換素子4
5a,45bが配置された基板45とを備えている。開
口部41aは、AFモジュール40により焦点調節状態
が検出される焦点検出領域を設定し、この開口部41a
の大きさおよび予定焦点面上の位置が焦点検出領域の大
きさおよび位置を規定する。
【0019】図8は露光範囲60,AFモジュール40
の焦点検出領域61および焦点検出可能範囲62の関係
を示す図である。上述したように、ステージ30,31
によってAFモジュール40が予定焦点面上を2次元的
に移動することにより、焦点検出領域61は焦点検出可
能範囲62内の任意の位置に移動可能となり、焦点検出
可能範囲62内の任意の位置で焦点検出を行なうことが
できる。図8では焦点検出領域61は矩形状であるが、
この形状および大きさは上述したようにAFモジュール
40の開口部41aの形状および大きさに依存してい
る。また、焦点検出可能範囲62が露光範囲60と一致
せず狭い範囲に限定されている理由は、焦点検出可能範
囲62がステージ30,31のストロークとサブミラー
17の大きさとで物理的に決ってしまうためであり、十
分な長さのストロークを持つステージ30,31と露光
範囲60の全範囲の光束を反射してAFモジュール40
に導くサブミラー17とで装置を構成すれば、露光範囲
60の全ての領域で焦点検出が可能になる。
【0020】なお、AFモジュール40が露光範囲の周
辺の方へ移動すると、撮影レンズ11の光軸から大きく
離れた位置の光束を用いて焦点検出を行なうため、ケラ
レが生じる場合がある。この場合には、撮影レンズ11
にROMを搭載して撮影レンズ11固有の射出瞳情報を
中央演算装置18へ送ることによって、ケラレ部分の補
正が可能となるような技術が考案されている。
【0021】図7に示す撮影レンズ11の射出瞳111
には、一対の領域111a,111bが含まれており、
これらの領域111a,111bを通る光束は視野マス
ク41付近で一次像を結像する。視野マスク41の開口
部41a,41bに形成された一次像は、フィールドレ
ンズ42、視野マスク43の一対の開口43a,43b
および一対の再結像レンズ44a,44bによって、一
対の光電変換素子45a,45b上に一対の二次像とし
て再結像される。一対の光電変換素子45a,45bに
より二次像の出力信号が発生され、中央演算装置18へ
送信される。中央演算装置18はこの出力信号に基づい
て撮影レンズ11のデフォーカス量を算出する。このよ
うにして、焦点検出領域61内(図8)に含まれる被写
体に対する撮影レンズ11のデフォーカス量、つまり焦
点調節状態が検出される。
【0022】b−2:表示装置およびその周辺の説明 図9は表示装置7の一例を示す図であり、表示部分の平
面図である。図9に示す表示装置7では、発光ダイオー
ド等の表示素子Di,jを格子状に2次元的に配列してい
る。ここで、iは1〜m,jは1〜nの自然数であり、
表示素子はm列n行の格子配列をなす。図10はファイ
ンダ画面上における表示装置7の表示範囲を示したもの
であり、表示範囲は露光範囲60と一致している。
【0023】次に、測光・測色装置8からの情報を用い
た表示方法を具体例を用いて説明する。図11(a)は
測光・測色素子画素Ai,j,表示素子Di,jの位置関係を
示す図であり、各画素Ai,jと表示素子Di,jとが一対一
で対応している。このとき、焦点検出領域61は一つの
測光・測色画素Ai,jの領域内に収まる程度の大きさに
設定されているとする。なお、表示素子Di,jには、例
えば、赤色と緑色に発光可能なダイオードのように2色
で表示可能な素子が用いられる。図11(b)は、測光
・測色画素Ax,yに対応する領域内の位置が指定された
場合を示している。Pは指定位置であり、8つの表示素
子Dx,y+2,Dx,y+1,Dx,y-1,Dx,y-2,Dx-2,y,D
x-1,y,Dx+1,y,Dx+2,yを点灯することにより表され
る「+」形状マークの中心部分(画素Ax,yに対応する
部分)に焦点検出領域61があることを示している。な
お、実際に矩形状の焦点検出領域61が表示されること
はない。図11(b)に示す例では、焦点検出領域61
の被写体が視認できるように画素Ax,yに対応する表示
素子Dx,yを消灯するようにしたが、表示素子Dx,yを点
灯しても良い。
【0024】画素Axー2,yとAxー1、y,Ax,yー1
x、yー2,Ax+1,yとAx+2、yおよびAx,y+1とAx、y+2
それぞれ表示のための測光・測色領域B1,B2,B3お
よびB4を形成し、各画素からの情報により領域B1〜B
4の測光・測色値を求め、点灯する表示素子の表示色
(赤色または緑色)を決定する。例えば、表示の背景と
なる被写体の色が赤色系の場合には表示との区別が分か
りやすいように緑色で表示し、その他の場合には赤色で
表示する。また、上述した例では8つの表示素子を全て
同じ色で点灯表示したが、各対になった画素からの情報
により領域B1〜B4の測光・測色値を求め各領域毎に表
示色を決定するようにしても良い。なお、発光ダイオー
ドは2色以上で表示可能であれば良く、発光色に応じて
表示色の表示形態を様々に変化させるようにしても良
い。また、表示色を変える代りに、被写体の輝度に応じ
て表示素子の発光輝度を変えるようにしても良い。
【0025】図12(a)〜(c)は、被写体像に対応
した具体的な表示形態の例を示した図で有る。被写体は
ボールを追う二人のサッカー選手E,Fであり、図12
(a)では白いユニフォームを着た選手Eにピントを合
わせようとしている。このとき焦点検出領域を示すマー
クM(すなわち、指定位置を示すマーク)は赤色で表示
される。次いで、図12(b)に示すようにピント合わ
せ位置を赤色系のユニフォームを着た選手Fに移動した
場合、マークMの表示色が赤色では背景色と見分けにく
くなるので、測光・測色装置8からの情報に基づいてマ
ークMの表示色を緑色に変更する(図12(c)参
照)。このように、本実施の形態のカメラでは、マーク
Mの背景色に応じてマークMの表示色が自動的に変更さ
れるため、常に見やすい表示を行なうことが可能とな
る。
【0026】図13は上述した表示制御の手順を示すフ
ローチャートであり、このフローはカメラのメインスイ
ッチをオンすることによってスタートしてステップS1
に進む。ステップS1は入力装置2の操作、すなわち撮
影者により焦点検出領域の位置指定があったか否かを判
断するステップであり、位置指定があったならばステッ
プS2に進んで指定位置演算部10により指定位置を算
出してメモリを書換え、ステップS3へ進む。ステップ
S1において位置指定の入力が無かった場合には、ステ
ップS2をスキップしてステップS3へ進む。
【0027】ステップS3では被写体画面の測光および
測色が行われる。ステップS4では、図11の領域B1
〜B4に関する測定結果に基づいて焦点検出領域を示す
マークの表示色を決定する。続いて、ステップS5で表
示素子を消灯してファインダ画面上の表示を消去した
後、ステップS6に進んで指定位置演算部10のメモリ
に記憶されている指定位置にステップS4で決定した表
示色のマークを表示する。
【0028】すなわち、入力装置2の操作があって焦点
検出領域の位置が移動した場合、移動した位置における
焦点検出領域周囲の被写体画面の色に応じた表示色でマ
ークを表示し、また、入力操作が無くて焦点検出領域の
位置の変更が無い場合であっても、カメラのアングルの
変更があったような場合には焦点検出領域周囲の被写体
画面の色に応じて表示色を変更する。
【0029】続いて、ステップS7はレリーズスイッチ
21(図2)を半押しすることによりオンするスイッチ
SW1がオンか否かを判断するステップであり、オンな
らばステップS8に進み、オフならばステップS1へ戻
る。スイッチSW1がオンされてステップS8に進んだ
ならば、指定位置の撮影レンズ11の焦点調節状態を検
出してピントが合うように撮影レンズ11を駆動する。
ステップS9はスイッチSW1のオンか否か、すなわち
スイッチSW1のオン状態が継続しているか否かを判断
するステップであり、オンのままであればステップS1
0へ進み、スイッチSW1がいったんオフになったなら
ばステップS1へ戻る。ステップS10はレリーズスイ
ッチ21が最後まで押込まれたときに(全押しされたと
きに)オンになるスイッチSW2がオンか否かを判断す
るステップであり、スイッチSW2がオンならばステッ
プS11へ進み、オフの場合にはステップS9へ戻る。
ステップS11に進んだならばカメラの諸動作が行わ
れ、シャッターが開閉して撮影が行われる。ステップS
11はメインスイッチがオフされたか否かを判断するス
テップであり、メインスイッチがオフされるまでステッ
プS1〜S11までの動作を繰返し、メインスイッチが
オフされたならばこのルーチンを終了する。
【0030】図14は表示装置7および表示制御装置6
の変形例を示す図である。70は表示装置であり、ファ
インダ表示画面上に「+」マークを表示する8つの表示
素子701を備えている。600および601は表示制
御装置6を構成するステージであり、図6に示すステー
ジ30,31と同様の構造を有する。ステージ600の
基台600aはカメラ本体に固定され、ステージ601
の基台601aはステージ600の移動台600b上に
載置されている。図14のxおよびy方向と図6のxお
よびy方向とはファインダ表示画面上でそれぞれ同一方
向になるように設定されており、表示装置70により形
成されるマークはステージ600,601のストローク
で定められる2次元的範囲内においてファインダ表示画
面上の任意な位置に移動可能となる。
【0031】上述した本実施の形態のカメラは以下のよ
うな利点を有する。 (1)ハーフミラー15aによってて表示光と被写体光
との重ね合わせが行われる前に、被写体光を測光・測色
装置8に導いて計測を行っているので、表示光に影響さ
れることなく正確な測光および測色を行うことができ
る。 (2)また、マークMの背景となる被写体像の色や輝度
に応じてマークMの表示色を変更するようにしているた
め、被写体像の色や輝度によらずマークが視認しやす
い。
【0032】なお、上述した実施の形態では、図11に
示すようにマークMと重なる領域B1〜B4の画素Am,n
からの情報に基づいてマークMの表示色を決定したが、
マークMの近傍であってマークMと重ならない画素Am,
nの情報を用いて表示色を決定するようにしてもよい。
この場合、従来のように測光・測色装置8に被写体光が
入射するような構成であっても、表示色を決定するため
の画素Am,nからの情報には被写体光の影響がほとんど
無いので、上述した(2)の効果を得ることができる。
【0033】−第2の実施の形態− 図15は本発明によるカメラの第2の実施の形態を示す
ブロック図であり、図16はカメラの全体構成を示す概
略図である。なお、第1の実施の形態(図1,図2)と
同様の部分は同一の符号を付し、以下では、第1の実施
の形態と異なる部分を中心に説明する。本実施の形態で
は、焦点検出装置4の位置を焦点検出位置測定装置10
0によって計測し、その位置情報を演算部1,表示制御
装置6および測光・測色装置8へ送る。表示制御装置6
は焦点検出位置測定装置100からの位置情報に基づい
て焦点検出領域を示す表示を移動し、測光・測色装置8
は表示された位置の測光および測色を行う。なお、焦点
検出位置測定装置100による位置計測方法としては、
例えば、図6に示したステージ30,31のねじ棒30
c,31cの回転角を計測して移動台30b,31bの
位置を求めることによってAFモジュール40の位置、
すなわち、焦点検出可能範囲62内における焦点検出領
域61の位置を求めることができる。
【0034】本実施の形態では、第1の実施の形態と同
様の効果が得られとともに、表示装置7は焦点検出装置
4の実測位置を表示しているため、表示位置と焦点検出
領域の位置とがより正確に一致するようになる。
【0035】−第3の実施の形態− 図17は本発明によるカメラの第3の実施の形態を示す
ブロック図であり、図18はカメラの全体構成を示す概
略図である。なお、第1の実施の形態と同様の部分は同
一の符号を付し、以下では、第1の実施の形態と異なる
部分を中心に説明する。上述した第1の実施の形態で
は、焦点検出すべき位置を入力装置2からの情報に基づ
いて指定位置演算部10により算出し、その位置情報に
基づいて表示の移動や焦点検出領域の移動が行われた。
本実施の形態では、ファインダを覗いている撮影者の注
視位置を検出し、その注視位置情報に基づいて表示の移
動や焦点検出領域の移動を行うようにした。図17にお
いて、102は注視位置検出装置であり、撮影者の眼球
を観察してファインダ表示画面上における撮影者の視線
を検出し、その注視位置を算出する。算出結果は演算部
1,焦点検出位置制御装置3,表示制御装置6および測
光・測色装置8へ送られ、この算出結果に基づいて焦点
検出,測光,測色および表示の制御が行われる。
【0036】120は撮影者の眼球16を照明する照明
装置であり、照明装置120の点灯・消灯は照明装置駆
動装置121により制御される。照明装置120はファ
インダ接眼窓(不図示)の下方等の眼球16を照明でき
る位置に配置され、赤外発光ダイオード等が用いられ
る。なお、図18では照明装置120を一個のみ記した
が、注視位置算出方法によっては複数個設けられること
もある。接眼レンズ15のハーフミラー15aは赤外光
を反射するように構成されており、眼球16により反射
された赤外光はこのハーフミラー15aで反射された
後、赤外成分を反射するダイクロイックミラー122で
反射され、結像レンズ123によって眼球像を撮像する
光電変換素子124上に結像される。光電変換素子12
4としてはCCD等の面受光素子が適しており、光電変
換素子124により撮像された眼球像の情報は光電変換
素子制御装置125を介して注視位置演算装置126へ
送られる。注視位置演算装置126は光電変換素子12
4からの眼球像情報に基づいて注視位置を算出し、その
注視位置情報を中央演算装置18,焦点検出位置制御装
置3,表示制御装置および測光・測色装置8に送られ
る。なお、上述した照明装置120,照明装置駆動装置
121,ダイクロイックミラー122,結像レンズ12
3,光電変換素子124,光電変換素子制御装置125
および注視位置計算部126は図17の注視位置演算装
置102を構成する。
【0037】注視位置計算部126による注視位置算出
の具体的な手順については、既に本出願人による特開平
6−94978号明細書、特開平6−347866号明
細書等をはじめ様々な手順が提案されており、いずれの
手順を用いても良いが、以下では算出手順の一例につい
てその概略を説明する。
【0038】図19は、人の眼球の透視図である。撮影
者の眼球16の注視位置は、以下に定義する眼球回転角
θ、φを算出することによって求めることができる。な
お、人の眼球には他に水晶体があるが、ここで用いてい
る注視位置算出方法には影響ないため省略してある。
【0039】図19において、130は角膜、131は
虹彩であり、眼球16内に任意の3次元座標を取り、そ
の原点をOとする。任意の方向を向いている撮影者の眼
球16は、原点OからX軸方向の平行移動量L,Y軸方
向の平行移動量Kだけずれた位置に眼球回転中心O’が
ある。ここで、眼球回転中心O’、角膜曲率中心Cおよ
び瞳孔中心Dが同一直線上にあるとし、眼球回転中心
O’と角膜曲率中心Cとの距離をρ、眼球回転中心O’
と瞳孔中心Dとの距離をAとする。角膜曲率中心Cと瞳
孔中心Dとを結ぶ直線DCが図のX−Y平面上でY軸に
対してなす角をθ、X−Y平面からの仰角をφと定義す
ると、これが求める眼球回転角θ,φである。この時、
角膜曲率中心位置Cと瞳孔中心Dとの間の距離D−Cの
X軸方向、Z軸方向の成分は、
【数1】 と表されるので、求める眼球回転角θ、φは
【数2】 と表される。ここで、A−ρは瞳孔中心Dと角膜曲率中
心Cとの距離である。
【0040】実際には、結像レンズ123の結像倍率等
の補正を行う必要がある。更に、撮影者が実際に見てい
る方向は、直線DCの線方向とは撮影者によって角γ
x、γzだけずれがあるため、この角度分を補正する必要
がある。
【0041】瞳孔中心Dおよび角膜曲率中心Cは、例え
ば以下のようにして求める。図20(a)は撮影者の眼
球16の前部と光電変換素子124の撮像範囲との関係
を示した図であり、図20(b)は光電変換素子124
により撮像された画像のうち、図20(a)の線分G
G’に沿った出力を示す図である。
【0042】図20(a)において、139は撮影者の
眼球16の前部の像、140は光電変換素子124の撮
像範囲を前眼部像139に重ねて描いたもの、13
1’,132’,133’はそれぞれは虹彩,強膜,瞳
孔の像である。134a,134bは図18に示した照
明装置120(ただし、照明装置を2つ備えるとする)
によるプルキンエ第一像であり、線分GG’は、光電変
換素子124の画素読み出し列のうちの一列を示す。
【0043】図20(b)において、横軸は左端がG、
右端がG’に対応し、横軸上の位置は線分GG’上の位
置に対応するものとし、縦軸は光電変換素子124の出
力を表している。141は虹彩像131’の出力、14
2は強膜像132’の出力、143は瞳孔像133’の
出力、144a,144bはそれぞれプルキンエ第一像
134a,134bの出力を示している。DxL,DxR
はそれぞれ、虹彩像131’のエッジ(光彩像131’
の内端)の位置を示し、P1x,P2xはプルキンエ第
一像134a,134bの位置を示している。瞳孔中心
DのX座標Dx,Z座標Dzは、
【数3】 と表される。DxLおよびDxRは上述のように線分G
G’に沿った光電変換素子124の出力から求められ、
DzLおよびDzRは、線分GG’に交差する方向に沿っ
た画素列の出力から求められる。
【0044】また、図21に示すように、角膜曲率中心
Cは、それぞれの照明装置とプルキンエ第一像を通る二
本の直線の関係から求めることができる。図21おい
て、S1,S2は照明装置を表しており、P1,P2は
それぞれ照明装置S1,照明装置S2によるプルキンエ
第一像である。求める角膜曲率中心Cは、照明装置S1
とプルキンエ第一像P1とを通る直線と照明装置S2と
プルキンエ第一像P2とを通る直線との交点である。
【0045】以上の考察により、(3)、(4)式を用
いて撮影者の眼球回転角θ、φを求めることができ、こ
の撮影者の眼球回転角θ,φ、および撮影者の眼球16
とファインダ表示画面との位置関係から、ファインダ表
示画面上における撮影者の注視位置を求めることができ
る。
【0046】図22,23は本実施の形態のカメラの動
作の一例を示すフローチャートであり、この図を用いて
注視位置の算出から撮影動作までの一連の手順を説明す
る。このフローはカメラのメインスイッチをオンするこ
とによりスタートし、ステップS1へ進んで撮影者の注
視位置を算出する。ステップS2では測光および測色を
行う。第1の実施の形態で説明した図13のフローで
は、測光および測色を行った後のステップにおいて領域
B1〜B4の測色結果に応じてマークの表示色を変えるよ
うに制御したが、本実施の形態では領域B1〜B4の画面
の色が赤色系であるか否かによってマークの表示色を制
御する。以下では、赤色系を色1と呼び、その他の色
(例えば、青色や緑色等)を色2と呼ぶことにする。
【0047】ステップS3は測色された領域B1〜B4の
画面の色が色1であるか否かを判断するステップであ
り、色1であればステップS4へ進み、色1でない場合
にはステップS14へ進む。ステップS4へ進んだ場合
には、画面の表示を消去した後、ステップS5へ進んで
表示色2のマークを注視位置に表示する。一方、ステッ
プS3でステップS14へ進んだ場合には、ステップS
14で表示を消去した後、ステップS15に進んで表示
色1のマークを注視位置に表示する。ステップS6はレ
リーズスイッチ21(図18)を半押しすることにより
オンするスイッチSW1がオンか否かを判断するステッ
プであり、オンならばステップS7へ進んで注視位置に
関する撮影レンズ11の焦点調節状態を検出し、オフな
らばステップS1へ戻る。
【0048】ところで、第1の実施の形態の図8に示し
たように焦点検出可能範囲62が露光範囲60より狭い
場合において、撮影者が焦点検出可能範囲62の外側の
領域を注視したときにはその注視位置において焦点検出
ができない。そこで、ステップS8では、焦点検出がで
きた場合にはステップS9に進み、注視位置が焦点検出
可能範囲62の外側にあって焦点検出ができなかった場
合にはステップS16に進んで、撮影者に対して焦点検
出ができなかったことを知らせる警告表示をファインダ
表示画面上に表示してステップS12へ進む。警告表示
は観察者に分りやすい易い表示であればどのようなもの
でも良く、表示の代りに警告音を発生するようにしても
良い。一方、ステップS9に進んだ場合には、ピントが
合うように撮影レンズ11を駆動した後、ステップS1
0で表示を消去してステップS11において色1,2と
異なる表示色3でマークを表示しステップS12へ進
む。
【0049】ステップS12はレリーズスイッチ21が
最後まで押込まれたときに(全押しされたときに)オン
になるスイッチSW2がオンか否かを判断するステップ
であり、スイッチSW2がオンならばステップS13へ
進んで撮影を行い一連の動作を終了する。一方、ステッ
プS12においてスイッチSW2がオフの場合にはステ
ップS17へ進む。ステップS17はスイッチSW1が
オフになったか否かを判断するステップであり、オフで
あればステップS1へ戻り、オンすなわちレリーズスイ
ッチ21が半押し状態であればステップS12へ戻る。
【0050】図24〜26は第3の実施の形態の変形例
を示す図である。第1の変形例を示す図24では、ペン
タプリズム14と接眼レンズ15との間に視度調節レン
ズ150を備えるとともに、配置スペースを小さくする
目的で結像レンズ123および光電変換素子124をペ
ンタプリズム14の傾斜を成す部分14aの近傍に配置
した。
【0051】第2の変形例を示す図25では、眼球16
で反射される照明光の光軸からずれた方向へ反射される
光を検出するように結像レンズ123および光電変換素
子124を配置した。その結果、図18に示したダイク
ロイックミラー121を省略することができる。
【0052】第3の変形例を示す図26では、図24に
示したダイクロイックミラー122を用いる代りに光分
割機能を有する2枚のレンズ27,28を用いて反射照
明光を光電変換素子124に導いている。接眼レンズで
あるレンズ152はハーフミラー152aを有してお
り、視度調整レンズであるレンズ151は赤外光を反射
するダイクロイックミラー151aを有している。その
ため、ハーフミラー152を透過した反射照明光はダイ
クロイックミラー151aで反射されて光電変換素子1
24へ導かれる。
【0053】−第4の実施の形態− 本実施の形態のカメラでは、被写体の移動をカメラが判
断して自動的に被写体を追跡する被写体追尾機能を有し
ている。図27はブロック図であり、図28はカメラの
全体構成を示す概略図である。203は被写体追尾装置
であり、測光・測色装置8によって測定された被写体お
よび背景の色の特徴を予め設定された追尾視野に関して
抽出して記憶するとともに、この記憶された特徴と新た
に抽出された被写体の特徴とに基づいて被写体の移動の
有無や移動方向を検出し、追尾視野を被写体の移動に追
尾して移動させる。同時に、被写体追尾装置203は追
尾情報を焦点検出位置制御装置3,焦点検出装置4,表
示制御装置6および測光・測色装置8へ送信し、測光・
測色位置,焦点検出位置および焦点検出位置を示す表示
の位置を移動させ、焦点検出および撮影レンズ11の駆
動を行うようにしている。その他の構成については第1
の実施の形態を示す図1,2と同様である。
【0054】図29(a),(b)は被写体Eを追尾し
ているときのファインダ表示画面を示しており、210
は焦点検出位置を示すマークである。本実施の形態のカ
メラでは、被写体Eが図29(a),(b)に示すよう
に移動したときには、マーク210も被写体Eを追尾し
て図のように移動する。なお、第1の実施の形態ではマ
ークは十字状であったが、本実施の形態では焦点検出位
置がより視認しやすいように菱形状に並んだ表示素子で
マーク210を形成した。図30は被写体F上に焦点検
出位置がある場合であり、マーク210は背景の色と区
別がしやすいように表示色が図30の場合と異なってい
る。
【0055】上述した実施の形態では、カメラを例とし
て説明したが、本発明はカメラに限らず他の光学装置に
も適用することができる。また、表示装置は発光ダイオ
ードを表示素子としたが、バックライト機構を有する液
晶表示装置を用いても良い。
【0056】以上説明した実施の形態と特許請求の範囲
の要素との対応において、ハーフミラー15aは光学部
材を、測光・測色装置8は計測装置を、表示制御装置6
は表示形態制御装置および表示位置制御装置を、指定位
置演算部10は演算手段を、視度調節レンズ150は視
度調節装置をそれぞれ構成する。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および2
の発明によれば、光学部材によって表示光と被写体光と
の重ね合わせが行われる前に、被写体光を計測装置に導
いて計測を行っているので、表示光に影響されることな
く輝度等の光学的量を計測することができる。また、請
求項3〜12の発明によれば、計測装置の計測結果に基
づいて視認しやすい色や輝度でマークが表示されるた
め、被写体の色や輝度に係わり無くマークが視認し易
い。特に、請求項7の発明によれば、表示装置による表
示位置が焦点検出領域の位置をより正確に表示する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラの第1の実施の形態を説明
する図であって、カメラの機能ブロック図。
【図2】図1に示すカメラの全体構成を示す図。
【図3】図2のカメラの変形例を示す図。
【図4】測光・測色装置8の一例を示す図。
【図5】入力装置2の一例を示す図。
【図6】AFモジュール40およびステージ30,31
を示す斜視図。
【図7】AFモジュール40の詳細を示す図。
【図8】露光範囲,露光可能範囲および焦点検出領域の
関係を示す図。
【図9】表示装置7の一例を示す図であり、表示部分の
平面図。
【図10】ファインダ表示画面上における表示装置7の
表示範囲を説明する図。
【図11】表示方法を説明する図であって、(a)は測
光・測色素子画素Ai,jと表示素子Di,jの位置関係を示
す図。
【図12】表示形態の具体例を示す図であり、焦点検出
領域が移動した場合をそれぞれ(a),(b),(c)
に示す。
【図13】表示制御の手順を示すフローチャート。
【図14】表示装置7および表示制御装置6の変形例を
示す図。
【図15】本発明によるカメラの第2の実施の形態を説
明する図であって、カメラの機能ブロック図。
【図16】図15に示すカメラの全体構成を示す図。
【図17】本発明によるカメラの第3の実施の形態を説
明する図であって、カメラの機能ブロック図。
【図18】図17に示すカメラの全体構成を示す図。
【図19】眼球の透視図。
【図20】(a)は眼球16と光電変換素子124の撮
像範囲との関係を示すで、(b)は(a)のGG’に沿
った出力を示す図。
【図21】角膜曲率中心Cと照明装置S1,S2との関
係を示す図。
【図22】カメラの動作の一例を示すフローチャート。
【図23】図22に示すフローチャートの続きを示す
図。
【図24】第3の実施の形態の第1の変形例を示す図。
【図25】第3の実施の形態の第2の変形例を示す図。
【図26】第3の実施の形態の第3の変形例を示す図。
【図27】本発明によるカメラの第4の実施の形態を説
明する図であって、カメラの機能ブロック図。
【図28】図27に示すカメラの全体構成を示す図。
【図29】追尾動作を説明する図であり、(a),
(b)は被写体Eを追尾しているときのファインダ表示
画面を示す。
【図30】被写体F上に焦点検出位置がある場合の表示
を示す図。
【図31】従来のカメラを示す図。
【符号の説明】
1 演算部 2 入力装置 3 焦点検出位置制御装置 4 焦点検出装置 5 レンズ駆動装置 6 表示制御装置 7,70 表示装置 8 測光・測色装置 9 露光装置 10 指定位置演算部 11 撮影レンズ 15 接眼レンズ 15a,152 ハーフミラー 100 焦点検出位置測定装置 102 注視位置検出手段 150,151 視度調節レンズ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示光を出射する表示装置と、 前記表示光と被写体光とを重ね合わせて出射する光学部
    材と、 前記光学部材からの光束を用いて被写体像と表示光の像
    とが重なった像を形成する光学系と、 前記光学部材より被写体側で被写体光を検出して被写体
    に関する輝度等の光学的量を計測する計測装置とを備え
    ることを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 ファインダ表示画面上にマークを表示す
    る表示装置と、 ファインダ表示画面上において前記マークと被写体像と
    が重なるように前記表示装置からの表示光に撮影レンズ
    からの被写体光を重ね合わせて出射する光学部材と、 前記被写体光を前記光学部材より前記撮影レンズ側で検
    出して被写体に関する輝度等の光学的量を計測する計測
    装置とを備えることを特徴とするカメラ。
  3. 【請求項3】 ファインダ表示画面上にマークを表示す
    る表示装置と、 ファインダ表示画面上において前記マークと被写体像と
    が重なるように前記表示装置からの表示光に撮影レンズ
    からの被写体光を重ね合わせて出射する光学部材と、 前記被写体光を検出して被写体に関する輝度等の光学的
    量を計測する計測装置と、 前記計測装置の計測結果に基づいて前記表示装置を制御
    し、前記マークを認識しやすい輝度,色に設定する表示
    形態制御装置とを備えたことを特徴とするカメラ。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のカメラにおいて、 前記計測装置の計測結果に基づいて前記表示装置を制御
    し、前記マークを認識しやすい輝度,色に設定する表示
    形態制御装置を設けたことを特徴とするカメラ。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載のカメラにおい
    て、 前記表示装置を制御してファインダ表示画面上で前記マ
    ークの表示位置を移動させる表示位置制御装置を設けた
    ことを特徴とするカメラ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のカメラにおいて、 前記撮影レンズの予定焦点面上において焦点調節状態を
    検出する焦点検出装置と、 前記予定焦点面上における前記焦点検出装置の焦点検出
    位置に関する位置情報が入力される入力装置と、 前記入力装置からの位置情報に基づいて前記焦点検出位
    置を算出する演算手段とを設け、 前記演算手段の算出結果に基づいて前記マークの表示位
    置を移動させるようにしたことを特徴とするカメラ。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のカメラにおいて、 前記撮影レンズの予定焦点面上において焦点調節状態を
    検出する焦点検出装置と、 前記予定焦点面上を前記焦点検出装置の焦点検出領域が
    移動するように前記焦点検出装置を移動させる焦点検出
    位置制御装置と、 前記焦点検出装置の位置を測定する焦点検出位置測定装
    置とを設け、前記焦点検出位置測定装置の測定結果に基
    づいて前記マークの表示位置を移動させるようにしたこ
    とを特徴とするカメラ。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のカメラにおいて、 ファインダ表示画面上における撮影者の注視位置を検出
    する注視位置検出手段を設け、前記注視位置検出手段の
    検出結果に基づいて前記マークの表示位置を移動させる
    ようにしたことを特徴とするカメラ。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載のカメラにおいて、 前記計測装置の計測結果に基づいて被写界内において被
    写体を追尾する被写体追尾装置を設け、前記被写体追尾
    装置からの被写体情報に基づいて前記マークの表示位置
    を移動させるようにしたことを特徴とするカメラ。
  10. 【請求項10】 請求項2〜9のいずれかに記載のカメ
    ラにおいて、 前記表示装置は複数の表示素子を2次元的に配列して成
    り、前記複数の表示素子の内の所定の表示素子の表示光
    により前記マークを形成することを特徴とするカメラ。
  11. 【請求項11】 請求項5〜9のいずれかに記載のカメ
    ラにおいて、 前記表示装置は少なくとも1つの表示素子を備え、前記
    表示装置によるマークがファインダ表示画面上で移動す
    るように前記表示位置制御装置により前記表示装置を移
    動させるようにしたことを特徴とするカメラ。
  12. 【請求項12】 請求項2〜11のいずれかに記載のカ
    メラにおいて、 観察者に応じて視度を調節できる視度調節装置を設けた
    ことを特徴とするカメラ。
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